1 00:00:11,960 --> 00:00:17,280 ‎ンジンガが故郷を離れ ‎3年の年月が経ちました 2 00:00:17,760 --> 00:00:21,320 ‎他陣営に伝達されたら ‎勝ち目はない 3 00:00:21,320 --> 00:00:24,040 ‎ここは お前たちに任せる 4 00:00:24,680 --> 00:00:27,240 ‎国の苦境を乗り越えるため 5 00:00:27,240 --> 00:00:31,600 ‎インバンガラの首領カーサと ‎同盟を結びました 6 00:00:31,600 --> 00:00:34,760 ‎敵の敵を味方にしたのです 7 00:00:35,680 --> 00:00:39,200 ‎カバサ 8 00:00:41,400 --> 00:00:45,360 ‎故郷のカバサは ‎敵の手の内にありました 9 00:00:45,880 --> 00:00:47,440 ‎妹に触らないで 10 00:00:47,440 --> 00:00:48,400 ‎ちょっと 11 00:00:49,680 --> 00:00:50,360 ‎フンジ 12 00:00:50,360 --> 00:00:51,920 ‎逃げてください 13 00:00:51,920 --> 00:00:53,280 ‎どうにかしないと 14 00:00:53,280 --> 00:00:54,720 ‎今は無理です 15 00:00:55,280 --> 00:00:59,120 ‎やめて!‎ ‎フンジ ‎行っちゃダメ 16 00:01:01,760 --> 00:01:06,560 ‎ンジンガの意志は固く ‎国の未来と民衆を守るため 17 00:01:06,560 --> 00:01:11,040 ‎どんなリスクも ‎冒す覚悟でいました 18 00:01:11,600 --> 00:01:14,040 ‎死んでもやり遂げます 19 00:01:52,720 --> 00:01:54,120 ‎先祖のご加護を 20 00:01:56,760 --> 00:01:58,280 ‎アフリカン・クイーンズ 21 00:02:05,360 --> 00:02:10,960 ‎ンジンガ 22 00:02:17,960 --> 00:02:20,720 {\an8}1621年 23 00:02:26,280 --> 00:02:29,360 ‎ンジンガは ‎異郷での生活を選び 24 00:02:29,360 --> 00:02:32,760 ‎インバンガラと ‎同盟を結びました 25 00:02:33,320 --> 00:02:36,120 ‎共にポルトガルと ‎戦ったのです 26 00:02:37,600 --> 00:02:40,640 {\an8}ンジンガはカーサと共に ルーク・ペペラ 人類学者 27 00:02:40,640 --> 00:02:41,640 {\an8}ルーク・ペペラ 人類学者 奴隷の貿易路を 妨害しました 28 00:02:41,640 --> 00:02:44,200 {\an8}奴隷の貿易路を 妨害しました 29 00:02:44,200 --> 00:02:48,680 {\an8}内陸から沿岸部へと 続くルートです 30 00:02:50,080 --> 00:02:53,400 ‎彼女は息子の死を ‎引きずっていて 31 00:02:53,400 --> 00:02:57,280 ‎兄に対して憤りを ‎感じていたと思います 32 00:02:58,640 --> 00:03:01,880 ‎キンドンガ諸島 33 00:03:02,680 --> 00:03:05,960 ‎ムバンデは絶望的な ‎状況にいました 34 00:03:07,280 --> 00:03:09,920 {\an8}首都のカバサが 略奪されたため エドソン・バートン博士 35 00:03:09,920 --> 00:03:11,680 {\an8}エドソン・バートン博士 キンドンガ諸島へ 逃げたのです 36 00:03:11,680 --> 00:03:12,680 {\an8}キンドンガ諸島へ 逃げたのです 37 00:03:14,200 --> 00:03:18,640 ‎クアンザ川の中央に位置する ‎防衛拠点です 38 00:03:18,640 --> 00:03:21,160 {\an8}キンドンガ諸島 39 00:03:21,160 --> 00:03:24,040 ‎彼はンジンガを呼び寄せます 40 00:03:28,000 --> 00:03:28,800 ‎衛兵は? 41 00:03:32,520 --> 00:03:36,880 ‎彼は この3年で ‎変わってしまったの 42 00:03:38,560 --> 00:03:39,400 ‎分かる 43 00:03:44,560 --> 00:03:45,640 ‎渡りましょう 44 00:04:06,920 --> 00:04:08,040 ‎何のつもり? 45 00:04:09,600 --> 00:04:11,160 ‎死なないとでも? 46 00:04:12,040 --> 00:04:15,440 ‎ポルトガル軍が襲来したら ‎終わりよ 47 00:04:15,440 --> 00:04:16,640 ‎聞いてないか 48 00:04:17,360 --> 00:04:20,680 ‎既に攻撃され ‎カバサを奪われた 49 00:04:22,480 --> 00:04:24,440 ‎父より多くを失った 50 00:04:24,440 --> 00:04:25,800 ‎妹たちはどこ? 51 00:04:25,800 --> 00:04:26,840 ‎助けた 52 00:04:34,040 --> 00:04:35,720 ‎こんな結果になるとは 53 00:04:35,720 --> 00:04:36,880 ‎終わりじゃない 54 00:04:38,560 --> 00:04:39,840 ‎まだ戦う 55 00:04:44,160 --> 00:04:45,960 ‎なぜ呼んだの? 56 00:04:49,520 --> 00:04:50,440 ‎和平のため 57 00:04:57,480 --> 00:05:00,480 ‎ポルトガルと和平を結べ 58 00:05:01,080 --> 00:05:01,840 ‎何と? 59 00:05:03,520 --> 00:05:05,800 ‎お前の手柄は聞いている 60 00:05:07,120 --> 00:05:09,200 ‎インバンガラをまとめた 61 00:05:10,120 --> 00:05:12,760 ‎彼らと敵の‎兵站(へいたん)‎線を遮断しろ 62 00:05:12,760 --> 00:05:15,600 ‎お前の才能は確かなものだ 63 00:05:16,840 --> 00:05:19,240 ‎誰よりも交渉に適している 64 00:05:19,240 --> 00:05:21,840 ‎ポルトガルと ‎何年も戦ってきた 65 00:05:21,840 --> 00:05:25,120 ‎今更 交渉に応じるわけない 66 00:05:27,160 --> 00:05:30,080 ‎王の力が弱いうちはダメよ 67 00:05:31,000 --> 00:05:31,960 ‎戦い続ける 68 00:05:33,000 --> 00:05:33,600 ‎ンジンガ 69 00:05:37,480 --> 00:05:40,200 ‎もう流す血は残っていない 70 00:05:44,120 --> 00:05:48,280 ‎これから血を流すのは ‎ポルトガルのほうよ 71 00:05:49,080 --> 00:05:53,080 ‎あの人殺しの泥棒を ‎王国から追い出す 72 00:05:54,280 --> 00:05:56,640 ‎頼む‎ ‎ンジンガ 73 00:05:57,160 --> 00:05:58,680 ‎お前が唯一の希望だ 74 00:06:02,920 --> 00:06:04,960 ‎国王としてじゃなく... 