1 00:00:11,012 --> 00:00:12,263 ウソでしょ 2 00:00:12,430 --> 00:00:14,223 私は謝ったわよ 3 00:00:14,390 --> 00:00:15,600 それ すごく… 4 00:00:15,767 --> 00:00:18,394 最初はちゃんと 見てなかった  5 00:00:21,189 --> 00:00:22,273 分かった 6 00:00:25,443 --> 00:00:28,112 監督/製作総指揮 ブリー・ラーソン 7 00:00:26,110 --> 00:00:28,112 みんな 準備はいい? 8 00:00:29,322 --> 00:00:31,074 じゃあ 始めるわ 9 00:00:31,365 --> 00:00:34,118 今日 来てくれた みんなは    10 00:00:34,202 --> 00:00:39,290 ユニークな背景を持ち    成長の糧となる経験をしてる 11 00:00:39,957 --> 00:00:42,668 もしみんなで その経験を 12 00:00:42,794 --> 00:00:47,256 共有し合い        話し合えたらどうかしら? 13 00:00:48,382 --> 00:00:49,675 力づけられる? 14 00:00:50,635 --> 00:00:52,887 それを確かめたいの 15 00:00:53,012 --> 00:00:55,848 どう みんなと   共感し合えるかもね 16 00:00:56,099 --> 00:00:56,974 いいわね 17 00:00:57,767 --> 00:01:01,562 じゃあ ヴァネッサから 話を聞かせてちょうだい 18 00:01:01,687 --> 00:01:02,897 いいわ 19 00:01:03,314 --> 00:01:04,565 ヴァネッサ! 20 00:01:07,944 --> 00:01:10,029 “大人への旅〟は様々だ 21 00:01:12,031 --> 00:01:13,866 予測できない 22 00:01:15,743 --> 00:01:17,411 世界を変えるチャンスよ 23 00:01:17,411 --> 00:01:18,037 世界を変えるチャンスよ 24 00:01:17,411 --> 00:01:18,037 “貧困をなくす〟 25 00:01:18,204 --> 00:01:18,996 “正義〟 26 00:01:19,705 --> 00:01:21,040 大人への旅は… 27 00:01:22,416 --> 00:01:23,501 アミリ 28 00:01:24,001 --> 00:01:24,919 イザベル 29 00:01:25,461 --> 00:01:26,337 アテナ 30 00:01:26,754 --> 00:01:27,755 クレア 31 00:01:27,880 --> 00:01:30,216 “我々を殺すな〟 32 00:01:27,880 --> 00:01:30,216 我々には力と責任がある 33 00:01:30,591 --> 00:01:31,634 エミリー 34 00:01:32,051 --> 00:01:33,052 デイヴィッド 35 00:01:33,511 --> 00:01:34,470 ヴァネッサ 36 00:01:34,804 --> 00:01:35,888 アレックス 37 00:01:36,013 --> 00:01:37,723 “ホワイトハウス〟 38 00:01:36,013 --> 00:01:37,723 声を上げよう 39 00:01:38,057 --> 00:01:39,142 ギャヴィン 40 00:01:39,517 --> 00:01:40,560 ソフィア 41 00:01:40,935 --> 00:01:41,936 セイジ 42 00:01:42,895 --> 00:01:43,896 大人への旅は… 43 00:01:44,021 --> 00:01:44,522 動揺 44 00:01:44,647 --> 00:01:45,148 恐怖 45 00:01:45,314 --> 00:01:45,690 困惑 46 00:01:45,815 --> 00:01:46,357 厄介 47 00:01:46,482 --> 00:01:46,858 ステキ 48 00:01:46,983 --> 00:01:47,859 強制 49 00:01:48,109 --> 00:01:48,943 やったぞ 50 00:01:49,610 --> 00:01:50,987 10個のストーリー 51 00:01:51,404 --> 00:01:53,114 勇気を出して 52 00:01:53,698 --> 00:01:55,616 自分らしく生きる 53 00:01:58,077 --> 00:02:01,455 グローイング・アップ 大人への旅 54 00:02:08,212 --> 