1 00:00:03,563 --> 00:00:05,963 アフリカ大陸の先端部 2 00:00:06,043 --> 00:00:10,843 大西洋の波が 岩だらけの海岸に押し寄せ― 3 00:00:13,683 --> 00:00:16,963 多くのドラマが生まれます 4 00:00:27,083 --> 00:00:29,283 ミナミアフリカオットセイ 5 00:00:30,683 --> 00:00:34,043 彼らは厚い毛皮で 風雨に耐えます 6 00:00:35,123 --> 00:00:37,323 狩りに出るようです 7 00:00:47,243 --> 00:00:51,683 海中では優雅に美しく 泳ぎ回ります 8 00:00:56,723 --> 00:01:01,963 栄養豊富なベンゲル海流で 獲物を追いかけます 9 00:01:03,083 --> 00:01:07,363 機敏な動きは 小魚にも負けません 10 00:01:08,403 --> 00:01:12,603 敏感なヒゲで振動を察知し 獲物を狙います 11 00:01:14,443 --> 00:01:19,243 外洋では時速30キロもの スピードで進みます 12 00:01:25,483 --> 00:01:31,403 彼らは食糧を求め 1日に 200キロも移動するのです 13 00:01:33,403 --> 00:01:37,723 子に餌を与えるため シール島に戻る彼らを― 14 00:01:38,843 --> 00:01:42,643 アフリカ最恐の生物が 待ち受けます 15 00:01:51,723 --> 00:01:53,643 ホホジロザメです 16 00:01:53,723 --> 00:01:57,923 全長6メートルで “白い死に神〟と呼ばれます 17 00:01:58,603 --> 00:02:00,243 1匹ではありません 18 00:02:07,043 --> 00:02:13,803 シール島周辺は 世界有数の ホホジロザメの生息地です 19 00:02:17,123 --> 00:02:20,483 古代生物ですが 器官は発達しています 20 00:02:23,763 --> 00:02:29,763 鼻先についたセンサーで 魚の筋肉の動きを感知します 21 00:02:33,123 --> 00:02:36,643 特殊な血管で 体温を高く保てるため― 22 00:02:38,043 --> 00:02:39,763 冷たい海も平気です 23 00:02:45,963 --> 00:02:49,963 オットセイは 視覚と体力に優れています 24 00:02:50,043 --> 00:02:53,003 一方 サメは狩りの名手です 25 00:02:53,803 --> 00:02:57,283 サメは海の色に紛れ 深く潜り― 26 00:02:58,763 --> 00:03:03,323 時速40キロで泳ぎ 300本の歯で餌を仕留めます 27 00:03:14,803 --> 00:03:18,243 サメの脅威から 逃れられる聖域が― 28 00:03:20,123 --> 00:03:21,723 “海藻の森〟です 29 00:03:26,243 --> 00:03:28,963 サメは藻を避けるので― 30 00:03:33,563 --> 00:03:36,723 オットセイの 絶好の隠れ場です 31 00:03:39,843 --> 00:03:42,883 藻が波の緩衝材になるため― 32 00:03:46,603 --> 00:03:52,843 ここで成獣前のオットセイは 泳ぎと狩りを練習します 33 00:03:56,283 --> 00:03:58,123 でも 平穏は続きません 34 00:04:03,083 --> 00:04:09,243 ホホジロザメは鋭い感覚と 優れた知能を持っています 35 00:04:14,203 --> 00:04:19,283 サメは賢いオットセイの 裏をかく必要があります 36 00:04:20,323 --> 00:04:25,323 繁殖期には南アフリカに 大量のサメが集まります 37 00:04:25,803 --> 00:04:28,923 一匹狼として知られるサメが 38 00:04:29,003 --> 00:04:32,123 協力して狩りを行うのです 39 00:04:37,123 --> 00:04:41,163 オットセイたちが 海藻に身を隠す中 40 00:04:41,883 --> 00:04:45,563 1匹が群れから はぐれてしまいました 41 00:04:48,243 --> 00:04:52,563 サメは油断したオットセイを 狙います 42 