1 00:00:02,045 --> 00:00:04,005 “大人への旅〟は様々だ 2 00:00:06,215 --> 00:00:07,925 予測できない 3 00:00:09,802 --> 00:00:12,221 世界を変えるチャンスよ 4 00:00:11,512 --> 00:00:12,221 “貧困をなくす〟 5 00:00:12,305 --> 00:00:13,097 “正義〟 6 00:00:14,182 --> 00:00:15,141 大人への旅は… 7 00:00:16,559 --> 00:00:17,602 アミリ 8 00:00:18,061 --> 00:00:19,020 イザベル 9 00:00:19,437 --> 00:00:20,438 アテナ 10 00:00:20,855 --> 00:00:21,856 クレア 11 00:00:21,981 --> 00:00:24,317 “我々を殺すな〟 12 00:00:21,981 --> 00:00:24,317 我々には力と責任がある 13 00:00:24,692 --> 00:00:25,735 エミリー 14 00:00:26,110 --> 00:00:27,153 デイヴィッド 15 00:00:27,570 --> 00:00:28,571 ヴァネッサ 16 00:00:28,946 --> 00:00:29,989 アレックス 17 00:00:30,114 --> 00:00:31,824 “ホワイトハウス〟 18 00:00:30,114 --> 00:00:31,824 声を上げよう 19 00:00:32,200 --> 00:00:33,242 ギャヴィン 20 00:00:33,701 --> 00:00:34,660 ソフィア 21 00:00:35,119 --> 00:00:36,037 セイジ 22 00:00:37,038 --> 00:00:37,997 大人への旅は… 23 00:00:38,122 --> 00:00:38,623 動揺 24 00:00:38,748 --> 00:00:39,248 恐怖 25 00:00:39,332 --> 00:00:39,791 困惑 26 00:00:39,916 --> 00:00:40,458 厄介 27 00:00:40,583 --> 00:00:40,958 ステキ 28 00:00:41,125 --> 00:00:41,959 強制 29 00:00:42,085 --> 00:00:43,044 やったぞ 30 00:00:43,711 --> 00:00:45,088 10個のストーリー 31 00:00:45,588 --> 00:00:47,215 勇気を出して 32 00:00:47,757 --> 00:00:49,759 自分らしく生きる 33 00:00:52,178 --> 00:00:55,556 グローイング・アップ 大人への旅 34 00:01:06,400 --> 00:01:07,026 いらっしゃい 35 00:01:07,151 --> 00:01:07,985 どうも 36 00:01:09,320 --> 00:01:10,613 今日は何にする? 37 00:01:11,656 --> 00:01:14,492 ホットチョコレートにするわ 38 00:01:15,910 --> 00:01:19,789 障害者としての    生活はすごく困惑する 39 00:01:19,914 --> 00:01:23,459 人々が私のことを    勝手に決めつけるからよ 40 00:01:23,626 --> 00:01:27,130 私の意見など お構いなしでね 41 00:01:23,626 --> 00:01:27,755 エミリーの兄 アレクシス 42 00:01:28,089 --> 00:01:30,258 まだ強くなり続けてる 43 00:01:30,341 --> 00:01:31,050 そうさ 44 00:01:31,259 --> 00:01:32,468 今後もね 45 00:01:33,052 --> 00:01:36,222 今回 私が声を上げた理由は 46 00:01:36,347 --> 00:01:40,601 障害者にまつわる話が いつも同じだからよ  47 00:01:40,935 --> 00:01:45,815 私たちや 私たちの人生が いかに悲劇的かというだけ 48 00:01:46,399 --> 00:01:49,610 でも障害は     悲劇なんかじゃない 49 00:01:49,819 --> 00:01:53,364 それどころか     すばらしくて美しく—— 50 00:01:53,614 --> 00:01:55,658 多次元的なの 51 00:01:58,327 --> 00:02:03,332 エミリー 52 00:02:04,333 --> 00:02:05,334 では静かに 53 00:02:05,918 --> 00:02:08,337 私からの愛を送るわ 54 00:02:09,881 --> 00:02:10,840 ありがとう 55 00:02:10,923 --> 00:02:12,466 エミリー いつでも始めて 56 00:02:12,967 --> 00:02:15,553 はじめまして 私はエミリーよ 57 00:02:14,385 --> 00:02:15,553 エミリー 58 00:02:15,678 --> 00:02:19,265 移民の両親から  生まれた二世なの 59 00:02:19,640 --> 00:02:24,604 親は二人ともメキシコ人で  私の第一言語はスペイン語よ 60 00:02:25,271 --> 00:02:27,940 父は軍人で各地を転々とし 61 00:02:28,065 --> 00:02:31,235 最終的にテキサス州に 落ち着いた      62 00:02:31,819 --> 00:02:35,656 