75 00:06:09,600 --> 00:06:11,320 ‎兄として頼んでいる 76 00:06:17,240 --> 00:06:20,480 {\an8}ンジンガに 助けを求めたのは 77 00:06:20,480 --> 00:06:24,200 {\an8}彼女の息子を 殺したムバンデでした ディアンビ・ カバトゥスイラ女王 78 00:06:24,200 --> 00:06:27,120 {\an8}ディアンビ・ カバトゥスイラ女王 しかしンジンガは 民衆の国王である兄を 79 00:06:27,120 --> 00:06:28,160 {\an8}しかしンジンガは 民衆の国王である兄を 80 00:06:28,160 --> 00:06:31,160 {\an8}支えなければ ならないのです 81 00:06:35,960 --> 00:06:36,720 ‎しっかり 82 00:06:38,800 --> 00:06:44,800 ‎ンドンゴの国王がこうべを ‎垂れるのは先祖にだけよ 83 00:07:10,920 --> 00:07:12,520 ‎何が必要なの? 84 00:07:16,400 --> 00:07:20,520 ‎彼女が兄との関係を ‎維持し続けるのは 85 00:07:20,520 --> 00:07:24,520 ‎現代の私たちには ‎理解不能かもしれません 86 00:07:24,520 --> 00:07:28,520 {\an8}でも この戦いは 重要なものだったのです ケリー・カーター・ ジャクソン博士 87 00:07:28,520 --> 00:07:31,000 {\an8}ケリー・カーター・ ジャクソン博士 彼女の決断の根底には 88 00:07:31,000 --> 00:07:31,120 {\an8}ケリー・カーター・ ジャクソン博士 民衆を奴隷貿易から守る という執念がありました 89 00:07:31,120 --> 00:07:36,000 {\an8}民衆を奴隷貿易から守る という執念がありました 90 00:07:38,120 --> 00:07:43,560 ‎ポルトガルの攻撃は ‎軍事力を示すものだったので 91 00:07:43,560 --> 00:07:49,200 ‎敵軍が去れば国王たちは ‎帰郷することができました 92 00:07:49,840 --> 00:07:53,440 ‎でも戦いが ‎終わったわけではないのです 93 00:07:55,320 --> 00:07:59,760 ‎中央アフリカ西部は ‎大混乱に陥りました 94 00:07:59,760 --> 00:08:04,120 ‎ポルトガル軍が ‎村や町 都市に向かい 95 00:08:04,120 --> 00:08:08,640 ‎物を破壊し 略奪して ‎社会を荒廃させたのです 96 00:08:11,040 --> 00:08:17,560 ‎また 敵軍がカバサ近郊の ‎アンバカに要塞を築いたため 97 00:08:18,040 --> 00:08:20,880 ‎常に攻撃の危険がありました 98 00:08:22,200 --> 00:08:24,880 ‎ムバンデは疲弊していました 99 00:08:24,880 --> 00:08:30,320 ‎ンドンゴの軍事能力は低く ‎町は混乱していたのです 100 00:08:31,800 --> 00:08:36,760 ‎彼が王位にとどまり ‎権力を維持できるかの⸺ 101 00:08:36,760 --> 00:08:38,360 ‎瀬戸際でした 102 00:08:39,360 --> 00:08:42,800 ‎2人に話があって呼んだの 103 00:08:43,480 --> 00:08:44,800 ‎兄と和解した 104 00:08:45,680 --> 00:08:46,320 ‎なぜ? 105 00:08:46,320 --> 00:08:50,360 ‎使節としてルアンダへ ‎行くことに同意した 106 00:08:50,960 --> 00:08:53,160 ‎ムバンデが行くべきよ 107 00:08:53,160 --> 00:08:54,400 ‎国王は彼よ 108 00:08:54,400 --> 00:08:56,240 ‎力を失った国王ね 109 00:09:07,000 --> 00:09:08,080 ‎ムバンデは 110 00:09:08,640 --> 00:09:11,040 ‎今 自分を見失っている 111 00:09:12,440 --> 00:09:17,120 ‎和平は敵軍の望みだと ‎思い込んでいるけど 112 00:09:17,120 --> 00:09:21,960 ‎敵は ずる賢く冷酷で ‎我々を服従させる気でいる 113 00:09:21,960 --> 00:09:23,760 ‎軍隊を送ればいい 114 00:09:24,720 --> 00:09:25,720 ‎カムブ 115 00:09:26,280 --> 00:09:28,640 ‎戦いは頭脳で勝たないと 116 00:09:29,720 --> 00:09:30,800 ‎父上の言葉ね 117 00:09:30,800 --> 00:09:32,320 ‎ええ そうよ 118 00:09:33,880 --> 00:09:35,240 ‎だから行くわ 119 00:09:36,640 --> 00:09:39,280 ‎あの総督の目を見ていたいの 120 00:09:39,280 --> 00:09:42,760 ‎奪われた全てを ‎取り返す瞬間にね 121 00:09:43,520 --> 00:09:45,400 ‎取り返せるの? 122 00:09:46,320 --> 00:09:47,840 ‎それまで戦う 123 00:09:49,880 --> 00:09:53,360 ‎彼女は困難に ‎挑もうとしていました 124 00:09:53,360 --> 00:09:59,320 ‎ポルトガルが入域して以来 ‎最大の和平使節団の結成です 125 00:10:00,880 --> 00:10:03,080 ‎ンジンガらはカバサから {\an8}カバサ 126 00:10:03,080 --> 00:10:06,840 ‎ルアンダまで ‎320キロを旅します 127 00:10:06,840 --> 00:10:06,880 {\an8}クワンザ川 128 00:10:09,760 --> 00:10:11,480 {\an8}ルアンダ 129 00:10:14,800 --> 00:10:18,680 ‎ルアンダ港 130 00:10:43,560 --> 00:10:48,680 {\an8}従者と共にルアンダに 到着したンジンガは セシール・フロモン教授 131 00:10:48,680 --> 00:10:50,240 {\an8}セシール・フロモン教授 王族らしく 華やかな姿を示しました 132 00:10:50,240 --> 00:10:52,480 {\an8}王族らしく 華やかな姿を示しました 133 00:10:55,680 --> 00:10:59,920 ‎彼女はポルトガル語を話し ‎政治にも詳しく⸺ 134 00:10:59,920 --> 00:11:01,880 ‎戦略的思考の持ち主です 135 00:11:01,880 --> 00:11:05,720 ‎ポルトガルへの使節として ‎完璧でした 136 00:11:05,720 --> 00:11:09,920 ‎自分たちは崇高で高潔だと ‎示せますからね 137 00:11:12,320 --> 00:11:17,880 ‎この時 ポルトガル総督の ‎代理だったソウザは 138 00:11:17,880 --> 00:11:21,840 ‎彼女に身分を ‎悟らせようとしていました 139 00:11:23,520 --> 00:11:24,920 ‎年がいってるな 140 00:11:25,400 --> 00:11:27,880 ‎あの女を見くびるな 