00:05:18,163 --> 00:05:24,923 西の海岸にいるのは恐ろしい ケープシロカツオドリです 43 00:05:29,683 --> 00:05:35,243 ナミビアや南アフリカの島で 繁殖する大型の海鳥です 44 00:05:42,203 --> 00:05:47,283 毎年 数万羽のカツオドリが 南の島を離れ 45 00:05:47,363 --> 00:05:50,963 北東へ1000キロ以上も 移動します 46 00:06:02,043 --> 00:06:05,643 冬になると 南極海の冷たい海水が 47 00:06:05,723 --> 00:06:10,203 南アフリカから モザンビークへ流れます 48 00:06:13,963 --> 00:06:18,323 海流とともに 地球最大の魚群が移動します 49 00:06:20,483 --> 00:06:22,123 イワシの大移動サーディンランです 50 00:06:26,003 --> 00:06:31,123 大量の小さな魚が 暖流に沿って群れを成し 51 00:06:31,203 --> 00:06:34,003 海を暗闇へと変えます 52 00:06:37,603 --> 00:06:42,563 海岸線に沿って 冷たい水が北へ流れていき 53 00:06:42,643 --> 00:06:46,083 寒海を好むイワシも 移動します 54 00:06:57,163 --> 00:07:02,483 イワシは優れた視覚で プランクトンを探します 55 00:07:09,563 --> 00:07:13,363 魚群を狙うのは カツオドリだけでなく― 56 00:07:14,003 --> 00:07:17,723 背後からも手ごわい敵が 近づきます 57 00:07:19,443 --> 00:07:23,683 イルカの群れが 急接近してきたのです 58 00:07:28,283 --> 00:07:33,563 時速30キロで 隊列を組み 水を切って進みます 59 00:07:36,523 --> 00:07:40,643 広い海でイワシを追うのは 困難ですが 60 00:07:40,723 --> 00:07:43,723 イルカは 特殊な手段を持ちます 61 00:07:47,763 --> 00:07:49,003 反響定位エコーロケーションです 62 00:07:51,883 --> 00:07:56,163 獲物に音波を当てて その反響から 63 00:07:56,243 --> 00:08:00,163 相手の位置やサイズ 形を判断します 64 00:08:06,483 --> 00:08:09,283 今日はごちそうのようです 65 00:08:15,003 --> 00:08:17,963 別のイルカも合流しました 66 00:08:21,043 --> 00:08:24,843 イルカの群れが イワシを襲います 67 00:08:38,763 --> 00:08:43,523 イワシはイルカに囲まれ 身を寄せ合います 68 00:08:48,203 --> 00:08:54,683 イルカたちは獲物を追い込み 容赦なく食らいつきます 69 00:08:58,243 --> 00:09:03,083 泡の網を作り イワシを海面に押し上げます 70 00:09:12,963 --> 00:09:16,123 上空からの奇襲攻撃です 71 00:09:23,283 --> 00:09:27,083 イルカのヒレで 水しぶきが上がります 72 00:09:29,363 --> 00:09:32,123 カツオドリが到着しました 73 00:09:34,603 --> 00:09:36,883 狩りの始まりです 74 00:09:39,843 --> 00:09:42,083 ミサイルのごとく― 75 00:09:42,163 --> 00:09:48,043 時速100キロで飛び込み 水深20メートルまで潜ります 76 00:09:51,683 --> 00:09:55,563 頭部のエアバッグで 衝撃に耐えます 77 00:10:02,643 --> 00:10:07,923 水中では翼と足を駆使し イワシを追い回します 78 00:10:11,843 --> 00:10:14,123 約1分間泳ぎ続けます 79 00:10:18,963 --> 00:10:25,203 イルカは多方向から攻撃し 餌を海面近くに押し上げます 80 00:10:36,003 --> 00:10:39,483 イワシの魚群は壊滅状態です 81 00:10:57,283 --> 00:11:00,803 イルカが獲物を 追い続ける一方で 82 00:11:01,803 --> 00:11:05,963 