1 00:00:08,718 --> 00:00:10,428 かつて恐竜は–– 2 00:00:10,554 --> 00:00:14,474 案内人 デイヴィッド・ アッテンボロ— 3 00:00:10,554 --> 00:00:15,058 {\an8}1億5000万年以上 地球を支配していました 4 00:00:15,642 --> 00:00:19,062 生息域は 地球の隅々まで広がり 5 00:00:19,312 --> 00:00:23,525 あらゆる形や大きさの 恐竜がいました 6 00:00:24,317 --> 00:00:27,445 中には想像を超えるものも 7 00:00:30,740 --> 00:00:35,036 実はT・レックスは 優れた泳ぎ手でした 8 00:00:36,746 --> 00:00:40,542 ヴェロキラプトルは 羽毛を持つ狩りの巧者 9 00:00:41,960 --> 00:00:46,339 恐竜たちの奇妙な行動も 分かってきました 10 00:00:48,842 --> 00:00:52,637 しかし 日々 新たな発見がなされ 11 00:00:52,762 --> 00:00:58,226 6600万年前の生き物について 私たちに教えてくれます 12 00:01:02,731 --> 00:01:08,403 今期は太古の地球に生息した 新たな生き物をご紹介 13 00:01:09,279 --> 00:01:13,783 さらには生き物たちの 交尾の相手を探す旅や–– 14 00:01:15,702 --> 00:01:18,246 子育てで直面する困難 15 00:01:19,456 --> 00:01:21,917 戦いの数々をお見せします 16 00:01:29,424 --> 00:01:34,262 さあ 自然が大いなるショーを 繰り広げていた時代へ 17 00:01:37,474 --> 00:01:41,770 再び 太古の地球へ ご案内しましょう 18 00:01:45,815 --> 00:01:50,779 {\an8}太古の地球から ~よみがえる 恐竜たち~ 2 19 00:01:55,951 --> 00:02:01,122 島の恐竜たち 20 00:02:02,415 --> 00:02:07,879 6600万年前の 南ヨーロッパを流れる川の河口 21 00:02:11,466 --> 00:02:17,430 熱帯の嵐が大きな爪痕を残し 残骸が漂流しています 22 00:02:22,811 --> 00:02:28,400 その中には 陸地から 引き裂かれた天然のいかだも 23 00:02:31,194 --> 00:02:36,449 弱った翼竜には 小さないかだもいい休憩所です 24 00:02:42,414 --> 00:02:45,000 しかし安全とは言えません 25 00:03:05,687 --> 00:03:09,691 凶暴な水生のハンター モササウルスが 26 00:03:09,858 --> 00:03:12,152 獲物を探しています 27 00:03:16,781 --> 00:03:19,117 例えば この小さな恐竜 28 00:03:20,076 --> 00:03:21,578 ザルモクセスを 29 00:03:27,250 --> 00:03:30,003 ここにいては危険です 30 00:03:31,129 --> 00:03:34,758 大きないかだに 早く移らなくては 31 00:03:41,556 --> 00:03:44,267 泳いで渡るしかありません 32 00:04:12,587 --> 00:04:15,131 ここには先客がいました 33 00:04:20,136 --> 00:04:21,930 同じく漂流中の–– 34 00:04:22,764 --> 00:04:23,974 メスです 35 00:04:30,021 --> 00:04:32,774 いかだは海へ出ていきます 36 00:04:45,829 --> 00:04:49,332 時に このようないかだの 漂流者は 37 00:04:49,624 --> 00:04:53,336 遠く離れた島に流れ着きます 38 00:04:57,465 --> 00:05:02,387 運がよければ このペアは 先駆者となるでしょう 39 00:05:14,065 --> 00:05:20,196 子孫が孤島で繁殖するうちに 新種となるかもしれません 40 00:05:25,410 --> 00:05:27,704 どこにもいない種に 41 00:05:34,961 --> 00:05:37,964 島の孤立期間が長くなるほど 42 00:05:38,423 --> 00:05:41,843 生き物は 独自の進化をします 43 00:05:45,055 --> 00:05:47,599 南ヨーロッパの小島には 44 00:05:48,099 --> 00:05:53,355 