1 00:00:07,550 --> 00:00:12,096 僕が大海原で探しているのは ハシナガイルカの群れ    2 00:00:12,513 --> 00:00:14,223 5000頭の巨大群だ 3 00:00:14,307 --> 00:00:18,436 海面が波打つ場所に 鳥が群がってる   4 00:00:18,603 --> 00:00:19,687 あれを見て 5 00:00:25,777 --> 00:00:27,737 壮大な光景だ 6 00:00:29,197 --> 00:00:34,035 ハダカイワシの大群    ハシナガイルカの大好物だ 7 00:00:36,037 --> 00:00:37,413 イルカはどこ? 8 00:00:38,456 --> 00:00:39,791 見ろ イルカだ 9 00:00:40,083 --> 00:00:42,335 来たぞ 期待できそうだ 10 00:00:42,877 --> 00:00:43,753 準備は? 11 00:00:43,961 --> 00:00:47,507 僕はバーティ       職業は野生動物カメラマン 12 00:00:47,590 --> 00:00:49,008 様子が違う 13 00:00:49,383 --> 00:00:51,886 撮影はいつも真剣勝負 14 00:00:51,969 --> 00:00:53,346 ペンギンを撮る 15 00:00:54,680 --> 00:00:55,681 逃した! 16 00:00:57,475 --> 00:00:59,060 かなり近い 17 00:01:00,061 --> 00:01:04,232 急変する世界で      野生動物の物語を伝えたい 18 00:01:04,941 --> 00:01:07,193 特大のヒビが入ったかも 19 00:01:10,488 --> 00:01:12,448 これが僕の冒険の数々 20 00:01:13,449 --> 00:01:16,160 バーティの        ハイテク・アドベンチャー 21 00:01:16,244 --> 00:01:17,995 イギリス 22 00:01:18,204 --> 00:01:22,250 僕はイギリスを出て 太平洋へ向かった  23 00:01:20,581 --> 00:01:26,003 コスタリカ 24 00:01:22,667 --> 00:01:26,921 約8000キロ離れた  中央アメリカの海だ 25 00:01:28,047 --> 00:01:32,510 地球上で最も広大な自然での 捜索は手ごわい       26 00:01:32,635 --> 00:01:36,097 この惑星の海面の 半分だからね   27 00:01:36,848 --> 00:01:38,766 ここは外洋 公海だ 28 00:01:39,559 --> 00:01:42,687 探しているのは    ハシナガイルカの大群 29 00:01:43,855 --> 00:01:48,025 複数の群れが  一時的に合体し 30 00:01:48,151 --> 00:01:52,363 数千頭の巨大な群れが 形成されるのだ    31 00:01:53,447 --> 00:01:56,576 そんな壮大な光景を ぜひ撮りたい    32 00:01:59,579 --> 00:02:04,167 近年は環境の悪化で    巨大群があまり発生しない 33 00:02:04,333 --> 00:02:06,878 だが今回 訪れたこの場所は 34 00:02:07,128 --> 00:02:11,591 衝撃的な数のイルカが 集まる海域なんだ   35 00:02:13,467 --> 00:02:16,554 群れが巨大化する理由は 不明だが        36 00:02:16,679 --> 00:02:19,473 発生するのは餌が豊富な場所 37 00:02:22,351 --> 00:02:26,355 そこでケポス沖の    大陸棚外縁にやって来た 38 00:02:26,898 --> 00:02:30,151 浅瀬から急激に     海底へと落ち込む場所だ 39 00:02:31,360 --> 00:02:33,905 深くて水温が低い一帯には 40 00:02:33,988 --> 00:02:37,783 腹をすかせたイルカが 集まってくる     41 00:02:39,577 --> 00:02:41,329 海底の深さは1.6キロ以上 42 00:02:41,495 --> 00:02:46,500 海底谷や海底火山があり 平坦な所は ほぼない  43 00:02:47,001 --> 00:02:49,629 そして合間を潮が流れる 44 00:02:50,504 --> 00:02:55,468 すると海水が押し上げられ 魚も上がってくるんだ   45 00:02:56,761 --> 00:03:02,141 ここは言わば 下層に    オアシスを隠した青い砂漠 46 00:03:02,350 --> 00:03:04,977 まさにイルカが求める場所だ 47 00:03:05,311 --> 00:03:07,605 理屈の上では楽勝だ 48 00:03:07,897 --> 00:03:11,567 場所を見極め     イルカを撮影するだけ 49 00:03:12,235 --> 00:03:14,111 だが これは賭けだ 50 00:03:14,320 --> 00:03:17,490 遠洋なので      頻繁に補給に戻れない 51 00:03:17,782 --> 00:03:22,995 1万6000平方キロの海原を 3週間で探し回るのだ   52 00:03:25,456 --> 00:03:27,667 見つけられる? 