カツオドリは島に戻り 子に餌を与えます 83 00:11:07,443 --> 00:11:12,403 多くの鳥にとっては 初めての経験でしたが 84 00:11:27,883 --> 00:11:30,323 最期となった鳥もいます 85 00:11:30,883 --> 00:11:36,923 飛び込む角度を間違え 首を骨折してしまったのです 86 00:11:38,683 --> 00:11:40,843 狩りの時間が終わり― 87 00:11:40,923 --> 00:11:45,883 血と魚の油の匂いが 辺りに充満しています 88 00:11:49,123 --> 00:11:51,483 サメの食事の時間です 89 00:11:55,443 --> 00:11:59,883 サメは最古の海の捕食者で― 90 00:11:59,963 --> 00:12:04,043 何百万年もの間 大洋を支配してきました 91 00:12:06,403 --> 00:12:09,563 高度に発達した視覚と臭覚 92 00:12:10,763 --> 00:12:17,123 そして 魚が発する電流を 感知する器官を持っています 93 00:12:17,203 --> 00:12:19,443 海の脅威です 94 00:12:21,683 --> 00:12:25,843 イタチザメは 体重が1トンにも及ぶ― 95 00:12:25,923 --> 00:12:29,203 海洋最大級の頂点捕食者です 96 00:12:30,443 --> 00:12:33,123 好き嫌いはありません 97 00:12:33,203 --> 00:12:37,123 目の前に現れた獲物は 生死を問わず― 98 00:12:37,203 --> 00:12:39,963 彼らの餌食となります 99 00:12:43,203 --> 00:12:48,683 イタチザメのあごは 骨をも砕くほど強力です 100 00:12:51,803 --> 00:12:55,203 死傷したカツオドリを 素早く食し― 101 00:12:55,283 --> 00:13:00,083 イワシの大移動の追跡を 再開しました 102 00:13:09,643 --> 00:13:13,603 普段は海底で 生息するドタブカも 103 00:13:13,683 --> 00:13:16,803 イワシを狙い 浮上します 104 00:13:22,963 --> 00:13:29,443 サメの中で最もかむ力が強く 高い殺傷能力の持ち主です 105 00:13:32,843 --> 00:13:37,723 ドタブカがイワシの大群に 襲いかかります 106 00:13:47,843 --> 00:13:52,603 体重の10分の1の量を 1回の食事で平らげます 107 00:14:08,803 --> 00:14:14,363 渦巻くイワシの大群に 次々と突入していきます 108 00:14:14,763 --> 00:14:17,643 口を大きく開け 餌を飲み込みます 109 00:14:41,043 --> 00:14:44,923 イワシが去り 静けさが戻りました 110 00:14:51,403 --> 00:14:54,963 平和なサンゴ礁に 見えますが― 111 00:14:55,683 --> 00:15:01,563 ここでも激しい生存争いが 繰り広げられています 112 00:15:01,643 --> 00:15:04,763 脅威となるのはサメです 113 00:15:06,923 --> 00:15:10,003 彼らがこの海にやってくると 114 00:15:10,083 --> 00:15:13,443 “ハンガーゲーム〟が 始まります 115 00:15:16,203 --> 00:15:19,603 サンゴ礁に身を潜める獲物を 116 00:15:20,563 --> 00:15:24,523 激しく 素早く攻撃的に 追いかけます 117 00:15:25,283 --> 00:15:29,843 ハタ類の魚は普段 巣穴の外で生活しますが 118 00:15:30,563 --> 00:15:33,443 敵が来ると巣に隠れます 119 00:15:45,403 --> 00:15:49,203 しかし サメからは 逃れられません 120 00:15:55,563 --> 00:15:59,963 食事が始まると 海は戦場と化します 121 00:16:08,123 --> 00:16:12,323 海洋面積の1パーセントの サンゴ礁に― 122 00:16:12,403 --> 00:16:16,723 全海洋生物の4分の1が 生息しています 123 00:16:17,843 --> 00:16:21,243 