1
00:00:18,660 --> 00:00:20,330
オリバー・ストーン作品
2
00:00:53,320 --> 00:00:56,450
監督 オリバー・ストーン
3
00:00:59,450 --> 00:01:03,040
プーチン・インタビュー
4
00:01:03,040 --> 00:01:04,830
第1部
5
00:01:05,210 --> 00:01:09,840
この映画は2015年7月から2017年2月に
かけて行われた対話に基づく
6
00:01:14,920 --> 00:01:17,800
- 今朝ABCニュースが得た
政府高官の話によると
7
00:01:17,800 --> 00:01:21,560
民主党全国委員会へのハッキングに
プーチン ロシア大統領が
8
00:01:21,560 --> 00:01:23,850
直接関わっていたということです
9
00:01:23,850 --> 00:01:27,690
(ジュリアン・アサンジ)このふた月
繰り返し述べてきましたが
10
00:01:27,690 --> 00:01:30,860
我々の情報源はロシア政府ではありません
11
00:01:31,150 --> 00:01:36,150
(ヒラリー・クリントン)ウラジミール・プーチンが直接
秘密のサイバー攻撃を指揮したのです
12
00:01:36,150 --> 00:01:39,070
(ビル・オライリー)プーチンを尊敬する?
(トランプ)尊敬するね
13
00:01:39,070 --> 00:01:41,160
- どうして?
プーチンは人殺しですよ?
14
00:01:41,160 --> 00:01:44,540
- 人殺しなど幾らでもいる
米国が無実だとでも?
15
00:01:46,830 --> 00:01:48,210
- こんにちは
- ご機嫌いかが?
16
00:01:48,210 --> 00:01:50,460
大統領
再会できて嬉しい
17
00:01:50,630 --> 00:01:52,380
ここに座ってもらおうかと
18
00:01:52,380 --> 00:01:54,840
- いいですよ
- 私はこっちに
19
00:01:54,840 --> 00:01:56,420
少し話をしてみて
20
00:01:57,930 --> 00:02:00,010
あとはアドリブで
21
00:02:00,010 --> 00:02:01,930
一切制限なしです
22
00:02:02,560 --> 00:02:03,470
よし!
23
00:02:09,850 --> 00:02:13,940
[1991年12月15日]
-
過去40年間 米国は西側の共産主義との戦いと
24
00:02:13,940 --> 00:02:18,570
我々の価値観の防衛を 率いてきました
25
00:02:18,570 --> 00:02:22,320
この戦いは 全ての米国人の生活を
かたち作ってきました
26
00:02:22,620 --> 00:02:25,250
全ての国々が 核による破滅の不安の中で
27
00:02:25,250 --> 00:02:27,800
生きることを強いられてきました
28
00:02:28,160 --> 00:02:30,660
この対立は 終わりを告げました
29
00:02:30,830 --> 00:02:32,880
(プーチン)ロシアの歴史上初めて
30
00:02:32,880 --> 00:02:35,840
この国の最高権力が
31
00:02:35,840 --> 00:02:39,130
[2000年5月7日]
–
最も民主的かつ簡潔な方法で移譲されました
32
00:02:39,130 --> 00:02:41,050
[2000年5月7日]
–
–
33
00:02:41,050 --> 00:02:42,800
[2000年5月7日]
–
国民の意思により
34
00:02:42,800 --> 00:02:43,640
[2000年5月7日]
–
–
35
00:02:43,640 --> 00:02:46,310
[2000年5月7日]
–
合法かつ平和的に
36
00:02:48,350 --> 00:02:51,730
- 西側の人は大抵 あなたのことを
良く知らないと思うんですよ
37
00:02:51,730 --> 00:02:55,530
[2015年7月 クレムリン 午後11:30]
–
経歴や生い立ちを知りたいのですが
38
00:02:55,690 --> 00:02:59,860
生まれは1952年10月ですよね
39
00:02:59,860 --> 00:03:01,320
大戦終了後だ
40
00:03:01,320 --> 00:03:04,080
あなたの母上は
工場労働者で
41
00:03:04,080 --> 00:03:06,790
父上は戦争に行かれた
42
00:03:06,790 --> 00:03:09,410
共同住宅で多くの家庭とともに
43
00:03:09,410 --> 00:03:11,620
育ったということですが
44
00:03:11,620 --> 00:03:14,500
母は工場で働いていません
45
00:03:14,500 --> 00:03:16,800
工場働きは父でした
46
00:03:16,800 --> 00:03:17,880
何をなさっていた?
47
00:03:17,880 --> 00:03:24,720
父は職業学校を出て
技師として働いていました
48
00:03:24,930 --> 00:03:26,680
でも 戦争でけがを
なさった?
49
00:03:26,930 --> 00:03:33,770
ええ 開戦時は特殊機関で働いていましたが
50
00:03:33,940 --> 00:03:38,900
その後 軍隊へと送られ
51
00:03:38,900 --> 00:03:45,990
レニングラードの最も危険な前線地帯に派遣された
52
00:03:47,120 --> 00:03:52,710
私は両親の初めての(生き残った)子供です
私の前に 2人亡くしている
53
00:03:54,130 --> 00:03:57,170
1人はレニングラード包囲戦
大祖国戦争(第2次大戦中)で
54
00:03:57,340 --> 00:04:01,300
- 小さい頃は 非行があったと
聞いているんですが
55
00:04:01,300 --> 00:04:05,550
12歳で柔道を始めるまでは
わんぱくな子供だったと
56
00:04:05,550 --> 00:04:14,350
それまで中庭や街角で自由を満喫していましたが
57
00:04:14,350 --> 00:04:20,740
柔道を始めて これが人生を上向かせる
きっかけになりました
58
00:04:22,900 --> 00:04:25,410
- ええと 高校を卒業して
59
00:04:25,410 --> 00:04:27,410
そのまま法律学校へ入った
60
00:04:27,410 --> 00:04:29,080
これはロシアの制度?
61
00:04:29,410 --> 00:04:34,170
そうです レニングラードで中等教育を終えたのち
62
00:04:35,330 --> 00:04:38,040
そのまま
63
00:04:38,040 --> 00:04:40,590
レニングラード大学の法律学校へ行きました
64
00:04:41,210 --> 00:04:43,010
そこで最初の奥さんと出会った?
65
00:04:44,050 --> 00:04:46,510
最後の…
いや 奥さんは1人だけか
66
00:04:46,720 --> 00:04:51,140
それは後のことです
7年後だ
67
00:04:53,270 --> 00:04:56,350
- そのまま75年にKGBに入った?
68
00:04:56,350 --> 00:05:00,190
1975年…
レニングラードで入ってますね
69
00:05:00,780 --> 00:05:02,990
ソ連の高等教育機関には
70
00:05:02,990 --> 00:05:05,700
職業分配の仕組みがありました
71
00:05:05,700 --> 00:05:08,660
高等教育機関を卒業した者は
72
00:05:08,660 --> 00:05:11,990
与えられた職場に向かうことに
なっていました
73
00:05:12,410 --> 00:05:14,250
それは… 強制だった?
74
00:05:14,250 --> 00:05:16,750
決まりで 従う義務はあったのですが
75
00:05:16,750 --> 00:05:18,380
自分の希望でもありました
76
00:05:19,590 --> 00:05:24,880
というか 私はKGBで働きたくて
法律学校に入ったのです
77
00:05:24,880 --> 00:05:27,300
[ヴャチェスラフ・ チーホノフ(俳優)]
–
- その憧れは つまり…
78
00:05:27,300 --> 00:05:29,930
[ゲオルギー・ジジョノフ(俳優)]
–
KGBや諜報を舞台にしたソ連映画からだ
79
00:05:29,930 --> 00:05:31,430
その通り
80
00:05:31,430 --> 00:05:33,520
本とか 映画とか
81
00:05:33,520 --> 00:05:36,940
正しい
良くわかりましたね
82
00:05:36,940 --> 00:05:40,310
1985年から1990年まで
ドレスデンで勤務
83
00:05:40,400 --> 00:05:43,610
でも最初の10年間は
ほぼレニングラードにいたと
84
00:05:43,990 --> 00:05:49,620
ええ レニングラードと
モスクワの特務学校で
85
00:05:49,660 --> 00:05:53,120
- 1985〜1990年の東ドイツは
陰鬱ですね
86
00:05:53,290 --> 00:05:54,120
- ええと…
87
00:05:56,710 --> 00:05:58,790
陰鬱とは言いませんが
88
00:05:58,790 --> 00:06:01,380
50年代で時間が止まった社会ですね
89
00:06:01,380 --> 00:06:02,920
- 奇妙な時代だった
90
00:06:02,960 --> 00:06:06,630
モスクワに戻ったのですか?
ペレストロイカはその目で見た?
91
00:06:06,920 --> 00:06:11,720
あの… ゴルバチョフと仲間たちが
祖国に変化が必要だと考えたのは
92
00:06:11,720 --> 00:06:15,730
良く理解できます
93
00:06:15,730 --> 00:06:19,940
今日 私は自信を持って申し上げますが
94
00:06:21,230 --> 00:06:23,230
どのような変化が必要だったか
95
00:06:23,230 --> 00:06:25,070
それをどう実現するかを
96
00:06:25,070 --> 00:06:27,110
彼らは理解していなかった
97
00:06:27,340 --> 00:06:31,320
これはゴルバチョフのアイデアですよ
あなたは その影響を受けていた
98
00:06:31,320 --> 00:06:33,780
ゴルバチョフのアイデアではありません
99
00:06:33,780 --> 00:06:38,580
ユートピアの考え方はフランス社会主義者が
進めたもので
100
00:06:38,580 --> 00:06:40,630
ゴルバチョフとは関係ありません
101
00:06:40,630 --> 00:06:46,170
繰り返しますが 変化の必要性を見たのは
ゴルバチョフの功績だ その通り
102
00:06:46,170 --> 00:06:50,680
さらに組織を変化させようと努力した
103
00:06:50,680 --> 00:06:54,060
ただ問題は 組織が元から効率的では
無かったことです
104
00:06:55,430 --> 00:06:59,520
国を保ったまま どうやって
105
00:06:59,520 --> 00:07:01,900
状況と組織を抜本的に改めるか?
106
00:07:01,900 --> 00:07:06,440
当時は ゴルバチョフを始め
誰も理解していなかった
107
00:07:06,440 --> 00:07:09,030
そして国を崩壊へと押しやってしまった
108
00:07:09,840 --> 00:07:12,910
- ソビエト連邦が崩壊して
109
00:07:12,910 --> 00:07:15,910
エリツィンの元で
ロシア連邦が建った
110
00:07:18,200 --> 00:07:19,870
- あの当時
111
00:07:19,870 --> 00:07:25,130
ロシアの社会保障制度は完全に破壊されていました
112
00:07:25,130 --> 00:07:29,380
経済部門は完全に停止し
113
00:07:29,380 --> 00:07:32,220
医療制度はメチャクチャです
114
00:07:32,220 --> 00:07:35,300
軍も大変惨めな状況にありました
115
00:07:35,300 --> 00:07:39,140
何百万人もが貧困へと引きずり落とされた
116
00:07:39,140 --> 00:07:42,190
それは覚えておかなければなりません
117
00:07:42,770 --> 00:07:45,610
1996年にモスクワへ移って
118
00:07:45,690 --> 00:07:49,360
で ロシア連邦保安庁長官を
13カ月間 務めた
119
00:07:49,440 --> 00:07:52,110
いえ すぐにでは ありません
120
00:07:52,110 --> 00:07:55,370
モスクワに移って…
121
00:07:55,370 --> 00:08:00,250
まず法律関係の業務に就きました
122
00:08:00,250 --> 00:08:08,960
その後 監視委員会の面倒を
見ることになって
123
00:08:08,960 --> 00:08:11,880
連邦保安庁長官になったのは
その後です
124
00:08:12,090 --> 00:08:15,470
- その地位からは
混乱が見て取れたはずだ
125
00:08:15,510 --> 00:08:18,010
悪夢のような無秩序だったでしょう
126
00:08:18,010 --> 00:08:19,770
もちろん それを見ました
127
00:08:19,770 --> 00:08:21,600
いいですか?
