1 00:00:21,773 --> 00:00:28,780 “音楽は天をうがつ” ボードレール 2 00:00:51,344 --> 00:00:54,222 「アイヴ・ゴット・ ア・シークレット」 3 00:00:54,347 --> 00:00:57,475 提供は 全米で 最も売れているタバコ 4 00:00:58,143 --> 00:01:01,146 本物の味がするウィンストン 5 00:01:00,729 --> 00:01:05,065 ウィンストンは 本物の味がする 6 00:01:04,273 --> 00:01:08,320 ウィンストンがお送りする 人気クイズ番組 7 00:01:08,445 --> 00:01:10,447 「アイヴ・ゴット・ ア・シークレット」 8 00:01:12,949 --> 00:01:16,036 回答者の皆さんには 彼のことを–– 9 00:01:16,161 --> 00:01:19,039 ミスターXと紹介しておきます 10 00:01:19,164 --> 00:01:22,334 彼はウェールズ出身です 11 00:01:22,459 --> 00:01:25,962 ウェールズ人の ミュージシャンです 12 00:01:29,549 --> 00:01:31,384 20秒後に続けます 13 00:01:32,135 --> 00:01:34,846 1日に買う ヘロインの量は? 14 00:01:36,097 --> 00:01:37,599 4~5ドル分だ 15 00:01:42,479 --> 00:01:45,273 ストラッフォードの町は… 16 00:01:51,071 --> 00:01:55,408 テキサス州ダラスで ケネディ大統領が… 17 00:02:10,799 --> 00:02:12,926 1 2 3… 18 00:02:39,035 --> 00:02:46,042 ヴェルヴェット・ アンダーグラウンド 19 00:02:57,762 --> 00:02:59,097 ジョン・ケイルは–– 20 00:02:59,222 --> 00:03:02,684 前代未聞のコンサートを 開きました 21 00:03:03,059 --> 00:03:05,854 先週のコンサートの特徴は? 22 00:03:05,979 --> 00:03:08,106 演奏に18時間かかった 23 00:03:09,107 --> 00:03:11,776 ではシェンザーさんの秘密は? 24 00:03:12,611 --> 00:03:16,239 最後まで聴いた 唯一の観客でした 25 00:03:16,364 --> 00:03:18,408 どういうこと? 26 00:03:20,201 --> 00:03:23,413 18時間40分も かかった理由は? 27 00:03:23,955 --> 00:03:28,251 作曲家エリック・サティの 指示がここにある 28 00:03:28,585 --> 00:03:33,173 このパートは840回 繰り返さないといけない 29 00:03:34,132 --> 00:03:38,553 なぜ840回も 演奏するように指示を? 30 00:03:38,678 --> 00:03:39,930 さあね 31 00:03:51,358 --> 00:03:57,864 ルー 32 00:04:15,048 --> 00:04:20,011 そよ風が吹いている 33 00:04:20,178 --> 00:04:24,724 そよ風が吹いている 34 00:04:24,891 --> 00:04:29,563 そよ風が吹いている 35 00:04:31,606 --> 00:04:35,318 まるで映画館にいるような 感覚に陥った 36 00:04:35,902 --> 00:04:40,323 長い光の筋が回りながら 暗闇の中を横切り 37 00:04:36,528 --> 00:04:43,201 話 ル︱・リ︱ド 38 00:04:40,448 --> 00:04:43,201 僕はスクリーンから 目が離せない 39 00:04:43,952 --> 00:04:47,372 各ショットは 影や光線にあふれていた 40 00:04:47,998 --> 00:04:51,877 名もない僕は 自らの存在を忘れる 41 00:04:52,878 --> 00:04:56,423 それは映画を見る体験に 似ていた 42 00:04:57,173 --> 00:05:01,177 人々が言うとおり 麻薬に似ていた 43 00:05:02,178 --> 00:05:08,518 風が運んでくれる夢の中で 44 00:05:09,185 --> 00:05:13,148 私が4歳 兄が9歳の時 ロングアイランドの︱ 45 00:05:12,814 --> 00:05:18,028 話 メリル・リ︱ド・ ワイナ︱ 46 00:05:13,857 --> 00:05:16,443 フリ︱ポ︱トに 移り住んだの 47 00:05:16,568 --> 00:05:20,947 郊外の生活は ブルックリンとは違い 48 00:05:21,072 --> 00:05:23,533 ルーは慣れるのに 苦労してた 49 00:05:27,871 --> 00:05:32,876 母は主婦で 父は作家を 夢見ていたらしい 50 00:05:33,001 --> 00:05:38,465 でも 祖母に反対されて 会計士になったと聞いた 51 00:05:40,842 --> 00:05:47,307 1950年代の理想的な 父親像ではなかったはず 52 00:05:42,928 --> 00:05:47,307 話 アラン・ハイマン 53 00:05:47,474 --> 00:05:50,644 仕事一筋で 子供との交流も少なく 54 00:05:50,769 --> 00:05:54,314 キャッチボールをする タイプではなかった 55 00:05:55,065 --> 00:05:59,986 父は兄に仕事を継いで ほしかったのかもね 56 00:06:00,111 --> 00:06:04,741 私には家庭的な女性に 育つことを望んでた 57 00:06:04,866 --> 00:06:08,536 サーカスなどは 行った覚えがない 58 00:06:11,957 --> 00:06:14,709 最初に習った楽器はピアノ 59 00:06:15,210 --> 00:06:20,465 10歳か11歳の時に ギターの先生に就いた 60 00:06:15,544 --> 00:06:19,756 話 ル︱・リ︱ド 61 00:06:20,590 --> 00:06:25,053 「ブルー・スエード・シューズ」を 習いたかったが–– 62 00:06:25,178 --> 00:06:27,889 先生に断られたんだ 63 00:06:28,848 --> 00:06:31,309 レッスンはその1回きりだ 64 00:06:32,143 --> 00:06:35,438 あとはレコードを聴いて覚えた 65 00:06:39,317 --> 00:06:42,571 ザ・パラゴンズや ザ・ジェスターズ 66 00:06:42,696 --> 00:06:46,533 ロカビリーの ザ・ディアボロスを聴いてた 67 00:06:48,243 --> 00:06:53,290 ロックスターになるのが夢だと ルーは言ってた 68 00:06:53,456 --> 00:06:55,792 まだ高校生の時だ 69 00:07:06,052 --> 00:07:08,680 14歳の時 初のレコードを作った 70 00:07:08,805 --> 00:07:10,307 「Leave Her For Me」だ 71 00:07:10,432 --> 00:07:12,893 ラジオで流れた その日–– 72 00:07:13,018 --> 00:07:17,147 DJのマレー・ザ・Kが 病欠だったんだ 73 00:07:17,272 --> 00:07:19,524 代打は ポール・シャーマンだった 74 00:07:19,649 --> 00:07:23,111 ラジオの前で肩を落としたね 75 00:07:23,236 --> 00:07:26,281 でも2ドル79セントの 印税をもらえた 76 00:07:26,406 --> 00:07:30,327 ヴェルヴェットで稼いだ 金額より多い 77 00:07:33,663 --> 00:07:37,709 よく1人でヘイロフトに 演奏しに行ってた 78 00:07:40,503 --> 00:07:43,048 ゲイ・ナイトクラブだ 79 00:07:43,173 --> 00:07:47,177 同性愛者と好んでつるむ 理由を尋ねたら 80 00:07:47,302 --> 00:07:49,846 “面白い人たちだから”と 81 00:07:53,225 --> 00:07:57,354 高校の時 すでに NYでライブをしてた 82 00:07:53,725 --> 00:08:00,065 ジョン 83 00:07:57,479 --> 00:08:01,650 それが原因で 家族間に不和が生じた 84 00:08:21,378 --> 00:08:23,713 母方の祖母と暮らしてた 85 00:08:23,838 --> 00:08:27,342 祖母は驚くほど 国家主義的で–– 86 00:08:27,467 --> 00:08:33,265 イングランド人である父を かたくなに認めなかった 87 00:08:30,470 --> 00:08:35,308 話 ジョン・ ケイル 88 00:08:33,557 --> 00:08:39,563 炭鉱労働者という職業も 許せなかったらしい 89 00:08:39,688 --> 00:08:44,818 母やおじたちの教育に 力を入れてきたからだ 90 00:08:46,528 --> 00:08:51,366 祖母は家の中で 英語の使用を禁じてたから 91 00:08:51,491 --> 00:08:56,121 私は7歳で英語を習うまで 父と話せなかった 92 00:08:57,706 --> 00:09:03,044 祖母が私に憎しみを 抱いてたのは分かってた 93 00:09:03,962 --> 00:09:05,589 残酷だったね 94 00:09:06,631 --> 00:09:09,134 母にピアノを習い始めたが 95 00:09:09,259 --> 00:09:13,471 上達すると母は 別の人に引き継いだ 96 00:09:13,597 --> 00:09:15,390 6~7歳の私は–– 97 00:09:15,515 --> 00:09:18,977 母のおかげで 心の安定を保ててた 98 00:09:22,022 --> 00:09:24,774 ラジオを聴き 現実逃避してた 99 00:09:25,108 --> 00:09:29,237 世界各国のラジオ放送を 聴くことで–– 100 00:09:29,362 --> 00:09:32,657 想像力を膨らませていたんだ 101 00:09:32,782 --> 00:09:36,077 ラジオ・スイス・ロマンドや モスクワ放送だ 102 00:09:37,954 --> 00:09:39,998 グラマースクールに入学し 103 00:09:40,624 --> 00:09:44,336 学校のオーケストラに 入ることにした 104 00:09:44,461 --> 00:09:48,298 バイオリンがなかったので ビオラを選んだ 105 00:09:48,882 --> 00:09:52,844 バッハの無伴奏チェロ組曲を 練習して–– 106 00:09:52,969 --> 00:09:55,680 技術をしっかり身に付けた 107 00:09:55,972 --> 00:09:59,643 パガニーニの「24の」を 108 00:09:59,851 --> 00:10:05,398 習いたいと言った時は さすがに先生も仰天してたね 109 00:10:09,027 --> 00:10:11,488 母が乳がんの手術を受け 110 00:10:11,613 --> 00:10:15,825 隔離病棟に 入れられてしまったんだ 111 00:10:16,076 --> 00:10:19,037 壁に囲まれた病棟を のぞくために 112 00:10:19,162 --> 00:10:22,624 父はよく私を 持ち上げてくれた 113 00:10:24,292 --> 00:10:25,669 母が消えて–– 114 00:10:26,378 --> 00:10:28,713 すべてが狂い始めた 115 00:10:28,838 --> 00:10:34,803 父は仕事で忙しかったので 私は常に孤独を感じてた 116 00:10:36,054 --> 00:10:41,268 当時の悩みを父親にも 母親にも打ち明けられず 117 00:10:41,393 --> 00:10:44,312 状況は悪化していった 118 00:10:45,021 --> 00:10:46,773 私は途方に暮れた 119 00:10:49,359 --> 00:10:53,530 ある曲を演奏してる時 最後を思い出せず–– 120 00:10:53,655 --> 00:10:55,699 即興で作ったんだ 121 00:10:55,824 --> 00:10:58,368 結構 いい出来で 122 00:10:58,493 --> 00:11:02,914 納得のいく形で しのぐことができた 123 00:11:03,039 --> 00:11:07,085 部屋から出た時は おびえていた 124 00:11:07,210 --> 00:11:10,213 先が見えなかったからだ 125 00:11:10,338 --> 00:11:12,090 でもあの体験を経て–– 126 00:11:12,215 --> 00:11:18,138 問題に直面してしまったら どう抜け出すべきかを学んだ 127 00:11:18,263 --> 00:11:23,059 先が読めない時 恐怖を感じるのは当然なんだ 128 00:11:23,184 --> 00:11:25,437 即興を知った瞬間だ 129 00:11:31,610 --> 00:11:35,655 私は徐々に将来に 目を向けるようになり 130 00:11:35,906 --> 00:11:40,535 指揮者になるという 現実的な道を選択した 131 00:11:42,746 --> 00:11:46,041 そして地元を去ることを決めた 132 00:11:46,166 --> 00:11:50,045 退屈な町から 早く出たかったんだ 133 00:11:50,170 --> 00:11:55,175 曲の最後を思い出せず 焦りながら弾き終えた–– 134 00:11:55,300 --> 00:11:58,511 あの経験のおかげで 度胸がついた 135 00:11:58,637 --> 00:12:02,974 私を変える きっかけとなった 136 00:12:03,225 --> 00:12:07,979 ニューヨーク市 137 00:12:24,704 --> 00:12:27,749 君はヨーロッパの息子を殺した 138 00:12:27,874 --> 00:12:30,919 21歳未満の彼らにつばを吐いて 139 00:12:31,044 --> 00:12:34,214 でも青い車はないし もう別れを告げな 140 00:12:34,339 --> 00:12:35,966 さようなら 141 00:12:36,049 --> 00:12:38,218 冷戦中のNYには–– 142 00:12:38,343 --> 00:12:43,390 世界中のアーティストが 避難してきていた 143 00:12:39,594 --> 00:12:45,600 話 ジョナス・ メカス 144 00:12:44,224 --> 00:12:49,604 つまり NYの街と パリやベルリンの才能の 145 00:12:49,729 --> 00:12:52,524 融合が起きてたんだ 146 00:12:56,778 --> 00:13:01,741 そしてNYは1960年代に 突入していった 147 00:13:06,538 --> 00:13:12,043 フランスのヌーベルバーグに シネマテークがあったように 148 00:13:12,335 --> 00:13:15,297 NYには42丁目があった 149 00:13:15,797 --> 00:13:19,551 毎晩のように 42丁目に出かけてた 150 00:13:19,676 --> 00:13:23,471 映画館が15~20館も 並んでたんだ 151 00:13:25,348 --> 00:13:28,685 その頃から芸術だけでなく 152 00:13:28,810 --> 00:13:33,273 生活スタイルも 大きく変わっていった 153 00:13:33,398 --> 00:13:36,526 それは1960年代に入り ピークを迎えた 154 00:13:41,823 --> 00:13:46,328 サブカルチャーや カウンターカルチャーではない 155 00:13:46,453 --> 00:13:48,371 カルチャーそのものだ 156 00:13:54,085 --> 00:13:57,130 画家もミュージシャンも 映画監督も–– 157 00:13:57,255 --> 00:14:02,594 物語を伝えるだけの映画には 関心がなかった 158 00:14:03,345 --> 00:14:10,018 映画の詩的な側面に注目し 芸術に押し上げようとしたんだ 159 00:14:18,902 --> 00:14:25,158 1962年 フィルムメーカーズ・ コーポラティヴは–– 160 00:14:25,283 --> 00:14:28,912 映像作家が集う場所になってた 161 00:14:29,037 --> 00:14:31,373 毎晩 上映会が行われ–– 162 00:14:31,498 --> 00:14:34,709 アンディ・ウォーホルも そこにいた 163 00:14:34,834 --> 00:14:40,674 集団の中に埋もれてて 彼を認識してなかったけどね 164 00:14:41,258 --> 00:14:45,428 アンディはそこで マリオ・モンテスや 165 00:14:45,554 --> 00:14:49,391 ジャック・スミスや ジェラルド・マランガと会った 166 00:14:49,808 --> 00:14:52,185 彼の“映画学校”だったのさ 167 00:15:02,904 --> 00:15:04,948 ゴールドスミス・ カレッジは–– 168 00:15:04,406 --> 00:15:10,495 ジョン・ケイル 169 00:15:05,073 --> 00:15:10,495 とても自由な雰囲気が 漂ってる学校だった 170 00:15:10,662 --> 00:15:15,208 ハンフリー・サールに ビオラと作曲を教わった 171 00:15:15,333 --> 00:15:19,713 彼は 私が傾倒していた ジョン・ケージを理解してた 172 00:15:19,963 --> 00:15:23,633 ジョン・ケージで「Water Walk」 173 00:15:27,429 --> 00:15:34,019 ジョンはアメリカにおける 実験音楽の先駆者だったが 174 00:15:34,144 --> 00:15:37,856 ラ・モンテ・ヤングが 台頭しつつあった 175 00:15:42,360 --> 00:15:47,449 バーンスタインの奨学金で アメリカに行くことになった 176 00:15:47,616 --> 00:15:51,745 クーセヴィツキー夫人が 健在だった頃だ 177 00:15:52,162 --> 00:15:56,499 彼女は生徒のために よく夜会を開催してた 178 00:15:57,083 --> 00:15:59,711 だが 私は演奏を禁じられた 179 00:15:59,878 --> 00:16:04,216 ハリー・クラウトに 乱暴すぎると判断された 180 00:16:04,549 --> 00:16:10,263 主にピアノの中をたたいて 奏でるという内容だったが 181 00:16:10,430 --> 00:16:12,015 問題はだった 182 00:16:17,187 --> 00:16:22,442 クーセヴィツキー夫人が 部屋から出ていってしまった 183 00:16:22,567 --> 00:16:27,739 涙目になってたから 申し訳なく思い 謝った 184 00:16:27,864 --> 00:16:32,535 カクテルをおごったら 機嫌を直したけどね 185 00:16:35,830 --> 00:16:39,501 コーネリアス・カーデューと 同じ頃に出会った 186 00:16:39,626 --> 00:16:45,840 彼はラ・モンテと面識があり すぐに意気投合した 187 00:16:51,137 --> 00:16:55,308 ラ・モンテは “次のジョン・ケージ”だった 188 00:16:56,142 --> 00:16:58,895 