1 00:00:06,661 --> 00:00:10,021 ‎NETFLIX オリジナルドキュメンタリー 2 00:00:24,501 --> 00:00:29,261 ‎地球には数百万種の生物が ‎生息しています 3 00:00:33,581 --> 00:00:37,181 ‎地球外にも ‎生物はいるのでしょうか? 4 00:00:42,301 --> 00:00:45,701 ‎太陽系の外でも ‎数千もの惑星が 5 00:00:45,781 --> 00:00:47,781 ‎発見されています 6 00:00:50,661 --> 00:00:53,821 ‎さらに数兆あると ‎考えられています 7 00:00:56,901 --> 00:01:00,301 ‎わずか一部にでも ‎生物がいれば 8 00:01:01,541 --> 00:01:06,301 ‎宇宙は生命に満ちていると ‎言えるでしょう 9 00:01:16,261 --> 00:01:19,581 ‎どんな生物も ‎求めるものは同じ 10 00:01:22,341 --> 00:01:23,621 ‎食べ物と… 11 00:01:30,221 --> 00:01:31,541 ‎繁殖と… 12 00:01:36,261 --> 00:01:37,461 ‎進化です 13 00:01:41,061 --> 00:01:46,141 ‎地球上の生命の法則を ‎宇宙にも応用すれば‎― 14 00:01:48,061 --> 00:01:51,861 ‎想像することができます 15 00:01:53,261 --> 00:01:55,541 ‎地球外生物の世界を 16 00:02:17,221 --> 00:02:22,501 ‎アメリカ カリフォルニア州 ‎リック天文台 17 00:02:29,541 --> 00:02:35,701 ‎太陽系の外にある惑星は ‎太陽系外惑星と呼ばれます 18 00:02:38,461 --> 00:02:42,101 ‎どれも地球から ‎何光年も離れた場所です 19 00:02:45,661 --> 00:02:51,061 ‎それでも 系外惑星が ‎周回している恒星の光から 20 00:02:52,221 --> 00:02:55,061 ‎生命の痕跡を ‎探知できる可能性が 21 00:02:57,461 --> 00:03:01,501 恒星が発している 異なる色の光を― 22 00:03:01,501 --> 00:03:01,781 恒星が発している 異なる色の光を― ナタリー・バターリャ 天体物理学者 23 00:03:01,781 --> 00:03:02,141 ナタリー・バターリャ 天体物理学者 24 00:03:02,141 --> 00:03:06,181 ナタリー・バターリャ 天体物理学者 望遠鏡で捉えて 分光器で虹色に分けます 25 00:03:06,181 --> 00:03:09,061 望遠鏡で捉えて 分光器で虹色に分けます 26 00:03:09,261 --> 00:03:13,861 詳細に調べると 恒星の大気に含まれる― 27 00:03:13,941 --> 00:03:17,341 化学物質の痕跡を 発見できるのです 28 00:03:18,981 --> 00:03:23,261 ‎12光年ほど離れた ‎くじら座タウ星の光を 29 00:03:23,341 --> 00:03:26,421 ‎望遠鏡で捉えて分光しました 30 00:03:27,141 --> 00:03:31,901 ‎この黒い線は大気中の水素を ‎表しています 31 00:03:32,261 --> 00:03:36,261 ‎この特徴的な3本線は ‎マグネシウム 32 00:03:37,061 --> 00:03:39,461 ‎これは恒星の大気です 33 00:03:39,781 --> 00:03:45,101 ‎系外惑星の大気を通った光に ‎これを応用すれば 34 00:03:45,181 --> 00:03:49,261 ‎惑星の大気中の物質を ‎検知できます 35 00:03:52,581 --> 00:03:58,421 ‎2012年には太陽系でも ‎惑星の大気が観察されました 36 00:04:03,341 --> 00:04:08,501 ‎金星が太陽面を通過し ‎輪郭が映し出されました 37 00:04:13,101 --> 00:04:16,461 ‎一瞬だけ現れた細い光の輪が 38 00:04:16,581 --> 00:04:18,741 ‎金星の大気です 39 00:04:21,661 --> 00:04:25,501 ‎天文学者が探しているのは ‎この光です 40 00:04:30,461 --> 00:04:34,821 ‎恒星の光を受けた ‎系外惑星の大気を分析すれば 41 00:04:36,261 --> 00:04:43,021 ‎そこに生物が存在する証拠を ‎見つけられるかもしれません 42 00:04:56,141 --> 00:05:00,861 ‎何をもって生物が存在すると ‎言えるのか 43 00:05:01,901 --> 00:05:05,141 ‎何光年も先から検出できて 44 00:05:05,541 --> 00:05:08,821 ‎生命に関係の深い物質とは ‎何か? 45 00:05:11,061 --> 00:05:13,941 ‎毎回 同じ結論に至ります 46 00:05:16,261 --> 00:05:17,261 ‎酸素です 47 00:05:23,901 --> 00:05:29,021 ‎大気中の酸素の50〜70%は ‎海から生じます 48 00:05:30,621 --> 00:05:32,901 ‎まさに地球の肺です 49 00:05:38,261 --> 00:05:42,581 ‎海中のコンブも陸地の森林も 50 00:05:42,661 --> 00:05:45,661 ‎同じ働きによって育ちます 51 00:05:46,501 --> 00:05:48,021 ‎光合成です 52 00:05:52,541 --> 00:05:55,461 ‎光合成の面白いところは 53 00:05:55,541 --> 00:06:00,701 ‎排出物として 大気中に ‎酸素を放出する点です 54 00:06:07,981 --> 00:06:13,661 ‎地球の大気中の酸素は ‎ほぼすべて光合成によって 55 00:06:13,941 --> 00:06:16,661 ‎生物が作ったと考えています 56 00:06:19,861 --> 00:06:22,581 ‎惑星に酸素が豊富にあれば 57 00:06:22,661 --> 00:06:25,181 ‎生命が存在するのです 58 00:06:35,741 --> 00:06:38,501 ‎無数にある惑星の中でも 59 00:06:39,621 --> 00:06:44,501 ‎酸素がある惑星は生命存在の ‎可能性が高まります 60 00:06:51,501 --> 00:06:55,261 ‎地球に似た惑星を ‎想像してみましょう 61 00:06:55,341 --> 00:06:59,501 ‎ただし この惑星は ‎2つの恒星を周回しています 62 00:07:07,141 --> 00:07:08,941 ‎惑星エデンです 63 00:07:19,461 --> 00:07:25,221 ‎2つの恒星から差し込む光で ‎盛んに行われる光合成 64 00:07:29,261 --> 00:07:32,261 ‎大気中に酸素が放出され‎― 65 00:07:34,421 --> 00:07:36,941 ‎生命が花開いています 66 00:07:45,901 --> 00:07:49,261 ‎地上でキノコを食べる ‎草食生物は‎― 67 00:07:51,141 --> 00:07:53,941 ‎決して警戒を緩めません 68 00:08:00,861 --> 00:08:04,381 ‎樹上には捕食者が ‎住んでいます 69 00:08:07,181 --> 00:08:10,701 ‎樹上の生活に合わせ ‎進化しました 70 00:08:19,781 --> 00:08:22,661 ‎攻撃のチャンスを ‎待っています 71 00:08:34,221 --> 00:08:39,221 ‎地上では 逃げ足の速い ‎草食種に利があります 72 00:08:45,861 --> 00:08:49,021 ‎しかし 捕食者には必殺技が 73 00:09:02,461 --> 00:09:05,061 ‎今回は逃げきりました 74 00:09:06,141 --> 00:09:09,461 ‎捕食者は体力を温存します 75 00:09:21,421 --> 00:09:25,301 ‎どの惑星でも ‎エネルギーは貴重です 76 00:09:28,981 --> 00:09:32,861 ‎恒星の光は無尽蔵な ‎エネルギー源ですが‎― 77 00:09:33,501 --> 00:09:37,781 ‎光から生命を生むのは ‎簡単ではありません 78 00:09:43,741 --> 00:09:46,021 ‎ここは熱帯雨林です 79 00:09:49,181 --> 00:09:54,461 ‎地球上で最も豊富な種類の ‎動植物が見られます 80 00:10:01,141 --> 00:10:06,541 ‎コロンビア ‎ベルデ・イ・アグア公園 81 00:10:08,661 --> 00:10:11,341 アレハンドロ・ リコ・ゲバラ 進化生物学者 草木は 降り注ぐ太陽光を 82 00:10:11,341 --> 00:10:11,461 アレハンドロ・ リコ・ゲバラ 進化生物学者 83 00:10:11,461 --> 00:10:12,981 アレハンドロ・ リコ・ゲバラ 進化生物学者 光合成によって ブドウ糖に変換します 84 00:10:12,981 --> 00:10:16,061 光合成によって ブドウ糖に変換します 85 00:10:16,141 --> 00:10:17,581 その糖分を 86 00:10:17,661 --> 00:10:21,341 実際に味わうことも できます 87 00:10:28,341 --> 00:10:30,981 ‎太陽エネルギーの味です 88 00:10:34,461 --> 00:10:36,821 ‎植物は電池のように 