私には筋ジストロフィー という疾患があり    63 00:02:36,115 --> 00:02:41,829 歩行や着替え 食事といった 日常の行為に助けが必要なの 64 00:02:42,163 --> 00:02:45,875 筋力が低下し    筋肉がこわばるから 65 00:02:46,000 --> 00:02:48,085 歩くことができない 66 00:02:49,212 --> 00:02:51,380 私も多くを学んだよ 67 00:02:51,714 --> 00:02:56,219 障害を持つ子供の 扱い方を知らなかった 68 00:02:51,714 --> 00:02:56,219 エミリーの父親 ジェイ 69 00:02:56,385 --> 00:02:59,972 障害に対する意識が 低かったんだ    70 00:03:00,139 --> 00:03:03,226 だから手探りしながら 早急に学んだ     71 00:03:03,309 --> 00:03:07,772 まずは娘に 必要なものを調べたわ 72 00:03:03,309 --> 00:03:07,772 エミリーの母親 テレサ 73 00:03:07,897 --> 00:03:11,025 セラピーや医者などよ 74 00:03:11,150 --> 00:03:13,653 専門家の1人に言われたの 75 00:03:13,778 --> 00:03:17,740 “残念ですが娘さんの 余命はあと半年です〟 76 00:03:17,865 --> 00:03:22,161 あの時は泣き続けた 本当につらかったわ 77 00:03:25,873 --> 00:03:30,461 幼い頃はママが       すべてをサポートしてくれた 78 00:03:31,671 --> 00:03:35,091 着替えや食事といった 朝の支度から     79 00:03:35,258 --> 00:03:38,010 入浴といったものまでね 80 00:03:51,023 --> 00:03:56,070 学校に入って 社会での  障害者の扱われ方を知った 81 00:03:56,779 --> 00:04:01,575 他の人とは まったく  違うような扱いだったの 82 00:04:02,410 --> 00:04:05,663 私が小学校低学年の時よ 83 00:04:05,997 --> 00:04:09,125 背が少し伸びてきたから 84 00:04:09,292 --> 00:04:12,712 車イスを       新しくしてもらったの 85 00:04:12,920 --> 00:04:14,964 快適になるようにね 86 00:04:15,506 --> 00:04:20,219 そして学校で    イスの調整を行った 87 00:04:21,512 --> 00:04:25,599 “試しに少し        周辺を回ってきて〟と言われ 88 00:04:25,891 --> 00:04:30,313 廊下に出るとクラスの  みんなが脇に立ってたの 89 00:04:30,438 --> 00:04:32,064 私が進み始めると 90 00:04:32,148 --> 00:04:35,234 みんなが私を見て 拍手を始めた   91 00:04:37,028 --> 00:04:40,614 大人たちは目を細めて こう言ったわ     92 00:04:40,740 --> 00:04:42,700 “ステキな光景ね〟 93 00:04:42,992 --> 00:04:46,787 私以外はみんな 満足そうだった 94 00:04:46,912 --> 00:04:51,000 でも私はなぜか     うれしく思えなかったの 95 00:04:52,126 --> 00:04:53,627 すごく困惑したわ 96 00:04:53,753 --> 00:04:56,422 クラスメイトは同じ年で 97 00:04:56,630 --> 00:05:01,010 同じ塗り絵を塗り   同じゲームで遊んでた 98 00:05:02,011 --> 00:05:05,473 彼らは特別でないことに 拍手したの       99 00:05:06,515 --> 00:05:09,393 私を哀れんでるかの ようだった     100 00:05:09,518 --> 00:05:14,815 “障害者は廊下を歩くだけで 感動的〟という感じでね  101 00:05:15,399 --> 00:05:19,904 私は みんなの注目を浴び 疎外感を抱いたわ    102 00:05:22,656 --> 00:05:27,286 あの時 哀れな見せ物に なった気がしたの   103 00:05:28,245 --> 00:05:31,457 自分は無力なんだと感じた 104 00:05:35,336 --> 00:05:39,382 エミリーが傷ついているのは 見て取れた         105 00:05:39,882 --> 00:05:44,136 あの子の目から   1つ感じたことは—— 106 00:05:44,303 --> 00:05:48,891 社会的に受け入れて    ほしがっていたということ 107 00:05:49,392 --> 00:05:53,562 学校では大人の介護士が ついてくれてた     108 00:05:53,646 --> 00:05:57,775 食事やトイレの補助以外に かばんから物を取るとか  109 00:05:57,900 --> 00:06:00,528 様々な世話をしてくれるの 110 00:06:00,820 --> 00:06:04,865 こうした生活だったから 怖さを感じた      111 00:06:04,949 --> 00:06:08,994 もし私が不満を訴えて 大人の機嫌を損ねたら 112 00:06:09,078 --> 00:06:13,457 必要なケアが      受けられなくなるかもと 