1 00:00:07,633 --> 00:00:11,304 ‎その都は2つの海と ‎2つの大陸の間で 2 00:00:11,387 --> 00:00:14,223 ‎ダイヤモンドの輝きを放つ 3 00:00:14,307 --> 00:00:17,018 ‎まさに世界帝国の ‎象徴であった 4 00:00:17,101 --> 00:00:20,063 ‎1280年 オスマンの夢 ‎コンスタンティノープル 5 00:01:08,611 --> 00:01:11,072 ‎都は我々のものだ! 6 00:01:24,710 --> 00:01:27,130 ‎コンスタンティノープル 7 00:01:28,422 --> 00:01:30,842 ‎私がお前を落とすか 8 00:01:31,551 --> 00:01:34,512 ‎お前が私を落とすか… 9 00:01:43,062 --> 00:01:43,771 ‎来い 10 00:01:44,856 --> 00:01:46,315 ‎我が息子よ 11 00:01:47,191 --> 00:01:48,401 ‎父上? 12 00:01:49,110 --> 00:01:51,237 ‎コンスタンティノープル 13 00:01:51,320 --> 00:01:53,823 ‎なぜ私を信じなかった? 14 00:01:53,906 --> 00:01:55,199 ‎裏切られた 15 00:01:55,324 --> 00:01:56,200 ‎息子よ 16 00:01:56,284 --> 00:01:57,618 ‎私を信じろ 17 00:01:57,785 --> 00:01:59,412 ‎正気ではない 18 00:02:00,413 --> 00:02:01,706 ‎息子よ… 19 00:02:02,498 --> 00:02:03,916 ‎メフメト! 20 00:02:04,000 --> 00:02:07,211 ‎私がこの都を落とすのか? 21 00:02:11,799 --> 00:02:12,758 ‎やめろ! 22 00:03:01,724 --> 00:03:03,559 ‎コンスタンティノープル 23 00:03:05,478 --> 00:03:06,187 ‎NETFLIX オリジナルシリーズ 24 00:03:06,187 --> 00:03:08,689 ‎NETFLIX オリジナルシリーズ ‎全ての帝国は一様に 25 00:03:08,773 --> 00:03:12,902 ‎血と剣と富 ‎征服によって誕生します 26 00:03:12,985 --> 00:03:17,323 ‎1453年 東ローマ帝国の ‎コンスタンティノス11世と 27 00:03:17,406 --> 00:03:19,742 ‎オスマン帝国の ‎メフメト2世が 28 00:03:19,825 --> 00:03:23,496 ‎コンスタンティノープルで ‎激突しました 29 00:03:23,579 --> 00:03:28,501 ‎そこは過去23度の ‎攻防に耐えた伝説の都です 30 00:03:28,584 --> 00:03:31,796 ‎ところが ある名君の勝利‎で 31 00:03:31,879 --> 00:03:36,676 ‎その後300年の歴史は ‎大きく変わります 32 00:03:36,884 --> 00:03:41,347 ‎ある帝国が台頭すれば ‎片方は滅びる定めなのです 33 00:03:55,653 --> 00:03:56,779 コンスタンティノープル は世界の中心でした 34 00:03:56,779 --> 00:04:00,199 コンスタンティノープル は世界の中心でした オスマン帝国関連本著者 ジェイソン・ グッドウィン 35 00:04:01,951 --> 00:04:06,914 蝶番(ちょうつがい)のようにアジアや 欧州 黒海や地中海 36 00:04:06,998 --> 00:04:10,084 バルカン半島や イタリアをつなぐ 37 00:04:10,418 --> 00:04:14,130 まるで蝶(ちょう)の 胴体のようでした 38 00:04:16,215 --> 00:04:19,010 ‎要衝の地である以上に‎― 39 00:04:19,093 --> 00:04:21,345 ある概念を体現する 都市です バークリー大学 名誉教授 カレン・バーキー 40 00:04:21,345 --> 00:04:21,929 ある概念を体現する 都市です 41 00:04:22,722 --> 00:04:27,018 ‎帝国にふさわしい歴史を ‎象徴しており 42 00:04:27,101 --> 00:04:32,898 ‎多くの文明が層となって ‎根付く都市なのです 43 00:04:34,650 --> 00:04:36,402 地中海では 最大の都市でした 44 00:04:36,402 --> 00:04:38,029 地中海では 最大の都市でした イスタンブル 29マイス大学 歴史学准教授 45 00:04:39,155 --> 00:04:41,824 ‎約束の地と考えられ‎― 46 00:04:42,074 --> 00:04:44,160 この都の主が 世界を制すのです 47 00:04:44,160 --> 00:04:45,703 この都の主が 世界を制すのです エムラ・サファ・グルカン 48 00:04:46,829 --> 00:04:50,875 ‎1451年当時 ‎この帝都を守る皇帝は 49 00:04:50,958 --> 00:04:53,878 ‎コンスタンティノス11世 ‎でした 50 00:04:54,128 --> 00:04:58,382 ‎東ローマ帝国の皇帝は ‎徹底した独裁者です 51 00:04:58,466 --> 00:04:58,716 まさに神と人の間に立ち 52 00:04:58,716 --> 00:05:01,552 まさに神と人の間に立ち ビザンツ帝国関連本著者 ラース・ブラウンワース 53 00:05:01,552 --> 00:05:01,635 ビザンツ帝国関連本著者 ラース・ブラウンワース 54 00:05:01,635 --> 00:05:02,470 ビザンツ帝国関連本著者 ラース・ブラウンワース 神の裁きを下しました 55 00:05:02,470 --> 00:05:03,971 神の裁きを下しました 56 00:05:04,638 --> 00:05:09,727 ‎コンスタンティノス11世は ‎勇敢で‎ ‎何を犠牲にしても 57 00:05:09,810 --> 00:05:13,564 ‎コンスタンティノープルを ‎守りました 58 00:05:13,981 --> 00:05:18,903 ‎23度 敵の攻撃を受けても ‎城壁は落ちません 59 00:05:20,071 --> 00:05:23,115 ‎1100年‎ ‎続く ‎ローマ帝国にとって 60 00:05:23,199 --> 00:05:26,327 ‎最大の脅威は ‎オスマン帝国でした 61 00:05:26,494 --> 00:05:31,582 ‎アナトリアで戦う民族が ‎拡大させた大国で‎― 62 00:05:31,665 --> 00:05:34,543 ‎東欧を侵食していました 63 00:05:36,420 --> 00:05:41,008 ‎1451年にオスマン帝国の ‎ムラト2世が亡くなると 64 00:05:41,092 --> 00:05:47,056 ‎東ローマ帝国との戦争へと ‎舵(かじ)‎を切ることになります 65 00:05:54,605 --> 00:05:58,943 ‎息子のメフメト2世は ‎300キロかなたに 66 00:05:59,026 --> 00:06:00,653 マニサの知事として エーゲ州に居ました 67 00:06:00,653 --> 00:06:01,904 マニサの知事として エーゲ州に居ました エーゲ州 68 00:06:01,904 --> 00:06:01,987 マニサの知事として エーゲ州に居ました 69 00:06:01,987 --> 00:06:03,697 マニサの知事として エーゲ州に居ました コンスタンティノープル 包囲戦の2年半前 70 00:06:03,697 --> 00:06:05,658 コンスタンティノープル 包囲戦の2年半前 71 00:06:05,658 --> 00:06:06,450 コンスタンティノープル 包囲戦の2年半前 中央政権から 遠ざけられて数年 72 00:06:06,450 --> 00:06:09,578 中央政権から 遠ざけられて数年 73 00:06:09,662 --> 00:06:12,373 ‎国外追放の状態でした 74 00:06:12,456 --> 00:06:13,290 ‎皇子 75 00:06:14,166 --> 00:06:16,502 ‎田舎で腐るばかりだ 76 00:06:18,337 --> 00:06:19,296 ‎我が君 77 00:06:19,964 --> 00:06:23,926 ‎アレキサンダー大王は ‎私と同じ年で征服を 78 00:06:26,679 --> 00:06:27,680 ‎皇子 79 00:06:28,222 --> 00:06:30,975 ‎何だい ザガノス・パシャ? 80 00:06:31,058 --> 00:06:32,059 ‎お父上が… 81 00:06:39,233 --> 00:06:40,901 ‎聞くところでは 82 00:06:40,985 --> 00:06:45,823 ‎大宰相や高官らが ‎次期王を選ぼうとしています 83 00:06:45,906 --> 00:06:47,074 ‎だろうな 84 00:06:48,409 --> 00:06:49,910 ‎あの偽善者め 85 00:06:50,703 --> 00:06:52,955 ‎私を消したいのだろう 86 00:06:53,372 --> 00:06:54,206 ‎馬を 87 00:06:54,957 --> 00:06:56,584 ‎首都に戻るぞ 88 00:07:02,173 --> 00:07:05,718 ‎メフメトは ‎首都へ向かいますが 89 00:07:05,801 --> 00:07:09,430 ‎王に指名されるかは ‎分かりません 90 00:07:09,513 --> 00:07:12,183 ‎ムリなら奪うのみです 91 00:07:15,186 --> 00:07:19,231 ‎政権のメンバーなら ‎誰でも等しく王になれます 92 00:07:19,315 --> 00:07:21,358 ‎家系は関係ありません 93 00:07:21,984 --> 00:07:25,863 ‎彼らの‎掟(おきて)‎では ‎王位は勝ち取るもの 94 00:07:26,947 --> 00:07:28,365 ‎適者生存です 95 00:07:30,701 --> 00:07:37,666 オスマン帝国の首都 アドリアノープル 96 00:07:38,375 --> 00:07:40,169 父王の大宰相― 97 00:07:40,252 --> 00:07:43,589 チャンダルル・ハリルが 待っていました 98 00:07:43,672 --> 00:07:45,633 ‎王の右腕です 99 00:07:47,259 --> 00:07:50,804 ‎大宰相はいわば ‎帝国の首相です 100 00:07:50,888 --> 00:07:55,392 ‎新王は当然 ‎古参の大宰相とぶつかります 101 00:07:55,476 --> 00:07:59,813 ‎最初に主導権を握ることが ‎肝要です 102 00:08:28,133 --> 00:08:29,385 ‎ハリル・パシャ 103 00:08:30,844 --> 00:08:34,139 ‎そなたに会うのは2年ぶりか 104 00:08:34,265 --> 00:08:38,519 ‎もっと良い状況で ‎お会いしたかった 105 00:08:48,529 --> 00:08:49,488 ‎大宰相 106 00:09:17,558 --> 00:09:18,809 ‎我が王よ 107 00:09:36,285 --> 00:09:39,455 ‎父王の陰に隠れて幾年月… 108 00:09:39,997 --> 00:09:44,376 ‎19歳の君主には ‎誰も期待していません 109 00:09:46,920 --> 00:09:50,257 ‎ずいぶん大きくなったのだな 110 00:09:53,302 --> 00:09:54,261 ‎父上? 111 00:09:56,305 --> 00:09:58,223 ‎お前にはムリだ 112 00:09:58,932 --> 00:10:01,268 ‎経験を積めば譲ろう 113 00:10:01,352 --> 00:10:03,479 ‎我慢の限界だ! 114 00:10:05,230 --> 00:10:09,360 ‎若者ゆえに ‎誰も適性は読めません 115 00:10:10,319 --> 00:10:13,989 ‎優れた父王の後に ‎続けないかもしれない 116 00:10:17,326 --> 00:10:19,662 ‎あなたの番が来たわ 117 00:10:20,621 --> 00:10:21,622 ‎母上 118 00:10:22,623 --> 00:10:27,544 ‎義母であるマラは ‎首都における数少ない味方で 119 00:10:27,628 --> 00:10:31,131 ‎若き王の治世を ‎望んでいました 120 00:10:33,217 --> 00:10:37,179 ‎アレキサンダーは ‎王になると こう言った 121 00:10:39,223 --> 00:10:41,725 ‎“最後に残るのは‎―‎” 122 00:10:42,476 --> 00:10:44,937 ‎“成し遂げたことだけ” 123 00:10:49,149 --> 00:10:50,567 ‎あなたのイスよ 124 00:10:51,485 --> 00:10:58,367 ‎父王の期待に応えられると ‎示す必要があると感じました 125 00:11:00,327 --> 00:11:02,663 ‎では どうするか? 126 00:11:02,746 --> 00:11:07,292 イスタンブル工科大学 セラル・センゴル教授 彼は〝最高の成果が 必要だ〞と言いました 127 00:11:11,797 --> 00:11:13,298 ‎それは何か? 