1 00:00:17,060 --> 00:00:19,645 ‎この赤いリンゴは尊い 2 00:00:20,980 --> 00:00:22,190 1443年 3 00:00:22,273 --> 00:00:23,775 最も甘く― コンスタンティノープル 包囲戦 10年前 4 00:00:23,775 --> 00:00:24,400 コンスタンティノープル 包囲戦 10年前 5 00:00:24,400 --> 00:00:25,985 コンスタンティノープル 包囲戦 10年前 かぐわしい 6 00:00:25,985 --> 00:00:26,778 コンスタンティノープル 包囲戦 10年前 7 00:00:27,445 --> 00:00:30,615 世界の中心で 脈打つ心臓で― 8 00:00:31,115 --> 00:00:32,617 約束の地だ 9 00:00:34,327 --> 00:00:38,247 ‎コンスタンティノープルの ‎主が世界を制す 10 00:00:39,373 --> 00:00:41,167 ‎あの壁を見たか 11 00:00:42,919 --> 00:00:46,214 ‎都を狙う軍をことごとく阻む 12 00:00:47,882 --> 00:00:49,425 ‎私も阻まれた 13 00:00:51,052 --> 00:00:52,553 ‎破壊したら? 14 00:00:52,637 --> 00:00:55,556 ‎どんな武器も歯が立たぬ 15 00:00:55,848 --> 00:01:00,144 ‎アラーにしか崩せぬと ‎言う者もいる 16 00:01:02,313 --> 00:01:02,939 ‎父上 17 00:01:05,608 --> 00:01:08,194 ‎私があの壁を崩します 18 00:01:10,029 --> 00:01:11,614 ‎王になったら 19 00:01:12,865 --> 00:01:14,992 ‎私が都の主になる 20 00:01:26,712 --> 00:01:27,421 ‎NETFLIX オリジナルシリーズ 21 00:01:27,421 --> 00:01:29,924 ‎NETFLIX オリジナルシリーズ ‎全ての帝国は一様に 22 00:01:30,007 --> 00:01:34,137 ‎血と剣と富 征服によって ‎誕生します 23 00:01:34,220 --> 00:01:38,558 ‎1453年 東ローマ帝国の ‎コンスタンティノス11世と 24 00:01:38,641 --> 00:01:40,977 ‎オスマン帝国の ‎メフメト2世が 25 00:01:41,060 --> 00:01:44,272 ‎コンスタンティノープルで ‎激突しました 26 00:01:44,814 --> 00:01:49,569 ‎そこは過去23度の ‎攻防に耐えた伝説の都です 27 00:01:49,694 --> 00:01:53,030 ‎ところが ある名君の勝利で 28 00:01:53,364 --> 00:01:57,910 ‎その後300年の歴史は ‎大きく変わります 29 00:01:58,119 --> 00:02:02,498 ‎ある帝国が台頭すれば ‎片方は滅びる定めなのです 30 00:02:14,051 --> 00:02:16,846 ‎昼も夜も撃ち続けろ 31 00:02:16,929 --> 00:02:19,432 ‎ヤツらが命乞いするまで 32 00:02:20,558 --> 00:02:22,727 ‎1453年4月 33 00:02:22,810 --> 00:02:27,356 ‎メフメトは城壁に向けて ‎砲撃を開始します 34 00:02:29,442 --> 00:02:32,195 ‎誰も経験のない規模でした 35 00:02:33,487 --> 00:02:38,117 ‎69~70もの大砲が ‎1ヵ所に集まるのは 36 00:02:38,201 --> 00:02:40,494 ‎初めてのことでした 37 00:02:42,163 --> 00:02:42,830 18~19世紀では ありえないほど 38 00:02:42,830 --> 00:02:44,123 18~19世紀では ありえないほど イスタンブル 29マイス大学 歴史学准教授 39 00:02:44,123 --> 00:02:44,207 18~19世紀では ありえないほど 40 00:02:44,207 --> 00:02:45,666 18~19世紀では ありえないほど エムラ・サファ・グルカン 41 00:02:45,750 --> 00:02:47,251 ‎巨大な大砲です 42 00:02:58,638 --> 00:02:59,722 ‎神よ… 43 00:03:00,640 --> 00:03:04,268 ‎これでは日暮れまでもたない 44 00:03:04,852 --> 00:03:06,771 ‎信じよう ルカス 45 00:03:07,521 --> 00:03:11,651 ‎聖霊が共にあるかぎり ‎我々は安全だ 46 00:03:15,738 --> 00:03:19,325 ‎コンスタンティノス皇帝は ‎壁の内側から 47 00:03:19,408 --> 00:03:21,702 ‎8万の軍勢と対峙します 48 00:03:21,869 --> 00:03:25,206 ‎オスマン軍を阻止する大役は 49 00:03:25,289 --> 00:03:30,127 ‎ジェノバ人の‎傭兵(ようへい)‎ロンゴ卿が ‎担っていました 50 00:03:32,296 --> 00:03:37,051 ‎23キロにも及ぶ ‎城壁を守らねばなりません 51 00:03:37,176 --> 00:03:41,347 ‎テオドシウス2世が ‎5世紀に築いたもので 52 00:03:41,430 --> 00:03:44,433 ‎比類なき強度を ‎誇っていました 53 00:03:44,517 --> 00:03:46,769 およそ1100年間 この壁は難攻不落で 54 00:03:46,769 --> 00:03:49,355 およそ1100年間 この壁は難攻不落で 「1453年」著者 ロジャー・クローリー 55 00:03:49,355 --> 00:03:49,438 「1453年」著者 ロジャー・クローリー 56 00:03:49,438 --> 00:03:50,815 「1453年」著者 ロジャー・クローリー 軍事的技術の結晶でした 57 00:03:50,815 --> 00:03:52,566 軍事的技術の結晶でした 58 00:03:53,317 --> 00:03:56,988 ‎5重の壁があって ‎まず外堀があり 59 00:03:57,113 --> 00:04:01,784 ‎次の内側で兵士たちが ‎出くわすのは戦場です 60 00:04:01,867 --> 00:04:04,870 ‎その内側に塔を持つ ‎外壁がある 61 00:04:04,954 --> 00:04:08,416 ‎更に戦場があって ‎次が内壁です 62 00:04:08,499 --> 00:04:11,919 ‎全体の奥行きは約60メートル 63 00:04:12,003 --> 00:04:16,090 ‎外堀の底から壁までの ‎高さは30メートル 64 00:04:16,173 --> 00:04:17,675 ‎越えられません 65 00:04:18,259 --> 00:04:20,219 ‎メフメトは考えます 66 00:04:20,303 --> 00:04:25,516 ‎“なるほど 誰も越えられぬ ‎大きな壁があるわけか” 67 00:04:26,934 --> 00:04:29,603 ‎“ならば砲兵部隊が要る” 68 00:04:29,729 --> 00:04:30,146 イスタンブル工科大学 セラル・センゴル教授 69 00:04:30,146 --> 00:04:33,190 イスタンブル工科大学 セラル・センゴル教授 〝壁を壊せる 大砲が欲しい〞 70 00:04:33,733 --> 00:04:36,319 ‎そして正面から攻撃した 71 00:04:37,945 --> 00:04:39,697 ‎“これは挑戦だ” 72 00:04:40,239 --> 00:04:42,325 ‎彼はそう考える 73 00:04:42,783 --> 00:04:44,535 ‎そういう男です 74 00:04:47,246 --> 00:04:50,666 ‎中世版の“衝撃と畏怖”です 75 00:04:52,585 --> 00:04:57,381 ‎城壁を大砲の嵐で ‎吹き飛ばしてみせました 76 00:04:58,257 --> 00:05:00,801 ‎この砲撃計画の要は‎― 77 00:05:00,885 --> 00:05:04,930 ‎8メートル強の大砲 ‎“バシリカ”です 78 00:05:05,056 --> 00:05:09,018 ‎とてつもなく ‎デカい大砲を作った 79 00:05:09,685 --> 00:05:13,647 ‎何百頭もの牛で ‎引いたそうです 80 00:05:13,856 --> 00:05:17,276 ‎精製加工の技術が ‎優れています 81 00:05:17,360 --> 00:05:20,112 ‎銅筒は約20センチ厚で 82 00:05:20,196 --> 00:05:22,823 ‎弾は0.5トンもあります 83 00:05:23,407 --> 00:05:28,496 ‎モスクの鐘を幾つも溶かして ‎作ったのです 84 00:05:28,996 --> 00:05:33,209 ‎巨大な大砲の愛称は ‎“クマ”で‎― 85 00:05:33,292 --> 00:05:36,128 ‎小型の大砲は“子グマ”です 86 00:05:38,130 --> 00:05:39,048 ‎丁寧に! 87 00:05:39,131 --> 00:05:41,467 ‎バシリカを扱うのは 88 00:05:41,550 --> 00:05:45,137 ‎ハンガリー人で ‎大砲職人のウルバンです 89 00:05:45,221 --> 00:05:46,097 ‎父さん 90 00:05:46,764 --> 00:05:47,515 ‎何だ 91 00:05:47,598 --> 00:05:49,266 ‎ヒビが広がってる 92 00:05:50,810 --> 00:05:55,314 ‎大量の火薬を使うので ‎撃てるのは3時間に1度 93 00:05:56,482 --> 00:05:57,650 自分が 吹き飛びかねません 94 00:05:57,650 --> 00:05:58,692 自分が 吹き飛びかねません ビザンツ帝国関連本著者 95 00:05:58,692 --> 00:05:59,276 自分が 吹き飛びかねません 96 00:05:59,902 --> 00:06:00,736 頻繁に撃てば ヒビが広がって― 97 00:06:00,736 --> 00:06:02,238 頻繁に撃てば ヒビが広がって― ラース・ブラウンワース 98 00:06:02,238 --> 00:06:03,656 頻繁に撃てば ヒビが広がって― 99 00:06:03,739 --> 00:06:05,116 ‎爆発します 100 00:06:05,491 --> 00:06:08,160 ‎発明の初歩段階でした 101 00:06:09,495 --> 00:06:12,289 ‎次を撃ったら休ませる 102 00:06:14,083 --> 00:06:15,501 ‎準備できました 103 00:06:16,043 --> 00:06:17,128 ‎持ってこい 104 00:06:24,218 --> 00:06:27,012 ‎昼夜を問わず砲撃を続け‎― 105 00:06:29,807 --> 00:06:32,309 ‎帝都を混乱に陥れます 106 00:06:35,813 --> 00:06:40,276 ‎ジュスティニアーニは ‎初めての危機に直面します 107 00:06:41,193 --> 00:06:44,447 ‎それがオスマンの砲撃でした 108 00:06:47,658 --> 00:06:52,705 ‎彼は兵士たちに命じて ‎瓦礫(がれき)‎を積ませました 109 00:06:54,081 --> 00:06:59,003 ‎壁を作り直すのですが ‎元の壁より強くなりました 110 00:06:59,086 --> 00:07:03,549 ‎瓦礫のほうが ‎弾の威力を吸収するからです 111 00:07:05,676 --> 00:07:10,431 ‎崩しにくいため ‎より威力が必要になります 112 00:07:13,809 --> 00:07:14,143 包囲戦 6日目 113 00:07:14,143 --> 00:07:16,520 包囲戦 6日目 砲撃開始から6日 114 00:07:16,520 --> 00:07:16,604 包囲戦 6日目 115 00:07:16,604 --> 00:07:19,273 包囲戦 6日目 城壁は損傷を 受けたものの崩れません 116 00:07:19,273 --> 00:07:21,317 城壁は損傷を 受けたものの崩れません 117 00:07:23,194 --> 00:07:27,490 ‎壁の内側にいる兵士らは ‎犠牲になりました 118 00:07:27,573 --> 00:07:32,953 ‎オスマンが防御に回るよう ‎作戦を練る必要があります 119 00:07:37,458 --> 00:07:41,670 ‎ジュスティニアーニ率いる ‎イタリアの傭兵らは 120 00:07:41,754 --> 00:07:46,258 ‎反撃するために ‎壁の外へ向かいました 121 00:07:46,800 --> 00:07:50,095 ‎何度か外に出て ‎攻撃を仕掛けます 122 00:07:51,013 --> 00:07:53,057 ‎不意を突けますし 123 00:07:53,140 --> 00:07:57,394 ‎相手に防御の態勢を ‎取らせることもできます 124 00:08:01,524 --> 00:08:02,816 ‎覚悟はいいか 125 00:08:04,318 --> 00:08:05,152 ‎神のため 126 00:08:06,237 --> 00:08:07,196 ‎富のため 127 00:08:08,280 --> 00:08:11,575 ‎家で帰りを待つ女のために! 