1 00:00:08,718 --> 00:00:10,136 {\an8}かつて恐竜は— 2 00:00:09,636 --> 00:00:13,473 案内人 デイヴィッド・ アッテンボロ— 3 00:00:10,262 --> 00:00:15,058 {\an8}1億5000万年以上 地球を支配していました 4 00:00:15,642 --> 00:00:19,145 生息域は 地球の隅々まで広がり 5 00:00:19,271 --> 00:00:23,483 あらゆる形や大きさの 恐竜がいました 6 00:00:24,317 --> 00:00:27,445 中には想像を超えるものも 7 00:00:30,782 --> 00:00:34,953 実はT・レックスは 優れた泳ぎ手でした 8 00:00:36,746 --> 00:00:40,417 ヴェロキラプトルは 羽毛を持つ狩りの巧者 9 00:00:41,960 --> 00:00:46,339 恐竜たちの奇妙な行動も 分かってきました 10 00:00:48,758 --> 00:00:52,512 しかし 日々 新たな発見がなされ 11 00:00:52,637 --> 00:00:58,184 6600万年前の生き物について 私たちに教えてくれます 12 00:01:02,772 --> 00:01:08,278 今期は太古の地球に生息した 新たな生き物をご紹介 13 00:01:09,321 --> 00:01:13,783 さらには生き物たちの 交尾の相手を探す旅や–– 14 00:01:15,702 --> 00:01:18,246 子育てで直面する困難 15 00:01:19,414 --> 00:01:21,875 戦いの数々をお見せします 16 00:01:29,466 --> 00:01:34,304 さあ 自然が大いなるショーを 繰り広げていた時代へ 17 00:01:37,432 --> 00:01:41,770 再び 太古の地球へ ご案内しましょう 18 00:01:45,523 --> 00:01:50,862 {\an8}太古の地球から ~よみがえる 恐竜たち~ 2 19 00:01:54,699 --> 00:01:59,913 不毛地帯の恐竜たち 20 00:02:00,038 --> 00:02:04,459 ここは1億年にわたり 溶岩が流出し 21 00:02:04,584 --> 00:02:07,170 広範囲に堆積たいせきした土地 22 00:02:09,756 --> 00:02:12,676 インドのデカン高原です 23 00:02:14,135 --> 00:02:15,637 この過酷な地に–– 24 00:02:16,721 --> 00:02:20,392 恐竜がいるとは 到底 思えません 25 00:02:22,519 --> 00:02:26,940 しかし命懸けの旅をする 恐竜がいます 26 00:02:35,615 --> 00:02:37,284 イシサウルス 27 00:02:40,620 --> 00:02:42,998 全てがメスです 28 00:02:55,594 --> 00:02:59,431 溶岩の流出は長期にわたり 29 00:02:59,556 --> 00:03:02,601 厚みが1.6キロの所もあります 30 00:03:17,198 --> 00:03:21,912 毎年 春になると メスは安全な森を離れ 31 00:03:22,329 --> 00:03:26,499 こうした不毛地帯へ 危険な旅に出ます 32 00:03:44,976 --> 00:03:49,564 溶岩が冷え固まった 安全なルートを選びます 33 00:03:52,734 --> 00:03:55,779 しかし危険は他にもあります 34 00:04:02,118 --> 00:04:06,456 火道から蒸気と共に 35 00:04:06,581 --> 00:04:11,211 二酸化炭素と硫化水素の 有毒ガスが噴出しています 36 00:04:14,422 --> 00:04:18,552 夜明け前 気温が下がると この重いガスは 37 00:04:18,677 --> 00:04:23,181 地表にたまり 有毒ガスの層を作ります 38 00:04:25,225 --> 00:04:28,061 吸い込めば命取りです 39 00:04:32,274 --> 00:04:36,111 しかしイシサウルスには 強みがあります 40 00:04:38,154 --> 00:04:43,952 長い首のおかげで 有毒ガス層の上に頭を出せます 41 00:04:55,547 --> 00:04:59,926 しかし先に進むと それも難しくなります 42 00:05:07,976 --> 00:05:13,690 低地に入ると有毒ガス層の 厚みが増すためです 43 00:05:16,735 --> 00:05:21,615 メスたちは既に 体に異変を来しています 44 00:05:26,202 --> 00:05:29,956 さらに太陽が昇り 気温が上がると 45 00:05:30,081 --> 00:05:32,834 対流でガス層が上昇 46 00:05:37,881 --> 00:05:41,218 もはや長い首も役立ちません 47 00:05:46,473 --> 00:05:50,560 急いで高台に 