128 00:11:18,053 --> 00:11:19,596 ‎コンスタンティノープル 129 00:11:20,139 --> 00:11:21,807 ‎あらゆる人の夢 130 00:11:37,740 --> 00:11:41,618 ‎あなたを ‎子供扱いするでしょう 131 00:11:41,827 --> 00:11:44,288 ‎やってみるがいいさ 132 00:11:47,207 --> 00:11:50,252 ‎政権は2つに分かれました 133 00:11:50,335 --> 00:11:53,672 ‎ザガノス率いる ‎マニサの若者たちと 134 00:11:53,756 --> 00:11:58,427 ‎メフメトに懐疑的な ‎古参の高官たちです 135 00:11:58,719 --> 00:12:03,724 ‎周辺の敵国も同様に ‎新王に不信を抱いています 136 00:12:06,143 --> 00:12:09,146 アナトリアにある オスマンの領土で 137 00:12:09,146 --> 00:12:10,355 アナトリアにある オスマンの領土で 1451年 西アナトリア 138 00:12:10,355 --> 00:12:10,439 1451年 西アナトリア 139 00:12:10,439 --> 00:12:13,025 1451年 西アナトリア トルコが反乱を 起こしました 140 00:12:15,986 --> 00:12:18,697 ‎ですがメフメトは鎮圧します 141 00:12:22,367 --> 00:12:26,371 ‎1451年後半 ‎最大の危機が訪れました 142 00:12:26,455 --> 00:12:30,083 ‎相手は因縁のライバル ‎ローマ人です 143 00:12:32,711 --> 00:12:37,216 ‎ハサン・パシャ ‎城壁に放ったスパイは何と? 144 00:12:39,468 --> 00:12:41,762 ‎東ローマ帝国から‎― 145 00:12:43,055 --> 00:12:44,515 ‎要望が… 146 00:12:44,598 --> 00:12:46,475 ‎要望とは? 147 00:12:47,309 --> 00:12:50,229 ‎年貢を3倍にせねば 148 00:12:50,979 --> 00:12:55,025 ‎おじのオルハンを解放すると ‎脅しています 149 00:12:55,984 --> 00:13:00,697 ‎これは東ローマ人流の ‎伝統的な外交です 150 00:13:01,740 --> 00:13:04,827 ‎オルハンも王位継承者でした 151 00:13:04,910 --> 00:13:09,248 ‎東ローマは帝都に ‎彼をとどめる見返りに 152 00:13:09,331 --> 00:13:13,001 ‎オスマン帝国に ‎年貢を要求していたのです 153 00:13:13,252 --> 00:13:15,796 ‎これは興味深い例です 154 00:13:16,129 --> 00:13:18,549 ‎ローマ人はオルハンを捕え 155 00:13:18,632 --> 00:13:22,052 ‎オスマン帝国に対する ‎切り札にした 156 00:13:22,135 --> 00:13:25,472 ‎王になったメフメトは ‎弱冠19歳 157 00:13:25,556 --> 00:13:28,851 ‎彼の出方は誰にも ‎分かりませんでした 158 00:13:28,934 --> 00:13:33,230 ‎それでコンスタンティノスは ‎脅したのです 159 00:13:33,313 --> 00:13:37,568 ‎東ローマに盾つけば ‎オルハンを切り札にすると 160 00:13:37,651 --> 00:13:41,280 ‎彼を冷遇して ‎送り返すことで‎― 161 00:13:41,363 --> 00:13:43,365 ‎王座を揺るがします 162 00:13:44,658 --> 00:13:46,869 ローマは己が軍事力や 支配力で劣っているため 163 00:13:46,869 --> 00:13:50,831 ローマは己が軍事力や 支配力で劣っているため 「1453年」著者 ロジャー・クローリー 164 00:13:50,914 --> 00:13:56,128 ‎敵の内紛を‎煽(あお)‎ることで ‎牽(けん)‎制しようとしました 165 00:13:56,753 --> 00:14:00,424 ‎この状況を ‎どう切り抜けるか? 166 00:14:01,091 --> 00:14:06,096 ‎コンスタンティノスには ‎珍しくミスを犯します 167 00:14:06,179 --> 00:14:08,515 ‎大変な間違いでした 168 00:14:09,516 --> 00:14:11,393 ‎ここに‎砦(とりで)‎を築く 169 00:14:14,021 --> 00:14:17,733 ‎これでは外交ではなく ‎戦争になります 170 00:14:18,400 --> 00:14:21,111 ‎ボスポラス海峡を掌握する 171 00:14:21,987 --> 00:14:26,450 ‎東ローマの脅しに ‎“ルメリ・ヒサル”で応えます 172 00:14:26,533 --> 00:14:30,746 ‎すなわち ‎“ローマ領土内の要塞”です 173 00:14:30,871 --> 00:14:34,541 ‎ボスポラス海峡に ‎要塞を築けば 174 00:14:34,625 --> 00:14:40,297 ‎黒海から来る東ローマの ‎援軍を阻むことができます 175 00:14:40,380 --> 00:14:44,551 ‎“のど切り”と ‎あだ名を付けられました 176 00:14:45,010 --> 00:14:47,429 ‎お考え直しください 177 00:14:47,679 --> 00:14:50,057 ‎これは挑発行為です 178 00:14:50,140 --> 00:14:53,560 ‎城壁内はローマ人に属するが 179 00:14:53,977 --> 00:14:56,980 ‎外の領土は全て私のものだ 180 00:15:02,611 --> 00:15:04,947 ‎ハリルは反対しました 181 00:15:05,030 --> 00:15:09,618 〝これでは欧州諸国が 団結して敵に回る〞 182 00:15:09,701 --> 00:15:12,412 ‎“法王を敵に回せば‎―‎” 183 00:15:12,788 --> 00:15:16,833 ‎“帝都を落とす前に ‎こちらが負ける” 184 00:15:18,126 --> 00:15:20,295 ‎メフメトは一蹴します 185 00:15:23,256 --> 00:15:23,507 〝のど切り〞は たった4ヵ月半で完成 186 00:15:23,507 --> 00:15:27,511 〝のど切り〞は たった4ヵ月半で完成 コンスタンティノープル 包囲戦の8ヵ月前 187 00:15:27,511 --> 00:15:27,594 コンスタンティノープル 包囲戦の8ヵ月前 188 00:15:27,594 --> 00:15:29,137 コンスタンティノープル 包囲戦の8ヵ月前 東ローマとの戦いが 一歩 近づきました 189 00:15:29,137 --> 00:15:31,723 東ローマとの戦いが 