1 00:00:02,000 --> 00:00:07,000 Downloaded from YTS.MX 2 00:00:08,000 --> 00:00:13,000 Official YIFY movies site: YTS.MX 3 00:00:50,259 --> 00:00:51,594 最初は― 4 00:00:52,428 --> 00:00:53,596 何もなかった 5 00:00:56,140 --> 00:00:57,808 探査ロボットが 6 00:00:58,350 --> 00:01:04,023 他の惑星を はい回るなんて 発想はなかった 7 00:01:08,527 --> 00:01:10,613 そして徐々に 8 00:01:11,572 --> 00:01:13,115 考え始め 9 00:01:13,574 --> 00:01:14,992 動き始め 10 00:01:15,951 --> 00:01:17,536 造り始める 11 00:01:20,289 --> 00:01:23,000 そして機械に 命が吹き込まれる 12 00:01:36,263 --> 00:01:38,557 2003年 双子の 探査車 ローバー ― 13 00:01:38,682 --> 00:01:41,310 オポチュニティと スピリットが 14 00:01:41,393 --> 00:01:42,937 火星へ送られた 15 00:01:43,854 --> 00:01:48,025 寿命は90日間と 予想されていた 16 00:02:14,093 --> 00:02:17,847 “ただのロボット”と 言うでしょうね 17 00:02:19,723 --> 00:02:22,184 でもスイッチを入れたら 18 00:02:22,309 --> 00:02:26,689 ただのロボット以上の 存在になった 19 00:02:38,576 --> 00:02:41,161 “受信中” 20 00:02:41,287 --> 00:02:44,164 “目覚ましソング 再生中” 21 00:02:44,540 --> 00:02:49,044 “NASA: おはよう オポチュニティ” 22 00:02:49,211 --> 00:02:51,714 ねえ 夜空を 23 00:02:51,839 --> 00:02:55,676 水星が駆け抜けていくわ 24 00:02:55,885 --> 00:02:58,429 ほこりっぽい坂道を 25 00:02:58,554 --> 00:03:02,808 少女が踊りながら    駆け下りていく 26 00:03:03,142 --> 00:03:06,186 歩き回ろうよ 27 00:03:06,312 --> 00:03:09,940 広いこの世界を 28 00:03:10,357 --> 00:03:13,736 旅に出ようよ 29 00:03:13,861 --> 00:03:17,364 翼も車輪もないけど 30 00:03:20,242 --> 00:03:24,538 ローバーは火星に着くと 独自の生活を始める 31 00:03:25,164 --> 00:03:27,875 エネルギーが 血管の中で脈打ち 32 00:03:28,834 --> 00:03:31,712 愛されることが必要になる 33 00:03:34,924 --> 00:03:38,093 できる限り 彼女の安全を守ってる 34 00:03:40,220 --> 00:03:43,474 でも彼女にも意思がある 35 00:03:44,058 --> 00:03:47,645 “オポチュニティ・・ 走行停止” 36 00:03:47,770 --> 00:03:50,272 “危険物 発見” 37 00:03:50,940 --> 00:03:55,277 “NASA: 探査を続けて大丈夫” 38 00:03:56,070 --> 00:04:00,658 “それは あなたの影” 39 00:04:09,166 --> 00:04:11,710 ただのロボットだ 40 00:04:12,920 --> 00:04:16,882 だが彼女を通して 私たちも冒険をしてる 41 00:04:18,092 --> 00:04:20,719 そして彼女は家族の一員だ 42 00:05:02,302 --> 00:05:08,267 おやすみ オポチュニティ 43 00:05:28,412 --> 00:05:30,998 ジェット推進研究所 JPL 44 00:05:31,081 --> 00:05:33,584 カリフォルニア州 パサデナ 45 00:05:37,880 --> 00:05:41,300 NASA火星探査計画 管制センター 46 00:05:41,800 --> 00:05:43,510 “ アメリカ航空宇宙局 NASA ” 47 00:05:43,594 --> 00:05:44,053 ミッション・マネジャー ジェニファー・トロスパー 48 00:05:44,053 --> 00:05:47,181 ミッション・マネジャー ジェニファー・トロスパー 夜空を見上げて 49 00:05:47,181 --> 00:05:47,431 ミッション・マネジャー ジェニファー・トロスパー 50 00:05:47,890 --> 00:05:50,184 誰もが疑問に思う 51 00:05:51,810 --> 00:05:55,856 この宇宙で 私たちは孤立しているのかと 52 00:05:57,441 --> 00:06:02,279 その答えを知ることは 大きなミステリーの1つね 53 00:06:04,907 --> 00:06:06,366 何世紀もの間 54 00:06:07,326 --> 00:06:10,245 火星は空に浮かぶ 55 00:06:10,329 --> 00:06:11,455 謎めいた 小さな赤い点だった 56 00:06:11,455 --> 00:06:13,040 謎めいた 小さな赤い点だった 主任 システムエンジニア 57 00:06:13,165 --> 00:06:14,917 ロブ・マニング 58 00:06:15,417 --> 00:06:18,212 大勢の想像力をかきたてた 59 00:06:21,381 --> 00:06:24,551 その遠い星で 何が起きているのか? 60 00:06:28,305 --> 00:06:31,016 火星探査計画全体の目的は 61 00:06:31,350 --> 00:06:35,813 火星における生命の存在を 問うことだった 62 00:06:36,438 --> 00:06:37,314 だから最初は 水を追っていたの 63 00:06:37,314 --> 00:06:40,776 だから最初は 水を追っていたの ローバー・ドライバー アシュリー・ストロープ 64 00:06:43,112 --> 00:06:46,698 地球には生命が存在してる 65 00:06:49,493 --> 00:06:50,869 水のある所にね 66 00:06:57,334 --> 00:07:02,005 そこで疑問なのは 火星に水はあったのか? 67 00:07:02,256 --> 00:07:03,715 どんな水か? 68 00:07:04,883 --> 00:07:08,137 生命を維持するのに有効か? 69 00:07:12,432 --> 00:07:18,147 70年半ばでは“バイキング”が 火星探査の象徴だった 70 00:07:19,064 --> 00:07:21,984 2組の 軌道船 オービター と 着陸船 ランダー が 71 00:07:22,484 --> 00:07:26,029 火星への新しい視点を 提供した 72 00:07:35,747 --> 00:07:36,790 すごいね 73 00:07:46,592 --> 00:07:48,719 研究代表者 74 00:07:48,844 --> 00:07:51,889 スティーヴ・ スクワイヤーズ 40年前の画像に 強烈な思い出があるとは 75 00:07:51,889 --> 00:07:53,390 40年前の画像に 強烈な思い出があるとは 76 00:07:55,267 --> 00:07:56,351 面白いね 77 00:07:57,269 --> 00:07:59,479 初めて見た時を覚えてる 78 00:08:03,942 --> 00:08:08,780 バイキングの探査の頃 私は現場重視の地質学者で 79 00:08:09,448 --> 00:08:12,826 現地に赴き 調査をしていた 80 00:08:14,369 --> 00:08:16,622 地質学は魅力的だ 81 00:08:16,705 --> 00:08:20,083 だが未知の場所が 残っておらず 82 00:08:20,167 --> 00:08:23,003 私はガッカリしていた 83 00:08:25,756 --> 00:08:30,302 しかしバイキングの 画像の分析を始めた 84 00:08:30,594 --> 00:08:34,389 画像を広げて 火星を見下ろすが 85 00:08:35,891 --> 00:08:41,230 何を見てるのか私も 誰も全く分かってなかった 86 00:08:44,233 --> 00:08:47,236 誰も見たことのない ものだった 87 00:08:49,029 --> 00:08:51,657 私は宇宙探査をすると決めた 88 00:08:54,243 --> 00:08:59,414 バイキングのオービターは 火星を見て 思った 89 00:08:59,748 --> 00:09:03,043 “水流の痕跡かもしれない” 90 00:09:04,544 --> 00:09:06,838 “火星には生物がいて―” 91 00:09:07,256 --> 00:09:07,547 “青い海も あったのか?”と 92 00:09:07,547 --> 00:09:10,050 “青い海も あったのか?”と 主任システムエンジニア ロブ・マニング 93 00:09:12,594 --> 00:09:14,888 自分の目で確かめたいが 94 00:09:15,806 --> 00:09:17,057 それは無理だ 95 00:09:18,308 --> 00:09:21,270 だが経験から こう思った 96 00:09:21,395 --> 00:09:25,565 もしローバーを 火星の表面に着陸させ 97 00:09:25,649 --> 00:09:30,696 移動させながら 岩石を間近に見られたら 98 00:09:31,029 --> 00:09:34,908 火星の歴史の真実が 分かるかもしれないと 99 00:09:38,620 --> 00:09:41,665 80年代半ばから10年間 100 00:09:41,748 --> 00:09:44,960 NASAに提案書を 出し続けた 101 00:09:45,168 --> 00:09:47,754 相手にされなかったがね 102 00:09:49,256 --> 00:09:53,760 10年も費やして 何の成果もないという 103 00:09:53,844 --> 00:09:56,179 不本意な事態に直面した 104 00:09:58,223 --> 00:10:01,768 だが その後 JPLでチームを作った 105 00:10:01,852 --> 00:10:05,314 スクワイヤーズが想像する ローバーに 106 00:10:06,398 --> 00:10:10,527 設計済みの着陸システムを 使用できるか? 107 00:10:10,861 --> 00:10:12,154 “ランダー 設計図” 108 00:10:12,154 --> 00:10:14,364 “ランダー 設計図” そこで提案書を作成し 109 00:10:14,990 --> 00:10:17,617 NASAにプレゼンした 110 00:10:18,493 --> 00:10:21,830 そして 夢を実現する電話が― 111 00:10:22,914 --> 00:10:24,583 かかってきた 112 00:10:24,958 --> 00:10:28,545 皆さんに うれしいご報告があります 113 00:10:28,670 --> 00:10:31,173 我々は再び 火星探査を行います 114 00:10:31,173 --> 00:10:32,090 我々は再び 火星探査を行います NASA本部 スコット・ハバード氏 115 00:10:32,090 --> 00:10:32,174 NASA本部 スコット・ハバード氏 116 00:10:32,174 --> 00:10:33,008 NASA本部 スコット・ハバード氏 今回は双子のローバーを 送ります 117 00:10:33,008 --> 00:10:35,635 今回は双子のローバーを 送ります 118 00:10:36,094 --> 00:10:39,348 “スピリット”と “オポチュニティ”だ 119 00:10:39,890 --> 00:10:42,976 10年間 提案書を作り続け 120 00:10:43,060 --> 00:10:46,646 ついに夢にまで見た 結果が得られた 121 00:10:48,023 --> 00:10:52,235 でも もしあの時 火星までの道のりが 122 00:10:52,444 --> 00:10:56,073 どんなに険しいものかを 知っていたら 123 00:10:56,239 --> 00:11:00,327 あんなに大喜びは しなかっただろうね 124 00:11:06,458 --> 00:11:09,294 “マーズ・エクスプロレーション・ ローバー” 125 00:11:09,294 --> 00:11:10,087 “マーズ・エクスプロレーション・ ローバー” それでは… 126 00:11:10,337 --> 00:11:12,839 エンジニアとして話します 127 00:11:12,923 --> 00:11:17,427 飛行システムと ミッションシステムの全体像 128 00:11:17,511 --> 00:11:20,430 打ち上げ 飛行 着陸の話も… 129 00:11:20,514 --> 00:11:25,977 私たちの目的は 火星で3カ月ほどにあたる― 130 00:11:26,103 --> 00:11:31,858 90 火星日 ソル を耐え抜ける 2台のローバーを造ることよ 131 00:11:33,443 --> 00:11:34,194 少なくとも1台は 成功させたかった 132 00:11:34,194 --> 00:11:36,947 少なくとも1台は 成功させたかった ミッション・マネジャー ジェニファー・トロスパー 133 00:11:38,073 --> 00:11:43,412 でも うまくやらないと 打ち上げに間に合わない 134 00:11:44,871 --> 00:11:50,293 火星探査のスケジュールは 惑星の配列によって決まる 135 00:11:50,794 --> 00:11:54,214 打ち上げのタイミングを 逃すと 136 00:11:55,132 --> 00:11:55,590 次は26カ月後だ 137 00:11:55,590 --> 00:11:56,591 次は26カ月後だ 地球 火星 138 00:11:56,591 --> 00:11:58,343 地球 火星 139 00:11:58,677 --> 00:12:02,347 2台のローバーを設計し 開発し 140 00:12:02,431 --> 00:12:04,808 テストしてる時間はない 141 00:12:06,435 --> 00:12:09,396 チームにかかる重圧は すさまじい 142 00:12:10,230 --> 00:12:10,981 だから情熱のある 精鋭チームが必要だった 143 00:12:10,981 --> 00:12:14,276 だから情熱のある 精鋭チームが必要だった 打ち上げまで 残り2年 144 00:12:14,276 --> 00:12:15,527 だから情熱のある 精鋭チームが必要だった 145 00:12:19,406 --> 00:12:22,451 「スター・トレック」に 夢中だった 146 00:12:23,577 --> 00:12:24,953 ラフォージに憧れた 147 00:12:25,036 --> 00:12:29,332 こちらラフォージ 転送室のパワーを切れ 148 00:12:29,416 --> 00:12:31,042 “エンジニア”の仕事を 分かっていなかったが 149 00:12:31,042 --> 00:12:33,545 “エンジニア”の仕事を 分かっていなかったが メカニカル・エンジニア コビー・ボイキンス 150 00:12:34,463 --> 00:12:38,008 何かを修理する人に なりたかった 151 00:12:41,094 --> 00:12:45,807 2台のローバーの開発は ホワイトボードから始まった 152 00:12:47,809 --> 00:12:50,687 “90日間の任務にしよう” 153 00:12:51,104 --> 00:12:55,108 “水の痕跡を見つけるには 何が必要か?” 154 00:12:56,193 --> 00:13:00,030 専門性を持つ エンジニアのチームが 155 00:13:00,405 --> 00:13:02,657 ローバーに命を吹き込む 156 00:13:06,244 --> 00:13:08,371 初めての任務だった 157 00:13:08,914 --> 00:13:13,668 ワクワクしたよ 誰もやってない挑戦をする 158 00:13:14,794 --> 00:13:16,254 私はガーナで育った 159 00:13:16,338 --> 00:13:19,549 子供の頃 ラジオに夢中だった 160 00:13:20,050 --> 00:13:24,221 ラジオの中に 人がいるのかと思った 161 00:13:24,679 --> 00:13:25,055 ラジオを開けたら 誰もいなくて失望した 162 00:13:25,055 --> 00:13:26,473 ラジオを開けたら 誰もいなくて失望した ロボット・エンジニア 163 00:13:26,473 --> 00:13:26,598 ラジオを開けたら 誰もいなくて失望した 164 00:13:26,598 --> 00:13:28,475 ラジオを開けたら 誰もいなくて失望した アシティ・ トレビ・オレンヌ 165 00:13:28,475 --> 00:13:28,558 アシティ・ トレビ・オレンヌ 166 00:13:28,558 --> 00:13:28,808 アシティ・ トレビ・オレンヌ だから エンジニアになった 167 00:13:28,808 --> 00:13:30,936 だから エンジニアになった 168 00:13:33,104 --> 00:13:34,898 ローバーの設計では 169 00:13:36,399 --> 00:13:40,737 あえて人間らしい特徴を 持たせた 170 00:13:44,991 --> 00:13:50,789 地質学者は岩石を採取し それを砕いて中を見る 171 00:13:52,374 --> 00:13:54,918 測定や画像撮影のため 172 00:13:55,710 --> 00:14:00,340 複数の機器を搭載した アームが必要だ 173 00:14:01,508 --> 00:14:02,968 アーミーナイフみたいな 174 00:14:08,056 --> 00:14:13,061 ローバーのカメラの解像度は 人間の正常視力と同等だ 175 00:14:15,272 --> 00:14:18,233 突然 目玉のように 見えてくる 176 00:14:21,653 --> 00:14:26,825 ローバーの高さは人間の 平均身長に近い約160センチ 177 00:14:30,203 --> 00:14:36,126 だからローバーの動く姿は 人間が地表を歩くみたいだ 178 00:14:39,963 --> 00:14:41,923 ただの電線の箱だろ? 