1 00:00:08,842 --> 00:00:09,972 夢は終わった 2 00:00:13,889 --> 00:00:15,019 原作 デヴィッド・ ヘップワ︱ス 3 00:00:14,223 --> 00:00:15,393 1971年に… 4 00:00:15,474 --> 00:00:16,934 音楽は主張してた 5 00:00:27,402 --> 00:00:29,112 世界は変わろうとしてた 6 00:00:31,073 --> 00:00:34,833 1971年に 21世紀を創造してた 7 00:00:45,212 --> 00:00:48,132 その年、音楽が全てを変えた 8 00:00:51,009 --> 00:00:56,519 スタ︱マン 9 00:01:14,241 --> 00:01:17,451 当時はハイになると 皆 無口になった 10 00:01:15,576 --> 00:01:17,446 声:ロバ︱ト・ グリ︱ンフィ︱ルド 11 00:01:17,536 --> 00:01:19,196 ロ︱リング・スト︱ン誌 12 00:01:18,537 --> 00:01:22,997 12人ぐらいと部屋で 3時間 音楽を聴いてて 13 00:01:23,083 --> 00:01:26,673 お互い 名前も 知らなかったりした 14 00:01:26,920 --> 00:01:33,430 ﹁信頼﹂ゴング 1971年発売 15 00:01:30,883 --> 00:01:33,433 ある時 バタシ︱に行ったら 16 00:01:33,927 --> 00:01:37,347 誰かが友人を連れてきてた 17 00:01:37,431 --> 00:01:41,691 ローレン・バコールに似た 髪の長い男性で–– 18 00:01:41,768 --> 00:01:45,938 大麻タバコの巻き方が 最高にうまかった 19 00:01:48,066 --> 00:01:50,816 その人物こそが ボウイだった 20 00:01:50,903 --> 00:01:54,113 私は彼が何者か知らなかった 21 00:01:55,741 --> 00:01:58,041 1971年のロンドンで–– 22 00:01:58,118 --> 00:02:01,288 ボ・ウ・イ・は まだ 誕生してなかった 23 00:02:02,206 --> 00:02:06,336 自分をロックスタ︱だと まだ思えてなくて 24 00:02:05,667 --> 00:02:10,207 声:デヴィッド・ボウイ 25 00:02:06,460 --> 00:02:09,420 力不足だと感じてた 26 00:02:10,297 --> 00:02:14,507 ただ何か新しいことを やりたいと思ってて–– 27 00:02:14,593 --> 00:02:16,763 ひたむきに追い求めてた 28 00:02:16,845 --> 00:02:20,965 どんなステージなら ワクワクするか考えた 29 00:02:21,850 --> 00:02:24,190 面白そうだったのは–– 30 00:02:24,561 --> 00:02:28,191 根本的に違うものを 作り出すことだ 31 00:02:28,440 --> 00:02:32,240 そういうものへの抵抗感が 世間にあった 32 00:02:36,156 --> 00:02:41,286 イギリスは夫の祖国だし 興味深い国だと思う 33 00:02:41,662 --> 00:02:46,792 でもみんな 懐古主義で いつも過去の話をしてる 34 00:02:46,917 --> 00:02:50,167 過去は忘れて 今に生きるべきよ 35 00:02:50,546 --> 00:02:53,046 失礼 西ドイツの大臣が… 36 00:02:53,131 --> 00:02:54,171 急いでますね 37 00:02:54,258 --> 00:02:58,138 山高帽をかぶったイギリスの ビジネスマンは–– 38 00:02:58,220 --> 00:03:01,850 仕事のやり方が古いと 言われてます 39 00:03:01,932 --> 00:03:03,432 それは違う 40 00:03:03,517 --> 00:03:07,307 共同市場への参加に 山高帽は不適切? 41 00:03:07,396 --> 00:03:08,806 そうは思わない 42 00:03:09,314 --> 00:03:12,194 山高帽のビジネスマンは… 43 00:03:12,276 --> 00:03:14,316 うるさい 消えろ 44 00:03:14,403 --> 00:03:18,123 あなたの箱を開けて 45 00:03:18,240 --> 00:03:20,620 「オープン・ユア・ボックス」 ヨーコ・オノ 46 00:03:20,701 --> 00:03:22,491 「人々に勇気を」のB面 1971年イギリス発売 47 00:03:22,578 --> 00:03:25,328 あなたの箱を開けて 48 00:03:28,750 --> 00:03:31,340 あなたのズボンを開けて 49 00:03:34,131 --> 00:03:36,801 あなたの太ももを開いて 50 00:03:40,179 --> 00:03:41,969 あなたの脚を開いて 51 00:03:43,140 --> 00:03:47,480 現在の状況に関して 意見を言っても? 52 00:03:47,561 --> 00:03:49,811 今の創作活動のせいで–– 53 00:03:49,897 --> 00:03:53,277 昔からのファンが 離れていってますね 54 00:03:53,358 --> 00:03:54,028 大勢かな? 55 00:03:54,109 --> 00:03:56,319 みんな ついていけない 56 00:03:59,323 --> 00:04:02,453 ヨーコ: この曲は放送禁止になった 57 00:04:02,534 --> 00:04:04,124 私が女性だからよ 58 00:04:05,579 --> 00:04:08,079 ジョンたちは 変人扱いされた 59 00:04:05,579 --> 00:04:09,499 声:アニ︱・ ナイチンゲ︱ル 60 00:04:08,165 --> 00:04:13,125 みんな 2人に対して とても懐疑的だった 61 00:04:09,583 --> 00:04:12,213 BBCラジオ1 DJ 62 00:04:13,212 --> 00:04:17,012 反体制文化そのものが 裁かれてるようだったわ 63 00:04:17,507 --> 00:04:20,887 私が恐れたのは 若者の文化が–– 64 00:04:20,969 --> 00:04:25,179 ビートルズ誕生以前に 戻ってしまうことだった 65 00:04:25,265 --> 00:04:30,145 全てが快適で安全で 中道を行くような時代にね 66 00:04:30,562 --> 00:04:35,692 60年代を懐かしがらないよう 人々に訴えたわ 67 00:04:35,901 --> 00:04:37,491 いいことはない 68 00:04:37,569 --> 00:04:39,489 大切なのは今よ 69 00:04:40,864 --> 00:04:43,374 “死んだ者たちよ 目を覚ませ” 70 00:04:46,411 --> 00:04:49,831 「スロー・ロック」 ローレル・エイトキン 71 00:04:49,915 --> 00:04:51,455 1971年発売 72 00:04:54,127 --> 00:04:56,257 当時 俺は15歳で–– 73 00:04:57,047 --> 00:05:02,467 声:ドン・レッツ 映画監督 DJ 74 00:04:57,673 --> 00:05:01,263 自分の居場所を 見つけようとしてた 75 00:05:01,844 --> 00:05:04,354 我々は国民戦線です 76 00:05:02,553 --> 00:05:03,723 “移民反対” 77 00:05:04,471 --> 00:05:09,941 イギリスと国民の利益が 第一だと考えています 78 00:05:10,018 --> 00:05:14,148 イギリスで生まれた黒人の 第一世代だった 79 00:05:14,231 --> 00:05:16,321 当時は壁に白い文字で–– 80 00:05:16,400 --> 00:05:20,110 “イギリスは白人のもの”と 書かれてて 81 00:05:20,195 --> 00:05:23,155 毎日 その落書きを 目にしてた 82 00:05:23,240 --> 00:05:26,290 〝イギリスは 白人のもの〟 83 00:05:25,534 --> 00:05:28,754 アメリカには 公民権運動があったが–– 84 00:05:28,829 --> 00:05:30,709 俺はイギリス人だった 85 00:05:30,789 --> 00:05:33,709 音楽やファッションが 重要な年頃で–– 86 00:05:33,792 --> 00:05:37,462 自分たちなりの何かを 探してた 87 00:05:37,921 --> 00:05:40,721 そこで親の祖国に目が向いた 88 00:05:38,297 --> 00:05:41,297 〝ブラックパンサ︱ 運動〟 89 00:05:48,765 --> 00:05:52,055 音楽のいいところは      打たれても・・・ 90 00:05:49,808 --> 00:05:52,058 ﹁トレンチ・タウン・ ロック﹂ 91 00:05:52,144 --> 00:05:53,814 痛くないところ 92 00:05:52,144 --> 00:05:54,984 