128 00:08:19,458 --> 00:08:23,879 ‎ジュスティニアーニは ‎防衛のエキスパートです 129 00:08:23,963 --> 00:08:27,758 ‎決定すべきは外壁を守るか… 130 00:08:28,175 --> 00:08:30,261 ‎内壁を守るべきか 131 00:08:31,095 --> 00:08:34,431 ‎彼は外壁を ‎守ることにしました 132 00:08:34,932 --> 00:08:38,769 ‎ジェノバの男が持つ ‎剣の腕を見せてやれ 133 00:08:41,647 --> 00:08:44,024 ‎まさに自殺行為です 134 00:08:44,483 --> 00:08:47,570 ‎砲撃を食らう場所ですからね 135 00:08:51,740 --> 00:08:53,659 ‎イタリア人の戦では 136 00:08:53,742 --> 00:08:53,951 鋼鉄の鎧(よろい)で身を固めた 兵士らを準備 137 00:08:53,951 --> 00:08:55,536 鋼鉄の鎧(よろい)で身を固めた 兵士らを準備 マサチューセッツ大学 古典学名誉教授 138 00:08:55,536 --> 00:08:55,619 鋼鉄の鎧(よろい)で身を固めた 兵士らを準備 139 00:08:55,619 --> 00:08:56,829 鋼鉄の鎧(よろい)で身を固めた 兵士らを準備 マリオス・ フィリッペデス 140 00:08:56,912 --> 00:09:00,416 ‎クロスボウを持たせて ‎周りを固めます 141 00:09:01,208 --> 00:09:02,835 ‎彼らは つまり 142 00:09:02,918 --> 00:09:07,047 ‎第二次大戦で言う ‎戦車の役目を果たし‎ます 143 00:09:07,131 --> 00:09:11,260 ‎その背後に歩兵が回って ‎身を守ります 144 00:09:17,516 --> 00:09:18,475 ‎待て 145 00:09:20,185 --> 00:09:21,270 ‎待て 146 00:09:21,604 --> 00:09:22,646 ‎撃て! 147 00:09:45,711 --> 00:09:47,921 ‎ジュスティニアーニは 148 00:09:48,005 --> 00:09:52,092 ‎2000人の軍団を ‎引き連れていました 149 00:09:52,176 --> 00:09:54,178 ‎皆 プロの戦士で‎― 150 00:09:55,554 --> 00:09:56,889 ‎経験がある 151 00:10:01,977 --> 00:10:05,481 ‎彼らは‎傭兵隊長(コンドッティエーレ)‎に従います 152 00:10:17,993 --> 00:10:23,082 ‎残忍で効果的な ‎ジュスティニアーニの攻撃に 153 00:10:23,248 --> 00:10:25,834 ‎オスマンは不意を突かれます 154 00:10:27,920 --> 00:10:31,590 ‎戦場には‎屍(しかばね)‎が散らばりました 155 00:11:11,755 --> 00:11:14,842 ‎勇敢なジェノバ人に ‎血で償わせよう 156 00:11:28,147 --> 00:11:29,898 ‎なぜ遅れてる? 157 00:11:29,982 --> 00:11:31,775 ‎クマはどうした 158 00:11:31,900 --> 00:11:32,901 ‎お待ちを 159 00:11:32,985 --> 00:11:34,945 ‎オモチャは要らぬ 160 00:11:36,572 --> 00:11:39,408 ‎壁を崩せると言ったな? 161 00:11:40,826 --> 00:11:42,369 ‎筒にヒビが… 162 00:11:42,745 --> 00:11:44,788 ‎銅が思ったより弱い 163 00:11:44,872 --> 00:11:46,790 ‎あと数日あれば… 164 00:11:46,874 --> 00:11:48,876 ‎今すぐ砲撃を始めろ 165 00:11:51,420 --> 00:11:53,464 ‎最善は尽くしています 166 00:11:54,089 --> 00:11:57,092 ‎運が良ければ ‎明日の朝には撃てる 167 00:11:57,176 --> 00:12:01,847 ‎ウルバン 運が良ければ ‎今すぐでも撃てる 168 00:12:02,347 --> 00:12:03,015 ‎ヒビが 169 00:12:03,098 --> 00:12:03,891 ‎今だ 170 00:12:11,523 --> 00:12:14,151 ‎待つ時間はありません 171 00:12:15,068 --> 00:12:19,656 日を追うごとに 東西からの攻撃が強まり 172 00:12:19,740 --> 00:12:22,451 身動きが 取れなくなります 173 00:12:22,659 --> 00:12:26,455 そこに 法王の援軍が来れば 174 00:12:26,538 --> 00:12:28,290 ‎窮地に立たされます 175 00:12:28,499 --> 00:12:29,792 ‎装填(そうてん)‎完了 176 00:12:32,377 --> 00:12:35,881 ‎私を見捨てるなよ バシリカ 177 00:12:39,134 --> 00:12:40,511 ‎準備はいいか? 