179 00:14:44,050 --> 00:14:46,094 でも最終的には 180 00:14:46,219 --> 00:14:47,512 カメラ・オペレーション・ エンジニア 顔の付いた 可愛いロボットになる 181 00:14:47,512 --> 00:14:47,637 顔の付いた 可愛いロボットになる 182 00:14:47,637 --> 00:14:48,888 顔の付いた 可愛いロボットになる ダグ・エリソン 183 00:14:48,888 --> 00:14:50,056 顔の付いた 可愛いロボットになる 184 00:14:52,517 --> 00:14:55,937 すばらしい機器を そろえたけど 185 00:14:56,730 --> 00:15:01,109 ローバーに全て載せると 顔が大きくなるの 186 00:15:01,568 --> 00:15:03,153 打ち上げまで 残り18カ月 187 00:15:03,153 --> 00:15:06,948 打ち上げまで 残り18カ月 そうなると着陸時に 大きな問題となる 188 00:15:07,032 --> 00:15:12,787 6本のバンジーコードを エアバッグに取り付ける 189 00:15:13,163 --> 00:15:17,834 取り付け方はいろいろあるが 選択が難しい 190 00:15:17,917 --> 00:15:21,171 チャンスは一度きりだしね 191 00:15:21,546 --> 00:15:26,635 着陸システムは エアバッグを膨らませて― 192 00:15:27,052 --> 00:15:29,638 地表を跳ね回るの 193 00:15:31,181 --> 00:15:36,686 2台のローバーの重さを どうするかが問題だった 194 00:15:37,562 --> 00:15:40,815 エアバッグが重さに 耐えられるか? 195 00:15:43,360 --> 00:15:44,819 テストを開始 196 00:15:45,779 --> 00:15:47,155 ピッタリだな 197 00:15:47,238 --> 00:15:48,865 ちょうどいい岩石だ 198 00:15:49,699 --> 00:15:50,784 満足だよ 199 00:15:50,867 --> 00:15:51,618 そうだな 200 00:15:51,951 --> 00:15:57,082 火星にありそうな岩石で エアバッグを試すことにした 201 00:15:57,415 --> 00:15:59,042 まず1回目 202 00:16:01,252 --> 00:16:04,005 エアバッグに 大きな穴が開いた 203 00:16:04,172 --> 00:16:09,928 岩にぶつかって破れたの 全く話にならなかったわ 204 00:16:11,429 --> 00:16:13,515 パラシュートにも問題が 打ち上げまで 残り1年 205 00:16:13,515 --> 00:16:13,598 打ち上げまで 残り1年 206 00:16:13,598 --> 00:16:14,391 打ち上げまで 残り1年 3 2 1… 207 00:16:14,391 --> 00:16:16,059 3 2 1… 208 00:16:16,226 --> 00:16:20,021 ヘリコプターから ロケット型の 搭載物 ペイロード を 209 00:16:20,105 --> 00:16:22,440 落下させる実験をした 210 00:16:22,941 --> 00:16:24,067 1回目… 211 00:16:24,818 --> 00:16:26,611 パラシュートはビリビリに 212 00:16:29,906 --> 00:16:31,074 2回目も― 213 00:16:33,493 --> 00:16:35,120 ビリビリに破れた 214 00:16:36,287 --> 00:16:39,290 パラシュートがなくなった 215 00:16:39,582 --> 00:16:45,046 今 破れたパラシュートを 火星で使うつもりだった 216 00:16:45,755 --> 00:16:46,965 君たちは― 217 00:16:47,173 --> 00:16:49,384 とても深刻な状況だ 218 00:16:49,634 --> 00:16:51,594 続けられるのか? 219 00:16:52,345 --> 00:16:53,638 懸念は? 220 00:16:53,930 --> 00:16:57,350 彼らが作成した 危険性のリストがある 221 00:16:57,434 --> 00:17:02,522 それらを全て合わせたら 最悪の事態になる 222 00:17:04,482 --> 00:17:09,112 “10億ドルの国家資産”だと 心の中で思ってた 223 00:17:09,529 --> 00:17:12,282 失敗したら大惨事になる 224 00:17:13,992 --> 00:17:16,911 打ち上げまで 残り10カ月 225 00:17:20,498 --> 00:17:20,832 “振動テスト” 226 00:17:20,832 --> 00:17:22,041 “振動テスト” 準備できた 227 00:17:22,041 --> 00:17:22,500 “振動テスト” 228 00:17:22,751 --> 00:17:23,293 始め! 229 00:17:23,293 --> 00:17:23,918 始め! スピリットのテスト 230 00:17:23,918 --> 00:17:27,380 スピリットのテスト 231 00:17:33,219 --> 00:17:35,972 スピリットと オポチュニティは 232 00:17:36,139 --> 00:17:39,100 一卵性双生児のつもりで 造った 233 00:17:40,393 --> 00:17:45,190 だが あっという間に 様子が違ってきた 234 00:17:49,319 --> 00:17:50,653 “全開” 235 00:17:51,863 --> 00:17:52,781 以上だ 236 00:17:52,864 --> 00:17:55,325 組み立てからテストまで 237 00:17:55,492 --> 00:17:59,412 まずスピリットから試し 失敗した 238 00:17:59,579 --> 00:18:00,497 下がって 239 00:18:00,580 --> 00:18:01,831 ブッシングがない 240 00:18:02,624 --> 00:18:03,500 失くした? 241 00:18:03,583 --> 00:18:05,168 デッキを見ろ 242 00:18:06,669 --> 00:18:09,339 オポチュニティの番だ 243 00:18:10,173 --> 00:18:11,424 よし いこう 244 00:18:12,342 --> 00:18:15,053 3 2 1 245 00:18:18,598 --> 00:18:19,682 どうも 246 00:18:19,849 --> 00:18:23,478 どのテストも オポチュニティは合格した 247 00:18:25,480 --> 00:18:27,232 出発前から 248 00:18:27,690 --> 00:18:31,319 1人は問題児で 1人は優等生だ 249 00:18:31,736 --> 00:18:35,114 打ち上げまで 残り7カ月 250 00:18:35,114 --> 00:18:36,074 打ち上げまで 残り7カ月 長い時間をかけて ローバーを仕上げ 251 00:18:36,074 --> 00:18:39,577 長い時間をかけて ローバーを仕上げ 252 00:18:40,787 --> 00:18:43,832 ついにオポチュニティの 走行テストだ 253 00:18:47,544 --> 00:18:52,799 ローバーに初めて 命が吹き込まれる 254 00:18:54,217 --> 00:18:55,176 動き出せ 255 00:19:02,016 --> 00:19:03,351 最初の一歩だ 256 00:19:05,520 --> 00:19:06,938 ワクワクしたよ 257 00:19:07,605 --> 00:19:10,233 “生きてる!”という感じだ 258 00:19:15,530 --> 00:19:19,033 彼女が生き物のように思える 259 00:19:21,077 --> 00:19:25,582 火星に行き 私たちの夢を実現する― 260 00:19:25,665 --> 00:19:28,334 本物の 生きたロボットだ 261 00:19:30,295 --> 00:19:35,174 ロボットの誕生は 子供が生まれるような感覚だ 262 00:19:38,970 --> 00:19:41,556 果たして我が子は― 263 00:19:41,639 --> 00:19:45,685 危険な世界に出ていく 準備ができてるのか 264 00:19:47,770 --> 00:19:50,315 テストは全て済んだか? 265 00:19:52,025 --> 00:19:53,443 済んでない 266 00:19:56,154 --> 00:19:58,573 時間が足りないまま 267 00:19:59,824 --> 00:20:01,200 飛び立つ時が来た 268 00:20:06,539 --> 00:20:08,708 打ち上げの朝 ケネディ宇宙センター 269 00:20:08,708 --> 00:20:10,460 打ち上げの朝 ケネディ宇宙センター 朝5時半だ 270 00:20:10,460 --> 00:20:10,585 打ち上げの朝 ケネディ宇宙センター 271 00:20:10,585 --> 00:20:11,669 打ち上げの朝 ケネディ宇宙センター だけど僕らにとっては 272 00:20:11,669 --> 00:20:12,378 だけど僕らにとっては 273 00:20:12,462 --> 00:20:17,383 時間と労力を費やした ローバーの晴れ舞台だ 274 00:20:18,718 --> 00:20:21,471 現実じゃないみたいだよ 275 00:20:21,554 --> 00:20:23,765 緊張して 落ち着かない 276 00:20:33,942 --> 00:20:35,485 “ピーナツ” 277 00:20:35,485 --> 00:20:36,653 “ピーナツ” 幸運のピーナツだ 278 00:20:36,653 --> 00:20:36,945 幸運のピーナツだ 279 00:20:38,237 --> 00:20:40,740 スピリットの 打ち上げが先よ 2003年6月10日 スピリット打ち上げ 280 00:20:40,740 --> 00:20:41,199 2003年6月10日 スピリット打ち上げ 281 00:20:41,824 --> 00:20:41,991 オポチュニティは 3週間後に 282 00:20:41,991 --> 00:20:44,452 オポチュニティは 3週間後に 2003年7月7日 283 00:20:44,535 --> 00:20:46,579 オポチュニティ 打ち上げ デルタ発射管制室 発射まで8分40秒 284 00:20:46,579 --> 00:20:48,164 デルタ発射管制室 発射まで8分40秒 285 00:20:48,247 --> 00:20:52,418 私はJPLで スピリットの管制室にいた 286 00:20:53,753 --> 00:20:56,631 私は仕事がある方がいい 287 00:20:57,423 --> 00:20:59,258 集中できるでしょ 288 00:20:59,342 --> 00:21:04,514 集中することがあれば 感情的にならずに済むわ 289 00:21:04,681 --> 00:21:08,726 スピリット MER-Aの最終確認 290 00:21:08,810 --> 00:21:10,687 オハイオ州の農家出身よ 291 00:21:11,229 --> 00:21:14,023 羊や豚 牛を育ててた 292 00:21:14,565 --> 00:21:17,443 父が陸軍工兵隊にいた 293 00:21:18,903 --> 00:21:23,658 ロケットに携わってて 面白い話を聞かせてくれた 294 00:21:25,159 --> 00:21:30,581 でも航空宇宙工学を学ぶ 女の子は周りにいなかった 295 00:21:32,750 --> 00:21:38,631 私が火星にローバーを 送り出すことになるなんてね 296 00:21:39,590 --> 00:21:40,967 MER-B 発射スタンバイ 297 00:21:41,050 --> 00:21:42,010 了解 298 00:21:42,260 --> 00:21:43,553 発射10秒前 299 00:21:44,303 --> 00:21:45,930 怖くなってくる 300 00:21:46,723 --> 00:21:49,183 9 8 7 301 00:21:49,392 --> 00:21:52,145 6 5 4 302 00:21:52,311 --> 00:21:55,648 3 2 1 エンジンスタート 303 00:21:55,815 --> 00:21:56,649 発射! 304 00:21:56,649 --> 00:21:57,650 発射! スピリット オポチュニティ 305 00:21:57,650 --> 00:21:59,235 スピリット オポチュニティ 306 00:21:59,235 --> 00:22:02,155 スピリット オポチュニティ 発射音を聞きながら― 307 00:22:04,782 --> 00:22:09,787 “爆発するなよ するなよ…” と祈った 308 00:22:15,793 --> 00:22:18,588 ロードリリーフ統合 309 00:22:18,713 --> 00:22:22,300 輸送船の応答あり 発射後の移行も順調 310 00:22:23,551 --> 00:22:25,803 泣いたかは覚えてない 311 00:22:25,887 --> 00:22:29,766 ロケットが私の希望と夢を 運んでる 312 00:22:29,849 --> 00:22:33,394 この気持ちを 言葉にするのは… 313 00:22:34,353 --> 00:22:36,147 難しいんだが… 314 00:22:37,190 --> 00:22:40,818 人生を懸けた作品が ロケットに載ってる 315 00:22:47,909 --> 00:22:49,869 この子たちを育てた 316 00:22:51,412 --> 00:22:52,830 そんな気持ちだった 317 00:22:55,041 --> 00:22:57,752 彼らが輝く時が来た 318 00:23:00,213 --> 00:23:02,924 別れを告げるのはつらかった 319 00:23:04,175 --> 00:23:08,054 私は16年間を このローバーに捧げた 320 00:23:09,889 --> 00:23:14,435 彼らをロケットに乗せて 宇宙へ放り出すんだ 321 00:23:15,103 --> 00:23:17,480 二度と会うことはない 322 00:23:22,193 --> 00:23:23,736 オポチュニティの時は 323 00:23:23,903 --> 00:23:26,572 家族と一緒に打ち上げを見た 324 00:23:26,739 --> 00:23:31,452 父の任務の時と同じ 発射台だった 325 00:23:33,663 --> 00:23:35,873 父は亡くなったけど 326 00:23:37,166 --> 00:23:41,420 誰よりもすばらしい 自慢の父だったわ 327 00:23:42,672 --> 00:23:46,300 家族にとって 感動的な時間だった 328 00:23:46,759 --> 00:23:51,055 父が私を宇宙開発の道に 導いてくれた 329 00:23:51,264 --> 00:23:53,599 それを改めて思い出した 330 00:24:10,533 --> 00:24:14,829 両ローバーの火星への 移動時間は6カ月半 331 00:24:18,416 --> 00:24:24,088 2台は3週間分離れているが 宇宙では遠い距離ではない 332 00:24:25,506 --> 00:24:27,633 火星への軌道がある 333 00:24:27,717 --> 00:24:31,846 その軌道に沿って 確実に進みたい 334 00:24:32,597 --> 00:24:35,141 地球 火星 335 00:24:36,142 --> 00:24:39,937 ロサンゼルスから バッキンガム宮殿へ― 336 00:24:40,021 --> 00:24:43,399 ゴルフボールを 打ち込むようなものだ 337 00:24:45,067 --> 00:24:46,027 スピリット オポチュニティ 338 00:24:46,027 --> 00:24:47,445 スピリット オポチュニティ “休止時間”だ 339 00:24:47,445 --> 00:24:48,613 スピリット オポチュニティ 340 