私はタングルウッドに向かった 189 00:17:01,481 --> 00:17:06,277 もはや音楽とは呼べない 実験音楽が出てきてた 190 00:17:02,482 --> 00:17:04,568 ヘンリ︱・フリント 191 00:17:08,988 --> 00:17:12,492 だが ラ・モンテが すべてを変えた 192 00:17:12,659 --> 00:17:16,079 みんな 派手さを 追い求めていたが–– 193 00:17:17,122 --> 00:17:21,584 精神状態を高めることを 僕は目的としてた 194 00:17:17,706 --> 00:17:21,584 ラ・モンテ・ヤング 195 00:17:27,591 --> 00:17:31,094 持続音だけを用いた曲を 書いたのは–– 196 00:17:31,219 --> 00:17:34,055 僕が初めてだったんだ 197 00:17:35,390 --> 00:17:37,392 ジョンはウェールズ出身で… 198 00:17:38,226 --> 00:17:40,645 ある時 手紙をくれたんだ 199 00:17:40,770 --> 00:17:44,858 ウェールズか ロンドンからね 200 00:17:43,523 --> 00:17:47,903 マリアン・ザジ︱ラ 201 00:17:44,983 --> 00:17:48,361 アメリカで学びたいと 書かれてた 202 00:17:49,863 --> 00:17:51,406 “来い”と返した 203 00:17:51,531 --> 00:17:52,616 そうね 204 00:17:53,700 --> 00:17:56,661 NYに初めて行ったのは1963年 205 00:17:56,786 --> 00:18:00,749 街の様子に最初は 驚きを隠せなかった 206 00:18:01,666 --> 00:18:04,044 道路から蒸気が上がってて 207 00:18:04,669 --> 00:18:07,547 “何て汚い街だ”と思った 208 00:18:07,714 --> 00:18:11,718 〝会員カ︱ド 1957年 春〟 209 00:18:10,091 --> 00:18:14,054 ラ・モンテの音楽には 希望を感じた 210 00:18:14,179 --> 00:18:19,643 耳に入ってくる音に改めて 意識を向け始めたんだ 211 00:18:19,768 --> 00:18:25,815 聞こえるのはドローンだが 実際は倍音を追求してた 212 00:18:30,528 --> 00:18:35,408 ルーから落ち込んでると 電話があった 213 00:18:35,033 --> 00:18:39,913 話 アラン・ ハイマン 214 00:18:35,533 --> 00:18:37,994 治療を受けてると 言ってた 215 00:18:38,286 --> 00:18:41,581 両親がショック療法を 用いて–– 216 00:18:41,706 --> 00:18:44,459 同性愛を 治そうとしてると 217 00:18:45,460 --> 00:18:48,463 彼の両親はそんな人ではない 218 00:18:50,048 --> 00:18:54,135 兄がうつ病を 患ってたという話も 219 00:18:54,261 --> 00:18:58,557 大量の薬物を 摂取してたという話も–– 220 00:18:59,391 --> 00:19:03,395 当時の時代性を 考慮しないと語れない 221 00:19:03,520 --> 00:19:07,399 理解や支援はないに等しかった 222 00:19:07,607 --> 00:19:09,859 だから 誤解したまま 223 00:19:09,150 --> 00:19:14,823 メリル・ リ︱ド・ワイナ︱ 224 00:19:09,985 --> 00:19:13,488 兄のことを 話してほしくない 225 00:19:13,613 --> 00:19:17,784 それは兄にも 両親にも失礼だと思う 226 00:19:17,909 --> 00:19:23,665 ひと言で説明できると 考えるのは安易だし非現実的よ 227 00:19:29,045 --> 00:19:31,006 ニューヨーク大学に入り 228 00:19:31,840 --> 00:19:34,342 後期の途中まで通った 229 00:19:36,511 --> 00:19:41,224 シラキュース大学に 編入学すると連絡をくれた 230 00:19:53,570 --> 00:19:57,157 シラキュースに行き ルーは人が変わった 231 00:19:57,282 --> 00:20:03,330 常に機嫌が悪く 敵対的で すべてに反抗的だったんだ 232 00:20:06,166 --> 00:20:08,460 理解するのが難しかった 233 00:20:12,923 --> 00:20:15,133 ハイな状態で演奏してた 234 00:20:15,258 --> 00:20:19,888 レイ・チャールズや フランキー・ライモンだ 235 00:20:17,427 --> 00:20:19,888 リチャ︱ド・ ミシュキン 236 00:20:20,055 --> 00:20:23,600 当時は社交クラブや バーで歌ってた 237 00:20:23,725 --> 00:20:27,896 でも下手すぎて 二度と呼ばれないから 238 00:20:23,725 --> 00:20:30,023 話 ル︱・リ︱ド 239 00:20:28,021 --> 00:20:30,023 よくバンド名を変えてた 240 00:20:31,942 --> 00:20:35,904 合図を逃したり リズムがずれたりすると 241 00:20:36,404 --> 00:20:38,782 ルーは怒り狂うんだ 242 00:20:36,863 --> 00:20:41,409 アラン・ハイマン 243 00:20:38,907 --> 00:20:42,244 シンバルを思い切り たたいてた 244 00:20:42,410 --> 00:20:44,204 とにかく短気だったね 245 00:20:44,579 --> 00:20:48,708 完璧じゃないと 気が済まないんだ 246 00:20:51,002 --> 00:20:56,466 セント・ローレンス大学の 船上パーティーに呼ばれた時 247 00:20:56,591 --> 00:21:00,637 “船の上は嫌だ”と ルーが言い始めた 248 00:21:00,762 --> 00:21:03,098 “行かない”とごねて… 249 00:21:03,306 --> 00:21:08,395 拳でドアのガラスを突き破り 大ケガを負ったんだ 250 00:21:08,520 --> 00:21:11,648 すぐに病院に行き 数針縫った 251 00:21:11,773 --> 00:21:17,320 すると“右手をケガしたから 演奏は無理”と言うのさ 252 00:21:17,445 --> 00:21:22,993 “どうせ ギターは下手だし 歌えるから平気だ”と返して 253 00:21:23,118 --> 00:21:25,495 予定どおり 決行した 254 00:21:25,662 --> 00:21:27,872 3歳児のようだったね 255 00:21:30,750 --> 00:21:34,045 「Your Love」という曲の デモ音源を録った 256 00:21:34,212 --> 00:21:36,131 君のすてきな愛 257 00:21:36,256 --> 00:21:39,593 君の愛 君のすてきな愛 258 00:21:39,718 --> 00:21:43,722 君の愛に見合わない 男だと思ってた 259 00:21:43,805 --> 00:21:47,851 デモ音源を 気に入った人がいて 260 00:21:47,976 --> 00:21:52,230 彼に会うために NY市内まで行った 261 00:21:52,355 --> 00:21:54,232 彼はルーにこう尋ねた 262 00:21:54,357 --> 00:21:58,069 “君の目標は? 何をしたいんだ?”と 263 00:21:58,194 --> 00:22:02,324 ルーは“ロックスターになり 大儲けする”と答えて 264 00:22:02,449 --> 00:22:08,079 “あなたに認められなくても かなえてやる”と言ってた 265 00:22:08,246 --> 00:22:12,542 どこにいても 居心地が悪そうだった 266 00:22:09,205 --> 00:22:14,794 シェリ︱・コ︱ウィン 267 00:22:12,667 --> 00:22:16,713 自分が落ち着かないと 周りの人々にも–– 268 00:22:16,838 --> 00:22:20,425 不快な思いをさせて 心を満たしてたの 269 00:22:20,550 --> 00:22:22,886 理由は分からないけど–– 270 00:22:23,220 --> 00:22:28,016 最後まで大きな不安を 抱えてたんだと思う 271 00:22:28,642 --> 00:22:31,561 人に拒絶されると腹を立て 272 00:22:33,104 --> 00:22:35,857 自分から関係性を断ってた 273 00:22:41,655 --> 00:22:44,366 薄暗い音楽の教会の中 274 00:22:44,491 --> 00:22:47,744 そこは地上でも海でもない 275 00:22:47,869 --> 00:22:51,206 心の中に 浮かんで花は開く 276 00:22:49,913 --> 00:22:56,378 話 デルモア・ シュワルツ 277 00:22:51,331 --> 00:22:56,962 動作と行動のパターンに 行列の連なり 278 00:22:57,087 --> 00:23:00,173 確信の威厳を持って 歩んでいる 279 00:23:00,298 --> 00:23:02,717 カーテンを分け入り… 280 00:23:03,093 --> 00:23:05,554 デルモアと交流を深めてた 281 00:23:07,597 --> 00:23:10,308 最も尊敬してたのは デルモアだ 282 00:23:10,433 --> 00:23:13,311 彼には詩を教わっていたが 283 00:23:13,436 --> 00:23:18,733 彼のエッセーや短編小説も すばらしかった 284 00:23:19,067 --> 00:23:22,779 最も驚いたのは 日常的な言葉を用いて 285 00:23:22,904 --> 00:23:26,157 あのような文章を 書けることだった 286 00:23:26,283 --> 00:23:29,578 デルモアは ルーの能力を買ってた 287 00:23:29,703 --> 00:23:34,082 実際 ルーの詩は 文芸雑誌にも掲載された 288 00:23:34,708 --> 00:23:39,713 ルーの詩は同性愛を テーマにしたものが多かった 289 00:23:39,838 --> 00:23:41,381 非常に暗かった 290 00:23:41,506 --> 00:23:47,512 例えば 公衆トイレで 男性と待ち合わせをして 291 00:23:47,637 --> 00:23:53,602 小便器の近くで セックスをするという内容だ 292 00:23:53,727 --> 00:23:57,480 それを読んだ時 僕は思わずこう言った 293 00:23:57,606 --> 00:24:00,525 “ルー 何を考えてるんだ” 294 00:24:00,650 --> 00:24:06,072 “この下劣なアイデアは 一体どこから来たんだ?”と 295 00:24:06,197 --> 00:24:10,911 すると“暗くて下劣じゃないと セクシーじゃない” 296 00:24:11,036 --> 00:24:14,956 “お前に分かるものか 保守的になったな”と 297 00:24:18,668 --> 00:24:22,172 ヘイロフトに行ったのは 感謝祭かクリスマス 298 00:24:22,923 --> 00:24:26,176 ゲイバーだったのは覚えてる 299 00:24:27,761 --> 00:24:33,183 ルーが 私とある女性を 引き合わせようとしたの 300 00:24:33,308 --> 00:24:38,230 “私は同性愛者じゃないし 興味がない”と伝えると 301 00:24:38,355 --> 00:24:41,858 “踊って来い”と言うから 一緒に踊ったわ 302 00:24:43,193 --> 00:24:46,488 私に行きつけの店を 見せたかったのよ 303 00:24:47,447 --> 00:24:52,118 “恋人なのによく平気ね”と よく驚かれたけど 304 00:24:52,244 --> 00:24:54,287 私には関係ないもの 305 00:24:54,412 --> 00:24:58,083 嫉妬しなかったし 気にもならなかった 306 00:25:00,043 --> 00:25:05,799 ヘロインを買いに ハーレムに 行った時の方が怖かった 307 00:25:05,924 --> 00:25:10,762 セント・ニコラス・アベニューと 125丁目の交差点よ 308 00:25:10,887 --> 00:25:15,350 私を危険な場所に 連れて行くのが好きだった 309 00:25:16,685 --> 00:25:21,815 単純に書き物のネタを 探してたんだと思う 310 00:25:23,775 --> 00:25:29,197 ルーは物語や歌詞や曲など 常に何かを書いてた 311 00:25:29,322 --> 00:25:35,328 小説でも歌詞でも 書くことに変わりはないと–– 312 00:25:36,121 --> 00:25:38,915 いつも強調してたわ 313 00:25:40,959 --> 00:25:47,549 17人のヴォズネセンスキーが 声のないうめき声を発してる 314 00:25:47,799 --> 00:25:51,469 私の叫びは引き裂かれた 315 00:25:51,595 --> 00:25:57,309 何マイルもある磁気テープと 終わりのない赤い舌に… 316 00:25:57,434 --> 00:26:03,189 大学時代 影響を受けたのは アレン・ギンズバーグの–– 317 00:26:03,315 --> 00:26:06,067 「吠える」や「カディッシュ」 318 00:26:06,192 --> 00:26:07,861 ウィリアム・バロウズの 「裸のランチ」や–– 319 00:26:07,986 --> 00:26:11,531 ヒューバート・セルビー・Jrの 「ブルックリン最終出口」だった 320 00:26:11,656 --> 00:26:15,827 同じことをドラムと ギターでやりたかった 321 00:26:15,952 --> 00:26:18,204 僕はどこに向かってるのか 322 00:26:19,080 --> 00:26:21,791 王国を目指してみようと思う 323 00:26:22,292 --> 00:26:24,711 男という実感が湧くから 324 00:26:25,462 --> 00:26:30,550 血管に針を入れた瞬間 周りの世界がすべて変わる 325 00:26:30,675 --> 00:26:34,262 気分が高揚して キリストの息子になった気分 326 00:26:34,387 --> 00:26:38,058 僕は何も分かってない 何も分かってない 327 00:26:43,688 --> 00:26:48,026 人間行動の中で これほど長い間 解明されず 328 00:26:48,151 --> 00:26:53,198 謎に包まれたままの問題は 同性愛くらいでしょう 329 00:26:59,079 --> 00:27:01,790 最も重い性犯罪とは? 330 00:26:59,913 --> 00:27:01,790 〝プライベ︱ト・ クラブ〟 331 00:27:02,958 --> 00:27:04,793 自然に反する罪です 332 00:27:07,963 --> 00:27:10,298 自然に反する罪の刑罰は? 333 00:27:10,423 --> 00:27:14,052 州刑務所で 最長20年の実刑です 334 00:27:15,804 --> 00:27:19,099 バーにいて 逮捕されたこともあった 335 00:27:19,224 --> 00:27:21,434 でも気にしてられない 336 00:27:22,352 --> 00:27:25,522 〝サン・レモ・カフェ〟 337 00:27:24,813 --> 00:27:31,069 サン・レモ・カフェには 同性愛者らしき人々が集ってた 338 00:27:31,444 --> 00:27:34,656 みんな 聡明で クリエイティブだったね 339 00:27:32,696 --> 00:27:38,910 ダニ︱・フィ︱ルズ 340 00:27:34,781 --> 00:27:36,783 エドワード・ オールビーや–– 341 00:27:36,908 --> 00:27:40,495 アンディ・ウォーホルや ジャスパー・ジョーンズ 342 00:27:40,662 --> 00:27:45,000 華やかなアート界が その中心にはあったんだ 343 00:27:45,584 --> 00:27:50,213 つまりは お金と パーティーと権力の世界だ 344 00:27:50,338 --> 00:27:54,634 リンカーン・センターでは NY映画祭も行われてた 345 00:27:54,759 --> 00:27:57,470 すべて1960年代半ばのことさ 346 00:27:57,596 --> 00:28:04,269 “キャンプ”という言葉どおり 何もかもが仰々しかった 347 00:28:04,394 --> 00:28:11,401 当時 ジャック・スミスなどは まさにキャンプを追求してた 348 00:28:21,953 --> 00:28:26,541 1964年初め ジョン・ケイルは︱ 349 00:28:24,831 --> 00:28:29,294 それは異様に 刺激的な夜だった 350 00:28:26,666 --> 00:28:31,421 作曲家の トニ︱・コンラッドと 351 00:28:29,419 --> 00:28:32,589 世界が崩壊する前夜 352 00:28:31,546 --> 00:28:35,675 ラドロ︱・ストリ︱ト 56番地に住み始める 353 00:28:32,714 --> 00:28:35,675 ラドロー・ストリート 56番地で–– 354 00:28:35,800 --> 00:28:40,096 映画監督の ジャック・スミスなど 355 00:28:35,800 --> 00:28:42,557 僕 ジャック・スミスは アンガスとトニーと出会い… 356 00:28:40,222 --> 00:28:43,016 芸術家や音楽家が 多く暮らしていた 357 00:28:42,682 --> 00:28:47,562 トニーが暮らし始めた アパートは–– 358 00:28:43,934 --> 00:28:48,688 話 ヘンリ︱・ フリント 359 00:28:47,687 --> 00:28:49,314 重要な拠点となった 360 00:28:49,439 --> 00:28:52,484 経済活動に 参加するのが嫌で–– 361 00:28:52,651 --> 00:28:57,989 家賃25ドル44セントの アパートに暮らし始めた 362 00:28:52,651 --> 00:28:57,989 話 トニ︱・ コンラッド 363 00:28:58,114 --> 00:29:03,245 ロウアー・イーストサイドに 人々が渡ってきて–– 364 00:29:03,536 --> 00:29:06,957 アバンギャルドな ライフスタイルが誕生した 365 00:29:07,082 --> 00:29:12,254 一方 格式高いアートシーンは のちにソーホーとなる 366 00:29:13,255 --> 00:29:15,131 ジャックも移り住んだ 367 00:29:15,257 --> 00:29:19,177 隣はピエロ・ヘリクツァーと 妻のケイト 368 00:29:19,302 --> 00:29:22,055 アンガス・マクリースが NYに戻り–– 369 00:29:22,180 --> 00:29:26,017 同じ階の3つ目の部屋に 越してきた 370 00:29:26,142 --> 00:29:30,146 マリオ・モンテスも 同じ建物に暮らし始め… 371 00:29:30,272 --> 00:29:33,233 ジョン・ケイルは