餌や縄張りをめぐる競争が― 124 00:16:24,403 --> 00:16:27,403 特殊な生態を形成させました 125 00:16:32,003 --> 00:16:37,083 この独特な姿の底生生物は 待ち伏せをかけます 126 00:16:38,163 --> 00:16:40,123 エンマゴチです 127 00:16:44,283 --> 00:16:46,803 砂地に潜み 餌を待ちます 128 00:16:49,843 --> 00:16:52,963 体は海底に似た まだら模様で 129 00:16:53,803 --> 00:16:57,723 獲物にも なかなか 気づかれません 130 00:16:58,323 --> 00:17:02,203 しかし ハンターを 狙う魚もいます 131 00:17:07,323 --> 00:17:11,803 コントラスト感度が高く 体色変化も可能な生物が 132 00:17:11,883 --> 00:17:14,483 ゴチの擬態を見破りました 133 00:17:16,243 --> 00:17:17,443 コウイカです 134 00:17:17,883 --> 00:17:21,843 2000万個以上の 色素胞を持ち 135 00:17:21,923 --> 00:17:24,963 瞬時に背景に溶け込めます 136 00:17:30,843 --> 00:17:33,003 それだけではなく― 137 00:17:33,803 --> 00:17:38,923 ジェット機のような 高速移動も可能です 138 00:17:43,683 --> 00:17:46,403 コウイカは戦略的な生物で 139 00:17:46,483 --> 00:17:52,363 獲物に分かりやすい場所に わざと隠れることもあります 140 00:17:57,763 --> 00:18:01,803 体の色を変え 獲物を引きつけることも 141 00:18:08,163 --> 00:18:12,923 同じ手法を用いる魚にも 通用するでしょうか 142 00:18:21,123 --> 00:18:25,723 エンマゴチは 敵に気づけませんでした 143 00:18:34,163 --> 00:18:38,483 カムフラージュする生物は 他にもいます 144 00:18:39,683 --> 00:18:45,403 モザンビーク沖のサンゴ礁は 危険が溢れています 145 00:18:47,443 --> 00:18:50,643 冷徹な捕食者の生息地です 146 00:18:53,643 --> 00:18:56,163 オニダルマオコゼは 147 00:18:56,243 --> 00:19:01,763 背ビレの付け根から 強力な神経毒を分泌します 148 00:19:05,283 --> 00:19:08,083 地球上で最も危険な魚で 149 00:19:08,163 --> 00:19:11,843 1時間で人を死に至らせます 150 00:19:13,923 --> 00:19:18,603 岩のような見た目で 泳ぎは不得意ですが― 151 00:19:19,883 --> 00:19:23,043 泳ぐ必要もありません 152 00:19:23,683 --> 00:19:29,083 動かずに何時間も チャンスを待ち続けます 153 00:20:04,923 --> 00:20:07,963 獲物との距離が近づくと 154 00:20:08,963 --> 00:20:11,963 口を開き 飲み込みます 155 00:20:18,443 --> 00:20:22,483 サンゴ礁には 他にも危険な魚がいます 156 00:20:25,923 --> 00:20:27,843 フサカサゴです 157 00:20:31,643 --> 00:20:35,123 オコゼ同様 サンゴに身を潜めます 158 00:20:56,643 --> 00:20:59,203 動かないオコゼと違い― 159 00:21:00,123 --> 00:21:03,843 カサゴは自ら獲物に 近寄ります 160 00:21:11,323 --> 00:21:14,763 エラ蓋で口を覆って密閉し― 161 00:21:15,243 --> 00:21:20,643 餌が近づくと 蓋を開け 獲物を吸い込みます 162 00:21:36,123 --> 00:21:41,323 フサカサゴは猛毒と 擬態能力の持ち主です 163 00:21:42,283 --> 00:21:45,803 一方でタコは 毒と擬態能力を持ち 164 00:21:45,883 --> 00:21:50,283 高速で移動し 吸盤つきの触手もあります 