00:24:48,613 --> 00:24:49,447 スピリット オポチュニティ 6カ月半 何もしない 341 00:24:49,447 --> 00:24:51,073 6カ月半 何もしない 342 00:24:52,241 --> 00:24:54,702 それは ちょっと違うか 343 00:24:58,080 --> 00:25:01,042 これまで見た中で最大規模の 344 00:25:01,125 --> 00:25:04,212 一連の太陽フレアに遭遇した 345 00:25:05,254 --> 00:25:09,008 太陽のエネルギーと粒子が 346 00:25:09,091 --> 00:25:11,928 宇宙船に向かって噴射された 347 00:25:20,061 --> 00:25:23,689 太陽フレアとは 太陽がプラズマを― 348 00:25:23,773 --> 00:25:26,567 放出する現象のことだ 349 00:25:28,653 --> 00:25:32,949 プラズマとは電子が集まった 高電圧の雲だ 350 00:25:34,367 --> 00:25:38,162 人間も殺せる 高エネルギーの粒子が 351 00:25:38,746 --> 00:25:41,457 ローバーにたたきつけられる 352 00:25:42,166 --> 00:25:45,503 コンピューターにまで届く 353 00:25:50,049 --> 00:25:51,801 宇宙船には最悪だ 354 00:25:55,554 --> 00:25:58,891 搭載したソフトが破損した 355 00:26:01,143 --> 00:26:03,771 両ローバーを再起動した 356 00:26:07,275 --> 00:26:10,569 2人に寝るよう言った 357 00:26:11,737 --> 00:26:13,489 本当に恐ろしい 358 00:26:15,700 --> 00:26:19,954 新しいバージョンのソフトを 読み込ませる 359 00:26:20,621 --> 00:26:24,500 そのために 彼らを強制終了したの 360 00:26:36,679 --> 00:26:37,930 うまくいった 361 00:26:38,597 --> 00:26:40,224 再起動できた 362 00:26:42,018 --> 00:26:45,563 コンピューターの調整に 2週間を要した 363 00:26:48,107 --> 00:26:50,526 その頃には太陽も落ち着き 364 00:26:50,609 --> 00:26:54,613 ソフトも読み込まれ 着陸の準備が整った 365 00:27:00,411 --> 00:27:06,375 当時は火星探査の 3分の2が失敗してた 366 00:27:08,377 --> 00:27:11,797 火星は宇宙船の 墓場になってたんだ 367 00:27:14,467 --> 00:27:15,343 4年前 368 00:27:15,343 --> 00:27:17,094 4年前 数年前 369 00:27:17,094 --> 00:27:17,803 4年前 370 00:27:17,803 --> 00:27:19,513 4年前 NASAは2つの 任務を実行したが 371 00:27:19,513 --> 00:27:22,183 NASAは2つの 任務を実行したが 372 00:27:24,977 --> 00:27:26,228 どちらも失敗した 373 00:27:27,688 --> 00:27:31,692 1機は大気圏で燃え尽き 1機は墜落した 374 00:27:33,527 --> 00:27:36,238 原因の1つは単純なミスだ 375 00:27:36,530 --> 00:27:40,826 ヤード・ポンド法を メートル法と― 376 00:27:40,910 --> 00:27:42,661 勘違いした 377 00:27:43,245 --> 00:27:45,831 とんでもなく恥ずかしい 378 00:27:46,040 --> 00:27:48,626 宇宙から大ニュースです 379 00:27:48,709 --> 00:27:50,753 科学者の主張によると 380 00:27:50,836 --> 00:27:55,049 NASAに知的生命体は 存在しないらしい 381 00:27:56,842 --> 00:28:00,721 世間の視線が 私たちに向けられた 382 00:28:03,265 --> 00:28:04,475 チームは 383 00:28:05,226 --> 00:28:10,773 今回の任務で 償わねばと思っていた 384 00:28:13,275 --> 00:28:16,570 チームの一員として考えた 385 00:28:17,446 --> 00:28:20,157 着陸に成功しなかったら 386 00:28:21,242 --> 00:28:23,160 NASAは終わると 387 00:28:23,327 --> 00:28:26,038 “ジェット推進研究所 カリフォルニア工科大学” 388 00:28:26,038 --> 00:28:27,331 “ジェット推進研究所 カリフォルニア工科大学” こんばんは 389 00:28:27,498 --> 00:28:29,583 今夜はJPLにとって 390 00:28:29,667 --> 00:28:33,546 エキサイティングで 重要な夜です 391 00:28:34,046 --> 00:28:36,799 スピリットが着陸します 392 00:28:36,966 --> 00:28:38,050 オポチュニティが 着陸します 393 00:28:38,050 --> 00:28:39,468 オポチュニティが 着陸します 2004年1月3日 スピリット着陸 394 00:28:39,468 --> 00:28:39,677 2004年1月3日 スピリット着陸 395 00:28:39,677 --> 00:28:40,803 2004年1月3日 スピリット着陸 チームは “準備は万全”だと 396 00:28:40,803 --> 00:28:40,886 チームは “準備は万全”だと 397 00:28:40,886 --> 00:28:43,806 チームは “準備は万全”だと 2004年1月24日 オポチュニティ着陸 398 00:28:48,185 --> 00:28:53,274 2台は3週ちがいで 火星の反対側に着陸する 399 00:28:55,734 --> 00:28:57,611 不安でいっぱいよ 400 00:28:58,195 --> 00:29:02,324 途中から血圧の薬をのんだわ 401 00:29:03,617 --> 00:29:05,119 操縦室です 402 00:29:06,036 --> 00:29:09,748 現在の速度は 時速1万8000キロ 403 00:29:09,874 --> 00:29:13,752 合衆国を12分で 横断できる速さです 404 00:29:14,545 --> 00:29:17,339 着陸の模様を お楽しみください 405 00:29:20,593 --> 00:29:23,012 大気圏突入 降下 着陸だ 406 00:29:23,929 --> 00:29:28,267 86ほどの項目の 1つでも間違えば― 407 00:29:30,102 --> 00:29:31,395 ローバーを失う 408 00:29:33,105 --> 00:29:35,399 それが何より恐ろしい 409 00:29:35,816 --> 00:29:40,196 ローバーから地球までの 通信には 410 00:29:40,279 --> 00:29:41,572 10分かかる 411 00:29:44,700 --> 00:29:46,827 無事を祈る以外に 412 00:29:47,995 --> 00:29:49,663 できることはない 413 00:29:50,456 --> 00:29:52,458 “恐怖の6分間”よ 414 00:29:53,125 --> 00:29:58,380 宇宙船が火星の大気圏に 突入してから 415 00:29:58,464 --> 00:30:03,636 安全に着陸するために 必要な作業を― 416 00:30:03,761 --> 00:30:06,013 自律的に行うの 417 00:30:06,180 --> 00:30:10,351 大気圏へ突入開始 3 2 1 418 00:30:13,062 --> 00:30:16,690 “恐怖の6分間”に 全てが懸かってる 419 00:30:16,774 --> 00:30:18,984 宇宙船が大気圏突入 420 00:30:19,276 --> 00:30:20,152 耐熱シールドは 摂氏1600度以上に― 421 00:30:20,152 --> 00:30:22,238 耐熱シールドは 摂氏1600度以上に― スピリット オポチュニティ 422 00:30:22,238 --> 00:30:22,363 スピリット オポチュニティ 423 00:30:22,363 --> 00:30:23,364 スピリット オポチュニティ 加熱されています 424 00:30:23,364 --> 00:30:24,615 加熱されています 425 00:30:27,117 --> 00:30:28,869 パラシュート展開 426 00:30:30,162 --> 00:30:31,205 減速する 427 00:30:31,330 --> 00:30:36,085 現在の速度は時速約720キロ 亜音速で飛行中 428 00:30:38,671 --> 00:30:42,591 耐熱シールドを 分離する必要がある 429 00:30:45,594 --> 00:30:47,805 ここからが大変だ 430 00:30:48,556 --> 00:30:53,394 ランダーを20メートルの ロープで降ろす 431 00:30:54,603 --> 00:30:57,940 パラシュート バックシェル ランダーだ 432 00:31:00,568 --> 00:31:01,819 スピリット オポチュニティ 433 00:31:01,819 --> 00:31:03,320 スピリット オポチュニティ エアバッグが膨らむ 434 00:31:03,320 --> 00:31:03,779 スピリット オポチュニティ 435 00:31:07,908 --> 00:31:11,495 約12メートル上空で 降下補助ロケット点火 436 00:31:11,579 --> 00:31:16,250 時速0キロまで減速させ 最後のコードを切断する 437 00:31:25,593 --> 00:31:27,094 信号なし 438 00:31:27,261 --> 00:31:31,307 バウンド信号を断続的に確認 439 00:31:31,390 --> 00:31:34,184 宇宙船からの信号はなし 440 00:31:34,768 --> 00:31:35,728 待機を 441 00:31:42,526 --> 00:31:44,320 スピリットが消えた 442 00:31:46,572 --> 00:31:48,657 信号が消えた 443 00:31:49,950 --> 00:31:51,201 完全に消えた 444 00:31:53,245 --> 00:31:55,331 壊れたのかもしれない 445 00:32:02,504 --> 00:32:03,505 沈黙が漂う 446 00:32:05,382 --> 00:32:07,301 信号を待っている 447 00:32:08,260 --> 00:32:09,887 何かを待っている 448 00:32:15,934 --> 00:32:18,604 全て 無駄だったかと思った 449 00:32:20,356 --> 00:32:22,191 任務は失敗したと 450 00:32:30,824 --> 00:32:32,159 見てる? 見てる? 451 00:32:32,326 --> 00:32:33,619 どうした? 452 00:32:40,167 --> 00:32:42,002 強い信号を受信 453 00:32:42,252 --> 00:32:45,631 非常に強い信号が受信され… 454 00:32:48,967 --> 00:32:50,719 火星に着陸した! 455 00:33:00,771 --> 00:33:04,650 喜びで 飛び跳ねているんじゃない 456 00:33:05,275 --> 00:33:06,819 ホッとしたんだ 457 00:33:09,697 --> 00:33:12,825 2台とも 無事に火星に着陸した 458 00:33:23,419 --> 00:33:27,339 2004年1月4日 ソル1 459 00:33:27,506 --> 00:33:32,010 “スピリットの日記 2004年1月4日” 460 00:33:32,136 --> 00:33:33,595 “ソル1” 461 00:33:34,054 --> 00:33:36,432 “スピリットは人騒がせ” 462 00:33:36,807 --> 00:33:39,601 “不安な10分間の沈黙のあと” 463 00:33:39,768 --> 00:33:43,397 “無事に着陸したと確認した” 464 00:33:47,568 --> 00:33:52,740 皆さんは地球上で 最も歓喜に満ちた場にいます 465 00:33:53,991 --> 00:33:57,536 オポチュニティの着陸時 私は高校生だった 466 00:33:58,245 --> 00:33:59,913 プロジェクト・ サイエンティスト補佐 世界中から選ばれた 16人の1人で― 467 00:33:59,913 --> 00:34:00,038 世界中から選ばれた 16人の1人で― 468 00:34:00,038 --> 00:34:02,207 世界中から選ばれた 16人の1人で― アビゲイル・フラエマン 469 00:34:03,459 --> 00:34:05,878 最初の画像が届いた時 470 00:34:06,211 --> 00:34:10,007 科学者たちと一緒に 管制センターにいた 471 00:34:10,299 --> 00:34:13,469 ナビゲーションカメラの 画像だ 472 00:34:19,683 --> 00:34:21,477 私たちは火星にいる! 473 00:34:29,860 --> 00:34:32,070 最初の画像が届くと 474 00:34:33,071 --> 00:34:34,072 ホッとした 475 00:34:34,615 --> 00:34:38,160 安堵 あんど 感で血圧が 正常に戻ったわ 476 00:34:42,790 --> 00:34:44,374 最高の気分だった 477 00:34:54,343 --> 00:34:56,512 我が子が火星に到着した 478 00:34:56,929 --> 00:34:58,889 感激だったよ 479 00:35:02,226 --> 00:35:03,268 火星へようこそ 480 00:35:08,690 --> 00:35:12,653 “オポチュニティの日記 ソル1” 481 00:35:14,029 --> 00:35:17,074 “信号はしっかりと 強く出ている” 482 00:35:17,991 --> 00:35:20,911 “オポチュニティは 火星にいる” 483 00:35:47,396 --> 00:35:51,483 メリディアニ平原の クレーターの中に着陸した 484 00:35:52,943 --> 00:35:56,405 約5億キロの “ホールインワン”だった 485 00:35:58,490 --> 00:36:04,329 “どのカメラも 最高の画像を送ってくれてる” 486 00:36:08,458 --> 00:36:10,544 “これは何だろう?” 487 00:36:14,673 --> 00:36:19,511 初めて見るものだ 科学的分析は控えておくよ 488 00:36:20,971 --> 00:36:22,222 予想どおりだ 489 00:36:22,347 --> 00:36:23,515 何てこった! 490 00:36:24,474 --> 00:36:26,101 失礼 ただ… 491 00:36:30,564 --> 00:36:32,482 言葉がないよ 492 00:36:35,986 --> 00:36:39,823 辺り一面 黒っぽい砂だったの 493 00:36:41,867 --> 00:36:47,539 そして遠くに 突き出ている 明るい色の岩があった 494 00:36:48,707 --> 00:36:53,503 “岩盤だ!”と 彼らが飛び上がって喜んでた 495 00:36:53,921 --> 00:36:57,674 私には重要性が 分からなかったけど― 496 00:36:58,175 --> 00:37:01,511 その夜は興奮で 一睡もできなかった 497 00:37:01,678 --> 00:37:02,679 “オポチュニティの 日記” 498 00:37:02,679 --> 00:37:03,680 “オポチュニティの 日記” “岩盤は地質学的な真実である” 499 00:37:03,680 --> 00:37:03,764 “岩盤は地質学的な真実である” 500 00:37:03,764 --> 00:37:05,182 “岩盤は地質学的な真実である” “ソル1” 501 00:37:06,558 --> 00:37:09,144 “大昔に何があったか―” 502 00:37:09,686 --> 00:37:12,439 “岩盤が教えてくれる” 503 00:37:22,783 --> 00:37:27,454 “このプロジェクトには 大勢が関わっている” 504 00:37:28,789 --> 00:37:32,960 “実現のために 全てを完璧に行った” 505 00:37:48,225 --> 00:37:52,104 “スピリットも オポチュニティも無事到着” 506 00:37:52,229 --> 00:37:56,233 “メリディアニ平原の 岩盤が目の前にある” 507 00:37:57,359 --> 00:37:58,944 “NASA・・” “さあ もう寝る時間よ” 508 00:37:58,944 --> 00:37:59,069 “さあ もう寝る時間よ” 509 00:37:59,069 --> 00:38:01,363 “さあ もう寝る時間よ” “おやすみ オポチュニティ” 510 00:38:01,446 --> 00:38:04,157 “NASA・・ おやすみ スピリット” 511 00:38:04,324 --> 00:38:05,742 “ジェット推進研究所 カリフォルニア工科大学” 512 00:38:05,742 --> 00:38:06,618 “ジェット推進研究所 カリフォルニア工科大学” 火星ローバーにとって 重要な日です 513 00:38:06,618 --> 00:38:10,205 火星ローバーにとって 重要な日です 514 00:38:10,706 --> 00:38:14,501 ロボット地質学者となって 515 00:38:14,626 --> 00:38:16,670 目的を果たす 準備ができました 516 00:38:17,921 --> 00:38:19,131 それでは 517 00:38:19,798 --> 00:38:22,134 目覚ましソングを流します 518 00:38:30,934 --> 00:38:32,686 エンジンをかけろ 519 00:38:32,686 --> 00:38:33,228 エンジンをかけろ “オポチュニティ・・ おはよう” 520 00:38:33,228 --> 00:38:34,146 “オポチュニティ・・ おはよう” 521 00:38:34,146 --> 00:38:35,022 “オポチュニティ・・ おはよう” ハイウェーを目指せ 522 00:38:35,022 --> 00:38:35,105 ハイウェーを目指せ 523 00:38:35,105 --> 00:38:36,231 ハイウェーを目指せ “タスクを開始する” 524 00:38:36,231 --> 00:38:36,398 “タスクを開始する” 525 00:38:36,398 --> 00:38:39,151 “タスクを開始する” 有人宇宙飛行の伝統だ 526 00:38:39,735 --> 00:38:42,487 地球からクルーを起こす 527 00:38:42,738 --> 00:38:44,197 目覚ましソングだ 528 00:38:44,364 --> 00:38:47,325 “起きろ! 