逃れねばなりません 48 00:05:57,484 --> 00:06:01,696 清浄な空気を求めて 急斜面を登ります 49 00:06:16,169 --> 00:06:18,171 これで ひと安心 50 00:06:19,548 --> 00:06:22,634 前方に目的地が見えます 51 00:06:26,638 --> 00:06:29,516 空に向かって そびえ立つ火山 52 00:06:31,309 --> 00:06:34,980 この一帯で ひときわ高い場所です 53 00:06:50,412 --> 00:06:56,668 この巨大なカルデラは 安全なコロニーとなります 54 00:06:57,878 --> 00:07:03,425 有毒ガスに囲まれた山は 捕食者を寄せつけません 55 00:07:06,511 --> 00:07:12,350 地熱を利用することで ふ卵にも最適な環境です 56 00:07:27,657 --> 00:07:32,370 温かな砂地に 長さ約2メートルの溝を掘り 57 00:07:32,662 --> 00:07:36,875 メロン大の卵を 20個ほど産みます 58 00:07:44,466 --> 00:07:47,677 卵はカルデラに守られます 59 00:07:47,802 --> 00:07:51,264 でも これは 始まりに過ぎません 60 00:07:53,725 --> 00:07:57,312 数か月後 何百匹もが ふ化し 61 00:07:57,437 --> 00:08:00,190 過酷な世界と直面します 62 00:08:02,275 --> 00:08:08,323 生き残るには最適の時を 待つ必要があるでしょう 63 00:08:22,087 --> 00:08:28,843 太古の地球の不毛地帯では 恐竜でさえ試練を強いられます 64 00:08:35,600 --> 00:08:41,856 風化と浸食で形成された この見慣れない景色の中に 65 00:08:42,023 --> 00:08:44,568 生き物の気配は皆無に見えます 66 00:08:52,701 --> 00:08:57,247 しかしアジアでは こうした峡谷に–– 67 00:09:00,417 --> 00:09:05,672 ヴェロキラプトルの 子育て家族が潜んでいます 68 00:09:14,389 --> 00:09:17,434 子供は生後わずか数週間 69 00:09:43,793 --> 00:09:50,425 こんな不毛の地では 先行きが不安に思えてきます 70 00:09:52,385 --> 00:09:58,808 一家の命運は遠く離れた地での ある出来事に懸かっています 71 00:10:04,022 --> 00:10:06,107 灼熱しゃくねつの砂漠の先に 72 00:10:06,233 --> 00:10:10,111 砂の海に閉ざされた 森があります 73 00:10:11,905 --> 00:10:16,701 季節が変わると ここに貴重な水が現れます 74 00:10:19,246 --> 00:10:25,293 巨大なポプラの木々に 栄養価の高い葉が茂ると–– 75 00:10:28,505 --> 00:10:31,967 空腹な動物が集まってきます 76 00:10:38,515 --> 00:10:44,604 首の長いネメグトサウルスに ティタノサウルス 77 00:10:55,198 --> 00:10:58,410 小さな プレノケファレもいます 78 00:11:05,917 --> 00:11:08,378 しかし難関があります 79 00:11:13,925 --> 00:11:16,469 広大な台地帯です 80 00:11:21,933 --> 00:11:27,439 この迷路のような峡谷を 抜けるしかありません 81 00:11:37,240 --> 00:11:41,244 峡谷に入ると 群れに緊張が走ります 82 00:11:45,999 --> 00:11:49,794 待ち伏せには格好の場所です 83 00:11:59,304 --> 00:12:02,224 ヴェロキラプトルが 待ち構えます 84 00:12:10,190 --> 00:12:13,485 しかし大物は倒せません 85 00:12:15,737 --> 00:12:20,825 潜んでいる他のハンターに 勝負を託します 86 00:13:04,369 --> 00:13:06,288 タルボサウルスです 87 00:13:11,918 --> 00:13:16,590 アジアのT・レックスの 異名を取ります 88 00:13:23,305 --> 00:13:27,267 捕食者の接近に パニックが広がります 89 00:13:47,245 --> 00:13:51,625 プレノケファレだけが 高台に逃げられます 90 00:13:57,380 --> 00:14:01,301 ヴェロキラプトルの 狙いどおりです 91 00:14:10,185 --> 00:14:14,397 これで ようやく 奇襲をかけられます 92 00:14:23,156 --> 00:14:24,574 成功です 93 00:14:27,619 --> 00:14:32,499 チームワークで 家族の食料を確保しました 94 00:14:38,880 --> 00:14:42,092 タルボサウルスも狩りに成功 95 00:14:44,344 --> 00:14:48,265 この時期 捕食者は 食料が豊富です 96 00:14:52,602 --> 00:14:58,024 ヴェロキラプトルにとっては 絶好の繁殖期です 97 00:15:13,623 --> 00:15:18,753 親が賢くて面倒見がいいと 子育ても順調です 98 00:15:20,255 --> 00:15:27,053 このアジアの不毛地帯には とりわけ子煩悩な恐竜がいます 99 00:15:28,805 --> 00:15:32,601 ここはコリトラプトルの コロニー 100 00:15:40,275 --> 00:15:46,114 数日前 円形の盛り土に メスが産卵したばかりです 101 00:15:50,702 --> 00:15:54,789 しかし抱卵はオスの務めです 102 00:15:57,208 --> 00:15:59,586 楽な仕事ではありません 103 00:16:13,683 --> 00:16:19,314 真昼の直射日光で 卵は すぐに煮えてしまいます 104 00:16:25,904 --> 00:16:30,033 しかし父親は幅広の尾と 前腕の羽で 105 00:16:30,200 --> 00:16:32,452 巣に日陰を作ります 106 00:16:36,164 --> 00:16:38,124 それは代償を伴います 107 00:16:40,835 --> 00:16:45,590 焼けつく暑さに何時間も 耐えねばなりません 108 00:17:21,126 --> 00:17:27,299 日が暮れて涼しくなると ようやくエサ探しの時間です 109 00:17:30,302 --> 00:17:34,472 コロニーを作る利点が 生かされる時です 110 00:17:37,434 --> 00:17:42,522 全員で一斉に巣を離れずに 交代で外出します 111 00:17:45,525 --> 00:17:49,905 常に見張り番を置いて 警戒できます 112 00:17:52,490 --> 00:17:57,579 しかし“自警団”を作っても 安全は保証されません 113 00:18:12,594 --> 00:18:17,766 ヴェロキラプトルの仲間 クル・クラのメスです 114 00:18:18,808 --> 00:18:20,894 極度の空腹ですが 115 00:18:21,019 --> 00:18:25,440 コリトラプトルの くちばしと爪を警戒しています 116 00:18:31,279 --> 00:18:34,699 しかし彼女には強みがあります 117 00:18:37,369 --> 00:18:42,415 夜間の視力が 巣の持ち主より優れています 118 00:18:50,840 --> 00:18:55,804 音を立てなければ コロニーに忍び込めます 119 00:18:58,848 --> 00:19:01,309 慎重に狙いを定めます 120 00:19:17,325 --> 00:19:19,619 チャンス到来です 121 00:19:26,418 --> 00:19:28,503 しかし攻撃はしません 122 00:19:30,005 --> 00:19:34,092 この捕食者の 別の顔はコソ泥です 123 00:20:05,540 --> 00:20:09,878 できるだけ多くの卵を 急いで食べます 124 00:20:18,929 --> 00:20:21,598 時間切れ! 見つかりました 125 00:20:23,725 --> 00:20:26,228 最後に1つ 持ち去ります 126 00:20:50,210 --> 00:20:55,090 ここなら盗んだ卵を 安心して味わえます 127 00:20:59,928 --> 00:21:03,598 しかし食べずに分け与えます 128 00:21:05,016 --> 00:21:10,355 ゴロゴロと のどを鳴らして 子供を呼びます 129 00:21:27,455 --> 00:21:31,459 巣立ちしたばかりの ひよっこです 130 00:21:39,467 --> 00:21:44,180 この見知らぬ物体が 食べ物だと学習します 131 00:21:45,807 --> 00:21:48,727 そして割り方を身につけます 132 00:21:55,150 --> 00:21:57,235 くちばしを使う? 133 00:21:59,362 --> 00:22:01,740 それとも かぎ爪? 134 00:22:21,551 --> 00:22:22,886 成功です 135 00:22:24,596 --> 00:22:27,390 運が味方したようです 136 00:22:29,309 --> 00:22:35,398 次世代の“卵泥棒”には それでも貴重なレッスンです 137 00:22:44,741 --> 00:22:49,621 不毛地帯では 涼しい夜が来たと思うと 138 00:22:49,746 --> 00:22:54,000 すぐに強烈な日差しが 戻ってきます 139 00:22:57,712 --> 00:23:00,549 砂地の表面温度は 140 00:23:00,674 --> 00:23:05,178 