一歩 近づきました 190 00:15:32,432 --> 00:15:35,560 ‎東ローマは密使を走らせ‎― 191 00:15:35,644 --> 00:15:38,188 ‎砦の建設に抗議します 192 00:15:38,271 --> 00:15:40,107 ‎“我々の領土だ” 193 00:15:40,190 --> 00:15:45,278 ‎“父王であれば許可を ‎得たはず”と抗議しますが 194 00:15:45,362 --> 00:15:47,197 ‎メフメトは無視 195 00:15:47,280 --> 00:15:52,035 なので皇帝は贈り物を 使者に持たせて 196 00:15:52,119 --> 00:15:56,331 ‎都を攻撃しないよう ‎確約させようとしました 197 00:16:02,713 --> 00:16:07,592 東ローマ帝国の首都 コンスタンティノープル 198 00:16:23,692 --> 00:16:28,989 ‎メフメトは使者の首を送り ‎皇帝に応えました 199 00:16:32,701 --> 00:16:34,077 ‎問題はない 200 00:16:34,161 --> 00:16:34,911 ‎安全だ 201 00:16:34,995 --> 00:16:36,788 ‎放ってはおけぬ 202 00:16:37,205 --> 00:16:38,707 ‎やり返すべきだ 203 00:16:38,790 --> 00:16:41,585 ‎あの小僧に教えてやろう 204 00:16:41,668 --> 00:16:43,795 ‎ほおを‎叩(たた)‎いてやれ 205 00:16:44,880 --> 00:16:46,798 ‎誰がやるのだ? 206 00:16:48,341 --> 00:16:49,342 ‎そなたか? 207 00:16:50,927 --> 00:16:54,139 ‎メフメトは悪魔だ ‎力では解決せぬ 208 00:16:54,347 --> 00:16:58,226 ‎対決は避けて ‎法王軍の到着を待つ 209 00:16:58,727 --> 00:17:03,440 ‎法王軍に頼らねばならぬなら ‎我々は終わりです 210 00:17:05,901 --> 00:17:10,197 ‎コンスタンティノスの右腕は ‎ルカス・ノタラス 211 00:17:10,322 --> 00:17:10,989 彼の地位は大公で― 212 00:17:10,989 --> 00:17:12,824 彼の地位は大公で― マサチューセッツ大学 古典学名誉教授 213 00:17:12,824 --> 00:17:12,908 マサチューセッツ大学 古典学名誉教授 214 00:17:12,908 --> 00:17:14,451 マサチューセッツ大学 古典学名誉教授 オスマン帝国でいう 高官や首相と同等です 215 00:17:14,451 --> 00:17:14,534 オスマン帝国でいう 高官や首相と同等です 216 00:17:14,534 --> 00:17:15,994 オスマン帝国でいう 高官や首相と同等です マリオス・ フィリッペデス 217 00:17:15,994 --> 00:17:17,829 オスマン帝国でいう 高官や首相と同等です 218 00:17:18,205 --> 00:17:22,250 ‎枢機卿よりは ‎オスマン軍のほうがマシだ 219 00:17:23,543 --> 00:17:27,798 ‎コンスタンティノープルは ‎正教会の中心地でした 220 00:17:27,881 --> 00:17:30,258 ‎多くの廷臣同様 ‎ノタラスも 221 00:17:30,342 --> 00:17:33,095 ‎ギリシア人で正教徒です 222 00:17:33,178 --> 00:17:36,056 ‎欧州カトリック教会との ‎分裂は‎― 223 00:17:36,139 --> 00:17:39,226 ‎400年間 続いていました 224 00:17:39,309 --> 00:17:41,019 ‎ですが今は‎― 225 00:17:41,103 --> 00:17:45,148 ‎法王軍と軍艦の助けが ‎必須でした 226 00:17:52,781 --> 00:17:54,783 ‎同じ神の申し子だ 227 00:17:56,535 --> 00:18:01,623 ‎バチカンと欧州諸国に ‎密使を走らせている 228 00:18:01,706 --> 00:18:03,959 ‎援軍は必要なのだ 229 00:18:04,251 --> 00:18:07,796 ‎既にジェノバ軍は出発して‎― 230 00:18:08,046 --> 00:18:09,297 ‎最初に着く 231 00:18:10,423 --> 00:18:14,511 ‎神の恵みにより ‎法王も軍を派遣する 232 00:18:14,594 --> 00:18:15,595 ‎皇帝 万歳 233 00:18:15,679 --> 00:18:17,472 ‎皇帝 万歳! 234 00:18:17,722 --> 00:18:20,809 ‎ノタラスは帝都では ‎最も裕福で‎― 235 00:18:20,892 --> 00:18:24,271 ‎アナトリアやイタリアは ‎大切な資金源 236 00:18:24,354 --> 00:18:27,899 ‎この戦いで ‎誰より被害を被ります 237 00:18:27,983 --> 00:18:30,235 ‎これをトルコの友へ 238 00:18:37,117 --> 00:18:41,663 コンスタンティノープル 城壁外 約70キロ セリンブリア 239 00:19:09,107 --> 00:19:11,651 ‎おい そこの食わせ者 240 00:19:16,364 --> 00:19:17,991 ‎ハリル・パシャ 241 00:19:28,251 --> 00:19:32,756 ‎ハリルは大宰相であり ‎政権の長老でした 242 00:19:32,839 --> 00:19:35,133 あだ名は〝ギリシャ人〞 243 00:19:35,300 --> 00:19:39,387 メフメトの計画は 無益だとして― 244 00:19:39,471 --> 00:19:41,181 ‎反対していました 245 00:19:41,264 --> 00:19:45,060 ‎ギリシャ人から賄賂を ‎得ていたのでしょう 246 00:19:45,685 --> 00:19:48,104 ‎間に合って良かった 247 00:19:52,234 --> 00:19:56,655 ‎だが その顔からすると ‎良くない便りか 248 00:19:58,823 --> 00:20:00,408 ‎王は諦めない 249 00:20:05,247 --> 00:20:08,083 ‎戦争は誰も得をしない 250 00:20:08,708 --> 00:20:11,336 ‎あんたも利益を失う 251 00:20:12,712 --> 00:20:14,839 ‎平和なほうが稼げる 252 00:20:17,842 --> 00:20:20,011 ‎王は‎傲慢(ごうまん)‎で若い 253 00:20:20,095 --> 00:20:24,891 ‎アレクサンダーの東方遠征に ‎ならって西を征する気だ 254 00:20:29,354 --> 00:20:34,985 ‎ノタラスはバルカン半島で ‎一番の金持ちでした 255 00:20:35,068 --> 00:20:37,445 ‎二心を持っています 256 00:20:39,990 --> 00:20:43,702 ‎オルハンを解放する話が ‎出ている 257 00:20:46,830 --> 00:20:48,832 ‎武器を与えるらしい 258 00:20:48,915 --> 00:20:50,125 ‎酒瓶か? 259 00:20:57,007 --> 00:21:00,719 ‎こちらは和平を望むと伝えろ 260 00:21:00,802 --> 00:21:02,554 ‎皇帝を説得する 261 00:21:03,013 --> 00:21:06,308 ‎互いに妥協して戦は避けよう 262 00:21:11,146 --> 00:21:11,938 ‎だがな 263 00:21:13,481 --> 00:21:18,153 ‎そちらの王が ‎帝都に固執するのであれば 264 00:21:19,654 --> 00:21:22,407 ‎あんたも死ぬことになる 265 00:21:22,490 --> 00:21:25,493 ‎避けられたはずの戦争でな 266 00:21:30,290 --> 00:21:32,375 ‎事態が逆に転んだら 267 00:21:33,543 --> 00:21:36,629 ‎お前の斬首を見物しよう 268 00:21:37,589 --> 00:21:39,007 ‎長年の友よ 269 00:22:01,654 --> 00:22:03,573 ‎首を はねてやる 270 00:22:04,366 --> 00:22:05,950 ‎あの裏切り者め! 271 00:22:06,409 --> 00:22:08,286 ‎メフメト 辛抱を 272 00:22:08,370 --> 00:22:11,748 ‎この状況で ‎辛抱などできるものか 273 00:22:20,548 --> 00:22:23,051 ‎今はそばに置くのです 274 00:22:23,426 --> 00:22:24,761 王座を守るには 何が必要か? 275 00:22:24,761 --> 00:22:26,805 王座を守るには 何が必要か? グリニッジ大学 オスマン史助教授 マイケル・タルボット 276 00:22:26,805 --> 00:22:26,888 グリニッジ大学 オスマン史助教授 マイケル・タルボット 277 00:22:26,888 --> 00:22:29,474 グリニッジ大学 オスマン史助教授 マイケル・タルボット 新王には実績がない 278 00:22:29,557 --> 00:22:33,103 ‎就任した途端 廷臣を ‎クビや処刑にすれば 279 00:22:33,186 --> 00:22:34,896 ‎信頼を失います 280 00:22:34,979 --> 00:22:37,357 ‎だから これは戦略です 281 00:22:37,440 --> 00:22:40,777 ‎役に立つかぎりは ‎使い続ければいい 282 00:22:40,860 --> 00:22:42,946 ‎でなければ排除する 283 00:22:43,822 --> 00:22:46,574 ‎きっと彼の‎迂闊(うかつ)‎な部分は 284 00:22:47,367 --> 00:22:49,119 ‎利用できるわ 285 00:23:14,894 --> 00:23:16,438 ‎主人はどこだ 286 00:23:16,521 --> 00:23:17,981 ‎ハリル・パシャ! 287 00:23:21,317 --> 00:23:22,944 ‎ザガノス・パシャ 288 00:23:24,154 --> 00:23:25,822 ‎何のつもりだ 289 00:23:26,322 --> 00:23:29,200 ‎王が宮殿に参上せよと 290 00:23:30,994 --> 00:23:31,703 ‎今か? 291 00:23:31,786 --> 00:23:34,080 ‎今すぐだ ハリル・パシャ 292 00:23:42,046 --> 00:23:44,174 ‎服を着るまで待て 293 00:23:44,257 --> 00:23:45,258 ‎もちろん 294 00:24:09,616 --> 00:24:12,452 ‎ハリル・パシャを ‎お連れしました 295 00:24:14,913 --> 00:24:16,122 ‎我が王よ 296 00:24:20,460 --> 00:24:22,170 ‎お聞きください 297 00:24:39,395 --> 00:24:40,396 ‎これは? 298 00:24:42,607 --> 00:24:43,816 ‎それは… 299 00:24:49,197 --> 00:24:53,493 ‎夜中の召喚では ‎贈り物をする慣習です 300 00:24:55,870 --> 00:24:59,374 ‎金は要らぬ ‎それより耳を貸せ 301 00:24:59,666 --> 00:25:00,500 ‎立て 302 00:25:02,627 --> 00:25:03,461 ‎立て 303 00:25:09,384 --> 00:25:12,595 ‎先ほど夢を見たのだが… 304 00:25:16,015 --> 00:25:17,433 ‎父が現れた 305 00:25:18,977 --> 00:25:22,021 ‎オスマンの先祖たちもだ 306 00:25:24,274 --> 00:25:26,192 ‎彼らが示す先には 307 00:25:30,488 --> 00:25:32,991 ‎コンスタンティノープルが… 308 00:25:34,450 --> 00:25:37,537 ‎帝都の門が勢いよく開いた 309 00:25:38,246 --> 00:25:41,040 ‎私はアヤソフィアへ向かう 310 00:25:42,750 --> 00:25:43,876 ‎そこで‎― 311 00:25:45,211 --> 00:25:47,338 ‎“赤いリンゴ”を見た 312 00:25:48,715 --> 00:25:50,300 ‎私に与えられた 313 00:25:52,802 --> 00:25:54,804 ‎分かるだろう? 314 00:25:56,347 --> 00:25:57,390 ‎アラーが 315 00:25:58,474 --> 00:26:00,310 ‎私に見せたのだ 316 00:26:01,102 --> 00:26:02,020 ‎私に‎― 317 00:26:02,687 --> 00:26:05,481 ‎帝都を取れと命じている 318 00:26:06,524 --> 00:26:09,736 ‎神(アラー)‎の命令には逆らえない 319 00:26:12,697 --> 00:26:15,033 ‎“赤いリンゴ”は帝都です 320 00:26:15,116 --> 00:26:17,327 ‎予言では戦士が現れ 321 00:26:17,410 --> 00:26:22,957 ‎キリスト教徒から ‎正教会の中心を もぎ取る 322 00:26:23,041 --> 00:26:25,752 ‎そして ‎イスラム世界に持ち帰る 323 00:26:26,127 --> 00:26:29,422 ‎夢の中では ‎そなたが私のそばにいた 324 00:26:29,756 --> 00:26:32,925 ‎熱心な指導者で忠実な‎僕(しもべ) 325 00:26:33,051 --> 00:26:35,303 ‎我が軍の指揮官であり 326 00:26:35,386 --> 00:26:38,097 ‎我らの運命に注力する 327 00:26:40,933 --> 00:26:43,227 ‎仰せのとおりです 328 00:26:43,686 --> 00:26:46,272 ‎では助けてくれるな? 