141 00:11:28,720 --> 00:11:30,360 ‎そんな気はない 142 00:11:31,400 --> 00:11:34,200 ‎服従させるのは難しいぞ 143 00:11:38,360 --> 00:11:43,760 ‎ポルトガル側は 使節が ‎男だと思ったのでしょう 144 00:11:43,760 --> 00:11:49,240 ‎ンジンガは女だからと ‎侮っていたのだと思います 145 00:11:50,040 --> 00:11:53,240 {\an8}ポルトガルはムバンデと その妹が⸺ オリヴェット・ オテーレ教授 146 00:11:53,240 --> 00:11:57,000 {\an8}重要な人物であると 理解していました 147 00:11:57,000 --> 00:12:01,640 ‎だから敬意を払っているよう ‎見せたのです 148 00:12:02,200 --> 00:12:05,960 ‎ンジンガ王女 ‎お会いできて光栄です 149 00:12:05,960 --> 00:12:08,120 ‎そうでしょうね‎ ‎総督 150 00:12:08,120 --> 00:12:11,680 ‎ンドンゴの王女に会えるのは ‎まれです 151 00:12:12,160 --> 00:12:13,760 ‎ましてや3人も 152 00:12:17,040 --> 00:12:20,800 ‎我々の使者を ‎送ることもできましたのに 153 00:12:21,360 --> 00:12:25,520 ‎危険な道のりを ‎来ていただくなんて 154 00:12:27,360 --> 00:12:29,160 ‎賢明ではないですよ 155 00:12:37,800 --> 00:12:41,320 ‎ンジンガが望んだのは ‎3つです 156 00:12:41,800 --> 00:12:46,840 ‎奴隷の解放と ‎共通の敵から守ること 157 00:12:46,840 --> 00:12:50,360 ‎そしてアンバカの ‎要塞からの撤退です 158 00:12:50,360 --> 00:12:54,640 ‎問題は どれだけ妥協を ‎要するかです 159 00:13:10,640 --> 00:13:11,680 ‎どうぞ 160 00:13:12,360 --> 00:13:13,320 ‎座って 161 00:13:15,760 --> 00:13:18,440 ‎初対面での ‎ポルトガルの行動は 162 00:13:18,440 --> 00:13:20,960 ‎屈辱的なものでした 163 00:13:20,960 --> 00:13:23,120 ‎椅子がなかったのです 164 00:13:23,600 --> 00:13:28,200 ‎これはポルトガルが ‎優位に立つという暗示でした 165 00:13:29,480 --> 00:13:34,480 ‎あなた方に ご迷惑を ‎かけるつもりはありません 166 00:13:35,360 --> 00:13:36,800 ‎私は用意周到です 167 00:13:53,080 --> 00:13:56,640 ‎これは相手への ‎立派な挑発です 168 00:13:56,640 --> 00:14:00,040 ‎自分の地位を ‎下げることを許さず⸺ 169 00:14:00,040 --> 00:14:03,680 ‎対等であることを ‎示したのです 170 00:14:03,680 --> 00:14:06,720 ‎“椅子なら自分で ‎用意するわ”とね 171 00:14:10,240 --> 00:14:13,760 ‎あなたの兄上と ‎話がしたかったです 172 00:14:14,240 --> 00:14:17,880 ‎我が国王は ‎意のままに職務を命じます 173 00:14:18,680 --> 00:14:19,920 ‎明らかですね 174 00:14:20,640 --> 00:14:22,120 ‎条件は単純です 175 00:14:23,000 --> 00:14:25,080 ‎武器を捨ててくれれば 176 00:14:25,080 --> 00:14:27,800 ‎我が王は ‎喜んで和平を結びます 177 00:14:28,440 --> 00:14:33,200 ‎共通の敵と戦うこと ‎そして財産の返却です 178 00:14:34,040 --> 00:14:34,880 ‎財産? 179 00:14:35,720 --> 00:14:36,800 ‎奴隷ですよ 180 00:14:46,040 --> 00:14:50,840 ‎ポルトガルはアフリカを ‎奴隷を得る場として 181 00:14:50,840 --> 00:14:53,760 ‎最初に利用し始めた国です 182 00:14:54,600 --> 00:14:58,440 ‎ンジンガは何千もの民を ‎失っています 183 00:14:58,440 --> 00:15:02,320 ‎ポルトガルの奴隷貿易と ‎植民地化に対する⸺ 184 00:15:02,320 --> 00:15:04,720 ‎貪欲さのせいです 185 00:15:08,400 --> 00:15:12,120 ‎我が国王は ‎双方にとって重要なのは 186 00:15:12,120 --> 00:15:14,520 ‎友好関係だと考えています 187 00:15:16,400 --> 00:15:19,720 ‎当然 そちらの王も ‎同じ考えでは? 188 00:15:20,760 --> 00:15:22,400 ‎ええ そのとおり 189 00:15:23,880 --> 00:15:27,440 ‎あなた方との ‎和平を望んでいますが 190 00:15:27,920 --> 00:15:29,920 ‎問題があります 191 00:15:31,560 --> 00:15:32,600 ‎カサンジェです 192 00:15:34,920 --> 00:15:38,640 ‎カサンジェは ‎インバンガラの首領で 193 00:15:39,600 --> 00:15:42,360 ‎予測不能な男です 194 00:15:43,360 --> 00:15:46,760 ‎ンジンガとポルトガルの ‎脅威なのです 195 00:15:48,400 --> 00:15:50,720 ‎“霧中の幽霊”か 196 00:15:52,000 --> 00:15:54,280 ‎ご存じなのですね 197 00:15:56,400 --> 00:15:58,800 ‎我々が どうにかします 198 00:15:59,960 --> 00:16:02,840 ‎あなたの兄が貢ぎ物をし 199 00:16:02,840 --> 00:16:05,840 ‎財産を補償してくださればね 200 00:16:07,240 --> 00:16:11,560 ‎ポルトガルはンドンゴに ‎年貢を要求しました 201 00:16:11,560 --> 00:16:16,440 ‎つまりポルトガルのために ‎一定数の奴隷を 202 00:16:16,440 --> 00:16:18,960 ‎差し出せというのです 203 00:16:20,560 --> 00:16:23,680 ‎我が国には ‎こんなことわざが 204 00:16:24,160 --> 00:16:29,680 ‎“自由に生まれた者は ‎自由を維持すべきである” 205 00:16:30,280 --> 00:16:33,040 ‎“他人に ‎服従すべきではない” 206 00:16:34,120 --> 00:16:38,480 ‎年貢を納めるのは ‎征服された者だけです 207 00:16:39,080 --> 00:16:41,520 ‎我が国王は違います 208 00:16:44,520 --> 00:16:48,280 ‎ンジンガは ‎奴隷という名の年貢を 209 00:16:48,280 --> 00:16:50,880 ‎納めることを拒否したのです 210 