89 00:10:38,261 --> 00:10:41,861 ‎太陽エネルギーを ‎糖として蓄えます 90 00:10:43,621 --> 00:10:46,021 ‎それを草食種が食べて 91 00:10:46,901 --> 00:10:49,341 ‎肉食種の餌となります 92 00:10:52,021 --> 00:10:54,301 ‎すべての食物連鎖は 93 00:10:54,981 --> 00:10:58,821 ‎光合成で生まれた ‎糖から始まるのです 94 00:11:02,221 --> 00:11:03,541 ‎この森には 95 00:11:03,981 --> 00:11:07,301 ‎甘いものに目がない ‎動物がいます 96 00:11:10,461 --> 00:11:11,981 ‎ハチドリです 97 00:11:13,941 --> 00:11:17,501 ‎ハチドリの羽ばたきは ‎毎秒100回以上 98 00:11:23,261 --> 00:11:27,781 ‎空中にとどまるだけで ‎膨大なエネルギーを使います 99 00:11:34,341 --> 00:11:36,181 ‎彼らの動力源は 100 00:11:37,541 --> 00:11:40,341 ‎ブドウ糖が豊富な花の蜜です 101 00:11:43,781 --> 00:11:48,421 ‎この装置は 表側からだと ‎花に見えるので 102 00:11:48,501 --> 00:11:51,621 ‎ハチドリが蜜を吸いにきます 103 00:11:58,661 --> 00:12:00,301 ‎1羽 来ました 104 00:12:01,421 --> 00:12:03,901 ‎ためらっていますね 105 00:12:06,501 --> 00:12:08,821 ‎吸い始めました 106 00:12:12,141 --> 00:12:15,861 ‎装置では ‎吸った蜜と酸素の量を 107 00:12:16,301 --> 00:12:18,621 ‎計測しています 108 00:12:21,261 --> 00:12:26,301 ‎蜜の摂取量と ‎酸素の消費量を計算すると 109 00:12:26,381 --> 00:12:30,461 ‎鳥のエネルギー消費量が ‎正確に分かるのです 110 00:12:34,061 --> 00:12:39,541 ‎ホバリング中のハチドリが ‎酸素を消費するペースは 111 00:12:40,461 --> 00:12:44,101 ‎五輪の短距離ランナーの ‎実に10倍 112 00:12:47,861 --> 00:12:53,621 ‎細胞に酸素を取り込むほど ‎糖を素早く燃焼できます 113 00:12:54,941 --> 00:12:57,301 ‎内なる力の解放です 114 00:13:05,261 --> 00:13:10,141 ‎地球の大気の21%を占める ‎酸素が‎― 115 00:13:12,421 --> 00:13:16,061 ‎生物に多様性を ‎もたらしているのです 116 00:13:24,581 --> 00:13:27,141 ‎大気中の酸素 117 00:13:30,661 --> 00:13:35,301 ‎惑星エデンの酸素量は ‎地球の1.1倍です 118 00:13:38,821 --> 00:13:42,381 ‎そのため 地球以上に ‎生物も多様で‎― 119 00:13:45,141 --> 00:13:46,581 ‎活動的です 120 00:13:49,621 --> 00:13:51,621 ‎競争力もあります 121 00:14:05,541 --> 00:14:08,861 ‎夏は草食種の繁殖期です 122 00:14:16,381 --> 00:14:21,181 ‎常に天敵に狙われては ‎異性を探す暇はありません 123 00:14:23,061 --> 00:14:26,781 ‎そこで ミミズのような卵を ‎産みます 124 00:14:29,261 --> 00:14:31,541 ‎別の卵と融合して‎― 125 00:14:32,381 --> 00:14:34,221 ‎胚を作るのです 126 00:14:40,181 --> 00:14:43,621 ‎そして 繭を作り ‎身を守ります 127 00:14:56,581 --> 00:15:00,821 ‎宙づりになることで ‎胚は無事に育つのです 128 00:15:01,701 --> 00:15:03,941 ‎天敵にも襲われません 129 00:15:19,741 --> 00:15:24,381 ‎地球でも 死の脅威は ‎生物が進化する上で 130 00:15:24,741 --> 00:15:27,061 ‎大きな要因になります 131 00:15:30,741 --> 00:15:32,261 捕食される危険を 冒さない生物など 132 00:15:32,261 --> 00:15:34,741 捕食される危険を 冒さない生物など デヴィッド・ レズニック 進化生物学者 133 00:15:34,741 --> 00:15:34,821 デヴィッド・ レズニック 進化生物学者 134 00:15:34,821 --> 00:15:36,901 デヴィッド・ レズニック 進化生物学者 存在しません 135 00:15:36,901 --> 00:15:37,181 デヴィッド・ レズニック 進化生物学者 136 00:15:39,221 --> 00:15:43,981 ‎捕食が繁殖に与える影響に ‎興味があります 137 00:15:46,821 --> 00:15:52,781 ‎トリニダード島 アリマ渓谷 138 00:15:54,341 --> 00:15:56,421 ‎網にかかるはずだ 139 00:15:58,941 --> 00:16:02,941 ‎この川はグッピーの調査には ‎最適です 140 00:16:04,141 --> 00:16:06,581 ‎繁殖パターンの調査にも 141 00:16:07,941 --> 00:16:10,141 ‎もう1匹 雄がいる 142 00:16:12,501 --> 00:16:14,501 ‎住みよい場所です 143 00:16:14,621 --> 00:16:17,661 ‎グッピーの他に ‎魚は1種類だけ 144 00:16:17,781 --> 00:16:21,941 ‎食べられる心配も ‎ほぼ ありません 145 00:16:22,421 --> 00:16:27,101 ‎捕食される危険を冒さずに ‎泳ぎ回れます 146 00:16:28,821 --> 00:16:30,781 ‎よし かかったぞ 147 00:16:32,701 --> 00:16:35,861 ‎稚魚を5匹捕まえました 148 00:16:36,741 --> 00:16:40,741 ‎グッピーの稚魚にしては ‎かなり大きい 149 00:16:43,781 --> 00:16:48,541 ‎ここでは少ない稚魚に ‎多くをつぎ込みます 150 00:16:51,821 --> 00:16:54,981 ‎下流では そうはいきません 151 00:16:57,541 --> 00:16:58,541 ‎見てくれ 152 00:17:00,261 --> 00:17:01,021 ‎すごい 153 00:17:06,340 --> 00:17:10,860 ‎この岩は川を分断する ‎天然の障壁です 154 00:17:15,541 --> 00:17:18,421 ‎その下には ‎危険が潜んでいます 155 00:17:21,261 --> 00:17:23,461 ここのグッピーは 156 00:17:23,541 --> 00:17:24,620 逃亡者のような生活を しています 157 00:17:24,620 --> 00:17:27,301 逃亡者のような生活を しています マーク・シャラン 進化生物学者 158 00:17:27,380 --> 00:17:29,821 ‎ここに泳ぎ出たら‎― 159 00:17:31,381 --> 00:17:33,101 ‎1秒と もたない 160 00:17:35,981 --> 00:17:41,181 ‎グッピーの唯一の自衛手段は ‎子孫をたくさん産むこと 161 00:17:42,141 --> 00:17:45,661 ‎一部でも生き残れば ‎いいのです 162 00:17:49,581 --> 00:17:54,181 ‎天敵がいない上流の ‎稚魚2匹と‎― 163 00:17:54,261 --> 00:17:57,661 ‎天敵がいる下流の ‎稚魚4匹です 164 00:17:57,741 --> 00:18:04,501 ‎下流で捕まえた稚魚のほうが ‎ずっと小さいのが分かります 165 00:18:07,541 --> 00:18:11,341 ‎母親の長生きは ‎見込めないので‎― 166 00:18:12,181 --> 00:18:15,981 ‎稚魚を多く産むことが ‎最大の防御です 167 00:18:19,581 --> 00:18:23,701 ‎グッピーは2種類の繁殖法を ‎進化させました 168 00:18:25,181 --> 00:18:30,941 ‎大きな稚魚を数匹産むか ‎小さい稚魚を多く産むかです 169 00:18:34,661 --> 00:18:38,941 ‎それを決定づけるのは ‎天敵の脅威です 170 00:18:45,261 --> 00:18:49,661 ‎天敵がいる環境では ‎のんびり生きられません 171 00:18:50,341 --> 00:18:54,901 ‎必死で子孫を残さないと ‎絶滅するからです 172 00:19:01,461 --> 00:19:03,781 ‎こうした生存戦略は 173 00:19:03,861 --> 00:19:08,821 ‎捕食関係がある惑星なら ‎どこでも見られるでしょう 174 00:19:18,061 --> 00:19:22,061 ‎エデンの草食種は ‎素早く繁殖します 175 00:19:25,741 --> 00:19:29,901 ‎短時間で 少しでも ‎多くの子孫を残し‎― 176 00:19:32,741 --> 00:19:36,021 ‎種を確実に存続させるのです 177 