少々臆病なハドロサウルス類が 生息しています 45 00:05:59,945 --> 00:06:03,156 今は松の若木の間で食事中 46 00:06:04,616 --> 00:06:06,326 テチスハドロスです 47 00:06:25,845 --> 00:06:29,808 大きさは大陸に棲すむ近縁種の 4分の1 48 00:06:30,058 --> 00:06:33,603 高さは人間の背丈と 変わりません 49 00:06:40,068 --> 00:06:45,240 のこぎり状の口吻こうふんで 硬い植物をむさぼります 50 00:06:54,124 --> 00:06:58,503 T・レックスなどは この島までは来ません 51 00:06:59,713 --> 00:07:03,800 安心して 子育てができそうな場所です 52 00:07:11,600 --> 00:07:14,686 いいえ そうとは限りません 53 00:07:48,386 --> 00:07:50,347 ハツェゴプテリクス 54 00:07:54,100 --> 00:07:56,937 巨大な肉食の翼竜です 55 00:08:00,565 --> 00:08:05,779 葉の茂る高木の林に 逃げ込むのが一番です 56 00:08:16,081 --> 00:08:20,085 若木の間に 取り残された子供たち 57 00:08:24,673 --> 00:08:27,384 母親とはぐれてしまいました 58 00:08:38,852 --> 00:08:42,816 ハツェゴプテリクスは 非常に賢い翼竜 59 00:08:44,693 --> 00:08:49,364 もう奇襲はできないため 作戦を変更します 60 00:08:51,741 --> 00:08:53,410 広範囲に散り 61 00:08:53,535 --> 00:08:57,372 潜んでいる獲物を 追い立てることに 62 00:09:05,672 --> 00:09:10,051 子供たちの最善の策は じっとしていること 63 00:09:15,891 --> 00:09:19,144 決して走ってはいけません 64 00:09:51,927 --> 00:09:55,680 2頭は無事 母親と合流できました 65 00:10:09,194 --> 00:10:14,658 島々を飛び回る翼竜は 運を試しによそへ向かいます 66 00:10:27,087 --> 00:10:30,632 これでテチスハドロスも 食事に戻れます 67 00:10:43,019 --> 00:10:45,146 マダガスカル島 68 00:10:45,272 --> 00:10:50,735 アフリカ大陸から分離して 8000万年たっています 69 00:10:53,572 --> 00:10:55,740 そのため 生き物は 70 00:10:55,865 --> 00:11:00,370 他の場所とは 大きく異なっています 71 00:11:19,681 --> 00:11:22,309 こちらはシモスクス 72 00:11:25,312 --> 00:11:29,733 恐竜ではなく 小型のワニの仲間です 73 00:11:30,692 --> 00:11:34,195 ほぼ陸上で暮らしています 74 00:11:34,321 --> 00:11:36,197 そして 厳格な... 75 00:11:37,449 --> 00:11:38,992 “ベジタリアン”です 76 00:11:52,172 --> 00:11:55,342 シモスクスは 鎧よろいのような皮膚で 77 00:11:55,467 --> 00:11:59,095 捕食者の攻撃から身を守れます 78 00:12:00,764 --> 00:12:04,059 そのため 気を抜いてしまうことも 79 00:12:07,854 --> 00:12:09,272 時として 80 00:12:18,073 --> 00:12:20,075 マジュンガサウルス 81 00:12:21,910 --> 00:12:23,745 島一番のハンターです 82 00:12:34,297 --> 00:12:38,051 しかし このメスは 片目が見えません 83 00:12:38,552 --> 00:12:40,971 なかなか獲物が捕れず–– 84 00:12:42,222 --> 00:12:44,516 おなかが減っています 85 00:13:03,743 --> 00:13:09,916 シモスクスは避難経路を抜けて 地下の巣穴へ逃げ込みます 86 00:13:12,544 --> 00:13:16,339 そして 背中の鎧で 入り口を塞ぎます 87 00:13:31,938 --> 00:13:35,025 ツイていない このオス 88 00:13:38,904 --> 00:13:41,281 無抵抗ではいません 89 00:13:55,795 --> 