00:16:50,880 --> 00:16:54,320 ‎それは彼女が ‎深く信じていることに 211 00:16:54,320 --> 00:16:56,880 ‎反しているからです 212 00:16:56,880 --> 00:17:01,600 ‎彼女は敵の奴隷貿易が ‎間違いだと信じています 213 00:17:02,160 --> 00:17:06,160 {\an8}〈ポルトガルは 服従の条件を課して〉 ロサ・クルス・ E・シルヴァ博士 214 00:17:06,160 --> 00:17:08,960 {\an8}〈彼らを 支配したかったのです〉 215 00:17:08,960 --> 00:17:12,480 ‎〈ンジンガは ‎“ンドンゴ国王は”〉 216 00:17:12,480 --> 00:17:15,320 ‎〈“服従しない”と ‎伝えました〉 217 00:17:15,320 --> 00:17:18,720 ‎〈ポルトガルに ‎負けたわけでもなく〉 218 00:17:18,720 --> 00:17:22,040 ‎〈征服された ‎わけでもないからです〉 219 00:17:34,960 --> 00:17:38,480 ‎ンジンガは ‎政治を巧みに利用しました 220 00:17:39,840 --> 00:17:43,200 {\an8}自分の欲しい物を 手に入れるため⸺ 221 00:17:43,200 --> 00:17:46,920 {\an8}異質な政治文化も 取り入れたのです メアリー・ヒックス 助教授 222 00:17:52,680 --> 00:17:56,600 ‎彼女は勝てると信じ ‎交渉をしたと思います 223 00:17:57,320 --> 00:18:00,920 ‎我が国から ‎人々を一掃してしまったら 224 00:18:00,920 --> 00:18:03,320 ‎国王は誰も統治できません 225 00:18:04,000 --> 00:18:06,040 ‎臣民なしの王に意味が? 226 00:18:08,720 --> 00:18:11,880 ‎あなたは ‎強力な味方になりそうだ 227 00:18:11,880 --> 00:18:16,040 ‎我々は そろそろ ‎別の場所へ行かなければ 228 00:18:18,560 --> 00:18:19,520 ‎失礼 229 00:18:23,760 --> 00:18:24,400 ‎どう? 230 00:18:24,400 --> 00:18:26,280 ‎からかわれてる 231 00:18:27,240 --> 00:18:31,160 ‎どれだけ奪い取れるか ‎探ってるみたい 232 00:18:32,080 --> 00:18:33,160 ‎和平は? 233 00:18:34,600 --> 00:18:35,880 ‎話題にもならない 234 00:18:38,360 --> 00:18:41,240 ‎でも今回は ‎椅子の準備があった 235 00:18:49,400 --> 00:18:52,560 ‎男を理解するためには... 236 00:18:54,360 --> 00:18:56,080 ‎女も利用しなきゃ 237 00:19:00,560 --> 00:19:04,800 ‎アナ・ダ・シルヴァは ‎ポルトガルの役人の妻です 238 00:19:04,800 --> 00:19:07,360 ‎彼女は‎敬虔(けいけん)‎なカトリックで 239 00:19:07,360 --> 00:19:11,600 ‎ンジンガとの関係は ‎良好だったようです 240 00:19:12,560 --> 00:19:14,960 ‎長い間 家を空けて⸺ 241 00:19:15,680 --> 00:19:17,280 ‎子供たちは平気? 242 00:19:18,200 --> 00:19:19,720 ‎民衆が私の子供 243 00:19:22,200 --> 00:19:24,800 ‎どこへ行こうと ‎理解してくれる 244 00:19:25,680 --> 00:19:26,480 ‎そうね 245 00:19:28,640 --> 00:19:29,760 ‎あの男性たち... 246 00:19:31,720 --> 00:19:34,360 ‎心にもないことを言ってる 247 00:19:35,400 --> 00:19:36,240 ‎なぜなの? 248 00:19:38,520 --> 00:19:39,760 ‎場合による 249 00:19:39,760 --> 00:19:41,040 ‎と言うと? 250 00:19:41,040 --> 00:19:43,080 ‎信頼できるかどうか 251 00:19:44,600 --> 00:19:48,320 ‎我々にとっては ‎約束を守ることが名誉 252 00:19:49,000 --> 00:19:50,800 ‎破らない限り信頼する 253 00:19:52,480 --> 00:19:57,360 ‎私の故郷では ‎奉仕と交流で信頼を得るの 254 00:19:58,520 --> 00:20:00,520 ‎共通の信念も大事 255 00:20:00,520 --> 00:20:01,160 ‎我々もよ 256 00:20:01,880 --> 00:20:03,960 ‎神に対する信仰も 257 00:20:04,880 --> 00:20:08,720 ‎カトリックの洗礼を受け ‎仲間になることも 258 00:20:10,720 --> 00:20:11,840 ‎つまりこう 259 00:20:12,720 --> 00:20:14,840 ‎洗礼を受ければ 260 00:20:15,320 --> 00:20:17,640 ‎全員が同等になる? 261 00:20:18,600 --> 00:20:19,560 ‎そうよ 262 00:20:24,000 --> 00:20:27,200 ‎ポルトガルは ‎この暴力的な征服を 263 00:20:27,200 --> 00:20:30,800 ‎利己心で始めたとは ‎思っていません 264 00:20:31,760 --> 00:20:34,760 ‎彼らは異邦人を ‎改宗させており 265 00:20:34,760 --> 00:20:38,640 ‎征服は宗教的に ‎正当だと考えていました 266 00:20:39,560 --> 00:20:43,240 ‎できるだけ多くの人を ‎改宗できれば 267 00:20:43,240 --> 00:20:47,360 ‎精神的にも支配できると ‎信じていたのです 268 00:20:47,360 --> 00:20:50,280 ‎影響力の足掛かりを ‎得られます 269 00:20:55,600 --> 00:20:58,200 ‎なぜ洗礼を考慮すると? 270 00:20:58,200 --> 00:21:02,160 ‎それを利用して ‎約束を守らせるためよ 271 00:21:03,640 --> 00:21:05,400 ‎同等だと納得させる 272 00:21:06,080 --> 00:21:07,680 ‎では なぜ‎躊躇(ちゅうちょ)‎を? 273 00:21:08,280 --> 00:21:11,880 ‎信頼できない敵との ‎取引になるからよ 274 00:21:12,880 --> 00:21:14,480 ‎何の保証もない 275 00:21:16,280 --> 00:21:18,960 ‎困った時の神頼みって ‎やつだね 276 00:21:28,800 --> 00:21:30,440 ‎もう見たくない 277 00:21:33,480 --> 00:21:34,800 ‎見なきゃ 278 00:21:59,080 --> 00:22:01,120 ‎敵は奴隷制度という⸺ 279 00:22:01,120 --> 00:22:05,040 ‎非常に暴力的な搾取を ‎導入しました 280 00:22:05,960 --> 00:22:08,960 ‎できる限り多くの人を集め 281 00:22:08,960 --> 00:22:12,120 ‎悲惨な環境下の船に ‎詰め込みます 282 00:22:12,120 --> 00:22:17,560 ‎そしてサトウキビ農園や ‎コーヒー農園に送るのです 283 00:22:20,520 --> 00:22:22,760 ‎人々が徐々にいなくなり 284 00:22:22,760 --> 00:22:25,480 ‎民衆は落胆していました 285 00:22:26,040 --> 00:22:30,000 ‎彼女は何百人もが ‎捕まるのを見たのです 286 00:22:31,200 --> 00:22:32,480 ‎今までの人数は? 