トニーと住んだ 372 00:29:36,486 --> 00:29:41,283 アパートの住民たちが 参加したのが–– 373 00:29:39,155 --> 00:29:43,702 話 エイミ︱・ トウビン 374 00:29:41,408 --> 00:29:45,537 ラ・モンテ・ヤングの ドリーム・シンジケート 375 00:29:45,662 --> 00:29:47,706 ラ・モンテ マリアン トニーと共に–– 376 00:29:47,831 --> 00:29:51,918 1日1時間半の練習を 1年半も続けた 377 00:29:52,043 --> 00:29:53,628 私はドローンも演奏 378 00:29:53,753 --> 00:29:59,551 一種の鍛錬だったし 新しい発見もたくさんあった 379 00:30:00,719 --> 00:30:03,680 周波数はそれぞれ–– 380 00:30:03,346 --> 00:30:08,143 話 ラ・モンテ・ ヤング 381 00:30:03,805 --> 00:30:07,100 大脳皮質の異なる部分で 認知される 382 00:30:07,350 --> 00:30:12,856 だから 複数の周波数を 何度も繰り返したら 383 00:30:12,981 --> 00:30:19,863 非常に強く深い精神状態を 生み出すことができる 384 00:30:19,988 --> 00:30:24,034 倍音列の中に 聞こえてくる音は 385 00:30:24,492 --> 00:30:29,915 想像を絶する美しさで とてもユニークである 386 00:30:30,707 --> 00:30:34,211 しばらくすると 心地よく感じる 387 00:30:34,336 --> 00:30:38,757 故郷のような音と出会えるんだ 388 00:30:43,094 --> 00:30:46,139 コードを気にする 必要がなかった 389 00:30:46,723 --> 00:30:52,812 チューニングをするのに 最も適してるものは–– 390 00:30:52,938 --> 00:30:57,734 周波数60ヘルツの 冷蔵庫だと気づいたからだ 391 00:30:57,859 --> 00:31:03,698 60ヘルツのハム音は西洋文明を 象徴するドローンだった 392 00:31:07,327 --> 00:31:10,497 第3高調波が60ヘルツなら 393 00:31:10,622 --> 00:31:14,751 基本波は10ヘルツ ということになる 394 00:31:14,876 --> 00:31:20,173 実は10ヘルツは睡眠時の アルファ波と同じなんだ 395 00:31:22,342 --> 00:31:25,095 すべてがつながったと感じた 396 00:31:27,847 --> 00:31:30,684 ドリーム・シンジケートは–– 397 00:31:30,809 --> 00:31:33,937 ミニマル・ミュージックを 追求してた 398 00:31:34,062 --> 00:31:40,569 1音をフルスケールで伸ばし すべての音調を聴かせるの 399 00:31:41,570 --> 00:31:46,449 ラ・モンテは1つの音を 4時間も伸ばしてた 400 00:31:46,575 --> 00:31:49,286 一度 アンディと 聴きに行った 401 00:31:46,575 --> 00:31:49,286 ジョナス・メカス 402 00:32:06,761 --> 00:32:11,474 ファクトリーを訪れる前に アンディの「キス」を観たの 403 00:32:13,727 --> 00:32:18,523 タイトルはなく 作者も知らなかった 404 00:32:13,977 --> 00:32:20,066 話 エイミ︱・ トウビン 405 00:32:18,648 --> 00:32:25,947 2分45秒の映像を 毎週1本ずつ上映してた 406 00:32:26,114 --> 00:32:30,118 フレームレートは 毎秒16コマだった 407 00:32:33,788 --> 00:32:38,627 アンディのサイレント映画の 描く世界が–– 408 00:32:38,752 --> 00:32:45,508 非現実的に見えるのは 毎秒16コマで上映してたからよ 409 00:32:45,634 --> 00:32:50,639 つまり 映像の中に 存在する人々は–– 410 00:32:50,764 --> 00:32:57,520 呼吸のリズムも鼓動の速さも 私たちとは違うということ 411 00:32:57,646 --> 00:33:03,109 その結果 両者の間に 審美的距離が生まれるの 412 00:33:10,909 --> 00:33:14,496 エンパイア・ステート・ビルに 郵便局がある 413 00:33:15,830 --> 00:33:21,503 フィルム・カルチャー誌を 投函しに行った時だ 414 00:33:21,628 --> 00:33:26,049 突然 立ち止まり ビルを見上げて言ったんだ 415 00:33:27,801 --> 00:33:33,306 “これぞまさにアンディを 象徴するような情景だ”と 416 00:33:35,725 --> 00:33:37,936 それがきっかけだった 417 00:33:50,073 --> 00:33:55,328 アンディの アバンギャルド映画や音楽は 418 00:33:55,453 --> 00:33:58,873 映像や音の持続が特徴だった 419 00:34:22,439 --> 00:34:25,817 ラ・モンテの音楽に対する 考え方は–– 420 00:34:25,942 --> 00:34:30,697 中国の思想に影響を 受けてるんだろう 421 00:34:30,822 --> 00:34:34,701 “音楽は何世紀も残る” というものだった 422 00:34:35,827 --> 00:34:39,039 彼の音楽は即興的であり 423 00:34:39,164 --> 00:34:43,835 宗教的な雰囲気があり どこか謎めいていた 424 00:34:45,795 --> 00:34:52,635 そしてある時 トニーが ピックアップを持って来たんだ 425 00:34:53,678 --> 00:34:57,515 音の増幅を自由に 操れるようになった 426 00:35:02,187 --> 00:35:04,940 それですべてが変わった 427 00:35:05,065 --> 00:35:08,818 建物を揺らすほどの 音が出せた 428 00:35:12,906 --> 00:35:16,326 あまりにもパワフルで 部屋の中を–– 429 00:35:16,826 --> 00:35:19,704 B52が飛んでるようだった 430 00:35:29,714 --> 00:35:34,719 僕はロード・ランナー ついては来られない 431 00:35:36,888 --> 00:35:41,685 僕はロード・ランナー ついては来られない 432 00:35:44,229 --> 00:35:48,650 競争しようぜ きっと分かるはず 433 00:35:48,775 --> 00:35:53,446 僕はロックンロールの レコード収集が趣味で 434 00:35:50,026 --> 00:35:56,366 話 トニ︱・ コンラッド 435 00:35:54,781 --> 00:35:59,452 ジョンは越してきた時 それを見て 驚いてた 436 00:36:06,209 --> 00:36:10,422 ラ・モンテとの曲作りに 生かせるような–– 437 00:36:10,547 --> 00:36:14,092 ハーモニーが美しい 音楽を聴いてた 438 00:36:15,010 --> 00:36:18,179 ハンク・ウィリアムスや エヴァリー・ブラザーズだ 439 00:36:22,058 --> 00:36:24,269 中でも「夢を見るだけ」は 440 00:36:24,394 --> 00:36:29,316 出だしの多彩な音を 聴いた時は衝撃を受けた 441 00:36:29,441 --> 00:36:31,985 私はロックンロールに魅了され 442 00:36:32,110 --> 00:36:37,407 ザ・ビートルズの深みのある 歌詞にも夢中になった 443 00:36:37,532 --> 00:36:40,827 “死を知ってる”や “生まれてきてない気分”は 444 00:36:40,952 --> 00:36:43,204 ルーが書きそうな歌詞だ 445 00:36:43,330 --> 00:36:47,542 そしてあのクレイジーな バンドが誕生した 446 00:36:47,000 --> 00:36:52,631 エイミ︱・トウビン 447 00:36:47,667 --> 00:36:50,462 プリミティヴスよ 448 00:36:50,587 --> 00:36:56,885 メンバーはジョンと ウォルター・デ・マリア 449 00:36:57,427 --> 00:37:01,014 そして トニーとルーだった 450 00:37:01,139 --> 00:37:04,184 みんな 新曲を披露するよ 451 00:37:04,309 --> 00:37:07,229 聴いたら ぶっ倒れるはずさ 452 00:37:07,354 --> 00:37:09,606 準備はいい? いくよ 453 00:37:09,731 --> 00:37:13,652 ロングアイランドのレーベルで 作曲家として雇われ 454 00:37:13,777 --> 00:37:15,528 NYに引っ越した 455 00:37:18,448 --> 00:37:22,744 〝ピックウィック・ レコ︱ド〟 456 00:37:18,823 --> 00:37:22,744 ピックウィックは 大成功してたレ︱ベルだ 457 00:37:22,869 --> 00:37:25,080 1枚99セントと安価だった 458 00:37:25,205 --> 00:37:29,876 サーフミュージックや 失恋ソングを12曲ずつ収録し 459 00:37:30,001 --> 00:37:32,295 スーパーで売ってたんだ 460 00:37:36,424 --> 00:37:42,222 彼はビジョンを持っていて 有無を言わさぬ才能があった 461 00:37:42,389 --> 00:37:45,100 歌も演奏も 上手ではないが 462 00:37:43,014 --> 00:37:48,103 テリ︱・フィリップス 463 00:37:45,225 --> 00:37:50,105 あのしゃがれた歌声に 共感してしまうんだ 464 00:37:50,230 --> 00:37:55,151 ルーなら 新しい道を 切り開けるだろうと思った 465 00:37:57,529 --> 00:37:59,906 トニーとパーティーに行ったら 466 00:38:00,073 --> 00:38:02,701 ある男に声をかけられたんだ 467 00:38:02,826 --> 00:38:05,912 “君たちの曲を 売り込みに来ないか?” 468 00:38:06,079 --> 00:38:10,709 “ロングアイランド・シティの ピックウィックに”と 469 00:38:10,834 --> 00:38:13,879 ルーが曲を書いてたレーベルだ 470 00:38:15,714 --> 00:38:20,343 ルーと初めて会った時 品定めされたのを覚えてる 471 00:38:20,468 --> 00:38:24,306 そのあと一緒に コーヒーを飲んだんだ 472 00:38:27,309 --> 00:38:29,519 私はビオラを取り出し–– 473 00:38:29,644 --> 00:38:34,774 ビブラートをしっかりかけて クラシックを弾いた 474 00:38:35,191 --> 00:38:39,988 するとルーが“やっぱり 僕にはない強みがあった”と 475 00:38:40,155 --> 00:38:44,576 “プリミティヴス” 476 00:38:45,452 --> 00:38:48,455 一緒に曲を考えようと提案した 477 00:38:48,580 --> 00:38:54,419 即興で作るというアイデアに みんなも賛成してくれて 478 00:38:54,544 --> 00:38:59,633 作曲家のルーが中心的役割を 務めることになった 479 00:38:59,758 --> 00:39:03,136 彼が奏でたリックが最高で 480 00:39:03,261 --> 00:39:07,682 ジョンや他のみんなも すぐに乗ってきた 481 00:39:07,807 --> 00:39:10,185 それが「The Ostrich」だ 482 00:39:10,310 --> 00:39:12,520 有名プロデューサーも反応した 483 00:39:12,646 --> 00:39:17,025 エレクトラ・レコードの マーティン・トンプソンなどね 484 00:39:24,407 --> 00:39:26,326 キマってました 485 00:39:26,451 --> 00:39:29,120 ギターは1つの音に チューニングされ 486 00:39:29,287 --> 00:39:31,206 すごい音量だった 487 00:39:31,331 --> 00:39:33,875 タンバリンと歌を ルーがこなして 488 00:39:34,000 --> 00:39:35,627 すべて即興だった 489 00:39:35,752 --> 00:39:40,507 まさにガレージで練習する バンドのようで–– 490 00:39:40,632 --> 00:39:43,468 最高に面白かったよ 491 00:39:43,593 --> 00:39:46,429 私は青春を取り戻せた 492 00:39:48,056 --> 00:39:51,393 シャーリー・エリスと 共に紹介された 493 00:39:51,560 --> 00:39:54,312 「ネーム・ゲーム」は知ってる? 494 00:39:54,521 --> 00:39:58,316 ラジオDJが “新しいバンドを流そう” 495 00:39:58,483 --> 00:40:03,697 “NY出身のプリミティヴスで 「The Ostrich」だ!”と 496 00:40:06,491 --> 00:40:12,330 うれしかったが 何かの 誤りじゃないかと思った 497 00:40:08,159 --> 00:40:14,749 話 トニ︱・ コンラッド 498 00:40:12,455 --> 00:40:14,749 状況が急転したからだ 499 00:40:15,000 --> 00:40:18,920 でも真剣に音楽を追求するなら 500 00:40:19,045 --> 00:40:22,924 このバンドでは 無理だと感じてた 501 00:40:23,049 --> 00:40:29,055 ルーはピックウィックで よくハイになってた 502 00:40:29,180 --> 00:40:35,228 具合が悪くなったり 倒れることも頻繁にあり 503 00:40:35,395 --> 00:40:38,231 よく病院に連れて行ってた 504 00:40:38,356 --> 00:40:41,735 彼には才能があったものの 505 00:40:41,860 --> 00:40:46,865 そのような理由から 関係を断ちたいと思ってた 506 00:40:46,990 --> 00:40:51,661 “やりたい曲ができない”と ルーがこぼすんだ 507 00:40:51,786 --> 00:40:55,290 私は驚いて思わず “何だと?”と言った 508 00:40:55,415 --> 00:41:00,003 “どんな曲?”と聞くと 歌詞を見せてくれた 509 00:41:00,170 --> 00:41:06,301 心の痛みについてや 僕が何に傷つくかを書いた 510 00:41:06,426 --> 00:41:09,804 僕が知ってる現実のことや 511 00:41:09,971 --> 00:41:13,725 友人や僕が 見聞きしてきた物事だ 512 00:41:13,850 --> 00:41:18,855 外側にいる人々と 語り合いたかったんだ 513 00:41:18,980 --> 00:41:25,070 麻薬を推奨してる歌詞と 受け止められたらしいが 514 00:41:25,237 --> 00:41:30,909 実際は人生に不満を抱いてる 人々について歌ってた 515 00:41:31,117 --> 00:41:32,452 自分でやればいい 516 00:41:32,577 --> 00:41:37,707 1964年 ラドロー・ストリートの ジョンのアパートに–– 517 00:41:37,832 --> 00:41:39,584 ルーも暮らし始めた 518 00:41:39,751 --> 00:41:43,004 「僕は待ち人」 作詞作曲 ルー・リード 519 00:41:58,395 --> 00:42:02,440 拮抗的であることは 実は便利なんだ 520 00:42:02,566 --> 00:42:08,572 自分の立場は決まってるし 相手の立場も明確だから 521 00:42:08,697 --> 00:42:11,366 そこから何かを築ける 522 00:42:11,491 --> 00:42:18,039 私たちも 互いに何が好きで 何を蔑視してるかを理解してた 523 00:42:22,752 --> 00:42:24,588 ルーはよく言ってた 524 00:42:24,713 --> 00:42:28,884 “なぜこんなことに なってしまったんだ?” 525 00:42:29,009 --> 00:42:31,678 “ウェールズ出身だろ?”