113 00:06:21,215 --> 00:06:24,677 当時 私に自主権はなかった 114 00:06:24,969 --> 00:06:29,265 必ず介護士がそばにいたし 私が自分のことを——    115 00:06:29,557 --> 00:06:32,143 深く知る機会はなかったの 116 00:06:32,768 --> 00:06:35,521 そして いい子を演じ始めた 117 00:06:35,688 --> 00:06:40,276 介護士の機嫌を       損なわないよう必死だったわ 118 00:06:40,818 --> 00:06:44,989 娘は介護士に反論したら 嫌われると思ってた   119 00:06:45,114 --> 00:06:49,452 だから毎日        エミリーに言い聞かせたわ 120 00:06:49,577 --> 00:06:51,829 “何でも言いなさい〟 121 00:06:52,079 --> 00:06:54,540 娘は“分かった〟と 言ったけど    122 00:06:54,707 --> 00:06:58,419 実際 そうするのは  難しかったでしょうね 123 00:07:01,088 --> 00:07:05,843 中学校では 私の望みを 言葉にしようと努めた 124 00:07:06,010 --> 00:07:10,181 介護士に伝える文章を 練習したの      125 00:07:10,264 --> 00:07:13,267 単語まで細かく確認したわ 126 00:07:16,770 --> 00:07:19,982 自由がなく     窮屈に感じています 127 00:07:20,691 --> 00:07:23,694 友達と私だけで  過ごしたいんです 128 00:07:24,445 --> 00:07:28,157 それから もう少し 自立したいです  129 00:07:28,782 --> 00:07:31,243 ねえ 荷物を取らせて 130 00:07:35,581 --> 00:07:36,874 誰に話してたの? 131 00:07:38,751 --> 00:07:39,793 それは… 132 00:07:39,919 --> 00:07:40,920 何なの? 133 00:07:41,670 --> 00:07:42,588 何でもない 134 00:07:42,796 --> 00:07:43,714 あらそう 135 00:07:45,049 --> 00:07:48,844 言葉が のどに   つかえる感じがして 136 00:07:49,011 --> 00:07:51,805 結局 絞り出すことが できなかった    137 00:07:52,389 --> 00:07:55,601 別人になりたいと願ったわ 138 00:07:55,935 --> 00:08:00,397 “中学生のエミリー〟 139 00:07:56,519 --> 00:08:00,397 自立心のある  勇敢な人物にね 140 00:08:00,523 --> 00:08:03,609 そうして私とは  違う人間になるの 141 00:08:04,443 --> 00:08:06,570 ビジョンボードを 作り始めた    142 00:08:08,239 --> 00:08:10,241 可視化するためよ 143 00:08:10,366 --> 00:08:14,286 自分が将来        なりたいと思う人物像をね 144 00:08:12,284 --> 00:08:14,286 “私は誰?〟 145 00:08:14,411 --> 00:08:19,833 部屋で空想に浸る時  いつも私は健常者なの 146 00:08:19,959 --> 00:08:24,505 その時 私はどんな人間で 何をしているか——    147 00:08:24,630 --> 00:08:28,509 1人で想像するのが 好きだった     148 00:08:26,840 --> 00:08:29,176 “目標〟 149 00:08:29,343 --> 00:08:33,222 娘は自分の感情を    うまく表現できなかった 150 00:08:33,347 --> 00:08:37,101 あの子が         ずっと苦しんできたことだ 151 00:08:37,226 --> 00:08:41,480 娘には自立し その気分を 味わってほしいが    152 00:08:41,855 --> 00:08:44,984 私たちは不安を抱いてた 153 00:08:46,443 --> 00:08:49,947 中学時代に    SNSが登場して 154 00:08:51,490 --> 00:08:56,328 私もインスタグラムなど いくつかに登録したわ  155 00:08:56,495 --> 00:08:59,832 ネットは私の憩いの場だった 156 00:08:59,999 --> 00:09:03,711 当時はボーイバンドも 大人気で       157 00:09:03,836 --> 00:09:08,549 私はワン・ダイレクションに 夢中だったの       158 00:09:10,384 --> 00:09:15,306 それがきっかけで      文を書くことに興味を持った 159 00:09:16,265 --> 00:09:19,768 思えば あの時代は 私の黒歴史ね   160 00:09:19,893 --> 00:09:22,896 “僕はハリー〟 161 00:09:22,313 --> 00:09:24,273 二次創作物を読んでた 162 00:09:25,858 --> 00:09:28,319 “「美人だ」と ハリーは言った〟 163 00:09:27,443 --> 00:09:30,070 自分でも書いてたかも 164 00:09:32,156 --> 00:09:36,201 “僕を好きに なってくれるかな?