329 00:26:50,735 --> 00:26:52,236 ‎メフメトは‎― 330 00:26:52,362 --> 00:26:55,198 ‎とても賢く立ち回りました 331 00:26:55,573 --> 00:26:58,034 ‎相手を油断させておけば 332 00:26:58,576 --> 00:26:59,994 ‎利用できます 333 00:27:00,078 --> 00:27:03,706 ‎大宰相のハリル・パシャは‎― 334 00:27:03,790 --> 00:27:07,085 ‎2番目に権力がある ‎人物でした 335 00:27:07,168 --> 00:27:12,340 ‎東ローマの都を落とすには ‎彼の協力が必要です 336 00:27:14,175 --> 00:27:16,386 ‎やはり信頼できる 337 00:27:18,554 --> 00:27:19,597 ‎おやすみ 338 00:27:38,825 --> 00:27:42,120 ‎オスマンの兵士たちは ‎戦に備えます 339 00:27:43,413 --> 00:27:47,667 ‎軍は半年たたぬうちに ‎8万人規模に膨らみ 340 00:27:47,750 --> 00:27:49,877 ‎敵陣を目指しました 341 00:27:53,297 --> 00:27:55,633 ‎メフメト軍は難なく 342 00:27:55,717 --> 00:27:59,721 ‎城壁の外を守る ‎ローマ軍を駆逐 343 00:28:00,138 --> 00:28:02,682 ‎東ローマを孤立させます 344 00:28:03,057 --> 00:28:08,354 オスマン軍には更に 大きな戦力が加わります 345 00:28:19,699 --> 00:28:22,410 ‎うわさは聞いているぞ ‎ウルバン 346 00:28:22,493 --> 00:28:24,495 ‎“大きな銃”のことを 347 00:28:24,579 --> 00:28:29,959 ‎そうです “ただの銃”では ‎話になりません 348 00:28:35,423 --> 00:28:40,303 ‎テオドシウスの城壁を ‎崩すには大きな弾が必要です 349 00:28:41,262 --> 00:28:44,557 ‎私はあの壁の弱点を ‎知っています 350 00:28:45,475 --> 00:28:46,768 ‎父さん こっち 351 00:28:50,104 --> 00:28:51,063 ‎父さん! 352 00:28:52,940 --> 00:28:54,108 ‎お許しを 353 00:28:54,567 --> 00:28:55,401 ‎ご覧に? 354 00:29:11,000 --> 00:29:11,918 ‎これが‎― 355 00:29:12,710 --> 00:29:14,378 ‎最新の大砲です 356 00:29:14,962 --> 00:29:16,589 ‎長さは8メートル 357 00:29:16,839 --> 00:29:21,010 ‎過去最大の発明品で ‎名前はバシリカです 358 00:29:21,969 --> 00:29:23,221 ‎作れるのか? 359 00:29:23,304 --> 00:29:24,055 ‎はい 360 00:29:24,806 --> 00:29:25,932 ‎作れます 361 00:29:26,349 --> 00:29:30,019 ‎直径2.5メートルの砲弾を ‎飛ばせます 362 00:29:30,144 --> 00:29:33,648 ‎バビロンの城壁も突き抜ける 363 00:29:34,440 --> 00:29:38,152 ‎バビロンは ‎攻撃しないでしょうが… 364 00:29:38,945 --> 00:29:41,656 ‎ハンガリー人で ‎キリスト教徒? 365 00:29:41,739 --> 00:29:42,281 ‎はい 366 00:29:42,365 --> 00:29:44,951 ‎なぜ東ローマに売らない? 367 00:29:47,537 --> 00:29:50,081 ‎発明は高くつくのです 368 00:29:50,373 --> 00:29:52,375 ‎彼らは払えません 369 00:29:53,125 --> 00:29:56,504 ‎それに あの領土は ‎王様のものですから 370 00:29:58,381 --> 00:29:59,632 ‎この若者は? 371 00:29:59,715 --> 00:30:03,177 ‎ヤコブは私の息子で ‎弟子でもあり 372 00:30:03,344 --> 00:30:06,389 ‎この大砲を熟知しています 373 00:30:06,889 --> 00:30:10,476 ‎いずれ更に大きな大砲を ‎作るでしょう 374 00:30:13,229 --> 00:30:15,064 ‎それで値段は? 375 00:30:16,148 --> 00:30:17,608 ‎1万ドゥカート 376 00:30:19,610 --> 00:30:22,071 ‎君は大した度胸だな 377 00:30:22,905 --> 00:30:26,951 既に数十年は火器が 使われていましたが 378 00:30:27,493 --> 00:30:32,540 ‎このサイズの大砲は ‎当時の常識を超えています 379 00:30:33,416 --> 00:30:36,586 ‎なのでウルバンは諸国を巡り 380 00:30:36,669 --> 00:30:39,046 ‎この大砲を売り込みました 381 00:30:42,717 --> 00:30:47,096 ‎本当に この大砲で ‎あの壁を崩せるなら 382 00:30:47,680 --> 00:30:49,140 ‎4倍 払おう 383 00:30:50,516 --> 00:30:53,769 ‎ただし3ヵ月で完成させよ 384 00:31:06,324 --> 00:31:07,033 ‎引け 385 00:31:08,242 --> 00:31:09,243 ‎引っ張れ 386 00:31:11,662 --> 00:31:15,583 ‎こんな武器を作るなど ‎途方もない考えです 387 00:31:15,708 --> 00:31:19,921 ‎何しろ当時の火器は ‎暴発しやすかった 388 00:31:20,129 --> 00:31:23,049 ‎思えば巨大な鉄の筒に‎― 389 00:31:23,132 --> 00:31:27,511 ‎大量の火薬を詰めて ‎点火するのですから 390 00:31:27,595 --> 00:31:32,141 ‎敵どころか自分が ‎吹き飛ぶ恐れがあります 391 00:31:35,561 --> 00:31:37,813 ‎とてつもなくデカい‎― 392 00:31:37,897 --> 00:31:40,691 ‎当時は無かった大砲です 393 00:31:40,775 --> 00:31:44,737 ‎撃てば戦場の生き物は ‎皆 死ぬか… 394 00:31:44,820 --> 00:31:47,365 女性は急に産気づくか 395 00:31:47,448 --> 00:31:49,742 とにかく想像を絶する 396 00:31:49,825 --> 00:31:53,746 ‎弾も恐ろしく飛ぶ ‎驚異の武器です 397 00:31:53,871 --> 00:31:57,083 ‎メフメトの大砲は ‎革命的でした 398 00:32:01,671 --> 00:32:04,966 ‎ですが敵にも秘密兵器が… 399 00:32:06,050 --> 00:32:08,344 ‎ジェノバ人の‎傭兵(ようへい) 400 00:32:08,427 --> 00:32:10,972 ‎ジュスティニアーニ・ ‎ロンゴ卿です 401 00:32:25,236 --> 00:32:28,364 ‎彼は勇敢な荒くれ者 ‎という感じで 402 00:32:28,447 --> 00:32:33,369 都市国家を守るプロで 知られていました 403 00:32:35,121 --> 00:32:36,330 ‎海賊です 404 00:32:36,664 --> 00:32:41,210 ‎エジプトから来る船を襲い‎― 405 00:32:41,293 --> 00:32:45,589 ‎ジェノバ政府から ‎追われている身でした 406 00:32:46,007 --> 00:32:49,093 ‎裁判から逃げていたわけです 407 00:32:51,637 --> 00:32:55,141 ‎東ローマの皇帝に ‎援助を申し出ました 408 00:32:56,851 --> 00:33:01,605 ‎年代記によれば ‎見返りはリムノス島です 409 00:33:13,242 --> 00:33:14,618 ‎ロンゴ卿 410 00:33:15,786 --> 00:33:17,246 ‎歓迎する 411 00:33:25,796 --> 00:33:26,839 ‎ところでだ 412 00:33:30,176 --> 00:33:31,927 ‎我々の状況は‎― 413 00:33:32,762 --> 00:33:33,804 ‎調べたか 414 00:33:34,972 --> 00:33:36,974 ‎ええ もちろんです 415 00:33:38,642 --> 00:33:39,685 ‎どう思う 416 00:33:41,395 --> 00:33:43,272 ‎私が見たところ 417 00:33:43,355 --> 00:33:46,025 ‎王の兵は7000以下です 418 00:33:46,275 --> 00:33:49,862 ‎有利とは言えぬが ‎そなたの忠誠が… 419 00:33:49,945 --> 00:33:50,780 ‎忠誠? 420 00:33:51,113 --> 00:33:52,198 ‎そなたの… 421 00:33:53,991 --> 00:33:57,953 ‎援助‎があれば ‎オスマンを倒せる 422 00:34:03,084 --> 00:34:04,960 ‎隊長に任じよう 423 00:34:06,545 --> 00:34:09,924 ‎23キロにわたる城壁が ‎あるのですよ 424 00:34:11,175 --> 00:34:12,051 ‎そうだ 425 00:34:12,718 --> 00:34:13,969 ‎それでも‎― 426 00:34:14,053 --> 00:34:16,639 ‎連合国に使いを出した 427 00:34:17,139 --> 00:34:21,227 ‎法王の援軍も ‎程なく到着するはず 428 00:34:21,644 --> 00:34:23,270 ‎体勢は整う 429 00:34:27,608 --> 00:34:28,484 ‎失礼だが 430 00:34:30,569 --> 00:34:35,032 ‎戦場での希望的観測は ‎命取りです 431 00:34:38,536 --> 00:34:40,788 ‎私の信頼を得たいなら 432 00:34:40,996 --> 00:34:44,708 ‎報酬は別として ‎私を信頼してほしい 433 00:34:47,586 --> 00:34:48,546 ‎陛下 434 00:34:50,965 --> 00:34:52,216 ‎ロンゴ卿 435 00:34:58,764 --> 00:35:01,100 ‎そなたが頼りなのだ 436 00:35:06,897 --> 00:35:08,399 ‎ご心配なく 437 00:35:09,441 --> 00:35:12,069 ‎オスマンは長期戦に弱い 438 00:35:12,153 --> 00:35:15,656 ‎我々には ‎あの美しい城壁がある 439 00:35:32,882 --> 00:35:33,966 ‎大公様 440 00:35:34,049 --> 00:35:35,593 ‎ご心配のとおり 441 00:35:35,676 --> 00:35:38,429 ‎あのジェノバ人が隊長に 442 00:35:44,018 --> 00:35:50,357 コンスタンティノープル 包囲戦 3週間前 443 00:35:52,276 --> 00:35:54,737 ‎1453年3月 444 00:35:54,820 --> 00:36:00,618 ‎オスマン軍は約240キロの ‎遠征に繰り出しました 445 00:36:04,079 --> 00:36:08,500 ‎オスマン軍の規模は ‎拡大し続けました 446 00:36:09,627 --> 00:36:14,548 ‎その統率力は欧州の軍には ‎無かったものです 447 00:36:14,632 --> 00:36:18,302 十字軍はオスマンを 攻撃する際― 448 00:36:18,385 --> 00:36:21,263 ‎最高司令官に ‎耳を貸しませんでした 449 00:36:21,347 --> 00:36:26,268 ‎各隊は功勲を競って ‎勝手に動いていました 450 00:36:26,352 --> 00:36:32,858 ‎オスマンには中央軍があった ‎バルカン半島最強の軍団です 451 00:36:34,026 --> 00:36:37,988 ‎中でも恐れられたのは ‎常備歩兵軍団(イェニチェリ)‎です 452 00:36:39,323 --> 00:36:43,702 ‎キリスト教徒の子供を ‎奴隷にして改宗させ 453 00:36:43,786 --> 00:36:47,122 ‎鍛え上げた王の精鋭部隊です 454 00:36:47,206 --> 00:36:50,960 ‎1300年代 奴隷を常備軍にし 455 00:36:51,043 --> 00:36:55,297 ‎解散させずに ‎常に戦に備えていました 456 