仕事の時間だ”とね 529 00:38:51,288 --> 00:38:54,499 ワイルドに生きろ 530 00:38:54,833 --> 00:38:57,502 火星の1日を“ソル”と言う 531 00:38:58,211 --> 00:39:01,339 地球の1日より約40分長いの 532 00:39:01,548 --> 00:39:05,469 毎日 約1時間ずつ スケジュールがズレる 533 00:39:06,511 --> 00:39:08,263 私たちも火星時間だ 534 00:39:09,222 --> 00:39:10,849 大変なんだよ 535 00:39:10,974 --> 00:39:14,478 毎日の会議が 今日は正午からだが 536 00:39:15,520 --> 00:39:18,273 2週間半後には真夜中になる 537 00:39:20,984 --> 00:39:23,236 私たちは疲れてたわ 538 00:39:24,071 --> 00:39:26,156 起きてなきゃならない 539 00:39:36,958 --> 00:39:39,169 火星について知るために 540 00:39:39,294 --> 00:39:43,215 90ソルにわたる 探査を続けていた 541 00:39:45,634 --> 00:39:48,887 スピリットの着陸地点は 542 00:39:49,137 --> 00:39:53,433 干上がった川の跡が 見えたので選んだ グセフ・クレーター 543 00:39:53,433 --> 00:39:53,850 グセフ・クレーター 544 00:39:53,850 --> 00:39:55,060 グセフ・クレーター 過去に水が存在した証拠や 居住可能性を― 545 00:39:55,060 --> 00:39:58,522 過去に水が存在した証拠や 居住可能性を― 546 00:39:58,688 --> 00:40:00,690 見つけたいと思った 547 00:40:01,483 --> 00:40:03,360 グセフ・クレーターには 548 00:40:03,819 --> 00:40:06,363 かつて湖があったはずだ 549 00:40:07,489 --> 00:40:08,740 “スピリット・・火山岩” 550 00:40:11,034 --> 00:40:12,119 “スピリット・・ また火山岩” 551 00:40:12,119 --> 00:40:12,410 “スピリット・・ また火山岩” でもスピリットは 火山岩ばかり見つけたの 552 00:40:12,410 --> 00:40:16,873 でもスピリットは 火山岩ばかり見つけたの 553 00:40:21,419 --> 00:40:24,381 “スピリット・・ また また火山岩” 554 00:40:24,381 --> 00:40:25,006 “スピリット・・ また また火山岩” 水との相互作用を示す 証拠は全くない 555 00:40:25,006 --> 00:40:28,051 水との相互作用を示す 証拠は全くない 556 00:40:37,477 --> 00:40:39,437 火星の反対側だ 557 00:40:40,564 --> 00:40:44,734 オポチュニティの着陸地点は 目新しかった 558 00:40:48,613 --> 00:40:50,949 “オポチュニティ ソル8” 559 00:40:51,241 --> 00:40:55,745 “目の前の土壌を 初めて撮影できた” 560 00:40:56,204 --> 00:41:00,000 “火星で見た中で 最も奇妙な光景だ” 561 00:41:02,335 --> 00:41:08,049 この場所の地表は 数えきれないほどの 562 00:41:08,216 --> 00:41:12,804 小さな丸い物で 覆われていることが分かった 563 00:41:18,977 --> 00:41:20,854 その中を通り抜けた 564 00:41:21,479 --> 00:41:22,272 オポチュニティ 顕微鏡画像記録装置 565 00:41:22,272 --> 00:41:27,444 オポチュニティ 顕微鏡画像記録装置 丸い物はマフィンの上の ブルーベリーのようだった 566 00:41:30,238 --> 00:41:32,532 “分析中” 567 00:41:35,869 --> 00:41:37,287 この“ブルーベリー”は ヘマタイトという鉱物で 568 00:41:37,287 --> 00:41:41,708 この“ブルーベリー”は ヘマタイトという鉱物で “ヘマタイトを確認” 569 00:41:41,708 --> 00:41:42,209 “ヘマタイトを確認” 570 00:41:42,209 --> 00:41:42,584 “ヘマタイトを確認” 水の存在下で形成される 571 00:41:42,584 --> 00:41:45,128 水の存在下で形成される 572 00:41:51,968 --> 00:41:55,055 鉱物学や地球化学が― 573 00:41:55,889 --> 00:42:00,977 かつて火星に水があったと 合理的に結論付けるために 574 00:42:01,102 --> 00:42:03,188 必要なものが見つかった 575 00:42:04,064 --> 00:42:08,026 イーグル・クレーターの 壁の中にあった 576 00:42:09,027 --> 00:42:09,945 だが 577 00:42:10,946 --> 00:42:13,323 ここは酸性の環境だ 578 00:42:14,741 --> 00:42:17,535 生命が誕生する場所ではない 579 00:42:18,703 --> 00:42:21,581 液体の水はあったけど 580 00:42:21,748 --> 00:42:25,043 私たちが飲めるような 水じゃない 581 00:42:30,548 --> 00:42:32,801 電池酸のようなものよ 582 00:42:35,637 --> 00:42:39,683 足の指を入れておいたら 何も残らない 583 00:42:46,439 --> 00:42:51,736 私たちが見つけたいのは 流れのある中性の地下水だ 584 00:42:54,155 --> 00:42:57,534 居住可能性を見つけ出すには 585 00:42:59,786 --> 00:43:01,538 少し遠出が必要だ 586 00:43:02,330 --> 00:43:04,958 ソル57 587 00:43:04,958 --> 00:43:05,792 ソル57 だが 588 00:43:05,792 --> 00:43:06,209 ソル57 589 00:43:06,209 --> 00:43:07,043 ソル57 問題はローバーの寿命が 90日しかないことだ 590 00:43:07,043 --> 00:43:10,797 問題はローバーの寿命が 90日しかないことだ 591 00:43:21,641 --> 00:43:24,811 ローバー・ドライバー ヴァンディ・ヴェルマ 592 00:43:24,811 --> 00:43:25,603 ローバー・ドライバー ヴァンディ・ヴェルマ ドライバーは 火星のローバーを操作する 593 00:43:25,603 --> 00:43:29,232 ドライバーは 火星のローバーを操作する 594 00:43:32,944 --> 00:43:34,446 楽しい仕事よ 595 00:43:34,571 --> 00:43:37,365 ハンドル操作だけでは ダメなの 596 00:43:38,116 --> 00:43:43,955 火星に信号が届くまで 4分から20分かかる 597 00:43:44,706 --> 00:43:48,418 私たちはコマンドを送信して 眠る 598 00:43:50,337 --> 00:43:55,216 そして ローバーがその日の 走行を終える頃に 599 00:43:55,425 --> 00:43:58,928 結果を見て 次の計画を立てる 600 00:44:00,597 --> 00:44:02,682 私はインドで育った 601 00:44:02,974 --> 00:44:08,813 7歳くらいの時 誰かが宇宙探査の本をくれた 602 00:44:08,938 --> 00:44:10,648 衝撃的だったわ 603 00:44:12,901 --> 00:44:15,195 岩にどれくらい近付いた? 604 00:44:15,320 --> 00:44:18,782 任務の間に双子を妊娠してた 605 00:44:19,491 --> 00:44:23,370 だから双子のローバーに 思い入れがあった 606 00:44:24,079 --> 00:44:30,043 双子は深くつながり よく似た存在でありながら 607 00:44:30,460 --> 00:44:33,129 独立した人生を歩むの 608 00:44:35,965 --> 00:44:38,051 双子のローバーにも 個性がある 609 00:44:38,385 --> 00:44:42,806 どちらが好きか選ぶのは 難しいわね 610 00:44:42,972 --> 00:44:46,601 本当に選べないわ それが双子なのよ 611 00:44:55,026 --> 00:44:58,780 スピリットがいた グセフ・クレーターは寒い 612 00:44:59,572 --> 00:45:03,159 オポチュニティは赤道付近の バカンス地に 613 00:45:04,577 --> 00:45:08,248 スピリットの任務は 過酷だった 614 00:45:12,127 --> 00:45:16,631 スピリットは “アディロンダック”を見つけた 615 00:45:21,428 --> 00:45:23,054 その岩に触れたが 616 00:45:28,643 --> 00:45:30,437 報告がなかった 617 00:45:31,229 --> 00:45:33,022 MER-A… 618 00:45:34,232 --> 00:45:35,108 通信中 619 00:45:35,275 --> 00:45:40,405 モニターには 何も信号が見えません 620 00:45:44,951 --> 00:45:46,286 反応がない 621 00:45:46,494 --> 00:45:47,537 了解 622 00:45:51,875 --> 00:45:54,210 スピリットの担当だったの 623 00:45:54,794 --> 00:45:58,590 数日 家に帰らなかったわ 624 00:46:00,717 --> 00:46:06,014 私たちは暗い気持ちで スピリットに指示を出し 625 00:46:06,139 --> 00:46:08,475 情報を得ようとしてた 626 00:46:08,558 --> 00:46:12,187 再構成しようと していますが… 627 00:46:12,312 --> 00:46:13,605 マークが 目覚ましソングを選んでいた 628 00:46:13,605 --> 00:46:16,816 マークが 目覚ましソングを選んでいた ミッション・マネジャー マーク・アドラー 629 00:46:16,816 --> 00:46:17,108 ミッション・マネジャー マーク・アドラー 630 00:46:18,109 --> 00:46:23,281 私はスピリットが心配で “歌なんて要る?”と 631 00:46:24,324 --> 00:46:27,869 目覚ましソングどころじゃ なかった 632 00:46:30,622 --> 00:46:31,956 管制室だ 633 00:46:32,081 --> 00:46:37,253 伝統に逆らわず 目覚ましソングをかける 634 00:46:47,138 --> 00:46:51,476 楽しかった日々はどこ?       見つからないの 635 00:46:53,228 --> 00:46:57,941 手を伸ばしても   あなたは心を閉ざしてる 636 00:46:59,234 --> 00:47:02,487 2人の間に何が起こったの? 637 00:47:03,196 --> 00:47:05,990 その答えを知りたい 638 00:47:07,283 --> 00:47:11,746 あの頃は楽しくて    幸せだったのに 639 00:47:15,083 --> 00:47:20,672 私の声が聞こえないの?  “S.O.S.”って言ってるの 640 00:47:23,132 --> 00:47:28,263 あなたの愛しか私を救えない 641 00:47:29,847 --> 00:47:31,516 あなたなしで― 642 00:47:31,808 --> 00:47:35,270 前に進むなんてできない 643 00:47:41,943 --> 00:47:46,990 アバの「S.O.S.」なんて 完璧なチョイスね 644 00:47:52,787 --> 00:47:56,916 “音は聞こえたが スピリットは病んでいた” 645 00:47:58,293 --> 00:48:02,338 “フラッシュメモリが 破損していた” 646 00:48:02,839 --> 00:48:08,303 “この2カ月間 クラッシュと 再起動を繰り返している” 647 00:48:08,845 --> 00:48:13,766 ゲームがやめられない 10代の子みたいに― 648 00:48:13,891 --> 00:48:15,602 ずっと起きてたの 649 00:48:16,436 --> 00:48:18,938 電力がほぼ なくなるまで 650 00:48:21,316 --> 00:48:25,361 それでシャットダウン させることにした 651 00:48:26,529 --> 00:48:31,242 優しいコマンドだと シャットダウンしなかった 652 00:48:32,410 --> 00:48:34,412 それで少し焦ったの 653 00:48:34,704 --> 00:48:38,666 次に送るのは “シャットダウンしやがれ!” 