〟 165 00:09:32,615 --> 00:09:35,409 それまで       執筆したことがなくて 166 00:09:35,409 --> 00:09:37,578 やってみようと思ったの 167 00:09:38,495 --> 00:09:42,583 私の人生の中でも    かなり面白い経験だった 168 00:09:42,708 --> 00:09:46,086 今までの空想を 新たな方法で  169 00:09:46,337 --> 00:09:48,631 創造的に挑んだからよ 170 00:09:49,548 --> 00:09:52,092 私は常にネットの世界にいた 171 00:09:52,217 --> 00:09:54,386 ネットの中は自由で 172 00:09:54,553 --> 00:09:59,516 私は障害者ではなく   典型的な10代になれたの 173 00:10:00,059 --> 00:10:04,021 でもネットのコミュニティを 楽しむと同時に       174 00:10:04,563 --> 00:10:07,066 後ろめたくもあった 175 00:10:07,316 --> 00:10:10,444 自分のことを   偽っていたからよ 176 00:10:10,986 --> 00:10:13,447 障害のことは黙ってた 177 00:10:13,656 --> 00:10:18,160 自分は不気味で誰からも 愛されないと思ってたの 178 00:10:18,952 --> 00:10:23,082 中学の時         特別支援クラスのみんなで 179 00:10:23,207 --> 00:10:25,459 お昼を一緒に食べてた 180 00:10:25,876 --> 00:10:29,088 私は恥ずかしくて たまらなかったわ 181 00:10:29,213 --> 00:10:33,217 私も障害者なのに    他の子といたくなかった 182 00:10:35,469 --> 00:10:39,306 “高校生のエミリー〟 183 00:10:37,304 --> 00:10:39,306 高校1年生の時—— 184 00:10:39,723 --> 00:10:44,812 特別支援クラスの  介護士たちが考えた 185 00:10:44,937 --> 00:10:48,440 特別支援クラスの 私と男の子が   186 00:10:48,565 --> 00:10:52,152 一緒にプロムへ行ったら ステキだとね      187 00:10:53,696 --> 00:10:56,740 意見を         聞かれもしなかった私は 188 00:10:56,990 --> 00:10:59,702 軽視されていると感じたわ 189 00:11:01,453 --> 00:11:02,621 プロムでは—— 190 00:11:03,247 --> 00:11:07,751 スパンコールが付いた ドレスを着たの    191 00:11:07,918 --> 00:11:11,463 ギラギラした        恥ずかしさを覚えるドレスよ 192 00:11:13,132 --> 00:11:16,552 あの日 ある女性が 私にこう言ったの 193 00:11:16,844 --> 00:11:18,554 いい考えがあるの 194 00:11:18,721 --> 00:11:23,434 アメフトの人気者が    あなたと踊れば感動的だわ 195 00:11:23,851 --> 00:11:25,602 それは ちょっと… 196 00:11:25,686 --> 00:11:28,814 彼 すごくいい人よ 聞いてくる    197 00:11:43,537 --> 00:11:47,791 彼のことは忘れて    私の恋人と踊ればいいわ 198 00:11:51,503 --> 00:11:54,923 その恋人は       奇妙なシミーを踊ってた 199 00:11:55,299 --> 00:11:57,760 様々な思いが  頭をよぎったわ 200 00:12:01,972 --> 00:12:04,725 まず彼女が私を  どう見ていたかよ 201 00:12:06,101 --> 00:12:08,771 明らかに脅威を 感じてなかった 202 00:12:09,188 --> 00:12:12,941 感じてたら恋人と  踊らせないでしょ? 203 00:12:15,569 --> 00:12:17,988 今までの不満が募り 204 00:12:18,071 --> 00:12:20,908 あの夜 ついに爆発した 205 00:12:21,200 --> 00:12:23,452 すごく腹が立ったわ 206 00:12:23,535 --> 00:12:27,873 私はまるでペットのような 扱いを受けたのよ     207 00:12:28,791 --> 00:12:32,419 彼らは障害者を      仲間として見るべきなのに 208 00:12:32,628 --> 00:12:35,589 明らかに優越感を抱いてた 209 00:12:37,758 --> 00:12:39,551 障害者を助けるわ 210 00:12:40,761 --> 00:12:44,973 驚くことに僕のほうが  彼らから多くを教わった 211 00:12:45,766 --> 00:12:48,811 私からの       ちょっとした気遣いが 212 00:12:48,977 --> 00:12:51,438 彼らには      大きな意味を持つの 213 00:12:59,321 --> 00:13:03,534 障害者を見たら       みんな自動的にこう思うかも 214 00:13:03,659 --> 00:13:07,079 “彼らのような      人生じゃなくてよかった〟 215 00:13:07,204 --> 00:13:10,290 でも もう一度  よく考えてほしい 216 00:13:10,457 --> 00:13:14,503 何を根拠に私の人生は 悲惨だと思うの?   