と 526 00:42:31,887 --> 00:42:35,181 「毛皮のヴィーナス」も 「僕は待ち人」も–– 527 00:42:35,307 --> 00:42:38,852 分かりやすい歌詞で よく書けてた 528 00:42:38,977 --> 00:42:44,441 でも 曲が歌詞の内容に 合ってなかったんだ 529 00:42:44,566 --> 00:42:49,279 私もルーも可能性を感じ 興奮したのを覚えてる 530 00:42:49,404 --> 00:42:54,784 そして2人であらゆる方法を 探ってみた 531 00:42:55,535 --> 00:42:58,246 トリオやカルテットなどだ 532 00:43:23,313 --> 00:43:28,526 ルーが 真冬に靴も履かずに 地下鉄に乗ってる–– 533 00:43:28,652 --> 00:43:31,571 スターリング・モリソンを 見たんだ 534 00:43:39,371 --> 00:43:42,415 夫はシラキュースで ルーのバンドを見て 535 00:43:41,414 --> 00:43:47,087 マ︱サ・モリソン 536 00:43:42,540 --> 00:43:44,876 入りたいと思ってたはず 537 00:43:45,001 --> 00:43:47,087 機会をうかがってたのよ 538 00:43:47,212 --> 00:43:49,839 ギターは15歳の時から 弾いてて–– 539 00:43:49,965 --> 00:43:53,176 パーティーでも常に抱えてた 540 00:43:53,301 --> 00:43:57,097 そして やっとチャンスが 巡ってきたの 541 00:43:54,928 --> 00:44:01,434 スタ︱リング 542 00:43:58,056 --> 00:44:02,018 丁寧にソロを奏でる ギタリストと出会えた 543 00:44:02,143 --> 00:44:04,354 私とルーの即興に–– 544 00:44:04,479 --> 00:44:07,941 スターリングは ソロで合わせてきた 545 00:44:08,066 --> 00:44:12,404 アイズレー・ブラザーズの ギターのようだった 546 00:44:12,529 --> 00:44:16,449 とても自然で優しい音色なんだ 547 00:44:18,285 --> 00:44:25,166 R&Bとワーグナーの融合が かなう日もそう遠くなかった 548 00:44:29,379 --> 00:44:36,344 モ︱ 549 00:44:33,717 --> 00:44:37,387 学校の帰りに ザ・ローリング・ストーンズの 550 00:44:37,512 --> 00:44:41,433 「ノット・フェイド・アウェイ」が ラジオから流れてきたの 551 00:44:41,558 --> 00:44:46,897 あまりにも興奮して 車を停めて聴き入ってしまった 552 00:44:48,773 --> 00:44:50,817 ドラマーを探してたから–– 553 00:44:50,942 --> 00:44:54,446 “ジムの妹がドラムを やってる”と言って 554 00:44:54,863 --> 00:44:56,948 ルーに紹介したの 555 00:44:58,241 --> 00:45:03,330 モーリン・タッカーは 大学の同級生の妹だった 556 00:45:01,578 --> 00:45:09,044 話 スタ︱リング・ モリソン 557 00:45:03,830 --> 00:45:06,917 ジムはルーとも 仲が良かった 558 00:45:07,042 --> 00:45:13,632 ガールズバンドにいたが 解散したばかりだった 559 00:45:13,757 --> 00:45:19,387 だから パーカッションとして 参加してもらったんだ 560 00:45:19,512 --> 00:45:23,600 とても気楽な雰囲気の中でね 561 00:45:25,018 --> 00:45:27,604 毎日 夕方5時に帰宅したら 562 00:45:27,729 --> 00:45:31,900 真夜中までボ・ディドリーを 聴いてたらしい 563 00:45:32,025 --> 00:45:35,570 彼女は理想どおりの ドラマーだった 564 00:45:35,695 --> 00:45:37,364 楽しかったわ 565 00:45:37,489 --> 00:45:41,576 誰かと一緒に ライブで演奏するのは 566 00:45:37,864 --> 00:45:43,870 モ︱リン・タッカ︱ 567 00:45:41,701 --> 00:45:44,329 あれが初めてだったの 568 00:45:44,454 --> 00:45:45,538 新鮮だった 569 00:45:49,042 --> 00:45:51,628 ボブ・ディランに対抗するには 570 00:45:51,753 --> 00:45:55,131 毎晩 即興で違う曲を 歌うしかなかった 571 00:45:55,257 --> 00:46:00,637 歌詞をその場で考えるのは ルーの得意技だった 572 00:46:00,762 --> 00:46:04,349 ルーがギターを 私がビオラを弾き 573 00:46:04,474 --> 00:46:06,601 曲を生み出していった 574 00:46:08,103 --> 00:46:11,856 彼が思いつく歌詞は かなり独創的だった 575 00:46:11,982 --> 00:46:16,194 でも次第に曲として 成立していくのさ 576 00:46:16,903 --> 00:46:20,615 ルーやジョンは 突然2人だけの世界に 577 00:46:20,740 --> 00:46:23,326 入り込んで行くことが 多かった 578 00:46:23,451 --> 00:46:25,537 私は2人が戻るのを 579 00:46:25,662 --> 00:46:29,249 じっと構えて待つしかなかった 580 00:46:29,374 --> 00:46:34,129 ルーと私の間には 音の壁があるように感じた 581 00:46:35,672 --> 00:46:39,092 私は彼の口の動きを見て 演奏してたの 582 00:46:41,177 --> 00:46:43,847 ずっとルーに合わせてた 583 00:46:44,973 --> 00:46:48,602 ルーの曲はどれも 巧みに練られてたが 584 00:46:48,727 --> 00:46:51,479 私は彼の即興に関心があった 585 00:46:54,816 --> 00:46:58,320 潜在意識による影響を 強く感じた 586 00:46:58,445 --> 00:47:02,741 過去に受けた ショック療法の話を聞き 587 00:47:03,199 --> 00:47:06,453 すべてがつながった気がした 588 00:47:08,872 --> 00:47:11,708 なぜかと言うと 彼の音楽は 589 00:47:11,833 --> 00:47:15,086 夢の中の音楽を 連想させたからだ 590 00:47:16,504 --> 00:47:20,884 ロックンロールの曲で 私が特に好きなのは 591 00:47:21,009 --> 00:47:23,803 繰り返されるリフなんだ 592 00:47:23,929 --> 00:47:27,390 曲全体をとおして 聴くことができ–– 593 00:47:27,515 --> 00:47:32,103 曲にすんなりと馴染む リフと言えば? 594 00:47:32,229 --> 00:47:34,981 答えの1つはドローンだった 595 00:47:57,712 --> 00:47:59,256 〝ヴェルヴェット・ アンダ︱グラウンド〟 596 00:47:59,297 --> 00:48:01,758 ヴェルヴェット・ アンダーグラウンドを組み 597 00:48:01,883 --> 00:48:06,930 書きためてた曲に 命を吹き込むことができた 598 00:48:07,639 --> 00:48:10,934 バーで演奏してた僕がだよ 599 00:48:14,854 --> 00:48:19,234 コラボレーションは 失敗に終わる場合が多い 600 00:48:20,902 --> 00:48:25,031 でも その心地悪さは 感じられなかった 601 00:48:25,991 --> 00:48:31,246 そして 私たちの間には 常に基準が設けられてた 602 00:48:32,372 --> 00:48:34,499 上品さと残酷さの基準だ 603 00:48:48,513 --> 00:48:55,020 ツヤツヤとした 光沢ある革のブーツ 604 00:48:55,186 --> 00:49:00,317 暗闇の中で少女をむち打つ 605 00:49:01,776 --> 00:49:07,824 ベルの音で召使いが来る 彼のことは見捨てるな 606 00:49:07,949 --> 00:49:13,288 女主人よ 彼を打って 心を癒やすんだ 607 00:49:24,799 --> 00:49:30,513 僕は疲れ果てた 気力を失った 608 00:49:31,431 --> 00:49:36,895 千年間 眠り続けられそうだ 609 00:49:37,479 --> 00:49:44,110 千もの夢を見て 目が覚める 610 00:49:44,569 --> 00:49:47,364 「毛皮のヴィーナス」で成功し 611 00:49:47,489 --> 00:49:52,702 私たちにしか作れない ロックンロールがあると感じた 612 00:49:55,038 --> 00:49:58,959 デチューンされたギターが ポイントだった 613 00:49:59,084 --> 00:50:01,920 私の助言が功を奏したんだ 614 00:50:02,045 --> 00:50:05,048 “誰もマネできないね”って 615 00:50:06,007 --> 00:50:08,885 NYの人々の反応には驚いた 616 00:50:09,010 --> 00:50:12,556 唯一無二の音だと 確信を持ったね 617 00:50:16,643 --> 00:50:21,064 僕たちの勇気ある 新しい試みで–– 618 00:50:21,231 --> 00:50:23,358 〝リック・アルメンズ カフェ・ビザ︱ル〟 619 00:50:21,231 --> 00:50:24,401 聴く人を圧倒させたかった 620 00:50:30,198 --> 00:50:33,368 カフェ・ビザールは 小さかったけど 621 00:50:33,493 --> 00:50:36,454 演奏できるだけ うれしかった 622 00:50:36,580 --> 00:50:41,167 でも 観客はまばらで 誰も踊ってなかったし 623 00:50:41,293 --> 00:50:43,503 壁を向いてる人もいた 624 00:50:45,338 --> 00:50:48,800 そのせいで 場は盛り下がるし 625 00:50:48,925 --> 00:50:51,636 不気味な印象を受けたわ 626 00:50:57,517 --> 00:51:01,521 NY出身の映像作家の バーバラ・ルービンは 627 00:51:01,646 --> 00:51:04,190 ボブ・ディランや アンディと親しかった 628 00:51:04,316 --> 00:51:07,611 人と人を結ぶのが 好きだったんだ 629 00:51:07,736 --> 00:51:09,905 ファクトリーのみんなに–– 630 00:51:10,030 --> 00:51:13,700 注目のバンドがいると 知らせたのさ 631 00:51:14,451 --> 00:51:17,245 途端にライブの観客が増えた 632 00:51:23,209 --> 00:51:25,962 ファクトリーの外交担当 ジェラルドに–– 633 00:51:26,087 --> 00:51:31,760 “明日の午後 ファクトリーに 来てほしい”と言われた 634 00:51:41,061 --> 00:51:44,439 黒ずくめの彼らが入ってきて 635 00:51:45,774 --> 00:51:47,442 演奏を始めたの 636 00:51:50,487 --> 00:51:52,864 その曲が「ヘロイン」で… 637 00:51:54,074 --> 00:51:57,953 メアリ︱・ウォロノフ 638 00:51:55,659 --> 00:51:57,953 みんな あ然としてた 639 00:52:00,622 --> 00:52:04,209 あの時 ファクトリーを訪れて 640 00:52:04,334 --> 00:52:10,674 何よりも感銘を受けたのは アンディたちの勤勉さだった 641 00:52:12,717 --> 00:52:17,347 行くと必ず聞かれるんだ “何曲書いた?”と 642 00:52:17,472 --> 00:52:22,686 10曲だと怠け者と言われた “15曲は書かなきゃ”と 643 00:52:24,646 --> 00:52:26,648 常に人が出入りしてた 644 00:52:26,773 --> 00:52:30,193 知ってる顔も 知らない顔もいた 645 00:52:32,988 --> 00:52:35,532 何かしら取引が行われてた 646 00:52:36,908 --> 00:52:41,621 僕は自分でも分からない 647 00:52:44,374 --> 00:52:47,210 どこに向かってるのか 648 00:52:54,885 --> 00:53:01,474 それでも目指してみたい 649 00:53:01,600 --> 00:53:05,729 できることなら王国を 650 00:53:05,854 --> 00:53:09,441 男という実感が湧くから 651 00:53:09,566 --> 00:53:12,986 血管に針を入れた瞬間 652 00:53:13,111 --> 00:53:16,281 周りの世界がすべて変わる 653 00:53:16,406 --> 00:53:19,618 気分が高揚してきて 654 00:53:19,743 --> 00:53:22,996 キリストの息子になった気分 655 00:53:23,121 --> 00:53:26,249 僕は何も分かってない 656 00:53:26,374 --> 00:53:29,836 僕には何も分かってない 657 00:53:31,296 --> 00:53:33,506 アンディは神さ 658 00:53:33,840 --> 00:53:37,928 地球外生命体のような 存在だった 659 00:53:38,303 --> 00:53:42,057 父親のごとく 話を聞いてくれた 660 00:53:42,182 --> 00:53:47,771 そんな人間性に引かれて 人は集まって来てたのだろう 661 00:53:47,896 --> 00:53:49,689 帰れる場所だった 662 00:53:48,980 --> 00:53:52,192 血液が流れ始めて 663 00:53:52,317 --> 00:53:55,487 スポイトの先に 血が逆流すると 664 00:53:55,612 --> 00:53:59,115 死が一気に近づく 665 00:54:05,413 --> 00:54:08,875 君たちには僕を救えない 666 00:54:09,000 --> 00:54:12,671 優しい女の子たちの 優しい言葉も 667 00:54:11,920 --> 00:54:13,922 認めてもらいたかった 668 00:54:15,090 --> 00:54:18,843 私はオーディエンスを 欲してたの 669 00:54:19,052 --> 00:54:22,639 特別なことはしなくていい 670 00:54:22,764 --> 00:54:24,182 そのままで 671 00:54:31,147 --> 00:54:32,148 そうだ 672 00:54:36,486 --> 00:54:38,280 指示などなかった 673 00:54:41,366 --> 00:54:45,870 アンディは言葉を発せずとも 人を動かせた 674 00:54:45,996 --> 00:54:48,248 無言だから 余計にね 675 00:54:49,749 --> 00:54:52,335 何かしなきゃと思うの 676 00:54:58,717 --> 00:55:04,306 ヘロイン 677 00:55:05,849 --> 00:55:08,602 “カメラを 真っすぐ見て” 678 00:55:07,183 --> 00:55:11,646 話 エイミ︱・ トウビン 679 00:55:08,727 --> 00:55:12,439 “動かず瞬きもするな” と言われた 680 00:55:14,357 --> 00:55:16,401 あの時は怖かったわ 681 00:55:38,632 --> 00:55:41,927 無関心なのが幸いした 682 00:55:42,052 --> 00:55:45,305 何も知らないだけなのだろう 683 00:55:45,430 --> 00:55:48,058 ただ知らないだけなんだ 684 00:55:57,234 --> 00:56:03,531 ヘロイン 685 00:56:06,368 --> 00:56:09,871 ヴェルヴェット・ アンダーグラウンドを売り出す 686 00:56:09,996 --> 00:56:14,584 もう絵画には 正直 希望を持てないし 687 00:56:14,709 --> 00:56:21,675 音楽とアートと映画を 融合させる機会に恵まれたから 688 00:56:21,800 --> 00:56:26,721 世界で最も大きい ディスコも作ろうと思ってる 689 00:56:51,496 --> 00:56:53,248 言ってるだろ 690 00:56:53,373 --> 00:56:58,044 6月に起きたことはすべて… 691 00:56:58,169 --> 00:57:00,213 回ってるの? 692 00:57:03,466 --> 00:57:07,429 ビジネス的に 幸運期が訪れてる 693 00:57:07,554 --> 00:57:09,723 この位置の“世界”は 694 00:57:09,890 --> 00:57:13,351 成功と幸福の訪れを 意味する 695 00:57:13,518 --> 00:57:15,854 そして“運命の輪”は 696 00:57:15,979 --> 00:57:20,692 あなたが抱いてる 野望を表してる 697 00:57:20,817 --> 00:57:23,653 さらに親友など 身近な人とも–– 698 00:57:23,820 --> 00:57:27,198 今はあまり 不和は生じてないわ 699 00:57:27,949 --> 00:57:30,660 言い争いは起きないはず 700 00:57:30,785 --> 00:57:33,038 働いてないからだ 701 00:57:33,204 --> 00:57:36,499 物事をしっかり 制御できてる 702 00:57:36,666 --> 00:57:41,588 周りの人々にも 助けられている 703 00:57:41,713 --> 00:57:45,842 キャリアやビジネスや 職業に関しては 704 00:57:45,967 --> 00:57:49,262 毎回 競争に直面するはず 705 00:57:49,888 --> 00:57:52,891 競い合いの サインが出てるわ 706 00:57:56,353 --> 00:58:02,275 みんな カメラに映りたくて ファクトリーに来てたの 707 00:58:02,400 --> 00:58:08,240 いずれは名が売れて スターになれると信じてた 708 00:58:15,247 --> 00:58:16,748 将来は明るいわ 709 00:58:16,873 --> 00:58:20,168 知見が広がり 新しいことが起こる 710 00:58:20,293 --> 00:58:25,715 理想とされる 女性の美しさがあった 711 00:58:26,591 --> 00:58:31,221 その理想に見合えばいいけど 712 00:58:31,346 --> 00:58:33,765 それは無理な話だった 713 00:58:33,890 --> 00:58:37,435 結局は精神的に傷つくだけ 714 00:58:38,687 --> 00:58:41,147 女性にはよくない場所だった 715 00:58:41,273 --> 00:58:48,071 見た目しか価値がないという 思い込みを払拭できないと… 716 00:58:52,200 --> 00:58:55,370 分かるでしょ 717 00:58:57,706 --> 00:59:02,878 ヨーロッパを訪問してた ジェラルドが–– 718 00:58:58,665 --> 00:59:04,254 話 ビリ︱・ネ︱ム 719 00:59:03,128 --> 00:59:08,592 変わった声で歌う女性の レコードを買ってきた 720 00:59:09,134 --> 00:59:11,761 あなたに愛されていようと 721 00:59:11,887 --> 00:59:14,139 私は気にしない 722 00:59:12,971 --> 00:59:18,852 ニコ 723 00:59:14,264 --> 00:59:18,852 あなたが必要な時 そばにいるとも限らない 724 00:59:19,102 --> 00:59:21,563 「甘い生活」に出演してた 725 00:59:21,688 --> 00:59:23,565 主演はアニタ・エクバーグだが 726 00:59:23,732 --> 00:59:28,445 誰もがニコの存在に 目を奪われてた 727 00:59:28,570 --> 00:59:31,072 恐ろしく美しかったからだ 728 00:59:35,410 --> 00:59:38,455 しばらくして ニコがNYに来た 729 00:59:41,041 --> 00:59:46,004 そして ポール・モリセイが ニコを売り出し始めた 730 00:59:46,963 --> 00:59:50,175 彼はアンディを こう説得したんだ 731 00:59:50,342 --> 00:59:53,595 “ただのロックバンドでは 売れない”と 732 00:59:53,720 --> 00:59:58,850 ルーは ルックスも歌声も 格別にいいわけじゃないし 733 00:59:58,975 --> 01:00:01,019 “美女を入れるべきだ”と 734 01:00:06,983 --> 01:00:11,196 アンディはルーに 頼み込んだらしい 735 01:00:18,662 --> 01:00:21,539 全員が最初はイラ立ってた 736 01:00:21,665 --> 01:00:24,876 彼女が音程を 取れなかったからよ 737 01:00:27,504 --> 01:00:32,717 ジョンが 彼女の歌声を 生かす方法を思いついたの 738 01:00:36,054 --> 01:00:37,514 不思議だった 739 01:00:37,639 --> 01:00:42,978 何もできなかったのに なぜか急に上達したからだ 740 01:00:43,812 --> 01:00:45,564 練習しないとね 741 01:00:54,489 --> 01:00:58,451 突然 人々の注目が 集まるようになった 742 01:00:58,660 --> 01:01:02,956 黒ずくめの私たちの中で 金髪の彼女は–– 743 01:01:03,081 --> 01:01:05,292 