00:02:12,133 私はずっと自分を    否定しながら生きてきた 55 00:02:12,592 --> 00:02:13,968 何をしても—— 56 00:02:14,135 --> 00:02:18,181 いわゆる“美人〟の域には 達しないと思ってたの  57 00:02:18,639 --> 00:02:24,228 私の黒い肌で何かを望むのは ぜいたくだと言われたわ   58 00:02:24,645 --> 00:02:27,732 自分の経験を    話そうと思ったのは 59 00:02:28,024 --> 00:02:32,236 自分らしく正直に     生きるほうが幸せだからよ 60 00:02:32,403 --> 00:02:34,864 自分を恥じるよりもね 61 00:02:35,781 --> 00:02:36,866 何を言うの? 62 00:02:37,033 --> 00:02:39,202 15C テイク2 63 00:02:40,036 --> 00:02:40,953 上手よ 64 00:02:42,914 --> 00:02:47,043 ヴァネッサ 65 00:02:48,085 --> 00:02:51,214 みんな はじめまして 私はヴァネッサ・アリー 66 00:02:51,339 --> 00:02:52,715 20歳よ 67 00:02:52,924 --> 00:02:55,676 両親や兄弟と一緒に 68 00:02:53,174 --> 00:02:58,512 ヴァネッサ 69 00:02:55,676 --> 00:02:58,512 7歳の時 ガーナから移住した 70 00:03:06,854 --> 00:03:09,565 親が移住を決めた理由は 71 00:03:09,690 --> 00:03:12,193 他のアフリカ移民と同じよ 72 00:03:14,987 --> 00:03:19,116 “ガーナ〟 73 00:03:15,738 --> 00:03:19,116 “子供に いい教育と 機会を与えるため〟 74 00:03:19,992 --> 00:03:21,619 あの子には昔から—— 75 00:03:22,078 --> 00:03:24,163 ヴァネッサの父親 エドワード 76 00:03:22,370 --> 00:03:24,163 特別なものを感じた 77 00:03:24,288 --> 00:03:29,210 娘は歩けるようになる前から 言葉を話したの       78 00:03:29,377 --> 00:03:30,878 みんな驚いて 言ったわ 79 00:03:30,211 --> 00:03:32,922 ヴァネッサの母親 レジナ 80 00:03:30,878 --> 00:03:32,922 “この子は 歩くより——〟 81 00:03:33,005 --> 00:03:35,424 “座って話したいのね〟 82 00:03:36,759 --> 00:03:38,135 故郷のガーナには 83 00:03:38,261 --> 00:03:41,055 ガーナ アクラ 84 00:03:38,261 --> 00:03:42,515 豊かな文化があり 美しい人が大勢いる 85 00:03:43,307 --> 00:03:46,143 両親は移住のため 多くを諦めたの  86 00:03:46,269 --> 00:03:49,063 ガーナで修めた学業もそう 87 00:03:49,230 --> 00:03:53,276 アメリカでは通用せず 学び直す必要がある  88 00:03:55,569 --> 00:03:59,240 私はアメリカを知らず 何の期待もなかった  89 00:03:59,740 --> 00:04:03,995 子供たちはガーナで     ディズニーの映画を見てたわ 90 00:04:04,787 --> 00:04:06,706 誰だっけ アーノルド… 91 00:04:06,831 --> 00:04:07,999 シュワルツェネッガー 92 00:04:08,165 --> 00:04:08,958 シュワルツェネッガーの… 93 00:04:09,583 --> 00:04:10,626 すぐに戻る 94 00:04:11,085 --> 00:04:12,378 アクション映画もよ 95 00:04:12,503 --> 00:04:14,130 チャック・ノリスもだ 96 00:04:16,173 --> 00:04:17,466 移住して驚いた 97 00:04:16,924 --> 00:04:17,466 “白い歯へ〟 98 00:04:17,883 --> 00:04:21,554 社会は新しいもので あふれていて    99 00:04:21,929 --> 00:04:23,806 食事も文化も違ってた 100 00:04:24,307 --> 00:04:25,683 ロック・ボトムだ! 101 00:04:25,808 --> 00:04:28,311 幼い私にも奇妙に映ったわ 102 00:04:28,394 --> 00:04:31,105 でも学校では   私が珍しい物扱い 103 00:04:31,230 --> 00:04:35,776 ゾウやキリンやトラが  庭にいたかと聞かれたわ 104 00:04:35,901 --> 00:04:38,195 親は“イエスと言え〟って 105 00:04:39,530 --> 00:04:40,531 そう言うから—— 106 00:04:40,740 --> 00:04:42,867 私は“いた〟と答えたの 107 00:04:44,910 --> 00:04:49,915 でも子供は意地悪だから 私は仲間外れにされてた 108 00:04:51,542 --> 00:04:53,377 寂しい時もあったわ 109 00:04:54,253 --> 00:04:58,966 一部の子は娘をいじめたり 悪い言葉を教えたりした  110 00:04:59,133 --> 00:05:02,511 娘に言っちゃダメと 注意したものよ   111 00:05:02,970 --> 00:05:05,097 “中学〟 112 00:05:05,181 --> 00:05:07,933 中学校はつらかったわ 113 00:05:08,351 --> 00:05:11,771 私は自我に      目覚め始めた頃だった 114 00:05:12,063 --> 00:05:17,818 自分を生徒であるほか    女性としても見るようになり 115 00:05:18,235 --> 00:05:21,197 かわいくなりたいと思った 116 00:05:21,947 --> 00:05:26,118 中身ではなく      外見を気にしはじめたの 117 00:05:26,410 --> 00:05:29,246 この世で一番  美しい女性は? 118 00:05:29,455 --> 00:05:34,335 つややかな黒髪 肌は雪の白さ  119 00:05:34,502 --> 00:05:36,796 私みたいに肌の色が濃くて 120 00:05:36,879 --> 00:05:40,007 カーリーヘアの   有名人はいなかった 121 00:05:40,132 --> 00:05:42,885 4Cタイプの髪の人よ 122 00:05:43,135 --> 00:05:45,304 “なぜ?〟と思ったわ 123 00:05:46,514 --> 00:05:51,018 私が6歳の時から     縮毛矯正をかけていたのは 124 00:05:51,268 --> 00:05:55,022 4Cの髪は人気がないと 思ったからよ      125 00:05:55,231 --> 00:05:59,527 人種差別を知る前だったけど 違和感はあった       126 00:05:59,902 --> 00:06:02,029 “大好き〟 127 00:06:04,573 --> 00:06:06,617 ある男の子と知り合った 128 00:06:08,786 --> 00:06:10,329 好意を抱いてたわ 129 00:06:11,914 --> 00:06:14,834 彼と恋愛の話をしてた時—— 130 00:06:15,084 --> 00:06:17,920 “誰が好き?〟って 聞いてみたの   131 00:06:18,254 --> 00:06:21,674 見える? あそこにいる あの子だ       132 00:06:24,009 --> 00:06:25,719 デートに誘うの? 133 00:06:25,886 --> 00:06:26,720 いいや 134 00:06:27,680 --> 00:06:29,098 かわいいってだけだ 135 00:06:35,729 --> 00:06:38,190 どういう子が かわいい? 136 00:06:39,358 --> 00:06:43,487 そうだな もう少し色白なら 君もかわいいよ       137 00:06:53,831 --> 00:06:57,501 私は困惑したし傷ついた 138 00:06:57,960 --> 00:07:01,297 あのひと言で       自分の肌を嫌いになったの 139 00:07:02,465 --> 00:07:06,844 でも彼の言葉は     自分が思っていたことで 140 00:07:07,094 --> 00:07:10,848 他人からも        そう思われてると考えてた 141 00:07:11,098 --> 00:07:14,435 私は美しくない 142 00:07:15,269 --> 00:07:18,689 娘の様子が変だったが 話してくれなかった  143 00:07:19,064 --> 00:07:19,899 だが… 144 00:07:21,275 --> 00:07:24,028 何かが起きていたんだ 145 00:07:28,616 --> 00:07:31,744 鏡を見るのが   さらに つらくなり 146 00:07:33,412 --> 00:07:36,999 自分をゆがんだ目で 