128
00:08:21,600 --> 00:08:24,520
時に私を批判する言葉に
129
00:08:24,520 --> 00:08:27,520
私がソ連崩壊を残念がっている
というのがあります
130
00:08:29,280 --> 00:08:32,240
まず いちばん大事なことですが
131
00:08:32,240 --> 00:08:34,950
ソ連が崩壊したときに
132
00:08:34,950 --> 00:08:38,200
2,500万人のロシア民族が
133
00:08:38,200 --> 00:08:40,950
1夜にして国を分かつ羽目になったのです
134
00:08:40,950 --> 00:08:45,750
あれは20世紀の最大惨事の1つだ
135
00:08:45,830 --> 00:08:49,880
[1991年12月26日]
–
ソビエト連邦
136
00:08:49,880 --> 00:08:51,170
[1991年12月26日]
–
…
137
00:08:51,170 --> 00:08:56,090
[1991年12月26日]
–
ロシア
138
00:08:56,090 --> 00:09:00,350
1つの国に住んでいた人たち
139
00:09:00,350 --> 00:09:04,480
家族も 仕事も 住宅もあったし
140
00:09:04,480 --> 00:09:08,190
お互いに平等だったのです
141
00:09:08,190 --> 00:09:10,730
それが瞬く間に国を分かつ羽目に陥る
142
00:09:11,980 --> 00:09:17,570
この国は あと少しで全面内戦に突入する
ところまで行ったのです
143
00:09:19,660 --> 00:09:24,460
[「黒い10月 '93」2013年 アレクサンドル・コピィソフ監督]
–
- 1993年10月 ロシアは内戦勃発の
瀬戸際にあった
144
00:09:24,460 --> 00:09:26,500
[「黒い10月 '93」2013年 アレクサンドル・コピィソフ監督]
–
–
一方に国会議員
145
00:09:26,500 --> 00:09:29,130
[「黒い10月 '93」2013年 アレクサンドル・コピィソフ監督]
–
もう一方にボリス・エリツィンと
その支持者たち
146
00:09:29,210 --> 00:09:31,670
戦車部隊を掌握していたエリツィンは
147
00:09:31,670 --> 00:09:34,510
国会議事堂を直接砲撃するよう指示を出し
148
00:09:34,510 --> 00:09:37,930
議会に味方した国会議長や
副大統領の事務所に
149
00:09:37,930 --> 00:09:41,470
砲弾が打ち込まれた
150
00:09:41,470 --> 00:09:45,980
2日間の小競り合いで
何百人もの死傷者が出た
151
00:09:46,060 --> 00:09:50,060
もちろん それを見ました
152
00:09:50,060 --> 00:09:53,780
私は連邦安保部門の長官だったのですから
153
00:09:53,780 --> 00:09:58,160
(ビル・クリントン)米国は引き続き
エリツィン大統領を支持します
154
00:09:58,160 --> 00:10:01,240
彼は民主的に選ばれた
ロシアの指導者だからです
155
00:10:01,450 --> 00:10:05,410
- 1999年に あなたは首相代行まで上り詰め
156
00:10:05,410 --> 00:10:07,540
2000年にエリツィンが辞任
157
00:10:07,540 --> 00:10:12,630
さっき エリツィン氏の会見映像とかを
見てたんですが
158
00:10:12,630 --> 00:10:16,880
明らかに ええと
アルコール 病気…
159
00:10:16,880 --> 00:10:19,090
彼の脳みそは…
160
00:10:19,090 --> 00:10:22,890
話し方とか カメラの…
目線とか
161
00:10:22,930 --> 00:10:25,520
しぐさとかに
表情が見えません
162
00:10:26,350 --> 00:10:30,440
- 自分にゴルバチョフ氏やエリツィン氏の
163
00:10:30,440 --> 00:10:37,070
人格を評価する資格があるとは思いません
164
00:10:38,070 --> 00:10:42,620
我々と同じように 彼も問題を抱えていた
165
00:10:42,620 --> 00:10:44,740
でもエリツィンには強さもあった
166
00:10:44,740 --> 00:10:51,380
1つは自分の責任から決して逃げなかったことです
167
00:10:51,380 --> 00:10:54,000
責任の受け止め方を知っていた
168
00:10:55,170 --> 00:10:58,720
その上で 監督の言うことも正しい
169
00:10:58,720 --> 00:11:01,430
それもまた 公然たる事実でした
170
00:11:02,550 --> 00:11:09,270
[ボリス・エリツィン ロシア大統領(1991–1999)]
–
私は… 辞任する
171
00:11:11,650 --> 00:11:15,940
任期を終える前に… 辞任する
172
00:11:17,820 --> 00:11:22,110
そうすべきとの結論に至った
173
00:11:23,910 --> 00:11:28,410
ロシアは 新しい千年紀を
174
00:11:29,370 --> 00:11:33,880
新しい政治家 新しい顔
175
00:11:34,920 --> 00:11:39,010
新しい 賢く 強く 意欲的な人間とともに
176
00:11:39,380 --> 00:11:42,090
迎えるべきだ
177
00:11:43,180 --> 00:11:44,640
- そして あなたの番だ
178
00:11:44,640 --> 00:11:47,140
次々と首相が交代する中
突然
179
00:11:47,140 --> 00:11:49,180
あなたが首相代行になった
180
00:11:49,640 --> 00:11:50,350
その後は?
181
00:11:50,350 --> 00:11:53,650
面白い話ですが…
182
00:11:53,650 --> 00:11:58,230
私はレニングラードからモスクワへ来て
183
00:11:58,230 --> 00:12:05,490
ここで私は何のコネも支援も
持たなかった
184
00:12:05,780 --> 00:12:08,120
ここに1996年に来て
185
00:12:08,120 --> 00:12:13,000
2000年の1月1日に私は首相代行に就きました
186
00:12:13,420 --> 00:12:17,090
エリツィンが なぜ私を選んだのかは
分かりません
187
00:12:17,090 --> 00:12:21,920
でも 最初エリツィンに頼まれたとき
私は断ったのです
188
00:12:21,920 --> 00:12:23,550
断った?
それはなぜ?
189
00:12:23,550 --> 00:12:29,640
- エリツィンの事務所に呼ばれて
首相に指名したい と言われました
190
00:12:29,640 --> 00:12:32,640
その後は大統領選に出馬して欲しいと
191
00:12:32,640 --> 00:12:38,320
それは重大な責任だと答えました
192
00:12:39,190 --> 00:12:42,950
自分の生活を変えなくてはならない
ということです
193
00:12:42,950 --> 00:12:45,030
それをしたいとは思わなかった
194
00:12:45,950 --> 00:12:47,620
生活を変える…
どう言う意味?
195
00:12:47,660 --> 00:12:50,290
すでに政府内で官僚生活が
196
00:12:50,290 --> 00:12:52,120
長かったでしょう?
197
00:12:52,160 --> 00:12:54,040
同じようには行きませんよ
198
00:12:55,540 --> 00:12:58,790
たとえ高級官僚だったとしても
199
00:13:00,250 --> 00:13:04,430
ほぼ普通の生活を送ることができます
200
00:13:04,430 --> 00:13:10,600
友人たちと集い 映画や観劇に通う
201
00:13:10,600 --> 00:13:18,480
国で起きている全ての事や 何百万人もの運命に
個人的責任を感じる必要はありません
202
00:13:19,190 --> 00:13:24,610
当時のロシアに責任を持つというのは
とても困難なことでした
203
00:13:24,950 --> 00:13:28,030
率直に言って エリツィン大統領が
204
00:13:28,030 --> 00:13:32,790
私をどうしようとしていたのかは
分かりません
205
00:13:33,790 --> 00:13:36,670
どれだけ続けられるかも
分かりませんでした
206
00:13:37,540 --> 00:13:41,130
なぜなら いつ大統領から「クビだ」と
言われるか分からない
207
00:13:41,130 --> 00:13:43,960
あのとき 心配したのはただ1つ
208
00:13:44,130 --> 00:13:46,010
「子供たちを どこに隠すか?」
209
00:13:46,010 --> 00:13:48,720
- 本当? どうしたの?
- もちろん 他に何があります?
210
00:13:48,720 --> 00:13:53,970
考えてください
もし 更迭されたら
211
00:13:53,970 --> 00:13:56,060
私には 護衛も 何も無い
212
00:13:56,060 --> 00:13:58,150
どうしよう? どうやって生活する?
213
00:13:58,150 --> 00:14:00,560
どうやって家族を守る?
214
00:14:02,780 --> 00:14:11,030
でも これが自分の運命ならば
行くところまで行こうと決心しました
215
00:14:13,910 --> 00:14:19,420
そのとき まだ大統領になれるとは
分かりませんでした
216
00:14:19,420 --> 00:14:21,880
そんな保証は無かった
217
00:14:23,000 --> 00:14:24,250
でも その期間…
218
00:14:24,250 --> 00:14:27,090
子供と奥さんには会えたのかな?
219
00:14:27,300 --> 00:14:32,720
いいえ というか
朝早く出勤して夜遅く戻りましたから
220
00:14:32,720 --> 00:14:36,730
そりゃあ顔は見ましたけど 一瞬ですよ
221
00:14:37,100 --> 00:14:40,310
- それで 朝は4時起きですか?
睡眠時間は取れた?
222
00:14:40,310 --> 00:14:43,520
4時に起きたことはありません
223
00:14:43,520 --> 00:14:49,860
寝るのは 12時か 1時〜1時半
224
00:14:49,860 --> 00:14:51,320
朝起きるのは7時です
225
00:14:51,320 --> 00:14:52,160
- 本当?
226
00:14:52,160 --> 00:14:55,080
常に6〜7時間は寝ます
227
00:14:55,080 --> 00:14:57,080
- 夜 うなされない?
- いいえ
228
00:14:57,290 --> 00:15:01,540
軍とか KGBの訓練が効いてるのかな?
229
00:15:01,580 --> 00:15:07,210
スポーツのおかげと
もちろん 軍の経験でしょうね
230
00:15:07,210 --> 00:15:12,010
あなたの人生指針は
柔道精神に例えられるとか?
231
00:15:12,430 --> 00:15:13,350
- ええ
232
00:15:13,350 --> 00:15:19,640
- 基本は… 柔軟性です
- ひと言で言えば?