287 00:22:32,960 --> 00:22:35,000 ‎もう数え切れない 288 00:22:35,960 --> 00:22:40,920 ‎これを終わらせないと我々は ‎全滅してしまう 289 00:22:42,840 --> 00:22:47,320 ‎奴隷の生活は厳しく ‎寿命は7~8年です 290 00:22:47,320 --> 00:22:51,040 ‎新世界に ‎到着した瞬間から7年 291 00:22:51,040 --> 00:22:53,920 ‎時計の針が寿命を刻むのです 292 00:22:56,040 --> 00:22:59,520 ‎当時 ンドンゴには ‎奴隷市場があり 293 00:22:59,520 --> 00:23:03,120 ‎非常に厳しく ‎監視されていました 294 00:23:03,120 --> 00:23:05,640 ‎しかし明確な制度ではなく 295 00:23:05,640 --> 00:23:09,000 ‎必ずしも人の ‎所有物ではありません 296 00:23:09,000 --> 00:23:13,200 ‎奴隷は基本的に ‎家族の一員だったのです 297 00:23:14,200 --> 00:23:18,200 ‎当時は解決策が ‎ありませんでした 298 00:23:18,200 --> 00:23:21,720 ‎奴隷は一般的だったからです 299 00:23:21,720 --> 00:23:25,680 ‎関与を避けるのは ‎ほぼ不可能でした 300 00:23:27,360 --> 00:23:31,520 ‎ポルトガルとンドンゴでは ‎奴隷制度に対する⸺ 301 00:23:31,520 --> 00:23:34,840 ‎理解のされ方が ‎大きく異なります 302 00:23:35,320 --> 00:23:39,000 ‎彼女は奴隷制の廃止が ‎無理だとしても 303 00:23:39,000 --> 00:23:41,400 ‎阻止は可能と信じていました 304 00:23:57,440 --> 00:24:02,440 ‎彼女は自国を救うため ‎持ち得る 全ての方法を 305 00:24:02,440 --> 00:24:04,920 ‎駆使していました 306 00:24:06,440 --> 00:24:09,960 ‎先祖の遺産を ‎救うことになると信じ 307 00:24:09,960 --> 00:24:16,640 ‎キリスト教への改宗という ‎戦略的な決断を下しました 308 00:24:26,560 --> 00:24:28,600 ‎おめでとう 309 00:24:34,080 --> 00:24:38,920 ‎国王に合意に達したと ‎伝えて問題ありません 310 00:24:38,920 --> 00:24:40,440 ‎条件は? 311 00:24:40,440 --> 00:24:41,560 ‎許容範囲です 312 00:24:41,560 --> 00:24:44,480 ‎アンバカの要塞もですか? 313 00:24:45,320 --> 00:24:49,160 ‎もう1つ ‎ンドンゴの捕虜を解放します 314 00:24:49,160 --> 00:24:52,240 ‎それで国を ‎再建できるでしょう 315 00:24:52,880 --> 00:24:56,720 ‎臣民のいない王など ‎無意味ですからね 316 00:25:00,920 --> 00:25:04,880 ‎彼女は見事な交渉で ‎契約を交わしました 317 00:25:05,520 --> 00:25:08,480 ‎ポルトガルは ‎和平に合意したのです 318 00:25:09,080 --> 00:25:12,120 ‎3つ全ての要求に同意し 319 00:25:12,120 --> 00:25:16,800 ‎カサンジェから彼女の民衆を ‎守ると言ったのです 320 00:25:17,800 --> 00:25:20,720 ‎要塞からの撤退も ‎承諾しました 321 00:25:21,200 --> 00:25:23,000 ‎そして 更に 322 00:25:23,000 --> 00:25:27,360 ‎捕虜や奴隷の解放も ‎約束したのです 323 00:25:43,480 --> 00:25:46,600 ‎ンジンガは成功を手に ‎帰郷します 324 00:25:48,040 --> 00:25:51,280 ‎ポルトガルとの合意があれば 325 00:25:51,280 --> 00:25:54,320 ‎ンドンゴの衰退を ‎止められます 326 00:25:54,800 --> 00:25:57,080 ‎ンジンガ‎ ‎ンジンガ 327 00:25:57,080 --> 00:26:01,000 ‎国や民衆の将来を ‎約束する契約でした 328 00:26:01,000 --> 00:26:03,560 ‎ンジンガ‎ ‎ンジンガ 329 00:26:04,400 --> 00:26:05,120 ‎やったな 330 00:26:06,440 --> 00:26:11,680 ‎ンジンガ‎ ‎ンジンガ 331 00:26:17,360 --> 00:26:21,760 ‎これを境に ‎ムバンデは気付き始めました 332 00:26:22,400 --> 00:26:26,240 ‎妹には想像以上の ‎権力と影響力があると 333 00:26:30,760 --> 00:26:32,800 ‎彼は非常に不安でした 334 00:26:34,520 --> 00:26:38,520 ‎ンジンガは ‎絶大な支持を得ています 335 00:26:39,640 --> 00:26:44,640 ‎彼は疎外感を ‎抱いていたと思います 336 00:26:50,400 --> 00:26:55,840 ‎ンジンガは幼少期から ‎ムバンデより優れていました 337 00:26:56,680 --> 00:26:59,360 ‎賢く父親のお気に入りで 338 00:26:59,360 --> 00:27:04,080 ‎政治や外交に関する ‎天性の才能を持っていました 339 00:27:04,600 --> 00:27:08,160 ‎2人にはライバル意識が ‎あったようです 340 00:27:11,000 --> 00:27:11,720 ‎兄さん 341 00:27:15,320 --> 00:27:16,760 ‎すごい規模だわ 342 00:27:16,760 --> 00:27:17,880 ‎何が? 343 00:27:18,360 --> 00:27:19,840 ‎奴隷の売買よ 344 00:27:22,520 --> 00:27:23,080 ‎驚くわ 345 00:27:23,080 --> 00:27:26,280 ‎この勝利は お前のおかげだ 346 00:27:26,280 --> 00:27:27,800 ‎まだ足りない 347 00:27:29,640 --> 00:27:33,200 ‎敵を止めるには ‎和平協定じゃ足りない 348 00:27:33,960 --> 00:27:35,160 ‎ムバンデ 349 00:27:36,200 --> 00:27:37,200 ‎兄さん 350 00:27:38,720 --> 00:27:41,080 ‎この勝利は無意味よ 351 00:27:42,400 --> 00:27:43,880 ‎もっとひどくなる 352 00:27:45,400 --> 00:27:46,120 ‎平気だ 353 00:27:50,240 --> 00:27:54,600 ‎私の息子が成人するまで ‎お前が摂政になればな 354 00:27:55,920 --> 00:27:57,040 ‎どういうこと? 