654 00:48:38,791 --> 00:48:42,712 強制的にシャットダウンする コマンドよ 655 00:48:42,879 --> 00:48:46,132 24時間 シャットダウンする 656 00:48:54,182 --> 00:48:57,560 本件を公表するところだった 657 00:48:58,478 --> 00:49:00,480 ところが 突然… 658 00:49:00,855 --> 00:49:03,274 データの受信を確認しました 659 00:49:05,276 --> 00:49:06,235 “スピリット ドップラー・モニター” 660 00:49:06,235 --> 00:49:07,528 “スピリット ドップラー・モニター” “不眠症の数日間を経て” 661 00:49:07,528 --> 00:49:08,863 “不眠症の数日間を経て” 662 00:49:08,988 --> 00:49:11,157 “スピリットは眠っている” 663 00:49:13,159 --> 00:49:14,952 “正常に戻った” 664 00:49:15,953 --> 00:49:18,289 油を差した機械みたい 665 00:49:20,833 --> 00:49:22,835 ソル78 666 00:49:22,835 --> 00:49:24,128 ソル78 あくまで推測だ 667 00:49:24,295 --> 00:49:27,507 ローバーの寿命を決めるのは 668 00:49:27,715 --> 00:49:30,426 太陽光パネルの上の 砂ぼこりで 669 00:49:30,927 --> 00:49:33,513 90ソルは保証が切れる時期だ 670 00:49:33,638 --> 00:49:36,432 そこまでは継続したい 671 00:49:36,557 --> 00:49:41,813 少なくとも90ソルだが その先は火星の状況次第だ 672 00:49:45,024 --> 00:49:48,027 火星に90ソル滞在したあと 673 00:49:48,695 --> 00:49:50,988 スピリットも オポチュニティも 674 00:49:51,114 --> 00:49:53,282 電力がなくなる 675 00:49:53,408 --> 00:49:56,577 そして任務が終了になる 676 00:50:24,272 --> 00:50:26,524 この砂嵐を見て― 677 00:50:26,774 --> 00:50:31,195 スピリットと オポチュニティの身を案じた 678 00:50:36,909 --> 00:50:40,538 数週間前の画像では ひどい砂ぼこりだった 679 00:50:40,830 --> 00:50:42,790 太陽光パネルが見えない 680 00:50:44,167 --> 00:50:48,296 だが砂嵐の翌朝は 窓拭きをしたようだ 681 00:50:50,590 --> 00:50:53,843 着陸時のように きれいになった 682 00:51:01,267 --> 00:51:05,062 砂嵐はローバーの 最高の友達になった 683 00:51:09,901 --> 00:51:12,612 文字どおり 生命維持装置だった 684 00:51:13,196 --> 00:51:17,658 適切なタイミングに来て 私たちに酸素を吸わせ 685 00:51:17,742 --> 00:51:20,203 私たちは元気を取り戻した 686 00:51:22,580 --> 00:51:22,955 乾杯! 687 00:51:22,955 --> 00:51:23,748 乾杯! ソル91 688 00:51:23,748 --> 00:51:26,042 ソル91 689 00:51:28,336 --> 00:51:29,545 任務の成功条件を クリアした 690 00:51:29,545 --> 00:51:31,380 任務の成功条件を クリアした “91ソル おめでとう” 691 00:51:31,380 --> 00:51:31,756 “91ソル おめでとう” 692 00:51:31,756 --> 00:51:32,548 “91ソル おめでとう” 90ソルよ 693 00:51:32,548 --> 00:51:33,299 90ソルよ 694 00:51:35,134 --> 00:51:36,844 砂嵐の協力のおかげで 695 00:51:36,969 --> 00:51:42,433 ローバーには無限の生命が 宿っているように思えた 696 00:51:42,558 --> 00:51:46,896 “ローバーを飛ばして 火星を見て回ろう”と 697 00:51:52,068 --> 00:51:55,696 両ローバーとも 90ソルを達成した 698 00:51:57,323 --> 00:52:01,410 どちらのローバーが 長い距離を走れるか 699 00:52:01,577 --> 00:52:04,330 2台は競い合ってた 700 00:52:04,413 --> 00:52:04,914 “スピリットの日記 2004年4月13日” 701 00:52:04,914 --> 00:52:07,124 “スピリットの日記 2004年4月13日” “スピリットのソル99” 702 00:52:07,124 --> 00:52:07,333 “スピリットの日記 2004年4月13日” 703 00:52:07,333 --> 00:52:09,043 “スピリットの日記 2004年4月13日” “丘に向かう” 704 00:52:09,043 --> 00:52:10,169 “スピリットの日記 2004年4月13日” 705 00:52:10,336 --> 00:52:15,383 スピリットは 予定と違う場所に着陸した 706 00:52:16,926 --> 00:52:18,928 でも遠くを見ると 707 00:52:19,053 --> 00:52:23,099 コロンビア・ヒルズが そびえ立っていた 708 00:52:23,224 --> 00:52:28,437 飲める水が存在する証拠が 見つかるかもしれない 709 00:52:30,356 --> 00:52:32,441 火星の反対側では… 710 00:52:32,984 --> 00:52:37,572 オポチュニティが 全く別の冒険をしていた 711 00:52:38,781 --> 00:52:40,908 “オポチュニティの日記” 712 00:52:41,158 --> 00:52:45,162 “本当に必要なものは 地中にある岩盤だ” 713 00:52:45,705 --> 00:52:50,710 “一番近いのは東にある エンデュランスだ” 714 00:52:51,460 --> 00:52:56,549 クレーターのすばらしさは 古い岩石が底にあり 715 00:52:56,924 --> 00:53:02,138 新しい岩石が積み重なる 時間的な順序があることだ 716 00:53:05,266 --> 00:53:07,643 科学的な金鉱が眠っている 717 00:53:08,102 --> 00:53:13,733 だがローバーが急斜面を 下りることは想定外だった 718 00:53:17,945 --> 00:53:22,241 エンデュランスは ロボットを簡単に殺せる 719 00:53:23,284 --> 00:53:27,413 必要な分だけ 下りるようにする 720 00:53:27,580 --> 00:53:31,792 科学者の発想が エンジニアをイラつかせる 721 00:53:31,918 --> 00:53:36,464 “あの岩が面白い! ローバーに行かせよう”と 722 00:53:36,881 --> 00:53:42,553 エンジニアは“35度の傾斜を 下らせるなんて正気か?”と 723 00:53:42,720 --> 00:53:46,766 外に出る時 斜面を上れる保証もない 724 00:53:47,516 --> 00:53:49,602 中に入るのはよそう 725 00:53:52,772 --> 00:53:58,277 テスト用の斜面と ローバーの模型を造った 726 00:53:59,320 --> 00:54:01,489 ここは少し滑るな 727 00:54:02,281 --> 00:54:05,743 形状や土壌も 似せるようにした 728 00:54:07,703 --> 00:54:11,540 最初にテスト用の斜面を さっと上り… 729 00:54:12,500 --> 00:54:13,542 さっと落ちた 730 00:54:17,171 --> 00:54:22,176 それで少しずつ センチ単位で下ろした 731 00:54:24,929 --> 00:54:27,348 オポチュニティが 732 00:54:27,473 --> 00:54:30,518 困らないよう 慎重に計画した 733 00:54:42,613 --> 00:54:46,450 翌朝になって 画像を見ていると― 734 00:54:47,159 --> 00:54:50,371 部屋の中から 息をのむ声がした 735 00:54:51,288 --> 00:54:54,125 クレーターの側面は… 736 00:54:54,417 --> 00:54:59,797 思っていたより滑りやすく 彼女は斜面を下り始めた 737 00:55:01,340 --> 00:55:04,010 巨大な岩に向かって 738 00:55:12,518 --> 00:55:16,355 でもローバーには 自律性がある 739 00:55:18,149 --> 00:55:21,402 ローバーに自分で 考えさせるの 740 00:55:22,403 --> 00:55:28,367 ローバーは火星の状況を 私たちよりも知っているから 741 00:55:30,036 --> 00:55:32,663 クレーターの中の オポチュニティは 742 00:55:35,458 --> 00:55:38,002 斜面を滑っていると気づいた 743 00:55:38,461 --> 00:55:42,798 そして太陽光パネルが 岩に触れる寸前で― 744 00:55:43,049 --> 00:55:44,884 何とか止まった 745 00:55:46,135 --> 00:55:49,055 あと これくらいで衝突よ 746 00:55:50,056 --> 00:55:53,559 任務が終わるところだった 747 00:55:55,394 --> 00:55:57,188 ドキッとしたわ 748 00:55:57,563 --> 00:55:59,482 自律性に救われたの 749 00:56:00,858 --> 00:56:03,527 幸運なローバーを誇りに思う 750 00:56:09,575 --> 00:56:11,035 オポチュニティのために 751 00:56:11,577 --> 00:56:15,289 大きな写真を印刷した 752 00:56:15,414 --> 00:56:18,667 オービターが撮った 南北の画像だ 753 00:56:19,627 --> 00:56:22,463 クレーターが写ってた イーグルとエンデュランスだ 754 00:56:22,463 --> 00:56:23,881 クレーターが写ってた イーグルとエンデュランスだ エンデュランス・ クレーター 755 00:56:23,881 --> 00:56:23,964 クレーターが写ってた イーグルとエンデュランスだ 756 00:56:23,964 --> 00:56:25,341 クレーターが写ってた イーグルとエンデュランスだ イーグル・クレーター 757 00:56:25,883 --> 00:56:27,927 それを机の上に広げた 758 00:56:30,096 --> 00:56:36,060 下の端の大きなクレーターは ビクトリアと名付けた 759 00:56:40,314 --> 00:56:42,525 ビクトリア・クレーター 760 00:56:42,525 --> 00:56:44,193 ビクトリア・クレーター “任務は3カ月”と言いながらも 761 00:56:44,193 --> 00:56:46,904 “任務は3カ月”と言いながらも 762 00:56:47,238 --> 00:56:51,117 “このクレーターまで 2年かかる”と言い 763 00:56:52,034 --> 00:56:53,285 結局 到達した 764 00:56:54,078 --> 00:56:56,247 まず することは… 765 00:57:07,675 --> 00:57:10,928 私のことが好きなのよね? 766 00:57:10,928 --> 00:57:11,303 私のことが好きなのよね? ソル445 767 00:57:11,303 --> 00:57:11,387 ソル445 768 00:57:11,387 --> 00:57:14,265 ソル445 ベイビー 間違いないわ 769 00:57:14,849 --> 00:57:18,102 任務開始から1年半 770 00:57:18,269 --> 00:57:22,731 ビクトリア・クレーターは 遠く離れていた 771 00:57:24,400 --> 00:57:28,654 太陽の光の上を歩いてる 772 00:57:28,779 --> 00:57:31,073 最高に幸せな気分よ 773 00:57:31,198 --> 00:57:34,410 だが平らな土地が広がってる 774 00:57:35,661 --> 00:57:37,872 砂の波紋があるだけ 775 00:57:40,749 --> 00:57:43,419 “ブラインド・ドライブ”に した 776 00:57:48,757 --> 00:57:53,512 “目隠ししてるが信じて進め”と 彼女に伝えた 777 00:57:58,809 --> 00:58:04,356 ブラインド・ドライブでは 進行を車輪の回転数で数える 778 00:58:09,486 --> 00:58:12,323 確かに車輪は回っていた 779 00:58:15,117 --> 00:58:16,660 ショックなことに― 780 00:58:19,872 --> 00:58:22,166 オポチュニティは 動いてなかった 781 00:58:23,834 --> 00:58:24,835 “問題点・・車輪の埋没” 782 00:58:24,835 --> 00:58:26,879 “問題点・・車輪の埋没” どこで立ち往生を? 783 00:58:27,004 --> 00:58:30,424 この辺から 前進が見られなくなった 784 00:58:30,758 --> 00:58:35,512 でもローバー自身は 進んでると思ってた 785 00:58:35,888 --> 00:58:40,726 オポチュニティは1日中 その場で空回りしていた 786 00:58:41,060 --> 00:58:43,896 そして深みに はまっていった 787 00:58:49,443 --> 00:58:49,777 オポチュニティ システム 異常 788 00:58:49,777 --> 00:58:51,779 オポチュニティ システム 異常 “NASA:走行をやめて” 789 00:58:51,779 --> 00:58:51,862 オポチュニティ システム 異常 790 00:58:51,862 --> 00:58:55,115 オポチュニティ システム 異常 “オポチュニティ: 了解 走行をやめた” 791 00:58:56,200 --> 00:59:00,329 砂の中からローバーを救う 教科書はない 792 00:59:01,121 --> 00:59:05,084 そこで再現した砂丘に ローバーを埋めた 793 00:59:07,002 --> 00:59:11,006 エンジニアとしては ワクワクしたよ 794 00:59:11,131 --> 00:59:12,841 挑戦は楽しいからね 795 00:59:14,468 --> 00:59:16,053 流砂に はまった 796 00:59:17,179 --> 00:59:18,597 6週間かけて 797 00:59:18,722 --> 00:59:21,433 オポチュニティの 救出法を学んだ 798 00:59:22,935 --> 00:59:26,897 でも斜面には全く摩擦がない 799 00:59:27,731 --> 00:59:30,150 薄力粉の中にいるみたい 800 00:59:32,736 --> 00:59:37,032 ギアをリバースに入れて 加速するしかない 801 00:59:40,411 --> 00:59:40,744 オポチュニティ システム 異常 802 00:59:40,744 --> 00:59:43,038 オポチュニティ システム 異常 “NASA: リバース 最大速度で” 803 00:59:43,372 --> 00:59:47,334 “オポチュニティ: 了解 車輪が回転してる” 804 00:59:56,552 --> 00:59:59,179 かえって状況を悪化させた 805 00:59:59,305 --> 01:00:00,806 更に砂に はまった 806 01:00:02,182 --> 01:00:03,642 致命的だ 807 01:00:05,644 --> 01:00:07,938 “ソル483” 808 01:00:08,397 --> 01:00:10,607 “電力が大幅に低下” 809 01:00:11,150 --> 01:00:14,737 “何とか持ちこたえてる” 810 01:00:38,093 --> 01:00:40,429 “オポチュニティ・・ 2メートル後退” 811 01:00:40,554 --> 01:00:41,055 “脱出 成功!” 812 01:00:41,055 --> 01:00:43,015 “脱出 成功!” “ソル484” 813 01:00:44,433 --> 01:00:47,311 “長時間走行の オプションが復活” 814 01:00:55,027 --> 01:00:59,615 少し控え目に 走行することにした 815 01:01:00,074 --> 01:01:05,704 慎重に南へ向かい ビクトリア・クレーターに到着 816 01:01:06,622 --> 01:01:09,583 任務開始から2年半 817 01:01:13,003 --> 01:01:17,341 あるパーティで カクテルを飲んでいた 818 01:01:19,385 --> 01:01:22,513 “賭けよう”と誰かが言った 819 01:01:23,180 --> 01:01:25,849 ナプキンに名前を書いて― 820 01:01:26,558 --> 01:01:28,602 みんな20ドル出した 821 01:01:29,686 --> 01:01:30,896 “2台のローバーは 来年 生きているか?” 822 01:01:30,896 --> 01:01:33,899 “2台のローバーは 来年 生きているか?” “探査開始 おめでとう!” 823 01:01:33,899 --> 01:01:33,982 “2台のローバーは 来年 生きているか?” 824 01:01:33,982 --> 01:01:35,025 “2台のローバーは 来年 生きているか?” “オポチュニティ スピリット” 825 01:01:35,025 --> 01:01:36,110 “オポチュニティ スピリット” 826 01:01:36,860 --> 01:01:39,196 ナプキンを保管した 827 01:01:39,988 --> 01:01:43,367 そして毎年 賭けを続けた 828 01:01:46,286 --> 01:01:51,083 研究代表者の スティーヴ・スクワイヤーが 829 01:01:51,708 --> 01:01:54,503 毎年 死ぬ方に賭けるんだ 830 01:01:55,170 --> 01:01:59,591 いつかは勝てるというのが 私の論理だ 831 01:02:00,175 --> 01:02:03,220 賭けに勝てば 悲しみも和らぐ 832 01:02:05,305 --> 01:02:09,435 私は逆に投票した ローバーは生きると 833 01:02:11,145 --> 01:02:15,065 だから この賭けに ずっと勝ってた 834 01:02:25,033 --> 01:02:28,662 この時 働き者のスピリットは 835 01:02:28,787 --> 01:02:31,081 コロンビア・ヒルズにいた 836 01:02:33,417 --> 01:02:36,462 彼女は機械的な問題を 抱えていた 837 01:02:40,549 --> 01:02:43,594 右の前輪の故障だった 838 01:02:52,853 --> 01:02:57,649 車輪の動かないカートに 似てると誰かが言った 839 01:02:57,900 --> 01:02:59,943 “押すより引くんだ”と 840 01:03:01,487 --> 01:03:03,864 “それだ!”