233
00:15:19,640 --> 00:15:22,600
常に柔軟でいなければならない
234
00:15:22,600 --> 00:15:24,570
それが 勝利へと続くなら
235
00:15:24,570 --> 00:15:28,440
相手に譲歩するのもいいのです
236
00:15:28,440 --> 00:15:30,030
- たくさんの規律をお持ちだ
237
00:15:30,360 --> 00:15:35,700
規律無くして成功はあり得ませんから
238
00:15:35,700 --> 00:15:41,290
目前の問題に当たる体力も無くしてしまうし
239
00:15:41,290 --> 00:15:43,580
ましてや戦略的計画など
240
00:15:46,000 --> 00:15:48,300
常に鍛えておかなくてはいけません
241
00:15:49,840 --> 00:15:52,010
- ええと 2000年の話に戻りますが
242
00:15:52,010 --> 00:15:55,680
あなたは 53%の票を得て大統領に当選
243
00:15:55,680 --> 00:15:57,930
長続きするとは 思われなかった
244
00:15:57,970 --> 00:16:00,430
暗い時代の大統領だったわけです
245
00:16:00,560 --> 00:16:03,190
チェチェン紛争が続いていた
ありゃ酷かった
246
00:16:03,190 --> 00:16:04,310
その通りです
247
00:16:04,310 --> 00:16:08,110
加えて 第2次チェチェン紛争が
248
00:16:08,110 --> 00:16:11,900
1999年に始まりました
249
00:16:13,360 --> 00:16:17,160
あれはロシアにとっての試練でした
250
00:16:18,080 --> 00:16:21,790
私はその局面の責任を取らなけらば
ならなかった
251
00:16:21,830 --> 00:16:25,000
片方はテロに対する戦いだと言い
252
00:16:25,000 --> 00:16:27,960
[第2次チェチェン紛争 1999–2009]
–
–
もう片方は独立への戦いだと言っています
253
00:16:27,960 --> 00:16:31,720
[第2次チェチェン紛争 1999–2009]
–
その間にも戦禍の瓦礫とともに
死者が増え続けています
254
00:16:31,720 --> 00:16:33,300
[第2次チェチェン紛争 1999–2009]
–
–
ここは中東ではありません
255
00:16:33,300 --> 00:16:36,180
[第2次チェチェン紛争 1999–2009]
–
ここは独立を目指す
ロシアのチェチェン共和国です
256
00:16:36,220 --> 00:16:39,100
報道は少ないが
惨状は引けを取りません
257
00:16:39,100 --> 00:16:42,680
- ロシアと ここ聖なるダゲスタンの地の
258
00:16:43,440 --> 00:16:47,020
伝統にのっとり
259
00:16:47,770 --> 00:16:52,990
死せる者たちの思い出に盃を捧げたい
260
00:16:53,450 --> 00:16:55,240
ちょっと待ってくれ
261
00:16:56,240 --> 00:16:58,530
ただし 提案がある
262
00:17:00,240 --> 00:17:03,960
絶対に盃を捧げるだろう
263
00:17:03,960 --> 00:17:05,330
絶対に
264
00:17:06,710 --> 00:17:08,710
ただし それは後日にしよう
265
00:17:09,710 --> 00:17:15,630
後日 この重大な任務が完了した暁に
266
00:17:17,550 --> 00:17:21,060
最初の任期の間に
たくさんの功績を残されましたが
267
00:17:21,060 --> 00:17:22,980
産業を立ち上げた
268
00:17:22,980 --> 00:17:28,360
電気・工業・石油化学・農業
269
00:17:28,360 --> 00:17:32,030
GDP(国内総生産)を押し上げ 収支を改善した
270
00:17:32,030 --> 00:17:33,690
軍を再編し
271
00:17:34,570 --> 00:17:37,030
チェチェン紛争を解決した
272
00:17:37,030 --> 00:17:39,280
民営化を止めた
273
00:17:39,280 --> 00:17:41,040
あなたは まさにロシアの子ですね
274
00:17:41,290 --> 00:17:42,540
ちょっと違います
275
00:17:45,040 --> 00:17:47,460
私は民営化を止めてはいません
276
00:17:47,460 --> 00:17:51,420
私は民営化を より公正で平等なものに
したかったのです
277
00:17:51,420 --> 00:17:57,880
国有財産をタダで払い下げないように
全力を尽くしました
278
00:17:57,880 --> 00:18:01,600
オリガルヒ(ロシアの新興財閥政商)を生み出した
いくつかの仕組みに終止符を打ったのです
279
00:18:01,600 --> 00:18:05,850
[ボリス・ベレゾフスキー メディア企業家]
–
オリガルヒ(ロシアの新興財閥政商)を生み出した
いくつかの仕組みに終止符を打ったのです
280
00:18:05,850 --> 00:18:10,310
[ミハイル・ホドルコフスキー ユコス(石油・ガス)社長(1997–2004)]
–
これらの仕組みはある人々を突然億万長者に成り上がらせた
281
00:18:10,310 --> 00:18:16,610
さらにそれは政府の重要産業への関与を失わせ
産業を衰退へと導いたのです
282
00:18:16,610 --> 00:18:22,990
ですから民営化の停止が目的ではなかった
283
00:18:22,990 --> 00:18:29,250
系統的・公平に それを行うことだったのです
284
00:18:30,290 --> 00:18:34,130
オリガルヒは
あなたを見くびっていた
285
00:18:34,130 --> 00:18:37,470
あなたが大統領に当選したとき
長続きするとは考えなかった
286
00:18:37,470 --> 00:18:41,140
オリガルヒは異常です
287
00:18:41,140 --> 00:18:45,560
誰も彼らの財産を侵害することなど無いと考えている
288
00:18:45,560 --> 00:18:48,440
正反対だ 政府が彼らの財産を守ると思っている
289
00:18:48,440 --> 00:18:52,150
以前の法律が不当なものであったにもかかわらず
290
00:18:52,150 --> 00:18:54,320
でも 法は法なり です
291
00:18:54,320 --> 00:18:57,860
これが法則の1つでもあるのです
「法は法なり」
292
00:18:57,860 --> 00:19:02,820
財界の首脳を集めて言いました
率直な会議だった
293
00:19:02,820 --> 00:19:06,290
以前の仕組みは徐々に無くしていく
294
00:19:06,290 --> 00:19:09,160
法は公平・公正なものであるべきだ
295
00:19:09,160 --> 00:19:12,250
企業はもっと社会的な責任を
負わなければならない
296
00:19:12,250 --> 00:19:15,550
多くの企業家 ほとんど全てが
297
00:19:15,550 --> 00:19:18,590
新しい法律に従いました
それで満足だった
298
00:19:19,550 --> 00:19:21,390
不満を抱いたのは誰だと思います?
299
00:19:21,930 --> 00:19:27,640
自分に経営能力もないくせに
300
00:19:27,640 --> 00:19:31,770
政府とコネを持つことに長じただけで
301
00:19:31,770 --> 00:19:36,940
百万・億万を築き上げた者たちです
302
00:19:37,650 --> 00:19:41,950
でも 彼らは数えるほどでした
303
00:19:42,410 --> 00:19:44,700
- あなたは貧困率を 2/3に引き下げた
304
00:19:44,700 --> 00:19:46,080
正しい
305
00:19:46,240 --> 00:19:49,250
年長者に敬意を払って 年金も
306
00:19:51,040 --> 00:19:53,250
ええ 何倍にも
307
00:19:53,250 --> 00:19:56,800
- 2000年には平均収入が
700ルーブルでしたが
308
00:19:56,880 --> 00:19:59,670
2012年には2万9千ルーブル
309
00:20:00,170 --> 00:20:00,920
ええ 正しい
310
00:20:00,920 --> 00:20:03,180
- 2004年には絶大な人気で
311
00:20:03,180 --> 00:20:05,430
70パーセントの票を得て再選
312
00:20:05,430 --> 00:20:06,720
もうちょっと高い
313
00:20:06,720 --> 00:20:10,140
で 2008年には 2期が限度だったので
314
00:20:10,140 --> 00:20:12,440
今度は首相になった
315
00:20:12,440 --> 00:20:14,810
首相としても
懸命に仕事をされたようで
316
00:20:14,810 --> 00:20:18,980
ええ 励みまして 全体として成功しました
317
00:20:18,980 --> 00:20:21,950
でも当時のロシア大統領は私ではありません
別人です
318
00:20:21,950 --> 00:20:28,950
[ドミトリー・メドベージェフ ロシア大統領(2002–2012)]
–
この期間の他国での評価は承知していますが
319
00:20:30,290 --> 00:20:33,120
これは申し上げる
メドベージェフ大統領は
320
00:20:33,120 --> 00:20:36,840
任務の全てを独立して遂行しました
321
00:20:38,380 --> 00:20:41,050
国民に選ばれた たった1人だけが
322
00:20:41,050 --> 00:20:42,970
国の大統領でいられるのです
323
00:20:43,800 --> 00:20:48,220
2012年の大統領選に出て
324
00:20:48,220 --> 00:20:51,060
得票率は63%?
325
00:20:51,060 --> 00:20:52,060
ええ その通り
326
00:20:53,520 --> 00:20:58,060
大統領を3期
暗殺未遂が5回と聞きました
327
00:20:58,060 --> 00:21:01,230
カストロほどでは無いですね
インタビューしましたけど
328
00:21:01,230 --> 00:21:02,900
カストロは50回だと思う
329
00:21:02,900 --> 00:21:05,450
でも 公式には5回だと聞いてます
330
00:21:05,570 --> 00:21:07,660
その話はカストロ氏と
しました
331
00:21:08,530 --> 00:21:11,240
「私がまだ生きているのは なぜだと思う?」
と聞くので
332
00:21:11,240 --> 00:21:12,450
「なぜ?」と聞き返すと
333
00:21:13,040 --> 00:21:16,370
「自分で自分の警備の面倒を見るからだよ」って
334
00:21:18,170 --> 00:21:21,920
私は自分の仕事に集中し
335
00:21:21,920 --> 00:21:25,590
警備は警護隊に任せていますが
336
00:21:25,590 --> 00:21:27,890
彼らはとても優秀だ
337
00:21:28,010 --> 00:21:30,140
- つまり 警護隊を信用している…
338
00:21:30,140 --> 00:21:31,970
警護隊は うまく仕事していると
339
00:21:31,970 --> 00:21:32,810
- 信頼しています
340
00:21:33,350 --> 00:21:36,020
- だって 暗殺の基本は いつでも
341
00:21:36,020 --> 00:21:39,610
大統領警備の内部に入り込むことだから
342
00:21:39,690 --> 00:21:40,570
承知しています
343
00:21:41,150 --> 00:21:43,860
ロシアに伝わる格言を知っていますか?
344
00:21:43,860 --> 00:21:47,450
「吊るされる運命を持つ者は
溺れることが無い」
345
00:21:49,950 --> 00:21:51,330
あなたの運命はどちらです?
346
00:21:51,330 --> 00:21:52,490
考えたことは?
347
00:21:52,790 --> 00:21:56,410
神のみが我らの運命を知る—— 監督も私も
348
00:21:56,790 --> 00:21:58,080
病院で死ぬのかも
349
00:21:58,210 --> 00:22:01,380
- 死は 我々の誰にでも待ち受けています
350
00:22:01,380 --> 00:22:03,840
それまで この世で何を成し遂げるか
351
00:22:03,840 --> 00:22:08,010
その人生を享受するかどうかを
問うべきでしょう
352
00:22:13,180 --> 00:22:15,430
- 今日は大変だったでしょう
353
00:22:15,430 --> 00:22:19,810
[2016年2月 クレムリン 午後9:30]
–
お久しぶりです 再会して嬉しい
354
00:22:20,480 --> 00:22:22,690
前回お会いしたのは
355
00:22:22,690 --> 00:22:24,820
昨年6月だったと思いますが…
356
00:22:26,820 --> 00:22:28,570
寂しかった?
