1 00:00:08,675 --> 00:00:15,015 {\an8}かつて恐竜は— 案内人 デイヴィッド・ アッテンボロ— 1億5000万年以上 地球を支配していました 2 00:00:15,599 --> 00:00:19,102 生息域は 地球の隅々まで広がり 3 00:00:19,228 --> 00:00:23,440 あらゆる形や大きさの 恐竜がいました 4 00:00:24,274 --> 00:00:27,402 中には想像を超えるものも 5 00:00:30,739 --> 00:00:34,910 実はT・レックスは 優れた泳ぎ手でした 6 00:00:36,703 --> 00:00:40,374 ヴェロキラプトルは 羽毛を持つ狩りの巧者 7 00:00:41,917 --> 00:00:46,296 恐竜たちの奇妙な行動も 分かってきました 8 00:00:48,715 --> 00:00:52,469 しかし 日々 新たな発見がなされ 9 00:00:52,594 --> 00:00:58,141 6600万年前の生き物について 私たちに教えてくれます 10 00:01:02,729 --> 00:01:08,235 今期は太古の地球に生息した 新たな生き物をご紹介 11 00:01:09,278 --> 00:01:13,740 さらには生き物たちの 交尾の相手を探す旅や-- 12 00:01:15,659 --> 00:01:18,203 子育てで直面する困難 13 00:01:19,371 --> 00:01:21,832 戦いの数々をお見せします 14 00:01:29,423 --> 00:01:34,261 さあ 自然が大いなるショーを 繰り広げていた時代へ 15 00:01:37,389 --> 00:01:41,727 再び 太古の地球へ ご案内しましょう 16 00:01:45,480 --> 00:01:50,819 {\an8}太古の地球から ~よみがえる 恐竜たち~ 2 17 00:01:54,656 --> 00:01:59,870 不毛地帯の恐竜たち 18 00:01:59,995 --> 00:02:04,416 ここは1億年にわたり 溶岩が流出し 19 00:02:04,541 --> 00:02:07,127 広範囲にした土地 20 00:02:09,713 --> 00:02:12,633 インドのデカン高原です 21 00:02:14,092 --> 00:02:15,594 この過酷な地に-- 22 00:02:16,678 --> 00:02:20,349 恐竜がいるとは 到底 思えません 23 00:02:22,476 --> 00:02:26,897 しかし命懸けの旅をする 恐竜がいます 24 00:02:35,572 --> 00:02:37,241 イシサウルス 25 00:02:40,577 --> 00:02:42,955 全てがメスです 26 00:02:55,551 --> 00:02:59,388 溶岩の流出は長期にわたり 27 00:02:59,513 --> 00:03:02,558 厚みが1.6キロの所もあります 28 00:03:17,155 --> 00:03:21,869 毎年 春になると メスは安全な森を離れ 29 00:03:22,286 --> 00:03:26,456 こうした不毛地帯へ 危険な旅に出ます 30 00:03:44,933 --> 00:03:49,521 溶岩が冷え固まった 安全なルートを選びます 31 00:03:52,691 --> 00:03:55,736 しかし危険は他にもあります 32 00:04:02,075 --> 00:04:06,413 火道から蒸気と共に 33 00:04:06,538 --> 00:04:11,168 二酸化炭素と硫化水素の 有毒ガスが噴出しています 34 00:04:14,379 --> 00:04:18,509 夜明け前 気温が下がると この重いガスは 35 00:04:18,634 --> 00:04:23,138 地表にたまり 有毒ガスの層を作ります 36 00:04:25,182 --> 00:04:28,018 吸い込めば命取りです 37 00:04:32,231 --> 00:04:36,068 しかしイシサウルスには 強みがあります 38 00:04:38,111 --> 00:04:43,909 長い首のおかげで 有毒ガス層の上に頭を出せます 39 00:04:55,504 --> 00:04:59,883 しかし先に進むと それも難しくなります 40 00:05:07,933 --> 00:05:13,647 低地に入ると有毒ガス層の 厚みが増すためです 41 00:05:16,692 --> 00:05:21,572 メスたちは既に 体に異変を来しています 42 00:05:26,159 --> 00:05:29,913 さらに太陽が昇り 気温が上がると 43 00:05:30,038 --> 00:05:32,791 対流でガス層が上昇 44 00:05:37,838 --> 00:05:41,175 もはや長い首も役立ちません 45 00:05:46,430 --> 00:05:50,517 急いで高台に 逃れねばなりません 46 00:05:57,441 --> 00:06:01,653 