氷山のようだった 744 01:01:05,500 --> 01:01:07,460 あなたの鏡になって 745 01:01:07,586 --> 01:01:11,006 あなたの姿を 映し出しましょう 746 01:01:11,131 --> 01:01:15,927 ニコが歌った3~4曲は 彼女の歌声にぴったりで 747 01:01:16,052 --> 01:01:18,138 他の人には無理だった 748 01:01:20,015 --> 01:01:22,851 彼女は異色の存在だった 749 01:01:22,058 --> 01:01:26,646 話 スタ︱リング・ モリソン 750 01:01:22,976 --> 01:01:28,648 旅慣れてて 洗練された感じが 僕たちとは違った 751 01:01:28,773 --> 01:01:30,400 一方 歌は確かだった 752 01:01:30,525 --> 01:01:34,988 ステージで美貌を 振りまいてるだけではない 753 01:01:34,237 --> 01:01:37,115 お願い 手を下ろして 754 01:01:37,949 --> 01:01:41,077 私にはあなたが見えてる 755 01:01:50,337 --> 01:01:54,925 アンディがアクリル製の 箱の中で歌わせようとして 756 01:01:55,050 --> 01:01:57,302 ニコは断固拒否した 757 01:01:57,427 --> 01:02:00,430 それだけ彼女は真剣だったんだ 758 01:02:01,431 --> 01:02:04,267 生まれ持った美しさに 759 01:02:01,890 --> 01:02:06,353 ジャクソン・ブラウン 760 01:02:05,227 --> 01:02:09,314 本人は何の関心も 持っていなかった 761 01:02:16,196 --> 01:02:18,657 アンディの策略かもしれないが 762 01:02:18,782 --> 01:02:21,952 彼女は手が届きにくい 存在だった 763 01:02:22,077 --> 01:02:23,745 本人は名声よりも–– 764 01:02:23,870 --> 01:02:28,166 いい曲を作ることを 大切にしてたけどね 765 01:02:29,709 --> 01:02:32,504 当時 ニコが例えられた 著名人は–– 766 01:02:32,671 --> 01:02:37,050 マレーネ・ディートリッヒや グレタ・ガルボだ 767 01:02:43,848 --> 01:02:46,059 今では彼女が比較対象だ 768 01:02:50,605 --> 01:02:53,233 トム・ウィルソンと出会った 769 01:02:53,400 --> 01:02:57,320 ボブ・ディランを手がけた プロデューサーだ 770 01:02:57,445 --> 01:02:59,990 アルバム制作の話が出て 771 01:03:00,115 --> 01:03:04,369 ノーマン・ドルフが 1500ドルも出してくれたんだ 772 01:03:07,664 --> 01:03:08,873 目標ができた 773 01:03:13,545 --> 01:03:17,424 いつもの男を待ってる 774 01:03:21,177 --> 01:03:25,056 26ドルを手に握りしめて 775 01:03:28,226 --> 01:03:31,938 レキシントンと 125丁目の交差点で 776 01:03:32,063 --> 01:03:35,817 気分が悪いし 生きてる心地もしない 777 01:03:36,109 --> 01:03:38,153 アンディの存在は大きい 778 01:03:38,278 --> 01:03:41,865 彼がいなければ 実現しなかっただろう 779 01:03:41,990 --> 01:03:45,243 彼のジャケットや ニコの美貌なしでは 780 01:03:45,368 --> 01:03:46,828 アルバムはなかった 781 01:03:50,916 --> 01:03:55,754 そこの白人の坊や 俺らの女が目的か? 782 01:03:58,465 --> 01:04:02,093 そんな考えは 念頭にもありません 783 01:03:59,216 --> 01:04:02,093 アンディ・ウォ︱ホル 784 01:04:03,094 --> 01:04:06,473 “バナナアルバム”の準備には 1年間かけた 785 01:04:08,099 --> 01:04:13,396 常にスタジオにいたアンディに プロデュースを頼んだ 786 01:04:13,772 --> 01:04:16,024 でも理由は他にもある 787 01:04:16,149 --> 01:04:20,487 誰にも口出しされることなく 作れたのは–– 788 01:04:20,654 --> 01:04:22,822 彼のおかげだった 789 01:04:28,995 --> 01:04:31,665 彼は私たちを理解してた 790 01:04:31,790 --> 01:04:36,503 バンドの創造性を 引き出すコツを心得てたんだ 791 01:04:36,795 --> 01:04:39,506 彼のサポートは助かった 792 01:04:44,970 --> 01:04:49,266 当時はニコもアンディも ルーに恋をしてた 793 01:04:49,432 --> 01:04:52,936 男女問わず引きつける 魅力があった 794 01:05:03,196 --> 01:05:08,743 当時の僕は 絵を描いては 誰かに理解されるのを待ってた 795 01:05:08,868 --> 01:05:13,498 15歳の時 友人が1枚の レコードを持って来たんだ 796 01:05:13,623 --> 01:05:16,668 彼の好みに 合わなかったらしく 797 01:05:14,416 --> 01:05:20,130 ジョナサン・ リッチマン 798 01:05:16,793 --> 01:05:20,130 僕のファッグスの レコードと交換した 799 01:05:20,422 --> 01:05:23,383 ルーの歌詞が気に入った 800 01:05:23,508 --> 01:05:26,469 “とがった靴に 大きなわら帽子” 801 01:05:28,471 --> 01:05:29,306 そして… 802 01:05:32,809 --> 01:05:36,146 ジョンのドローンが 聴こえてくる 803 01:05:37,188 --> 01:05:41,610 “本当にもらっていいの?”と 思わず聞いた 804 01:05:41,735 --> 01:05:46,948 とっさに出た言葉は “彼らは僕の理解者だ”だった 805 01:05:51,745 --> 01:05:55,874 ルーの手がける詞は 申し分がなかった 806 01:05:52,829 --> 01:05:57,959 話 デヴィッド・ ボウイ 807 01:05:55,999 --> 01:05:57,959 理由はその本質にある 808 01:05:58,418 --> 01:06:03,506 ディランはポップソングに 新たな知性をもたらしたが 809 01:06:03,632 --> 01:06:06,301 ルーはアバンギャルドで–– 810 01:06:06,426 --> 01:06:09,596 ボードレールやランボーに 影響を受けてたんだ 811 01:06:10,722 --> 01:06:13,725 当時は見過ごされてたけどね 812 01:06:18,563 --> 01:06:20,232 宣伝不足よ 813 01:06:20,357 --> 01:06:23,652 ラジオ局は曲を 流してくれなかった 814 01:06:23,818 --> 01:06:27,113 曲名が「ヘロイン」だと無理だわ 815 01:06:27,822 --> 01:06:29,741 MGMレコードも–– 816 01:06:29,866 --> 01:06:34,412 ザ・マザーズ・オブ・ インヴェンションに注力して 817 01:06:34,829 --> 01:06:36,915 動いてくれなかった 818 01:06:37,040 --> 01:06:39,960 黙らすために 契約したも同然ね 819 01:06:40,835 --> 01:06:43,046 それはまた別の話 820 01:06:43,588 --> 01:06:47,259 僕はいつもの男を待ってる 821 01:06:48,885 --> 01:06:50,387 歩いて帰ろう 822 01:07:01,523 --> 01:07:03,191 全員が集結してる 823 01:07:03,400 --> 01:07:06,069 アンディ・ウォーホル ジェラルド・マランガ 824 01:07:06,236 --> 01:07:10,740 あそこにファッグスの エド・サンダースもいる 825 01:07:10,907 --> 01:07:14,619 ピーター・オーロフスキーは 詩人でマントラも歌う 826 01:07:14,786 --> 01:07:17,330 ジョナス・メカスは 映画を撮るんだ 827 01:07:19,416 --> 01:07:22,043 あの頃はNYだけでも 828 01:07:22,168 --> 01:07:25,797 30~40人のアーティストが 生活してた 829 01:07:25,922 --> 01:07:29,551 自らのスタイルの枠を超えて 830 01:07:29,676 --> 01:07:32,637 あらゆるアートを取り入れてた 831 01:07:34,764 --> 01:07:37,517 そこでフェスティバルを 開催した 832 01:07:37,642 --> 01:07:41,479 アートや映画の定義が 拡大する中–– 833 01:07:41,605 --> 01:07:45,692 当時の現状を 把握するためだった 834 01:07:45,817 --> 01:07:49,446 1965年11月と12月のことだ 835 01:07:49,571 --> 01:07:55,201 翌年は41丁目の劇場を 借りて 再び行った 836 01:07:52,115 --> 01:07:56,536 ジョナス・メカス 837 01:07:55,327 --> 01:07:58,830 タイムズ・スクエアの 近くだった 838 01:08:03,084 --> 01:08:05,962 「チェルシー・ガールズ」など 839 01:08:06,087 --> 01:08:08,298 ウォーホル作品を上映した 840 01:08:16,889 --> 01:08:20,060 メアリーが デイヴおじさんに言った 841 01:08:20,185 --> 01:08:23,355 “私は魂を売った 救い出して”と 842 01:08:23,521 --> 01:08:25,899 マルチメディア・ イベントである–– 843 01:08:24,647 --> 01:08:29,236 話 ビリ︱・ネ︱ム 844 01:08:26,024 --> 01:08:30,195 アンディ・ウォーホル・ アップタイトを実施した 845 01:08:30,570 --> 01:08:32,197 ヴェルヴェット・ アンダーグラウンドや 846 01:08:32,322 --> 01:08:37,076 ジェラルド・マランガや メアリー・ウォロノフが出演した 847 01:08:44,292 --> 01:08:49,339 事前にファクトリーで バンドとニコを撮影して 848 01:08:50,382 --> 01:08:56,721 ステージで演奏する彼らに その映像を投影していた 849 01:09:02,310 --> 01:09:08,441 イーストビレッジにある ポーランドの文化施設の建物が 850 01:09:08,567 --> 01:09:11,361 偶然にも空いたんだ 851 01:09:11,527 --> 01:09:16,658 だから そこを借りて アップタイトの規模を拡大した 852 01:09:16,825 --> 01:09:19,661 エクスプローディング・ プラスチック・イネビタブルだ 853 01:09:22,664 --> 01:09:25,208 ポーランドの文化施設が–– 854 01:09:25,333 --> 01:09:29,170 ドムというナイトクラブに 様変わりしました 855 01:09:29,295 --> 01:09:32,464 出演はニコとヴェルヴェット・ アンダーグラウンド 856 01:09:32,591 --> 01:09:37,679 このイベントを企画した アンディ・ウォーホルが選んだ–– 857 01:09:37,804 --> 01:09:39,889 注目のミューズです 858 01:09:40,014 --> 01:09:43,768 彼女の歌声は実にユニークです 859 01:09:47,022 --> 01:09:49,816 〝万人を楽しませる アンディ〟 860 01:09:49,065 --> 01:09:51,985 アンディが結成した ロックバンド 861 01:09:52,110 --> 01:09:54,195 ヴェルヴェット・ アンダ︱グラウンド 862 01:09:56,615 --> 01:10:01,369 彼が思い描くディスコは ダンスホールで–– 863 01:10:01,494 --> 01:10:06,333 バンドが演奏する中 映画を数本同時に上映し 864 01:10:06,458 --> 01:10:12,505 カラフルな光に照らされながら 人々が激しく踊ってる場所 865 01:10:15,175 --> 01:10:16,426 〝アンディ・ウォ︱ホル〟 866 01:10:16,551 --> 01:10:18,470 〝ヴェルヴェット・ アンダ︱グラウンド〟 867 01:10:20,263 --> 01:10:25,435 ドムでニコのギターを担当し 前座を務めたこともある 868 01:10:25,560 --> 01:10:30,607 レコードも出しておらず まだ無名だった頃だ 869 01:10:33,818 --> 01:10:36,988 アンディが姿を現すと 客は来始めた 870 01:10:38,114 --> 01:10:39,699 彼目当てだった 871 01:10:55,173 --> 01:10:59,052 バルコニーから プロジェクターを投影し 872 01:10:59,177 --> 01:11:02,764 色とりどりの照明や ストロボを当ててた 873 01:11:06,268 --> 01:11:09,688 操作方法が分からず 客に任せてたから 874 01:11:09,813 --> 01:11:14,859 壊されたり落とされたりして いつも赤字になってた 875 01:11:14,985 --> 01:11:17,821 アンディの頼み方はこうだ 876 01:11:17,946 --> 01:11:22,576 “照明の使い方が分かる人? 君は分かる?” 877 01:11:28,456 --> 01:11:33,336 アンディの映画には ストーリーがなかったから 878 01:11:33,461 --> 01:11:37,299 現実なのか架空なのか 分からなくなるの 879 01:11:37,424 --> 01:11:40,760 催眠術にかかったような 感覚だった 880 01:12:14,169 --> 01:12:17,547 上の階は著名人の 社交場だったんだ 881 01:12:17,672 --> 01:12:22,469 ウォルター・クロンカイトや ジャクリーン・ケネディが 882 01:12:22,594 --> 01:12:23,887 よく遊びに来てた 883 01:12:24,012 --> 01:12:26,681 アンディがアップタウンの–– 884 01:12:26,806 --> 01:12:30,143 アートコレクターと つながってたからだ 885 01:12:30,268 --> 01:12:32,604 すごい面々が踊りに来てた 886 01:12:32,729 --> 01:12:34,648 ルドルフ・ヌレエフや–– 887 01:12:34,773 --> 01:12:38,485 NYシティ・バレエ団も来てた 888 01:12:56,294 --> 01:12:58,213 彼らがバンドを 組んだのは–– 889 01:12:58,588 --> 01:13:03,176 派手なステージを 見せるためではなかった 890 01:13:00,006 --> 01:13:05,262 ダニ︱・フィ︱ルズ 891 01:13:03,301 --> 01:13:08,223 ルーの楽曲や音楽性に 引かれた仲間が–– 892 01:13:08,723 --> 01:13:13,103 自然と集まって 結成されたバンドなんだ 893 01:13:14,104 --> 01:13:16,898 彼らを発掘した バーバラ・ルービンが 894 01:13:17,023 --> 01:13:21,319 水玉模様の映像を 投影することを提案した 895 01:13:21,444 --> 01:13:25,907 普段の演奏が退屈と 言ってるようなものだった 896 01:13:26,032 --> 01:13:29,536 “なぜこんなことに?”と ルーに尋ねると 897 01:13:29,661 --> 01:13:32,372 彼は肩をすくめて こう言った 898 01:13:32,497 --> 01:13:37,210 “アンディの希望だし 家族だから仕方ない”と 899 01:13:37,335 --> 01:13:42,048 3週間ほど公演をしてから ツアーに出た 900 01:13:54,436 --> 01:13:59,316 アンディが招待された アートショーでも演奏した 901 01:13:59,441 --> 01:14:02,611 私たちは展示品だったのね 902 01:14:03,778 --> 01:14:07,908 観客は社交界の人々や 芸術家ばかりで–– 903 01:14:05,906 --> 01:14:09,868 NYソサエティ・ フォ︱・クリニカル・ サイキアトリ︱ 904 01:14:08,033 --> 01:14:09,868 途中で退出してた 905 01:14:09,993 --> 01:14:12,996 私たちには無関心だったのよ 906 01:14:14,748 --> 01:14:18,418 ラトガ︱ス大学 フィルム・ソサエティ ニュ︱ア︱ク 907 01:14:15,999 --> 01:14:19,586 僕はヴェルヴェット・ アンダーグラウンドを 908 01:14:19,711 --> 01:14:21,171 NYで見てたんだ 909 01:14:19,878 --> 01:14:23,381 ジョン・ウォ︱タ︱ズ 910 01:14:21,296 --> 01:14:23,381 だから プロビンスタウンに 911 01:14:23,548 --> 01:14:25,467 来ると知った時は 驚いた 912 01:14:25,592 --> 01:14:28,720 公演は美術館で行われた 913 01:14:27,886 --> 01:14:32,224 クライスラ︱美術館 プロビンスタウン 914 01:14:28,845 --> 01:14:32,224 町の人々が彼らを 理解できるはずがない 915 01:14:33,350 --> 01:14:38,855 ヒッピー文化の全盛期に 反ヒッピーの彼らが来るなんて 916 01:14:34,434 --> 01:14:38,855 ミシガン州 アナ︱バ︱映画祭 917 01:14:39,022 --> 01:14:40,857 どうかしてるよ 918 01:14:41,816 --> 01:14:44,861 前衛的結婚式 ミシガン州 移動遊園地 919 01:14:50,450 --> 01:14:55,330 ファンが増えてからも よく冗談で言ってたの 920 01:14:52,535 --> 01:14:55,872 マ︱ス・カニンガム・ ベネフィット ニュ︱ケイナン 921 01:14:55,455 --> 01:14:57,749 “退出したのは半数?” 