1 00:00:08,718 --> 00:00:10,095 かつて恐竜は–– 2 00:00:10,220 --> 00:00:15,225 {\an8}1億5000万年以上 地球を支配していました 3 00:00:10,637 --> 00:00:14,474 案内人 デイヴィッド・ アッテンボロ— 4 00:00:15,642 --> 00:00:19,145 生息域は 地球の隅々まで広がり 5 00:00:19,271 --> 00:00:23,441 あらゆる形や大きさの 恐竜がいました 6 00:00:24,234 --> 00:00:27,445 中には想像を超えるものも 7 00:00:30,782 --> 00:00:35,412 実はT・レックスは 優れた泳ぎ手でした 8 00:00:36,788 --> 00:00:40,709 ヴェロキラプトルは 羽毛を持つ狩りの巧者 9 00:00:41,960 --> 00:00:46,673 恐竜たちの奇妙な行動も 分かってきました 10 00:00:48,800 --> 00:00:52,512 しかし 日々 新たな発見がなされ 11 00:00:52,637 --> 00:00:58,184 6600万年前の生き物について 私たちに教えてくれます 12 00:01:02,731 --> 00:01:08,486 今期は太古の地球に生息した 新たな生き物をご紹介 13 00:01:09,321 --> 00:01:13,783 さらには生き物たちの 交尾の相手を探す旅や–– 14 00:01:15,702 --> 00:01:18,246 子育てで直面する困難 15 00:01:19,414 --> 00:01:21,958 戦いの数々をお見せします 16 00:01:29,466 --> 00:01:34,554 さあ 自然が大いなるショーを 繰り広げていた時代へ 17 00:01:37,474 --> 00:01:41,770 再び 太古の地球へ ご案内しましょう 18 00:01:45,941 --> 00:01:50,779 {\an8}太古の地球から ~よみがえる 恐竜たち~ 2 19 00:01:54,824 --> 00:01:59,913 大海の恐竜たち 20 00:02:04,417 --> 00:02:05,752 大海 21 00:02:06,753 --> 00:02:10,840 生き物の生息域としては 太古の地球で最大 22 00:02:14,386 --> 00:02:19,224 史上最大級の捕食者が棲すむ 場所でもあります 23 00:02:24,896 --> 00:02:27,649 巨大なモササウルスです 24 00:02:47,043 --> 00:02:51,965 しかしモササウルスの中には 小型の種もいました 25 00:02:52,924 --> 00:02:57,178 岩礁に潜んでいるのは フォスフォロサウルス 26 00:02:58,430 --> 00:03:01,141 モササウルスの仲間ですが 27 00:03:01,266 --> 00:03:05,020 最小クラスで 全長は3メートルほど 28 00:03:08,231 --> 00:03:12,444 日中は危険を避けて 隠れて過ごします 29 00:03:15,780 --> 00:03:21,494 しかし1時間に1~2度 水面に顔を出して息を吸います 30 00:03:25,874 --> 00:03:30,003 他のモササウルス同様 空気呼吸なのです 31 00:03:37,010 --> 00:03:40,388 他の種よりも 小型のフォスフォロサウルス 32 00:03:47,854 --> 00:03:51,691 しかし小さくても 凶暴な捕食者です 33 00:03:54,319 --> 00:03:57,614 常に隠れているわけでは ありません 34 00:04:00,033 --> 00:04:03,620 時が来れば ハンターに変わります 35 00:04:07,916 --> 00:04:11,378 それは日が沈んだあとです 36 00:04:30,730 --> 00:04:35,986 闇に包まれると 海の中の様子が変化します 37 00:04:52,627 --> 00:04:57,382 大量の生き物が水面を目指し 深海から上昇します 38 00:04:57,507 --> 00:04:59,885 食事をするためです 39 00:05:04,097 --> 00:05:10,103 ほぼ完璧な闇の中で行われる 地球最大の大移動 40 00:05:11,813 --> 00:05:16,151 暗視カメラでなければ 映し出せません 41 00:05:22,157 --> 00:05:25,285 夜の訪問者の中で 特に壮観なのが 42 00:05:25,410 --> 00:05:28,163 ハダカイワシのような魚の群れ 43 00:05:32,292 --> 00:05:34,085 淡く不気味な光は 44 00:05:34,252 --> 00:05:37,923 体内の化学反応によって 作られます 45 00:05:44,721 --> 00:05:50,060 体が放つこの光は 捕食者を惑わすことができます 46 00:05:52,771 --> 00:05:56,566 捕食者に 下から見上げられても 47 00:05:56,691 --> 00:06:01,905 月明かりに照らされた海面に 溶け込めるのです 48 00:06:05,784 --> 00:06:10,705 しかしフォスフォロサウルスは 惑わされません 49 00:06:14,376 --> 00:06:18,922 小型でも 目の大きさは モササウルスの中で最大 50 00:06:21,466 --> 00:06:26,388 光に惑わされることなく 獲物を見つけ出せます 51 00:06:46,783 --> 00:06:52,872 夜明けまでには 魚の群れは 再び深海へ戻っていきます 52 00:06:55,000 --> 00:07:01,047 フォスフォロサウルスもまた 日中の隠れ家へ戻ります 53 00:07:07,262 --> 00:07:11,433 最大のモササウルスが 動き始めるからです 54 00:07:27,574 --> 00:07:32,037 夜を待たないと 狩りは再開できません 55 00:07:41,504 --> 00:07:45,675 太古の海で 日中に狩りを行うのは 56 00:07:45,800 --> 00:07:48,595 異なるタイプのハンターです 57 00:07:53,725 --> 00:07:56,519 北米の温かな浅い海には 58 00:07:56,645 --> 00:08:01,524 ハダカイワシの群れに 匹敵する数の魚がいます 59 00:08:10,200 --> 00:08:12,786 魚群が引き寄せるのは 60 00:08:13,078 --> 00:08:16,957 全長2メートルの ヘスペロルニス 61 00:08:33,347 --> 00:08:35,892 飛ぶことはできませんが 62 00:08:36,017 --> 00:08:39,895 海洋生活には 見事に適応していました 63 00:08:56,830 --> 00:09:01,668 大きく力強い足を使い 水中で素早く動きます 64 00:09:03,461 --> 00:09:06,840 一度 捕らえた魚は 決して逃しません 65 00:09:07,007 --> 00:09:11,386 鋭い歯の並ぶくちばしで がっちり挟みます 66 00:09:25,066 --> 00:09:29,321 しかし 長くは獲物を 独占できません 67 00:09:31,865 --> 00:09:35,785 シファクティヌス 通称 Xフィッシュです 68 00:09:37,621 --> 00:09:42,292 獲物に引き寄せられて 大量に集まってきます 69 00:09:47,005 --> 00:09:49,216 全長は5メートル以上 70 00:09:49,382 --> 00:09:53,803 大きさもスピードも 海で上位にいます 71 00:10:07,525 --> 00:10:12,572 大きな口を開けて 一度にいくつもの魚をすくい 72 00:10:12,697 --> 00:10:17,410 自身の半分ほどある獲物も 丸のみします 73 00:10:22,707 --> 00:10:25,835 初めは十分な数の魚がいます 74 00:10:27,629 --> 00:10:29,881 しかし減ってくると 75 00:10:30,006 --> 00:10:33,510 シファクティヌスは 他へ目を向けます 76 00:10:37,138 --> 00:10:40,517 捕食者が 今度は捕食される側に 77 00:10:57,659 --> 00:11:01,246 ヘスペロルニスに 選択肢は1つです 78 00:11:01,997 --> 00:11:04,249 必死で逃げるのみ 79 00:11:22,893 --> 00:11:25,562 速さで勝るシファクティヌス 80 00:11:27,188 --> 00:11:30,400 ヘスペロルニスは 機敏さで勝ります 81 00:11:44,205 --> 00:11:49,836 シファクティヌスにとって 目に入るものは全て獲物です 82 00:11:54,007 --> 00:11:57,052 たとえ自分と同種であっても 83 00:12:05,518 --> 00:12:09,648 わずか数分で 宴うたげは終わりました 84 00:12:11,691 --> 00:12:14,319 捕食者たちも移動します 85 00:12:24,663 --> 00:12:29,042 海で危険な存在は ハンターだけではありません 86 00:12:29,167 --> 00:12:32,045 海そのものが危険です 87 00:12:42,931 --> 00:12:46,059 太古のヨーロッパの島々では 88 00:12:46,393 --> 00:12:50,855 潮の干満が 生き物に試練を与えます 89 00:12:54,109 --> 00:12:57,571 特に極小の生き物に対して 90 00:13:11,543 --> 00:13:14,796 アンモナイトの卵です 91 00:13:16,089 --> 00:13:17,924 数千はあります 92 