178 00:12:42,846 --> 00:12:43,472 ‎はい 179 00:12:47,351 --> 00:12:49,812 ‎お下がりを 危険です 180 00:12:49,895 --> 00:12:52,064 ‎信じろ ウルバン 181 00:12:52,856 --> 00:12:53,649 ‎撃て 182 00:13:06,203 --> 00:13:07,496 ‎マズい! 183 00:13:40,153 --> 00:13:41,405 ‎メフメト 184 00:13:50,706 --> 00:13:51,957 ‎メフメト 185 00:14:03,051 --> 00:14:04,052 ‎メフメト 186 00:14:04,970 --> 00:14:06,471 ‎ここに座って 187 00:14:09,099 --> 00:14:09,975 ‎おいで 188 00:14:23,280 --> 00:14:24,656 ‎何? ママ 189 00:14:27,075 --> 00:14:29,244 ‎父上が首都にお呼びです 190 00:14:29,912 --> 00:14:31,455 ‎長くなるの? 191 00:14:34,374 --> 00:14:35,208 ‎そうよ 192 00:14:43,133 --> 00:14:44,635 ‎鳥さんは? 193 00:14:44,718 --> 00:14:46,637 ‎連れていきなさい 194 00:14:46,803 --> 00:14:49,056 ‎母上も一緒に来る? 195 00:14:54,227 --> 00:14:55,938 ‎すぐに会えます 196 00:14:58,899 --> 00:15:00,442 ‎行きたくない 197 00:15:14,122 --> 00:15:17,250 ‎これからは ‎泣いてはダメですよ 198 00:15:18,961 --> 00:15:20,754 ‎王は泣きません 199 00:15:22,172 --> 00:15:24,049 ‎さあ 行きなさい 200 00:15:24,132 --> 00:15:25,133 ‎でも 母上 201 00:15:25,217 --> 00:15:25,926 ‎行って 202 00:16:00,210 --> 00:16:03,380 ‎母親は恐らく ‎東ローマ人ですが 203 00:16:04,131 --> 00:16:08,135 ‎出自は謎で ‎メフメトも明かしていません 204 00:16:10,679 --> 00:16:14,141 ‎彼は実母を“‎夫人(ハトゥン)‎”と ‎呼んでいました 205 00:16:17,769 --> 00:16:20,689 ‎彼女が何者かは ‎分かっていません 206 00:16:28,196 --> 00:16:33,660 オスマン帝国の首都 アドリアノープル 207 00:16:34,953 --> 00:16:38,999 ‎メフメトは独りで ‎首都にやってきました 208 00:16:39,082 --> 00:16:41,668 ‎身内は父のムラト王だけです 209 00:16:54,347 --> 00:16:58,435 ‎マラ・ブランコヴィチは ‎セルビアの姫で 210 00:16:58,560 --> 00:17:03,648 ‎ムラト王の3番目の妻ですが ‎子はありませんでした 211 00:17:22,375 --> 00:17:26,588 ‎この孤独な皇子に ‎親近感を抱きます 212 00:17:28,090 --> 00:17:30,550 ‎メフメトは父と不仲で 213 00:17:32,385 --> 00:17:34,805 ‎マラが守っていました 214 00:17:41,728 --> 00:17:43,480 ‎母と呼んでいました 215 00:18:30,527 --> 00:18:34,281 ‎ずいぶん大きくなったのだな 216 00:18:42,414 --> 00:18:43,957 ‎私を覚えてるか? 217 00:18:49,963 --> 00:18:51,464 ‎王に答えよ 218 00:18:54,759 --> 00:18:57,596 ‎お前の兄 アリ皇子は… 219 00:18:58,763 --> 00:18:59,806 ‎死んだ 220 00:19:03,351 --> 00:19:05,061 ‎意味が分かるか? 221 00:19:11,735 --> 00:19:12,736 ‎息子よ 222 00:19:13,904 --> 00:19:14,988 ‎私を見ろ 223 00:19:19,701 --> 00:19:23,997 ‎メフメトは冷ややかな環境で ‎育ちました 224 00:19:25,582 --> 00:19:26,708 ‎近くに寄れ 225 00:19:28,126 --> 00:19:29,211 ‎手に‎接吻(せっぷん)‎を 226 00:19:30,587 --> 00:19:33,965 ‎生き残れるかは不透明です 227 00:19:35,258 --> 00:19:38,637 ‎12歳上の長男アフメトは ‎既に死亡 228 00:19:38,720 --> 00:19:41,598 ‎アリも謎の死を遂げたので 229 00:19:41,681 --> 00:19:45,143 世継ぎは彼だけでした 230 00:19:47,145 --> 00:19:49,648 ‎アマセイヤ県の知事になれ 231 00:19:50,148 --> 00:19:54,527 ‎そこで王になるための ‎教育を受けるのだ 232 00:19:54,611 --> 00:19:58,073 ‎もう子供ではありませんよ 233 00:19:58,615 --> 00:20:01,618 ‎チャンダルルが目付け役だ 234 00:20:07,082 --> 00:20:11,127 ‎12歳になる頃には ‎5ヵ国語を操りました 235 00:20:11,211 --> 00:20:13,838 ‎アレクサンダー大王に ‎倣(なら)‎って‎― 236 00:20:13,922 --> 00:20:18,677 ‎コンスタンティノープルを ‎落とすと豪語していました 237 00:20:18,802 --> 00:20:24,266 ‎若い頃から野心家で ‎父の大宰相と衝突します 238 00:20:24,349 --> 00:20:28,979 ‎頑固だったので ‎たたいて従わせていました 239 00:20:29,562 --> 00:20:32,274 ‎まだだ もっと打て 240 00:20:33,483 --> 00:20:35,944 ‎謙虚さを学ばせる 241 00:20:37,487 --> 00:20:39,030 ‎皇子のためだ 242 00:20:41,825 --> 00:20:43,660 ‎何してるのですか 243 00:20:45,287 --> 00:20:46,913 ‎好きにさせろ 244 00:20:50,417 --> 00:20:51,584 ‎私は皇子だ 245 00:20:58,800 --> 00:21:00,427 ‎傷は消えるが 246 00:21:02,512 --> 00:21:04,806 ‎忘れてはならぬ 247 00:21:08,476 --> 00:21:09,644 ‎そうだよ 248 00:21:10,437 --> 00:21:12,355 ‎絶対に忘れない 249 00:21:19,487 --> 00:21:21,072 ‎忘れてはならぬ 250 00:21:21,656 --> 00:21:25,452 1444年 アドリアノープル 251 00:21:25,535 --> 00:21:29,080 皇子が13歳になる前に ムラト王は退位を決意し コンスタンティノープル 包囲戦の9年前 252 00:21:29,080 --> 00:21:31,041 皇子が13歳になる前に ムラト王は退位を決意し 253 00:21:31,207 --> 00:21:34,002 ‎メフメトに王位を譲ります 254 00:21:37,172 --> 00:21:41,634 ‎オスマン帝国史上 ‎最年少の王が誕生しました 255 00:21:44,888 --> 00:21:47,349 ‎イスラム教徒の‎長(おさ)‎であり 256 00:21:48,183 --> 00:21:50,101 ‎オスマンの皇帝です 257 00:21:52,270 --> 00:21:52,604 つまり彼は― 258 00:21:52,604 --> 00:21:54,147 つまり彼は― ストックトン大学 史学教授 トム・パパディメトリュ 259 00:21:54,147 --> 00:21:55,065 ストックトン大学 史学教授 トム・パパディメトリュ 260 00:21:55,065 --> 00:21:56,358 ストックトン大学 史学教授 トム・パパディメトリュ オスマン軍を掌握する 立場になったのです 261 00:21:56,358 --> 00:21:59,611 オスマン軍を掌握する 立場になったのです 262 00:22:02,947 --> 00:22:06,034 ‎これはかなり問題があります 263 00:22:06,117 --> 00:22:08,703 ‎なぜなら当時の大宰相‎― 264 00:22:08,787 --> 00:22:12,665 ‎チャンダルル・ハリルは ‎心配していました 265 00:22:13,083 --> 00:22:17,670 ‎王が少年では国を失う恐れが ‎あるからです 266 00:22:33,269 --> 00:22:34,229 ‎パシャ 267 00:22:34,979 --> 00:22:37,690 ‎仕事を放って どこにいた? 268 00:22:39,859 --> 00:22:41,528 ‎仕事とは? 269 00:22:42,153 --> 00:22:43,655 ‎最高会議だ 270 00:22:46,449 --> 00:22:49,577 ‎父上は国の土台を築いた 271 00:22:50,286 --> 00:22:53,581 ‎私はその次の段階に進みたい 272 00:23:06,261 --> 00:23:08,930 ‎コンスタンティノープルを ‎取る 273 00:23:15,353 --> 00:23:16,604 ‎聞いてるか? 274 00:23:17,647 --> 00:23:20,567 ‎アレキサンダーは ‎20歳で征服した 275 00:23:21,443 --> 00:23:23,111 ‎私も征服する 276 00:23:23,403 --> 00:23:26,823 ‎ローマ人は問題では ‎ありません 277 00:23:27,699 --> 00:23:30,577 ‎東側のほうが深刻です 278 00:23:31,119 --> 00:23:36,124 ‎西ではハンガリーの ‎フニャディが国境で抵抗を 279 00:23:36,875 --> 00:23:39,461 ‎十字軍が来るかもしれない 280 00:23:39,669 --> 00:23:41,379 ‎あなたを試しに 281 00:23:45,925 --> 00:23:47,802 ‎蹴散らしてやる 282 00:23:48,219 --> 00:23:51,723 ‎常備軍(イェニチェリ)‎への褒美が ‎まだなのですよ 283 00:23:52,140 --> 00:23:54,267 ‎戦なら更に必要です 284 00:23:55,185 --> 00:23:57,645 ‎金なら敵の都にある 285 00:23:58,605 --> 00:24:01,900 ‎がめつい連中には ‎それを与えればいい 286 00:24:11,534 --> 00:24:15,705 ‎お父上と相談してから ‎決めましょう 287 00:24:16,206 --> 00:24:17,540 ‎準備を始めよ 288 00:24:19,125 --> 00:24:21,503 ‎反対なら役職を解く 289 00:24:34,516 --> 00:24:36,643 南西アナトリア地方 290 00:24:36,643 --> 00:24:39,646 南西アナトリア地方 ハンガリーが 軍を増強する中で 291 00:24:40,563 --> 00:24:42,815 ‎常備軍(イェニチェリ)‎は王に怒りを 292 00:24:44,025 --> 00:24:45,944 ‎今度は何が原因だ 293 00:24:48,238 --> 00:24:50,365 ‎王を信じていません 294 00:24:50,907 --> 00:24:53,618 ‎正直 申し上げますと… 295 00:24:55,078 --> 00:24:56,829 ‎王は衝動的です 296 00:24:57,288 --> 00:25:00,959 ‎どの王も玉座に就けば‎― 297 00:25:01,292 --> 00:25:02,794 ‎王らしくなる 298 00:25:04,629 --> 00:25:08,049 ‎メフメトは若い 時間が要る 299 00:25:08,800 --> 00:25:11,719 ‎そのとおりだからこそ ‎我ら高官が 300 00:25:12,053 --> 00:25:14,514 ‎解決策を模索しています 301 00:25:15,139 --> 00:25:18,434 ‎息子がこれでは気が休まらぬ 302 00:25:18,768 --> 00:25:20,770 ‎王は頑固です 303 00:25:21,688 --> 00:25:25,233 ‎でもアラーの導きで ‎回避します 彼の… 304 00:25:25,316 --> 00:25:26,985 ‎無謀な計画を 305 00:25:28,152 --> 00:25:29,028 ‎計画? 306 00:25:32,115 --> 00:25:34,409 ‎コンスタンティノープルです 307 00:25:40,456 --> 00:25:42,458 ‎今夜は‎宴(うたげ)‎を催す 308 00:25:42,542 --> 00:25:43,418 ‎陛下 309 00:25:45,003 --> 00:25:46,462 ‎ご来客です 310 00:26:04,772 --> 00:26:05,648 ‎父上? 311 00:26:09,235 --> 00:26:10,612 ‎なぜ急に? 312 00:26:15,742 --> 00:26:17,702 ‎お前にはムリだ 313 00:26:19,996 --> 00:26:21,497 ‎何がですか? 