165 00:21:51,363 --> 00:21:54,363 フサカサゴさえも食します 166 00:22:30,923 --> 00:22:36,043 タコは体の色を変え 獲物をこっそりと追います 167 00:22:37,683 --> 00:22:43,523 優れた視力で 遠くから フサカサゴを見つけます 168 00:22:45,043 --> 00:22:46,763 擬態はムダです 169 00:22:54,003 --> 00:22:55,523 追跡開始です 170 00:23:02,083 --> 00:23:05,883 タコは高速で移動し 優位に立ちます 171 00:23:14,443 --> 00:23:19,763 フサカサゴは幸運にも 穴を見つけ 逃げ込みます 172 00:23:19,843 --> 00:23:22,723 今日は死を免れました 173 00:23:24,803 --> 00:23:29,963 お腹をすかせたタコは 次の獲物を見つけました 174 00:23:31,483 --> 00:23:32,403 オコゼです 175 00:23:35,723 --> 00:23:41,563 岩に似た見た目に タコが だまされることはありません 176 00:23:43,683 --> 00:23:48,243 タコは毒があるヒレを 巧みに避けて 177 00:23:48,323 --> 00:23:50,723 オコゼを捕まえました 178 00:23:50,803 --> 00:23:53,763 毒で獲物をまひさせます 179 00:23:57,843 --> 00:24:01,483 家に持ち帰り 食事の時間です 180 00:24:05,123 --> 00:24:09,483 アフリカのサンゴ礁には 巨大な魚もいます 181 00:24:10,963 --> 00:24:14,563 油断すれば 生きては帰れません 182 00:24:18,563 --> 00:24:20,643 コモリザメです 183 00:24:25,563 --> 00:24:27,763 ゆっくりとした動きは 184 00:24:27,843 --> 00:24:31,243 コモリザメの 戦略のひとつです 185 00:24:32,243 --> 00:24:34,163 普段は夜行性ですが 186 00:24:34,243 --> 00:24:39,883 大好物のタコの気配がすると 洞窟から出てきます 187 00:24:45,843 --> 00:24:48,403 捕食者同士の対決です 188 00:24:52,843 --> 00:24:57,803 口元についた 細長く敏感なヒゲのおかげで 189 00:24:57,883 --> 00:25:01,163 周囲の状況を把握できます 190 00:25:06,243 --> 00:25:08,843 タコは穴に逃げます 191 00:25:11,803 --> 00:25:13,843 間に合いませんでした 192 00:25:19,203 --> 00:25:23,883 サメは細い口で 隠れたタコを引き抜きます 193 00:25:24,603 --> 00:25:28,803 タコは毒を出して 必死に抵抗しますが 194 00:25:28,883 --> 00:25:31,923 サメの力には かないません 195 00:25:41,203 --> 00:25:44,043 アフリカ南東部の海岸では 196 00:25:44,683 --> 00:25:48,643 岩だらけの岸に 波がぶつかります 197 00:25:52,083 --> 00:25:56,603 波が寄せる度 海は激しく荒れ狂います 198 00:26:04,443 --> 00:26:09,443 ここにも 複雑で繊細な 関係が息づいています 199 00:26:12,243 --> 00:26:16,563 潮の流れがペルナイガイの 食事を運びます 200 00:26:17,483 --> 00:26:20,963 岩に張りつくペルナイガイを 201 00:26:21,043 --> 00:26:24,403 ミヤコドリが 採ろうとしています 202 00:26:30,763 --> 00:26:35,203 波で落ちた貝を ロブスターが見つけました 203 00:26:39,243 --> 00:26:42,963 強力なあごで 貝を割ります 204 00:26:50,323 --> 00:26:56,163 体重の4パーセントの量を 毎日食べ 急速に成長します 205 00:26:56,243 --> 00:27:00,163 20年の生涯の間 成長は止まりません 206 00:27:01,003 --> 