357
00:22:31,200 --> 00:22:33,740
寂しくて泣いたりもしたけど
やっと再会できた
358
00:22:33,740 --> 00:22:36,000
泣ける理由は いくらでも
あるでしょうけど
359
00:22:36,000 --> 00:22:38,540
ごめんなさい ちょっと上で
居眠りしたもので
360
00:22:38,540 --> 00:22:40,960
時差ボケにやられちゃって
361
00:22:41,420 --> 00:22:42,670
おうらやましい
362
00:22:43,040 --> 00:22:44,250
今日はどうでした?
363
00:22:44,250 --> 00:22:46,670
仕事です
同僚たちと会議を
364
00:22:46,670 --> 00:22:50,890
国内問題と治安
365
00:22:50,890 --> 00:22:55,020
経済は財務相と
366
00:22:55,020 --> 00:22:58,850
それに 補佐官と経済問題について協議を
367
00:22:58,850 --> 00:23:00,770
そんなところです
368
00:23:00,770 --> 00:23:02,980
国会議長と打ち合わせをしました
369
00:23:02,980 --> 00:23:06,280
国防相 内務相とも
370
00:23:06,280 --> 00:23:09,070
うひゃあ! でも閣議は無かったんですね?
371
00:23:09,360 --> 00:23:10,240
今日は無しです
372
00:23:10,240 --> 00:23:11,700
ええと 聞いたところでは
373
00:23:11,700 --> 00:23:13,490
安全保障の会議があったとか?
374
00:23:13,740 --> 00:23:20,500
はい 何年も前に 少人数の安全保障関連閣僚と
375
00:23:20,500 --> 00:23:24,000
会議を初めて これを
376
00:23:24,000 --> 00:23:27,460
連邦安全保障会議と呼んでいます
377
00:23:27,460 --> 00:23:29,470
- なるほど
何かあったんですか?
378
00:23:29,840 --> 00:23:32,140
いいえ 定期的な会議です
週1回やります
379
00:23:32,140 --> 00:23:33,640
ええと これを聞いたのは
380
00:23:33,680 --> 00:23:35,970
いつもは午後3時から始めるのに
381
00:23:35,970 --> 00:23:39,140
今日は6時間40分も遅れてるから
382
00:23:39,350 --> 00:23:41,940
ストーン監督に少し休んでもらおうと思ったんです
383
00:23:45,230 --> 00:23:46,730
でも そうでしょう?
いつでも
384
00:23:46,730 --> 00:23:48,230
事態は沸き起こるものでは?
385
00:23:48,230 --> 00:23:49,900
予定にない場面に出くわすとか?
386
00:23:49,900 --> 00:23:54,530
事態ではありません
通常の仕事です
387
00:23:54,530 --> 00:23:58,290
でも課題が別の課題を生み出す
まるで数珠つなぎです
388
00:23:58,290 --> 00:24:03,880
10分間の会議を予定する
389
00:24:03,880 --> 00:24:08,420
でも問いを重ねるうちに
10分が1時間になる
390
00:24:08,420 --> 00:24:11,840
この一連の作業に終止符を打つのは難しい
391
00:24:11,840 --> 00:24:14,220
はあ それで質問がある
392
00:24:14,220 --> 00:24:17,930
プロデューサーのフェルナンドと
さっき話してて
393
00:24:17,930 --> 00:24:21,940
彼いわく
あなたは有能な社長のようなものだと
394
00:24:21,940 --> 00:24:24,060
ほら あなたが社長で
395
00:24:24,060 --> 00:24:25,560
ロシアがあなたの会社
396
00:24:25,560 --> 00:24:28,110
業績を確認して
問題を見つけ
397
00:24:28,110 --> 00:24:29,940
その場で解決しようとする
398
00:24:30,190 --> 00:24:32,780
ええ そう言えるでしょうね
399
00:24:32,780 --> 00:24:36,120
ここに問題があるとして
内部を吟味する
400
00:24:36,120 --> 00:24:39,830
問題点に近付くと
さらに内部を
401
00:24:39,830 --> 00:24:43,540
内部の内部を追いかけているうちに
402
00:24:43,540 --> 00:24:46,290
「木を見て森を見ず」とか言いますよね
403
00:24:46,290 --> 00:24:49,250
イライラするでしょう
夜 床に就いて
404
00:24:49,250 --> 00:24:52,380
解決できなかったことを思い出したりして
眠れなくなる
405
00:24:52,800 --> 00:24:57,260
解決できない ではなく 解決する
そのプロセス自体が大事なのです
406
00:24:57,260 --> 00:24:59,720
私は 仕事を創造的に進めようと
努めてる
407
00:24:59,720 --> 00:25:03,890
画家が絵を描いていて
夕食の時間になったとする
408
00:25:03,890 --> 00:25:06,350
画家は筆を置いて食卓に向かう……?
409
00:25:08,060 --> 00:25:09,690
そんなことは無いわけです
410
00:25:11,070 --> 00:25:16,280
画家は今の作業を終わらせて その後
初めて休むことができる
411
00:25:16,280 --> 00:25:18,160
何かを解決する必要があると?
412
00:25:18,160 --> 00:25:20,330
解決したという感覚が欲しいのです
413
00:25:20,330 --> 00:25:24,540
自分を芸術家だと言っているのでは
ありません
414
00:25:25,290 --> 00:25:32,090
でも解決策の探求は
芸術家の作業に似ています
415
00:25:32,300 --> 00:25:34,760
それは もっと大きな問いに
つながりますね
416
00:25:34,760 --> 00:25:37,890
大統領 首相 また大統領と続けて
417
00:25:37,890 --> 00:25:40,560
もう15年もやっているわけですが
418
00:25:40,810 --> 00:25:43,480
ロナルド・レーガンは ご存知でしょう
419
00:25:43,480 --> 00:25:46,850
最も愛された—— 保守派からはね
大統領の1人
420
00:25:46,850 --> 00:25:50,230
彼は予定を守ることで有名で
421
00:25:50,520 --> 00:25:53,400
大抵は 6時には
ホワイトハウスの住居に戻り
422
00:25:53,400 --> 00:25:55,900
奥さんとテレビを見ながら
423
00:25:56,150 --> 00:26:00,280
早めの夕食を取らなければ
気が済まない
424
00:26:00,410 --> 00:26:01,830
幸せなお方だ
425
00:26:02,910 --> 00:26:04,500
とても効率的ですね
426
00:26:04,500 --> 00:26:07,670
まさに 彼の偉業の1つでしょう
427
00:26:07,920 --> 00:26:11,290
そこですよ
レーガンは笑顔を絶やさなかった
428
00:26:11,290 --> 00:26:13,880
人懐こく 親しみやすい
429
00:26:14,050 --> 00:26:17,300
ゼリービーンズ(砂糖菓子)が大好きで
430
00:26:17,300 --> 00:26:19,260
冗談を言うのが大好き
431
00:26:19,590 --> 00:26:23,970
それにレーガンは 徹底的に周りの人間に
権限を委譲することを
432
00:26:24,180 --> 00:26:26,520
信条としていた
433
00:26:26,600 --> 00:26:29,690
なぜこの例を挙げるかというと
434
00:26:29,690 --> 00:26:31,480
そういうやり方だってあるだろうと
435
00:26:31,820 --> 00:26:34,190
課題が2つあります
436
00:26:34,190 --> 00:26:35,860
正しい人間を見つけること
437
00:26:35,860 --> 00:26:38,200
そしてその上で権限を委譲すること
438
00:26:38,200 --> 00:26:40,070
わざわざ難しく仕事してるみたいで
439
00:26:40,070 --> 00:26:43,910
そうかも知れないが 慣れていますし
このやり方が好きなのです
440
00:26:43,910 --> 00:26:46,960
でもレーガンと私には大きな違いがある
441
00:26:46,960 --> 00:26:49,960
ロナルド・レーガンは米国の大統領でした
442
00:26:51,130 --> 00:26:54,300
米国の課題は それはそれで大きいでしょうが
443
00:26:54,300 --> 00:26:59,800
1990年代や2000年代のロシアの問題とは
444
00:26:59,800 --> 00:27:02,890
比べようがありません
445
00:27:02,890 --> 00:27:05,140
レーガンは異議を唱えるでしょうね
彼なら
446
00:27:05,140 --> 00:27:06,770
当時の米国は破産していた
447
00:27:06,770 --> 00:27:08,560
再建が必要だった
448
00:27:08,560 --> 00:27:10,310
米国に再び朝をもたらすことが
449
00:27:10,310 --> 00:27:14,650
アメリカに熱気を取り戻すのが
自分の仕事だったと言うでしょう
450
00:27:14,650 --> 00:27:17,440
その感覚を呼び起こすのは
成功したと思いますよ
451
00:27:17,440 --> 00:27:19,110
感覚ですけどね
幻想です
452
00:27:19,610 --> 00:27:24,160
ほとんど破産しているのと 実際に破産しているのでは
全く違います
453
00:27:26,950 --> 00:27:29,410
いや ある人に言わせれば
454
00:27:29,410 --> 00:27:31,580
レーガンは米国をより破産させたと
455
00:27:31,580 --> 00:27:33,630
実際には負債が膨れ上がりましたから
456
00:27:33,630 --> 00:27:36,340
全くです
現在 18兆ドルでしたっけ?
457
00:27:36,340 --> 00:27:38,090
覚えてない
458
00:27:38,090 --> 00:27:40,840
- ロシアは1兆だよね?
- ええ 18兆ドルです
459
00:27:40,840 --> 00:27:43,680
ロシアのは12%です
460
00:27:43,680 --> 00:27:45,640
対GDP比で
461
00:27:45,640 --> 00:27:48,140
- 米国は18兆?
- ええ
462
00:27:48,140 --> 00:27:49,680
ロシアは約1兆か
463
00:27:49,930 --> 00:27:53,560
GDP比は覚えておかなければなりません
464
00:27:53,560 --> 00:27:58,070
米国は負債の対GDP比が100%になっている
465
00:27:59,240 --> 00:28:02,820
我が国の負債は最小です
12〜13%だ
466
00:28:02,820 --> 00:28:03,950
また同時に
467
00:28:03,950 --> 00:28:07,200
我が国には相当水準の準備金があります
468
00:28:07,200 --> 00:28:11,410
連邦中央銀行には3,600億ドル
469
00:28:11,410 --> 00:28:13,630
政府も引当金を持っていて
470
00:28:13,630 --> 00:28:17,840
8百億ドル
他に7百億ドルを…
471
00:28:19,170 --> 00:28:24,180
こまごまとした赤字に対応する
別勘定で持っている
472
00:28:25,430 --> 00:28:29,220
2015年は食料品が20%値上がり
473
00:28:29,220 --> 00:28:33,060
で インフレは13%で推移
474
00:28:33,440 --> 00:28:35,060
12.9%だ
475
00:28:36,770 --> 00:28:38,860
そうですか
476
00:28:38,860 --> 00:28:40,940
ロシア連邦中央銀行とは?
477
00:28:40,940 --> 00:28:42,110
何をしているんです?