00:19:47,421 --> 00:19:51,101 ‎でも 絶対に安全な場所など ‎ありません 178 00:19:56,341 --> 00:20:00,981 ‎夏が終わると キノコは ‎オレンジ色の実を付け‎― 179 00:20:02,781 --> 00:20:04,781 ‎草食種を誘います 180 00:20:10,261 --> 00:20:14,021 ‎実の中には ‎感染症を広める胞子が 181 00:20:28,941 --> 00:20:30,741 ‎天敵が来ても‎― 182 00:20:32,061 --> 00:20:35,061 ‎感染した草食種は逃げません 183 00:20:35,541 --> 00:20:38,021 ‎恐怖本能を失ったのです 184 00:20:52,221 --> 00:20:54,221 ‎狩りは楽でしたが 185 00:20:55,821 --> 00:20:57,341 ‎毒入りでした 186 00:21:05,061 --> 00:21:07,981 ‎キノコは草食種を介して 187 00:21:08,061 --> 00:21:11,381 ‎肉食種を感染させ ‎殺したのです 188 00:21:19,861 --> 00:21:25,701 ‎タンザニア 大地溝帯 189 00:21:28,621 --> 00:21:33,981 ‎異種間の複雑な関係は ‎地球でも見られます 190 00:21:36,941 --> 00:21:39,381 ‎殺し合いとは限りません 191 00:21:44,221 --> 00:21:48,821 ‎ハッザ族は この地で暮らす ‎狩猟採集民族です 192 00:21:50,781 --> 00:21:52,901 ‎〈僕はパランゴ〉 193 00:21:56,221 --> 00:21:57,421 ‎〈狩りをするのが ‎僕たち男の仕事だ〉 194 00:21:57,421 --> 00:22:01,261 ‎〈狩りをするのが ‎僕たち男の仕事だ〉 195 00:21:57,421 --> 00:22:01,261 パランゴ ハンター 196 00:22:01,261 --> 00:22:01,661 パランゴ ハンター 197 00:22:03,141 --> 00:22:07,381 ‎〈常に弓矢を持ち歩いてる〉 198 00:22:08,341 --> 00:22:11,141 ‎〈身を守るためだ〉 199 00:22:15,101 --> 00:22:16,621 ‎〈茂みは‎―‎〉 200 00:22:17,501 --> 00:22:21,141 ‎〈‎危険な動物だらけなんだ〉 201 00:22:24,141 --> 00:22:28,821 ‎最も珍重されるのは ‎ある高カロリーな食べ物 202 00:22:29,901 --> 00:22:30,901 ‎蜂蜜です 203 00:22:33,501 --> 00:22:36,541 ‎新鮮な蜂蜜は ‎簡単には見つかりません 204 00:22:40,661 --> 00:22:44,661 ‎ハチが季節ごとに ‎巣を移すためです 205 00:22:47,901 --> 00:22:50,461 ‎そこで助っ人の力を借ります 206 00:22:57,701 --> 00:23:01,181 ‎〈ミツオシエは賢い鳥だ〉 207 00:23:02,261 --> 00:23:07,141 ‎〈蜂蜜の在りかへ ‎案内してくれる〉 208 00:23:14,781 --> 00:23:20,901 ‎〈決まった鳴き声で鳴いて ‎僕が口笛で応える〉 209 00:23:29,621 --> 00:23:34,421 ‎〈すると蜂蜜の在りかへ ‎誘導してくれる〉 210 00:23:50,941 --> 00:23:53,861 ‎ミツオシエの名のとおり‎― 211 00:23:54,501 --> 00:23:58,261 ‎ハンターを ‎ハチの巣に導きました 212 00:24:03,461 --> 00:24:07,181 ‎ミツオシエはハンターを ‎ハチの巣に導き 213 00:24:08,701 --> 00:24:12,181 ‎ハンターに蜂蜜を ‎取ってもらうのです 214 00:24:14,021 --> 00:24:17,421 ‎〈ミツオシエはハチの巣へ ‎案内してくれる〉 215 00:24:20,581 --> 00:24:25,941 ‎〈でも ハチは攻撃的だから ‎人間の助けが要る〉 216 00:24:26,381 --> 00:24:30,301 ‎〈バオバブの木に ‎登るのは‎―‎〉 217 00:24:33,741 --> 00:24:39,581 ‎〈とても危険で ‎骨の折れる仕事だ〉 218 00:24:43,981 --> 00:24:46,941 ‎〈落ちたこともある〉 219 00:24:52,501 --> 00:24:58,421 ‎〈ハチを煙で いぶして〉 220 00:24:59,661 --> 00:25:02,661 ‎〈巣から追い出すんだ〉 221 00:25:35,341 --> 00:25:37,781 ‎危険を冒す価値はあります 