と思った 841 01:03:08,952 --> 01:03:11,330 スピリットは車輪を引きずり 842 01:03:11,455 --> 01:03:16,251 コロンビア・ヒルズを 後ろ向きに走った 843 01:03:17,169 --> 01:03:20,964 最悪だった 冬が近付いてきていた 844 01:03:26,970 --> 01:03:32,267 火星の冬は 地球の2倍と期間が長い 845 01:03:33,352 --> 01:03:35,145 そして寒い 846 01:03:35,854 --> 01:03:40,567 寒くなると機器を 一定温度以上に保つため 847 01:03:40,651 --> 01:03:45,864 多くの電力を使わなければ 壊れる可能性が高まる 848 01:03:47,115 --> 01:03:53,080 スピリットの太陽光パネルを 傾ける方法が必要だった 849 01:03:54,456 --> 01:03:56,083 そのためには― 850 01:03:57,376 --> 01:03:59,253 車体を傾けるしかない 851 01:04:10,222 --> 01:04:12,766 スピリットは冬の間 852 01:04:12,849 --> 01:04:16,770 岩だらけの地形を 後ろ向きに― 853 01:04:19,189 --> 01:04:22,150 登っていかなければならない 854 01:04:30,909 --> 01:04:34,788 季節だけが問題ではなく 砂嵐も来る 855 01:04:35,872 --> 01:04:36,331 ソル1220 856 01:04:36,331 --> 01:04:39,710 ソル1220 砂嵐が惑星規模に 発達することもある 857 01:04:40,043 --> 01:04:41,044 任務開始から3年半 858 01:04:41,044 --> 01:04:43,589 任務開始から3年半 それがオポチュニティに 襲いかかった 859 01:04:43,589 --> 01:04:44,673 それがオポチュニティに 襲いかかった 860 01:04:47,092 --> 01:04:50,095 “ソル1226” 861 01:04:51,013 --> 01:04:53,974 “オポチュニティは 必死で戦っていた” 862 01:04:55,183 --> 01:04:58,895 “空には記録的な量の 砂が舞い” 863 01:04:59,021 --> 01:05:01,940 “火星は猛攻撃を加えていた” 864 01:05:08,405 --> 01:05:12,659 彼女の意思決定プロセスを 微調整した 865 01:05:12,743 --> 01:05:15,746 電力が低下し始めたら 866 01:05:16,747 --> 01:05:17,873 “オポチュニティ・・ 全システムを―” 867 01:05:17,873 --> 01:05:20,083 “オポチュニティ・・ 全システムを―” 自らシャットダウンして― 868 01:05:20,375 --> 01:05:22,419 電力を温存するように “シャットダウン中” 869 01:05:22,419 --> 01:05:24,921 “シャットダウン中” 870 01:05:30,844 --> 01:05:34,765 任務終了なんて 考えないようにした 871 01:05:36,975 --> 01:05:39,811 砂嵐をオービターで 追跡できた 872 01:05:42,856 --> 01:05:46,234 晴れるまで何週間もかかった 873 01:05:47,986 --> 01:05:50,656 予定していた時間に― 874 01:05:50,822 --> 01:05:56,370 データを受信するのは 厳しい状況です 875 01:05:56,953 --> 01:06:01,249 目覚ましソングの候補が いくつもあるので 876 01:06:01,500 --> 01:06:05,504 今朝も曲を流そうと思います 877 01:06:18,308 --> 01:06:22,729 生き延びられるか 様子を見るしかなかった 878 01:06:24,731 --> 01:06:27,150 日が昇る 879 01:06:28,026 --> 01:06:31,697 ほら 日が昇るよ 880 01:06:31,863 --> 01:06:33,448 もう大丈夫だ 881 01:06:37,411 --> 01:06:43,333 僕の可愛いダーリン   長くて寒い冬だったね 882 01:06:44,960 --> 01:06:50,841 僕の可愛いダーリン   ずっと ここにいる気がする 883 01:06:52,342 --> 01:06:54,761 日が昇る 884 01:06:55,721 --> 01:06:59,433 ほら 日が昇るよ 885 01:06:59,641 --> 01:07:01,685 もう大丈夫だ 886 01:07:05,564 --> 01:07:11,528 僕の可愛いダーリン   みんなの顔に笑顔が戻った 887 01:07:13,071 --> 01:07:16,032 僕の可愛いダーリン… 888 01:07:16,199 --> 01:07:20,620 これだけの災害を 乗り越えられるなんて 889 01:07:26,334 --> 01:07:30,964 火星に私たちの邪魔は できないと思った 890 01:07:31,131 --> 01:07:34,551 全てを乗り越え 私たちは無敵だった 891 01:07:36,887 --> 01:07:38,847 任務は続いていた 892 01:07:40,015 --> 01:07:44,019 生命が誕生し得る場所を 見つけたかった 893 01:07:44,811 --> 01:07:48,607 飲める水があるかもしれない 894 01:07:59,367 --> 01:08:02,496 スクワイヤーズさん ようこそ 895 01:08:02,621 --> 01:08:07,417 これが今 火星にいる ローバーの模型です 896 01:08:07,709 --> 01:08:10,003 これはスピリット? 897 01:08:10,086 --> 01:08:11,463 双子なので 898 01:08:11,546 --> 01:08:13,799 子供を見分けられないと? 899 01:08:13,965 --> 01:08:15,717 ひどい父親だな 900 01:08:18,470 --> 01:08:20,972 双子のローバーの任務は― 901 01:08:21,598 --> 01:08:26,102 世間で大きな話題と なっていた 902 01:08:27,479 --> 01:08:30,315 今日も火星では スピリットと “マイルズ・オブライエン” 903 01:08:30,315 --> 01:08:30,482 “マイルズ・オブライエン” 904 01:08:30,482 --> 01:08:32,609 “マイルズ・オブライエン” オポチュニティが 活躍中です 905 01:08:32,818 --> 01:08:34,986 これまでに15キロを 移動し 906 01:08:34,986 --> 01:08:35,445 これまでに15キロを 移動し “火星へ 凱旋 がいせん 着陸” 907 01:08:35,445 --> 01:08:35,570 “火星へ 凱旋 がいせん 着陸” 908 01:08:35,570 --> 01:08:37,572 “火星へ 凱旋 がいせん 着陸” 15万以上の画像を 撮影しています 909 01:08:37,572 --> 01:08:38,907 15万以上の画像を 撮影しています 910 01:08:39,032 --> 01:08:42,118 NASAは宇宙科学に 功績がある 911 01:08:42,410 --> 01:08:47,290 しかし8歳児に ガンマ線の説明は難しい 912 01:08:49,668 --> 01:08:55,131 でもロボット地質学者なら 誰でも理解できる 913 01:08:56,842 --> 01:09:00,512 探検や冒険は 人類が共有する― 914 01:09:00,595 --> 01:09:03,807 大きな体験となり得る 915 01:09:04,349 --> 01:09:05,183 彼は何を? 916 01:09:06,560 --> 01:09:08,979 ローバーは探検や好奇心― 917 01:09:09,771 --> 01:09:14,276 この世界への興味を 象徴する現象となった 918 01:09:14,442 --> 01:09:17,070 今夜も火星ローバーに幸運を 919 01:09:17,195 --> 01:09:22,117 任務が続き 発見が約束されるほど― 920 01:09:23,577 --> 01:09:27,831 人々がローバーに 愛着を持つようになった 921 01:09:29,833 --> 01:09:32,711 でもスピリットが 動けなくなるまで 922 01:09:32,878 --> 01:09:37,549 影響の大きさを 私たちは理解していなかった 923 01:09:42,137 --> 01:09:45,140 スピリットには問題があった 924 01:09:45,599 --> 01:09:48,101 ソル1900 925 01:09:48,852 --> 01:09:51,021 すでに車輪が壊れていた 任務開始から5年 926 01:09:51,021 --> 01:09:51,688 任務開始から5年 927 01:09:51,688 --> 01:09:52,898 任務開始から5年 そして 少し埋没してしまい 928 01:09:52,898 --> 01:09:54,441 そして 少し埋没してしまい 929 01:09:56,318 --> 01:10:00,906 別の車輪が壊れた 冬も近付いてきてた 930 01:10:04,034 --> 01:10:06,453 でもスピリットのことだから 931 01:10:06,870 --> 01:10:09,122 何とかするだろうと思った 932 01:10:12,083 --> 01:10:13,835 この岩の山に― 933 01:10:14,461 --> 01:10:18,173 恐らく引っかかっている 934 01:10:18,673 --> 01:10:22,761 火星でもテスト用の砂地でも 走行すると沈む 935 01:10:24,888 --> 01:10:29,726 最初のスライドは 必要な電力の概要です 936 01:10:30,268 --> 01:10:32,979 赤い数字の時点で 937 01:10:33,104 --> 01:10:37,067 長期間の生存に 必要な電力がありません 938 01:10:38,944 --> 01:10:41,363 時間との戦いだった 939 01:10:41,529 --> 01:10:46,117 冬に負けないように 努力しなきゃならなかった 940 01:10:46,952 --> 01:10:51,790 そして一般の人たちから 手紙が届き始めたの 941 01:10:52,374 --> 01:10:58,338 スピリットを救うためなら 何でもしようと思ったわ 942 01:10:59,339 --> 01:11:02,092 “スピリットを助けろ!” 943 01:11:02,258 --> 01:11:05,220 人々の声は キャンペーンになった 944 01:11:07,013 --> 01:11:10,850 そして人間はロボットと つながりを持ち 945 01:11:10,976 --> 01:11:14,396 絆を作れることを 教えてくれた 946 01:11:15,689 --> 01:11:18,650 “ソル2196” 947 01:11:19,025 --> 01:11:22,112 “スピリットは冬の眠りに 備えていた” 948 01:11:23,071 --> 01:11:24,739 “彼女はベッドに寝かされる” 949 01:11:25,240 --> 01:11:28,201 “私たちは彼女の信号を―” 950 01:11:28,618 --> 01:11:30,370 “注意深く見ている” 951 01:11:32,872 --> 01:11:35,250 低体温症になり始めると 952 01:11:35,625 --> 01:11:37,585 通信ができなくなる 953 01:11:41,798 --> 01:11:43,925 そして翌朝 目を覚ますか 954 01:11:44,718 --> 01:11:46,094 覚まさないかも… 955 01:11:51,516 --> 01:11:53,226 太陽が戻ってくると 956 01:11:54,811 --> 01:11:57,814 私たちは 耳を澄ませた 957 01:11:58,648 --> 01:12:00,942 ささやきでも何でも― 958 01:12:01,860 --> 01:12:03,028 聞こえないかと 959 01:12:05,155 --> 01:12:06,573 何も聞こえなかった 960 01:12:11,327 --> 01:12:13,705 友人が去っていくのを 961 01:12:14,205 --> 01:12:17,459 見送っているような 感覚だった 962 01:12:19,335 --> 01:12:22,881 人間の話みたいで 変に聞こえると思う 963 01:12:23,256 --> 01:12:28,595 でも人間じゃなくても 人生の大きな存在だった 964 01:12:31,681 --> 01:12:34,392 スピリットは頑固で 大胆で― 965 01:12:34,768 --> 01:12:37,687 環境は彼女に より多くを求めた 966 01:12:38,146 --> 01:12:42,484 私は彼女の責任者で 思い入れもあったから 967 01:12:43,777 --> 01:12:47,238 私の分身のように感じてたの 968 01:12:52,702 --> 01:12:57,582 彼女は頑張ったから 疲れたのかもね 969 01:13:00,835 --> 01:13:03,379 スピリット・・ 任務終了 970 01:13:03,463 --> 01:13:07,509 2004年1月3日 - 2011年5月25日 971 01:13:16,518 --> 01:13:21,856 今日の移動で 100メートルくらいは行ける 972 01:13:22,649 --> 01:13:24,275 その想定で… 973 01:13:24,400 --> 01:13:30,323 この頃になると当初からの メンバーは少数だった 974 01:13:31,699 --> 01:13:36,162 次世代のエンジニアが ローバーを運用してる 975 01:13:40,917 --> 01:13:44,921 オポチュニティと 働けるなんてね 976 01:13:47,632 --> 01:13:49,968 私が中学生の時に 977 01:13:50,218 --> 01:13:54,681 ローバーが着陸する ニュースを見た 978 01:13:56,224 --> 01:13:56,975 私はテキサスの 小さな町で育った 979 01:13:56,975 --> 01:13:58,351 私はテキサスの 小さな町で育った フライト・ディレクター 980 01:13:58,351 --> 01:13:58,434 私はテキサスの 小さな町で育った 981 01:13:58,434 --> 01:14:00,019 私はテキサスの 小さな町で育った ビカ・ソスランド・ シーグフリード 982 01:14:00,937 --> 01:14:05,859 他の惑星の生命体を見つける 手助けをしたかった 983 01:14:07,485 --> 01:14:09,279 “歴史の一部になろう” 984 01:14:09,654 --> 01:14:14,450 17歳の時 ローバーの 命名コンテストがあった 985 01:14:16,369 --> 01:14:17,412 惑星保護エンジニア モージガ・クーパー 986 01:14:17,412 --> 01:14:19,372 惑星保護エンジニア モージガ・クーパー “ロムルス”と “レムス”で応募したの 987 01:14:19,372 --> 01:14:20,832 “ロムルス”と “レムス”で応募したの 988 01:14:22,417 --> 01:14:25,920 彼らの父親は戦いの神 マルスよ 989 01:14:27,046 --> 01:14:28,506 どうかしてたわ 990 01:14:29,716 --> 01:14:35,680 その時から私の頭の中は 火星探査でいっぱいだった 991 01:14:38,391 --> 01:14:42,645 そしてNASAの火星探査に たどり着く 992 01:14:44,230 --> 01:14:46,107 JPLに入った時 993 01:14:47,066 --> 01:14:49,986 オポチュニティは 年季が入ってて 994 01:14:50,069 --> 01:14:53,823 何度も何度も 任務を延長してた 995 01:14:54,949 --> 01:14:58,953 彼女がきっかけで 航空宇宙工学を始めた 996 01:14:59,412 --> 01:15:02,665 だから最初に 彼女と働きたかった 997 01:15:03,291 --> 01:15:06,336 TDLから全ステーションへ 998 01:15:06,461 --> 01:15:09,339 5分後にブリーフィングを 始めます 999 01:15:20,308 --> 01:15:22,936 スピリットがいなくなった今 1000 01:15:23,686 --> 01:15:26,731 オポチュニティは次に何を? 1001 01:15:28,233 --> 01:15:30,985 車輪が落ちるまで走らせる? 