00:14:00,675 背を向けて構え 尾を振り回し 果敢にキック 90 00:14:17,108 --> 00:14:21,363 ハンターの大きな鼻先は 奥まで入りません 91 00:14:33,124 --> 00:14:35,835 シモスクスは万一に備え 92 00:14:36,378 --> 00:14:39,339 さらに深く穴を掘ります 93 00:14:47,514 --> 00:14:52,644 マジュンガサウルスのメスは またも獲物を逃しました 94 00:15:03,905 --> 00:15:09,411 マダガスカル特有の生き物は シモスクスだけではありません 95 00:15:14,541 --> 00:15:20,255 この島には 他にも 珍しい種類の生き物がいました 96 00:15:24,050 --> 00:15:25,427 哺乳類です 97 00:15:34,102 --> 00:15:37,063 これはアダラテリウムのメス 98 00:15:38,899 --> 00:15:40,692 全長60センチ足らず 99 00:15:40,817 --> 00:15:45,322 しかし この時点では 最大級の哺乳類です 100 00:15:51,202 --> 00:15:55,123 起きている間は ほぼ食料を探しています 101 00:16:03,381 --> 00:16:05,091 地下道の奥には–– 102 00:16:06,676 --> 00:16:08,428 卵がありました 103 00:16:11,598 --> 00:16:14,809 タンパク質が 豊富に取れそうです 104 00:16:21,566 --> 00:16:24,945 しかし食べようとはしません 105 00:16:28,073 --> 00:16:31,409 この卵は自身が産んだもの 106 00:16:32,577 --> 00:16:35,622 ここは このメスの巣穴です 107 00:16:48,176 --> 00:16:50,971 卵がかえり始めます 108 00:17:15,870 --> 00:17:20,208 赤ちゃんの目は まだ開いていませんが 109 00:17:20,333 --> 00:17:25,338 本能的に 母のもとへ 母乳をもらいに行きます 110 00:17:28,842 --> 00:17:33,054 乳は汗腺が変化した 腹部の腺から出ます 111 00:17:33,513 --> 00:17:37,017 今のところは 母乳で十分です 112 00:17:50,155 --> 00:17:55,160 2か月後 子供たちは 4倍以上に成長しました 113 00:17:56,870 --> 00:18:02,334 十分な母乳を出すには 母親も十分な食料が必要です 114 00:18:04,211 --> 00:18:09,216 そのため毎晩 安全な巣を離れ 食事に行きます 115 00:18:27,817 --> 00:18:33,490 穴に棲む他の生き物と同様 視覚は優れていません 116 00:18:37,327 --> 00:18:40,956 代わりに鋭い聴覚に頼ります 117 00:18:45,126 --> 00:18:50,006 危険な物音がしたら ピタリと動きを止めます 118 00:18:56,846 --> 00:18:58,557 危機を回避しました 119 00:19:01,601 --> 00:19:06,231 再び土を掘り 木の根や種を探します 120 00:19:21,955 --> 00:19:27,043 子供たちはどんどん成長し 食欲も増していきます 121 00:19:32,632 --> 00:19:37,429 今や絶えず 食料探しをしている母親 122 00:19:44,436 --> 00:19:48,523 子供たちは長時間 巣に残されます 123 00:19:58,575 --> 00:20:00,285 マシアカサウルス 124 00:20:05,040 --> 00:20:11,087 肉食で 特に穴に棲む生き物の 狩りを得意としています 125 00:20:14,883 --> 00:20:20,764 長い首と細い頭部を生かし 獲物がいないか穴を調べます 126 00:20:55,173 --> 00:20:59,636 しかしハンター自身が 獲物となることも 127 00:21:11,314 --> 00:21:12,315 マッドソイア 128 00:21:12,440 --> 00:21:17,487 全長8メートルのヘビで 獲物を絞め殺します 129 00:21:20,699 --> 00:21:24,160 この辺りは 物騒になってきました 130 00:21:46,933 --> 00:21:53,231 夜になると 母親が初めて 子供たちを連れて出てきました 131 00:22:01,197 --> 00:22:05,660 