00:13:23,305 --> 00:13:26,141 卵は海岸へ向けて流されます 93 00:13:30,061 --> 00:13:31,813 そして潮だまりへ 94 00:13:41,281 --> 00:13:46,036 この場所なら 危険を避けて成長できます 95 00:13:49,789 --> 00:13:54,044 卵は非常に小さく わずか2センチほど 96 00:13:57,714 --> 00:14:01,968 いよいよ 卵がかえる時が来ました 97 00:14:12,562 --> 00:14:15,440 アンモナイトには 推進力があります 98 00:14:15,941 --> 00:14:19,569 しかし技の習得は 簡単ではありません 99 00:14:29,287 --> 00:14:33,959 卵の間は この潮だまりで 保護されてきました 100 00:14:34,834 --> 00:14:39,881 しかし 潮が引くと ここは孤立してしまいます 101 00:14:46,930 --> 00:14:49,808 脱出できる生き物もいます 102 00:14:54,229 --> 00:14:56,273 無力なアンモナイトには 103 00:14:56,523 --> 00:15:00,110 安全なはずの場所が 突如 死のわなに 104 00:15:07,534 --> 00:15:13,248 真昼の日差しの下 潮だまりの水が蒸発し始めます 105 00:15:15,208 --> 00:15:19,296 干上がれば アンモナイトは全滅です 106 00:15:23,967 --> 00:15:26,344 しかし 望みはあります 107 00:15:27,262 --> 00:15:30,390 赤ちゃんたちが 驚きの技を見せます 108 00:15:31,808 --> 00:15:34,269 各々が助かろうとして–– 109 00:15:34,811 --> 00:15:36,730 互いに押し合います 110 00:15:39,524 --> 00:15:43,445 力を合わせ 一体となって動き出しました 111 00:15:46,573 --> 00:15:50,952 この“生きた潮流”に 各々が運ばれます 112 00:15:52,203 --> 00:15:55,874 後方から押されるように 岩の上へ 113 00:16:00,795 --> 00:16:05,008 やがて水深のある場所に たどり着きます 114 00:16:09,137 --> 00:16:13,058 あとは潮が満ちるのを 待つだけです 115 00:16:42,712 --> 00:16:45,215 しかし助かるのは一部 116 00:16:49,427 --> 00:16:52,097 無数の死骸が残りました 117 00:16:57,686 --> 00:17:03,149 ピロラプトルの赤ちゃんたちの 食料となります 118 00:17:13,368 --> 00:17:18,622 生き残った個体は 海流によって遠くへ運ばれます 119 00:17:23,335 --> 00:17:29,426 陸からはるか遠くに離れても まだ太平洋の真ん中です 120 00:17:31,428 --> 00:17:35,056 このような巨大な環礁と 内側の礁湖は 121 00:17:35,307 --> 00:17:39,227 数千キロの範囲で 唯一の避難所です 122 00:17:46,151 --> 00:17:49,404 この珍しい場所で トゥアランギサウルス–– 123 00:17:49,571 --> 00:17:53,074 エラスモサウルスの一種が くつろいでいます 124 00:18:04,252 --> 00:18:08,798 しかし環礁の外には 別世界が広がっています 125 00:18:13,720 --> 00:18:19,100 トゥアランギサウルスは危険を 冒し 毎日深海へ潜ります 126 00:18:24,105 --> 00:18:26,107 環礁の細い切れ目が 127 00:18:26,233 --> 00:18:30,487 外海の豊かなエサ場へ つながっているのです 128 00:18:34,699 --> 00:18:39,412 そして 深い海には トゥアランギサウルスを狙い 129 00:18:39,663 --> 00:18:42,582 ハンターもやってきます 130 00:18:49,256 --> 00:18:51,675 海で最大の生き物 131 00:18:55,679 --> 00:18:59,015 全長15メートルの モササウルスです 132 00:19:13,947 --> 00:19:16,866 海底から 栄養分が湧きあがり–– 133 00:19:17,534 --> 00:19:20,328 深い海では魚がよく育ちます 134 00:19:25,584 --> 00:19:29,629 流線形の体と 4枚の強力なヒレを使い 135 00:19:29,754 --> 00:19:33,216 自在に泳ぎ回る トゥアランギサウルス 136 00:19:38,930 --> 00:19:43,560 しかし採餌さいじは毎日のことで 動きは予測できます 