1002 01:15:31,945 --> 01:15:34,989 とにかく全速力で走り続け 1003 01:15:35,114 --> 01:15:37,492 あの大きなクレーターを 目指すか? 1004 01:15:37,492 --> 01:15:38,451 あの大きなクレーターを 目指すか? ビクトリア・クレーター 1005 01:15:38,451 --> 01:15:40,161 ビクトリア・クレーター 1006 01:15:40,954 --> 01:15:42,664 はるか遠くに― 1007 01:15:43,081 --> 01:15:46,334 エンデバーという クレーターがある 1008 01:15:47,043 --> 01:15:52,298 これまで見てきた中で 最も古い岩石があるはず 1009 01:15:52,548 --> 01:15:53,424 エンデバー・クレーター 1010 01:15:53,424 --> 01:15:55,218 エンデバー・クレーター 何年もかかる旅だけど 1011 01:15:55,218 --> 01:15:56,010 何年もかかる旅だけど 1012 01:15:56,928 --> 01:16:01,557 貴重な発見を求めて 行ってみることにした 1013 01:16:03,393 --> 01:16:05,770 “ソル1784” 1014 01:16:06,437 --> 01:16:08,273 “任務開始から5年” 1015 01:16:09,440 --> 01:16:12,277 “エンデバーに 向かっている” 1016 01:16:12,568 --> 01:16:16,364 “できるだけ多い頻度で 長時間 走る” 1017 01:16:16,990 --> 01:16:17,657 ビクトリア・クレーター 1018 01:16:17,657 --> 01:16:20,827 ビクトリア・クレーター “今週 彼女は 宝くじに当たり―” 1019 01:16:20,910 --> 01:16:23,871 “雷のようなものに打たれた” 1020 01:16:24,289 --> 01:16:29,252 “宇宙線の直撃を受け 数日 足止めされたのだ” 1021 01:16:29,585 --> 01:16:33,881 “でも彼女は無事で 再び旅を続けている” 1022 01:16:34,632 --> 01:16:36,968 “ソル2042” 1023 01:16:37,302 --> 01:16:39,345 “任務開始から6年” 1024 01:16:39,846 --> 01:16:43,474 “オポチュニティは 隕石 いんせき ハンターだ” 1025 01:16:44,100 --> 01:16:49,105 “エンデバーへの道中 3つの隕石を見つけた” 1026 01:16:51,649 --> 01:16:54,527 “ソル2213” 1027 01:16:55,445 --> 01:17:00,158 “火星で4回目の冬だが 寒さはまだ序の口だ” 1028 01:17:00,950 --> 01:17:02,910 “電力を節約するため―” 1029 01:17:03,036 --> 01:17:07,290 “睡眠を増やし 電子機器を温める” 1030 01:17:08,207 --> 01:17:09,292 エンデバー・クレーター 1031 01:17:09,292 --> 01:17:11,919 エンデバー・クレーター 全速力で進んでる 1032 01:17:12,045 --> 01:17:15,089 日によって 進む距離が違うからね 1033 01:17:15,840 --> 01:17:17,258 でも進み続ける 1034 01:17:18,134 --> 01:17:20,470 “任務開始から7年” 1035 01:17:21,137 --> 01:17:25,391 “エンデバーまで あと約2キロ” 1036 01:17:26,267 --> 01:17:29,062 “スピリット・ポイントに 到着する” 1037 01:17:29,354 --> 01:17:33,024 “双子の姉妹をたたえて 名付けられた” 1038 01:17:37,028 --> 01:17:37,487 “ゴール” 1039 01:17:37,487 --> 01:17:39,238 “ゴール” JPL主催の第1回 火星マラソンへ ようこそ 1040 01:17:39,238 --> 01:17:42,867 JPL主催の第1回 火星マラソンへ ようこそ 1041 01:17:45,620 --> 01:17:49,332 オポチュニティは1週間半前に 火星で― 1042 01:17:49,457 --> 01:17:52,210 この距離を達成しました 1043 01:17:56,047 --> 01:17:58,299 皆さん お疲れ様でした 1044 01:17:58,800 --> 01:18:00,009 この時点で― 1045 01:18:00,134 --> 01:18:06,015 保証期間を超過し 延長した期間も超過していた 1046 01:18:06,182 --> 01:18:09,477 私たちは長い間 任務を延長した 1047 01:18:16,818 --> 01:18:20,154 オポチュニティも 年季が入り始めた 1048 01:18:21,989 --> 01:18:23,574 彼女の白髪は 1049 01:18:23,699 --> 01:18:28,579 ケーブルの隙間にたまった 砂ぼこりだった 1050 01:18:33,042 --> 01:18:35,002 肩関節の1つが 1051 01:18:35,461 --> 01:18:38,506 関節炎になり始めた 1052 01:18:48,057 --> 01:18:50,059 無理に動かすと― 1053 01:18:50,143 --> 01:18:54,272 肝心な時に動かなくなると 気づいた 1054 01:18:58,818 --> 01:19:04,031 だから その後は アームを出したままにした 1055 01:19:07,326 --> 01:19:09,662 関節炎になったことで 1056 01:19:10,621 --> 01:19:14,500 右の前輪に不具合が 起き始めた 1057 01:19:18,921 --> 01:19:22,675 だからコースをそれるのを 想定して― 1058 01:19:22,842 --> 01:19:24,677 進路を修正した 1059 01:19:30,808 --> 01:19:33,227 彼女は年を重ねるにつれて 1060 01:19:33,352 --> 01:19:37,231 記憶を無くし始めていた 1061 01:19:44,530 --> 01:19:46,199 眠りにつくと… 1062 01:19:49,285 --> 01:19:52,830 科学的な情報も 彼女がやったことも 1063 01:19:52,914 --> 01:19:55,666 目覚める前に忘れてしまう 1064 01:19:59,629 --> 01:20:04,717 オポチュニティが 記憶を失い始めたのと同じ頃 1065 01:20:06,344 --> 01:20:09,722 祖母が認知症と診断されたの 1066 01:20:10,348 --> 01:20:15,645 祖母が自分を失っていくのを 目の当たりにするのは 1067 01:20:19,440 --> 01:20:24,403 人生で最もつらい経験の 1つだった 1068 01:20:28,074 --> 01:20:32,245 オポチュニティが 記憶を失っていく中で 1069 01:20:34,080 --> 01:20:40,044 その状態で活動させる方法を 考えなければならなかった 1070 01:20:46,259 --> 01:20:50,304 彼女を眠らせないことに 成功したの 1071 01:20:50,304 --> 01:20:51,472 彼女を眠らせないことに 成功したの “NASA・・ 今日はお昼寝なし” 1072 01:20:51,472 --> 01:20:52,181 “NASA・・ 今日はお昼寝なし” 1073 01:20:52,306 --> 01:20:53,808 “データ送信のため 起きていて” 1074 01:20:53,808 --> 01:20:57,770 “データ送信のため 起きていて” 眠って全てを忘れる前に 私たちにデータを送った 1075 01:20:57,770 --> 01:20:58,020 眠って全てを忘れる前に 私たちにデータを送った 1076 01:20:58,020 --> 01:20:58,688 眠って全てを忘れる前に 私たちにデータを送った “オポチュニティ・・ データ送信中” 1077 01:20:58,688 --> 01:21:01,941 “オポチュニティ・・ データ送信中” 1078 01:21:06,404 --> 01:21:09,615 オポチュニティのおかげで 1079 01:21:09,699 --> 01:21:13,995 私は祖母の状況にも うまく対処できた 1080 01:21:15,621 --> 01:21:20,334 それも人生の一部だと 理解することができた 1081 01:21:25,590 --> 01:21:28,634 それでも彼女は完璧な子で 1082 01:21:29,176 --> 01:21:32,930 任務を達成するために― 1083 01:21:33,180 --> 01:21:35,182 最大限の努力をしてた 1084 01:21:35,391 --> 01:21:39,645 生物が火星で生きるための 水を探してた 1085 01:21:46,235 --> 01:21:48,571 数年の旅を経て ようやく 1086 01:21:48,696 --> 01:21:53,492 エンデバーの縁が 遠方に見えるようになった 1087 01:21:59,248 --> 01:22:02,335 幅が15キロ以上も あると知った 1088 01:22:03,669 --> 01:22:06,714 近くに寄ってみて 初めてわかったんだ 1089 01:22:09,383 --> 01:22:10,384 わあ! 1090 01:22:17,600 --> 01:22:20,978 縁にたどり着いて 全てが変わった 1091 01:22:23,439 --> 01:22:26,567 新しい任務の始まりを感じた 1092 01:22:28,694 --> 01:22:31,572 何億年という時間を さかのぼり 1093 01:22:31,822 --> 01:22:35,618 全く新しい環境を探検する 1094 01:22:38,996 --> 01:22:40,581 これが好きなの 1095 01:22:42,375 --> 01:22:44,710 “ソル3300” 1096 01:22:45,002 --> 01:22:47,004 “任務開始から9年” 1097 01:22:47,546 --> 01:22:53,094 “彼女は古代の居住可能性を 知る手掛かりとなる―” 1098 01:22:53,177 --> 01:22:57,390 “エスペランスという岩石の 分析に熱中” 1099 01:23:05,272 --> 01:23:06,982 “分析中” 1100 01:23:09,735 --> 01:23:10,528 比較的中性の水によって 変化した粘土で― 1101 01:23:10,528 --> 01:23:15,616 比較的中性の水によって 変化した粘土で― “粘土鉱物を確認” 1102 01:23:16,200 --> 01:23:22,081 オポチュニティの発見の中で 生物に最も好条件だ 1103 01:23:25,376 --> 01:23:27,461 これは大発見だった 1104 01:23:29,004 --> 01:23:30,256 水よ 1105 01:23:30,589 --> 01:23:35,177 飲める中性の水が かつて火星に存在した 1106 01:23:42,727 --> 01:23:47,898 水があるだけでなく 微生物も存在したかも 1107 01:23:48,607 --> 01:23:50,359 まさに革命的なことよ 1108 01:23:52,820 --> 01:23:56,532 古代の火星は生命の誕生に― 1109 01:23:57,158 --> 01:24:02,455 今より適していたのだと 教えてくれた 1110 01:24:04,707 --> 01:24:06,667 これが聖杯だった 1111 01:24:07,334 --> 01:24:09,837 私たちが火星に行った理由だ 1112 01:24:10,755 --> 01:24:14,175 オポチュニティは火星が 地球とよく似た― 1113 01:24:14,300 --> 01:24:18,095 湿った惑星だったことを 発見した 1114 01:24:19,263 --> 01:24:24,643 水が大きな役割を果たし それが惑星を完全に変えた 1115 01:24:25,936 --> 01:24:30,691 任務開始から10年 1116 01:24:30,858 --> 01:24:31,692 任務開始から11年 1117 01:24:31,692 --> 01:24:35,112 任務開始から11年 何年もかけ 彼女は エンデバーを探検した 1118 01:24:35,112 --> 01:24:35,279 何年もかけ 彼女は エンデバーを探検した 1119 01:24:35,279 --> 01:24:36,280 何年もかけ 彼女は エンデバーを探検した 任務開始から12年 1120 01:24:36,280 --> 01:24:36,489 任務開始から12年 1121 01:24:36,489 --> 01:24:40,075 任務開始から12年 水の存在を語る 驚くべき発見をした 1122 01:24:40,075 --> 01:24:40,242 水の存在を語る 驚くべき発見をした 1123 01:24:40,242 --> 01:24:40,701 水の存在を語る 驚くべき発見をした 任務開始から13年 1124 01:24:40,701 --> 01:24:42,453 任務開始から13年 1125 01:24:42,453 --> 01:24:43,704 任務開始から13年 そうして 私たちは 生命の可能性を垣間見た 1126 01:24:43,704 --> 01:24:47,541 そうして 私たちは 生命の可能性を垣間見た 1127 01:24:52,213 --> 01:24:56,467 多くの人が なぜ火星探査が重要か尋ねる 1128 01:24:57,760 --> 01:25:00,721 ローバーの遺産から― 1129 01:25:00,846 --> 01:25:05,684 いくつかの疑問への 答えが得られる 1130 01:25:07,436 --> 01:25:08,813 火星に水があった 1131 01:25:09,855 --> 01:25:11,232 今 その水は? 1132 01:25:11,357 --> 01:25:16,237 得た情報を地球のために 応用できるか? 1133 01:25:18,113 --> 01:25:20,533 私たちの役割は何か? 1134 01:25:21,367 --> 01:25:25,704 私たちは地球の変化を 加速させる― 1135 01:25:26,789 --> 01:25:29,124 何かをしているのか? 1136 01:25:30,543 --> 01:25:32,753 変化は元に戻せない 1137 01:25:55,150 --> 01:25:57,403 任務開始から14年 1138 01:25:57,903 --> 01:26:01,073 5000ソルは 一度しか来ない 1139 01:26:01,198 --> 01:26:03,117 大きな成果だ 1140 01:26:04,493 --> 01:26:07,997 ローバーは忘れっぽく 関節炎だが 1141 01:26:08,163 --> 01:26:09,874 カメラはまだ使える 1142 01:26:10,249 --> 01:26:11,584 何をすればいい? 1143 01:26:12,835 --> 01:26:15,921 5000ソルの数日前に 冗談で言った 1144 01:26:16,672 --> 01:26:17,715 “自撮りを”と 1145 01:26:20,509 --> 01:26:24,096 オポチュニティの目を通して 火星を見てきた 1146 01:26:25,347 --> 01:26:28,058 でもオポチュニティの姿は 見てない 1147 01:26:29,184 --> 01:26:31,687 2003年に 地球を離れて以来ね 1148 01:26:31,896 --> 01:26:34,398 データマイニングをして… 1149 01:26:34,523 --> 01:26:37,192 5000ソルの 計画が始まると 1150 01:26:37,693 --> 01:26:40,112 サイエンスリーダーが 言った 1151 01:26:40,446 --> 01:26:44,575 “エンジニアチームが 自撮りをしたいそうだ” 1152 01:26:44,783 --> 01:26:46,994 みんな 黙り込んだ 1153 01:26:47,119 --> 01:26:50,748 “何だって?”