見るようになったの 147 00:07:38,375 --> 00:07:39,710 そして気付いた 148 00:07:39,793 --> 00:07:45,508 濃い色の肌への嫌悪が    社会に根付いていることにね 149 00:07:46,300 --> 00:07:49,845 あなた 肌の色が   濃い子にしては美人ね 150 00:07:52,598 --> 00:07:55,267 人から常に    肌のことを言われ 151 00:07:55,392 --> 00:07:58,020 他の人とは違う目で見られる 152 00:07:58,103 --> 00:08:00,856 みんなは無神経に こう言うわ    153 00:08:01,106 --> 00:08:03,734 “そんなの過去の話だ〟 154 00:08:03,901 --> 00:08:07,738 “白い肌もいろいろ言われる 好みだよ〟        155 00:08:07,863 --> 00:08:11,200 当時 カラリズムなど 知らなかった    156 00:08:11,283 --> 00:08:13,702 人種差別が     根底にあることもね 157 00:08:13,786 --> 00:08:16,205 だから好みかと 割り切ったけど 158 00:08:16,288 --> 00:08:19,208 自分の肌を      好きにはなれなかった 159 00:08:20,709 --> 00:08:23,879 君が言った      肌の色に対する嫌悪は 160 00:08:24,004 --> 00:08:25,005 褐色の人は 共感できると思う 161 00:08:25,297 --> 00:08:27,341 褐色の人は 共感できると思う 162 00:08:25,297 --> 00:08:30,594 デイヴィッド 163 00:08:27,341 --> 00:08:30,594 俺は6年生の時から ヒゲをそり始めた 164 00:08:30,719 --> 00:08:35,349 そして髪を伸ばし始め    特定の服を着なくなったんだ 165 00:08:35,474 --> 00:08:38,394 白のタンクトップや Tシャツを着ると  166 00:08:38,477 --> 00:08:42,022 “塗装作業員みたいだ〟と 言われるからだ     167 00:08:42,356 --> 00:08:45,985 “True Jackson, VP〟を みんな 見てた?    168 00:08:46,110 --> 00:08:47,611 もちろんよ 169 00:08:47,987 --> 00:08:48,904 よかった 170 00:08:49,071 --> 00:08:53,325 初めて番組で      キキ・パーマーを見た時—— 171 00:08:53,492 --> 00:08:58,038 濃い色の肌の美しい彼女に 衝撃を受けたの      172 00:08:58,247 --> 00:09:01,125 “こういう人を     もっと見たい〟と思った 173 00:09:01,709 --> 00:09:04,128 黒人の美しさを目にして 174 00:09:04,253 --> 00:09:09,675 長い間 それから目を    背けてきた自分に涙が出たわ 175 00:09:14,513 --> 00:09:19,226 私の肌に対する     社会の見方を知った時—— 176 00:09:19,476 --> 00:09:22,896 それなら      薄くしようと思った 177 00:09:25,649 --> 00:09:30,195 肌のホワイトニングは よく広告で見てたわ  178 00:09:30,446 --> 00:09:33,073 だから“そこまで 称賛するなら——〟 179 00:09:33,198 --> 00:09:34,908 “私もやらなきゃ〟ってね 180 00:09:36,327 --> 00:09:39,913 迷いながら店に入ったけど 181 00:09:40,080 --> 00:09:43,709 “美白クリーム〟 182 00:09:40,080 --> 00:09:44,668 商品を見つけた時には 私の心は決まってた  183 00:09:53,218 --> 00:09:58,349 あの日 私は        大きな不安や恐怖を感じたわ 184 00:09:58,515 --> 00:10:00,225 恥ずかしさもあった 185 00:10:01,685 --> 00:10:04,688 でも わずかな喜びも あったの      186 00:10:04,855 --> 00:10:07,858 どうなるか     分からなかったけど 187 00:10:08,275 --> 00:10:10,736 望みが かなうかもしれない 188 00:10:13,113 --> 00:10:16,283 私は美白クリームを 半年間使った    189 00:10:16,450 --> 00:10:19,703 どうしても肌の色を 薄くしたかったの  190 00:10:21,330 --> 00:10:24,833 でも私の肌は      期待を裏切り灰色になり 191 00:10:25,125 --> 00:10:26,919 ぼやけた色になった 192 00:10:28,337 --> 00:10:31,423 私にとっては    恥ずかしい出来事で 193 00:10:31,507 --> 00:10:32,758 親には黙ってた 194 00:10:33,050 --> 00:10:37,471 親が知ったら動揺して 私をしかるもの    195 00:10:37,596 --> 00:10:40,849 クリームのことは  隠し通すことにした 196 00:10:41,392 --> 00:10:47,189 この肌色では自分のことを 美しいと思えず      197 00:10:47,398 --> 00:10:50,109 何の価値もないと感じたわ 198 00:10:51,485 --> 00:10:55,531 そんな私に       別の肌トラブルが起きた 199 00:10:55,948 --> 00:10:59,159 ちょうど思春期が 始まった頃——   200 00:11:00,577 --> 00:11:03,080 ニキビができ始めたの 201 00:11:03,706 --> 00:11:07,668 最初は小さかったのが どんどんひどくなった 202 00:11:07,793 --> 00:11:09,837 家で泣くほどね 203 00:11:11,672 --> 00:11:16,385 朝 目覚めて      歯を磨く時にすることは 204 00:11:17,261 --> 00:11:20,723 自分を見ないよう  鏡から顔を背けるの 205 00:11:21,390 --> 00:11:26,603 私と話す人は私の目を見ず それ以外の部分を見てた  206 00:11:27,604 --> 00:11:32,234 ひどく傷つき こう思ったわ “私は一体 何者?〟    207 00:11:39,199 --> 00:11:42,119 初対面の人とは  目を合わせられず 208 00:11:42,578 --> 00:11:46,874 髪の毛で顔を覆ったり  フードをかぶったりした 209 00:11:47,374 --> 00:11:49,585 見られたくなかったの 210 00:11:50,502 --> 00:11:56,175 私は外見だけでなく    自分自身を恥じていたのよ 211 00:11:58,135 --> 00:12:01,680 自分さえ嫌いな私を 誰が好きになる?  212 00:12:02,431 --> 00:12:04,516 私は自分を否定してた 213 00:12:05,392 --> 00:12:09,438 そして本当は違うのに 自信があるフリをして 214 00:12:09,938 --> 00:12:13,650 勇敢な自分を演じ   こう言い聞かせてたの 215 00:12:13,776 --> 00:12:16,487 “私は強い    乗り越えられる〟 216 00:12:16,612 --> 00:12:19,615 でも泣くことはできなかった 217 00:12:19,907 --> 00:12:20,741 それは—— 218 00:12:21,617 --> 00:12:26,121 家族の教えもあるけど 主に社会から学んだ  219 00:12:26,246 --> 00:12:30,417 黒人女性が泣く姿を  ほとんど見なかったの 220 00:12:30,876 --> 00:12:33,378 弱さを受け入れてる人もね 221 00:12:33,629 --> 00:12:37,883 “高校〟 222 00:12:35,589 --> 00:12:39,343 そして私は      あることを心に誓った 223 00:12:39,468 --> 00:12:42,554 “美人になれないなら せめて——〟     224 00:12:42,721 --> 00:12:46,892 “他のことでカバーし  学校生活を乗り切ろう〟 225 00:12:48,018 --> 00:12:50,854 私の夢は       医者になることだった 226 00:12:50,938 --> 00:12:55,901 両親はアメリカに来てから 看護師を目指したの    227 00:12:56,068 --> 00:13:00,364 私に刺激を与えてくれる兄は 医学部に入学したわ     228 00:12:59,112 --> 00:13:01,490 “ダートマス大学〟 229 00:13:00,906 --> 00:13:05,619 みんな 望みをかなえるため 懸命に努力してた     230 00:13:06,078 --> 00:13:08,747 ニューヨーク大学に 受かった時——    231 00:13:08,872 --> 