478
00:28:42,400 --> 00:28:47,740
中央銀行はバランスのとれた金融政策を維持します
479
00:28:47,740 --> 00:28:53,080
IMF(国際通貨基金)を含む国際金融組織の
480
00:28:53,080 --> 00:28:56,040
標準に適うものです
481
00:28:56,040 --> 00:28:57,380
大きな負債は無いのかと
482
00:28:57,380 --> 00:28:59,380
IMFへの借金はないと聞きましたが
483
00:28:59,500 --> 00:29:04,260
負債はありません
国債の話です
484
00:29:04,260 --> 00:29:08,850
ついでに ロシアはIMFへの借金を返したばかりでなく
485
00:29:08,850 --> 00:29:13,850
旧ソビエト内 各共和国の負債も払いました
486
00:29:16,480 --> 00:29:20,480
ウクライナの160億ドルも含めてです
487
00:29:21,280 --> 00:29:23,860
金融政策の話をしているのです
488
00:29:23,860 --> 00:29:25,570
我が国はラガルド夫人その他のIMFの同僚と緊密に連絡し
489
00:29:25,570 --> 00:29:28,410
[クリスティーヌ・ラガルド IMF専務理事]
–
我が国はラガルド夫人その他のIMFの同僚と緊密に連絡し
490
00:29:28,410 --> 00:29:31,410
[クリスティーヌ・ラガルド IMF専務理事]
–
我々の政策を説明し
491
00:29:31,410 --> 00:29:33,580
助言を受け入れてきました
492
00:29:33,580 --> 00:29:37,130
IMFの指導がロシア連邦中央銀行の政策に
493
00:29:37,130 --> 00:29:41,380
良い評価を与えることは 重々承知しています
494
00:29:41,380 --> 00:29:43,260
実際 良い評価をいただいている
495
00:29:43,590 --> 00:29:48,090
- いいですか あなたは IMFがまだロシアの
パートナーであるかのような話をする
496
00:29:48,090 --> 00:29:51,560
ウォール街がロシアの成功を
祈っているかのように振る舞う
497
00:29:51,560 --> 00:29:53,060
私は疑問ですね
498
00:29:53,350 --> 00:29:54,520
ついでに聞けば
499
00:29:54,520 --> 00:29:57,230
ウォール街が米国の利益のために
500
00:29:57,230 --> 00:30:00,860
ロシア経済を崩そうと策略しているかを知りたい
501
00:30:01,900 --> 00:30:05,950
ウォール街の話はしていませんでしたが
502
00:30:05,950 --> 00:30:10,990
米国政府の話をするならば
503
00:30:10,990 --> 00:30:14,160
確かに米政府は 特に最近 ロシアを
504
00:30:14,160 --> 00:30:17,790
ライバル視しています
505
00:30:30,890 --> 00:30:33,510
ここが王座の間です
506
00:30:33,930 --> 00:30:35,890
あれがツァーリ(皇帝)の王座です
507
00:30:35,890 --> 00:30:37,640
- こっちが皇后の座
- なるほど
508
00:30:37,640 --> 00:30:40,730
- それに皇太后の座
- ええ
509
00:30:41,820 --> 00:30:44,940
あなたはツァーリ(皇帝)になりたがってると
言われてますよ
510
00:30:44,940 --> 00:30:46,860
あなたが新しいツァーリで
511
00:30:46,860 --> 00:30:49,030
だから雑誌の表紙にも載せて…
512
00:30:49,030 --> 00:30:50,780
笑えますよね?
513
00:30:51,160 --> 00:30:54,490
[「イワン恐帝 第2部」1958年 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督]
–
- そう思いたくて言ってるだけでしょう
514
00:30:54,490 --> 00:30:54,990
[「イワン恐帝 第2部」1958年 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督]
–
–
515
00:30:54,990 --> 00:30:55,660
[「イワン恐帝 第2部」1958年 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督]
–
- ええ
516
00:30:55,660 --> 00:30:56,830
[「イワン恐帝 第2部」1958年 セルゲイ・エイゼンシュテイン監督]
–
–
517
00:30:56,830 --> 00:31:01,080
古臭いステレオタイプから逃れられない
518
00:31:01,080 --> 00:31:04,880
でも あなたは
チャーリー・ローズ(米TVジャーナリスト)にそう言わせた
519
00:31:04,880 --> 00:31:07,380
ローズは あなたには全ての権力があり
520
00:31:07,420 --> 00:31:09,300
何でもやりたい放題だと
521
00:31:09,300 --> 00:31:11,140
そう はっきり言った
それは
522
00:31:11,180 --> 00:31:13,180
アメリカ人が ロシアには法治がないと
523
00:31:13,180 --> 00:31:15,640
そう思っているから
524
00:31:15,640 --> 00:31:18,060
あなたはそれを否定しなかった
525
00:31:18,180 --> 00:31:19,100
- 問うべき…
- それなのに…
526
00:31:19,100 --> 00:31:20,310
ちょっといいですか
527
00:31:20,310 --> 00:31:23,360
問うべきは権力の大きさではなく
528
00:31:23,360 --> 00:31:28,360
それをどのように正しく使うかでしょう
529
00:31:28,360 --> 00:31:30,150
じゃあ通訳に文句つけなきゃ…
530
00:31:30,150 --> 00:31:31,860
ですから私たちは…
531
00:31:32,070 --> 00:31:34,370
君だったのか?
532
00:31:34,370 --> 00:31:37,540
ローズの質問の意図を分かって
無かったんじゃないかと
533
00:31:37,540 --> 00:31:41,540
だって 英語で聞いたら
まるで彼がツァーリになりたがってると
534
00:31:41,540 --> 00:31:43,630
ツァーリで当たり前だと
聞こえたから
535
00:31:43,630 --> 00:31:47,130
あなたをツァーリと呼ぶ人もいます
536
00:31:49,170 --> 00:31:52,550
だから何です?
人は私を様々な呼び方で呼ぶ
537
00:31:52,550 --> 00:31:55,140
でも それで満足ですか?
538
00:31:55,430 --> 00:31:59,100
面白くするために
論争させようとしていたのでしょう
539
00:31:59,100 --> 00:32:02,480
でも論争する気は無かった
540
00:32:02,480 --> 00:32:04,900
キレることはないんですか?
541
00:32:04,900 --> 00:32:07,900
ローズは 質問をするたびに
あなたが
542
00:32:07,900 --> 00:32:09,990
荒唐無稽な答えをしたと
543
00:32:09,990 --> 00:32:13,570
例えば ある日
悪い日だったとか…
544
00:32:20,370 --> 00:32:21,660
だよね?
545
00:32:22,000 --> 00:32:25,000
私は女性ではないので悪い日はありません
546
00:32:27,750 --> 00:32:29,460
ほうら 今あなたは…
547
00:32:29,460 --> 00:32:31,840
米国民の半分に悪態をつきましたよ
548
00:32:31,840 --> 00:32:33,680
少なくとも そう取られる
549
00:32:35,550 --> 00:32:38,140
誰に悪態をつこうともしてません
550
00:32:38,140 --> 00:32:40,560
- ただ自然なことです
- そうだけど
551
00:32:41,430 --> 00:32:44,730
じゃあ あなたは女性を
より感情的だと考えるんだ?
552
00:32:44,730 --> 00:32:49,360
自分の感情を合理性や判断に
割入らせることは無い?
553
00:32:49,530 --> 00:32:52,490
男性にも ある種の自然サイクルは
554
00:32:54,990 --> 00:32:58,620
存在すると思います 目立たないだけでしょう
555
00:32:58,620 --> 00:33:02,330
私たちは人間ですから 当たり前です
556
00:33:02,330 --> 00:33:05,080
でも判断に影響させてはいけません
557
00:33:13,510 --> 00:33:15,720
2001年6月
558
00:33:15,720 --> 00:33:19,260
- 質問します
米国民はプーチン氏を信頼できますか?
559
00:33:19,260 --> 00:33:20,680
- 答えましょう
560
00:33:20,680 --> 00:33:22,140
私はプーチン氏の目を見て
561
00:33:22,520 --> 00:33:26,150
率直で信頼できると確信しました
562
00:33:27,230 --> 00:33:29,480
建設的な議論をしたし
563
00:33:29,570 --> 00:33:34,030
彼の… 魂を感じることができた
564
00:33:35,320 --> 00:33:37,530
- ブッシュにそう言われて
どう思いました?
565
00:33:38,660 --> 00:33:43,120
ブッシュ氏は 共に議論し合意を見つけることが
566
00:33:43,120 --> 00:33:44,580
できる男だと感じました
567
00:33:44,580 --> 00:33:46,250
あるいは そう期待したのか
568
00:33:46,370 --> 00:33:50,500
[2015年7月]
–
9.11の時 あなたは最初に電話した首脳の1人で
569
00:33:50,500 --> 00:33:53,090
弔意と協力の申し出をしましたね
570
00:33:53,090 --> 00:33:58,180
ええ あのときは 翌日に予定していた
核戦略軍の訓練を取りやめて
571
00:33:58,180 --> 00:34:02,060
その事を 米国大統領に
知ってもらいたいと思ったのです
572
00:34:02,060 --> 00:34:09,810
あの日の米指導者には精神的な支えが
必要だった思いますし
573
00:34:09,810 --> 00:34:13,440
ロシアがブッシュ大統領を支援することを
示したかった
574
00:34:13,440 --> 00:34:16,400
ブッシュ大統領がアフガニスタンに侵攻したとき
575
00:34:16,400 --> 00:34:19,740
プーチン大統領はこの侵攻に協力し
576
00:34:19,740 --> 00:34:23,370
米軍のアフガニスタンへの供給線を維持するため
577
00:34:23,370 --> 00:34:27,000
カフカスとユーラシアに基地を用意しましたね
578
00:34:27,870 --> 00:34:29,540
ちょっと違います
579
00:34:31,130 --> 00:34:33,840
新たな基地を用意したことは ありません
580
00:34:33,840 --> 00:34:37,510
ソ連時代から軍はタジキスタンに部隊を置いていました
581
00:34:37,510 --> 00:34:40,010
それが後々 基地となったのです
582
00:34:41,140 --> 00:34:45,770
アフガニスタンのテロリストがもたらす
危険に対処する意味がありました
583
00:34:45,770 --> 00:34:47,890
でも確かに米軍の支援はしました
584
00:34:47,890 --> 00:34:52,610
かつ 兵器がロシア領を通過することも許しました
585
00:34:52,610 --> 00:34:54,820
最近まで それは続いた
586
00:34:55,070 --> 00:34:56,610
ええ ええ
587
00:34:57,110 --> 00:35:01,780
この支援が我が国の利益に合致すると思いましたし
588
00:35:01,780 --> 00:35:05,950
これは両国が協力できる分野だと思ったからです
589
00:35:05,950 --> 00:35:09,000
米国には
590
00:35:09,000 --> 00:35:13,250
情報も提供しました 諜報からのものも含めて
591
00:35:13,250 --> 00:35:16,380
[レオニード・ブレジネフ ソ連共産党中央委員会書記長(1964–1982)]
–
- ロシアはアフガニスタンとの
長い縁がある
592
00:35:16,380 --> 00:35:20,050
なのに ビンラディンがどこにいるか
何をしているのか
593
00:35:20,050 --> 00:35:23,470
なぜ分からなかったんです?