355 00:27:57,640 --> 00:27:59,760 ‎彼女は脚光を浴びました 356 00:27:59,760 --> 00:28:02,680 ‎ンドンゴの代表として ‎最適だと⸺ 357 00:28:03,240 --> 00:28:07,000 ‎ムバンデも ‎分かっていたのです 358 00:28:08,320 --> 00:28:12,560 ‎この国の未来のため ‎できることは今しないと 359 00:28:14,600 --> 00:28:16,880 ‎早く行動するべきだった 360 00:28:20,120 --> 00:28:21,120 ‎ムバンデ 361 00:28:22,080 --> 00:28:24,640 ‎あなたは まだこの国の王よ 362 00:28:24,640 --> 00:28:28,480 ‎王座を譲るなんて ‎どういうつもり? 363 00:28:32,120 --> 00:28:35,360 ‎大事なのは ‎自分を信じることよ 364 00:28:36,120 --> 00:28:37,960 ‎皆 信頼してる 365 00:28:40,560 --> 00:28:44,000 ‎この国を託せるのは ‎お前だけだ 366 00:28:53,800 --> 00:28:55,120 ‎祝杯をあげよう 367 00:29:01,240 --> 00:29:04,600 ‎国王はポルトガルを ‎信じていました 368 00:29:06,920 --> 00:29:10,720 ‎一時的な休戦は ‎数ヵ月続きます 369 00:29:39,400 --> 00:29:40,360 ‎カムブ 370 00:29:40,360 --> 00:29:42,040 ‎私が連れていく 371 00:30:02,320 --> 00:30:03,760 ‎カサンジェ 372 00:30:04,320 --> 00:30:06,120 ‎ンジンガ 逃げよう 373 00:30:08,840 --> 00:30:11,920 ‎早く‎ ‎行かなきゃ 374 00:30:18,480 --> 00:30:22,040 ‎カサンジェの襲撃理由は ‎分かりません 375 00:30:22,040 --> 00:30:25,280 ‎しかしインバンガラは‎傭兵(ようへい)‎で 376 00:30:25,280 --> 00:30:27,880 ‎カネのためなら何でもします 377 00:30:27,880 --> 00:30:31,880 ‎だから誰かの差し金の ‎可能性もあります 378 00:30:45,200 --> 00:30:48,160 ‎どうやってカサンジェが 379 00:30:48,680 --> 00:30:53,520 ‎夜中に我々の衛兵を ‎突破したっていうの? 380 00:30:54,440 --> 00:30:58,400 ‎カバサの崩壊は ‎ムバンデに打撃を与え 381 00:30:58,400 --> 00:31:01,360 ‎避難を余儀なくされました 382 00:31:01,920 --> 00:31:04,920 ‎民衆を見捨てるも同然です 383 00:31:05,400 --> 00:31:09,160 ‎彼は勢力基盤となる ‎支配力だけでなく 384 00:31:09,160 --> 00:31:12,720 ‎民衆の信頼を ‎失いつつありました 385 00:31:12,720 --> 00:31:16,160 ‎彼が力を蓄えるために ‎何をしてきたか 386 00:31:17,000 --> 00:31:19,680 ‎カバサを取り戻す ‎何か案は? 387 00:31:19,680 --> 00:31:21,560 ‎カーサに助けを求める 388 00:31:21,560 --> 00:31:23,840 ‎彼の軍隊は小さすぎる 389 00:31:23,840 --> 00:31:25,120 ‎勝てない 390 00:31:25,120 --> 00:31:27,280 ‎せめて頼むだけでも... 391 00:31:27,280 --> 00:31:29,200 ‎協力してくれるかも 392 00:31:29,200 --> 00:31:30,160 ‎足りない 393 00:31:30,640 --> 00:31:33,800 ‎彼は 妹には ‎転覆を図る力があり 394 00:31:33,800 --> 00:31:40,240 ‎王国の派閥が彼の統治力を ‎疑っていると知っていました 395 00:31:40,240 --> 00:31:42,880 ‎我々には村人がいる ‎彼らなら... 396 00:31:42,880 --> 00:31:44,400 ‎ポルトガルは? 397 00:31:47,440 --> 00:31:50,800 ‎保護の約束を ‎証明してもらおう 398 00:31:54,240 --> 00:31:55,440 ‎もしかしたら... 399 00:31:56,240 --> 00:32:00,800 ‎彼らがカサンジェを ‎カバサに送り込んで 400 00:32:00,800 --> 00:32:04,440 ‎我々に助けを乞うよう ‎仕向けたのかも 401 00:32:04,440 --> 00:32:07,840 ‎そうすれば見返りを得られる 402 00:32:07,840 --> 00:32:09,480 ‎もう選択肢はない 403 00:32:09,480 --> 00:32:11,080 ‎いいえ‎ ‎ある 404 00:32:11,560 --> 00:32:14,440 ‎我々には村人たちがいる 405 00:32:14,440 --> 00:32:16,320 ‎コンゴは我々に借りが 406 00:32:17,280 --> 00:32:18,000 ‎だから話せば... 407 00:32:18,000 --> 00:32:19,080 ‎やめろ 408 00:32:20,040 --> 00:32:23,000 ‎ポルトガルと協議を行え 409 00:32:38,520 --> 00:32:40,240 ‎1623年の冬 410 00:32:40,240 --> 00:32:42,800 ‎使節がやって来ました 411 00:32:43,400 --> 00:32:45,720 ‎バレット神父です 412 00:32:47,200 --> 00:32:51,320 ‎ポルトガルに服従し ‎洗礼を受ければ 413 00:32:52,520 --> 00:32:57,120 ‎カバサ奪還に ‎協力すると申しています 414 00:32:58,360 --> 00:33:01,880 ‎ポルトガルの王に ‎服従しろと? 415 00:33:02,840 --> 00:33:08,720 ‎この期に及んで 我々を ‎奴隷にしようとするなんて 416 00:33:09,200 --> 00:33:10,920 ‎私が来たのは神の... 417 00:33:10,920 --> 00:33:12,720 ‎口を閉じなさい 418 00:33:13,200 --> 00:33:15,880 ‎国王に向かって何を言う? 419 00:33:16,920 --> 00:33:18,120 ‎無礼者め 420 00:33:20,000 --> 00:33:22,240 ‎“神に仕える”だと? 421 00:33:22,240 --> 00:33:26,680 ‎人を捕らえ鎖で縛ることを ‎そう言うのか? 