00:36:55,422 --> 00:36:59,176 ‎欧州に初めて出現した ‎常備軍で 457 00:36:59,593 --> 00:37:02,638 ‎オスマン帝国を ‎支えていました 458 00:37:05,266 --> 00:37:08,644 1453年4月2日 オスマン軍が城壁に 到着したのは 459 00:37:08,644 --> 00:37:08,727 1453年4月2日 460 00:37:08,727 --> 00:37:11,897 1453年4月2日 キリスト教最大の祭日 復活祭(イースター)です 461 00:37:11,897 --> 00:37:12,481 キリスト教最大の祭日 復活祭(イースター)です 462 00:37:47,391 --> 00:37:49,727 ‎城壁の外を見た人々は 463 00:37:50,185 --> 00:37:53,314 ‎さぞかし驚いたことでしょう 464 00:37:59,695 --> 00:38:03,782 ‎最後に大軍を見たのは ‎帝政ローマの頃ですから 465 00:38:03,866 --> 00:38:07,703 ‎オスマン軍は ‎脅威だったはずです 466 00:38:08,120 --> 00:38:12,041 ‎コンスタンティノスは ‎どう感じたでしょうね 467 00:38:13,417 --> 00:38:15,461 ‎戦は避けたかった 468 00:38:19,340 --> 00:38:22,217 ‎いずれは戦う運命ですよ 469 00:38:23,802 --> 00:38:28,307 ‎明日を生き延びることが ‎何より重要です 470 00:38:34,605 --> 00:38:36,899 ‎メフメトは戦場を歩いた 471 00:38:36,982 --> 00:38:39,818 ‎自分の父や先祖が23度 挑み 472 00:38:39,902 --> 00:38:43,572 ‎失敗した過去に ‎思いをはせました 473 00:38:44,114 --> 00:38:47,117 ‎彼の運命は見通せません 474 00:38:48,035 --> 00:38:51,121 ‎有名な預言がありまして 475 00:38:51,205 --> 00:38:55,125 ‎預言者ムハンマドの‎言行録(ハディース)‎に ‎こうあります 476 00:38:57,711 --> 00:39:02,341 ‎“コンスタンティノープルは ‎イスラム世界が制する” 477 00:39:05,135 --> 00:39:09,765 ‎“そこを治める指揮官は ‎偉大な者である” 478 00:39:12,935 --> 00:39:16,897 ‎“彼の軍もまた ‎すばらしき軍なり” 479 00:39:16,980 --> 00:39:21,026 ‎偉大な指揮官が ‎帝都を征するという‎― 480 00:39:21,110 --> 00:39:25,989 ‎この預言が彼の心に ‎より一層 響き始めます 481 00:39:32,079 --> 00:39:34,623 ‎御父(みちち)‎と‎御子(みこ)‎と聖霊よ 482 00:39:37,709 --> 00:39:40,421 ‎そんな祈りじゃ足りん 483 00:39:50,514 --> 00:39:51,223 ‎失礼 484 00:39:55,936 --> 00:39:58,772 ‎ゲオルギウスのご令嬢 485 00:39:59,440 --> 00:40:00,941 ‎名前はサーマ 486 00:40:01,733 --> 00:40:03,318 ‎それで結構よ 487 00:40:07,781 --> 00:40:11,118 ‎こんな大軍を見るのは初めて 488 00:40:12,578 --> 00:40:15,831 ‎見た目で圧倒したいようだが 489 00:40:16,957 --> 00:40:20,169 ‎この壁を壊さねば勝てない 490 00:40:22,254 --> 00:40:24,089 ‎大勢が死ぬわ 491 00:40:24,423 --> 00:40:26,758 ‎私は死ぬ気はない 492 00:40:32,347 --> 00:40:34,808 1453年4月6日 493 00:40:34,808 --> 00:40:38,479 1453年4月6日 4月6日 メフメトは 敵に休戦条件を伝えます 494 00:40:38,479 --> 00:40:40,063 4月6日 メフメトは 敵に休戦条件を伝えます 495 00:40:40,564 --> 00:40:44,067 ‎包囲戦のルールは ‎文化で異なります 496 00:40:44,151 --> 00:40:50,115 ‎イスラムでは戦のルールが ‎コーランに示されています 497 00:40:50,199 --> 00:40:53,577 ‎追い詰められた敵に対して‎― 498 00:40:53,660 --> 00:40:57,122 ‎考えを改める機会を ‎与えます 499 00:40:57,206 --> 00:41:00,083 ‎協定を考える時間を与え 500 00:41:00,167 --> 00:41:04,922 ‎自らを救済させれば ‎血を流さずに済みます 501 00:41:05,005 --> 00:41:06,965 ‎“オスマン帝国の” 502 00:41:07,049 --> 00:41:11,970 ‎“慈悲深きメフメト王は ‎市民の命は奪わぬ” 503 00:41:12,471 --> 00:41:14,890 ‎“家族にも危害を加えず” 504 00:41:15,015 --> 00:41:17,809 ‎“財産にも手は出さぬ” 505 00:41:18,227 --> 00:41:21,688 ‎“条件は全面降伏すること” 506 00:41:22,231 --> 00:41:27,194 ‎“コンスタンティノープルの ‎人々は財産を守れる” 507 00:41:27,277 --> 00:41:29,112 ‎“略奪はない” 508 00:41:29,863 --> 00:41:34,493 ‎“代わりに王は ‎帝都への門を全て開き‎―‎” 509 00:41:34,826 --> 00:41:37,996 ‎“王の手に‎接吻(せっぷん)‎をせよ” 510 00:41:39,456 --> 00:41:43,460 ‎“メフメト王が ‎唯一の統治者なり” 511 00:41:53,637 --> 00:41:57,724 ‎皇帝は死ぬほど ‎都を愛しているかな? 512 00:42:00,394 --> 00:42:02,145 ‎拒絶されました 513 00:42:05,649 --> 00:42:07,192 ‎大砲の用意を 514 00:42:15,534 --> 00:42:16,994 ‎始めるぞ 515 00:42:42,603 --> 00:42:44,229 ‎大砲の準備を 516 00:42:44,479 --> 00:42:45,772 ‎大砲 準備! 517 00:42:48,859 --> 00:42:50,110 ‎構え! 518 00:42:56,408 --> 00:42:57,451 ‎撃て! 519 00:43:56,093 --> 00:43:58,553 ‎日本語字幕 藤原 千春