594
00:35:23,470 --> 00:35:25,810
居場所だけじゃなくて
595
00:35:25,810 --> 00:35:30,060
アフガニスタンのアルカイダの基地が
どれほど脆弱だったかなども
596
00:35:30,440 --> 00:35:36,400
- アルカイダはロシアが作り出した
ものではありません
597
00:35:36,400 --> 00:35:39,360
アメリカの友人たちが作り出したものです
598
00:35:39,360 --> 00:35:46,490
[ソ連のアフガニスタン侵攻 1971–1989]
–
全てはアフガニスタンにおけるソビエトの戦争から始まった
599
00:35:46,490 --> 00:35:49,830
[ソ連のアフガニスタン侵攻 1971–1989]
–
イスラム原理主義各派が
600
00:35:49,830 --> 00:35:52,920
[ソ連のアフガニスタン侵攻 1971–1989]
–
アフガニスタンのソビエト軍と戦闘する支援を
601
00:35:52,920 --> 00:35:55,340
[ソ連のアフガニスタン侵攻 1971–1989]
–
米情報部が始めたときから
602
00:35:55,340 --> 00:35:59,340
[ソ連のアフガニスタン侵攻 1971–1989]
–
つまり米国自身がアルカイダとビンラディンを育てたのです
603
00:35:59,630 --> 00:36:01,880
でも手に負えなくなってしまった
604
00:36:03,590 --> 00:36:05,260
常に そうなるものです
605
00:36:07,390 --> 00:36:11,100
米国のパートナーたちはそれを知るべきだった
606
00:36:11,100 --> 00:36:13,150
責められるべきは米国です
607
00:36:13,650 --> 00:36:14,860
ウィリアム・ケーシー…
608
00:36:14,860 --> 00:36:17,320
[ウィリアム・ケーシー CIA長官(1981–1987)]
–
レーガンのCIA(米中央情報局)長官ですが
609
00:36:17,320 --> 00:36:19,400
[ウィリアム・ケーシー CIA長官(1981–1987)]
–
彼はカフカスと中央アジアの
610
00:36:19,400 --> 00:36:25,450
ムスリムの対ソ連戦闘を活発化させることに
ことさら熱心だった
611
00:36:25,450 --> 00:36:29,580
彼の野望はアフガニスタンでの
対ソ戦だけに とどまらず
612
00:36:29,580 --> 00:36:34,330
ソ連の政権転覆までを夢見ていた
613
00:36:34,420 --> 00:36:39,170
ええ その考え方はまだ生きている
614
00:36:39,800 --> 00:36:44,640
チェチェンやカフカスで紛争が巻き起こると
615
00:36:45,680 --> 00:36:49,220
アメリカ人は 残念ながら その紛争を推し進めたのです
616
00:36:49,930 --> 00:36:54,190
我々は冷戦は終わったものと考えていた
外国との関係は
617
00:36:54,190 --> 00:36:57,400
欧米を含め全ての国との間で
透明になったと
618
00:36:57,400 --> 00:37:00,780
あのときは支援を期待したのですが
619
00:37:00,780 --> 00:37:02,780
代わりに米情報機関が
620
00:37:02,780 --> 00:37:05,660
テロリストの味方をするのを目撃することになった
621
00:37:06,240 --> 00:37:08,870
今から 多分とても重要なことを申し上げます
622
00:37:10,620 --> 00:37:15,500
当時 我々は確信を持ちました
623
00:37:18,000 --> 00:37:20,710
アメリカのパートナーたちは言葉の上では
624
00:37:20,710 --> 00:37:26,180
ロシアを支援するとか 協力が必要だとか
625
00:37:26,180 --> 00:37:29,260
テロリズムと戦おうとか言いますが
626
00:37:29,260 --> 00:37:31,180
実際にはそのテロリストを利用して
627
00:37:31,180 --> 00:37:33,310
ロシアを不安定化させようとしていると
628
00:37:36,350 --> 00:37:41,570
2002年 モスクワ劇場占拠事件
モスクワ ドブロフカ劇場
629
00:37:43,690 --> 00:37:47,200
死者 170人以上
人質 130人 テロリスト 40人
630
00:37:49,740 --> 00:37:53,620
2004年 ベスラン学校占拠事件
北オセチア共和国 ベスラン市
631
00:37:55,960 --> 00:38:00,170
死者 385人以上
人質 334人 子供 186人
テロリスト 31人
632
00:38:00,840 --> 00:38:03,920
- プーチン氏にとって
チェチェン戦争最大の危機は何?
633
00:38:03,920 --> 00:38:06,090
第1次? 第2次?
何年?
634
00:38:07,510 --> 00:38:10,010
特定の局面を選ぶのは難しいですね
635
00:38:10,010 --> 00:38:14,600
チェチェン戦争と呼ばれるものが
始まったのは
636
00:38:14,600 --> 00:38:19,440
ダゲスタン共和国の国民が
市民が…
637
00:38:19,440 --> 00:38:23,610
ダゲスタンはムスリム共和国ですが
638
00:38:23,610 --> 00:38:29,320
みずから武器を取ってテロリストに
抵抗を始めたときでした
639
00:38:29,320 --> 00:38:30,950
よく覚えています
640
00:38:30,950 --> 00:38:35,620
あの時のダゲスタン人は ただの要請ではなく
ほぼ叫んでいた
641
00:38:35,620 --> 00:38:40,380
[第1次チェチェン戦争 1994–1995]
–
「ロシアが我らを守らないのならば せめて武器をくれ
自分でやる」
642
00:38:41,040 --> 00:38:43,670
[第2次チェチェン戦争 1999-2009]
–
- 米国の支援は秘密裏だった
643
00:38:43,670 --> 00:38:46,840
[第2次チェチェン戦争 1999-2009]
–
米国がチェチェンを支援した証拠があるそうですが?
644
00:38:46,840 --> 00:38:48,220
- もちろんです
645
00:38:48,220 --> 00:38:50,470
でも情報と政治的な支援は
646
00:38:50,470 --> 00:38:54,600
誰の目にも明らかだ
証明などいらない
647
00:38:54,600 --> 00:38:56,310
おおっぴらに やってましたから
648
00:38:56,930 --> 00:39:00,480
- ロシア政権は無干渉主義を採ったのだろう
649
00:39:00,480 --> 00:39:04,400
これはロシアの国内問題だと
念仏のように繰り返すだけだ
650
00:39:04,400 --> 00:39:07,650
[ズビグネフ・ブレジンスキー 米安全保障補佐官(1977–1981)]
–
それでロシアの行動を正当化するつもりだ
651
00:39:07,650 --> 00:39:11,450
[ズビグネフ・ブレジンスキー 米安全保障補佐官(1977–1981)]
–
さらに政権の広報が
652
00:39:11,450 --> 00:39:14,240
[ズビグネフ・ブレジンスキー 米安全保障補佐官(1977–1981)]
–
チェチェン人を中傷しはじめた
653
00:39:14,580 --> 00:39:17,200
作戦と財政上の支援に関しては
654
00:39:17,200 --> 00:39:22,590
我々は証拠を握っています
それどころか米国の担当者に送りつけた
655
00:39:22,590 --> 00:39:27,880
ブッシュ大統領に見せたときは
カフカスの過激派と連絡を取り合った——
656
00:39:27,880 --> 00:39:30,840
米特殊機関の具体的な職員名まで
657
00:39:30,840 --> 00:39:32,340
挙げたのです
658
00:39:32,340 --> 00:39:35,760
彼らは 単に政治的支援にとどまらず
659
00:39:35,760 --> 00:39:40,190
技術的な支援や兵士の移動まで請け負っていた
660
00:39:40,190 --> 00:39:46,030
それでも米国大統領の反応は
上辺だけで 消極的でした
661
00:39:46,030 --> 00:39:48,280
大統領は 注意深く読んでみると言いました
662
00:39:48,280 --> 00:39:51,780
後に交わした文書では
663
00:39:51,780 --> 00:39:55,160
CIAから手紙が送られてきて
664
00:39:55,160 --> 00:39:59,460
「当局の職員には 野党勢力と連絡を取り合う
665
00:39:59,460 --> 00:40:02,370
権利があると存じておりますし
666
00:40:02,370 --> 00:40:05,750
今後もそのようにいたします」と書いてあった
667
00:40:05,750 --> 00:40:09,550
彼らが言っているのは
単なる野党勢力ではなく
668
00:40:09,550 --> 00:40:10,970
明らかに
669
00:40:10,970 --> 00:40:14,430
テロ組織やその集まりなのに
670
00:40:16,220 --> 00:40:19,890
それにもかかわらず
671
00:40:19,890 --> 00:40:23,480
それを ただの野党と言ってのけたのです
672
00:40:26,480 --> 00:40:31,150
- これが全て 米国がアフガニスタンでテロとの戦いを
している最中のことですか
673
00:40:32,450 --> 00:40:36,580
矛盾した振る舞いに思えるが
不思議な行動だ
674
00:40:37,580 --> 00:40:40,450
このような矛盾には慣れてしまいました
675
00:40:42,210 --> 00:40:46,460
その手紙は機密でしょうから
見るのは無理でしょうね?