70度を超えることもあります 141 00:23:07,889 --> 00:23:12,769 ここでは水は数秒で 浸み込むか蒸発します 142 00:23:14,854 --> 00:23:19,192 地上でも指折りの 乾燥した土地です 143 00:23:30,745 --> 00:23:34,541 動物は水なしでは 生きられません 144 00:23:37,085 --> 00:23:40,881 でも ここには タルキアがいます 145 00:23:50,223 --> 00:23:53,810 砂漠に棲すむ アンキロサウルスの一種です 146 00:23:59,691 --> 00:24:03,778 分厚い鎧よろいと こん棒状の太い尾を持ちます 147 00:24:07,657 --> 00:24:12,579 黒っぽい皮膚は 太陽光線から目を守ります 148 00:24:22,756 --> 00:24:28,720 これはタルキア独特の “空調システム”の音です 149 00:24:30,555 --> 00:24:34,643 吐き出す空気を 大きな鼻で冷やし 150 00:24:34,768 --> 00:24:39,731 呼気中の貴重な水分を 凝縮して回収します 151 00:24:43,944 --> 00:24:48,406 そのため長時間 水を飲まなくても 152 00:24:48,531 --> 00:24:50,742 エサを探せます 153 00:24:54,496 --> 00:24:58,333 ここでは高温によって 強い風が生じ 154 00:24:58,458 --> 00:25:02,254 岩が独特の形に削られます 155 00:25:05,924 --> 00:25:08,885 しかし表土も はぎ取られます 156 00:25:12,430 --> 00:25:17,269 それでも岩の間に 根を張る植物があります 157 00:25:24,150 --> 00:25:27,696 わずかな食料を奪い合います 158 00:25:43,587 --> 00:25:47,299 太陽は刻々と高く昇り 159 00:25:48,675 --> 00:25:51,428 すぐに日陰は消えます 160 00:25:54,097 --> 00:25:59,811 たとえ砂漠の達人でも 時には飲み水が必要です 161 00:26:05,901 --> 00:26:11,114 遊牧民のように 頭の中に砂漠の地図があり 162 00:26:11,239 --> 00:26:16,202 何の目印もない地形を 正確に移動できます 163 00:26:22,584 --> 00:26:27,380 貴重な泉の場所を 記憶しているのです 164 00:26:31,718 --> 00:26:34,888 こうした砂漠のオアシスです 165 00:26:39,267 --> 00:26:42,771 見つけた動物には命の水です 166 00:26:49,444 --> 00:26:50,987 プレノケファレです 167 00:27:17,013 --> 00:27:21,059 オアシスでは 緊張が高まりがちです 168 00:27:24,271 --> 00:27:28,984 しかし力の誇示で 実戦は避けられます 169 00:27:38,410 --> 00:27:42,914 プレノケファレは 相手にもなりません 170 00:27:47,752 --> 00:27:51,464 しかし成体のタルキアは 別格です 171 00:27:57,429 --> 00:28:01,558 しかも相手の体重は 2倍近くあります 172 00:28:13,778 --> 00:28:18,199 重さ20キロ以上の “こん棒”を振り回します 173 00:28:27,667 --> 00:28:32,339 戦いになれば 若造に勝ち目はありません 174 00:28:46,686 --> 00:28:50,440 しかし援軍が やってきました 175 00:28:56,988 --> 00:28:59,741 2頭で団結します 176 00:29:03,245 --> 00:29:07,791 今度は こん棒の数で 成体が不利です 177 00:29:21,221 --> 00:29:27,269 分け合うだけの水があると 成体は判断しました 178 00:29:46,788 --> 00:29:50,750 若いタルキアが 水にありつきます 179 00:29:55,755 --> 00:29:59,801 しかし安息の時は 長くは続きません 180 00:30:04,723 --> 00:30:09,853 不毛地帯の環境は 急速に変化します 181 00:30:16,484 --> 00:30:18,194 夏の気温上昇は 182 00:30:18,361 --> 00:30:22,741 激しい雷雨を 大規模に発生させます 183 00:30:26,703 --> 00:30:32,417 デカン高原では こうした嵐で 風向きが変わります 184 00:30:33,501 --> 00:30:39,633 数か月前 イシサウルスが 産卵したカルデラ周辺では 185 00:30:39,799 --> 00:30:46,681 一帯の有毒ガスが吹き飛ばされ 絶好の機会が訪れます 186 00:30:57,442 --> 00:31:02,197 砂の下から 奇妙な声が聞こえてきます 187 00:31:03,114 --> 00:31:07,661 卵の中から赤ちゃんが 声をかけ合っています 188 00:31:09,454 --> 00:31:12,332 そして一斉に ふ化します 189 00:31:51,037 --> 00:31:55,792 全長は30センチ以下 比較的小さめです 190 00:32:01,089 --> 00:32:06,011 食べ物は母親の残した フンしかありません 191 00:32:08,513 --> 00:32:11,975 意外にもフンは栄養豊富で 192 00:32:12,225 --> 00:32:15,896 他の面でも 赤ちゃんには重要です 193 00:32:20,525 --> 00:32:24,279 腸内に善玉菌を 供給するのです 194 00:32:24,404 --> 00:32:27,198 また含有のフェロモンは 195 00:32:27,324 --> 00:32:31,620 母親の群れを捜す 手掛かりとなります 196 00:32:35,373 --> 00:32:38,960 子供を安全な森へと導くのです 197 00:32:52,766 --> 00:32:55,518 しかし楽な旅ではありません 198 00:33:00,732 --> 00:33:03,610 風向きは味方をしても 199 00:33:04,986 --> 00:33:10,075 幼いイシサウルスを 多くの危険が待ち受けます 200 00:33:15,163 --> 00:33:19,834 熱水泉では 泥流が泡立っています 201 00:33:22,003 --> 00:33:23,630 死のわなです 202 00:33:56,788 --> 00:34:02,127 2日間の移動で 蓄えた栄養が底を突きそうです 203 00:34:04,421 --> 00:34:07,591 しかし再び 母の助けを得ます 204 00:34:09,509 --> 00:34:13,680 溶岩の割れ目に 植物が根差しています 205 00:34:13,847 --> 00:34:17,934 母親のフン中の種が 発芽したものです 206 00:34:25,525 --> 00:34:28,695 しかし新たな危機が迫ります 207 00:34:31,155 --> 00:34:34,367 風で有毒ガスが吹き飛ばされ 208 00:34:34,492 --> 00:34:38,204 捕食者が解き放たれたのです 209 00:34:40,749 --> 00:34:42,541 ラジャサウルスです 210 00:34:47,963 --> 00:34:53,220 赤ちゃんの群れは さぞや ごちそうでしょう 211 00:35:13,031 --> 00:35:17,577 隠れる場所は 溶岩の割れ目しかありません 212 00:36:09,379 --> 00:36:11,798 ラジャサウルスの数が増えます 213 00:37:26,706 --> 00:37:32,420 危険をくぐり抜けて 何百匹もの赤ちゃんが森に到着 214 00:37:35,465 --> 00:37:40,762 下草に身を隠して 数年間 共に暮らします 215 00:37:46,226 --> 00:37:51,189 そして十分に成長したら 母親の群れに加わります 216 00:38:00,949 --> 00:38:07,372 運よく生き延びたメスは 数年後にクレーターに戻り 217 00:38:07,497 --> 00:38:10,000 産卵することでしょう 218 00:38:12,377 --> 00:38:18,592 過酷な環境に生きる生き物には 高いリスクが伴います 219 00:38:22,512 --> 00:38:25,682 しかし太古の地球の 不毛地帯は 220 00:38:26,182 --> 00:38:30,228 すばらしい機会にも 恵まれているのです 221 00:38:34,274 --> 00:38:39,946 不毛地帯の恐竜たち:発覚 222 00:38:40,071 --> 00:38:43,909 恐竜は子育て上手? 223 00:38:44,784 --> 00:38:50,373 これはティタノサウルスの 卵の化石です 224 00:38:51,041 --> 00:38:55,587 産卵したての重さは およそ1.5キロ 225 00:38:55,795 --> 00:38:59,424 殻の厚さは2ミリほどです 226 00:39:02,302 --> 00:39:04,304 頑丈な卵でしたが 227 00:39:06,139 --> 00:39:09,142 安全と保温が不可欠でした 228 00:39:12,604 --> 00:39:16,608 恐竜は いかに卵を 世話したのでしょう 229 00:39:19,152 --> 00:39:22,530 卵を捕食者から守り 温めるために 230 00:39:22,656 --> 00:39:25,825 様々な戦略が 取られました 231 00:39:24,491 --> 00:39:30,080 {\an8}主任科学 コンサルタント ダレン・ネイシュ 232 00:39:25,951 --> 