ボブ・マ︱リ︱& ザ・ウェイラ︱ズ 93 00:05:53,896 --> 00:05:58,476 音楽のいいところは      打たれても・・・ 94 00:05:55,063 --> 00:05:56,573 1971年録音 95 00:05:58,567 --> 00:06:01,397 痛くないところ 96 00:06:01,486 --> 00:06:04,816 俺を音楽で打ってくれ 97 00:06:04,907 --> 00:06:07,527 さあ 音楽で打ってくれ 98 00:06:07,618 --> 00:06:08,158 これは… 99 00:06:08,243 --> 00:06:09,753 トレンチタウン・ロック 100 00:06:09,828 --> 00:06:11,458 目で追うな 101 00:06:11,538 --> 00:06:12,708 トレンチタウン・ロック 102 00:06:12,956 --> 00:06:14,916 大物でも雑魚でも 103 00:06:15,000 --> 00:06:16,000 トレンチタウン・ロック 104 00:06:16,084 --> 00:06:18,344 まいた種は自分で刈る 105 00:06:18,420 --> 00:06:19,460 トレンチタウン・ロック 106 00:06:19,546 --> 00:06:21,626 知るのは神だけ 107 00:06:21,715 --> 00:06:22,715 トレンチタウン・ロック 108 00:06:22,799 --> 00:06:24,929 俺は逃げない 109 00:06:25,010 --> 00:06:26,300 トレンチタウン・ロック 110 00:06:26,678 --> 00:06:31,228 これは人間の苦悩から 生まれた音楽です 111 00:06:31,475 --> 00:06:35,095 人々が革命を起こす中で 誕生しました 112 00:06:35,229 --> 00:06:36,479 グルーヴィン 113 00:06:36,563 --> 00:06:38,523 ここはキングストン12区 114 00:06:38,607 --> 00:06:39,937 グルーヴィン 115 00:06:40,025 --> 00:06:41,735 ここはキングストン12区 116 00:06:43,403 --> 00:06:46,323 音楽は人の心を和ませる 117 00:06:46,406 --> 00:06:50,616 声:ボブ・マ︱リ︱ 118 00:06:46,615 --> 00:06:50,985 でも俺たちはレゲエや ラスタをやってる 119 00:06:51,662 --> 00:06:54,872 これは危険な音楽だ 120 00:06:55,249 --> 00:06:56,629 俺を腐らせたいか 121 00:06:58,877 --> 00:07:03,547 レゲエのように闘う音楽を 見たことがない 122 00:07:03,674 --> 00:07:08,264 ありのままでいろと 説いてるから嫌われる 123 00:07:10,639 --> 00:07:14,229 虐げられた人々のために 闘う音楽–– 124 00:07:14,309 --> 00:07:15,939 それがレゲエだ 125 00:07:17,604 --> 00:07:19,274 自由の意味を教える 126 00:07:19,356 --> 00:07:21,896 痛くないところ 127 00:07:21,984 --> 00:07:24,324 俺を音楽で打ってくれ 128 00:07:24,403 --> 00:07:27,873 さあ 音楽で打ってくれ 129 00:07:27,948 --> 00:07:32,288 当時 ジャマイカ音楽は ラジオで流れなかった 130 00:07:32,369 --> 00:07:37,209 体制側が他の勢力を 潰そうとしたんだ 131 00:07:37,291 --> 00:07:41,301 レゲエがラジオで あまり流れないのは–– 132 00:07:41,378 --> 00:07:44,378 世間の反感が あるからですか? 133 00:07:44,464 --> 00:07:49,434 どんな曲も BBCで かけてもらうのは難しい 134 00:07:46,300 --> 00:07:49,430 トロ︱ジャン・レコ︱ド グレアム・ウォ︱カ︱ 135 00:07:49,511 --> 00:07:54,391 ただ他の音楽と違って レゲエ専門の番組はない 136 00:07:54,474 --> 00:07:58,984 普通はラジオで聴いて 好きかどうか判断する 137 00:07:55,100 --> 00:07:59,480 トロ︱ジャン・レコ︱ド リ︱・ゴプサル 138 00:07:59,062 --> 00:08:01,062 それができないんだ 139 00:08:01,148 --> 00:08:05,568 自由にレゲエを聴ける 環境があったら 140 00:08:02,191 --> 00:08:06,531 レゲエア︱ティスト ボブ・アンディ 141 00:08:06,153 --> 00:08:08,913 世界中で 流行はやってたはずだ 142 00:08:09,072 --> 00:08:10,992 すばらしい音楽だから 143 00:08:11,116 --> 00:08:16,496 輝く太陽   心地のいい天気 144 00:08:12,201 --> 00:08:13,411 「サン・イズ・シャイニング」 145 00:08:13,493 --> 00:08:15,253 ボブ・マーリー& ザ・ウェイラーズ 146 00:08:15,329 --> 00:08:18,329 「ソウル・ レボリューション」に収録 147 00:08:18,123 --> 00:08:22,503 体がウズウズし    脚が踊り出す 148 00:08:22,586 --> 00:08:25,166 レゲエは主流じゃなかったが 149 00:08:25,255 --> 00:08:28,545 白人と 肩を並べてる気分になれた 150 00:08:29,384 --> 00:08:31,804 進むべき道が示された 151 00:08:33,889 --> 00:08:36,139 二重生活のようなもんだ 152 00:08:36,225 --> 00:08:39,805 黒人社会で育つと 普通 ロックを聴かない 153 00:08:39,937 --> 00:08:45,857 でも俺は特に深く考えず ただ心に響く音楽を聴いた 154 00:08:45,943 --> 00:08:48,453 だから家ではレゲエを–– 155 00:08:48,529 --> 00:08:52,119 学校ではキンクスや ビートルズを聴いた 156 00:08:52,199 --> 00:08:55,949 1971年に15歳になり ザ・フーに出会った 157 00:08:56,036 --> 00:09:00,416 新たな音の実験に触れて すぐ夢中になった 158 00:09:00,499 --> 00:09:04,629 ステージで彼らの音楽が 爆発するのを見て–– 159 00:09:04,878 --> 00:09:06,458 人生が変わった 160 00:09:20,269 --> 00:09:22,059 ザ・フーとは何者フーか? 161 00:09:22,145 --> 00:09:24,565 唯一無二の存在です 162 00:09:27,943 --> 00:09:32,663 彼らは若者の代表で 抵抗やノイズの象徴だった 163 00:09:32,739 --> 00:09:37,619 ロックへの真剣な姿勢も 彼らの特徴と言えた 164 00:09:38,620 --> 00:09:42,040 そして ﹁トミ︱﹂が生まれた 165 00:09:42,875 --> 00:09:46,875 ﹁トミ︱﹂は成功したが 次が難しかった 166 00:09:43,375 --> 00:09:45,085 声:ピ︱ト・ タウンゼント 167 00:09:45,169 --> 00:09:46,209 ザ・フ︱ 168 00:09:47,087 --> 00:09:51,717 環境が変わったと同時に 課題も残ったんだ 169 00:09:51,800 --> 00:09:57,060 稼いだお金で 何か 特別なことをしましたか? 