222 00:25:39,941 --> 00:25:42,461 ‎新鮮で濃厚な蜂蜜です 223 00:25:54,101 --> 00:25:57,061 ‎案内鳥への分け前も ‎忘れません 224 00:26:00,021 --> 00:26:02,341 ‎ウィンウィンの関係です 225 00:26:08,661 --> 00:26:11,861 ‎こうした異種間の ‎複雑な関係は 226 00:26:12,461 --> 00:26:15,261 ‎“共生”として知られます 227 00:26:21,341 --> 00:26:25,861 ‎生態系が豊かなほど ‎その関係も複雑です 228 00:26:37,861 --> 00:26:43,101 ‎エデンでは 三者間で ‎死の共生関係が生まれました 229 00:26:44,621 --> 00:26:46,901 ‎その軸はキノコです 230 00:26:53,421 --> 00:26:56,181 ‎まず草食種に餌を与え‎― 231 00:26:59,381 --> 00:27:01,661 ‎胞子で感染させます 232 00:27:05,261 --> 00:27:08,021 ‎肉食種を毒殺するために 233 00:27:24,541 --> 00:27:29,501 ‎こうして キノコは ‎次の世代を育みます 234 00:27:36,221 --> 00:27:40,461 ‎肉食種の死骸が ‎その糧となるのです 235 00:27:50,101 --> 00:27:54,381 ‎地球の森では ‎キノコなどの菌類が 236 00:27:54,501 --> 00:27:57,061 ‎重要な役割を果たしています 237 00:27:59,341 --> 00:28:01,101 ‎陰の立役者です 238 00:28:04,381 --> 00:28:09,261 ‎スコットランド ‎ロザーマーチャスの森 239 00:28:13,981 --> 00:28:17,861 地球最古の複雑な生物は 昆虫や恐竜だと 240 00:28:17,941 --> 00:28:19,741 思っている人が ほとんどでしょう 241 00:28:19,741 --> 00:28:21,181 思っている人が ほとんどでしょう トム・クラウザー 生態学者 242 00:28:21,181 --> 00:28:21,461 トム・クラウザー 生態学者 243 00:28:21,461 --> 00:28:24,341 トム・クラウザー 生態学者 実は それより はるか昔に― 244 00:28:24,341 --> 00:28:24,781 実は それより はるか昔に― 245 00:28:25,341 --> 00:28:30,621 地球最初の 複雑な 多細胞生物がいました 246 00:28:31,301 --> 00:28:32,261 ‎菌類です 247 00:28:36,741 --> 00:28:40,781 ‎14万種が確認されていますが 248 00:28:41,461 --> 00:28:45,181 ‎実際は その10倍以上 ‎あるでしょう 249 00:28:49,341 --> 00:28:54,701 ‎この森だけでも おそらく ‎数千種の菌類があります 250 00:29:06,701 --> 00:29:10,461 ‎ここにキノコが3つ ‎生えています 251 00:29:10,701 --> 00:29:14,181 ‎森中に点々と ‎生えているのです 252 00:29:14,701 --> 00:29:19,141 ‎驚くことに これは ‎氷山の一角にすぎません 253 00:29:19,701 --> 00:29:25,821 ‎地面の下に広がる ‎細い糸のようなものこそが 254 00:29:25,901 --> 00:29:28,221 ‎キノコの本体なのです 255 00:29:28,301 --> 00:29:33,021 ‎一帯のキノコは この菌糸で ‎つながっています 256 00:29:35,141 --> 00:29:39,901 ‎こうした微小の菌類は ‎時に数十キロ規模で 257 00:29:40,021 --> 00:29:42,421 ‎地中に広がっているのです 258 00:29:43,741 --> 00:29:47,741 ‎菌糸がなければ ‎木は生きられません 259 00:29:47,981 --> 00:29:51,261 ‎木は大気中の炭素を取り込み 260 00:29:51,341 --> 00:29:53,741 ‎菌類に提供します 261 00:29:54,221 --> 00:29:58,501 ‎それに対し 菌類は ‎土中の窒素とリンを 262 00:29:58,581 --> 00:30:00,781 ‎木に与えるのです 263 00:30:01,261 --> 00:30:05,341 ‎両者が得をする ‎共生関係というわけです 264 00:30:11,661 --> 00:30:14,461 ‎菌糸の最も特筆すべき点は 265 00:30:14,541 --> 00:30:18,901 ‎その強固な