922 01:14:57,874 --> 01:14:59,459 “今日は上出来ね”と 923 01:15:10,387 --> 01:15:14,140 ノイズだけじゃなかった 924 01:15:12,556 --> 01:15:18,937 話 ニコ 925 01:15:14,266 --> 01:15:20,605 外が嵐で荒れてる日に 聞こえてくるような音楽 926 01:15:37,872 --> 01:15:41,334 ポールが西海岸での 公演を決めてきた 927 01:15:46,047 --> 01:15:49,134 マンデー マンデー 928 01:15:49,926 --> 01:15:52,304 何て心地いい日 929 01:15:52,387 --> 01:15:58,643 西海岸の音楽はポップシーンで 優位に立ちつつあった 930 01:16:00,770 --> 01:16:03,231 レンタカーで ラジオをつけたら 931 01:16:01,062 --> 01:16:07,235 話 スタ︱リング・ モリソン 932 01:16:03,356 --> 01:16:06,276 「マンデー・マンデー」が 流れてきた 933 01:16:06,401 --> 01:16:10,155 “こういうのは まだ無理かも”と思った 934 01:16:14,743 --> 01:16:18,747 LAで周囲から浮いてると 気づいたのは–– 935 01:16:18,872 --> 01:16:23,460 トロピカーナ・モーテルに チェックインしたあとよ 936 01:16:23,877 --> 01:16:27,714 私たちはプールサイドで 肌も見せずに–– 937 01:16:27,881 --> 01:16:29,841 黒い服で座ってたの 938 01:16:28,506 --> 01:16:32,677 メアリ︱・ウォロノフ 939 01:16:29,966 --> 01:16:32,677 すごく奇妙に見えたはず 940 01:16:32,928 --> 01:16:36,097 ジェラルドは 誰かとヤってたけどね 941 01:16:45,649 --> 01:16:49,110 日曜の朝 942 01:16:50,487 --> 01:16:54,407 夜明けを迎える 943 01:16:55,075 --> 01:17:01,289 そわそわした気持ちが 僕につきまとう 944 01:17:01,539 --> 01:17:04,125 西海岸は初めてで–– 945 01:17:04,251 --> 01:17:08,171 人が妙に健康的なのが 印象的だった 946 01:17:08,755 --> 01:17:13,635 またライトショーでは ブッダの絵を壁に投影してた 947 01:17:14,553 --> 01:17:17,931 会場のザ・トリップの ステージに–– 948 01:17:18,056 --> 01:17:20,850 ジェラルドと2人で上がったの 949 01:17:20,976 --> 01:17:26,064 パフォーマンスをして バンドに注目してもらうためよ 950 01:17:26,231 --> 01:17:29,568 常に周りに誰かがいて 951 01:17:29,693 --> 01:17:33,238 君の名前を呼んでいる 952 01:17:33,363 --> 01:17:37,409 でも何てことはない 953 01:17:38,285 --> 01:17:43,540 フランク・ザッパのバンドと 会場で鉢合わせになった 954 01:17:43,665 --> 01:17:48,420 西海岸を象徴する彼らを 僕たちは軽蔑してた 955 01:17:49,462 --> 01:17:51,840 ヒッピーは嫌いだった 956 01:17:51,965 --> 01:17:55,969 フラワーパワーを唱えたり ブラを燃やしたり 957 01:17:56,094 --> 01:17:57,637 どうかしてる 958 01:17:57,804 --> 01:18:02,475 ラブ&ピースって何なの 現実に目を向けてよ 959 01:18:03,143 --> 01:18:08,231 誰もがすばらしいとか 平等に愛してるとか 960 01:18:08,481 --> 01:18:13,778 撃たれずに世界平和を 実現できたら理想的だけど 961 01:18:13,904 --> 01:18:18,867 銃を向けてる相手に 花を渡しても説得できない 962 01:18:19,159 --> 01:18:23,955 それならホームレスの人を 支援するとか–– 963 01:18:24,080 --> 01:18:25,540 行動に移さないと 964 01:18:25,665 --> 01:18:29,294 花を髪に挿して 歩き回っててもダメ 965 01:18:31,296 --> 01:18:35,884 彼らは世の中の危険から 目を背けてた 966 01:18:36,009 --> 01:18:41,806 あの世界に入り込むと その重大性が見えなくなるんだ 967 01:18:42,432 --> 01:18:44,434 人類は腐ってたし 968 01:18:45,185 --> 01:18:49,481 社会にも完全にナメられてた 969 01:18:49,606 --> 01:18:52,484 でも落ち込んでいられない 970 01:18:52,609 --> 01:18:55,237 強くならないといけないの 971 01:18:55,362 --> 01:18:59,908 大半が賛成してることに 反対したりもする 972 01:19:00,033 --> 01:19:02,953 そんな時 アーティストが 支えになる 973 01:19:03,078 --> 01:19:07,832 アーティストは社会に 組み込まれてないからよ 974 01:19:13,004 --> 01:19:17,384 踊る楽しさは体験しないと 分からないもの 975 01:19:17,509 --> 01:19:20,971 ビル・グレアムの フィルモア・ウェストに 976 01:19:21,096 --> 01:19:24,349 若者が集まる理由も 理解できます 977 01:19:24,474 --> 01:19:28,562 ここは優しくて 朗らかで明るい人が多い 978 01:19:28,687 --> 01:19:30,981 他の都市とは違う 979 01:19:31,106 --> 01:19:35,944 NYやシカゴやデトロイトは 暗くて冷たい 980 01:19:36,111 --> 01:19:37,696 彼は私たちを嫌ってた 981 01:19:37,862 --> 01:19:40,448 ステージに立つ前に言うの 982 01:19:40,907 --> 01:19:44,286 “お前らなんて 失敗してしまえ”と 983 01:19:45,287 --> 01:19:48,039 じゃあ 呼ばないでよ 984 01:19:48,206 --> 01:19:51,835 マルチメディアの イベントで先を越され 985 01:19:51,960 --> 01:19:54,880 嫉妬してたんだと思う 986 01:19:55,005 --> 01:20:00,594 彼の企画は アンディのとは 比べものにならないけどね 987 01:20:00,760 --> 01:20:03,597 そして 批評が出た 988 01:20:03,763 --> 01:20:07,809 “に 埋めるべきバンド” 989 01:20:07,934 --> 01:20:09,394 “地下深くに埋葬を” 990 01:20:08,518 --> 01:20:13,231 〝価値なし 自殺レベル シェ︱ル〟 991 01:20:09,519 --> 01:20:12,397 あのシェールは そう書いてた 992 01:20:12,522 --> 01:20:15,609 ドムで演奏する気で NYに戻ったら–– 993 01:20:15,734 --> 01:20:19,696 あのステージには 立てないと言われたんだ 994 01:20:19,821 --> 01:20:24,826 ディランのマネージャー アルバート・グロスマンが買い 995 01:20:24,951 --> 01:20:28,580 バルーン・ファームと 店名を変えたからだ 996 01:20:28,705 --> 01:20:31,625 もう戻れなかった 997 01:20:33,877 --> 01:20:35,545 彼女が来たぞ 998 01:20:37,214 --> 01:20:39,174 行ってしまった 999 01:20:40,175 --> 01:20:42,010 さあ いくぜ 1000 01:20:41,635 --> 01:20:47,098 〝ホワイト・ライト/ ホワイト・ヒ︱ト〟 1001 01:20:42,135 --> 01:20:47,098 2枚目のアルバムには ツアーの影響が感じられる 1002 01:20:47,224 --> 01:20:48,892 アグレッシブさだ 1003 01:20:49,017 --> 01:20:53,605 当時のバンドの状況を 反映してたのだろう 1004 01:20:54,022 --> 01:20:58,902 4人で活動するのが 難しくなってきていた 1005 01:20:59,194 --> 01:21:02,030 彼女がいないのは分かってる 1006 01:21:02,239 --> 01:21:04,824 でも すべてが変わった 1007 01:21:05,533 --> 01:21:08,912 朝 目覚めた時に 聞こえるんだ 1008 01:21:09,037 --> 01:21:11,539 僕の名前を呼んでいるのを 1009 01:21:12,666 --> 01:21:14,000 彼女はいないのに 1010 01:21:14,167 --> 01:21:18,004 どのアルバムよりも 素早く完成した 1011 01:21:18,129 --> 01:21:19,839 エンジニアに言われた 1012 01:21:19,965 --> 01:21:22,968 “僕はここにいる必要がない” 1013 01:21:23,093 --> 01:21:26,846 “録音を押すから 終わったら呼びに来て”と 1014 01:21:38,066 --> 01:21:41,611 白い光に頭がやられる 1015 01:21:41,820 --> 01:21:45,532 すべて見えなくなってしまう 1016 01:21:45,657 --> 01:21:49,244 白い熱が足先まで もぞもぞさせる 1017 01:21:49,369 --> 01:21:52,414 楽しむ間は 勘弁してくれ 1018 01:21:52,581 --> 01:21:55,166 2枚目のアルバムの曲は 1019 01:21:55,333 --> 01:21:58,920 どれもその場で作り アグレッシブだった 1020 01:21:59,045 --> 01:22:02,382 神経が高ぶるのも当然だった 1021 01:22:05,302 --> 01:22:07,304 会話はなかった 1022 01:22:07,429 --> 01:22:11,224 フェーダーを どんどん上げていき 1023 01:22:11,349 --> 01:22:14,102 音量を競い合ってたんだ 1024 01:22:14,227 --> 01:22:16,313 “一番うるさいのは誰?”と 1025 01:22:16,438 --> 01:22:18,773 子供の遊びのようだった 1026 01:22:21,943 --> 01:22:24,487 即興の演奏じゃないと–– 1027 01:22:24,613 --> 01:22:27,657 お互いイラ立ちが 募るだけだった 1028 01:22:27,782 --> 01:22:30,785 さらにツアーでも助かった 1029 01:22:30,911 --> 01:22:34,664 何度 演奏しても 興奮を得られるからだ 1030 01:22:35,749 --> 01:22:38,001 調和は完全に乱れてた 1031 01:22:38,710 --> 01:22:41,963 白い光が頭を突き抜ける 1032 01:22:42,339 --> 01:22:45,926 白い光が君も狂わせる 1033 01:22:46,051 --> 01:22:49,554 白い熱が足先まで もぞもぞさせる 1034 01:22:48,386 --> 01:22:52,682 〝静かに 放送中〟 1035 01:22:49,679 --> 01:22:52,682 白い光 誰にも分からない 1036 01:22:52,807 --> 01:22:57,103 ニコは正式メンバーとは 思ってなかった 1037 01:22:57,229 --> 01:23:00,941 私たちの中では 一時的な構成だったの 1038 01:23:15,956 --> 01:23:19,292 ここは 506号室 1039 01:23:20,126 --> 01:23:23,964 それだけで 不快な気分になれる 1040 01:23:24,673 --> 01:23:29,302 〝ニコ チェルシ︱・ガ︱ル〟 1041 01:23:24,673 --> 01:23:30,971 アルミ箔に包まれた ブリジットを見て思う 1042 01:23:32,222 --> 01:23:37,394 ニコはバンドのためなら 何でもしてくれた 1043 01:23:37,519 --> 01:23:42,023 でも他にやりたいことが あったはずだ 1044 01:23:44,401 --> 01:23:48,196 いつも1人で座って 歌詞や詩を書いてた 1045 01:23:49,072 --> 01:23:54,494 共同作業から距離を置きたい 理由があったのだろう 1046 01:23:57,747 --> 01:23:59,249 彼女は放浪者だった 1047 01:23:59,374 --> 01:24:01,626 ふらりとやって来て 1048 01:24:01,751 --> 01:24:05,130 しばらくしたら 静かに去って行った 1049 01:24:07,507 --> 01:24:10,719 マジックマーカーの列 1050 01:24:10,844 --> 01:24:13,889 そして あなたは思う 1051 01:24:15,432 --> 01:24:19,102 一体 どこまでやるのか 1052 01:24:20,645 --> 01:24:22,731 彼らが来たわ 1053 01:24:22,772 --> 01:24:25,734 そんなことが続いて 1054 01:24:25,859 --> 01:24:29,237 ルーが突然 正気を失った 1055 01:24:31,156 --> 01:24:34,200 アンディをクビにしたんだ 1056 01:24:35,201 --> 01:24:36,953 アンディは怒ってた 1057 01:24:51,968 --> 01:24:54,846 すべて水面下の出来事だった 1058 01:24:54,971 --> 01:24:57,515 まさかアンディを解雇するとは 1059 01:24:58,767 --> 01:25:02,395 アンディがリードギターと 思ってる人もいて 1060 01:25:02,520 --> 01:25:07,901 “偉大な羊飼い”との決別は バンドの活動に影響した 1061 01:25:28,213 --> 01:25:29,256 “ウォーホル 重症” 1062 01:25:41,851 --> 01:25:43,812 次は「シスター・レイ」 1063 01:25:45,772 --> 01:25:47,816 ドラァグクイーンの話だ 1064 01:25:49,150 --> 01:25:51,736 ダックとサリーの2人さ 1065 01:26:01,162 --> 01:26:03,957 中にダックとサリーがいる 1066 01:26:05,542 --> 01:26:08,044 打つために調理中 1067 01:26:09,296 --> 01:26:12,424 視線の先にはミス・レーヨン 1068 01:26:13,633 --> 01:26:16,553 豚小屋をなめるのに夢中だ 1069 01:26:17,846 --> 01:26:20,599 僕は血管を探してる 1070 01:26:22,142 --> 01:26:24,352 横からは打てなかった 1071 01:26:24,477 --> 01:26:29,024 ハーバード大学の教授に NYのファッションモデル 1072 01:26:29,149 --> 01:26:33,987 正真正銘の非行青年や バイカーギャング 1073 01:26:34,779 --> 01:26:37,115 僕のようなオタクもいた 1074 01:26:39,492 --> 01:26:42,996 グレイトフル・デッドの ファンも多かったね 1075 01:26:50,754 --> 01:26:53,757 次第にファンが 増えていった 1076 01:26:54,090 --> 01:26:56,676 もちろん うれしかったわ 1077 01:26:56,801 --> 01:27:00,931 頻繁に公演してた ボストンは特に多かった 1078 01:27:01,723 --> 01:27:04,559 ライブは60~70回は見た 1079 01:27:05,477 --> 01:27:09,231 彼らの音楽は 唯一無二だったから 1080 01:27:09,356 --> 01:27:11,566 心を動かされたんだ 1081 01:27:11,691 --> 01:27:14,152 同じサウンドは繰り返さない 1082 01:27:14,277 --> 01:27:16,029 そこに興奮した 1083 01:27:21,326 --> 01:27:25,163 新しいだけでなく 過激なほど斬新だった 1084 01:27:25,705 --> 01:27:30,585 ロックンロールとは違う 緩いテンポの曲調で 1085 01:27:30,710 --> 01:27:34,172 メロディーがすごく独特なんだ 1086 01:27:35,757 --> 01:27:37,551 説明のしようがない–– 1087 01:27:38,385 --> 01:27:40,595 倍音が 聴こえてくるんだ 1088 01:27:39,302 --> 01:27:43,056 ジョナサン・ リッチマン 1089 01:27:40,720 --> 01:27:42,180 こんな感じで… 1090 01:27:43,932 --> 01:27:46,393 その上にファズがかかってた 1091 01:27:47,227 --> 01:27:49,354 そして ベースライン 1092 01:27:51,731 --> 01:27:54,025 でも他にも音が聴こえた 1093 01:27:54,484 --> 01:27:58,405 辺りを見渡しても 出所が分からないんだ 1094 01:27:58,530 --> 01:28:01,074 グループサウンドだった 1095 01:28:13,503 --> 01:28:17,132 分かりやすいのが 「シスター・レイ」の 1096 01:28:17,257 --> 01:28:19,342 演奏後の5秒間だ 1097 01:28:20,510 --> 01:28:24,055 その5秒が彼らの ライブを物語ってた 1098 01:28:24,180 --> 01:28:26,600 こうして歌ってるだろ 1099 01:28:28,685 --> 01:28:30,896 すると キーボードが鳴る 1100 01:28:33,690 --> 01:28:37,402 次にドラムが聴こえてきたと 思ったら… 1101 01:28:39,195 --> 01:28:41,531 急に演奏が止まるんだ 1102 01:28:41,656 --> 01:28:44,576 そして 観客は静まり返る 1103 01:28:44,701 --> 01:28:45,869 1秒… 1104 01:28:49,456 --> 01:28:53,418 5秒間もね それから拍手が起こる 1105 01:28:54,377 --> 01:28:58,340 観客は毎回そうやって 催眠術にかかる 1106 01:29:01,134 --> 01:29:03,762 ザ・ボストン・ティー・ パーティーで 1107 01:29:03,887 --> 01:29:09,184 ライブ前にチューニングしてる 彼らを見てた時だ 1108 01:29:09,476 --> 01:29:10,644 こう聞いた 1109 01:29:10,769 --> 01:29:15,774 “あのパッセージで ファズだけを使う理由は?”