314 00:26:23,666 --> 00:26:24,459 ‎来い 315 00:26:39,682 --> 00:26:41,059 ‎来たのは‎― 316 00:26:42,060 --> 00:26:43,728 ‎王に戻るためだ 317 00:26:46,939 --> 00:26:47,774 ‎イヤだ 318 00:26:47,857 --> 00:26:49,817 ‎もっと大人になるまで 319 00:26:49,942 --> 00:26:51,611 ‎賢く治めただろ? 320 00:26:51,694 --> 00:26:52,612 ‎パシャ! 321 00:26:54,238 --> 00:26:58,868 ‎十字軍が迫っているし ‎お前は戦ったことがない 322 00:26:58,951 --> 00:27:02,705 ‎ハンガリー人との戦は ‎任せられぬ 323 00:27:04,791 --> 00:27:05,583 ‎ひどいよ 324 00:27:05,667 --> 00:27:08,586 ‎経験を積めば王位は譲る 325 00:27:12,632 --> 00:27:13,800 ‎裏切り者め 326 00:27:13,883 --> 00:27:15,885 ‎首をはねてやる 327 00:27:15,968 --> 00:27:17,220 ‎黙れ! 328 00:27:20,264 --> 00:27:23,726 ‎高官に何という口を利くのだ 329 00:27:24,894 --> 00:27:26,187 ‎謝罪せよ! 330 00:27:36,030 --> 00:27:38,282 ‎我慢にも限界がある 331 00:27:40,118 --> 00:27:41,536 ‎謝りなさい 332 00:27:46,499 --> 00:27:47,500 ‎パシャ… 333 00:27:48,918 --> 00:27:50,962 ‎私の態度を お‎詫(わ)‎びする 334 00:27:51,045 --> 00:27:52,338 ‎下がれ 335 00:27:53,131 --> 00:27:55,383 ‎想像してみてください 336 00:27:55,466 --> 00:27:57,218 玉座に就いて 337 00:27:57,301 --> 00:27:58,052 帝国の統治者だと 言われたのにですよ 338 00:27:58,052 --> 00:28:01,347 帝国の統治者だと 言われたのにですよ グリニッジ大学 オスマン史助教授 マイケル・タルボット 339 00:28:01,347 --> 00:28:01,431 グリニッジ大学 オスマン史助教授 マイケル・タルボット 340 00:28:01,431 --> 00:28:03,891 グリニッジ大学 オスマン史助教授 マイケル・タルボット ほんのわずかで 権力を奪われたのです 341 00:28:03,891 --> 00:28:05,727 ほんのわずかで 権力を奪われたのです 342 00:28:07,437 --> 00:28:11,399 ‎しかも父と仲の良い ‎大物の高官‎― 343 00:28:11,983 --> 00:28:15,403 ‎チャンダルル・ハリルに ‎奪われた 344 00:28:16,779 --> 00:28:18,990 ‎恨みは深いはずです 345 00:28:45,433 --> 00:28:47,351 ‎また王になれるわ 346 00:28:49,812 --> 00:28:51,147 ‎裏切られた 347 00:28:54,317 --> 00:28:55,359 ‎全員に… 348 00:28:58,070 --> 00:28:59,781 ‎教訓になさい 349 00:29:00,406 --> 00:29:04,285 ‎必ずあなたが王になると ‎保証するわ 350 00:29:05,453 --> 00:29:06,704 ‎陛下(スルタン)‎! 351 00:29:07,997 --> 00:29:09,248 ‎陛下(スルタン)‎! 352 00:29:10,583 --> 00:29:12,168 ‎メフメト! 353 00:29:13,628 --> 00:29:15,254 ‎目を開けて! 354 00:29:17,131 --> 00:29:18,174 ‎起きて! 355 00:30:02,176 --> 00:30:05,388 ‎メフメトの父が ‎征服に挑んだ時は 356 00:30:05,471 --> 00:30:08,599 ‎3ヵ月もかけて失敗しました 357 00:30:08,683 --> 00:30:12,728 ‎日を追うごとに ‎メフメトの勝機も‎― 358 00:30:12,854 --> 00:30:15,064 ‎遠のいてゆきます 359 00:30:21,863 --> 00:30:27,034 ‎帝都ではジェノバ軍が ‎壁の再建を続けながら 360 00:30:27,118 --> 00:30:29,245 ‎負傷者を手当てします 361 00:30:45,469 --> 00:30:46,512 ‎持って 362 00:30:46,929 --> 00:30:48,139 ‎レディ・サーマ? 363 00:30:51,017 --> 00:30:52,476 ‎ロンゴ卿 364 00:30:54,353 --> 00:30:57,523 ‎貴婦人と会うとは ‎思わなかった 365 00:30:57,607 --> 00:31:00,401 ‎市民としての役目があるわ 366 00:31:00,568 --> 00:31:03,571 ‎命懸けで私たちを ‎守ってくれた 367 00:31:06,324 --> 00:31:10,202 ‎一番 傷ついた者を ‎癒やしてくれますか? 