少なくとも今は 皆 一緒にいるのが得策です 132 00:22:19,799 --> 00:22:25,347 地球の南の果て 南極半島周辺の島々では 133 00:22:25,555 --> 00:22:29,100 冬の間 凍える寒さが続きます 134 00:22:32,229 --> 00:22:36,566 ここでも家族でいることに 利点があります 135 00:22:43,073 --> 00:22:47,661 サーマルカメラ越しに浮かぶ 体を寄せ合う群れ 136 00:22:55,919 --> 00:22:57,587 インペロバトル 137 00:22:58,505 --> 00:22:59,714 ハンターです 138 00:23:04,177 --> 00:23:08,098 多くの恐竜と同様 温血性の生き物です 139 00:23:10,141 --> 00:23:13,687 しかし体温を保つには 食料が必須 140 00:23:14,938 --> 00:23:18,525 数日置きの狩りが欠かせません 141 00:23:25,574 --> 00:23:28,868 降ったばかりの雪が足音を消し 142 00:23:28,994 --> 00:23:33,540 気づかれずに 森で獲物を探すことができます 143 00:23:38,795 --> 00:23:40,672 モロサウルスです 144 00:23:46,553 --> 00:23:51,683 冬は食料探しに苦労する 植物食の恐竜です 145 00:24:06,740 --> 00:24:10,744 インペロバトルにとっては 格好の獲物です 146 00:24:23,381 --> 00:24:26,593 速さはモロサウルスが勝ります 147 00:24:32,599 --> 00:24:35,143 しかし追っ手は複数です 148 00:24:49,032 --> 00:24:54,454 インペロバトルは長い尾を使い 自在に動き回ります 149 00:25:05,006 --> 00:25:08,260 ついに森の端まで来ました 150 00:25:10,470 --> 00:25:14,849 その先は凍った湖で 対岸まで800メートル 151 00:25:15,934 --> 00:25:21,398 開けた場所なら 俊足の モロサウルスに分があります 152 00:25:24,025 --> 00:25:26,528 凍った湖面は滑りますが... 153 00:25:35,996 --> 00:25:40,000 インペロバトルが迫る中 選択肢は1つです 154 00:26:17,621 --> 00:26:19,122 追っ手の転倒が–– 155 00:26:19,706 --> 00:26:24,628 モロサウルスに 逃げ切るチャンスを与えます 156 00:26:28,256 --> 00:26:33,887 しかし ここは島です いずれ両者は再会するでしょう 157 00:26:44,606 --> 00:26:50,445 大型の陸上生物が棲まない とても小さな島もあります 158 00:26:53,156 --> 00:26:56,868 しかし 外から訪れるものはいます 159 00:27:03,625 --> 00:27:05,544 ハツェゴプテリクス 160 00:27:13,510 --> 00:27:15,470 くわえているのは 161 00:27:15,595 --> 00:27:19,057 重さ20キロほどの テチスハドロスの死骸 162 00:27:19,516 --> 00:27:22,060 狩りで仕留めたものです 163 00:27:29,609 --> 00:27:31,861 このオスは高さ4.5メートル 164 00:27:31,987 --> 00:27:34,906 翼幅は9メートルを超えます 165 00:27:36,616 --> 00:27:40,287 ハツェゴプテリクスは ヨーロッパ髄一の捕食者 166 00:27:42,664 --> 00:27:47,836 しかし このオスは ここで別の一面を見せます 167 00:28:21,578 --> 00:28:27,500 上空を飛ぶメスに見えるよう ディスプレーを作ります 168 00:28:27,626 --> 00:28:30,503 交尾の相手を探すためです 169 00:28:32,631 --> 00:28:36,968 しかし すぐに反応があるとは 限りません 170 00:28:57,447 --> 00:29:00,742 ようやく メスがやってきました 171 00:29:04,829 --> 00:29:09,626 気はあるようですが あとひと押しが必要そうです 172 00:29:11,086 --> 00:29:13,213 事は慎重に進めます 173 00:29:13,964 --> 00:29:16,466 くちばしで突かれたら 174 