つながりかも ‎しれません 266 00:30:20,541 --> 00:30:23,501 ‎この木の根に ‎つながる菌糸は 267 00:30:23,581 --> 00:30:26,461 ‎あの木にもつながっています 268 00:30:26,661 --> 00:30:28,021 ‎あの木にも 269 00:30:28,661 --> 00:30:31,661 ‎そのまた周辺の木にも 270 00:30:31,901 --> 00:30:38,101 ‎ひとつながりの菌糸が ‎木から木へ伸びているのです 271 00:30:44,461 --> 00:30:49,181 ‎菌糸のネットワークは ‎情報が流れる‎― 272 00:30:49,781 --> 00:30:52,061 ‎回路網に似ています 273 00:30:54,981 --> 00:30:59,661 ‎菌類は その回路網で ‎森を維持しているのです 274 00:31:02,741 --> 00:31:05,261 ‎枯れそうな木があると 275 00:31:05,381 --> 00:31:08,661 ‎そこへ養分を多めに送ります 276 00:31:08,741 --> 00:31:13,741 ‎その木が回復すれば ‎菌類も元気になるからです 277 00:31:14,141 --> 00:31:17,821 ‎逆に 回路を ‎妨げるものがあれば 278 00:31:18,181 --> 00:31:23,381 ‎養分を奪って ‎被害を最小限に抑えます 279 00:31:25,341 --> 00:31:28,461 ‎生態系の整備工である ‎菌類が 280 00:31:28,541 --> 00:31:33,301 ‎健やかな森を ‎陰で維持しているのです 281 00:31:41,381 --> 00:31:46,581 ‎“ウッド・ワイド・ウェブ”と ‎呼ばれ 冗談のようですが‎― 282 00:31:46,661 --> 00:31:51,661 ‎実際にインターネットの ‎仕組みに似ています 283 00:31:51,821 --> 00:31:55,661 ‎すべての生物を ‎森につないでいるのです 284 00:32:02,701 --> 00:32:04,381 ‎この過程は‎― 285 00:32:04,461 --> 00:32:08,541 ‎地球上の どの生態系でも ‎必ず行われます 286 00:32:12,781 --> 00:32:17,781 ‎地球外の惑星に ‎豊かな生態系があるとしたら 287 00:32:17,901 --> 00:32:23,381 ‎きっと菌糸のような生物に ‎支えられているはずです 288 00:32:36,421 --> 00:32:40,261 ‎エデンの森では ‎菌類と草食種と肉食種が 289 00:32:40,661 --> 00:32:44,941 ‎命を交換し合うことで ‎共生しています 290 00:32:55,581 --> 00:32:59,621 ‎しかし 天体規模の力も ‎働いています 291 00:33:05,741 --> 00:33:09,501 ‎エデンの季節は ‎地球よりも極端です 292 00:33:12,421 --> 00:33:17,341 ‎2つの恒星から届く光や熱の ‎変動が激しいためです 293 00:33:27,541 --> 00:33:29,221 ‎冬が近づくと 294 00:33:29,741 --> 00:33:35,581 ‎肉食種は太陽の光を追って ‎移住します 295 00:33:41,461 --> 00:33:44,221 ‎残った草食種は死にます 296 00:33:46,901 --> 00:33:49,221 ‎毎年 同じ繰り返しです 297 00:33:50,261 --> 00:33:53,261 ‎真っ暗な森では ‎何も育ちません 298 00:33:56,581 --> 00:34:00,741 ‎例外は 繭に包まれた ‎草食種の胚だけ 299 00:34:07,261 --> 00:34:09,861 ‎冬が終わりを迎える頃 300 00:34:13,341 --> 00:34:15,621 ‎草食種が ふ化します 301 00:34:18,740 --> 00:34:23,301 ‎恒星から 再び差し始めた ‎光に反応したのです 302 00:34:31,740 --> 00:34:37,501 ‎地球の生物も同様に ‎季節を時計代わりに使います 303 00:34:44,901 --> 00:34:49,101 ‎夏至は 一年で最も ‎昼の長い日です 304 00:34:51,861 --> 00:34:55,660 ‎アメリカ ペンシルベニア州 ‎イエロー・ブリーチズ川 305 00:34:58,821 --> 00:35:04,941 ‎この時期に釣り人が多いのは ‎魚が食いつきやすいからです 306 00:35:05,781 --> 00:35:07,341 ‎川には餌が豊富にあります 307 00:35:07,341 --> 00:35:08,781 ‎川には餌が豊富にあります 308 00:35:07,341 --> 