676
00:40:46,540 --> 00:40:50,300
適切では無いでしょう
私の言葉で十分だ
677
00:40:50,300 --> 00:40:53,720
ジョージ(ブッシュ)は 会話を覚えていると思いますが
そう願うね
678
00:40:57,680 --> 00:40:59,350
[1999年3月12日]
–
(ビル・クリントン)本日 我々は
679
00:40:59,350 --> 00:41:01,930
[1999年3月12日]
–
ハンガリー・ ポーランド ・チェコ共和国を歓迎します
680
00:41:02,180 --> 00:41:05,100
[1999年3月12日]
–
欧州に押し付けられた境界線を
681
00:41:05,100 --> 00:41:08,110
いよいよ消し去る日がやってきました
682
00:41:08,650 --> 00:41:11,650
同盟の強化こそが
683
00:41:11,650 --> 00:41:15,950
21世紀の平和と安全の維持のために
684
00:41:15,950 --> 00:41:17,780
役立つのです
685
00:41:17,870 --> 00:41:21,120
我らの目標は
欧州を助けることです
686
00:41:21,120 --> 00:41:24,500
一体化した 自由で
687
00:41:24,500 --> 00:41:28,670
民主的で 平和かつ安全な地として
688
00:41:29,040 --> 00:41:31,630
(ジョージ・ブッシュ)本日 我々は
689
00:41:31,960 --> 00:41:33,720
ブルガリア
690
00:41:35,470 --> 00:41:36,890
エストニア
691
00:41:38,350 --> 00:41:39,510
ラトビア
692
00:41:40,060 --> 00:41:41,770
リトアニア
693
00:41:44,100 --> 00:41:45,810
[2004年3月29日]
–
ルーマニア
694
00:41:45,810 --> 00:41:47,690
[2004年3月29日]
–
スロバキア
695
00:41:47,690 --> 00:41:49,860
及びスロベニアの各国を
696
00:41:51,480 --> 00:41:55,950
誇りとともに北大西洋条約機構(NATO)の
一員として歓迎します
697
00:42:00,950 --> 00:42:02,500
これは人類の
698
00:42:02,500 --> 00:42:06,290
自由の歴史における輝かしい瞬間です
699
00:42:06,420 --> 00:42:09,960
アメリカはアルバニアとクロアチア両国の
700
00:42:09,960 --> 00:42:12,300
NATO参加を公式に支持します
701
00:42:12,630 --> 00:42:14,130
[2009年4月1日]
–
–
702
00:42:14,130 --> 00:42:16,300
[2009年4月1日]
–
- ゴルバチョフ氏や 米政府の
703
00:42:16,300 --> 00:42:18,220
ジェームズ・ベーカーなどからも聞いたんですが
704
00:42:18,220 --> 00:42:19,260
[ジェームズ・ベーカー 米国務長官(1989–1992)]
–
ジェームズ・ベーカーなどからも聞いたんですが
705
00:42:19,260 --> 00:42:22,390
[ジェームズ・ベーカー 米国務長官(1989–1992)]
–
NATOは東側に拡大しないという取引が
706
00:42:22,390 --> 00:42:24,520
ソ連との間にあったと
707
00:42:24,810 --> 00:42:28,770
- ええ ドイツ統合の決定がなされたときに
708
00:42:28,770 --> 00:42:32,650
ソ連軍の東欧からの引き上げも
決まったのですが
709
00:42:32,650 --> 00:42:35,780
米国の高官と
710
00:42:35,780 --> 00:42:38,950
NATO事務総長の ベルナーだったと思いますが
711
00:42:38,950 --> 00:42:43,740
口をそろえて ソ連は安心しろと
712
00:42:43,740 --> 00:42:48,710
NATOの東側境界は
ドイツ民主共和国の東側国境を越えて
713
00:42:48,710 --> 00:42:56,220
拡大することは あり得ないと
714
00:42:56,380 --> 00:42:58,180
- じゃあ 明らかな違反だ
715
00:42:58,340 --> 00:43:00,340
この取引は文書に残されなかった
716
00:43:00,340 --> 00:43:02,300
ゴルバチョフ氏の失態です
717
00:43:02,300 --> 00:43:05,680
政治においては 全て文書に残さなければ
718
00:43:05,680 --> 00:43:07,560
ゴルバチョフ氏は ただ口約束をして
719
00:43:07,560 --> 00:43:10,520
それで十分だとしてしまった
720
00:43:11,400 --> 00:43:12,650
そんなことは無いのです
721
00:43:14,610 --> 00:43:18,150
NATOは両ブロックが衝突していたときに設立された
722
00:43:18,150 --> 00:43:21,870
東側と西側です
723
00:43:21,870 --> 00:43:24,240
これらは 2つの「陣営」と呼ばれましたが
724
00:43:24,620 --> 00:43:26,910
ワルシャワ条約は消滅し
725
00:43:26,910 --> 00:43:30,120
[大統領専用機 午後3:00]
–
東側は無くなった ソビエト連邦も無い
726
00:43:30,830 --> 00:43:35,340
[ドミトリー・ペスコフ 大統領報道官]
–
(通訳中)
727
00:43:35,420 --> 00:43:38,010
なのに なぜNATOが存在するのです?
728
00:43:38,840 --> 00:43:43,930
私の印象では まるでNATOがその存在を
正当化するために
729
00:43:43,930 --> 00:43:49,850
外部に敵が必要で いつも敵を探している
730
00:43:49,850 --> 00:43:55,480
あるいは誰かを敵対者と呼ぶために
挑発を続けているかのようだ
731
00:43:57,360 --> 00:44:01,150
[ミュンヘン安全保障会議 2007年2月10日]
–
冷戦後に提唱された 1極化された世界も
732
00:44:01,150 --> 00:44:02,820
[ミュンヘン安全保障会議 2007年2月10日]
–
その像を結びませんでした
733
00:44:02,820 --> 00:44:04,410
[ミュンヘン安全保障会議 2007年2月10日]
–
–
734
00:44:04,410 --> 00:44:07,330
[ミュンヘン安全保障会議 2007年2月10日]
–
しかし 1極化された世界とは何でしょう?
735
00:44:08,660 --> 00:44:12,000
どれほど美辞麗句で飾ったとしても
とどのつまりは
736
00:44:12,000 --> 00:44:14,000
ある状態を指します
737
00:44:15,840 --> 00:44:18,420
単独の権威が存在する世界
738
00:44:19,920 --> 00:44:24,510
単独の軍隊 そして単独の意思決定です
739
00:44:25,970 --> 00:44:29,430
それは1人の支配者が存在する世界
単独の主権
740
00:44:30,140 --> 00:44:32,310
結局 これはひどく有害です
741
00:44:32,390 --> 00:44:34,480
システムの構成員だけに限らず
742
00:44:35,860 --> 00:44:40,650
主権それ自体に取っても
なぜならば それは内部から崩壊するからです
743
00:44:41,190 --> 00:44:44,320
1つの国だけが
つまり当然米国ですが
744
00:44:44,780 --> 00:44:47,830
あらゆる意味で国境を踏みにじりました
745
00:44:48,200 --> 00:44:50,790
米国は あからさまに経済・政治・文化
746
00:44:50,870 --> 00:44:55,000
そして教育政策を他国に押し付けています
747
00:45:02,220 --> 00:45:06,050
今日のNATOは 米国の対外政策の
単なる道具でしかありません
748
00:45:06,050 --> 00:45:09,430
同盟国などいません
属国しかいないのです
749
00:45:09,970 --> 00:45:18,690
いったんNATOに参加してしまえば
米国からの圧力に抵抗するのは難しい
750
00:45:18,770 --> 00:45:21,940
いきなり どんな兵器システムでも
国内に配置されてしまう
751
00:45:21,940 --> 00:45:26,160
弾道弾迎撃ミサイルシステムだろうが
新しい軍事基地だろうが
752
00:45:26,200 --> 00:45:29,530
必要とあらば
新型攻撃システムまで
753
00:45:29,530 --> 00:45:31,160
我が国にどうしろと?
754
00:45:31,160 --> 00:45:34,830
私たちは それに対抗措置を
取らざるを得ません
755
00:45:34,830 --> 00:45:41,840
我が国を脅かす施設に ミサイル照準を
向けざるを得ないのです
756
00:45:41,840 --> 00:45:45,050
そして状況は より緊迫します
757
00:45:45,050 --> 00:45:50,350
なぜロシアはNATO拡大に激しく
反応するのでしょう?
758
00:45:51,140 --> 00:45:55,690
実際のところ 我々は あの組織の価値観
759
00:45:55,690 --> 00:46:01,480
あるいはその欠如といったものは理解できます
760
00:46:01,480 --> 00:46:03,820
我々が本気で心配しているのは次のことです
761
00:46:03,820 --> 00:46:07,660
我々はNATO内で実際に行われる意思決定を
懸念しているのです
762
00:46:07,660 --> 00:46:10,280
私は あそこでの意思決定のされ方を知っています
763
00:46:10,280 --> 00:46:18,290
離任間近のクリントン大統領とモスクワで
会談したときですが
764
00:46:18,290 --> 00:46:23,340
その中で 私は言った
「ロシアがNATOへの参加を
765
00:46:23,340 --> 00:46:25,510
検討してもいい」
766
00:46:25,510 --> 00:46:27,590
クリントン氏は「そりゃあいい」と
767
00:46:27,590 --> 00:46:30,300
だが米国代表団はとても神経質になった
768
00:46:30,800 --> 00:46:33,470
申請はしたのですか?
769
00:46:34,680 --> 00:46:39,020
米国のパートナーたちが なぜロシアのNATO参加に
神経質になるか ご説明します
770
00:46:39,020 --> 00:46:43,150
もし それが実現したらロシアは議決権を持ちます
771
00:46:44,360 --> 00:46:46,360
でもロシアは 彼らには操縦されません
772
00:46:46,360 --> 00:46:51,320
アメリカの友人たちは そんな道は選ぼうともしないでしょう
773
00:46:51,370 --> 00:46:56,250
- NATOの規則では 参加国は核兵器情報を
米国に開示する必要があるはずです
774
00:46:56,540 --> 00:46:57,660
あのですね…
775
00:46:58,500 --> 00:47:03,090
米国をはじめ 全てのパートナーに対する
我が国の透明性は
776
00:47:03,090 --> 00:47:07,300
ソ連崩壊後 政治体制が変わった後は
777
00:47:07,300 --> 00:47:13,850
あまりに高く それには核兵器情報も含まれていました
778
00:47:13,850 --> 00:47:15,970
- 秘密は無いも同然でした
- ええ そうですね
779
00:47:15,970 --> 00:47:22,770
米国の監視団が我が国の最大の兵器工場に駐在した
780
00:47:22,770 --> 00:47:25,030
核兵器の部品工場です
781
00:47:25,030 --> 00:47:26,070
恒久的に
782
00:47:26,070 --> 00:47:29,780
ほら 我が国は十分に透明なのです
783
00:47:29,780 --> 00:47:30,780
- ええ
784
00:47:30,780 --> 00:47:35,450
もう脅威は存在しなかったのですから
785
00:47:35,450 --> 00:47:41,170
1つ興味深いことがある
貴国の大統領は入れ替わりますが
786
00:47:43,920 --> 00:47:45,420
政策は不変です
787
00:47:47,130 --> 00:47:48,380
原則的にはね
788
00:47:48,970 --> 00:47:52,260
- 旧ソビエトは 常に現実的な対アメリカ政策を
とってきた
789
00:47:52,260 --> 00:47:55,100
彼らは常に 米国の意図を理解しようと努めていた
790
00:47:55,310 --> 00:47:59,350
当時のシンクタンクがまだあるか知りませんが
あると思いますけど
791
00:47:59,350 --> 00:48:02,560
米国の意図に関する正確な評価を
792
00:48:02,690 --> 00:48:04,860
プーチン氏に上げるはずですよね
793
00:48:05,020 --> 00:48:06,320
ええ そうですね
794
00:48:06,320 --> 00:48:12,360
信じるに 自分が唯一の超大国だと思い
795
00:48:12,360 --> 00:48:17,740
国民全体に自国の超越性を信じ込ませてしまえば
796
00:48:17,740 --> 00:48:22,960
社会が帝国主義的なメンタリティーを持つに至り
797
00:48:22,960 --> 00:48:29,210
それを反映した国外政策を取らざるを得なく
なるのでしょう
798
00:48:29,210 --> 00:48:31,380
そして国の指導者もまた
799
00:48:31,380 --> 00:48:33,550
その論理に従わざるを得ない
800
00:48:33,550 --> 00:48:38,470
それが実は米国人の利益に反したとしてもです
801
00:48:38,470 --> 00:48:40,270
私はそのように理解しています
802
00:48:40,270 --> 00:48:44,600
結局は 問題と欠陥をさらし出すだけなのです
803
00:48:44,600 --> 00:48:48,440
つまり 全てをコントロールなど
できないという実証です
804
00:48:48,940 --> 00:48:51,150
- やんだことなど あるんでしょうか?
805
00:48:51,190 --> 00:48:54,570
この米国の態度は
やんだことがあるでしょうか?