170 00:09:57,598 --> 00:10:01,938 自慢できるのは スタジオを 造ったことぐらいだ 171 00:10:02,644 --> 00:10:07,944 俺の人生で バンドの次に 大きな出来事だった 172 00:10:08,525 --> 00:10:14,275 自分のアイデアを 発信する手段ができたからね 173 00:10:14,698 --> 00:10:17,828 クリエ︱ティブな仕事で 成功すると︱ 174 00:10:17,534 --> 00:10:21,624 声:グリン・ジョンズ レコ︱ドプロデュ︱サ︱ 175 00:10:17,951 --> 00:10:19,121 誰でも考える 176 00:10:19,203 --> 00:10:23,373 次は何をすれば いいのかってね 177 00:10:23,582 --> 00:10:27,752 レコーディング方法が 変わりつつあった 178 00:10:27,836 --> 00:10:32,546 柔軟さが増して ピートは それを活用した 179 00:10:33,008 --> 00:10:37,598 ロックを真剣に 捉えすぎてる気がしてる 180 00:10:37,679 --> 00:10:42,099 なぜ こんなに 熱心に打ち込むのか–– 181 00:10:42,184 --> 00:10:44,104 自分でも分からない 182 00:10:44,186 --> 00:10:49,776 ロックが社会を変えるような 気がして 取り組んでた 183 00:10:49,858 --> 00:10:52,028 シンセサイザーや–– 184 00:10:52,444 --> 00:10:55,494 コンピューターのことは 耳にしてた 185 00:10:55,572 --> 00:10:58,832 変革の時が来ると分かった 186 00:11:01,662 --> 00:11:06,002 電子機器によって 世界がつながるんですよね 187 00:11:06,083 --> 00:11:10,753 テレビや新たな媒体で 世界が1つの村になる 188 00:11:10,838 --> 00:11:14,378 ﹁ミルキ︱・ウェイ﹂ ウェザ︱・リポ︱ト 189 00:11:11,380 --> 00:11:13,630 仕組みを説明しますね 190 00:11:14,049 --> 00:11:17,009 まず スイッチの配置を決めて 191 00:11:14,466 --> 00:11:15,426 1971年発売 192 00:11:15,759 --> 00:11:17,969 ﹁ウェザ︱・ リポ︱ト﹂に収録 193 00:11:17,427 --> 00:11:19,717 電源を入れる 194 00:11:19,137 --> 00:11:20,967 マサチュ︱セッツ 工科大学 195 00:11:19,805 --> 00:11:23,555 そうすると 配置に従って曲が流れる 196 00:11:21,056 --> 00:11:23,556 コンピュ︱タ︱科学者 エドワ︱ド・フレドキン 197 00:11:23,642 --> 00:11:26,312 家庭に コンピューターが普及し–– 198 00:11:26,395 --> 00:11:31,775 映画や娯楽や情報が 手に入るようになる 199 00:11:26,937 --> 00:11:31,357 哲学者 マ︱シャル・ マクル︱ハン 200 00:11:31,859 --> 00:11:33,689 エレクトロニクスは まさに︱ 201 00:11:33,527 --> 00:11:38,027 声:ロバ︱ト・モ︱グ 電子音楽の先駆者 202 00:11:33,777 --> 00:11:36,237 20世紀の科学技術だ 203 00:11:36,321 --> 00:11:39,161 今の時代の ミュ︱ジシャンが︱ 204 00:11:39,241 --> 00:11:41,411 利用しない手はない 205 00:11:44,162 --> 00:11:47,962 電子音楽による 即興での演奏が︱ 206 00:11:44,288 --> 00:11:47,958 ミュ︱ジシャン ポ︱ル・ブレイ 207 00:11:48,041 --> 00:11:50,291 未来の波になるだろう 208 00:11:50,377 --> 00:11:52,627 つまり70年代の音楽だ 209 00:11:52,713 --> 00:11:54,343 “ピート・タウンゼント ロックの未来” 210 00:11:54,214 --> 00:11:58,054 当時 取り組んでた ﹁ライフハウス﹂は︱ 211 00:11:58,135 --> 00:12:00,595 そもそも 映画の原案だった 212 00:12:02,723 --> 00:12:08,063 エレクトロニクスや技術が 社会を変える様子を描くんだ 213 00:12:08,145 --> 00:12:11,435 テ︱マは ディストピアだった 214 00:12:08,270 --> 00:12:10,020 ﹁オライリィ・セカンド・ ム︱ブメント﹂ 215 00:12:10,105 --> 00:12:11,435 ピ︱ト・タウンゼント 216 00:12:11,523 --> 00:12:12,443 1971年録音 217 00:12:12,524 --> 00:12:16,704 舞台は深刻な環境汚染に さらされた世界だ 218 00:12:16,778 --> 00:12:19,198 屋外での活動が難しくなり 219 00:12:19,281 --> 00:12:22,081 政府は人々に外出を禁じる 220 00:12:22,159 --> 00:12:25,659 そして 空気を浄化している間–– 221 00:12:25,746 --> 00:12:28,866 慰みに娯楽を与えるんだ 222 00:12:29,416 --> 00:12:32,206 4時半にテレビをつけて–– 223 00:12:32,294 --> 00:12:35,594 12時頃まで見て ベッドに入る 224 00:12:35,797 --> 00:12:40,217 楽しみと言ったら 私には それしかないの 225 00:12:40,636 --> 00:12:42,596 名付けて“グリッド”だ 226 00:12:42,679 --> 00:12:47,179 地球規模の通信システムで 同じ情報が届く 227 00:12:47,267 --> 00:12:49,647 人間の脳は電子機器です 228 00:12:49,728 --> 00:12:54,898 システム内の情報は秘密裏に 検閲され取り締まられる 229 00:12:54,983 --> 00:12:58,783 医療記録や取引履歴や 駐車違反履歴など–– 230 00:12:58,862 --> 00:13:00,782 全てがデータになる 231 00:13:00,864 --> 00:13:04,794 これは考えるだけで ぞっとしますよ 232 00:13:04,868 --> 00:13:08,828 一度 そのプログラムに 取り込まれたら 233 00:13:08,914 --> 00:13:13,214 全てにアクセスできるような 気がしてくる 234 00:13:13,293 --> 00:13:16,383 豊かで美しい世界だからだ 235 00:13:16,463 --> 00:13:20,593 西洋の世界全体が ハイになってる状態だ 236 00:13:20,968 --> 00:13:22,888 テクノロジーに酔ってる 237 00:13:22,970 --> 00:13:26,010 全てが 間違った方向へ進む中で–– 238 00:13:26,098 --> 00:13:30,098 音楽は打ち勝つという 希望の物語だった 239 00:13:32,521 --> 00:13:36,901 ピ︱トから大量のデモと 脚本が送られてきた 240 00:13:36,984 --> 00:13:41,074 ﹁ライフハウス﹂という 映画のものだった 241 00:13:41,530 --> 00:13:45,740 脚本を読んだが 全く理解できなかった 242 00:13:45,993 --> 00:13:50,163 その時 部屋にいた全員が 同じ意見だった 243 00:13:50,664 --> 00:13:55,844 “駄作だ どうかしてる”と 多くの人に言われて 244 00:13:56,336 --> 00:13:59,006 メンバーにも拒否された 245 00:13:59,798 --> 00:14:03,218 音楽的には シンセサイザーを使ってて 246 00:14:03,302 --> 00:14:05,552 とても革新的だった 247 00:14:05,762 --> 00:14:08,772 アルバムは作るべきだと 思った 248 00:14:10,642 --> 00:14:15,692 ピートのデモを解釈して ザ・フーの音楽にするのが 249 00:14:15,772 --> 00:14:17,822 なかなか難しかった 250 00:14:17,900 --> 00:14:20,900 メンバーのキースや ロジャーは–– 251 00:14:20,986 --> 00:14:24,196 他のバンドのように 曲を作りたがった 252 00:14:24,281 --> 00:14:26,451 “即興でやろうぜ”ってね 253 00:14:26,992 --> 00:14:31,752 まずシンセサイザーの部分を 抜き出した 254 00:14:31,830 --> 00:14:34,920 切り刻んで それを曲にした 255 00:14:35,000 --> 00:14:39,170 そしてグリン・ジョンズが さらに切り刻み 256 00:14:39,254 --> 00:14:42,474 ドラムとギターと 歌詞を加えた 257 00:14:46,345 --> 00:14:51,135 そうやって 4分の ロックソングにしていった 258 00:14:51,225 --> 00:14:54,305 そのシンセサイザーを流し 259 00:14:54,394 --> 00:14:58,824 メンバーはヘッドホンで 聴きながら演奏した 260 00:14:59,316 --> 00:15:02,106 「ババ・オライリィ」 ザ・フー 261 00:15:02,194 --> 00:15:06,244 1971年発売 「フーズ・ネクスト」に収録 262 00:15:16,875 --> 00:15:19,375 ここは荒野 263 00:15:21,171 --> 00:15:23,671 俺は食うために闘う 264 00:15:25,884 --> 00:15:30,514 力の限りを尽くして 265 00:15:34,476 --> 00:15:41,356 正しさを証明するために       闘う必要はない 266 00:15:43,318 --> 00:15:47,658 許される必要はない 267 00:16:20,856 --> 00:16:24,276 泣くんじゃない 268 00:16:24,568 --> 00:16:28,358 目を上げるな 269 00:16:29,239 --> 00:16:36,459 ここは ただの10代の荒野 270 00:16:40,501 --> 00:16:43,801 ギタ︱やベ︱スなど 従来の楽器だけで︱ 271 00:16:43,879 --> 00:16:47,929 独自性を出すのが 難しくなってた 272 00:16:48,634 --> 00:16:52,184 ビジョンや技術を 持った人たちが–– 273 00:16:52,262 --> 00:16:56,392 クリエーティブな世界の パイオニアになれた 274 00:16:56,475 --> 00:17:00,095 聴いたこともない音を 作り出せたの 275 00:17:05,192 --> 00:17:07,112 ﹁オ︱バ︱チュア﹂ 276 00:17:07,194 --> 00:17:09,034 デヴィッド・ アクセルロッド 277 00:17:07,194 --> 00:17:09,744 こちらは BBCラジオ ロンドン 278 00:17:09,112 --> 00:17:12,702 1971年録音 発売 ﹁メサイア﹂に収録 279 00:17:09,820 --> 00:17:12,700 6月29日火曜日 現在 5時40分です 280 00:17:14,326 --> 00:17:18,956 多くの子供に 自己表現をさせた罪で–– 281 00:17:19,039 --> 00:17:23,289 法廷で 裁かれている人たちがいます 282 00:17:23,377 --> 00:17:24,957 振り子と同じでは? 