清浄な空気を求めて 急斜面を登ります 47 00:06:16,126 --> 00:06:18,128 これで ひと安心 48 00:06:19,505 --> 00:06:22,591 前方に目的地が見えます 49 00:06:26,595 --> 00:06:29,473 空に向かって そびえ立つ火山 50 00:06:31,266 --> 00:06:34,937 この一帯で ひときわ高い場所です 51 00:06:50,369 --> 00:06:56,625 この巨大なカルデラは 安全なコロニーとなります 52 00:06:57,835 --> 00:07:03,382 有毒ガスに囲まれた山は 捕食者を寄せつけません 53 00:07:06,468 --> 00:07:12,307 地熱を利用することで ふ卵にも最適な環境です 54 00:07:27,614 --> 00:07:32,327 温かな砂地に 長さ約2メートルの溝を掘り 55 00:07:32,619 --> 00:07:36,832 メロン大の卵を 20個ほど産みます 56 00:07:44,423 --> 00:07:47,634 卵はカルデラに守られます 57 00:07:47,759 --> 00:07:51,221 でも これは 始まりに過ぎません 58 00:07:53,682 --> 00:07:57,269 数か月後 何百匹もが ふ化し 59 00:07:57,394 --> 00:08:00,147 過酷な世界と直面します 60 00:08:02,232 --> 00:08:08,280 生き残るには最適の時を 待つ必要があるでしょう 61 00:08:22,044 --> 00:08:28,800 太古の地球の不毛地帯では 恐竜でさえ試練を強いられます 62 00:08:35,557 --> 00:08:41,813 風化と浸食で形成された この見慣れない景色の中に 63 00:08:41,980 --> 00:08:44,525 生き物の気配は皆無に見えます 64 00:08:52,658 --> 00:08:57,204 しかしアジアでは こうした峡谷に-- 65 00:09:00,374 --> 00:09:05,629 ヴェロキラプトルの 子育て家族が潜んでいます 66 00:09:14,346 --> 00:09:17,391 子供は生後わずか数週間 67 00:09:43,750 --> 00:09:50,382 こんな不毛の地では 先行きが不安に思えてきます 68 00:09:52,342 --> 00:09:58,765 一家の命運は遠く離れた地での ある出来事に懸かっています 69 00:10:03,979 --> 00:10:06,064 の砂漠の先に 70 00:10:06,190 --> 00:10:10,068 砂の海に閉ざされた 森があります 71 00:10:11,862 --> 00:10:16,658 季節が変わると ここに貴重な水が現れます 72 00:10:19,203 --> 00:10:25,250 巨大なポプラの木々に 栄養価の高い葉が茂ると-- 73 00:10:28,462 --> 00:10:31,924 空腹な動物が集まってきます 74 00:10:38,472 --> 00:10:44,561 首の長いネメグトサウルスに ティタノサウルス 75 00:10:55,155 --> 00:10:58,367 小さな プレノケファレもいます 76 00:11:05,874 --> 00:11:08,335 しかし難関があります 77 00:11:13,882 --> 00:11:16,426 広大な台地帯です 78 00:11:21,890 --> 00:11:27,396 この迷路のような峡谷を 抜けるしかありません 79 00:11:37,197 --> 00:11:41,201 峡谷に入ると 群れに緊張が走ります 80 00:11:45,956 --> 00:11:49,751 待ち伏せには格好の場所です 81 00:11:59,261 --> 00:12:02,181 ヴェロキラプトルが 待ち構えます 82 00:12:10,147 --> 00:12:13,442 しかし大物は倒せません 83 00:12:15,694 --> 00:12:20,782 潜んでいる他のハンターに 勝負を託します 84 00:13:04,326 --> 00:13:06,245 タルボサウルスです 85 00:13:11,875 --> 00:13:16,547 アジアのT・レックスの 異名を取ります 86 00:13:23,262 --> 00:13:27,224 捕食者の接近に パニックが広がります 87 00:13:47,202 --> 00:13:51,582 プレノケファレだけが 高台に逃げられます 88 00:13:57,337 --> 00:14:01,258 ヴェロキラプトルの 狙いどおりです 89 00:14:10,142 --> 00:14:14,354 これで ようやく 奇襲をかけられます 90 00:14:23,113 --> 00:14:24,531 成功です 91 00:14:27,576 --> 00:14:32,456 チームワークで 家族の食料を確保しました 92 00:14:38,837 --> 00:14:42,049 