と 1110 01:29:15,899 --> 01:29:19,653 “あの音は複雑なんだよ”と 教えてくれた 1111 01:29:21,529 --> 01:29:25,158 僕はスターリングに ギターを教わった 1112 01:29:25,283 --> 01:29:28,745 おかげで高校生活から 解放された 1113 01:29:28,870 --> 01:29:32,165 さらにルールに 縛られることなく 1114 01:29:32,332 --> 01:29:35,252 自由に音楽を 作れるようになった 1115 01:29:35,377 --> 01:29:40,257 メンバーはみんな 寛大で優しくしてくれた 1116 01:29:40,382 --> 01:29:42,842 一度 前座も任された 1117 01:29:42,968 --> 01:29:46,638 バンドが険悪な 雰囲気になっても 1118 01:29:47,138 --> 01:29:49,140 僕は追い出されなかった 1119 01:29:49,266 --> 01:29:51,601 余計なことは言わないしね 1120 01:29:52,018 --> 01:29:55,021 確かに緊迫感は漂ってたけど 1121 01:29:55,146 --> 01:29:59,651 究極の事態に発展した時は 衝撃を受けた 1122 01:29:59,776 --> 01:30:02,070 ジョンの脱退だ 1123 01:30:08,368 --> 01:30:11,037 男3人で よく争ってた 1124 01:30:11,162 --> 01:30:16,126 リハーサルに顔を出すのが 苦痛だったほどよ 1125 01:30:16,251 --> 01:30:19,546 音楽について 議論してる時もあれば 1126 01:30:19,671 --> 01:30:22,799 ルーが不機嫌なだけの 時もあった 1127 01:30:22,924 --> 01:30:27,387 もしくは偉そうに 指図してるとかね 1128 01:30:27,846 --> 01:30:29,556 ルーはいつも–– 1129 01:30:28,263 --> 01:30:31,266 マ︱サ・モリソン 1130 01:30:29,681 --> 01:30:33,018 みんなの上に 立とうとしてた 1131 01:30:39,900 --> 01:30:42,110 何をしてもダメだった 1132 01:30:42,694 --> 01:30:46,323 ルーを喜ばせる方法はなかった 1133 01:30:47,073 --> 01:30:51,119 優しくすると さらに嫌われてしまうし 1134 01:30:53,121 --> 01:30:57,208 何かを提案しても すぐに却下された 1135 01:30:57,834 --> 01:30:59,628 ルーは苦しんでたの 1136 01:31:00,837 --> 01:31:04,216 ジョンも怒ると激しかった 1137 01:31:04,382 --> 01:31:10,180 イライラしてる時は 周りも不愉快な気分にさせるの 1138 01:31:10,347 --> 01:31:11,681 暗い性格だしね 1139 01:31:14,017 --> 01:31:17,479 何を認めて 何を見下げるかは 1140 01:31:17,604 --> 01:31:20,106 共通の意識を持ってた 1141 01:31:20,774 --> 01:31:27,405 でも残念ながら最後は 自分たちの問題だったんだ 1142 01:31:27,906 --> 01:31:30,116 こういう結論に至った 1143 01:31:30,242 --> 01:31:34,996 “自力で問題を 解決することはできないし” 1144 01:31:35,121 --> 01:31:39,000 “助けてくれる人も いそうにない” 1145 01:31:39,125 --> 01:31:43,380 それに私らは他人から 指図を受けなかった 1146 01:31:44,297 --> 01:31:49,302 ドラッグがなければ 目標に突き進んでいただろう 1147 01:31:49,719 --> 01:31:53,139 一歩離れるべき タイミングが来た 1148 01:31:54,182 --> 01:31:56,059 信頼が失われてた 1149 01:31:56,893 --> 01:31:58,520 ルーの嫉妬心かな 1150 01:31:57,811 --> 01:32:01,648 話 スタ︱リング・ モリソン 1151 01:31:59,145 --> 01:32:01,314 それが原因だと思う 1152 01:32:02,983 --> 01:32:07,988 ルーは 自分かジョンが 去るしかないと考えてた 1153 01:32:08,113 --> 01:32:13,118 スターリングと私を 呼び出して こう言ったの 1154 01:32:13,243 --> 01:32:14,953 “ジョンとは組めない” 1155 01:32:15,078 --> 01:32:19,207 “僕と残るか ジョンと出ていくか選べ”と 1156 01:32:20,250 --> 01:32:22,335 スターリングが訪れてきた 1157 01:32:22,460 --> 01:32:24,713 “ルーに会ってきた”と 1158 01:32:24,838 --> 01:32:30,510 私が週末に入ってたライブの リハーサルについて話すと 1159 01:32:30,635 --> 01:32:32,637 来なくていいと言うんだ 1160 01:32:33,096 --> 01:32:34,598 理由を尋ねると 1161 01:32:34,723 --> 01:32:37,976 ルーがこう宣言したらしい 1162 01:32:38,101 --> 01:32:43,315 私がライブに出演するなら 彼は行かずに残ると 1163 01:32:43,648 --> 01:32:49,946 どうなるのか見当もつかず 不安がよぎったのを覚えてる 1164 01:32:52,198 --> 01:32:55,493 とりあえず 制作に打ち込んだ 1165 01:33:00,373 --> 01:33:03,835 僕にとっては 絶望的な出来事だった 1166 01:33:03,960 --> 01:33:06,630 彼らは人生を教えてくれて 1167 01:33:06,755 --> 01:33:10,759 彼らの音楽は 夢を与えてくれたからだ 1168 01:33:10,884 --> 01:33:13,470 彼らが奏でた音色は… 1169 01:33:14,429 --> 01:33:17,599 僕にとっては ミケランジェロだったのさ 1170 01:33:22,062 --> 01:33:23,521 ルーは当時–– 1171 01:33:24,439 --> 01:33:28,193 本物の成功を 手にしたかったのよ 1172 01:33:29,444 --> 01:33:35,659 アバンギャルドっぽさを 薄めたかったんだと思う 1173 01:33:37,494 --> 01:33:39,371 普通の音楽でね 1174 01:33:41,081 --> 01:33:42,707 さあ 始めるよ 1175 01:33:52,842 --> 01:33:58,348 ダグ 1176 01:34:08,358 --> 01:34:13,780 ダグ・ユールは加わって 直ちにすべての曲を覚えた 1177 01:34:14,114 --> 01:34:19,327 彼は努力家で真面目な ミュージシャンだった 1178 01:34:19,661 --> 01:34:23,498 独自のセンスで 新風を吹き込んだんだ 1179 01:34:25,250 --> 01:34:27,586 違いは明らかだった 1180 01:34:27,752 --> 01:34:33,508 ダグにも彼なりのよさはあり まだいいバンドだったけど 1181 01:34:33,633 --> 01:34:36,428 ジョンの代わりはいなかった 1182 01:34:43,059 --> 01:34:44,352 こんばんは 1183 01:34:44,686 --> 01:34:46,980 ヴェルヴェット・ アンダーグラウンドだ 1184 01:34:48,398 --> 01:34:50,066 会えてうれしい 1185 01:34:52,360 --> 01:34:53,320 ありがとう 1186 01:34:53,778 --> 01:34:58,742 さらにうれしいのは ロックンロールを楽しむために 1187 01:34:58,867 --> 01:35:00,869 集まってくれたことだ 1188 01:35:04,080 --> 01:35:07,834 曲調が以前と比べて 静かになった 1189 01:35:14,466 --> 01:35:16,801 幸せな気持ちになったり 1190 01:35:20,305 --> 01:35:23,266 悲しい気持ちになったり 1191 01:35:26,144 --> 01:35:29,105 幸せな気持ちになったり 1192 01:35:30,148 --> 01:35:34,361 でも君は大抵 僕を怒らせる 1193 01:35:36,363 --> 01:35:40,367 君は僕を怒らせてばかりだ 1194 01:35:43,828 --> 01:35:47,958 いつまでも 忘れられない 1195 01:35:48,917 --> 01:35:52,212 君の淡く青い目を 1196 01:35:55,507 --> 01:35:59,135 いつまでも 忘れられない 1197 01:36:00,679 --> 01:36:03,473 君の淡く青い目を 1198 01:36:03,807 --> 01:36:07,269 ある理論に基づいてて それは“隙間”だ 1199 01:36:07,394 --> 01:36:09,145 曲に隙間を作った 1200 01:36:08,144 --> 01:36:11,898 話 ル︱・リ︱ド 1201 01:36:09,271 --> 01:36:11,898 足すのではなく 引くんだ 1202 01:36:12,023 --> 01:36:14,859 みんなのやり方と逆だね 1203 01:36:14,985 --> 01:36:19,239 楽器を足さないし 人とセッションもしない 1204 01:36:19,364 --> 01:36:24,661 ステージで再現できないことは 基本的に行わない 1205 01:36:35,547 --> 01:36:40,343 ライブでLAに行ってた時 突然 言われたんだ 1206 01:36:40,510 --> 01:36:42,929 1週間 滞在を延ばして 1207 01:36:41,052 --> 01:36:45,557 話 ダグ・ユ︱ル 1208 01:36:43,054 --> 01:36:46,725 3枚目のアルバムを 作ることになったと 1209 01:36:47,767 --> 01:36:50,687 キャンディは言った 1210 01:36:53,607 --> 01:36:58,403 “自分の体が嫌いになった” 1211 01:36:59,654 --> 01:37:03,575 “それだけで十分だった”と 1212 01:37:03,700 --> 01:37:07,913 「キャンディ・セッズ」は テンションが独特だ 1213 01:37:08,038 --> 01:37:10,957 “自分の体が嫌いになった”と 歌ってる 1214 01:37:11,082 --> 01:37:15,921 メロディーは美しいが 歌詞を聞いて 考えさせられ 1215 01:37:16,046 --> 01:37:19,382 アルバム全体が 同じテーマだと気づく 1216 01:37:24,846 --> 01:37:28,391 僕が歌うと知ったのは ボーカルを録る時だ 1217 01:37:28,516 --> 01:37:31,728 ルーが一度だけ歌い 引き渡された 1218 01:37:31,853 --> 01:37:37,567 たまにはボーカルを任せて リラックスしたかったのだろう 1219 01:37:37,984 --> 01:37:42,280 次の曲は元々 僕が歌うつもりだった 1220 01:37:42,405 --> 01:37:45,242 ラメ入りのドレスを着てね 1221 01:37:45,367 --> 01:37:49,287 でも思ったんだ まだ受け入れてもらえないと 1222 01:37:49,704 --> 01:37:54,668 一方でモーリンが歌えば 信じてもらえるはずだと 1223 01:37:54,876 --> 01:37:56,711 これが最後の曲です 1224 01:37:57,212 --> 01:37:58,421 「アフター・アワーズ」 1225 01:37:58,547 --> 01:38:02,175 ドアを閉じたら 1226 01:38:03,009 --> 01:38:06,429 夜は永遠に続くはず 1227 01:38:06,680 --> 01:38:10,141 太陽の光を追い出したら 1228 01:38:11,017 --> 01:38:13,770 二度と見ないで済む 1229 01:38:13,895 --> 01:38:15,689 怖くて死にそうだった 1230 01:38:15,814 --> 01:38:18,775 歌ったことなんてないし 1231 01:38:19,067 --> 01:38:21,653 “こんなの無理”と思ったわ 1232 01:38:22,112 --> 01:38:26,324 スターリングが笑うから 部屋から追い出したの 1233 01:38:30,579 --> 01:38:31,830 ルーに言ったの 1234 01:38:31,955 --> 01:38:35,292 “要望がない限り 生では歌わない”と 1235 01:38:35,417 --> 01:38:38,169 一生ないことを願いながらね 1236 01:38:39,004 --> 01:38:43,383 その2公演後くらいに リクエストされたけど 1237 01:38:43,508 --> 01:38:45,385 何とか歌えたわ 1238 01:38:46,928 --> 01:38:50,515 ザ・ボストン・ティー・ パーティーでも歌った 1239 01:38:50,849 --> 01:38:53,894 その日はファン以外の客が多く 1240 01:38:54,019 --> 01:38:56,062 文句も聞こえてきてた 1241 01:38:56,187 --> 01:38:59,900 “ジミー・ペイジはいないし 誰だこいつら”と 1242 01:39:00,025 --> 01:39:04,321 でもモーリンが登場して 空気が変わった 1243 01:39:04,446 --> 01:39:06,197 こう歌い出すんだ 1244 01:39:06,364 --> 01:39:08,700 ドアを閉じたら… 1245 01:39:08,825 --> 01:39:11,536 会場中の心をとらえてたよ 1246 01:39:12,662 --> 01:39:13,663 ありがとう 1247 01:39:18,376 --> 01:39:19,377 “ローデッド” 1248 01:39:28,220 --> 01:39:30,722 ジェニーは言った 5歳の時 1249 01:39:30,847 --> 01:39:33,725 毎日退屈で仕方なかったと 1250 01:39:37,354 --> 01:39:39,814 〝ザ・ボストン・ティ︱・ パ︱ティ︱ 誕生会〟 1251 01:39:37,354 --> 01:39:39,814 ラジオをつけても 1252 01:39:39,940 --> 01:39:42,400 〝ザ・ボストン・ティ︱・ パ︱ティ︱ 3月公演〟 1253 01:39:39,940 --> 01:39:43,485 イケてる曲は 流れてこなかった 1254 01:39:43,610 --> 01:39:44,819 まったく何も 1255 01:39:46,029 --> 01:39:48,782 でもある朝 NYのラジオ局をつけ 1256 01:39:48,907 --> 01:39:51,910 彼女は耳を疑うことになる 1257 01:39:54,955 --> 01:39:57,666 最高の音楽に踊り始め 1258 01:39:57,791 --> 01:40:01,294 彼女の人生は ロックンロールに救われた 1259 01:40:03,296 --> 01:40:06,341 大切なものを失っても 1260 01:40:06,466 --> 01:40:10,387 ロックンロールに 合わせて踊れたら 1261 01:40:10,512 --> 01:40:12,889 すべてオーライだった 1262 01:40:13,306 --> 01:40:16,726 すべてオーライだったんだ 1263 01:40:33,326 --> 01:40:35,870 ジェニーは言った 5歳の時 1264 01:40:35,996 --> 01:40:39,416 毎日退屈で仕方なかったと 1265 01:40:39,541 --> 01:40:42,002 1つだけ やり直せるなら 1266 01:40:42,127 --> 01:40:45,589 モーリンの復帰を待って 「ローデッド」を作った 1267 01:40:46,715 --> 01:40:51,303 「ローデッド」を制作した 1970年4月頃–– 1268 01:40:51,428 --> 01:40:55,765 私は妊娠中で ドラムをたたけなかったの 1269 01:40:56,516 --> 01:40:59,895 私を必要とする曲もあったし 1270 01:41:00,020 --> 01:41:02,063 参加できず 残念だった 1271 01:41:02,230 --> 01:41:04,024 違いは大きかった 1272 01:41:07,193 --> 01:41:11,197 しばらくしてスターリングも 来なくなり–– 1273 01:41:11,323 --> 01:41:13,325 僕がギターを弾いた 1274 01:41:13,533 --> 01:41:18,246 コントロールルームで 待ち続けるのに疲れたのさ 1275 01:41:18,371 --> 01:41:21,541 些細なことで 延々と議論する間ね 1276 01:41:21,791 --> 01:41:24,461 アルバムの話は聞いてた 1277 01:41:24,586 --> 01:41:27,297 ダグとは面識がなかったんだ 1278 01:41:28,006 --> 01:41:32,219 いずれにせよ 私には関係ないことだった 1279 01:41:32,344 --> 01:41:34,137 ルーもそう考えてた 1280 01:41:35,972 --> 01:41:38,808 結成当時は 個性豊かなバンドで 1281 01:41:38,934 --> 01:41:42,729 各々のメンバーが 能力を発揮できてた 1282 01:41:39,935 --> 01:41:45,607 ジョセフ・フリ︱マン 1283 01:41:42,854 --> 01:41:45,607 でも普通の ロックバンドになり 1284 01:41:45,774 --> 01:41:49,694 完全にルーが 率いるようになった 1285 01:41:49,819 --> 01:41:52,822 またポップソングを 次々と生み出し–– 1286 01:41:53,448 --> 01:41:57,452 ルーは少しずつ 自らの声を見つけていく 1287 01:41:59,246 --> 01:42:03,124 ロングアイランドから ポップソングが–– 1288 01:41:59,746 --> 01:42:05,585 話 トニ︱・ コンラッド 1289 01:42:03,250 --> 01:42:05,585 次々と湧き出てきた 1290 01:42:05,710 --> 01:42:10,215 お堅いハイカルチャーを 溶かしていったのさ 1291 01:42:13,176 --> 01:42:15,804 街角に立ってる 1292 01:42:17,597 --> 01:42:20,767 手にはスーツケース 1293 01:42:21,393 --> 01:42:25,063 ジャックはコルセットで ジェーンはベスト姿 1294 01:42:26,356 --> 01:42:28,650 僕はロックバンドの一員 1295 01:42:32,070 --> 01:42:34,656 ジムが乗る車は スタッツ・ベアキャット 1296 01:42:35,574 --> 01:42:39,035 当時は時代が違ったんだ 1297 01:42:40,662 --> 01:42:43,498 詩人たちはみんな 規則を守り 1298 01:42:43,623 --> 01:42:47,502 女性たちはみんな あきれ返っていた 1299 01:42:50,255 --> 01:42:53,466 スウィート・ジェーン 1300 01:42:54,843 --> 01:42:58,013 スウィート・ジェーン 1301 01:42:59,389 --> 01:43:02,517 スウィート・ジェーン 1302 01:43:02,642 --> 01:43:05,937 観客の前で 披露できるのがうれしい 1303 01:43:06,062 --> 01:43:09,107 彼らが興奮すると 僕も興奮する 1304 01:43:11,359 --> 01:43:14,446 何かを証明や主張する 必要はなく–– 1305 01:43:14,571 --> 01:43:17,365 下心もなく 歌ってる 1306 