283 00:17:25,045 --> 00:17:28,205 摂政時代後の ヴィクトリア朝だ 284 00:17:28,298 --> 00:17:30,878 振り子は端に達してた 285 00:17:30,968 --> 00:17:36,098 少し押しすぎたせいで 自由な空気が危機を迎えてる 286 00:17:41,353 --> 00:17:44,273 ロンドン 中央刑事裁判所 オールド・ベイリー 287 00:17:49,695 --> 00:17:53,365 OZオズ裁判は 60年代の裁判だった 288 00:17:51,697 --> 00:17:54,067 声:ジェフリ︱・ ロバ︱トソン勅撰ちょくせん弁護士 289 00:17:53,448 --> 00:17:56,028 60年代は ひどいことがあった 290 00:17:54,157 --> 00:17:56,027 OZ裁判の下級弁護人 291 00:17:56,118 --> 00:17:59,958 大麻やロックや 路上でのセックスなどだ 292 00:18:00,914 --> 00:18:06,214 検察は OZが それらを擁護したと主張した 293 00:18:07,045 --> 00:18:11,925 若者のモラルを 堕落させようとしたと唱えた 294 00:18:14,678 --> 00:18:16,928 とても重い罪だった 295 00:18:14,678 --> 00:18:16,928 〝行く手を阻まれた ルパ︱ト〟 296 00:18:17,014 --> 00:18:19,394 〝彼女はバ︱ジンだ すばらしい!〟 297 00:18:20,100 --> 00:18:24,150 “クマのルパートと ジプシー・バージン” 298 00:18:25,272 --> 00:18:29,442 OZはイギリスの 伝統的なキャラクタ︱を 299 00:18:29,526 --> 00:18:30,896 悪質なものにした 300 00:18:31,236 --> 00:18:35,566 クマのルパ︱トを 性犯罪者に仕立てたんだ 301 00:18:36,158 --> 00:18:38,948 そのせいで罪に問われた 302 00:18:42,122 --> 00:18:45,002 毎日 オールド・ベイリーに 通うのは–– 303 00:18:45,083 --> 00:18:47,293 かなりの大ごとだった 304 00:18:47,377 --> 00:18:51,167 厳かな場所で かつらが必要になる 305 00:18:51,256 --> 00:18:53,586 みんな 口調が上品で–– 306 00:18:53,675 --> 00:18:57,675 会話が全て お茶への招待に聞こえた 307 00:18:59,306 --> 00:19:04,266 法廷に行くと 私は 後ろのほうに座った 308 00:19:03,143 --> 00:19:04,773 声:マ︱シャ・ロウ 309 00:19:04,394 --> 00:19:08,274 いつも傍聴人が たくさんいたわ 310 00:19:04,853 --> 00:19:06,063 ジャ︱ナリスト ライタ︱ 311 00:19:08,357 --> 00:19:12,857 大抵は とても 張り詰めた空気だったけど 312 00:19:12,945 --> 00:19:15,815 中には笑える時もあった 313 00:19:15,906 --> 00:19:20,986 なぜか小さな広告に すごく注目が集まったの 314 00:19:21,078 --> 00:19:25,168 サックという新聞の ものだったわ 315 00:19:25,749 --> 00:19:30,299 クンニリングスの描写と 女性の感想が載ってた 316 00:19:30,754 --> 00:19:34,264 我々は社会学の専門家を 証人で呼んでた 317 00:19:34,341 --> 00:19:36,931 ア︱ガイル裁判官は 専門家に︱ 318 00:19:37,010 --> 00:19:40,560 クンニリンク・タ・ス・とは 何か尋ねた 319 00:19:40,764 --> 00:19:43,604 風邪薬のように聞こえたよ 320 00:19:43,684 --> 00:19:45,444 専門家は答えた 321 00:19:45,519 --> 00:19:49,569 “吸ったり 息を 吹きかけたりすることです” 322 00:19:49,773 --> 00:19:51,483 “海軍時代には––” 323 00:19:51,567 --> 00:19:56,027 “「割れ目でヨーデルを 歌う」と言いました”とね 324 00:19:56,446 --> 00:19:59,026 裁判は延々と続いて 325 00:19:58,657 --> 00:20:01,947 声:ジム・アンダ︱ソン OZ誌 326 00:19:59,116 --> 00:20:01,946 みんな 立場を 主張し尽くした 327 00:20:02,160 --> 00:20:05,830 そして ついに 最終弁論の時が来た 328 00:20:07,165 --> 00:20:12,545 裁判官は最初から こちらの証人を軽蔑していて 329 00:20:12,629 --> 00:20:16,179 証拠を陪審員に 正確に伝えなかった 330 00:20:16,300 --> 00:20:18,010 それが続いたんだ 331 00:20:18,510 --> 00:20:19,640 裁判官が︱ 332 00:20:19,720 --> 00:20:23,390 彼らを毛嫌いしてるのは 明らかだった 333 00:20:23,640 --> 00:20:28,690 原理主義的な動きがあり 伝統的な価値観を復活させ 334 00:20:28,770 --> 00:20:32,570 OZ誌を廃刊に 追い込もうとしてた 335 00:20:32,983 --> 00:20:36,453 裁判官は 有罪だと決めつけてた 336 00:20:36,737 --> 00:20:38,067 ﹁チルドレン・オブ・ ザ・グレイヴ﹂ 337 00:20:38,155 --> 00:20:39,025 ブラック・サバス 338 00:20:39,114 --> 00:20:39,874 1971年7月発売 339 00:20:39,948 --> 00:20:41,198 ﹁マスタ︱・オブ・ リアリティ﹂に収録 340 00:20:39,948 --> 00:20:41,578 “自由は法に反する” 341 00:20:41,658 --> 00:20:47,998 イギリスの法廷史上最も長い わいせつ裁判が終わりました 342 00:20:48,457 --> 00:20:52,997 体制側は遅すぎた勝利だと 歓迎していますが 343 00:20:53,086 --> 00:20:55,006 若者には悲劇です 344 00:20:55,088 --> 00:20:59,798 騒ぎを起こして 怒りをあらわにしています 345 00:21:00,219 --> 00:21:06,139 革命を胸に   子供たちは行進を始める 346 00:21:06,683 --> 00:21:09,563 自分たちが住む世界を嫌い 347 00:21:09,645 --> 00:21:12,805 心の中を憎悪で満たして 348 00:21:13,232 --> 00:21:16,282 こき使われることにも–– 349 00:21:16,360 --> 00:21:19,450 命令されることにも      うんざりして 350 00:21:19,905 --> 00:21:23,325 勝利するまで   彼らは世界と闘う 351 00:21:23,408 --> 00:21:26,908 そして愛が流れ込む 352 00:21:27,246 --> 00:21:32,456 刑務所に入れられるとは 想像もしてなかった 353 00:21:33,544 --> 00:21:38,134 アーガイル裁判官は僕たちの 髪を切るよう指示した 354 00:21:38,924 --> 00:21:41,134 許しがたかった 355 00:21:41,802 --> 00:21:46,392 深刻な事態だと気づいたが 金がなかった 356 00:21:46,473 --> 00:21:50,143 それでジョン・レノンに 助けを求めたら 357 00:21:50,227 --> 00:21:56,187 “OZのメンバー 保釈の裁定を待つ” 358 00:21:50,561 --> 00:21:54,441 彼はOZのために 曲を書くと言った 359 00:21:54,648 --> 00:21:57,648 まさにファシズムだ 360 00:21:57,818 --> 00:21:59,898 この﹁ゴッド・ セイヴ・アス﹂で︱ 361 00:21:57,818 --> 00:22:01,738 声:ジョン・レノン 362 00:21:59,987 --> 00:22:04,117 困ってる彼らを 資金面で援助したい 363 00:22:04,533 --> 00:22:07,583 数千ポンドの売り上げを 期待してる 364 00:22:07,661 --> 00:22:10,751 OZを救うために買ってくれ 365 00:22:10,831 --> 00:22:15,961 兄弟にあげても 記念に取っておいてもいい 366 00:22:20,257 --> 00:22:22,587 「ドゥ・ジ・オズ」 エラスティック・オズ・バンド 367 00:22:22,676 --> 00:22:23,426 1971年7月発売 368 00:22:23,510 --> 00:22:24,760 「ゴッド・セイヴ・アス」の B面 369 00:22:30,726 --> 00:22:32,346 ドゥ・ジ・オズ 370 00:22:34,521 --> 00:22:36,111 ドゥ・ジ・オズ 371 00:22:38,358 --> 00:22:40,358 ドゥ・ジ・オズ ベイビー 372 00:22:41,987 --> 00:22:44,067 ドゥ・ジ・オズ 373 00:22:45,324 --> 00:22:47,204 有罪は妥当ですか? 374 00:22:47,284 --> 00:22:49,414 これは見せしめよ 375 00:22:49,494 --> 00:22:53,334 寛容になりすぎて プライバシーがない 376 00:22:53,457 --> 00:22:55,287 評決をどう思います? 377 00:22:55,375 --> 00:22:56,785 自業自得だ 378 00:22:56,877 --> 00:22:59,877 刑務所から出さないでほしい 379 00:23:01,006 --> 00:23:03,046 大混乱になった 380 00:23:03,425 --> 00:23:07,545 ジョンとヨーコは 評決に抗議しデモをした 381 00:23:07,638 --> 00:23:12,598 こんな軽い罪で 刑務所に 入れられた例はなかった 382 00:23:15,938 --> 00:23:19,068 イギリスにとって 分岐点だった 383 00:23:19,650 --> 00:23:24,610 体制側は批判するだけでなく 彼らを投獄したがった 384 00:23:24,696 --> 00:23:29,576 制御できないものを 抑圧しようとしたんだ 385 00:23:29,660 --> 00:23:31,700 これは文化の革命だ 386 00:23:31,787 --> 00:23:36,667 気づかないうちに どんどん進行してる 387 00:23:37,251 --> 00:23:40,341 一度 パンドラの箱を 開けたら–– 388 00:23:40,420 --> 00:23:42,670 閉じることはできない 389 00:23:45,801 --> 00:23:49,511 西ドイツ ベルリン 390 00:23:51,473 --> 00:23:55,393 「ヴァイセンゼー」 ノイ! 391 00:23:55,477 --> 00:23:57,437 1971年録音 392 00:23:58,021 --> 00:24:02,071 ベルリンでは 変わった状況に出くわす 393 00:24:02,150 --> 00:24:05,030 この壁の前にいることが そうだ 394 00:24:05,737 --> 00:24:10,027 毎週 誰かが東ドイツから 逃げてきて撃たれる 395 00:24:10,117 --> 00:24:13,657 でも西ベルリンで 生きていくためには–– 396 00:24:13,745 --> 00:24:15,655 慣れるしかない 397 00:24:18,333 --> 00:24:20,463 当時のドイツでは–– 398 00:24:20,669 --> 00:24:25,469 穏やかな暮らしを 送ることが重要だった 399 00:24:21,920 --> 00:24:25,470 声:ミヒャエル・ ロ︱タ︱ ノイ! 400 00:24:25,924 --> 00:24:29,264 何もかも 制御されているべきだった 401 00:24:29,386 --> 00:24:32,056 危険なことはせず 402 00:24:32,139 --> 00:24:35,269 何も変えず安全に過ごすんだ 403 00:24:36,977 --> 00:24:41,647 西ベルリンでは人口の 4分の1が65歳以上です 404 00:24:42,274 --> 00:24:46,864 10年前よりも静かで 地方都市のようです 405 00:24:46,945 --> 00:24:50,565 心理的な観点からすれば 理解できる 406 00:24:50,657 --> 00:24:56,247 多くの人々がナチスの歴史と 接点があって 407 00:24:56,496 --> 00:25:00,326 信じられないほどの罪悪感を 抱えてる 408 00:25:03,003 --> 00:25:07,473 だが常に新たな世代の視点は 存在する 409 00:25:07,549 --> 00:25:11,009 俺もアイデンティティーを 探してた 410 00:25:18,310 --> 00:25:20,770 1971年に あるギタリストが–– 411 00:25:20,896 --> 00:25:25,566 セッションに参加するから 来ないかと誘ってくれた 412 00:25:25,651 --> 00:25:28,361 知らないバンドだったから 413 00:25:28,445 --> 00:25:33,115 最初は行かずに 恋人と一緒に帰ろうか迷った 414 00:25:33,200 --> 00:25:37,750 だが結局 行って クラフトワークに出会った 415 00:26:01,144 --> 00:26:03,314 とにかく衝撃だった 416 00:26:03,397 --> 00:26:07,107 彼らの音楽に対する アプローチは–– 417 00:26:07,192 --> 00:26:12,162 それまでのサウンドと 全く異なってたからね 418 00:26:12,781 --> 00:26:16,911 数週間後に 一緒にやらないかと誘われた 419 00:26:17,286 --> 00:26:20,866 ギタ︱ ミヒャエル・ロ︱タ︱ 420 00:26:20,956 --> 00:26:24,706 ドラム クラウス・ディンガ︱ 421 00:26:24,793 --> 00:26:25,793 フル︱ト 422 00:26:25,878 --> 00:26:28,798 フロ︱リアン・ シュナイダ︱ 423 00:26:30,048 --> 00:26:31,838 俺たちは世代が違う 424 00:26:31,925 --> 00:26:35,755 声:ラルフ・ヒュッタ︱ クラフトワ︱ク 425 00:26:32,467 --> 00:26:35,757 インダストリアルな 世代なんだ 426 00:26:43,270 --> 00:26:47,020 音楽は常に その時代と結びついてる 427 00:26:48,734 --> 00:26:53,824 今 俺たちは 全く違う時代に生きてるんだ 428 00:27:03,749 --> 00:27:06,209 アメリカやイギリスの バンドは–– 429 00:27:06,293 --> 00:27:10,383 新しい歌詞やサウンドを 取り入れてた 430 00:27:10,464 --> 00:27:13,934 でもアメリカの伝統的な 音楽である–– 431 00:27:14,009 --> 00:27:17,469 ロックミュージックの枠を 超えてなかった 432 00:27:17,554 --> 00:27:20,854 俺たちは 全く違う音楽を目指した 433 00:27:20,933 --> 00:27:25,813 本当に新しい音楽じゃないと 意味がない 434 00:27:25,896 --> 00:27:29,526 チャック・ベリーを 手本にしてるうちは–– 435 00:27:29,608 --> 00:27:32,358 残念ながら今までと同じだ 436 00:27:33,070 --> 00:27:35,530 俺は違うことがしたい 437 00:27:35,614 --> 00:27:39,084 死ぬまで チャック・ ベリーのマネはイヤだ 438 00:27:39,159 --> 00:27:43,039 半年間 クラフトワークと 演奏して楽しかった 439 00:27:43,121 --> 00:27:44,921 テレビ番組に出た 440 00:27:44,998 --> 00:27:47,378 コンサートも盛り上がった 441 00:27:47,459 --> 00:27:50,129 まあまあの時もあったけどね 442 00:27:54,174 --> 00:27:58,104 でもクラフトワークの 2枚目のアルバム制作時に 443 00:27:58,178 --> 00:28:02,678 思い描いた音楽が スタジオで形にできなかった 444 00:28:04,893 --> 00:28:07,353 それに クラウス・ディンガーと–– 445 00:28:07,437 --> 00:28:10,517 フローリアン・ シュナイダーが険悪だった 446 00:28:12,860 --> 00:28:16,150 一番の問題はドラマーだった 447 00:28:16,238 --> 00:28:19,278 彼らの表現は激しすぎる 448 00:28:19,366 --> 00:28:22,906 エレクトリカルなサウンドに 合う演奏を頼むと–– 449 00:28:22,995 --> 00:28:26,535 嫌がって バンドを抜けてしまう 450 00:28:26,623 --> 00:28:31,803 それで ある時 俺たち 2人だけになってしまい 451 00:28:32,212 --> 00:28:37,342 たまたま手元にあった リズムマシンを使ってみた 452 00:28:37,634 --> 00:28:41,394 1971年に それで レコーディングをして以来 453 00:28:41,471 --> 00:28:43,811 そのやり方になった 454 00:28:44,183 --> 00:28:46,643 「クリングクラング」 クラフトワーク 455 00:28:46,727 --> 00:28:48,347 1971年9月録音 456 00:28:48,729 --> 00:28:54,029 つまみを回すのも スイッチを動かすのも–– 457 00:28:54,109 --> 00:28:57,819 弦を鳴らすのも 特に違いはないだろ 458 00:28:57,905 --> 00:29:01,865 何が音楽かなんて 誰が決めるんだ? 459 00:29:33,232 --> 00:29:36,362 彼は9月に ニュ︱ヨ︱クに来た 460 00:29:36,527 --> 00:29:38,067 声:トニ︱・ザネッタ 461 00:29:36,527 --> 00:29:39,487 RCAレコ︱ドとの 契約が目的で︱ 462 00:29:38,153 --> 00:29:39,493 1972年~1974年 463 00:29:39,571 --> 00:29:41,161 ボウイの ツア︱マネジャ︱ 464 00:29:39,571 --> 00:29:41,621 マネジャ︱や妻もいた 465 00:29:42,783 --> 00:29:45,453 その週は彼らと過ごした 466 00:29:48,580 --> 00:29:49,830 声:トニ︱・デフリ︱ズ 467 00:29:48,580 --> 00:29:51,750 古い連中は ピンと来てなかったが 468 00:29:49,915 --> 00:29:51,745 1970年~1975年 ボウイのマネジャ︱ 469 00:29:51,959 --> 00:29:58,009 アーティスト発掘を担当する 若い人間の意見を信頼してた 470 00:29:59,049 --> 00:30:01,639 ボウイと契約しなければ–– 471 00:30:01,718 --> 00:30:06,058 大きなチャンスを逃すと 分かってたんだ 472 00:30:09,852 --> 00:30:13,982 デヴィッドにとっては 自由を手にした感じだ 473 00:30:14,064 --> 00:30:17,824 何でも好きなことが できるようになる 474 00:30:17,985 --> 00:30:22,445 契約は新たな可能性を 意味していた 475 00:30:31,248 --> 00:30:34,708 ウォ︱ホルの ファクトリ︱に行った 476 00:30:34,835 --> 00:30:38,755 ﹁アンディ・ ウォ︱ホル﹂ 477 00:30:34,835 --> 00:30:39,965 セメントの補修   終わらない映画 478 00:30:38,839 --> 00:30:42,509 デヴィッド・ボウイ 1971年夏 録音 479 00:30:40,048 --> 00:30:42,758 この時は まだ スタ︱じゃなく︱ 480 00:30:42,843 --> 00:30:45,643 いわゆるボウイは 生まれてなかった 481 00:30:45,846 --> 00:30:47,386 妙な感じだったよ 482 00:30:47,472 --> 00:30:52,772 彼の長いパントマイムが とにかくイケてなくてね 483 00:30:53,020 --> 00:30:55,810 お代は2ペンス 484 00:30:56,190 --> 00:30:58,780 僕はギャラリー 485 00:30:58,859 --> 00:31:02,449 みんなを   僕のショーに入れる 486 00:31:05,574 --> 00:31:09,584 アンディ・ウォーホルは          愉快な人 487 00:31:09,661 --> 00:31:13,501 ウォーホルは 楽しませてもらうのが好きで 488 00:31:13,582 --> 00:31:18,302 変わった人や華やかな人に 引きつけられた 489 00:31:20,464 --> 00:31:24,554 デヴィッドは あの格好で メイクをしてたけど 490 00:31:24,635 --> 00:31:26,755 華やかではなかった 491 00:31:26,845 --> 00:31:28,675 魅力的だったが–– 492 00:31:28,764 --> 00:31:33,444 すぐに場を盛り上げられる タイプじゃなかった 493 00:31:33,519 --> 00:31:35,769 時々 レコーディングしてる 494 00:31:35,854 --> 00:31:39,024 僕が歌って 彼に言うんだ 495 00:31:39,775 --> 00:31:43,985 彼はデザイナーで よくイタリアで過ごしてる 496 00:31:45,447 --> 00:31:49,657 アイデアやファッションを 持ち帰ってくるんだ 497 00:31:49,952 --> 00:31:52,792 放り出されはしなかったよ 498 00:31:54,289 --> 00:31:57,879 デヴィッドは 夢の地に足を踏み入れた 499 00:31:58,919 --> 00:32:03,259 ウォーホルと彼の信奉者は 一風 変わってます 500 00:32:03,340 --> 00:32:08,180 彼の作品や生き方に 共感できない人々もいます 501 00:32:08,262 --> 00:32:12,772 現実と空想の境界は 時に あいまいです 502 00:32:12,891 --> 00:32:16,521 俺は11階から   女たちを見下ろしてる 503 00:32:13,809 --> 00:32:16,519 ﹁クイ︱ン・ビッチ﹂ デヴィッド・ボウイ 504 00:32:16,603 --> 00:32:18,113 1971年夏 録音 505 00:32:18,188 --> 00:32:20,268 ﹁ハンキ︱・ドリ︱﹂に 収録 506 00:32:19,857 --> 00:32:21,277 あいつは通りで–– 507 00:32:21,358 --> 00:32:24,648 シスター・フロを   口説こうとしてる 508 00:32:26,196 --> 00:32:28,486 そこは別世界だった 509 00:32:28,866 --> 00:32:31,986 まさに 僕が 望んでいた世界で︱ 510 00:32:32,077 --> 00:32:34,367 すっかり夢中になった 511 00:32:35,163 --> 00:32:38,583 従来とは全く異なる世界だ 512 00:32:39,668 --> 00:32:43,548 あらゆる形の暴力や 奇抜なものが–– 513 00:32:43,630 --> 00:32:45,510 実際に存在してた 514 00:32:45,632 --> 00:32:48,512 サテンとレースを     まとった彼女 515 00:32:48,635 --> 00:32:52,095 フロックコートに     ステキな帽子 516 00:32:52,306 --> 00:32:56,226 俺も あの姿には      かなわない 517 00:32:57,269 --> 00:33:00,149 ニューヨークで 盛んだったのは–– 518 00:33:00,606 --> 00:33:03,106 アバンギャルドな演劇だ 519 00:33:03,317 --> 00:33:07,607 常軌を逸してたり クィアだったりして 520 00:33:07,696 --> 00:33:11,446 社会の主流には そぐわなかったよ 521 00:33:11,533 --> 00:33:17,043 デヴィッドが 性の反逆者に 魅了される恐れがあった 522 00:33:23,587 --> 00:33:26,047 初めてル︱・リ︱ドに 会ったのは 523 00:33:26,131 --> 00:33:29,261 マクシズ・カンザス・ シティだった 524 00:33:30,886 --> 00:33:35,466 ルー・リードだけじゃなく イギーも その席にいた 525 00:33:37,226 --> 00:33:42,186 彼らは実存主義のアメリカの ワイルドサイドの象徴だった 526 00:33:42,564 --> 00:33:45,324 ロックとアバンギャルドの 融合だ 527 00:33:46,276 --> 00:33:51,316 イギリスにもそういうものが あるべきだと思った 528 00:33:52,991 --> 00:33:56,791 デヴィッドはイギ︱と ル︱を研究して︱ 529 00:33:56,870 --> 00:33:59,580 彼らの魅力を吸収した 530 00:33:59,706 --> 00:34:01,706 まずステージパフォーマンス 531 00:34:01,834 --> 00:34:05,924 それに ある種の性的な あいまいさや鋭さだ 532 00:34:06,505 --> 00:34:09,715 欠けていたものを 得たおかげで–– 533 00:34:09,842 --> 00:34:12,512 新たな道が開かれた 534 00:34:13,929 --> 00:34:18,389 デヴィッドは天性の才能に 恵まれたというより 535 00:34:18,516 --> 00:34:20,136 役者だった 536 00:34:20,435 --> 00:34:22,805 役を演じるのがうまくて–– 537 00:34:22,896 --> 00:34:26,276 それを徹底的に突き詰めた 538 00:34:26,900 --> 00:34:30,530 そして 彼の存在が ウワサになっていった 539 00:34:35,868 --> 00:34:37,288 これはどう? 