タルボサウルスも狩りに成功 93 00:14:44,301 --> 00:14:48,222 この時期 捕食者は 食料が豊富です 94 00:14:52,559 --> 00:14:57,981 ヴェロキラプトルにとっては 絶好の繁殖期です 95 00:15:13,580 --> 00:15:18,710 親が賢くて面倒見がいいと 子育ても順調です 96 00:15:20,212 --> 00:15:27,010 このアジアの不毛地帯には とりわけ子煩悩な恐竜がいます 97 00:15:28,762 --> 00:15:32,558 ここはコリトラプトルの コロニー 98 00:15:40,232 --> 00:15:46,071 数日前 円形の盛り土に メスが産卵したばかりです 99 00:15:50,659 --> 00:15:54,746 しかし抱卵はオスの務めです 100 00:15:57,165 --> 00:15:59,543 楽な仕事ではありません 101 00:16:13,640 --> 00:16:19,271 真昼の直射日光で 卵は すぐに煮えてしまいます 102 00:16:25,861 --> 00:16:29,990 しかし父親は幅広の尾と 前腕の羽で 103 00:16:30,157 --> 00:16:32,409 巣に日陰を作ります 104 00:16:36,121 --> 00:16:38,081 それは代償を伴います 105 00:16:40,792 --> 00:16:45,547 焼けつく暑さに何時間も 耐えねばなりません 106 00:17:21,083 --> 00:17:27,256 日が暮れて涼しくなると ようやくエサ探しの時間です 107 00:17:30,259 --> 00:17:34,429 コロニーを作る利点が 生かされる時です 108 00:17:37,391 --> 00:17:42,479 全員で一斉に巣を離れずに 交代で外出します 109 00:17:45,482 --> 00:17:49,862 常に見張り番を置いて 警戒できます 110 00:17:52,447 --> 00:17:57,536 しかし“自警団”を作っても 安全は保証されません 111 00:18:12,551 --> 00:18:17,723 ヴェロキラプトルの仲間 クル・クラのメスです 112 00:18:18,765 --> 00:18:20,851 極度の空腹ですが 113 00:18:20,976 --> 00:18:25,397 コリトラプトルの くちばしと爪を警戒しています 114 00:18:31,236 --> 00:18:34,656 しかし彼女には強みがあります 115 00:18:37,326 --> 00:18:42,372 夜間の視力が 巣の持ち主より優れています 116 00:18:50,797 --> 00:18:55,761 音を立てなければ コロニーに忍び込めます 117 00:18:58,805 --> 00:19:01,266 慎重に狙いを定めます 118 00:19:17,282 --> 00:19:19,576 チャンス到来です 119 00:19:26,375 --> 00:19:28,460 しかし攻撃はしません 120 00:19:29,962 --> 00:19:34,049 この捕食者の 別の顔はコソ泥です 121 00:20:05,497 --> 00:20:09,835 できるだけ多くの卵を 急いで食べます 122 00:20:18,886 --> 00:20:21,555 時間切れ! 見つかりました 123 00:20:23,682 --> 00:20:26,185 最後に1つ 持ち去ります 124 00:20:50,167 --> 00:20:55,047 ここなら盗んだ卵を 安心して味わえます 125 00:20:59,885 --> 00:21:03,555 しかし食べずに分け与えます 126 00:21:04,973 --> 00:21:10,312 ゴロゴロと のどを鳴らして 子供を呼びます 127 00:21:27,412 --> 00:21:31,416 巣立ちしたばかりの ひよっこです 128 00:21:39,424 --> 00:21:44,137 この見知らぬ物体が 食べ物だと学習します 129 00:21:45,764 --> 00:21:48,684 そして割り方を身につけます 130 00:21:55,107 --> 00:21:57,192 くちばしを使う? 131 00:21:59,319 --> 00:22:01,697 それとも かぎ爪? 132 00:22:21,508 --> 00:22:22,843 成功です 133 00:22:24,553 --> 00:22:27,347 運が味方したようです 134 00:22:29,266 --> 00:22:35,355 次世代の“卵泥棒”には それでも貴重なレッスンです 135 00:22:44,698 --> 00:22:49,578 不毛地帯では 涼しい夜が来たと思うと 136 00:22:49,703 --> 00:22:53,957 すぐに強烈な日差しが 戻ってきます 137 00:22:57,669 --> 00:23:00,506 砂地の表面温度は 138 00:23:00,631 --> 00:23:05,135 70度を超えることもあります 139 00:23:07,846 --> 00:23:12,726 ここでは水は数秒で 浸み込むか蒸発します 140 00:23:14,811 --> 00:23:19,149 地上でも指折りの 乾燥した土地です 141 00:23:30,702 --> 00:23:34,498 動物は水なしでは 生きられません 142 00:23:37,042 --> 00:23:40,838 でも ここには タルキアがいます 143 00:23:50,180 --> 00:23:53,767 砂漠にむ アンキロサウルスの一種です 144 00:23:59,648 --> 00:24:03,735 分厚いと こん棒状の太い尾を持ちます 145 00:24:07,614 --> 00:24:12,536 黒っぽい皮膚は 太陽光線から目を守ります 146 00:24:22,713 --> 00:24:28,677 これはタルキア独特の “空調システム”の音です 147 00:24:30,512 --> 00:24:34,600 吐き出す空気を 大きな鼻で冷やし 148 00:24:34,725 --> 00:24:39,688 呼気中の貴重な水分を 凝縮して回収します 149 00:24:43,901 --> 00:24:48,363 そのため長時間 水を飲まなくても 150 00:24:48,488 --> 00:24:50,699 エサを探せます 151 00:24:54,453 --> 00:24:58,290 ここでは高温によって 強い風が生じ 152 00:24:58,415 --> 00:25:02,211 岩が独特の形に削られます 153 00:25:05,881 --> 00:25:08,842 しかし表土も はぎ取られます 154 00:25:12,387 --> 00:25:17,226 それでも岩の間に 根を張る植物があります 155 00:25:24,107 --> 00:25:27,653 わずかな食料を奪い合います 156 00:25:43,544 --> 00:25:47,256 太陽は刻々と高く昇り 157 00:25:48,632 --> 00:25:51,385 すぐに日陰は消えます 158 00:25:54,054 --> 00:25:59,768 たとえ砂漠の達人でも 時には飲み水が必要です 159 00:26:05,858 --> 00:26:11,071 遊牧民のように 頭の中に砂漠の地図があり 160 00:26:11,196 --> 00:26:16,159 何の目印もない地形を 正確に移動できます 161 00:26:22,541 --> 00:26:27,337 貴重な泉の場所を 記憶しているのです 162 00:26:31,675 --> 00:26:34,845 こうした砂漠のオアシスです 163 00:26:39,224 --> 00:26:42,728 見つけた動物には命の水です 164 00:26:49,401 --> 00:26:50,944 プレノケファレです 165 00:27:16,970 --> 00:27:21,016 オアシスでは 緊張が高まりがちです 166 00:27:24,228 --> 00:27:28,941 しかし力の誇示で 実戦は避けられます 167 00:27:38,367 --> 00:27:42,871 プレノケファレは 相手にもなりません 168 00:27:47,709 --> 00:27:51,421 しかし成体のタルキアは 別格です 169 00:27:57,386 --> 00:28:01,515 しかも相手の体重は 2倍近くあります 170 00:28:13,735 --> 00:28:18,156 重さ20キロ以上の “こん棒”を振り回します 171 00:28:27,624 --> 00:28:32,296 戦いになれば 若造に勝ち目はありません 172 00:28:46,643 --> 00:28:50,397 しかし援軍が やってきました 173 00:28:56,945 --> 00:28:59,698 2頭で団結します 174 00:29:03,202 --> 00:29:07,748 今度は こん棒の数で 成体が不利です 175 00:29:21,178 --> 00:29:27,226 分け合うだけの水があると 成体は判断しました 176 00:29:46,745 --> 00:29:50,707 若いタルキアが 水にありつきます 177 00:29:55,712 --> 00:29:59,758 しかし安息の時は 長くは続きません 178 00:30:04,680 --> 00:30:09,810 不毛地帯の環境は 急速に変化します 179 00:30:16,441 --> 00:30:18,151 夏の気温上昇は 180 00:30:18,318 --> 00:30:22,698 激しい雷雨を 大規模に発生させます 181 00:30:26,660 --> 00:30:32,374 デカン高原では こうした嵐で 風向きが変わります 182 00:30:33,458 --> 00:30:39,590 数か月前 イシサウルスが 産卵したカルデラ周辺では 183 00:30:39,756 --> 00:30:46,638 