00:27:04,763 餌が足りないと 不機嫌になります 207 00:27:22,443 --> 00:27:25,403 暖流域のロブスターは 208 00:27:25,483 --> 00:27:29,323 寒流域と違って ハサミを持ちません 209 00:27:32,403 --> 00:27:37,363 代わりに大きな触覚を用いて 戦いに臨みます 210 00:27:55,203 --> 00:27:58,043 威嚇がケンカに発展しました 211 00:28:00,563 --> 00:28:04,283 勝利したロブスターが 餌を獲得します 212 00:28:09,603 --> 00:28:14,803 ロブスターは 強力な口で 閉じた貝の糸を切断し 213 00:28:14,883 --> 00:28:17,483 薄い縁を砕き割ります 214 00:28:18,483 --> 00:28:22,083 贅沢な食事を独り占めです 215 00:28:24,643 --> 00:28:28,283 海岸でも競争が起きています 216 00:28:29,123 --> 00:28:33,723 赤潮でロブスターが 陸に打ち上げられました 217 00:28:35,203 --> 00:28:39,043 鳥たちが集まり 争奪戦の始まりです 218 00:28:43,523 --> 00:28:48,763 赤潮によって運ばれた ロブスターやカニなどを 219 00:28:48,843 --> 00:28:52,683 ミナミオオセグロカモメが 捕食します 220 00:28:56,763 --> 00:29:00,963 強風で起きた波が 深海の藻を巻き上げ 221 00:29:01,043 --> 00:29:03,683 赤潮が発生します 222 00:29:04,763 --> 00:29:09,923 暖かい海で 繁殖した藻が 水中の酸素を吸い込み 223 00:29:10,003 --> 00:29:12,563 生物は窒息するのです 224 00:29:12,643 --> 00:29:16,083 カモメはごちそうに 大喜びです 225 00:29:26,683 --> 00:29:29,283 鋭い目で獲物を見つけ 226 00:29:29,363 --> 00:29:32,563 細いくちばしで 食らいつきます 227 00:29:43,843 --> 00:29:48,963 カモメがいなければ ロブスターは腐るでしょう 228 00:29:51,923 --> 00:29:56,563 カモメは海岸の清掃者とも 言えるのです 229 00:30:01,803 --> 00:30:05,483 カモメの鳴き声が響く一方で 230 00:30:05,963 --> 00:30:12,403 アリワルショールの岩礁には 静かなハンターが潜みます 231 00:30:17,323 --> 00:30:21,243 サメにしては 動きは早くありません 232 00:30:21,323 --> 00:30:25,643 しかし 全長3メートル 体重160キロと 233 00:30:25,723 --> 00:30:27,683 サメらしい体格です 234 00:30:29,163 --> 00:30:32,603 シロワニは 別名“歯並びの悪いサメ〟 235 00:30:33,203 --> 00:30:37,603 歯は獲物をつかむために 発達しました 236 00:30:38,723 --> 00:30:41,163 餌を丸のみすることも 237 00:30:51,923 --> 00:30:55,043 見かけ通り 危険なサメで 238 00:30:55,483 --> 00:31:00,163 物静かで行動が読めず 攻撃的な面もあります 239 00:31:02,323 --> 00:31:08,563 長くてたくましい尾ビレで 急発進することができます 240 00:31:17,323 --> 00:31:20,603 シロワニは サンゴ礁や難破船で― 241 00:31:21,923 --> 00:31:25,003 1日の大半を過ごします 242 00:31:29,323 --> 00:31:32,283 他の多くのサメとは違い― 243 00:31:32,763 --> 00:31:36,323 空気を吸い込むことが 可能です 244 00:31:36,403 --> 00:31:40,683 エラで水をくみ上げ 特技を発揮します 245 00:31:42,283 --> 00:31:43,243 静かさです 246 00:31:52,843 --> 00:31:57,763 モザンビーク沖の暖かい海へ 群れで移動します 247 00:32:03,363 --> 00:32:08,283 途中 アリワルショールで 休息を取ります 248 00:32:11,763 --> 00:32:13,563 獲物の宝庫です 249 00:32:16,803 --> 00:32:21,363 小魚は保身のため サメの近くを泳ぎます 250 00:32:23,843 --> 00:32:29,323 サメたちは奇襲を仕掛け 無防備な獲物を狙います 251 00:32:51,403 --> 00:32:57,603 頭を左右に素早く振りながら 餌を一気に飲み込みます 252 00:33:27,403 --> 00:33:29,323 地上の街と同様に 253 00:33:29,403 --> 00:33:34,123 海の中にも 不思議な世界が 広がっています 254 00:33:36,923 --> 00:33:41,003 カラフルな岩の層や溝 洞窟の中で 255 00:33:41,083 --> 00:33:44,083 何千種もの生物が暮らします 256 00:33:53,683 --> 00:33:58,363 細長い流線形の捕食者が 姿を見せました 257 00:33:59,003 --> 00:34:00,963 ウツボです 258 00:34:03,963 --> 00:34:05,683 サンゴ礁を抜け 259 00:34:05,763 --> 00:34:10,963 岩の隙間にするりと入り込み 獲物を探します 260 00:34:28,483 --> 00:34:31,643 鋭くとがった歯と 2組のアゴで 261 00:34:31,723 --> 00:34:35,163 獲物に食らいつき 放しません 262 00:34:39,563 --> 00:34:44,603 ここにいる捕食者は ウツボだけではありません 263 00:34:45,603 --> 00:34:49,443 ネムリブカと オグロメジロザメが 264 00:34:49,523 --> 00:34:51,323 ウツボを狙います 265 00:35:10,763 --> 00:35:14,283 ネムリブカは 海底付近で活動し― 266 00:35:14,363 --> 00:35:17,403 オグロメジロザメは 上を泳ぎます 267 00:35:18,563 --> 00:35:21,723 ウツボに逃げ場はありません 268 00:35:24,003 --> 00:35:27,283 1匹のサメでも恐ろしいのに 269 00:35:27,763 --> 00:35:30,123 群れに襲われることも 270 00:35:55,963 --> 00:35:59,123 ネムリブカたちの襲撃です 271 00:36:17,923 --> 00:36:21,843 オグロメジロザメは 離れて眺めます 272 00:36:25,243 --> 00:36:29,283 今日のところは 残飯で我慢するようです 273 00:36:35,483 --> 00:36:39,323 日が沈むと 波が荒れ始めました 274 00:36:42,443 --> 00:36:48,123 ミナミアフリカオットセイが 食事を終え 帰宅します 275 00:36:48,203 --> 00:36:52,563 しかし イワシに 別の敵が近づきます 276 00:36:55,123 --> 00:36:59,403 魚類最速級の 捕食者の登場です 277 00:37:02,803 --> 00:37:07,003 マカジキの危険度は サメに匹敵します 278 00:37:07,083 --> 00:37:09,123 体重は200キロ以上 279 00:37:09,203 --> 00:37:12,643 時速110キロで 泳ぐことができます 280 00:37:13,323 --> 00:37:19,443 まずは剣のように鋭い角で 魚の群れを切り裂きます 281 00:37:19,523 --> 00:37:23,483 そして気絶した獲物を 食べに戻ります 282 00:37:45,923 --> 00:37:50,803 新たな刺客が加わり 危険が倍増しました 283 00:37:52,443 --> 00:37:57,923 体長と同じ 3メートルの 帆に似た背ビレを持ちます 284 00:37:58,003 --> 00:38:04,123 バショウカジキは世界最速の 魚類として知られます 285 00:38:05,123 --> 00:38:09,083 獲物を得るため 互いに協力します 286 00:38:16,163 --> 00:38:20,203 狩りの際はケガのリスクが 高まります 287 00:38:24,043 --> 00:38:27,443 複数の捕食者が絡めば