00:29:16,591 --> 00:29:20,053 このオスの交尾の季節は 即 終了です 175 00:29:25,725 --> 00:29:27,310 オスはメスに対し 176 00:29:27,477 --> 00:29:33,149 自分の遺伝子に 未来に残す 価値があることを示します 177 00:29:35,360 --> 00:29:38,780 獲物は 腕の立つハンターの証し 178 00:29:38,905 --> 00:29:43,034 島に運んだのは 飛行能力を示すためです 179 00:29:45,829 --> 00:29:51,877 しかしメスは感心しても まだ そのそぶりは見せません 180 00:29:55,672 --> 00:30:00,510 オスは自分が有望株だと さらにアピールします 181 00:30:04,514 --> 00:30:08,059 上を向き メスに近寄るよう促します 182 00:30:22,240 --> 00:30:26,119 今度は少し メスもオスに呼応します 183 00:30:52,395 --> 00:30:56,816 息の合ったダンスが 互いの信頼を生みます 184 00:31:19,422 --> 00:31:20,924 別のオスです 185 00:31:22,592 --> 00:31:26,721 若い個体ですが メスを奪われる可能性も 186 00:31:48,952 --> 00:31:50,996 見事 追い払いました 187 00:31:56,418 --> 00:31:59,963 大変です メスの姿がありません 188 00:32:07,304 --> 00:32:09,931 チャンスを逃したかも 189 00:32:25,238 --> 00:32:26,573 メスが戻ります 190 00:32:28,742 --> 00:32:33,538 ライバルの撃退が 有利に働いたのでしょう 191 00:32:42,255 --> 00:32:45,425 求愛行動を再開するオス 192 00:32:54,017 --> 00:32:57,020 最後に強さを再度アピール 193 00:33:01,816 --> 00:33:05,570 最初で最後の 父親の役割を果たします 194 00:33:15,205 --> 00:33:18,291 あっという間に終わりました 195 00:33:20,544 --> 00:33:25,674 でもこれは 空飛ぶハンターの 次世代の始まりです 196 00:33:32,556 --> 00:33:35,267 ただの小島かもしれません 197 00:33:35,976 --> 00:33:39,312 しかし世界中にある このような島 198 00:33:40,397 --> 00:33:42,941 そこは奇妙な生き物たちの 199 00:33:43,066 --> 00:33:46,444 決定的瞬間の 舞台となっています 200 00:33:47,195 --> 00:33:50,031 この太古の地球で 201 00:33:59,374 --> 00:34:04,629 島の恐竜たち:発覚 202 00:34:05,380 --> 00:34:08,967 {\an8}巨大翼竜は 地上で狩りを したのか? 203 00:34:09,800 --> 00:34:12,637 恐竜がいた時代には 204 00:34:12,762 --> 00:34:16,474 飛行性の爬虫はちゅう類が 空の支配者でした 205 00:34:16,599 --> 00:34:18,476 それが翼竜です 206 00:34:23,690 --> 00:34:26,902 翼竜は250種類以上いました 207 00:34:28,403 --> 00:34:30,739 中には巨大なものも 208 00:34:33,742 --> 00:34:36,327 奇妙ゆえに興味深いのが 209 00:34:36,452 --> 00:34:38,413 {\an8}アズダルコ科の翼竜です 210 00:34:36,786 --> 00:34:39,789 古生物画家 古生物学者 211 00:34:38,538 --> 00:34:42,751 {\an8}どんな生き物か 簡単には説明できません 212 00:34:39,914 --> 00:34:42,751 マ—ク・ ウィットン 213 00:34:44,126 --> 00:34:46,086 高さはキリンほど 214 00:34:46,713 --> 00:34:51,718 頭部は2メートルで 翼幅は10メートルあります 215 00:34:52,969 --> 00:34:56,139 地球史上 極めて奇妙な生き物です 216 00:34:58,475 --> 00:35:03,563 大きな体にもかかわらず 飛行に適していました 217 00:35:05,106 --> 00:35:08,526 