一帯の有毒ガスが吹き飛ばされ 絶好の機会が訪れます 184 00:30:57,399 --> 00:31:02,154 砂の下から 奇妙な声が聞こえてきます 185 00:31:03,071 --> 00:31:07,618 卵の中から赤ちゃんが 声をかけ合っています 186 00:31:09,411 --> 00:31:12,289 そして一斉に ふ化します 187 00:31:50,994 --> 00:31:55,749 全長は30センチ以下 比較的小さめです 188 00:32:01,046 --> 00:32:05,968 食べ物は母親の残した フンしかありません 189 00:32:08,470 --> 00:32:11,932 意外にもフンは栄養豊富で 190 00:32:12,182 --> 00:32:15,853 他の面でも 赤ちゃんには重要です 191 00:32:20,482 --> 00:32:24,236 腸内に善玉菌を 供給するのです 192 00:32:24,361 --> 00:32:27,155 また含有のフェロモンは 193 00:32:27,281 --> 00:32:31,577 母親の群れを捜す 手掛かりとなります 194 00:32:35,330 --> 00:32:38,917 子供を安全な森へと導くのです 195 00:32:52,723 --> 00:32:55,475 しかし楽な旅ではありません 196 00:33:00,689 --> 00:33:03,567 風向きは味方をしても 197 00:33:04,943 --> 00:33:10,032 幼いイシサウルスを 多くの危険が待ち受けます 198 00:33:15,120 --> 00:33:19,791 熱水泉では 泥流が泡立っています 199 00:33:21,960 --> 00:33:23,587 死のわなです 200 00:33:56,745 --> 00:34:02,084 2日間の移動で 蓄えた栄養が底を突きそうです 201 00:34:04,378 --> 00:34:07,548 しかし再び 母の助けを得ます 202 00:34:09,466 --> 00:34:13,637 溶岩の割れ目に 植物が根差しています 203 00:34:13,804 --> 00:34:17,891 母親のフン中の種が 発芽したものです 204 00:34:25,482 --> 00:34:28,652 しかし新たな危機が迫ります 205 00:34:31,112 --> 00:34:34,324 風で有毒ガスが吹き飛ばされ 206 00:34:34,449 --> 00:34:38,161 捕食者が解き放たれたのです 207 00:34:40,706 --> 00:34:42,498 ラジャサウルスです 208 00:34:47,920 --> 00:34:53,177 赤ちゃんの群れは さぞや ごちそうでしょう 209 00:35:12,988 --> 00:35:17,534 隠れる場所は 溶岩の割れ目しかありません 210 00:36:09,336 --> 00:36:11,755 ラジャサウルスの数が増えます 211 00:37:26,663 --> 00:37:32,377 危険をくぐり抜けて 何百匹もの赤ちゃんが森に到着 212 00:37:35,422 --> 00:37:40,719 下草に身を隠して 数年間 共に暮らします 213 00:37:46,183 --> 00:37:51,146 そして十分に成長したら 母親の群れに加わります 214 00:38:00,906 --> 00:38:07,329 運よく生き延びたメスは 数年後にクレーターに戻り 215 00:38:07,454 --> 00:38:09,957 産卵することでしょう 216 00:38:12,334 --> 00:38:18,549 過酷な環境に生きる生き物には 高いリスクが伴います 217 00:38:22,469 --> 00:38:25,639 しかし太古の地球の 不毛地帯は 218 00:38:26,139 --> 00:38:30,185 すばらしい機会にも 恵まれているのです 219 00:38:34,231 --> 00:38:39,903 不毛地帯の恐竜たち:発覚 220 00:38:40,028 --> 00:38:43,866 恐竜は子育て上手? 221 00:38:44,741 --> 00:38:50,330 これはティタノサウルスの 卵の化石です 222 00:38:50,998 --> 00:38:55,544 産卵したての重さは およそ1.5キロ 223 00:38:55,752 --> 00:38:59,381 殻の厚さは2ミリほどです 224 00:39:02,259 --> 00:39:04,261 頑丈な卵でしたが 225 00:39:06,096 --> 00:39:09,099 安全と保温が不可欠でした 226 00:39:12,561 --> 00:39:16,565 恐竜は いかに卵を 世話したのでしょう 227 00:39:19,109 --> 00:39:22,487 卵を捕食者から守り 温めるために 228 00:39:22,613 --> 00:39:30,037 様々な戦略が 取られました 主任科学 コンサルタント