なおさらです 288 00:38:30,083 --> 00:38:33,723 オットセイはカジキを避け 帰ります 289 00:38:44,763 --> 00:38:48,003 あっという間に 狩りは終了します 290 00:38:53,403 --> 00:38:57,523 今宵 満月が海を 明るく照らす頃 291 00:38:57,963 --> 00:39:00,483 獰猛どうもうなサメが現れます 292 00:39:01,203 --> 00:39:03,083 ツマジロです 293 00:39:03,163 --> 00:39:07,963 巨体で攻撃的なこのサメは 縄張りを支配します 294 00:39:10,803 --> 00:39:14,603 ツマジロは とても凶暴な性格で 295 00:39:14,683 --> 00:39:18,963 自分より大きな仲間を 襲うこともあります 296 00:39:19,563 --> 00:39:23,603 この捕食者は 優れた聴覚と臭覚に加え― 297 00:39:26,363 --> 00:39:31,243 暗く濁った海をも見通す 大きな目の持ち主です 298 00:39:39,443 --> 00:39:41,083 口先は長くて幅広く 299 00:39:41,163 --> 00:39:46,563 何十列もの ギザギザの歯で 獲物を食いちぎります 300 00:40:12,283 --> 00:40:14,363 ツマジロの皮膚には 301 00:40:14,443 --> 00:40:19,883 鋭く硬い突起がついていて まるで甲冑かっちゅうのようです 302 00:40:23,003 --> 00:40:28,083 ツマジロは予測不能な動きで 魚群を混乱させます 303 00:40:29,963 --> 00:40:36,003 また 水の振動を察知して 獲物や敵の位置を把握します 304 00:40:38,803 --> 00:40:42,523 魚群はドーナツ型の輪を作り 305 00:40:42,603 --> 00:40:46,603 サメの襲撃から 逃れようと試みます 306 00:40:49,283 --> 00:40:52,203 ツマジロは止まりません 307 00:41:13,883 --> 00:41:19,123 海底では 待ち伏せの戦術を 用いるハンターが 308 00:41:19,203 --> 00:41:21,843 水中を飛び回ります 309 00:41:23,523 --> 00:41:29,043 アカエイは獲物を探す際 電気感知器官を用います 310 00:41:30,283 --> 00:41:36,163 尾の先端のトゲには 敵を苦しめる猛毒があります 311 00:41:44,763 --> 00:41:46,563 天敵の登場です 312 00:41:48,803 --> 00:41:53,403 珍しいエビスザメが 海底をゆっくりと泳ぎます 313 00:42:12,843 --> 00:42:17,363 アカエイは砂地に 身を隠そうと必死です 314 00:42:19,323 --> 00:42:21,643 サメには通用しません 315 00:42:24,123 --> 00:42:28,563 サメは岩の隙間にも 素早く入り込めます 316 00:42:44,443 --> 00:42:47,923 獲物となる魚の気配を 察知すると 317 00:42:48,003 --> 00:42:49,963 瞬時に追跡します 318 00:43:01,003 --> 00:43:02,883 エイを発見しました 319 00:43:03,763 --> 00:43:06,203 エイは全力で逃げます 320 00:43:14,483 --> 00:43:16,803 逃げ切れるでしょうか 321 00:43:42,123 --> 00:43:46,243 アフリカ周辺の海は 広大で危険です 322 00:43:46,323 --> 00:43:50,083 たくさんの生命と死を 観察できます 323 00:43:50,163 --> 00:43:52,083 何千年もの間― 324 00:43:52,163 --> 00:43:55,803 捕食者と被食者が 共存してきました 325 00:43:57,683 --> 00:44:01,763 被食者の流血で 生態系は維持されます 326 00:44:01,843 --> 00:44:03,843 大きさに関わらず 327 00:44:03,923 --> 00:44:07,883 逃げ隠れする場所は どこにもないのです 328 00:44:07,963 --> 00:44:09,963 日本版字幕 森山 ほのか