00:39:30,080 その1つが 巣の上に座る方法です 233 00:39:31,581 --> 00:39:33,416 その証拠として 234 00:39:33,541 --> 00:39:39,256 巣の上に座った恐竜の 化石が見つかっています 235 00:39:40,966 --> 00:39:43,176 発見された巣の中身は 236 00:39:43,301 --> 00:39:47,222 座っていた成体と 同じ種類でした 237 00:39:48,098 --> 00:39:53,687 恐竜が卵を世話していた 初めての証拠となりました 238 00:39:56,481 --> 00:40:00,735 しかし敵や自然の力から 卵を守れても 239 00:40:00,860 --> 00:40:04,531 この方法には デメリットがありました 240 00:40:06,408 --> 00:40:10,537 卵の上に座って 世話をするということは 241 00:40:10,662 --> 00:40:16,084 ふ化するまで卵の世話に 専従することを意味します 242 00:40:18,336 --> 00:40:22,173 その価値を認める 恐竜もいました 243 00:40:25,677 --> 00:40:30,640 しかし竜脚類などは 別の問題に直面しました 244 00:40:32,017 --> 00:40:35,020 卵の上に座らない 恐竜もいました 245 00:40:35,186 --> 00:40:40,525 {\an8}体重が何トンもあるので 卵をつぶしてしまいます 246 00:40:35,729 --> 00:40:40,525 ロンドン 自然史博物館 ポ—ル・バレット 247 00:40:44,487 --> 00:40:46,531 では解決策は? 248 00:40:49,159 --> 00:40:51,369 一部の竜脚類のメスは 249 00:40:51,494 --> 00:40:56,333 後脚で長い溝を掘り そこに産卵しました 250 00:40:58,501 --> 00:41:02,923 そして産み終えると 溝を埋め戻しました 251 00:41:04,216 --> 00:41:07,052 今でも見られる行動です 252 00:41:07,886 --> 00:41:12,224 カメは卵を埋めることで 捕食者から守り 253 00:41:12,641 --> 00:41:17,687 太陽で温められた砂で 卵を理想的な温度に保ちます 254 00:41:19,314 --> 00:41:23,526 しかし別の方法で 卵を温めた恐竜もいます 255 00:41:25,070 --> 00:41:31,159 一部の恐竜は腐りかけの植物を 卵の上に積みました 256 00:41:31,743 --> 00:41:36,122 卵を入れた巣の上に 堆肥たいひの山を築いたのです 257 00:41:38,416 --> 00:41:42,170 ヤブツカツクリが使う方法です 258 00:41:43,338 --> 00:41:47,092 植物が分解される時の 熱によって 259 00:41:47,217 --> 00:41:51,096 およそ7週間 卵を温められます 260 00:41:53,181 --> 00:41:56,142 しかし2010年の ある発見は 261 00:41:56,560 --> 00:42:03,191 恐竜が さらに意外な方法で 卵を温めていたことを示します 262 00:42:04,818 --> 00:42:07,988 地熱を利用するのです 263 00:42:09,406 --> 00:42:13,660 アルゼンチンで 竜脚類の多数の卵が 264 00:42:13,785 --> 00:42:17,163 温泉の近くで発見されました 265 00:42:17,289 --> 00:42:22,335 火山活動の熱を利用し 卵を温めたと考えられます 266 00:42:24,588 --> 00:42:28,133 さらにはインドのデカン地方 267 00:42:28,258 --> 00:42:31,970 白亜紀後期の 活発な火山活動帯で 268 00:42:32,095 --> 00:42:34,472 証拠が見つかりました 269 00:42:35,515 --> 00:42:38,852 何重もある 溶岩流の堆積層の–– 270 00:42:38,977 --> 00:42:42,439 境界面で恐竜の卵が 見つかります 271 00:42:46,651 --> 00:42:51,031 ここは火山活動が 活発な時代も含めて 272 00:42:51,197 --> 00:42:55,577 長い間 コロニーとして 利用されました 273 00:43:01,082 --> 00:43:05,462 卵をふ化させる方法は 様々でしたが 274 00:43:07,255 --> 00:43:09,966 1つだけ断言できます 275 00:43:12,219 --> 00:43:15,055 効果的な方法だからこそ 276 00:43:15,263 --> 00:43:21,019 恐竜は1億5000万年以上 地球を支配できたのです 277 00:45:56,633 --> 00:45:59,469 日本語字幕 横手 美紀