217 00:13:15,128 --> 00:13:19,800 私は健常者より   劣っていると思う? 218 00:13:22,344 --> 00:13:24,388 健常者の社会は 219 00:13:24,680 --> 00:13:30,686 “障害の医学モデル〟が ベースになっているの 220 00:13:27,975 --> 00:13:30,686 障害の医学モデル 221 00:13:30,853 --> 00:13:33,188 このモデルだと 障害は—— 222 00:13:33,355 --> 00:13:37,901 医療を施す必要が あるものと認識される 223 00:13:35,357 --> 00:13:39,027 問題は個人にある 224 00:13:39,152 --> 00:13:43,574 もう1つの考え方は “障害の社会モデル〟よ 225 00:13:41,655 --> 00:13:45,033 障害の社会モデル 226 00:13:43,574 --> 00:13:46,243 この概念によると—— 227 00:13:46,410 --> 00:13:49,204 障害は 治すものではないの 228 00:13:49,329 --> 00:13:52,791 問題は社会的障壁 229 00:13:50,330 --> 00:13:53,542 直すべきは 障壁がある社会であり 230 00:13:53,709 --> 00:13:57,379 様々な人が生活しやすいよう 変えるべきなの       231 00:13:57,671 --> 00:13:59,256 障害の医学モデル 問題は個人 232 00:13:59,298 --> 00:14:02,050 その考えは 私の人生を変えた 233 00:13:59,298 --> 00:14:03,886 障害の医学モデル 問題は個人 234 00:14:04,136 --> 00:14:07,639 これぞ私が抱いていた 疑問への答えよ    235 00:14:07,931 --> 00:14:13,228 障害の社会モデル 問題は社会的障壁 236 00:14:09,558 --> 00:14:12,269 私は社会モデルに 属すべき 237 00:14:13,353 --> 00:14:16,815 私の人生は他の人と同様に 価値があり        238 00:14:16,940 --> 00:14:20,360 自由に自立して   生きてもいいはずよ 239 00:14:21,111 --> 00:14:25,490 それに気付いた私は    自分らしさや障害について 240 00:14:25,616 --> 00:14:27,743 深く考えるようになった 241 00:14:27,868 --> 00:14:32,664 そうしたら私の将来が 少しずつ見えてきたの 242 00:14:35,000 --> 00:14:37,878 “今日 かっこよくなる〟 243 00:14:36,293 --> 00:14:40,047 高校ではバイトを 始める子が多いわ 244 00:14:40,422 --> 00:14:43,342 私も働いてみたくて 245 00:14:43,634 --> 00:14:47,346 文を書く仕事がないか ネットで探したの   246 00:14:47,512 --> 00:14:51,808 そしたら1つ  求人を見つけた 247 00:14:52,059 --> 00:14:57,648 ある雑誌が10代の    ライターを探してたのよ 248 00:14:57,898 --> 00:15:01,485 そこで志望動機を書いて 送ったら        249 00:15:01,610 --> 00:15:04,571 1ヵ月後に返信が来て 驚いたわ       250 00:15:04,738 --> 00:15:08,241 記事を書くよう 依頼を受けたの 251 00:15:08,367 --> 00:15:09,618 “スピーチレスは 雄大に語る〟 252 00:15:09,743 --> 00:15:11,119 “エミリー・ フローレス〟 253 00:15:09,743 --> 00:15:14,414 10代の障害者が不在の 文化について書いた 254 00:15:11,119 --> 00:15:13,580 “障害は悲しみでも 呪いでもない〟 255 00:15:13,580 --> 00:15:15,832 “登場人物と共に泣き 共に笑う〟 256 00:15:14,414 --> 00:15:15,832 ちょうど その頃—— 257 00:15:15,958 --> 00:15:19,836 障害者コミュニティを ネットで見つけたの  258 00:15:19,920 --> 00:15:22,464 そして状況は一変した 259 00:15:23,256 --> 00:15:27,427 健常者の社会は     障害者のコミュニティを 260 00:15:27,552 --> 00:15:32,140 どれも同じようなものだと 考えてると思う      261 00:15:32,307 --> 00:15:38,105 でも実際は まったく違うし みんなの経験も異なるの  262 00:15:38,981 --> 00:15:42,442 コミュニティの人々を 知るにつれて私は   263 00:15:42,567 --> 00:15:45,904 障害を文化や個性として 見始めた        264 00:15:46,029 --> 00:15:48,115 ブリー 265 00:15:46,029 --> 00:15:48,115 車イスは自由の象徴よ 266 00:15:48,991 --> 00:15:51,410 