540 00:34:37,369 --> 00:34:41,289 デヴィッドは 新たな自分を作り始めた 541 00:34:41,373 --> 00:34:42,583 こんな感じだ 542 00:34:42,666 --> 00:34:47,376 新生ボウイのために 新たな曲が必要だった 543 00:34:47,462 --> 00:34:50,132 今の感じで もっと力強く 544 00:34:50,215 --> 00:34:54,795 人々が恋い焦がれる アーティストになるために 545 00:34:54,887 --> 00:34:57,717 新たな存在の構築が 必要だった 546 00:34:57,806 --> 00:34:59,926 よし 楽しんでいこう 547 00:35:00,267 --> 00:35:02,347 全く新しいロックスターだ 548 00:35:02,436 --> 00:35:05,056 1 2 3 4 549 00:35:11,320 --> 00:35:13,200 「スウィート・ヘッド (テイク4)」 550 00:35:13,280 --> 00:35:15,950 デヴィッド・ボウイ 1971年11月録音 551 00:35:16,033 --> 00:35:20,083 君たちから   離れようとした 552 00:35:21,663 --> 00:35:25,583 ヒスパニックや黒人や    噛かんでるガムから 553 00:35:27,503 --> 00:35:31,343 ポスタ︱は   強盗に破られてる 554 00:35:32,799 --> 00:35:37,179 いかがわしい公園に    燃え尽きたヴァン 555 00:35:43,393 --> 00:35:46,063 全部 キューブリックの せいだ 556 00:35:46,146 --> 00:35:51,686 僕も自分の音楽を軸とした 文化を創りたかった 557 00:35:51,985 --> 00:35:57,025 未来をニヒルな視点で ネガティブに捉える文化 558 00:35:57,157 --> 00:36:00,077 それが 「時計じかけのオレンジ」だ 559 00:36:13,048 --> 00:36:16,888 あんな映画は それまでなかった 560 00:36:17,553 --> 00:36:20,353 スタイルの解釈にせよ–– 561 00:36:20,430 --> 00:36:24,310 社会と労働者階級の 若者の力関係にせよ︱ 562 00:36:24,393 --> 00:36:27,903 その後の多くの現実を 先取りしてた 563 00:36:29,189 --> 00:36:32,729 何せ それまでの若者の サブカルチャーの代表は–– 564 00:36:32,818 --> 00:36:34,948 スキンヘッズだったんだ 565 00:36:36,947 --> 00:36:38,777 スキンヘッズの特徴は–– 566 00:36:38,866 --> 00:36:41,696 制服のような格好に チェック柄のシャツ 567 00:36:41,785 --> 00:36:44,785 ピカピカのブーツに 短い髪です 568 00:36:45,122 --> 00:36:48,172 自慢は暴力的と評されること 569 00:36:48,250 --> 00:36:50,460 禁欲的な一面があり–– 570 00:36:50,544 --> 00:36:55,094 ドラッグなど ヒッピーの嗜好しこうに否定的です 571 00:36:55,174 --> 00:36:57,804 ただし独自の音楽があります 572 00:37:01,930 --> 00:37:06,060 「ジョニー・トゥ・バッド」 ザ・スリッカーズ 573 00:37:06,143 --> 00:37:07,733 1971年イギリス発売 574 00:37:11,607 --> 00:37:16,147 ピストルを腰に挟み       通りを行く 575 00:37:16,236 --> 00:37:18,986 ジョニ︱   お前は悪すぎるヤツ 576 00:37:21,909 --> 00:37:24,329 彼らは ロックコンサートに来る? 577 00:37:24,411 --> 00:37:26,581 スキンヘッズは来ないよ 578 00:37:26,663 --> 00:37:30,003 自分たちの音楽が 必要だと思ってる 579 00:37:30,083 --> 00:37:31,043 レゲエは? 580 00:37:31,126 --> 00:37:34,586 レゲエはジャマイカのものだ 581 00:37:34,671 --> 00:37:36,301 金を奪い 人を刺す 582 00:37:36,381 --> 00:37:37,841 物を盗み 銃を撃つ 583 00:37:37,925 --> 00:37:39,715 お前は悪すぎるヤツ 584 00:37:39,801 --> 00:37:40,801 悪すぎる 585 00:37:40,886 --> 00:37:44,516 彼らが生み出した 音楽じゃない 586 00:37:44,598 --> 00:37:45,768 西インド諸島は… 587 00:37:46,016 --> 00:37:50,936 西インド諸島の人たちは イギリス人と変わらない 588 00:37:51,230 --> 00:37:54,820 なぜスキンヘッズは ケンカをふっかけない? 589 00:37:54,900 --> 00:37:56,820 やられるからだよ 590 00:37:58,278 --> 00:38:02,488 それに スキンヘッズは レゲエが好きだ 591 00:38:02,574 --> 00:38:04,834 “来い”という   声がしたら–– 592 00:38:04,910 --> 00:38:06,870 向かう所は? 593 00:38:10,999 --> 00:38:13,749 助けを求める先はロック 594 00:38:13,836 --> 00:38:16,416 そこにロックはない 595 00:38:17,256 --> 00:38:20,126 友人の多くは スキンヘッズだった 596 00:38:20,217 --> 00:38:24,007 文化には 人を一つにする力がある 597 00:38:24,346 --> 00:38:25,596 音楽にもね 598 00:38:25,681 --> 00:38:26,561 いいかな 599 00:38:26,640 --> 00:38:27,520 はい 600 00:38:27,599 --> 00:38:28,519 話を聞いても? 601 00:38:28,600 --> 00:38:30,390 もちろん大丈夫だよ 602 00:38:30,519 --> 00:38:32,769 レゲエが好きなの? 603 00:38:32,855 --> 00:38:33,855 ああ 604 00:38:33,939 --> 00:38:34,479 レゲエだ 605 00:38:34,565 --> 00:38:35,605 好きな音楽? 606 00:38:35,691 --> 00:38:36,401 ええ 607 00:38:36,483 --> 00:38:38,153 モッズにロッカー 608 00:38:38,235 --> 00:38:42,275 そして スキンヘッズから グリーサーズまで 609 00:38:42,364 --> 00:38:46,454 町の人々には いずれも トラブルメーカーです 610 00:38:46,535 --> 00:38:48,575 “黒人と白人の若者が––” 611 00:38:48,662 --> 00:38:51,872 “音楽とファッションを 通じて団結” 612 00:38:51,957 --> 00:38:54,997 そんな見出しの新聞は 売れない 613 00:38:55,377 --> 00:38:58,047 世間は常に社会の敵を探すが 614 00:38:58,130 --> 00:39:01,010 どの世代も アイデンティティーを求める 615 00:39:01,091 --> 00:39:05,681 魅了されるほど 斬新なものが必要なんだ 616 00:39:18,901 --> 00:39:23,861 ロック音楽とセックスや死は 相いれない気がします 617 00:39:24,072 --> 00:39:25,072 内容は? 618 00:39:25,157 --> 00:39:27,577 今のアメリカの象徴だ 619 00:39:26,909 --> 00:39:30,999 声:アリス・ク︱パ︱ 620 00:39:27,659 --> 00:39:32,619 人々が目をそらしてる 部分に光を当ててる 621 00:39:32,706 --> 00:39:36,126 ただのロックじゃなくて “動く芸術キネティックアート”だ 