422 00:33:31,760 --> 00:33:33,680 ‎一体 どんな神が⸺ 423 00:33:34,960 --> 00:33:38,320 ‎我々の人種より ‎そちらの人種を好む? 424 00:33:40,760 --> 00:33:44,280 ‎ルアンダで ‎皆殺しにすればよかった 425 00:33:44,280 --> 00:33:45,560 ‎ンジンガ 426 00:33:55,880 --> 00:33:56,560 ‎条件は? 427 00:33:56,560 --> 00:33:57,680 ‎ムバンデ 428 00:34:02,520 --> 00:34:05,280 ‎完全に改宗してください 429 00:34:06,440 --> 00:34:08,640 ‎つまり異教は許しません 430 00:34:09,840 --> 00:34:11,240 ‎偽りの神も 431 00:34:11,240 --> 00:34:14,920 ‎偶像や儀式 ‎多妻も認めません 432 00:34:15,400 --> 00:34:16,800 ‎呪術師もです 433 00:34:16,800 --> 00:34:19,920 ‎不純なものは ‎全て消し去ります 434 00:34:19,920 --> 00:34:21,040 ‎ムバンデ 435 00:34:23,520 --> 00:34:26,280 ‎先祖との橋渡し役のあなたが 436 00:34:26,280 --> 00:34:29,560 ‎先祖を捨てたら ‎我々は迷ってしまう 437 00:34:30,040 --> 00:34:33,880 ‎洗礼を受けた お前は ‎先祖に見捨てられたか? 438 00:34:33,880 --> 00:34:35,080 ‎私は国王では... 439 00:34:35,080 --> 00:34:36,400 ‎そのとおり 440 00:34:42,720 --> 00:34:44,600 ‎洗礼を受けた彼女でも 441 00:34:44,600 --> 00:34:48,720 ‎その要求は節度を ‎超えていると感じました 442 00:34:49,280 --> 00:34:53,200 ‎彼女はムバンデが ‎敵に力を譲り 443 00:34:53,200 --> 00:34:55,880 ‎伝統の放棄を求めると ‎解釈しました 444 00:34:55,880 --> 00:35:00,360 ‎同意すれば国王の弱さを ‎示すことになります 445 00:35:09,200 --> 00:35:10,240 ‎受け入れるなら... 446 00:35:12,800 --> 00:35:16,240 ‎王位を放棄したほうが ‎いいわね 447 00:35:17,760 --> 00:35:18,960 ‎農場で働きなさい 448 00:35:40,880 --> 00:35:43,040 ‎ムバンデは忠告を無視し 449 00:35:43,680 --> 00:35:47,160 ‎仕方なく洗礼に同意しました 450 00:35:47,880 --> 00:35:51,600 ‎バレット神父から ‎カテキズムを学びます 451 00:35:51,600 --> 00:35:52,760 ‎天国にある... 452 00:35:52,760 --> 00:35:57,360 ‎いいですか? ‎これが偽りの神と像を 453 00:35:57,360 --> 00:35:59,960 ‎信じてはならない理由です 454 00:35:59,960 --> 00:36:02,320 ‎ポルトガルが裏切った 455 00:36:04,040 --> 00:36:09,440 ‎彼らは要塞の強化のため ‎アンバカに軍を派遣した 456 00:36:10,080 --> 00:36:12,760 ‎これがヤツらの正体よ 457 00:36:18,800 --> 00:36:23,680 ‎貴様の主に伝えろ ‎もう これで終わりだとな 458 00:36:24,400 --> 00:36:25,560 ‎行くんだ 459 00:36:29,160 --> 00:36:35,120 ‎当然 ポルトガルは ‎約束を守りませんでした 460 00:36:35,120 --> 00:36:36,840 ‎ムバンデにとって 461 00:36:36,840 --> 00:36:40,360 ‎これは王としての ‎弱さの表れです 462 00:36:43,640 --> 00:36:45,160 ‎私にはできない 463 00:36:51,560 --> 00:36:52,720 ‎そんなことない 464 00:36:53,440 --> 00:36:55,520 ‎先祖はもっと過酷な経験を 465 00:36:58,160 --> 00:36:59,200 ‎それは違う 466 00:37:05,000 --> 00:37:06,560 ‎もう疲れた 467 00:37:12,840 --> 00:37:15,880 ‎そろそろ休ませてくれ 468 00:37:18,320 --> 00:37:19,440 ‎ムバンデ 469 00:37:20,760 --> 00:37:22,880 ‎つまり 退位すると? 470 00:37:28,240 --> 00:37:32,840 ‎彼はポルトガルを信じた ‎自分に失望していました 471 00:37:32,840 --> 00:37:36,760 ‎そのせいで徐々に ‎うつ状態に陥ったのです 472 00:37:36,760 --> 00:37:39,200 ‎彼は自分に問いかけます 473 00:37:39,200 --> 00:37:42,240 ‎“王国を守ることが ‎できるのか?” 474 00:37:42,240 --> 00:37:47,440 ‎彼は心の中で ‎非常に恐れていたと思います 475 00:37:49,000 --> 00:37:51,640 ‎暴力で支配し生きてきた彼は 476 00:37:51,640 --> 00:37:54,960 ‎その報いを ‎受けることになりました 477 00:37:55,920 --> 00:37:59,880 ‎下した決断が ‎正しかったのかという 478 00:37:59,880 --> 00:38:02,680 ‎厳しい問いに直面したのです 479 00:38:36,800 --> 00:38:37,720 ‎死因は? 480 00:38:50,400 --> 00:38:51,280 ‎毒ね 481 00:38:58,280 --> 00:38:59,600 ‎知っている者は? 482 00:39:00,960 --> 00:39:02,160 ‎いないわ 483 00:39:07,840 --> 00:39:10,680 ‎自殺か他殺か ‎定かではありません 484 00:39:10,680 --> 00:39:15,800 ‎深刻なうつ病を患ったため ‎服毒自殺したと言う⸺ 485 00:39:15,800 --> 00:39:17,560 ‎研究者もいます 486 00:39:18,200 --> 00:39:21,560 ‎ンジンガの関与も ‎推測されています 487 00:39:22,240 --> 00:39:28,200 ‎彼女が兄に毒を盛ったとか ‎少なくとも そう仕向けたと 488 00:39:29,120 --> 00:39:31,160 ‎先祖があなたを 489 00:39:32,320 --> 00:39:34,040 ‎迎えてくれますように 490 00:39:42,320 --> 00:39:43,720 ‎フンジ 見張ってて 491 00:39:44,200 --> 00:39:45,320 ‎カムブ 492 00:39:46,680 --> 00:39:48,280 ‎ムウェネ・ルンボに⸺ 493 00:39:49,520 --> 00:39:51,760 ‎国王の死を伝えさせて 494 00:39:54,480 --> 00:39:56,600 ‎どこに行くの? 