806
00:48:54,570 --> 00:48:56,580
ロシアが敵国だという
807
00:48:56,780 --> 00:49:00,580
共産主義だろうが
プーチン主義だろうが
808
00:49:00,580 --> 00:49:04,250
他の何だったとしても
とにかく敵なんです
809
00:49:05,080 --> 00:49:11,010
第2次大戦終了後 2極化された世界が現れた
810
00:49:11,010 --> 00:49:16,260
私は これはソビエト連邦の戦略ミスだったと思います
811
00:49:16,390 --> 00:49:21,140
率直に言って 当時のソ連は 愚かに振る舞ったが故に
812
00:49:21,140 --> 00:49:27,860
米国にNATOを作る言い訳を与えてしまい
813
00:49:27,860 --> 00:49:30,230
冷戦をもたらしたのです
814
00:49:32,190 --> 00:49:35,450
米国はきっと
815
00:49:35,450 --> 00:49:38,620
自分たちが「文明世界」の最先端だと
感じていたのでしょう
816
00:49:39,830 --> 00:49:43,830
ソ連が崩壊したとき
817
00:49:43,830 --> 00:49:50,590
米国は 自分たちには何でもできるという
幻覚を持った
818
00:49:50,590 --> 00:49:52,460
さらに 全ては免責されるとも
819
00:49:54,130 --> 00:49:55,590
でも そううまくは行かない
820
00:49:55,590 --> 00:49:57,720
なぜなら そのような状況下では
821
00:49:57,720 --> 00:50:01,640
人であれ国であれ 過ちを犯し始める
822
00:50:02,100 --> 00:50:05,600
状況分析など必要無いし
823
00:50:05,600 --> 00:50:07,690
結果を心配する必要も無い
824
00:50:07,690 --> 00:50:10,770
すると国は非効率になります
825
00:50:10,770 --> 00:50:12,900
過ちが過ちを生む
826
00:50:13,490 --> 00:50:16,360
それが米国の陥った罠なのでしょう
827
00:50:18,160 --> 00:50:20,580
[2016年12月]
–
ならばお聞きしたい 大きな視点で
828
00:50:20,580 --> 00:50:22,700
米国の政策とは何でしょう?
829
00:50:22,700 --> 00:50:24,790
世界をどうしたいのか?
830
00:50:24,790 --> 00:50:25,790
世界全体を?
831
00:50:25,830 --> 00:50:31,380
私はその問いに 率直に かつ詳細にお答えします
832
00:50:31,380 --> 00:50:34,550
ただし引退してから
833
00:50:37,930 --> 00:50:42,060
- ええと 私が考えを述べて
反論してくれても いいですけど
834
00:50:42,060 --> 00:50:44,350
それでもいい
私が思うに
835
00:50:44,350 --> 00:50:47,020
心ある人は同じ意見だと思いますが
836
00:50:47,060 --> 00:50:50,560
今の米国の政策は
ロシアの経済を破壊すること
837
00:50:50,610 --> 00:50:53,190
1990年のレベルまで
逆戻りさせる
838
00:50:53,530 --> 00:50:56,360
そしてロシアの指導者を交代させること
839
00:50:56,440 --> 00:50:59,860
ロシアを米国に近付けて
840
00:50:59,860 --> 00:51:04,330
つまり ロシアを牛耳ること
一度そうしたように
841
00:51:04,490 --> 00:51:07,460
ロシアを潰し足りなかったと
感じてるんでしょう
842
00:51:07,460 --> 00:51:10,040
核兵器を取り上げて
おくべきだったと
843
00:51:10,500 --> 00:51:15,420
そのような考え方は 実に可能です
844
00:51:15,420 --> 00:51:21,970
もしそうだとしたら それは間違った政策だと
信じますね
845
00:51:21,970 --> 00:51:27,930
なぜなら そのようなロシアとの関係の視点は
846
00:51:27,930 --> 00:51:30,310
未来志向のものでは無いからです
847
00:51:30,310 --> 00:51:33,060
そのような考え方をする者には
848
00:51:33,060 --> 00:51:39,610
25年先 50年先の未来が見えていない
849
00:51:39,610 --> 00:51:42,910
もし見えたとしたら 違った枠組みで
850
00:51:42,910 --> 00:51:47,040
ロシアとの関係を築こうとするでしょう
851
00:51:47,040 --> 00:51:51,580
ロシアを彼らの属国にしようとすることも
無いでしょう
852
00:51:52,130 --> 00:51:55,550
ロシアは諦めることは
しないんでしょうね
853
00:51:55,630 --> 00:51:58,630
どんな経済状況だろうが
スターリン時代には
854
00:51:58,630 --> 00:52:00,220
民が宝石を供出した
855
00:52:00,220 --> 00:52:03,180
国民が個人の資産を最後の1ドルまで
856
00:52:03,510 --> 00:52:05,930
政府の対ナチ戦のために差し出した
857
00:52:06,310 --> 00:52:09,730
お金の問題ではありません
命そのものなのです
858
00:52:09,730 --> 00:52:14,270
ロシア国民は最後のひと息まで戦ったでしょう
最後の1ドルでは無い
859
00:52:15,230 --> 00:52:21,030
ロシアの最も大事な財産はロシア国民だ
860
00:52:21,030 --> 00:52:22,910
そしてその自意識です
861
00:52:22,910 --> 00:52:26,870
ロシア国民の精神は
862
00:52:26,870 --> 00:52:30,960
自立した国の中でなければ生きられないのです
863
00:52:30,960 --> 00:52:37,710
核の脅しでは無く この精神の尊重こそ
864
00:52:37,710 --> 00:52:41,090
パートナーたちがロシアとの
865
00:52:41,090 --> 00:52:44,430
長きに渡る平等関係を築く上で 考えるべきです
866
00:52:44,430 --> 00:52:48,720
そうすれば 防衛予算にあれほどを
つぎ込まなくても良くなる
867
00:52:48,720 --> 00:52:54,230
例えば 昨年ですが ドルベースで
868
00:52:54,230 --> 00:52:59,730
ロシアは400億ドルを予算に計上しました
869
00:52:59,730 --> 00:53:04,990
ところが米国は 4,600億ドル以上だ
870
00:53:04,990 --> 00:53:07,200
つまり10倍以上
871
00:53:07,200 --> 00:53:13,580
そして今年 2016年は ご存知のように 米国は
872
00:53:13,580 --> 00:53:16,460
6,000億ドル以上を計上しようとしている
873
00:53:16,460 --> 00:53:22,130
費やし過ぎです 世界の他の国すべての
874
00:53:22,130 --> 00:53:25,970
防衛支出の合計より多いのですから
875
00:53:28,560 --> 00:53:31,930
- 米国では 今年は大統領選ですが
876
00:53:32,310 --> 00:53:34,310
これらの課題は1つも
877
00:53:34,440 --> 00:53:36,650
環境問題も
同盟関係の修復も
878
00:53:36,650 --> 00:53:38,270
1回も議論されていません
879
00:53:38,270 --> 00:53:41,820
選挙戦のレトリックはすべて
880
00:53:42,030 --> 00:53:46,070
強くなれ もっと強くなれ
軍備を再構築しろ
881
00:53:46,160 --> 00:53:48,240
それだけでなく
882
00:53:48,280 --> 00:53:51,450
これは両陣営共通だ
ヒラリー・クリントンを含め
883
00:53:51,490 --> 00:53:56,420
ヒラリーは絶対に新保守主義(ネオコン)になる
タカ派ですね
884
00:53:56,500 --> 00:53:58,380
ロシアに対しては強硬策
885
00:53:58,500 --> 00:54:02,170
シリア介入にも賛意を示していますし
886
00:54:02,170 --> 00:54:05,130
プーチンに対して明確なメッセージを送らなくては
887
00:54:05,180 --> 00:54:07,840
このような敵対行為
888
00:54:07,840 --> 00:54:09,930
限度を試すような行為には
889
00:54:09,930 --> 00:54:12,310
必ず代償が伴うと
890
00:54:12,430 --> 00:54:16,810
加えて ペンタゴンで最近 新しい大将が
891
00:54:16,810 --> 00:54:20,860
[米海兵隊大将 ジョセフ・ダンフォード]
–
ロシアは米国の最大の脅威だと発表した
892
00:54:20,940 --> 00:54:24,650
とても強引な声明文でした
893
00:54:25,280 --> 00:54:29,120
米国にとって 壊滅的脅威という話でしたら
894
00:54:29,120 --> 00:54:33,750
ロシアを挙げます 振る舞いを
憂慮せずにはいられない
895
00:54:33,830 --> 00:54:36,210
ええ 知っています
896
00:54:36,210 --> 00:54:39,130
歓迎するとは言えませんね
897
00:54:39,130 --> 00:54:44,800
でも 我が国はいつでも どの分野でも
対話を歓迎します
898
00:54:44,800 --> 00:54:49,010
でも大統領選の間は 残念ながら
899
00:54:49,010 --> 00:54:53,770
米国では ロシアを中傷・利用することが
900
00:54:53,770 --> 00:54:57,810
流行りになってしまっているようだ
901
00:54:57,810 --> 00:55:00,980
後から耳打ちしてくる 「気にしないでください
902
00:55:00,980 --> 00:55:05,190
あれは ただの選挙のレトリックなんだから
903
00:55:05,190 --> 00:55:08,360
終わった後は握手しましょう」
904
00:55:08,360 --> 00:55:14,160
でも両国関係・政府関係を犠牲にして
905
00:55:14,160 --> 00:55:17,870
政治活動に利用するというのは過ちだと思います
906
00:55:42,360 --> 00:55:47,940
2016年5月
戦勝記念日
71周年記念パレード
907
00:55:48,740 --> 00:55:55,030
1945年5月
908
00:55:55,790 --> 00:55:59,330
- 親愛なるロシア市民の皆さん
909
00:55:59,330 --> 00:56:02,080
退役軍人の皆さん
910
00:56:02,080 --> 00:56:06,000
同士たち 兵士そして水兵の皆さん
911
00:56:06,000 --> 00:56:08,800
准士官の皆さん
912
00:56:08,800 --> 00:56:11,510
中尉の皆さん
913
00:56:11,510 --> 00:56:13,640
そして将軍の皆さん
914
00:56:15,720 --> 00:56:19,310
戦勝記念日おめでとう!
915
00:56:22,560 --> 00:56:24,690
すばらしいパレードでした
916
00:56:26,610 --> 00:56:29,900
行進 一糸乱れず… 誉れ
917
00:56:42,420 --> 00:56:44,040
女性の兵隊も良かったですね
918
00:56:44,670 --> 00:56:49,010
女性大隊は今年が初めての参加です
919
00:56:49,630 --> 00:56:51,970
ゴルバチョフ氏を見ましたよ
920
00:56:52,550 --> 00:56:54,890
あなたは挨拶に行きませんでしたね
921
00:56:54,890 --> 00:56:57,260
ええ 正式行事には招待する儀礼になっています
922
00:56:57,720 --> 00:57:02,520
ええ でもプーチン氏は立ち止まって
挨拶をしなかったと
923
00:57:03,600 --> 00:57:05,440
気が付きませんでした
924
00:57:06,400 --> 00:57:08,570
顔を合わせないんですか?
925
00:57:09,440 --> 00:57:15,530
- クレムリンにお誘いしましたよ 私の事務所で会った
- 会うことは無いんですか?
926
00:57:16,030 --> 00:57:17,950
何年も前?
927
00:57:18,700 --> 00:57:19,830
数年前です
928
00:57:19,990 --> 00:57:22,460
- 彼はNATOの件であなたを支持していますね
929
00:57:22,460 --> 00:57:26,710
NATOと クリミアの件も支持していたと思う
930
00:57:26,710 --> 00:57:28,750
彼には彼の考えがあります
931
00:57:28,750 --> 00:57:32,380
意見の合う話もあるし 合わない話もある
932
00:57:35,550 --> 00:57:39,220
米国大使が来なかったのは残念だ
933
00:57:53,820 --> 00:57:56,700
続く…
934
00:57:56,820 --> 00:57:59,820
[字幕: のざらし]