622 00:39:36,752 --> 00:39:40,302 「時計じかけのオレンジ」の 舞台版さ 623 00:39:41,924 --> 00:39:45,344 デヴィッドはロンドンで アリスを見て 624 00:39:45,427 --> 00:39:48,257 想像力を かきたてられた 625 00:39:48,347 --> 00:39:51,517 ステ︱ジでは 役を演じて︱ 626 00:39:51,600 --> 00:39:55,650 そこに音楽を 添えればいいと気づいた 627 00:39:55,854 --> 00:40:00,194 ア・リ・ス・が自由に パフォーマンスしたんだ 628 00:40:00,442 --> 00:40:02,992 俺はアリスの好きにさせた 629 00:40:03,362 --> 00:40:06,112 人は恐ろしいものが好きだ 630 00:40:06,198 --> 00:40:09,198 親は嫌がるが 子供は大好きだろ 631 00:40:21,046 --> 00:40:24,546 ﹁火星の生活﹂ デヴィッド・ボウイ 632 00:40:21,713 --> 00:40:26,473 ステ︱ジのたびに別人に なっていいという考えは 633 00:40:24,633 --> 00:40:26,473 1971年12月発売 634 00:40:26,552 --> 00:40:28,762 ﹁ハンキ︱・ドリ︱﹂に 収録 635 00:40:26,552 --> 00:40:29,102 受け入れられにくかった 636 00:40:29,304 --> 00:40:31,724 同じ人物でなくていい 637 00:40:32,224 --> 00:40:36,274 僕は そういう 自分の考えを信じた 638 00:40:37,062 --> 00:40:39,572 そして 「ハンキー・ドリー」が出た 639 00:40:42,609 --> 00:40:47,359 だがデヴィッドは すぐ新作に取り掛かった 640 00:40:47,447 --> 00:40:50,777 彼もトニーも野心的で 世界を狙ってた 641 00:40:52,703 --> 00:40:54,543 1971年11月14日 642 00:40:54,621 --> 00:40:59,421 マリナ︱9号が他の星を 回る初の人工衛星に 643 00:40:55,622 --> 00:40:57,622 太古の昔から︱ 644 00:40:57,708 --> 00:41:01,248 夜空には 赤く光る点がありました 645 00:41:01,336 --> 00:41:03,416 やりたいことに近づいた 646 00:41:03,505 --> 00:41:07,425 ﹁ハンキ︱・ドリ︱﹂は 別の惑星への1歩だった 647 00:41:04,298 --> 00:41:06,588 アルバム﹁ハンキ︱・ ドリ︱﹂発売 648 00:41:06,675 --> 00:41:08,335 1971年12月17日 649 00:41:08,427 --> 00:41:11,807 マリナ︱9号 火星の火山を撮影 650 00:41:10,220 --> 00:41:14,350 火星が変化する様を 目の当たりにしました 651 00:41:14,600 --> 00:41:18,310 僕は この新たな大陸に 夢中になって 652 00:41:18,395 --> 00:41:21,515 それが 「ハンキー・ ドリー」に投影された 653 00:41:21,982 --> 00:41:24,192 国会前につなぎます 654 00:41:24,276 --> 00:41:27,486 112票の差で可決されました 655 00:41:27,571 --> 00:41:30,281 予想を上回る得票差です 656 00:41:29,448 --> 00:41:32,488 欧州共同市場 657 00:41:30,365 --> 00:41:33,865 ヨ︱ロッパも我が国も お互い︱ 658 00:41:32,993 --> 00:41:33,873 首席交渉官 659 00:41:33,952 --> 00:41:36,542 得られるものが大きい 660 00:41:33,952 --> 00:41:36,542 ジェフリ︱・ リッポン下院議員 661 00:41:36,622 --> 00:41:39,792 新たな時代が始まったと 感じた 662 00:41:43,378 --> 00:41:46,418 釈放されると 思ってましたか? 663 00:41:43,795 --> 00:41:48,045 〝OZの編集者たちが 自由の身に〟 664 00:41:46,548 --> 00:41:48,048 希望は持ってた 665 00:41:48,133 --> 00:41:51,093 刑務所に戻らずに済んで うれしい 666 00:41:51,386 --> 00:41:52,506 OZ裁判は–– 667 00:41:52,596 --> 00:41:57,386 若者の自由に対する 体制側の勝利だと言われます 668 00:41:57,476 --> 00:41:59,226 そう思いますか? 669 00:41:59,311 --> 00:42:03,271 いいや この闘いは 始まったばかりだ 670 00:42:03,607 --> 00:42:05,647 火星に生命がいたら–– 671 00:42:05,734 --> 00:42:10,164 視野が大いに 広がることになります 672 00:42:10,239 --> 00:42:15,539 天体物理学者 カ︱ル・セ︱ガン 673 00:42:10,531 --> 00:42:14,031 地球上の生物は 違うように見えても 674 00:42:14,117 --> 00:42:15,537 基本は同じです 675 00:42:15,619 --> 00:42:18,039 化学的性質は変わらない 676 00:42:18,121 --> 00:42:21,581 言うなれば 包み紙が違うだけです 677 00:42:25,420 --> 00:42:29,630 クリスマスと新年が 繰り返される中で–– 678 00:42:30,300 --> 00:42:35,010 私たちは時に世界の変化に 鈍感になりがちです 679 00:42:35,097 --> 00:42:37,927 今 技術は進歩しています 680 00:42:38,642 --> 00:42:42,102 未来に どんな変化が待つのか 681 00:42:42,563 --> 00:42:44,773 誰にも分かりません 682 00:42:45,607 --> 00:42:50,107 「ブワータ」 コンポスト 683 00:42:50,195 --> 00:42:51,945 1971年録音 684 00:42:52,322 --> 00:42:57,492 何事にも無関心な若者も 今だけは違います 685 00:42:57,578 --> 00:42:59,748 希望となる新しい年 686 00:42:59,830 --> 00:43:04,330 あと数秒で その時を 迎えようとしています 687 00:43:04,418 --> 00:43:09,088 5 4 3 2 1 688 00:43:09,506 --> 00:43:10,796 新年です 689 00:43:17,347 --> 00:43:21,977 1972年です 皆さん 明けましておめでとう 690 00:44:00,891 --> 00:44:02,891 ﹁屈折する星くず﹂ 691 00:44:02,976 --> 00:44:05,436 デヴィッド・ボウイ 1971年11月録音 692 00:44:09,066 --> 00:44:11,486 デヴィッド・ボウイ 「ジギー・スターダスト」 693 00:44:21,328 --> 00:44:23,578 ジギーはギターを弾いた 694 00:44:23,997 --> 00:44:27,457 ウィアードとギリーと         即興で 695 00:44:27,543 --> 00:44:30,383 火星から来た   スパイダーズも一緒に 696 00:44:30,504 --> 00:44:32,634 ヤツは左手で弾いた 697 00:44:33,966 --> 00:44:36,006 ただ やりすぎて–– 698 00:44:36,760 --> 00:44:39,100 特別な存在になった 699 00:44:39,513 --> 00:44:41,973 そして  俺たちはジギーのバンドに 700 00:44:43,517 --> 00:44:47,557 僕がしてることは 今までとは違う 701 00:44:48,105 --> 00:44:50,765 次の段階に進んだと気づいた 702 00:44:56,947 --> 00:44:59,237 僕らは一体 何をした? 703 00:44:59,324 --> 00:45:01,544 60年代を葬ったのか 704 00:45:01,618 --> 00:45:03,998 本当に そんな感じだった 705 00:45:04,746 --> 00:45:06,576 僕たちは未来だ 706 00:45:09,209 --> 00:45:12,249 スパイダーズは    どこにいた? 707 00:45:14,798 --> 00:45:19,388 ハエが俺たちを   悩ませてる時に 708 00:45:20,888 --> 00:45:24,598 俺たちは   ビールの光に導かれ 709 00:45:25,517 --> 00:45:28,557 ヤツのファンをこき下ろした 710 00:45:28,645 --> 00:45:31,975 ヤツのかわいい手を     ぶっ潰そうか? 711 00:46:14,233 --> 00:46:16,863 日本語字幕 小野 郁子