という 空気だった 1154 01:26:51,874 --> 01:26:55,669 この無意味な 行為のために― 1155 01:26:56,378 --> 01:27:00,049 アームの寿命を 終わらせるかも 1156 01:27:02,009 --> 01:27:05,262 サイエンスチームを 説得しようとした 1157 01:27:07,973 --> 01:27:12,102 彼女の肩が故障してるのが 厄介だった 1158 01:27:13,270 --> 01:27:18,359 肩を動かさずに いろんな角度から撮る方法を 1159 01:27:18,901 --> 01:27:20,653 考える必要があった 1160 01:27:22,696 --> 01:27:25,824 最高ではないけど ベストを尽くした 1161 01:27:26,533 --> 01:27:30,537 サイエンスチームからの 感謝の印だったと思う 1162 01:27:30,663 --> 01:27:33,457 “今までありがとう 協力するよ” 1163 01:27:33,707 --> 01:27:36,085 “自撮りをやったらいい” 1164 01:27:36,377 --> 01:27:38,796 “彼女がどうするか見よう” 1165 01:27:51,892 --> 01:27:55,980 顕微鏡のプレビュー画像を 頼りに― 1166 01:27:58,273 --> 01:28:02,111 エンジニアは17の角度から 写真を撮ってる 1167 01:28:04,655 --> 01:28:07,199 彼女の古い コンピューターでは 1168 01:28:10,995 --> 01:28:15,457 1枚撮るにも1分ほどかかる 1169 01:28:21,046 --> 01:28:24,633 何度も画面を更新していると― 1170 01:28:24,800 --> 01:28:27,344 突然 サムネイルが 表示された 1171 01:28:27,553 --> 01:28:29,972 64ピクセルのサムネイルだ 1172 01:28:32,683 --> 01:28:35,686 ぼやけた画像で 上下が逆だった 1173 01:28:37,563 --> 01:28:40,024 でも全てを見てみたら 1174 01:28:41,817 --> 01:28:44,153 彼女の写真になった 1175 01:28:45,529 --> 01:28:50,159 小さくて 白黒で ピンぼけだったけれど― 1176 01:28:50,367 --> 01:28:54,163 14年ぶりに 初めて 1177 01:28:55,039 --> 01:28:56,540 彼女を見た 1178 01:29:05,257 --> 01:29:11,221 ソル5000 1179 01:29:13,015 --> 01:29:15,517 “チャールズ・エラチ 管制センター” 1180 01:29:17,311 --> 01:29:20,939 オポチュニティを 担当した人は皆― 1181 01:29:21,065 --> 01:29:24,109 火星の気象データを受け取る 1182 01:29:25,903 --> 01:29:28,363 ある日 彼女のいる場所が 1183 01:29:28,489 --> 01:29:31,950 ほこりっぽく 雲っていた 1184 01:29:34,953 --> 01:29:39,917 これはソル5106に 撮られた画像よ 1185 01:29:40,292 --> 01:29:43,504 太陽が大きく 輝いているのが分かる 1186 01:29:44,296 --> 01:29:48,550 でもわずか3ソル後に 完全に消えたの 1187 01:29:50,344 --> 01:29:51,303 そうよ 1188 01:29:52,971 --> 01:29:54,640 これは本当に怖い 1189 01:29:58,102 --> 01:30:01,814 砂嵐がオポチュニティに 向かっている 1190 01:30:03,190 --> 01:30:07,486 これまでも砂嵐を乗り越え 生き残ってきた 1191 01:30:08,529 --> 01:30:11,073 しかし数日後には 1192 01:30:11,198 --> 01:30:15,911 これまでとは状況が違うと みんな 気づき始めた 1193 01:30:18,413 --> 01:30:21,166 “ソル5111” 1194 01:30:22,751 --> 01:30:27,089 “彼女を襲う砂嵐が 激しくなっている” 1195 01:30:31,510 --> 01:30:36,682 “電力低下異常を想定した 緊急事態宣言が出された” 1196 01:30:41,728 --> 01:30:42,354 オポチュニティ システム 異常 1197 01:30:42,354 --> 01:30:47,693 オポチュニティ システム 異常 “オポチュニティ:電力低下 暗くなってきた” 1198 01:30:57,119 --> 01:30:59,329 そして信号が消えた 1199 01:31:02,082 --> 01:31:06,044 私たちは “砂嵐の時の作戦がある” 1200 01:31:06,211 --> 01:31:11,049 “何でもやって 通信を回復させる”と 1201 01:31:11,216 --> 01:31:12,593 “オポチュニティ・ エース” 1202 01:31:12,593 --> 01:31:15,512 “オポチュニティ・ エース” 目覚ましソングはやめていた 1203 01:31:16,221 --> 01:31:20,601 だが歌が助けになるかもと 伝統を復活させた 1204 01:31:21,101 --> 01:31:22,227 ジルバ… 1205 01:31:23,395 --> 01:31:25,981 彼女を起こすため曲を流した 1206 01:31:26,273 --> 01:31:32,029 出かける前に僕を起こして     僕を置いていかないで 1207 01:31:32,154 --> 01:31:37,784 出かける前に僕を起こして   ハイな君を見逃したくない 1208 01:31:40,996 --> 01:31:44,041 “ソル5176” 1209 01:31:44,625 --> 01:31:48,962 “通信が途絶えてから 60ソル以上 経過した” 1210 01:31:49,963 --> 01:31:52,507 “空が晴れるまで 数週間だろう” 1211 01:31:55,594 --> 01:32:01,433 出かける前に僕を起こして   ハイな君を見逃したくない 1212 01:32:01,850 --> 01:32:04,519 “ソル5210” 1213 01:32:04,770 --> 01:32:07,814 “通信が途絶えて およそ100ソル” 1214 01:32:08,065 --> 01:32:11,985 “チームは連絡を 心待ちにしている” 1215 01:32:18,116 --> 01:32:20,911 心にかかる雲を取り去って― 1216 01:32:20,994 --> 01:32:23,956 君は僕の心を   明るくしてくれる 1217 01:32:24,665 --> 01:32:27,209 “ソル5292” 1218 01:32:27,793 --> 01:32:32,130 “最後の通信から 半年以上 過ぎた” 1219 01:32:32,547 --> 01:32:35,300 “砂嵐はようやく収まった” 1220 01:32:36,134 --> 01:32:39,179 突然 目を覚ますと 期待してた 1221 01:32:39,304 --> 01:32:40,806 きっと生きていると 1222 01:32:46,144 --> 01:32:47,938 願いは かなわなかった 1223 01:32:49,982 --> 01:32:54,945 彼女は決まった時間に起きる 自律性を持ってる 1224 01:32:55,112 --> 01:32:59,825 目覚ましが鳴るタイミングが 分かるから― 1225 01:33:00,117 --> 01:33:03,954 毎日 その時間に 彼女にコンタクトした 1226 01:33:04,121 --> 01:33:04,997 “ソル5339 2019年1月30日” 1227 01:33:04,997 --> 01:33:06,915 “ソル5339 2019年1月30日” “日が短くなり 秋が近付いている” 1228 01:33:06,915 --> 01:33:06,999 “日が短くなり 秋が近付いている” 1229 01:33:06,999 --> 01:33:09,084 “日が短くなり 秋が近付いている” “オポチュニティの日記” 1230 01:33:09,626 --> 01:33:12,170 “積極的に指示を 送っている” 1231 01:33:14,089 --> 01:33:19,052 “私たちは毎日 彼女の語りかけを待っている” 1232 01:33:27,686 --> 01:33:31,648 NASAが彼女を 目覚めさせるため― 1233 01:33:31,648 --> 01:33:32,566 NASAが彼女を 目覚めさせるため― “宇宙飛行運用施設” 1234 01:33:32,566 --> 01:33:32,691 “宇宙飛行運用施設” 1235 01:33:32,691 --> 01:33:34,192 “宇宙飛行運用施設” 最後にもう一度 交信すると言った 1236 01:33:34,192 --> 01:33:34,276 最後にもう一度 交信すると言った 1237 01:33:34,276 --> 01:33:35,652 最後にもう一度 交信すると言った ソル5352 1238 01:33:35,652 --> 01:33:36,737 ソル5352 1239 01:33:36,820 --> 01:33:38,697 2019年2月12日 1240 01:33:44,911 --> 01:33:48,165 “ダークルーム”の床を 見つめていた 1241 01:33:48,623 --> 01:33:54,379 15年にわたり 両ローバーに コマンドを送っていた部屋だ 1242 01:34:01,928 --> 01:34:03,055 “早く起きろ” 1243 01:34:04,389 --> 01:34:05,807 “調子を整えて―” 1244 01:34:08,101 --> 01:34:10,395 “探検に戻ろう” 1245 01:34:28,413 --> 01:34:32,459 数秒が経ち 1分が経ち 私たちは理解した 1246 01:34:36,129 --> 01:34:40,467 16歳の時の記憶が 鮮明によみがえった 1247 01:34:40,967 --> 01:34:46,932 着陸の夜 私は 今と同じ部屋に立っていて― 1248 01:34:47,349 --> 01:34:50,519 人生で何がしたいかを悟った 1249 01:35:02,322 --> 01:35:04,991 旅が終わった時 1250 01:35:07,411 --> 01:35:09,329 一気に記憶がよみがえったの 1251 01:35:16,044 --> 01:35:17,379 オペレーションチームが 1252 01:35:17,462 --> 01:35:22,342 “最後の目覚ましソングを 選んでくれ”と言った 1253 01:35:24,177 --> 01:35:26,388 一度も選んでなかった 1254 01:35:26,680 --> 01:35:29,724 ふさわしい曲を選びたかった 1255 01:35:31,059 --> 01:35:34,229 最終的に私が選んだ曲は 1256 01:35:34,646 --> 01:35:38,650 恋の終わりを 歌ったものだった 1257 01:35:39,317 --> 01:35:41,403 そして それは… 1258 01:35:45,365 --> 01:35:49,828 私たちの関係への 感謝の気持ちだった 1259 01:35:55,375 --> 01:35:57,544 プロジェクト完了 1260 01:36:00,130 --> 01:36:05,594 あなたのことを思い出すわ 1261 01:36:07,179 --> 01:36:12,893 懐かしい場所を思い浮かべて 1262 01:36:13,768 --> 01:36:19,191 私たちは 2台のローバーに 深い思い入れがある 1263 01:36:19,316 --> 01:36:22,527 愛という言葉は 慎重に使うべきだが 1264 01:36:23,069 --> 01:36:25,363 彼女たちを愛してる 1265 01:36:27,365 --> 01:36:29,618 親として誇りに思う 1266 01:36:30,702 --> 01:36:32,579 歴史書を書き換えた 1267 01:36:33,705 --> 01:36:35,582 だが人としては悲しい 1268 01:36:36,124 --> 01:36:37,834 彼女は友達だった 1269 01:36:37,959 --> 01:36:41,421 あなたを見つけるわ 1270 01:36:41,671 --> 01:36:44,424 朝の日の光の中に 1271 01:36:44,508 --> 01:36:48,553 プロジェクト全体が 愛で結ばれていた 1272 01:36:50,138 --> 01:36:51,932 ローバーを愛し― 1273 01:36:52,766 --> 01:36:55,352 一緒に造った仲間を愛してる 1274 01:36:56,311 --> 01:36:58,939 そして何年もの間― 1275 01:36:59,022 --> 01:37:02,901 共に働いてくれた人たちを 愛してる 1276 01:37:04,236 --> 01:37:08,990 私たちにとって 一生に一度の特権だった 1277 01:37:09,199 --> 01:37:13,954 こんな冒険をする機会は 二度と来ない 1278 01:37:14,496 --> 01:37:20,460 あなたを思い出すわ 1279 01:37:21,419 --> 01:37:24,381 “ソル5352” 1280 01:37:24,965 --> 01:37:27,259 “任務開始から15年” 1281 01:37:27,926 --> 01:37:33,473 “イーグル・クレーターに ホールインワンして以来” 1282 01:37:33,765 --> 01:37:38,728 “オポチュニティは 幸運のローバーと呼ばれる” 1283 01:37:39,104 --> 01:37:44,818 “1万3744個のコマンドを 受け取り” 1284 01:37:44,985 --> 01:37:48,697 “当初の予定の90ソルを はるかに超えて” 1285 01:37:48,822 --> 01:37:52,826 “5262ソルも働き続けた” 1286 01:37:53,076 --> 01:37:57,956 “オポチュニティの 驚くべき旅は終わりを告げた” 1287 01:37:58,540 --> 01:38:00,458 “おやすみ オポチュニティ” 1288 01:38:01,126 --> 01:38:02,210 “よくやったわ” 1289 01:38:02,502 --> 01:38:06,923 空に浮かぶ月を見上げるわ 1290 01:38:08,842 --> 01:38:11,970 そして やっぱり… 1291 01:38:13,638 --> 01:38:18,560 あなたを思い出すの 1292 01:38:31,448 --> 01:38:33,283 “火星への カウントダウン” 1293 01:38:33,283 --> 01:38:34,993 “火星への カウントダウン” スピリットと オポチュニティに 1294 01:38:34,993 --> 01:38:35,910 スピリットと オポチュニティに 1295 01:38:36,077 --> 01:38:39,414 築かれた探検の物語は 1296 01:38:40,999 --> 01:38:43,877 次のローバーへと 引き継がれます 1297 01:38:45,879 --> 01:38:50,050 パーサビアランスは 彼女たちの孫だ 1298 01:38:51,760 --> 01:38:56,806 彼女の本質は先人が作った 土台の上に築かれている 1299 01:38:57,849 --> 01:38:59,768 打ち上げの準備はいい? 1300 01:39:06,149 --> 01:39:11,363 パーサビアランスの開発中に 第2子を妊娠したの 1301 01:39:14,407 --> 01:39:17,994 ローバーが 新生児集中治療室にいて 1302 01:39:19,287 --> 01:39:21,623 見守ってる気分だった 1303 01:39:21,915 --> 01:39:23,833 新しい赤ちゃんよ 1304 01:39:25,085 --> 01:39:25,669 スペースコーストは 美しい朝を迎えています 1305 01:39:25,669 --> 01:39:28,505 スペースコーストは 美しい朝を迎えています 2020年7月 1306 01:39:28,505 --> 01:39:28,672 スペースコーストは 美しい朝を迎えています 1307 01:39:28,672 --> 01:39:29,339 スペースコーストは 美しい朝を迎えています パーサビアランス 打ち上げ 1308 01:39:29,339 --> 01:39:29,464 パーサビアランス 打ち上げ 1309 01:39:29,464 --> 01:39:32,133 パーサビアランス 打ち上げ クーパーです 打ち上げまでの50分間― 1310 01:39:32,133 --> 01:39:32,842 クーパーです 打ち上げまでの50分間― 1311 01:39:33,009 --> 01:39:37,639 今回 どのように 古代の微小生命体を探索し 1312 01:39:37,764 --> 01:39:42,018 新技術をテストするのか 紹介します 1313 01:39:42,352 --> 01:39:43,770 ピーナツは 1314 01:39:45,188 --> 01:39:47,482 私たちの伝統だよ 1315 01:39:51,903 --> 01:39:52,946 食べるか? 1316 01:39:58,076 --> 01:40:01,996 惑星探査に無縁だと 言う人がいる 1317 01:40:02,622 --> 01:40:07,085 私は 祖先が 地球を歩いた時の話をする 1318 01:40:08,002 --> 01:40:10,672 彼らは最初に天を仰いだ 1319 01:40:11,506 --> 01:40:16,886 彼らは星座や星たちを見て それから どうしたか? 1320 01:40:17,345 --> 01:40:19,472 天を利用して 1321 01:40:20,890 --> 01:40:22,809 暦を作り 1322 01:40:23,059 --> 01:40:26,396 作物の栽培と 収穫の時期を知った 1323 01:40:26,855 --> 01:40:28,732 フライト 任務了解 1324 01:40:29,065 --> 01:40:31,443 それを地球で行った 1325 01:40:32,026 --> 01:40:36,239 惑星探査は最初から 私たちと共にあった 1326 01:40:36,531 --> 01:40:42,454 地球の生活を良くするために 先人と同じことをしてる 1327 01:40:42,579 --> 01:40:45,832 2 1 0 1328 01:40:46,708 --> 01:40:48,668 発射! 1329 01:41:41,513 --> 01:41:43,056 マイロ 見て! 1330 01:41:43,681 --> 01:41:44,599 あれは何? 1331 01:41:44,724 --> 01:41:45,683 ロケット 1332 01:41:45,809 --> 01:41:47,393 そうね 1333 01:41:48,394 --> 01:41:50,480 ローバーも! 1334 01:41:51,147 --> 01:41:54,484 そうね ローバーが乗ってる 1335 01:44:49,617 --> 01:44:51,619 日本語字幕 片山 貴子 1336 01:44:51,703 --> 01:44:53,705 制作監修 吉田 貴代子