137 00:19:44,311 --> 00:19:47,939 賢く忍耐強いハンターには 138 00:20:00,619 --> 00:20:05,081 モササウルスは待ち伏せをして 奇襲をかけます 139 00:20:09,336 --> 00:20:12,923 大きな尾を使って 推進力を生み 140 00:20:13,048 --> 00:20:16,384 驚異的な速さで加速します 141 00:20:29,105 --> 00:20:31,816 今回はツイていませんでした 142 00:20:41,451 --> 00:20:44,537 実際 狩りの大半は失敗します 143 00:20:47,165 --> 00:20:50,293 しかし ここには トゥアランギサウルスが多く 144 00:20:50,418 --> 00:20:54,381 チャンスは すぐにめぐってきます 145 00:21:10,689 --> 00:21:17,487 暗い海底と同化して身を隠し ひそかに近づくモササウルス 146 00:21:19,781 --> 00:21:24,619 若く未熟な個体が現れるのを 待っていると 147 00:21:24,744 --> 00:21:27,205 格好の獲物が来ます 148 00:21:50,312 --> 00:21:52,439 モササウルスの一撃には 149 00:21:52,564 --> 00:21:56,568 それだけで獲物を殺せる 威力があります 150 00:21:58,320 --> 00:22:00,488 非常に素早い攻撃で 151 00:22:00,864 --> 00:22:05,035 トゥアランギサウルスは 気づきもしなかったでしょう 152 00:22:09,873 --> 00:22:13,335 海で生きていくには 危険が付き物 153 00:22:14,628 --> 00:22:17,380 そして その要因も様々です 154 00:22:19,216 --> 00:22:22,302 潮だまりを出たアンモナイトは 155 00:22:22,427 --> 00:22:27,015 海に出て数か月で 100分の1以下に減りました 156 00:22:29,768 --> 00:22:33,063 しかし 残った者たちは幸運でした 157 00:22:34,231 --> 00:22:39,069 海流が理想的な生息場所に 運んでくれました 158 00:22:40,278 --> 00:22:43,698 ヨーロッパ沖合の藻場もばです 159 00:22:53,500 --> 00:22:59,381 ここには いろいろな大きさの アンモナイトの群れがいます 160 00:23:00,549 --> 00:23:02,008 形も様々です 161 00:23:24,197 --> 00:23:28,785 こちらは2メートル近くある バキュリテス 162 00:23:29,077 --> 00:23:31,705 海底近くをエサ場とします 163 00:23:39,129 --> 00:23:44,009 そして ほぼ同じ大きさの ディプロモセラス 164 00:23:44,134 --> 00:23:46,928 形は大きなクリップのようです 165 00:23:54,352 --> 00:23:59,524 食料が豊富にあるため どの種も繁栄しています 166 00:24:01,985 --> 00:24:04,946 プランクトン 小型の甲殻類 167 00:24:05,947 --> 00:24:08,450 魚類を食べるものも 168 00:24:19,628 --> 00:24:20,837 この子たちは 169 00:24:20,962 --> 00:24:26,551 成体に見られる奇妙な形を 既に獲得しつつあります 170 00:24:28,511 --> 00:24:33,683 突き出た らせん状の殻は ノストセラスの特徴です 171 00:24:39,731 --> 00:24:42,901 こちらが成長したノストセラス 172 00:24:44,236 --> 00:24:47,906 より深い場所の海底を 好みます 173 00:25:10,554 --> 00:25:14,140 アンモナイトは このような太古の海で 174 00:25:14,266 --> 00:25:17,978 4億年にわたり 繁栄してきました 175 00:25:24,651 --> 00:25:27,237 その種類は数千に上ります 176 00:25:36,997 --> 00:25:41,835 地球の歴史上 最も繁栄した 生き物の1つです 177 00:25:44,504 --> 00:25:48,008 温かで穏やかな海だけではなく 178 00:25:48,258 --> 00:25:51,803 極地の冷たい海でも 繁栄しました 179 00:25:57,767 --> 00:26:03,356 例えばここ 南極大陸周辺の 凍った海でも 180 00:26:13,074 --> 00:26:15,785 暗闇に包まれる冬が終わり 181 00:26:15,911 --> 00:26:19,331 低く差し込む日光が 氷を溶かします 182 00:26:21,124 --> 00:26:26,296 通り道ができ 春の訪問者がやってきました 183 00:26:30,425 --> 00:26:31,843 モルトゥルネリア 184 00:26:31,968 --> 00:26:34,721 風変わりな エラスモサウルス類です 185 00:26:36,306 --> 00:26:39,976 温血性で 厚い脂肪層を持ち 186 00:26:40,101 --> 00:26:43,271 体内の温度を維持できます 187 00:26:48,068 --> 00:26:52,364 謎が多く 定義づけの難しい生き物です 188 00:26:56,117 --> 00:27:01,498 この群れは南米の海から 3000キロ以上回遊し 189 00:27:02,749 --> 00:27:06,127 春の南極の海にやってきました 190 00:27:09,297 --> 00:27:14,761 今年生まれた子供たちは 初めて海氷に遭遇します 191 00:27:17,931 --> 00:27:21,560 空気呼吸の爬虫はちゅう類には 危険な障害物 192 00:27:26,773 --> 00:27:31,111 氷の隙間からしか 呼吸できないからです 193 00:27:33,154 --> 00:27:36,741 大人たちが 慎重に氷の隙間へ導き 194 00:27:36,992 --> 00:27:39,786 子供たちがついていきます 195 00:27:54,342 --> 00:27:57,679 この冷たい海に 生息しているのは 196 00:27:57,804 --> 00:28:00,765 モルトゥルネリアの好物です 197 00:28:03,810 --> 00:28:08,982 極地の海の泥には 小さな生き物がたくさんいます 198 00:28:14,487 --> 00:28:19,784 海底には30センチ四方に 数百の生き物がいることも 199 00:28:26,124 --> 00:28:31,213 大変なのが べたつく泥から 食料を取り出すこと 200 00:28:34,049 --> 00:28:37,219 しかし 見事な解決策があります 201 00:28:39,012 --> 00:28:43,934 口いっぱい泥ごとすくい 部分的にあごを閉じ... 202 00:28:45,310 --> 00:28:49,856 ふるいにかけるように 食べ物をより分けます 203 00:28:54,569 --> 00:29:00,408 ふるいのように進化した歯を 持つ 唯一の生き物です 204 00:29:31,273 --> 00:29:34,734 モルトゥルネリアは 夏の間 ここで採餌し 205 00:29:34,859 --> 00:29:39,114 南極圏の海が再び凍る前に 去っていきます 206 00:29:51,167 --> 00:29:55,630 温かな海では 別の試練が待っているはずです 207 00:29:58,258 --> 00:30:03,722 しかし機知に富んだ生き物は 策を見いだすことでしょう 208 00:30:04,389 --> 00:30:08,852 太古の地球に広がる大海原で 209 00:30:18,820 --> 00:30:24,534 大海の恐竜たち:発覚 210 00:30:24,659 --> 00:30:28,413 {\an8}モササウルスの速さは どのくらいだったのか? 211 00:30:29,289 --> 00:30:34,294 太古の地球では 陸は恐竜に支配されていました 212 00:30:34,628 --> 00:30:38,882 しかし海の支配者は 別の爬虫類でした 213 00:30:39,007 --> 00:30:40,675 モササウルスです 214 00:30:40,800 --> 00:30:43,929 これは その一種の頭骨です 215 00:30:49,476 --> 00:30:53,355 モササウルスは 海生の爬虫類です 216 00:30:53,521 --> 00:30:57,359 {\an8}とてつもなく大きく 泳ぎの得意な— 217 00:30:53,521 --> 00:30:59,945 カリフォルニア 大学 マイケル・ハビブ 218 00:30:57,484 --> 00:30:59,945 {\an8}クジラ大の コモドドラゴンです 219 00:31:01,196 --> 00:31:03,907 とがった鼻先に 粗い皮膚 220 00:31:04,032 --> 00:31:06,618 四肢の代わりに4枚のヒレ 221 00:31:06,743 --> 00:31:10,330 サメの尾ビレに似た 尾がありますが 222 00:31:10,455 --> 00:31:12,374 上下の形が反対です 223 00:31:12,958 --> 00:31:14,834 それがモササウルスです 224 00:31:19,297 --> 00:31:22,926 最大の種は モササウルス・ホフマニ 225 00:31:24,928 --> 00:31:27,305 奇襲攻撃が得意ですが 226 00:31:27,806 --> 00:31:31,059 