しかし 狩りは 地上でしたようです 218 00:35:10,320 --> 00:35:12,572 アズダルコ科の翼は膜状で 219 00:35:12,697 --> 00:35:17,202 長く伸びた第4指で 支えられています {\an8}主任科学 コンサルタント ダレン・ネイシュ 220 00:35:18,245 --> 00:35:23,166 アズダルコ科の翼 221 00:35:19,371 --> 00:35:23,166 {\an8}翼の膜は 前肢の 長い第4指の先端から 222 00:35:23,291 --> 00:35:26,419 後肢の間に張られています 223 00:35:28,004 --> 00:35:31,341 アズダルコ科は 長距離を飛べました 224 00:35:31,466 --> 00:35:37,055 しかし飛行中の急旋回など 機敏な動きは苦手でした 225 00:35:39,432 --> 00:35:41,935 ですからアズダルコ科には 226 00:35:42,102 --> 00:35:45,230 飛行動物は 捕れなかったのです 227 00:35:46,481 --> 00:35:49,109 別の方法が必要でした 228 00:35:50,610 --> 00:35:54,948 アズダルコ科の採餌さいじ方法の 有力な説の1つは 229 00:35:55,073 --> 00:35:59,578 水面をかすめて飛び 獲物をすくう方法です 230 00:36:00,495 --> 00:36:03,248 現代の鳥 クロハサミアジサシは 231 00:36:03,373 --> 00:36:05,041 この方法を取ります 232 00:36:06,209 --> 00:36:09,838 滑稽にも 下くちばしを水に入れて進み 233 00:36:10,005 --> 00:36:13,091 獲物に当てるという方法です 234 00:36:14,926 --> 00:36:19,472 ハサミアジサシの首は 衝撃を吸収できる構造です 235 00:36:21,600 --> 00:36:26,104 一方 アズダルコ科に その構造は見られません 236 00:36:27,063 --> 00:36:32,944 飛びながら水に下くちばしを 入れたら 衝撃で首が折れます 237 00:36:36,323 --> 00:36:38,867 つまり選択肢は1つ 238 00:36:39,868 --> 00:36:42,537 地上で獲物を捕ったのです 239 00:36:45,999 --> 00:36:49,252 しかし 機敏に動けたのでしょうか? 240 00:36:51,254 --> 00:36:57,594 よたよた歩きでなかったことを 裏付ける証拠が必要でした 241 00:36:59,596 --> 00:37:04,309 証拠は6600万年前の 足跡から得られました 242 00:37:06,019 --> 00:37:10,774 翼竜の世界最大の足跡は アズダルコ科のものです 243 00:37:11,399 --> 00:37:15,946 いかに効率的に歩いていたかを 示していました 244 00:37:16,112 --> 00:37:17,280 韓国 245 00:37:18,365 --> 00:37:23,536 足跡から 体の真下に 四肢があったと分かりました 246 00:37:24,496 --> 00:37:27,040 つまり直立できたのです 247 00:37:28,708 --> 00:37:30,502 足裏にはパッドも 248 00:37:32,170 --> 00:37:34,548 小型の翼竜とは違い 249 00:37:34,673 --> 00:37:38,468 四肢が長く 歩幅が大きかったのです 250 00:37:40,345 --> 00:37:44,182 奇妙な体形ながら 効率的に動けました 251 00:37:49,020 --> 00:37:50,522 アズダルコ科には 252 00:37:50,689 --> 00:37:55,569 効率的な歩行能力と 長く鋭いくちばしがあります 253 00:37:56,611 --> 00:38:02,617 間違いなく 地上を歩き回って 獲物を捕っていたはずです 254 00:38:07,747 --> 00:38:13,587 これらの翼竜は のどの幅が 私の肩幅ほどあります 255 00:38:14,379 --> 00:38:18,592 現代にいたら 人間も食べられていたでしょう 256 00:38:22,804 --> 00:38:27,434 威風堂々たる姿で 空を飛んでいた巨大翼竜 257 00:38:31,021 --> 00:38:36,610 実は地上では さらに 恐れられる存在だったのです 258 00:41:10,388 --> 00:41:13,225 日本語字幕 田宮 真実