495 00:40:00,840 --> 00:40:04,120 ‎新しい女王に ‎選出してもらうため⸺ 496 00:40:06,280 --> 00:40:08,640 ‎会議を招集するわ 497 00:40:15,600 --> 00:40:20,400 ‎ンジンガは非常に野心的で ‎この機会を利用して⸺ 498 00:40:20,400 --> 00:40:24,120 ‎兄の存在を ‎排除したのだと思います 499 00:40:24,120 --> 00:40:29,960 ‎ンジンガが兄を殺しても ‎殺しを仕向けても 500 00:40:29,960 --> 00:40:31,920 ‎不思議ではありません 501 00:40:31,920 --> 00:40:36,680 ‎その主たる理由は ‎兄が弱かったからです 502 00:40:37,160 --> 00:40:42,000 ‎父である先王のような資質が ‎なかったのです 503 00:40:56,880 --> 00:40:57,960 ‎どうしました? 504 00:41:00,480 --> 00:41:02,560 ‎何度も自分に問うている 505 00:41:05,720 --> 00:41:09,280 ‎誰かの物を ‎奪った気がするのよ 506 00:41:11,520 --> 00:41:13,400 ‎あなたは女王です 507 00:41:13,400 --> 00:41:14,560 ‎ただの代理よ 508 00:41:16,280 --> 00:41:17,800 ‎つまり権力はない 509 00:41:18,520 --> 00:41:21,040 ‎私は‎甥(おい)‎の王座に座っているの 510 00:41:21,640 --> 00:41:24,520 ‎これから私がやることは全て 511 00:41:24,520 --> 00:41:27,160 ‎疑念を抱く者に反対される 512 00:41:27,160 --> 00:41:30,440 ‎彼らはポルトガルに ‎利用されるわ 513 00:41:32,760 --> 00:41:36,040 ‎私は自分を疑う人々を ‎先導するの 514 00:41:38,200 --> 00:41:39,920 ‎ただの飾りね 515 00:41:45,240 --> 00:41:46,560 ‎何が必要ですか? 516 00:41:51,280 --> 00:41:52,200 ‎権力よ 517 00:41:54,840 --> 00:41:59,200 ‎民衆の人生を ‎変えられるような力が欲しい 518 00:41:59,880 --> 00:42:02,600 ‎敵が無視できないような力よ 519 00:42:06,160 --> 00:42:08,800 ‎力は授かるものでは ‎ありません 520 00:42:09,840 --> 00:42:11,200 ‎つかみ取るものです 521 00:42:24,360 --> 00:42:28,080 ‎ムバンデには ‎7歳の息子がいます 522 00:42:28,080 --> 00:42:31,160 ‎子供の彼が18歳になるまでは 523 00:42:31,160 --> 00:42:35,040 ‎ンジンガが代理で ‎女王を務めるのです 524 00:42:36,200 --> 00:42:37,880 ‎腰を前に突き出す 525 00:42:37,880 --> 00:42:43,720 ‎ムバンデの息子はンジンガの ‎協力者であったカーサと住み 526 00:42:44,320 --> 00:42:46,560 ‎戦闘訓練を受けました 527 00:42:47,080 --> 00:42:47,800 ‎いいぞ 528 00:42:49,880 --> 00:42:50,960 ‎カーサ 529 00:42:54,280 --> 00:42:55,680 ‎ンジンガ王女 530 00:42:57,000 --> 00:42:59,400 ‎今は“ンジンガ女王”よ 531 00:43:03,080 --> 00:43:05,280 ‎強力な味方が必要で 532 00:43:05,280 --> 00:43:09,400 ‎彼女はカーサが ‎役に立つと考えたのです 533 00:43:11,200 --> 00:43:13,440 ‎叔母さんにあいさつを 534 00:43:15,160 --> 00:43:18,080 ‎内気だが訓練は順調だ 535 00:43:18,760 --> 00:43:20,800 ‎向こうで訓練してこい 536 00:43:21,680 --> 00:43:23,240 ‎あの子を戦士にする 537 00:43:24,040 --> 00:43:28,800 ‎甥の話はいい ‎あなたに夫になってほしいの 538 00:43:35,680 --> 00:43:36,680 ‎本気かよ 539 00:43:38,080 --> 00:43:39,480 ‎俺には無理だ 540 00:43:40,040 --> 00:43:42,320 ‎王位に就けるとしても? 541 00:43:44,440 --> 00:43:46,160 ‎どのくらい荷が重い? 542 00:43:47,640 --> 00:43:48,400 ‎かなりね 543 00:43:49,440 --> 00:43:53,880 ‎私はコンゴよりも ‎偉大な帝国を作る 544 00:43:54,360 --> 00:43:56,920 ‎そこの国王にしてあげる 545 00:43:57,640 --> 00:44:00,520 ‎もし嫌ならカサンジェに話す 546 00:44:00,520 --> 00:44:02,560 ‎ここで その名を出すな 547 00:44:08,840 --> 00:44:09,720 ‎なぜ俺を? 548 00:44:10,200 --> 00:44:12,200 ‎安らぎを与えてくれたし 549 00:44:13,480 --> 00:44:15,800 ‎敵との戦いを助けてくれた 550 00:44:15,800 --> 00:44:18,120 ‎最初に聞くのは当然 551 00:44:19,640 --> 00:44:21,840 ‎でも女性として言う 552 00:44:22,320 --> 00:44:23,800 ‎あなたは若くて 553 00:44:24,800 --> 00:44:28,840 ‎雄牛の精力を持った ‎魅力的な人 554 00:44:30,880 --> 00:44:33,960 ‎お前の年の女に何が分かる? 555 00:44:35,040 --> 00:44:36,240 ‎坊やだね 556 00:44:36,960 --> 00:44:41,800 ‎この年の女にしか ‎分からないことがあるのよ 557 00:45:02,960 --> 00:45:06,600 ‎彼女は求婚し ‎公に愛を示しました 558 00:45:06,600 --> 00:45:09,560 ‎富を利用し ‎贈り物もしました 559 00:45:09,560 --> 00:45:12,240 ‎彼は求婚を受け入れたのです 560 00:46:14,040 --> 00:46:17,840 ‎ンジンガは人間性を ‎捨て去りました 561 00:46:22,320 --> 00:46:24,840 ‎どうした?‎ ‎何が起きた? 562 00:46:24,840 --> 00:46:29,840 ‎甥が亡くなると ‎ンジンガの権力は増しました 563 00:46:31,040 --> 00:46:34,040 ‎女王として君臨したのです 564 00:46:34,040 --> 00:46:35,560 ‎これは何だ? 565 00:46:36,240 --> 00:46:37,360 ‎インバンガラ! 566 00:46:39,200 --> 00:46:42,040 ‎ンジンガ!‎ ‎ンジンガ! 567 00:47:48,920 --> 00:47:50,920 ‎日本語字幕‎ ‎安川 あいり