368 00:31:12,872 --> 00:31:14,665 ‎休んだほうがいいわ 369 00:31:15,374 --> 00:31:16,417 ‎おやすみ 370 00:31:19,921 --> 00:31:21,213 ‎この戦では‎― 371 00:31:21,297 --> 00:31:25,384 ‎包囲された側の状況は ‎最悪だったでしょう 372 00:31:25,760 --> 00:31:28,971 ‎でもオスマンも ‎窮地にいました 373 00:31:29,096 --> 00:31:32,058 メフメトは必死でした 374 00:31:32,224 --> 00:31:33,976 王になったばかりで 375 00:31:34,060 --> 00:31:37,605 誰もメフメトを 心から認めていない 376 00:31:37,688 --> 00:31:40,274 ‎結果を急いでいたので 377 00:31:40,358 --> 00:31:45,154 ‎守る側と同じぐらい ‎勝つことに必死でした 378 00:31:48,991 --> 00:31:49,909 ‎パシャ 379 00:31:50,326 --> 00:31:52,870 ‎もう2週間 たつのだ 380 00:31:53,287 --> 00:31:56,916 ‎砲撃で壁は瓦礫と化したが 381 00:31:56,999 --> 00:32:00,044 ‎突破できねば意味はない 382 00:32:00,127 --> 00:32:01,921 ‎今 動くべきだ 383 00:32:02,046 --> 00:32:03,798 ‎まだ早すぎます 384 00:32:03,923 --> 00:32:07,385 ‎まず敵の守りを崩すべきです 385 00:32:07,468 --> 00:32:09,762 ‎今しばし ご辛抱を 386 00:32:11,722 --> 00:32:14,350 ‎勝てる保証はありません 387 00:32:14,433 --> 00:32:18,354 ‎オスマン軍は ‎持久戦が不得手です 388 00:32:18,437 --> 00:32:22,650 ‎さっさと敵を倒して ‎先に進みたい 389 00:32:24,860 --> 00:32:25,736 ‎ザガノス 390 00:32:25,820 --> 00:32:27,488 ‎兵は戦えます 391 00:32:27,863 --> 00:32:29,657 ‎あとはご命令を 392 00:32:33,786 --> 00:32:35,997 ‎今夜は休めと言え 393 00:32:36,080 --> 00:32:37,790 ‎戦いに備える 394 00:32:38,290 --> 00:32:40,584 ‎明日 都を落とすぞ 395 00:32:47,717 --> 00:32:50,302 ‎彼はこの戦に懸けていました 396 00:32:56,809 --> 00:32:57,476 包囲戦 13日目 397 00:32:57,476 --> 00:33:00,938 包囲戦 13日目 包囲の開始から 13日目の朝が来ました 398 00:33:00,938 --> 00:33:01,355 包囲の開始から 13日目の朝が来ました 399 00:33:05,693 --> 00:33:08,946 ‎東ローマ軍の守りを調査して 400 00:33:09,030 --> 00:33:12,658 ‎歩兵隊の展開を決定しました 401 00:33:13,701 --> 00:33:16,620 ‎夜陰に乗じて攻撃します 402 00:33:17,580 --> 00:33:19,415 ‎自分を貫く男です 403 00:33:19,498 --> 00:33:23,002 実際に自分の命と 引き換えに 404 00:33:23,502 --> 00:33:25,921 帝都を取ると 言っています 405 00:33:26,005 --> 00:33:31,218 ‎彼について1つ明らかなのは ‎頑固だということ 406 00:33:31,844 --> 00:33:33,471 ‎執念を燃やす 407 00:33:33,554 --> 00:33:35,389 ‎芯の強い男です 408 00:33:44,023 --> 00:33:44,940 ‎今夜‎― 409 00:33:46,901 --> 00:33:48,944 ‎赤いリンゴを落とす 410 00:33:50,362 --> 00:33:52,364 ‎我らはガジなり 411 00:33:52,823 --> 00:33:55,826 ‎オスマンの血を引く ‎聖なる戦士 412 00:33:57,036 --> 00:34:00,539 ‎この壁の前で ‎大勢の先祖が死んだ 413 00:34:01,665 --> 00:34:07,588 ‎だが我らは 心を一つにして ‎先祖の‎復讐(ふくしゅう)‎を果たす 414 00:34:08,380 --> 00:34:11,634 ‎彼は演説に‎長(た)‎けていました 415 00:34:12,301 --> 00:34:16,889 ‎指揮官として1番に ‎兵士を理解したうえで 416 00:34:17,389 --> 00:34:19,350 ‎次に敵を理解しました 417 00:34:20,726 --> 00:34:22,812 ‎それを踏まえて動く 418 00:34:22,895 --> 00:34:26,732 たとえ兵士たちの心が 揺らいでも 419 00:34:27,108 --> 00:34:30,402 うまく考えて 鼓舞できるのです 420 00:34:32,488 --> 00:34:36,617 ‎異教徒とローマ人の時代は ‎もう終わった 421 00:34:36,700 --> 00:34:38,452 ‎新たな時代が 422 00:34:38,619 --> 00:34:40,704 ‎今夜 幕を開ける 423 00:34:41,330 --> 00:34:42,665 ‎神は偉大なり(アラーフ・アクバル) 424 00:34:42,748 --> 00:34:44,583 ‎神は偉大なり(アラーフ・アクバル) 425 00:35:17,867 --> 00:35:21,787 ‎降伏しましょう ‎彼は情けを見せます 426 00:35:22,621 --> 00:35:25,166 ‎ローマ最後の皇帝になれと? 