私の一部なの 267 00:15:51,576 --> 00:15:55,288 世界へ連れ出してくれる 人生のパートナーよ   268 00:15:58,083 --> 00:16:01,253 私は見逃してきたものに 気付いた        269 00:16:02,629 --> 00:16:05,841 私と同じ経験を  してきた人たちよ 270 00:16:06,800 --> 00:16:09,344 “できない〟と  決めつけられるの 271 00:16:09,594 --> 00:16:11,138 上等だわ 272 00:16:10,012 --> 00:16:12,806 ティファニー 273 00:16:11,138 --> 00:16:13,515 “間違ってる〟と 証明してあげる 274 00:16:19,396 --> 00:16:21,064 すごくパワフルだった 275 00:16:21,440 --> 00:16:26,653 私たちは様々な面で違うけど 多くの面で似ていたの    276 00:16:26,862 --> 00:16:30,991 誰もが似た境遇の人を 必要としてるものよ 277 00:16:29,406 --> 00:16:33,118 シドニー 278 00:16:30,991 --> 00:16:36,204 だから私は 人と繋がるようにしてる 279 00:16:38,123 --> 00:16:41,126 大勢が私と似た問題を 抱えてた       280 00:16:44,004 --> 00:16:47,049 社会は多様性を   受け入れるべきだわ 281 00:16:47,174 --> 00:16:49,301 手足に障害のある人の 282 00:16:49,426 --> 00:16:52,721 ケイラ 283 00:16:49,426 --> 00:16:53,305 幸せな話を 聞いたことがない 284 00:16:53,430 --> 00:16:57,517 同情を引く話ばかり 285 00:16:57,684 --> 00:17:01,521 障害に対するイメージが 否定的すぎる      286 00:17:03,857 --> 00:17:07,486 私の将来の可能性が ついに少し見えたわ 287 00:17:07,694 --> 00:17:10,238 その時の自分の姿もね 288 00:17:12,824 --> 00:17:15,494 メディアのように 289 00:17:14,493 --> 00:17:17,871 ケルシー 290 00:17:15,494 --> 00:17:17,871 みんな 同じ体じゃなくてもいい 291 00:17:19,831 --> 00:17:22,542 この時 生まれて初めて 私に——        292 00:17:22,709 --> 00:17:24,836 障害者の友達ができた 293 00:17:26,046 --> 00:17:30,258 障害者でいることに  初めて誇りを持ったわ 294 00:17:37,224 --> 00:17:39,851 記事を書いて気付いたのは 295 00:17:39,935 --> 00:17:44,981 若い障害者の代表となる  人物がいないということよ 296 00:17:45,315 --> 00:17:49,277 私はさらに障害者に関する 記事を書き        297 00:17:49,402 --> 00:17:52,114 “ティーン・ヴォーグ〟にも 執筆し始めた       298 00:17:51,279 --> 00:17:52,989 “障害のせいで 公衆トイレを使えない〟 299 00:17:52,114 --> 00:17:54,991 自分の声で障害者の真実を 300 00:17:52,989 --> 00:17:55,492 “ミー・トゥー運動から 除外される障害者〟 301 00:17:54,991 --> 00:17:57,452 積極的に伝えていったの 302 00:17:57,994 --> 00:18:01,414 障害者を正確に 伝える方法は? 303 00:17:57,994 --> 00:18:01,414 アレックス 304 00:18:01,498 --> 00:18:06,211 最初はテレビ番組や 書籍 映画などがいいわ 305 00:18:06,378 --> 00:18:11,550 実際に障害を持つ俳優や作家 脚本家などを起用するの   306 00:18:12,092 --> 00:18:15,470 物語に説得力を 持たせられるし 307 00:18:15,595 --> 00:18:19,057 障害者の物語に 真実味が出る  308 00:18:19,182 --> 00:18:22,352 障害者のための会社も その多くは      309 00:18:22,686 --> 00:18:26,189 健常者が権力を握ってるの 310 00:18:26,439 --> 00:18:29,818 だから その内容も 恩着せがましい  311 00:18:31,027 --> 00:18:34,614 そこで私だけでなく 大勢の声を——    312 00:18:34,739 --> 00:18:37,075 届ける方法を考えた 313 00:18:37,492 --> 00:18:41,913 若い障害者たちが     真実だと思える物語を作り 314 00:18:42,038 --> 00:18:46,334 自分たちの意見を 発表できる場よ  315 00:18:46,501 --> 00:18:49,546 こうして誕生したのが 316 00:18:49,796 --> 00:18:52,549 “クリップル・  マガジン〟なの 317 00:18:52,757 --> 00:18:56,595 “クリップル・ メディア〟 318 00:18:53,216 --> 00:18:56,011 “欠陥者クリップル〟と名づけたのは 319 00:18:56,011 --> 00:19:00,390 この中傷的な言葉を    肯定的なものにするためよ 320 00:18:57,596 --> 00:19:00,390 “皆さん こんにちは!