成功の秘密は 何だったのでしょう 227 00:31:34,354 --> 00:31:37,816 {\an8}動かず じっとした状態から 228 00:31:35,772 --> 00:31:37,816 南カリフォルニア 大学 229 00:31:37,941 --> 00:31:40,485 {\an8}ものすごい速さで 動けます キルステン・ フォルモ—ゾ 230 00:31:41,653 --> 00:31:45,907 現代ではワニなどの爬虫類に 見られます 231 00:31:54,291 --> 00:31:58,837 一瞬で爆発的な力を生む 筋肉を持っています 232 00:32:02,048 --> 00:32:07,679 モササウルスも爬虫類なので 筋肉の質は似ていたのでしょう 233 00:32:11,725 --> 00:32:18,189 モササウルスには 奇襲攻撃に 向いた特性が他にもありました 234 00:32:19,316 --> 00:32:25,238 素早く泳ぎ出すには 特別な瞬発力が必要です 235 00:32:25,363 --> 00:32:28,366 短距離走では 器具を使いますが 236 00:32:28,533 --> 00:32:33,872 水中で効果的なのは 体をC字形にしたスタートです 237 00:32:34,331 --> 00:32:36,917 体の側面で水を押すのです 238 00:32:37,876 --> 00:32:40,670 現代の魚にも見られます 239 00:32:41,296 --> 00:32:42,964 “Cスタート”です 240 00:32:43,423 --> 00:32:47,636 {\an8}静止状態から 最高速度までの加速を 241 00:32:43,423 --> 00:32:49,387 速度 変化 速度計 242 00:32:47,761 --> 00:32:49,387 {\an8}一瞬でします 243 00:32:50,472 --> 00:32:53,808 モササウルスも これができたようです 244 00:32:54,059 --> 00:32:55,936 桁違いの速さでね 245 00:33:02,067 --> 00:33:04,361 実際 どの程度の速さで 246 00:33:04,486 --> 00:33:08,907 モササウルス・ホフマニは 泳げたのでしょうか 247 00:33:09,658 --> 00:33:12,702 当番組では その答えを出すため 248 00:33:12,827 --> 00:33:16,498 独自の科学的研究を 行いました 249 00:33:18,917 --> 00:33:21,628 具体的な性能の推測は 250 00:33:21,753 --> 00:33:25,799 最近まで 誰も試みていませんでした 251 00:33:25,924 --> 00:33:31,388 そこで 具体的な数字で 表すことに挑戦したのです 252 00:33:32,055 --> 00:33:35,684 すると 驚きの結果が出ました 253 00:33:36,518 --> 00:33:39,229 {\an8}全長 13メ—トル 254 00:33:38,395 --> 00:33:43,400 正しい数値を出すため 計算は4回 行われます 255 00:33:39,354 --> 00:33:41,982 {\an8}12トン 256 00:33:42,691 --> 00:33:45,193 {\an8}尾ビレの長さ 257 00:33:45,318 --> 00:33:49,281 {\an8}異なる4回の計算で 同じ結果が出ました 258 00:33:50,323 --> 00:33:54,035 爆発的な加速力が 確認できたのです 259 00:34:11,845 --> 00:34:17,934 おそらく全長の75%の距離を 1秒で移動できたはずです 260 00:34:18,727 --> 00:34:23,315 つまり モササウルスは 17メートル離れた場所から 261 00:34:23,440 --> 00:34:26,818 1秒で75% 距離を詰めるのです 262 00:34:26,943 --> 00:34:31,197 2秒後には獲物をくわえて 通過しています 263 00:34:33,617 --> 00:34:35,702 モササウルスの体当たりは 264 00:34:35,827 --> 00:34:39,831 大型トラックの 衝突に匹敵します 265 00:34:40,081 --> 00:34:42,499 体当たりの衝撃だけで 266 00:34:42,626 --> 00:34:48,340 獲物はかみつかれる前に 死んでしまっているでしょう 267 00:34:52,344 --> 00:34:57,015 モササウルスは1秒で 時速50キロまで加速します 268 00:35:00,810 --> 00:35:03,188 これこそがモササウルスを 269 00:35:03,355 --> 00:35:07,525 究極の海の捕食者たらしめた ゆえんです 270 00:37:49,396 --> 00:37:52,232 日本語字幕 田宮 真実