00:13:10,541 すぐ兄に電話したの 232 00:13:11,625 --> 00:13:13,460 すごく喜んでくれた 233 00:13:14,503 --> 00:13:18,674 白衣を着た時        信じられない気持ちだったわ 234 00:13:19,466 --> 00:13:21,176 “現実なのね〟ってね 235 00:13:21,385 --> 00:13:26,139 娘は息子のように     医者になりたいと言ってた 236 00:13:27,057 --> 00:13:31,562 だから大学の中でも   難しい専攻を選んだんだ 237 00:13:31,854 --> 00:13:35,941 大学でも私は     一番にならなきゃと—— 238 00:13:36,525 --> 00:13:38,694 不安と重圧を感じてた 239 00:13:38,986 --> 00:13:43,198 これは移民の子だからと いうのも大きいと思う  240 00:13:43,323 --> 00:13:48,036 両親は この国へ来るために 多くを諦めてきたから   241 00:13:48,579 --> 00:13:51,915 私は何が何でも  成功するしかない 242 00:13:52,040 --> 00:13:55,002 失敗なんて    選択肢はなかった 243 00:13:55,335 --> 00:13:58,297 研究室には      黒人女性はもちろん—— 244 00:13:58,505 --> 00:14:01,508 黒人の学生も   私以外 いなかった 245 00:14:01,800 --> 00:14:04,219 だから私は決めたの 246 00:14:04,595 --> 00:14:07,890 オールAを取り    成績優秀者になるとね 247 00:14:07,973 --> 00:14:11,852 場違いな人間だと 思われたくない  248 00:14:12,269 --> 00:14:15,939 実力があることを 示したかったの  249 00:14:16,356 --> 00:14:19,192 完璧な人間になりたかった 250 00:14:19,693 --> 00:14:23,947 社会が私を      不十分だとみなすなら 251 00:14:24,364 --> 00:14:26,408 過度に頑張るしかない 252 00:14:26,783 --> 00:14:29,328 でも専攻には満足しなかった 253 00:14:29,453 --> 00:14:34,082 科学も医療も好きだけど しっくりこなかったの  254 00:14:35,876 --> 00:14:41,632 制度的人種差別や     不公平について相談したわ 255 00:14:42,424 --> 00:14:46,470 社会はいつ改善するのかと 考えた          256 00:14:47,262 --> 00:14:50,557 そして黒人社会に 考えを巡らせたの 257 00:14:50,766 --> 00:14:53,101 “私たちは    何をしてるの?〟 258 00:14:53,393 --> 00:14:54,937 その時 私は… 259 00:14:56,104 --> 00:14:58,106 新しい手法を取った 260 00:14:59,566 --> 00:15:02,319 他の人は行わないけど 261 00:15:02,611 --> 00:15:05,072 自分を癒やすことにしたの 262 00:15:10,035 --> 00:15:12,746 専攻への不安や 重圧があっても 263 00:15:14,247 --> 00:15:18,919 アフリカ人がセラピーを 受けるのは かなり珍しい 264 00:15:19,753 --> 00:15:24,925 鬱うつや不安は気の迷いだと 考える人が多いからよ  265 00:15:25,884 --> 00:15:30,389 でも私たちは傷つき   トラウマを多く抱えてる 266 00:15:31,932 --> 00:15:35,978 世間には乗り越えるべき 障害が多いけど     267 00:15:36,144 --> 00:15:37,854 最初の障害は自分よ 268 00:15:38,855 --> 00:15:41,858 私には変化が必要だった 269 00:15:42,150 --> 00:15:45,696 一生 自分を嫌って 生きたくはない  270 00:15:46,822 --> 00:15:49,950 だから私は       黒人女性のセラピストに 271 00:15:50,075 --> 00:15:52,494 助けを求めることにしたの 272 00:15:53,996 --> 00:15:56,248 はじめまして ヴァネッサね 273 00:15:56,790 --> 00:15:58,917 私の内面を見てくれて 274 00:15:59,001 --> 00:16:02,129 経験を理解してくれる人が 必要だった        275 00:16:02,295 --> 00:16:04,423 ここへ来たきっかけは? 