〟 321 00:19:00,515 --> 00:19:04,186 そして障害者であることに 誇りを持つの       322 00:19:04,311 --> 00:19:07,522 とても力強い名前だと思う 323 00:19:07,772 --> 00:19:12,736 障害者について率直に  話し始めるには最適だわ 324 00:19:12,944 --> 00:19:16,615 若い障害者が手掛けた 若い障害者への——   325 00:19:15,780 --> 00:19:18,283 “なぜバイデン大統領の 障害の受け入れは 重要なのか〟 326 00:19:16,615 --> 00:19:19,284 初めての雑誌だもの 327 00:19:20,911 --> 00:19:25,624 娘が文章を書き     感情を表現し始めたんだ 328 00:19:22,954 --> 00:19:25,624 “吃音障害者による バイデンの吃音に ついての考え〟 329 00:19:25,749 --> 00:19:30,295 私たちは最初       そんな娘を見てこう思った 330 00:19:30,462 --> 00:19:33,465 “趣味のようなものだろう〟 331 00:19:33,590 --> 00:19:36,843 でも すぐ本格的な 活動になった   332 00:19:35,508 --> 00:19:38,553 “編集長 エミリー・フローレス〟 333 00:19:36,843 --> 00:19:42,599 娘は雑誌のために      ライターや編集者を集めたの 334 00:19:42,724 --> 00:19:47,020 新たな友達ができて    エミリーは幸せそうだった 335 00:19:47,145 --> 00:19:50,732 “クリップル・メディア チーム〟 336 00:19:48,021 --> 00:19:50,732 チームは徐々に大きくなり 337 00:19:50,815 --> 00:19:54,402 記事の数が増え    内容も充実していった 338 00:19:54,736 --> 00:19:59,282 1年後 “ニューヨーク・   タイムズ〟にも紹介されたわ 339 00:19:59,407 --> 00:20:01,618 “10代向けの 新たなメディア〟 340 00:19:59,407 --> 00:20:02,452 率直な障害者の意見を—— 341 00:20:01,618 --> 00:20:03,662 “障害者の若者にも 主張する権利がある〟 342 00:20:02,452 --> 00:20:05,997 伝えることの  影響力を感じた 343 00:20:06,164 --> 00:20:07,707 “ニューヨーク・ タイムズ〟 344 00:20:06,581 --> 00:20:10,085 娘が泣いてたから 訳を聞くと    345 00:20:10,252 --> 00:20:12,796 “これはうれし涙よ〟と 言ってた       346 00:20:12,963 --> 00:20:14,965 エミリーを誇りに思うわ 347 00:20:15,131 --> 00:20:17,425 本当に そう思うよ 348 00:20:17,550 --> 00:20:20,804 あの時 私たちは 驚くばかりだった 349 00:20:23,306 --> 00:20:27,602 クリップルのおかげで   将来がさらに見えてきたし 350 00:20:27,727 --> 00:20:30,647 障害のことも受け入れられた 351 00:20:30,772 --> 00:20:35,318 それに自立した私の日常を 思い描けるようになったの 352 00:20:36,027 --> 00:20:38,280 “大学生のエミリー〟 353 00:20:36,486 --> 00:20:39,948 家を出て      大学に通い始めると 354 00:20:40,240 --> 00:20:43,285 自分は無力じゃないと思えた 355 00:20:43,785 --> 00:20:46,913 実家を出たのは大きな変化よ 356 00:20:47,163 --> 00:20:50,208 二人での生活に  慣れなくて つい—— 357 00:20:50,834 --> 00:20:52,252 娘のことを考える 358 00:20:55,255 --> 00:20:59,968 私は完全に1人ではなく そばには介護士がいた  359 00:21:00,427 --> 00:21:03,930 でも自分を      どう扱ってほしいのか 360 00:21:04,055 --> 00:21:06,850 言葉にできず悩んでたの 361 00:21:11,396 --> 00:21:13,857 “今夜 君に会えるのが 楽しみだ〟 362 00:21:17,652 --> 00:21:19,070 準備しましょう 363 00:21:19,696 --> 00:21:20,905 髪はアップに 364 00:21:21,698 --> 00:21:23,700 いいわね ステキよ 365 00:21:23,825 --> 00:21:26,536 この服が似合うわ 366 00:21:30,999 --> 00:21:31,958 大丈夫? 367 00:21:32,125 --> 00:21:34,377 意見を言うべきなのに 368 00:21:34,544 --> 00:21:37,756 また言葉が       のどの奥に引っかかった 369 00:21:37,839 --> 00:21:39,924 何か問題でも? 