ダレン・ネイシュ その1つが 巣の上に座る方法です 229 00:39:31,538 --> 00:39:33,373 その証拠として 230 00:39:33,498 --> 00:39:39,213 巣の上に座った恐竜の 化石が見つかっています 231 00:39:40,923 --> 00:39:43,133 発見された巣の中身は 232 00:39:43,258 --> 00:39:47,179 座っていた成体と 同じ種類でした 233 00:39:48,055 --> 00:39:53,644 恐竜が卵を世話していた 初めての証拠となりました 234 00:39:56,438 --> 00:40:00,692 しかし敵や自然の力から 卵を守れても 235 00:40:00,817 --> 00:40:04,488 この方法には デメリットがありました 236 00:40:06,365 --> 00:40:10,494 卵の上に座って 世話をするということは 237 00:40:10,619 --> 00:40:16,041 ふ化するまで卵の世話に 専従することを意味します 238 00:40:18,293 --> 00:40:22,130 その価値を認める 恐竜もいました 239 00:40:25,634 --> 00:40:30,597 しかし竜脚類などは 別の問題に直面しました 240 00:40:31,974 --> 00:40:34,977 卵の上に座らない 恐竜もいました 241 00:40:35,143 --> 00:40:40,482 {\an8}体重が何トンもあるので 卵をつぶしてしまいます ロンドン 自然史博物館 ポ—ル・バレット 242 00:40:44,444 --> 00:40:46,488 では解決策は? 243 00:40:49,116 --> 00:40:51,326 一部の竜脚類のメスは 244 00:40:51,451 --> 00:40:56,290 後脚で長い溝を掘り そこに産卵しました 245 00:40:58,458 --> 00:41:02,880 そして産み終えると 溝を埋め戻しました 246 00:41:04,173 --> 00:41:07,009 今でも見られる行動です 247 00:41:07,843 --> 00:41:12,181 カメは卵を埋めることで 捕食者から守り 248 00:41:12,598 --> 00:41:17,644 太陽で温められた砂で 卵を理想的な温度に保ちます 249 00:41:19,271 --> 00:41:23,483 しかし別の方法で 卵を温めた恐竜もいます 250 00:41:25,027 --> 00:41:31,116 一部の恐竜は腐りかけの植物を 卵の上に積みました 251 00:41:31,700 --> 00:41:36,079 卵を入れた巣の上に の山を築いたのです 252 00:41:38,373 --> 00:41:42,127 ヤブツカツクリが使う方法です 253 00:41:43,295 --> 00:41:47,049 植物が分解される時の 熱によって 254 00:41:47,174 --> 00:41:51,053 およそ7週間 卵を温められます 255 00:41:53,138 --> 00:41:56,099 しかし2010年の ある発見は 256 00:41:56,517 --> 00:42:03,148 恐竜が さらに意外な方法で 卵を温めていたことを示します 257 00:42:04,775 --> 00:42:07,945 地熱を利用するのです 258 00:42:09,363 --> 00:42:13,617 アルゼンチンで 竜脚類の多数の卵が 259 00:42:13,742 --> 00:42:17,120 温泉の近くで発見されました 260 00:42:17,246 --> 00:42:22,292 火山活動の熱を利用し 卵を温めたと考えられます 261 00:42:24,545 --> 00:42:28,090 さらにはインドのデカン地方 262 00:42:28,215 --> 00:42:31,927 白亜紀後期の 活発な火山活動帯で 263 00:42:32,052 --> 00:42:34,429 証拠が見つかりました 264 00:42:35,472 --> 00:42:38,809 何重もある 溶岩流の堆積層の-- 265 00:42:38,934 --> 00:42:42,396 境界面で恐竜の卵が 見つかります 266 00:42:46,608 --> 00:42:50,988 ここは火山活動が 活発な時代も含めて 267 00:42:51,154 --> 00:42:55,534 長い間 コロニーとして 利用されました 268 00:43:01,039 --> 00:43:05,419 卵をふ化させる方法は 様々でしたが 269 00:43:07,212 --> 00:43:09,923 1つだけ断言できます 270 00:43:12,176 --> 00:43:15,012 効果的な方法だからこそ 271 00:43:15,220 --> 00:43:20,976 恐竜は1億5000万年以上 地球を支配できたのです 272 00:45:56,590 --> 00:45:59,426 日本語字幕 横手 美紀