01:43:22,245 --> 01:43:24,456 彼は自分に才能があり–– 1307 01:43:24,581 --> 01:43:29,628 ギター演奏や曲作りに 長けてるのは自覚してた 1308 01:43:30,045 --> 01:43:34,966 でも思ってたほど 成功を得られてなかった 1309 01:43:35,759 --> 01:43:39,262 だから しびれを切らしてたの 1310 01:43:39,888 --> 01:43:43,600 心ある人なら 1311 01:43:43,725 --> 01:43:48,855 裏切って 傷つけたりしない 1312 01:43:48,980 --> 01:43:52,525 経験ある人なら 1313 01:43:52,651 --> 01:43:57,530 裏切って 恨んだりしない 1314 01:43:58,573 --> 01:44:01,660 スウィート・ジェーン 1315 01:44:03,078 --> 01:44:06,081 スウィート・ジェーン 1316 01:44:06,373 --> 01:44:11,586 〝マクシズ・ カンザスシティ︱〟 1317 01:44:12,796 --> 01:44:15,507 マクシズでのライブを機に 1318 01:44:17,425 --> 01:44:19,302 すべてが止まった 1319 01:44:21,471 --> 01:44:23,974 迫りくる海 1320 01:44:24,766 --> 01:44:26,851 〝アンディ〟 1321 01:44:24,766 --> 01:44:30,105 そして 波が岸に押し寄せる 1322 01:44:30,230 --> 01:44:35,694 5年経ってもマクシズの 2階で演奏してたんだ 1323 01:44:35,819 --> 01:44:39,823 後退してる感じは 否めなかった 1324 01:44:37,070 --> 01:44:39,823 〝3年ぶりのNY公演〟 1325 01:44:47,956 --> 01:44:49,916 歯を食いしばって 1326 01:44:50,041 --> 01:44:53,295 何とかやり過ごしてた 様子だった 1327 01:44:57,799 --> 01:44:59,885 僕は学校に戻ることにした 1328 01:45:00,927 --> 01:45:04,306 音楽から距離を置くためだ 1329 01:45:05,724 --> 01:45:08,435 ルーは逃げたりしなかった 1330 01:45:08,602 --> 01:45:11,521 でも空港で突然こう言ったの 1331 01:45:11,646 --> 01:45:14,274 “僕は行かない”と 1332 01:45:16,526 --> 01:45:21,406 事前に相談したら 説得されると思ってたみたい 1333 01:45:21,990 --> 01:45:24,367 モーリンは泣いてた 1334 01:45:25,535 --> 01:45:29,205 心臓を刺されたような気分だと 1335 01:45:40,675 --> 01:45:46,056 マクシズに彼らを見に行った時 ステージ終了後–– 1336 01:45:46,181 --> 01:45:49,643 出口に向かうルーに 声をかけたんだ 1337 01:45:49,768 --> 01:45:52,312 でも早足で出ていった 1338 01:45:53,355 --> 01:45:57,067 すると誰かが “バンドを辞めたらしい”と 1339 01:46:00,570 --> 01:46:04,532 あまりにも突然の出来事だった 1340 01:46:06,284 --> 01:46:09,788 迫りくる海 1341 01:46:09,913 --> 01:46:16,127 そして 波が岸に押し寄せる 1342 01:46:19,548 --> 01:46:23,134 迫りくる海 1343 01:46:23,260 --> 01:46:25,971 そして 波が砕け散る 1344 01:46:26,054 --> 01:46:31,351 脱退後 両親の家で 1年半ほど暮らしてたみたい 1345 01:46:31,851 --> 01:46:35,981 頭の整理が 必要だったんだと思う 1346 01:46:36,565 --> 01:46:41,486 マネジメント問題に疲れ 休みを取ることにした 1347 01:46:41,611 --> 01:46:43,863 学生時代 母に言われてた 1348 01:46:43,989 --> 01:46:47,826 万が一に備えて タイピングを習うべきだと 1349 01:46:49,494 --> 01:46:52,706 僕は何も成し遂げられない 1350 01:46:52,831 --> 01:46:57,627 ほとんど水でできてる存在 1351 01:46:57,752 --> 01:47:03,466 迫りくる海 1352 01:47:06,344 --> 01:47:09,014 岸に押し寄せる 1353 01:47:09,139 --> 01:47:12,434 彼らが放ってた強烈な輝きを 1354 01:47:12,559 --> 01:47:17,272 誰もまともに 受け止められなかったんだ 1355 01:47:25,071 --> 01:47:29,409 彼らの全盛期は 物理学がないと語れない 1356 01:47:35,206 --> 01:47:39,878 あのバンドには “エントロピー”が存在した 1357 01:47:44,799 --> 01:47:45,675 “ルー・リード トランスフォーマー” 1358 01:47:57,520 --> 01:47:58,313 “ニコ マーブル・インデックス” 1359 01:48:03,485 --> 01:48:04,653 “モーリン・タッカー PLAYIN' POSSUM” 1360 01:48:14,454 --> 01:48:20,126 “ルー・リード/ジョン・ケイル ソングス・フォー・ドレラ” 1361 01:48:29,427 --> 01:48:35,725 波が迫りくる 1362 01:48:39,896 --> 01:48:45,944 波が迫りくる 1363 01:48:50,198 --> 01:48:55,245 波が迫りくる 1364 01:49:03,628 --> 01:49:05,964 もしもし? はい 1365 01:49:06,590 --> 01:49:07,757 バーバラだ 1366 01:49:10,176 --> 01:49:12,470 何かありそう? 1367 01:49:13,305 --> 01:49:14,514 いいね 1368 01:49:14,931 --> 01:49:18,476 そんなことは言わないで 早く来な 1369 01:49:20,020 --> 01:49:21,646 またあとで 1370 01:49:25,066 --> 01:49:27,068 その色合い どう? 1371 01:49:27,193 --> 01:49:28,194 奇妙だろ 1372 01:49:28,320 --> 01:49:30,238 これは写真なの? 1373 01:49:30,363 --> 01:49:31,990 違う 絵画だ 1374 01:49:33,033 --> 01:49:35,327 ヴェルヴェット・ アンダーグラウンドのもある 1375 01:49:35,869 --> 01:49:36,745 最高だろ? 1376 01:49:36,870 --> 01:49:39,497 本当だね 最高だ 1377 01:49:39,623 --> 01:49:40,999 この人は? 1378 01:49:41,124 --> 01:49:42,584 スターリングだ 1379 01:49:43,376 --> 01:49:45,795 見落としてたよ 1380 01:49:45,921 --> 01:49:47,088 今も会ってる? 1381 01:49:47,214 --> 01:49:51,509 ああ 先週モーリンと会った 1382 01:49:51,635 --> 01:49:53,637 今はプログラマーだよね 1383 01:49:54,679 --> 01:49:56,306 工場で働いてる 1384 01:49:58,725 --> 01:50:01,019 IBM勤務だ 子供がいる 1385 01:50:01,144 --> 01:50:03,897 ジョン・ケイルと連絡は? 1386 01:50:04,189 --> 01:50:06,441 先日 連絡があった 1387 01:50:06,566 --> 01:50:09,486 今は何を? 曲作りだろうけど 1388 01:50:09,611 --> 01:50:12,572 アイランド・レコードで 働いてる 1389 01:50:12,989 --> 01:50:14,950 アイランドなのか 1390 01:50:15,075 --> 01:50:17,452 ワーナー・ ブラザースから移った 1391 01:50:26,169 --> 01:50:29,798 1987年2月22日 アンディ・ウォーホルは 1392 01:50:27,837 --> 01:50:29,798 長い道のりだった 1393 01:50:29,923 --> 01:50:32,175 術後合併症により 58歳で死去 1394 01:50:33,176 --> 01:50:37,597 僕は自分でも分からない 1395 01:50:33,677 --> 01:50:37,597 1988年7月18日 ニコは脳出血により死去 1396 01:50:37,722 --> 01:50:39,849 49歳だった 1397 01:50:37,722 --> 01:50:39,849 どこに向かってるのか 1398 01:50:41,935 --> 01:50:44,980 1995年8月30日 スターリング・モリソンは 1399 01:50:43,603 --> 01:50:47,566 それでも目指してみたい 1400 01:50:45,105 --> 01:50:48,149 非ホジキンリンパ腫により 53歳で死去 1401 01:50:47,691 --> 01:50:50,318 できることなら王国を 1402 01:50:49,859 --> 01:50:53,572 2013年10月27日 ルー・リードは 1403 01:50:50,819 --> 01:50:55,115 男という実感が湧くから 1404 01:50:53,697 --> 01:50:57,242 肝臓疾患により 71歳で死去 1405 01:50:56,157 --> 01:51:00,370 血管に針を入れた瞬間 1406 01:51:00,829 --> 01:51:05,125 周りの世界が すべて変わる 1407 01:51:05,792 --> 01:51:09,754 気分が高揚してきて 1408 01:51:10,380 --> 01:51:14,301 キリストの 息子になった気分 1409 01:51:14,885 --> 01:51:18,471 僕は何も分かってない 1410 01:51:18,889 --> 01:51:21,933 僕には何も分かってない 1411 01:51:32,819 --> 01:51:39,034 僕には分かってない 1412 01:51:41,077 --> 01:51:43,955 でもいくつか 決めたことがある 1413 01:51:53,298 --> 01:51:59,554 僕にも分かってる ことがある 1414 01:52:01,514 --> 01:52:04,643 人生を取り戻すんだ 1415 01:52:04,768 --> 01:52:09,731 血液が流れ始めて 1416 01:52:09,856 --> 01:52:13,401 スポイトの先に 血が逆流すると 1417 01:52:13,652 --> 01:52:17,322 死が一気に近づく 1418 01:52:28,959 --> 01:52:31,962 君たちには僕を救えない 1419 01:52:32,087 --> 01:52:36,258 優しい女の子たちの 優しい言葉も 1420 01:52:36,758 --> 01:52:40,345 僕の目の前から 消えてくれ 1421 01:52:40,637 --> 01:52:44,182 僕は何も分かってない 1422 01:52:44,599 --> 01:52:47,727 僕には何も分かってない 1423 01:52:47,143 --> 01:52:48,144 ルー・リード 1424 01:52:48,270 --> 01:52:52,023 ソロとして31枚の アルバムをリリース 1425 01:52:52,148 --> 01:52:53,149 ジョン・ケイル 1426 01:52:53,275 --> 01:52:56,945 アルバムを22枚リリースし 現在もLAで活動中 1427 01:52:57,070 --> 01:52:58,071 スターリング・モリソン 1428 01:52:57,904 --> 01:53:04,244 もし願いがかなうなら 1429 01:52:58,196 --> 01:53:01,866 博士号を取得後 テキサス大学の教授になる 1430 01:53:01,992 --> 01:53:02,993 モーリン・タッカー 1431 01:53:03,118 --> 01:53:06,788 アルバムを4枚リリース 現在はジョージア州在住 1432 01:53:06,204 --> 01:53:09,165 千年前に生まれたかった 1433 01:53:06,913 --> 01:53:07,914 ニコ 1434 01:53:08,039 --> 01:53:11,710 ソロとして6枚の アルバムをリリース 1435 01:53:11,835 --> 01:53:12,836 ダグ・ユール 1436 01:53:12,961 --> 01:53:16,631 アルバム1枚をリリース 現在はシアトル在住 1437 01:53:17,215 --> 01:53:20,969 メリル・リード・ワイナー ルーの妹 現在は心理療法士 1438 01:53:18,675 --> 01:53:24,848 もし願いがかなうなら 1439 01:53:21,094 --> 01:53:24,848 アラン・ハイマン ルーの級友 元バンド仲間 1440 01:53:24,973 --> 01:53:28,727 ヘンリー・フリント 音楽家 哲学者 作家 NY在住 1441 01:53:27,017 --> 01:53:30,645 薄暗い海に 航海に出たかった 1442 01:53:28,852 --> 01:53:32,606 ラ・モンテ・ヤング 作曲家 音楽家 作家 NY在住 1443 01:53:31,479 --> 01:53:35,275 立派な クリッパ︱船に乗り 1444 01:53:32,731 --> 01:53:36,484 マリアン・ザジーラ 芸術家 音楽家 NY在住 1445 01:53:36,276 --> 01:53:40,363 陸から陸へと 渡っていくんだ 1446 01:53:36,610 --> 01:53:40,363 リチャード・ミシュキン ルーの級友 元バンド仲間 1447 01:53:41,239 --> 01:53:44,576 シェリー・コーウィン リードの元恋人 芸術家 1448 01:53:41,239 --> 01:53:45,285 水兵の制服と 帽子を身に着けて 1449 01:53:44,701 --> 01:53:48,038 ダニー・フィールズ マネージャー パブリシスト 1450 01:53:48,163 --> 01:53:51,499 エイミー・トウビン 元女優 現在は映画評論家 1451 01:53:51,625 --> 01:53:54,961 テリー・フィリップス 音楽家 ピックウィック幹部 1452 01:53:55,086 --> 01:53:58,423 マーサ・モリソン スターリングの妻 NY在住 1453 01:53:58,548 --> 01:54:01,885 メアリー・ウォロノフ 女優 作家 現在はLA在住 1454 01:54:03,553 --> 01:54:07,515 ジャクソン・ブラウン 音楽家 環境活動家 LA在住 1455 01:54:03,553 --> 01:54:07,515 大都市に別れを告げる 1456 01:54:07,641 --> 01:54:10,852 自由になれない場所 1457 01:54:07,641 --> 01:54:11,269 ジョナサン・リッチマン 音楽家 元ザ・モダン・ラヴァーズ 1458 01:54:10,977 --> 01:54:14,606 街に潜む悪魔たち 1459 01:54:11,394 --> 01:54:15,023 ジョン・ウォーターズ 映画監督 俳優 芸術家 1460 01:54:14,731 --> 01:54:18,318 自分や周囲にも 束縛される 1461 01:54:15,148 --> 01:54:18,777 ジョセフ・フリーマン ウォーホルの元アシスタント 1462 01:54:18,443 --> 01:54:21,863 僕は何も分かってない 1463 01:54:19,194 --> 01:54:23,198 デルモア・シュワルツ 作家 シラキュース大学教授 1464 01:54:21,988 --> 01:54:25,951 僕には何も分かってない 1465 01:54:23,323 --> 01:54:27,327 トニー・コンラッド 実験映画監督 元プリミティヴス 1466 01:54:27,452 --> 01:54:31,456 ビリー・ネーム ウォーホルの協力者 写真家 1467 01:54:31,581 --> 01:54:35,585 デヴィッド・ボウイ 音楽家 俳優 「トランスフォーマー」を制作 1468 01:54:35,710 --> 01:54:39,089 ジョナス・メカスに捧げる 1469 01:54:39,214 --> 01:54:42,592 アンソロジー・フィルム・ アーカイヴスの設立者で 1470 01:54:42,717 --> 01:54:46,096 アバンギャルド映画に 生涯を捧げた映像作家 1471 01:55:06,032 --> 01:55:12,956 かわいそうな少女は 何を着ていくのか 1472 01:55:15,500 --> 01:55:20,922 明日のすべての パ︱ティ︱に 1473 01:55:23,592 --> 01:55:30,056 誰にもらったのか 分からないお下がり 1474 01:55:32,475 --> 01:55:36,646 明日のすべての パ︱ティ︱に 1475 01:55:40,233 --> 01:55:45,280 どこへ行って 何をすべきなのか 1476 01:55:45,405 --> 01:55:49,951 午前0時が訪れたら 1477 01:55:53,038 --> 01:55:59,711 再び日曜のピエロに 助けを求め 1478 01:56:02,214 --> 01:56:07,344 ドアの後ろに隠れて泣く 1479 01:56:47,717 --> 01:56:54,558 かわいそうな少女は 何を着ていくのか 1480 01:56:57,352 --> 01:57:03,024 明日のすべての パ︱ティ︱に 1481 01:57:05,110 --> 01:57:11,616 昨日のガウンの シルクやリネン 1482 01:57:14,202 --> 01:57:19,833 明日のすべての パ︱ティ︱に 1483 01:57:22,252 --> 01:57:27,007 木曜のボロ切れは どうすればいい 1484 01:57:27,132 --> 01:57:31,720 月曜が来た時に 1485 01:57:34,723 --> 01:57:41,104 再び日曜のピエロに 助けを求め 1486 01:57:43,732 --> 01:57:48,862 ドアの後ろに隠れて泣く 1487 01:58:47,128 --> 01:58:53,885 かわいそうな少女は 何を着ていくのか 1488 01:58:56,513 --> 01:59:02,143 明日のすべての パ︱ティ︱に 1489 01:59:04,020 --> 01:59:10,443 木曜の子供は 日曜のピエロ 1490 01:59:12,904 --> 01:59:18,410 でも誰も彼女を 哀れんでくれない 1491 01:59:20,829 --> 01:59:25,542 黒ずんだ布に お下がりのガウン 1492 01:59:25,667 --> 01:59:31,089 ボロ布とシルクから できた衣装 1493 01:59:33,425 --> 01:59:40,265 座って泣くだけの 彼女にはぴったり 1494 01:59:41,892 --> 01:59:47,898 明日のすべての パ︱ティ︱に 1495 02:00:14,174 --> 02:00:17,177 日本語字幕 野村 佳子