00:35:08,781 アリソン・キャンプ 生物学者 309 00:35:08,781 --> 00:35:08,861 アリソン・キャンプ 生物学者 310 00:35:08,861 --> 00:35:12,421 アリソン・キャンプ 生物学者 311 00:35:08,861 --> 00:35:12,421 ‎すべてカゲロウの幼虫です 312 00:35:13,221 --> 00:35:17,941 ‎カゲロウと聞くと ‎飛ぶ虫を思い浮かべますが 313 00:35:18,461 --> 00:35:24,781 ‎生涯の大部分を川底で過ごし ‎成長し続けています 314 00:35:25,261 --> 00:35:29,981 ‎そして時期が来ると ‎一斉に出てくるのです 315 00:35:36,781 --> 00:35:41,941 ‎サスケハナ川に注ぐ ‎イエロー・ブリーチズ川 316 00:35:47,141 --> 00:35:48,661 ‎水面下では‎― 317 00:35:49,301 --> 00:35:54,141 ‎数百万匹のカゲロウが ‎飛び立とうとしています 318 00:35:59,021 --> 00:36:02,221 ‎飛び立つのは日没の頃 319 00:36:06,061 --> 00:36:07,261 ‎大群です 320 00:36:13,341 --> 00:36:16,981 ‎突如 大量発生する昆虫たち 321 00:36:20,541 --> 00:36:23,221 ‎まるでエイリアンの襲来です 322 00:36:30,101 --> 00:36:34,181 ‎カゲロウの成虫の寿命は ‎長くても2日 323 00:36:35,541 --> 00:36:40,701 ‎その間に子孫を残す相手を ‎探さなければなりません 324 00:36:44,341 --> 00:36:47,141 ‎1回きりのチャンスを逃せば 325 00:36:47,221 --> 00:36:48,781 ‎運の尽きです 326 00:37:00,621 --> 00:37:05,981 ‎交尾を終えると ‎雌は川へ戻って産卵し‎― 327 00:37:06,461 --> 00:37:08,021 ‎死を迎えます 328 00:37:10,941 --> 00:37:13,101 ‎川面に見える白い点は 329 00:37:13,181 --> 00:37:16,341 ‎産卵を終えた雌たちです 330 00:37:17,941 --> 00:37:22,221 ‎実に数十万匹が ‎川面を流れていきます 331 00:37:22,541 --> 00:37:24,741 ‎次の世代が生まれ 332 00:37:25,501 --> 00:37:30,461 ‎来年も 同じ時期に ‎同じことを繰り返すのです 333 00:37:36,341 --> 00:37:40,101 ‎季節のリズムは ‎惑星が恒星に対して 334 00:37:40,181 --> 00:37:43,701 ‎どれくらい傾いているかで ‎決まります 335 00:37:49,421 --> 00:37:54,141 ‎地球の軸は ‎およそ23.5度傾いています 336 00:38:00,541 --> 00:38:04,141 ‎エデンの地軸の傾きは ‎40度です 337 00:38:06,741 --> 00:38:11,061 ‎そのため 地球より広範囲に ‎光が当たります 338 00:38:14,621 --> 00:38:18,141 ‎光が多ければ ‎生物も繁栄します 339 00:38:24,821 --> 00:38:27,661 ‎春は食べ物が豊富です 340 00:38:30,141 --> 00:38:34,661 ‎しかし草食種は 急いで ‎成長する必要があります 341 00:38:40,701 --> 00:38:42,821 ‎肉食種が戻り… 342 00:38:49,301 --> 00:38:52,061 ‎捕食の季節が始まる前に 343 00:39:03,661 --> 00:39:05,661 ‎驚くべき生物たち 344 00:39:08,301 --> 00:39:10,581 ‎ブドウ糖を糧とし… 345 00:39:17,981 --> 00:39:19,901 ‎酸素を原動力に 346 00:39:22,381 --> 00:39:25,021 ‎恒星の光に育まれる存在 347 00:39:35,421 --> 00:39:40,861 ‎エデンに限らず どの星にも ‎言えることかもしれません 348 00:39:43,261 --> 00:39:47,941 ‎生物は皆 エネルギーの ‎循環に依存しているのです 349 00:40:00,181 --> 00:40:03,821 ‎地球外の環境に 生物は ‎どう適応するのか 350 00:40:05,541 --> 00:40:08,381 ‎知的生命体が住む世界 351 00:40:10,381 --> 00:40:13,341 ‎宇宙空間に住めるほど‎― 352 00:40:14,461 --> 00:40:16,981 ‎高度な知能を持つ生命体です