370 00:21:42,093 --> 00:21:42,969 ええと… 371 00:21:44,179 --> 00:21:45,263 何でもない 372 00:21:46,139 --> 00:21:47,140 本当に? 373 00:21:54,147 --> 00:21:55,315 実は… 374 00:21:56,066 --> 00:21:59,527 手助けが必要だから 言いづらいけど   375 00:21:59,652 --> 00:22:03,990 付き合いの浅い人に深く  踏み込まれるのは苦手なの 376 00:22:04,157 --> 00:22:07,243 私はできるだけ自立したいし 377 00:22:07,410 --> 00:22:10,914 私にも好みや意見はある 378 00:22:11,247 --> 00:22:13,833 だから私に聞いてほしい 379 00:22:14,793 --> 00:22:17,003 ええ 私はヘルパーだもの 380 00:22:18,546 --> 00:22:21,758 ありがとう        ずっと これが言えなかった 381 00:22:22,384 --> 00:22:26,471 正直に言うと       私は髪の毛を下ろしたいの 382 00:22:26,763 --> 00:22:29,557 服もピンクじゃなくて 赤がいい       383 00:22:29,808 --> 00:22:31,893 ジャケットはあれよ 384 00:22:33,061 --> 00:22:34,479 ええ 決まりね 385 00:22:36,314 --> 00:22:39,526 私にとっては     大きな出来事だったわ 386 00:22:39,734 --> 00:22:43,780 初めて自分の障害と    向き合わざるを得なかった 387 00:22:44,072 --> 00:22:45,782 そして認識したの 388 00:22:45,865 --> 00:22:48,451 私には多くの助けが要る 389 00:22:50,078 --> 00:22:52,705 だから声を上げなきゃってね 390 00:22:55,333 --> 00:22:58,169 ステキよ       デートの準備はいい? 391 00:22:58,503 --> 00:23:01,339 少し緊張してるけど頑張るわ 392 00:23:02,549 --> 00:23:06,261 初めてのデートは  すごく興味深かった 393 00:23:06,386 --> 00:23:08,888 恋愛は未知の世界だったの 394 00:23:09,013 --> 00:23:13,476 結局 初デートは      想像どおりにはいかなかった 395 00:23:13,810 --> 00:23:16,396 相手は友愛会の大学生で 396 00:23:16,688 --> 00:23:20,316 室内にいるのに     サングラスをかけてたわ 397 00:23:20,733 --> 00:23:22,819 私は不安になった 398 00:23:22,902 --> 00:23:25,905 でも かわいいかもと 思い直して     399 00:23:25,989 --> 00:23:30,285 サングラスや友愛会のことは 無視することにしたの    400 00:23:30,577 --> 00:23:32,745 私にとっては冒険だった 401 00:23:32,871 --> 00:23:36,708 恋愛に関しても    学ぶ必要があったのよ 402 00:23:36,791 --> 00:23:41,421 私には価値があり     障害者としての私の個性は 403 00:23:41,713 --> 00:23:44,924 完全で かつ   美しいものだとね 404 00:23:51,764 --> 00:23:52,974 ペイジ 405 00:23:53,433 --> 00:23:55,059 久しぶりね 406 00:23:55,185 --> 00:23:58,396 元気だった?      みんなもログインしたわ 407 00:23:59,147 --> 00:24:00,732 会えてうれしい 408 00:24:00,815 --> 00:24:02,400 私もよ 409 00:24:03,193 --> 00:24:07,280 記事や論説について 何か意見はない?  410 00:24:07,489 --> 00:24:11,493 クリップル・メディアは 若い障害者が運営し  411 00:24:11,659 --> 00:24:14,412 自分たちで    すべてを決めるの 412 00:24:14,621 --> 00:24:16,956 記事の内容などをね 413 00:24:17,081 --> 00:24:20,126 実現できて本当に幸せよ 414 00:24:21,711 --> 00:24:24,881 私は今も変わり続けてるし それでいい        415 00:24:25,006 --> 00:24:27,800 自分の将来が明確になり 416 00:24:27,926 --> 00:24:32,722 目指す人物像に向かって 進んでいけると信じてる 417 00:24:33,056 --> 00:24:37,060 活気づくのが   すごく楽しみだわ 418 00:24:37,435 --> 00:24:40,063 クリップルを    さらに成長させたい 419 00:24:40,230 --> 00:24:43,274 そして若い障害者が 自分の力を——    420 00:24:43,358 --> 00:24:46,778 発揮できる場に していきたいの 421 00:24:52,283 --> 00:24:53,701 どうもありがとう 422 00:25:53,177 --> 00:25:55,054 日本版字幕 堀田 雅子