427 00:35:25,249 --> 00:35:27,710 ‎死んでは元も子もない 428 00:35:27,835 --> 00:35:31,297 ‎本物の軍を連れて ‎都を取り戻しに来ます 429 00:35:31,380 --> 00:35:33,674 ‎イタリアの傭兵でなく 430 00:35:34,800 --> 00:35:36,427 ‎貴族らとお待ちを 431 00:35:44,268 --> 00:35:47,396 ‎聖母マリアのご加護を祈ろう 432 00:36:05,915 --> 00:36:09,210 オスマンは さまざまな 戦術を使いますが 433 00:36:09,293 --> 00:36:11,712 心理戦もその1つです 434 00:36:11,795 --> 00:36:16,675 ‎包囲戦を展開する時は ‎“威嚇”を利用します 435 00:36:26,227 --> 00:36:32,149 ‎前線で火を‎灯(とも)‎すのですが ‎敵からは火の環が見えます 436 00:36:32,441 --> 00:36:35,569 ‎それから軍楽隊もいます 437 00:36:37,571 --> 00:36:39,448 ‎いわば音の壁です 438 00:36:39,531 --> 00:36:42,034 ‎とてつもない音の壁を作る 439 00:36:50,209 --> 00:36:52,962 ‎オスマン軍の規模は10倍 440 00:36:53,045 --> 00:36:56,882 ‎ジェノバ軍は戦略で ‎対抗せねばなりません 441 00:36:57,216 --> 00:37:02,846 ‎ジュスティニアーニは ‎都市の防衛に長けています 442 00:37:03,305 --> 00:37:07,893 ‎専門家でもあり ‎非常に勇敢で不屈でした 443 00:37:07,977 --> 00:37:13,065 ‎彼は防衛軍に大きな自信を ‎もたらしました 444 00:37:14,984 --> 00:37:16,735 ‎外堀で迎え撃つ 445 00:37:17,361 --> 00:37:18,654 ‎これが前線だ 446 00:37:18,737 --> 00:37:21,573 ‎包囲戦を成功させるには 447 00:37:21,657 --> 00:37:25,411 ‎堀を越えねばなりませんが ‎とても深い 448 00:37:25,828 --> 00:37:29,623 ‎堀を埋めるのは ‎かなりの労力です 449 00:37:30,749 --> 00:37:33,043 ‎壁の前で阻止せよ 450 00:37:33,585 --> 00:37:35,504 ‎さもなくば負ける 451 00:37:35,963 --> 00:37:36,880 ‎今夜‎― 452 00:37:37,506 --> 00:37:39,925 ‎命を賭して戦おう 453 00:37:53,063 --> 00:37:57,568 ‎彼は防衛軍にとって ‎象徴的な存在でした 454 00:37:57,651 --> 00:38:00,029 ‎兵士たちをまとめる 455 00:38:01,739 --> 00:38:06,243 ‎コンスタンティノスは ‎彼に要所を任せました 456 00:38:06,327 --> 00:38:10,122 ‎彼が真正面の守りを ‎指揮したのです 457 00:38:18,047 --> 00:38:18,922 ‎放て! 458 00:38:24,970 --> 00:38:26,221 ‎守れ! 459 00:38:35,189 --> 00:38:39,902 ‎オスマンの攻撃を率いるのは ‎イェニチェリです 460 00:38:40,319 --> 00:38:44,490 ‎当時のバルカン半島では ‎最も優れた軍団です 461 00:38:45,616 --> 00:38:48,577 ‎武器も防具も十分ですが 462 00:38:48,660 --> 00:38:50,454 ‎趣向が違います 463 00:38:51,914 --> 00:38:53,332 ‎攻撃! 464 00:38:55,751 --> 00:38:58,754 ‎イェニチェリは ‎鎖かたびらだけで 465 00:38:58,837 --> 00:39:01,340 ‎身軽に正確に倒します 466 00:39:02,049 --> 00:39:06,637 ‎イタリア人は厚い鎧で ‎大きな剣を振り回します 467 00:39:30,202 --> 00:39:32,996 ‎イェニチェリは ‎槍(やり)‎と弓矢の軍団 468 00:39:33,080 --> 00:39:35,624 ‎包囲戦では切られます 469 00:39:37,584 --> 00:39:40,754 ‎思いどおりには戦えません 470 00:39:49,012 --> 00:39:54,726 ‎死と破壊の中で何百もの ‎オスマン兵が殺されました 471 00:39:57,479 --> 00:40:00,899 ‎ジュスティニアーニは ‎敵を撃退しました 472 00:40:02,401 --> 00:40:06,029 ‎史料によれば ‎ジェノバの死者はゼロです 473 00:40:35,058 --> 00:40:37,394 ‎ジュスティニアーニたちは 474 00:40:37,478 --> 00:40:40,522 ‎再度オスマンを ‎返り討ちにします 475 00:40:41,607 --> 00:40:44,193 ‎メフメトには壊滅的な敗北 476 00:40:45,152 --> 00:40:50,324 ‎日を追うごとに ‎メフメトの勝算は薄れます 477 00:40:51,074 --> 00:40:55,871 ‎彼が短期決戦を選んだ理由は ‎3つあります 478 00:40:56,038 --> 00:41:02,044 ‎1つは何千もの兵士を ‎失う前に都を落としたいから 479 00:41:02,669 --> 00:41:08,550 ‎2つ目は味方の中に ‎ハリル率いる反対派がいて‎― 480 00:41:09,009 --> 00:41:11,136 ‎戦に消極的だから 481 00:41:11,595 --> 00:41:14,306 ‎3つ目は戦が長引けば 482 00:41:14,389 --> 00:41:18,560 ‎敵に西側から援軍が ‎来てしまうからです 483 00:41:27,069 --> 00:41:30,697 ‎城壁は また1日 耐えました 484 00:41:31,782 --> 00:41:37,204 ‎ジュスティニアーニは自分が ‎帝都の守りに欠かせぬ男だと 485 00:41:37,287 --> 00:41:39,998 ‎証明してみせました 486 00:41:58,475 --> 00:41:59,309 ‎陛下 487 00:41:59,935 --> 00:42:02,062 ‎エーゲ諸島から知らせが 488 00:42:03,897 --> 00:42:04,731 ‎読め 489 00:42:11,029 --> 00:42:13,907 ‎ジェノバの艦隊が ‎コンスタンティノープルへ 490 00:42:13,991 --> 00:42:17,452 ‎兵と兵糧を乗せて ‎向かっています 491 00:42:28,547 --> 00:42:29,548 ‎下がれ 492 00:43:44,748 --> 00:43:47,209 ‎日本語字幕 藤原 千春