276 00:16:06,633 --> 00:16:10,554 私は今 少し混乱してるの 277 00:16:11,638 --> 00:16:13,765 自分でもよく分からない 278 00:16:14,641 --> 00:16:19,021 私は長い間 イヤな記憶に フタをしてきた     279 00:16:19,104 --> 00:16:24,234 でも今回 それらと  向き合うことにしたの 280 00:16:25,819 --> 00:16:30,365 若い頃の問題の多くは  私の気持ちが原因だった 281 00:16:30,699 --> 00:16:34,661 自分を恥ずかしいと 思う気持ちこそが—— 282 00:16:35,037 --> 00:16:36,913 問題を悪化させていたの 283 00:16:38,498 --> 00:16:40,375 そして話し合いは—— 284 00:16:40,500 --> 00:16:44,421 私が常に完璧であろうとする 考えにも及んだ       285 00:16:47,758 --> 00:16:50,927 彼女に言われて    私は鏡に映る自分に—— 286 00:16:51,678 --> 00:16:54,222 いくつか質問をしたの 287 00:16:54,598 --> 00:16:57,184 “あなたは何から 刺激を受ける?〟 288 00:16:59,102 --> 00:17:02,856 真の自分を持つ人から 刺激を受けるわ    289 00:17:03,231 --> 00:17:07,027 自分の長所も短所も 醜さも受け入れてる 290 00:17:08,820 --> 00:17:12,115 そして言うの     “今日は何してもいい〟 291 00:17:13,575 --> 00:17:17,120 この言葉を言いながら 泣くこともある    292 00:17:17,245 --> 00:17:20,165 涙を流しながら自分に言うの 293 00:17:20,332 --> 00:17:22,834 自分を安心させるためよ 294 00:17:23,335 --> 00:17:28,465 鏡の中の私に見慣れるまで 4ヵ月ほどかかったわ   295 00:17:29,549 --> 00:17:34,471 今は自分を批判せずに いられてると思う   296 00:17:35,097 --> 00:17:39,226 何か間違えても     それごと愛してあげるの 297 00:17:41,353 --> 00:17:45,315 私自身に目を向け 耳を傾けるうち—— 298 00:17:45,690 --> 00:17:49,027 真の美しさに    気付くようになった 299 00:17:49,361 --> 00:17:52,489 もちろん外見も美しいけど 300 00:17:53,115 --> 00:17:56,284 今まで内面を    見てこなかったのよ 301 00:17:58,745 --> 00:18:04,626 私は髪に手を加えるのが 好きじゃなかった    302 00:18:05,335 --> 00:18:08,213 だから本来の  アフロにしたら 303 00:18:09,047 --> 00:18:11,550 自由になった気がしたわ 304 00:18:13,093 --> 00:18:17,222 私は20歳だけど ずっと パーマをかけてきた 305 00:18:13,844 --> 00:18:18,557 ソフィア 306 00:18:17,222 --> 00:18:19,266 かけないと落ち着かない 307 00:18:19,558 --> 00:18:22,602 気持ち悪いと  言われてきたし 308 00:18:22,686 --> 00:18:25,313 動物みたいに  触られるからよ 309 00:18:25,438 --> 00:18:29,067 ひどいでしょ        どうすれば前向きになれる? 310 00:18:30,277 --> 00:18:35,365 私の最初のステップは 怖がらないことだった 311 00:18:35,907 --> 00:18:39,369 そして気持ちを整え 昇華させたの    312 00:18:39,452 --> 00:18:44,207 最終的に自分の髪の美しさを 認識できるようになった   313 00:18:44,457 --> 00:18:47,752 “私はこの髪を     手放さない〟と思えたの 314 00:18:48,044 --> 00:18:50,172 自分の髪を愛して 315 00:18:50,297 --> 00:18:52,549 最高の状態にしてあげて 316 00:18:53,175 --> 00:18:54,217 ハグを 317 00:18:58,513 --> 00:19:01,850 ありのままの自分に 自信が持てたら   318 00:19:01,975 --> 00:19:04,019 まさに最高の気分よ 319 00:19:20,785 --> 00:19:23,705 自分に自信が持てたら 320 00:19:23,830 --> 00:19:26,750 一生 自分を好きでいられる 321 00:19:34,382 --> 00:19:37,469 社会の反応や  私の経験から—— 322 00:19:37,636 --> 00:19:43,099 黒人の意見は世間から    置き去りにされてる気がする 323 00:19:43,975 --> 00:19:48,438 私たちの経験が文になっても 著者は黒人じゃない     324 00:19:48,980 --> 00:19:51,566 何かの調査が行われても 325 00:19:51,650 --> 00:19:54,945 大抵 黒人はあまり 関わってないの  326 00:19:55,237 --> 00:19:57,113 それらの調査にね 327 00:19:57,530 --> 00:19:59,991 どうにかしたいと思った 328 00:20:02,452 --> 00:20:05,872 “UCNY   学生ポータル〟 329 00:20:05,997 --> 00:20:09,084 私が状況を変えてみせる 330 00:20:10,627 --> 00:20:13,421 “承諾する〟 331 00:20:13,630 --> 00:20:19,386 私は専攻を変更して     臨床心理学を学ぶことにした 332 00:20:20,887 --> 00:20:24,933 夢を諦めるような   気持ちにもなったけど 333 00:20:25,350 --> 00:20:29,229 医者の道に進む気には なれなかったの    334 00:20:29,437 --> 00:20:33,525 私が情熱を傾けるものでは ないと気付いた      335 00:20:34,859 --> 00:20:40,782 医師とは違う方法で   人々を助けて癒やしたい 336 00:20:40,907 --> 00:20:45,745 私の望みを誰かに      押し付けることはしたくない 337 00:20:46,037 --> 00:20:50,292 本人が望み         できると思うことをすべきよ 338 00:20:51,876 --> 00:20:55,005 昔の私に聞かせたい 大事なことは    339 00:20:55,130 --> 00:20:58,300 弱さの中に      美しさがあるってこと 340 00:21:04,306 --> 00:21:07,559 自分の心を開くのは 美しいことよ    341 00:21:07,976 --> 00:21:11,313 そして家族や友人に 話を聞いてもらう  342 00:21:11,521 --> 00:21:14,649 すべて自分で  抱え込まずにね 343 00:21:27,162 --> 00:21:31,583 大事なのは ありのままの 自分を受け入れ——    344 00:21:31,958 --> 00:21:34,002 愛してあげること 345 00:21:34,586 --> 00:21:35,837 鏡は大好き 346 00:21:38,006 --> 00:21:40,133 大好きな理由は 347 00:21:40,258 --> 00:21:43,595 長い間 自分を    見られなかったからよ 348 00:21:43,887 --> 00:21:46,848 今は自分を見るのが楽しい 349 00:21:48,224 --> 00:21:52,437 だって心と頭の中も すべて見えるもの  350 00:21:52,729 --> 00:21:54,397 すばらしいことだわ 351 00:21:57,525 --> 00:21:58,568 以上よ 352 00:22:09,788 --> 00:22:11,998 撮影の1ヵ月後 353 00:22:12,165 --> 00:22:15,043 ソフィア:        すっぴんヘア デビュー! 354 00:22:15,168 --> 00:22:16,920 ヴァネッサ:すてき 355 00:22:17,045 --> 00:22:18,963 ソフィア:あなたのおかげ 356 00:22:19,089 --> 00:22:20,924 アテナ:見とれちゃう 357 00:22:21,216 --> 00:22:23,343 ブリー:          ビックリ! 私までハッピー 358 00:22:24,260 --> 00:22:25,762 クレア:輝いてる 359 00:22:25,845 --> 00:22:26,721 セイジ:イケてる 360 00:22:26,846 --> 00:22:27,806 ソフィア:ありがとう 361 00:23:00,004 --> 00:23:02,006 日本版字幕 堀田 雅子