53 00:03:27,750 --> 00:03:31,087 目を凝らして 遠くまで見るんだ 54 00:03:31,921 --> 00:03:36,634 ガイドのニコは       “鳥を探せ〟と教えてくれた 55 00:03:36,842 --> 00:03:39,136 洋上で見つけやすく—— 56 00:03:39,220 --> 00:03:41,639 餌を狙って     イルカを追うからだ 57 00:03:42,056 --> 00:03:43,641 残り17日 58 00:03:42,431 --> 00:03:46,018 探し始めて4日後 出動の時が来た  59 00:03:46,435 --> 00:03:47,478 ジョニー 60 00:03:47,770 --> 00:03:48,896 球状の魚群ベイトボールだ 61 00:03:48,980 --> 00:03:49,855 どこ? 62 00:03:49,939 --> 00:03:51,315 船首のほう 63 00:03:51,482 --> 00:03:54,318 鳥の大群だ     しぶきが上がってる 64 00:03:54,443 --> 00:03:55,319 手伝う? 65 00:03:55,403 --> 00:03:56,737 大丈夫だ 66 00:03:57,613 --> 00:04:00,616 高速艇でポイントへ向かい 海に潜る         67 00:04:04,120 --> 00:04:08,791 海面が波打っているのは  ベイトボールがあるからだ 68 00:04:08,958 --> 00:04:13,754 イルカやマグロなどに追われ 魚が海面下に集まり     69 00:04:13,963 --> 00:04:16,132 球状に固まってるんだ 70 00:04:16,966 --> 00:04:22,555 魚群が動くから       船をどこで止めるか探ってる 71 00:04:22,722 --> 00:04:26,475 接近しすぎると     群れを崩してしまうし—— 72 00:04:26,642 --> 00:04:29,103 遠すぎると観察できない 73 00:04:42,742 --> 00:04:47,705 イルカは見当たらないが   キハダマグロが群がっている 74 00:04:54,795 --> 00:04:58,549 金銀の万華鏡を     のぞき込んでいるようだ 75 00:05:04,930 --> 00:05:08,309 中心には         竜巻のようなサバの固まり 76 00:05:12,146 --> 00:05:14,148 マグロの好物だ 77 00:05:22,865 --> 00:05:24,241 まるで集中砲火 78 00:05:25,743 --> 00:05:26,827 上からも… 79 00:05:27,661 --> 00:05:28,746 下からも 80 00:05:31,248 --> 00:05:34,668 サバは内側へ逃げようとする 81 00:05:37,129 --> 00:05:39,757 身を守る唯一の方法だ 82 00:05:44,762 --> 00:05:46,138 この時までは… 83 00:05:53,979 --> 00:05:55,773 サバが移動し始めた 84 00:06:00,653 --> 00:06:03,239 僕を人間の盾にする気だ 85 00:06:07,118 --> 00:06:11,831 撮影は続行したいけど   マグロに衝突されたくない 86 00:06:14,875 --> 00:06:17,086 マグロの体重は約90キロ 87 00:06:28,431 --> 00:06:29,640 退避しよう 88 00:06:35,396 --> 00:06:36,772 すごかった 89 00:06:37,982 --> 00:06:40,776 強烈だった 中に入ったら… 90 00:06:42,319 --> 00:06:45,906 あの下にいる魚の   100匹に1匹はマグロだ 91 00:06:46,282 --> 00:06:47,575 大丈夫か? 92 00:06:47,658 --> 00:06:48,617 とりあえず 93 00:06:48,701 --> 00:06:53,456 イルカとマグロは     共に行動してることが多い 94 00:06:53,581 --> 00:06:56,709 飛び込んで逃げられたら 台なしだ        95 00:06:57,168 --> 00:07:01,505 魚群が捕食者たちに   追い詰められるのを待つ 96 00:07:02,923 --> 00:07:04,592 ニコが何か見つけた 97 00:07:06,177 --> 00:07:08,512 ハシナガイルカではない 98 00:07:08,679 --> 00:07:13,517 マダライルカの群れが サバを封じ込めてる  99 00:07:14,435 --> 00:07:15,936 よし 行こう 100 00:07:25,988 --> 00:07:28,782 イルカが       サバを取り囲んでいく 101 00:07:35,414 --> 00:07:37,917 マグロよりおとなしいが—— 102 00:07:39,877 --> 00:07:42,463 すべきことは心得ている 103 00:07:51,388 --> 00:07:53,140 群れで協力し合い—— 104 00:07:54,600 --> 00:07:57,311 牧羊犬のように魚を追い込む 105 00:08:07,863 --> 00:08:10,449 マグロも       この状態を待っていた 106 00:08:17,790 --> 00:08:23,128 強力な捕食者たちが連係し  サバの群れを一網打尽にする 107 00:08:26,340 --> 00:08:30,219 サバは次々と食われ 身を隠す場所を失う 108 00:08:39,311 --> 00:08:42,815 イルカの登場から    20分ほど経っただろうか 109 00:08:44,858 --> 00:08:46,235 終わったらしい 110 00:08:48,070 --> 00:08:50,990 さっきの光景が  目に焼きついてる 111 00:08:51,156 --> 00:08:54,618 陸の上で       捕食の様子を見る時は 112 00:08:54,827 --> 00:08:59,081 遠くからレンズ越しだが 海中は全く違う     113 00:08:59,248 --> 00:09:03,002 視界が限られるので   接近しなければならない 114 00:09:03,210 --> 00:09:07,840 自分と同等サイズのマグロが 高速で通り過ぎ——      115 00:09:08,382 --> 00:09:11,176 衝突するかと思った 116 00:09:11,302 --> 00:09:16,807 エコーロケーションの音が 腹に響くのを感じたよ   117 00:09:17,266 --> 00:09:19,184 最高の体験だ 118 00:09:21,937 --> 00:09:24,148 海域の特定はできた 119 00:09:24,565 --> 00:09:26,483 十分な餌さえあれば 120 00:09:26,650 --> 00:09:30,529 ハシナガイルカの大群に 遭遇できるだろう    121 00:09:32,031 --> 00:09:35,534 しかし日没が近いので 母船に戻り——     122 00:09:35,701 --> 00:09:37,202 明日に備える 123 00:09:39,204 --> 00:09:42,625 夜の間に        遠くへ流されたくないが 124 00:09:42,791 --> 00:09:44,585 ここは公海だ 125 00:09:45,127 --> 00:09:47,504 海底の深さは約3キロ 126 00:09:47,671 --> 00:09:50,424 通常のいかりは使えない 127 00:09:53,093 --> 00:09:56,722 僕たちが唯一 使える手段は 128 00:09:56,972 --> 00:09:58,557 シーアンカーだ 129 00:09:59,600 --> 00:10:04,438 岩に船を固定するのではなく 海流にしがみつく      130 00:10:06,940 --> 00:10:12,363 洋上に浮かんでいるだけでは 帆船のように流される    131 00:10:12,446 --> 00:10:17,493 夜中に風でどこかへ    運ばれてしまう恐れがある 132 00:10:18,327 --> 00:10:22,081 だから いかり代わりの パラシュートで——   133 00:10:22,539 --> 00:10:25,459 この場所にとどめるんだ 134 00:10:30,506 --> 00:10:34,843 捜索は一時休止だが   イルカの狩りは夜も続く 135 00:10:35,219 --> 00:10:40,224 今も波間を巨大な群れで 泳いでいるかもしれない 136 00:10:48,899 --> 00:10:50,609 残り16日 137 00:10:49,608 --> 00:10:51,360 早朝から捜索再開 138 00:10:52,611 --> 00:10:57,157 シーアンカーのおかげで 昨日の場所にとどまれた 139 00:10:58,867 --> 00:11:04,623 オスカー船長が何か見つけた ドローンで確認する     140 00:11:06,709 --> 00:11:08,502 イルカのようだ 141 00:11:08,919 --> 00:11:11,839 もう少し下げて近づこう 142 00:11:13,340 --> 00:11:14,675 見てくれ 143 00:11:15,592 --> 00:11:18,303 ハシナガイルカが たくさんいる   144 00:11:19,930 --> 00:11:25,227 巨大群ではないが      この集団が30ほど合体すると 145 00:11:25,436 --> 00:11:29,773 幅1.6キロを超える   超特大の群れになるんだ 146 00:11:30,357 --> 00:11:32,151 それを探してる 147 00:11:33,527 --> 00:11:37,364 本番に向けて        撮影の練習をしておかなきゃ 148 00:11:38,574 --> 00:11:42,703 赤ちゃんイルカがいるぞ かわいいな       149 00:11:43,203 --> 00:11:46,623 ピッタリと        ママにくっついて泳いでる 150 00:11:50,127 --> 00:11:52,713 陸を見たことはないだろう 151 00:11:53,505 --> 00:11:57,384 青い海が果てしなく続くと 思ってるはずだ      152 00:11:59,261 --> 00:12:03,140 ドローンからの眺めは すばらしい      153 00:12:03,390 --> 00:12:06,393 海面に背びれは 見えるけど——  154 00:12:06,977 --> 00:12:09,646 真上からの光景はすごい 155 00:12:09,980 --> 00:12:13,066 圧巻だよ 信じられない 156 00:12:17,404 --> 00:12:20,115 ドローンで       巨大群をとらえたら——  157 00:12:20,240 --> 00:12:23,911 心躍る大迫力の光景を 見られるはずだ    158 00:12:27,498 --> 00:12:32,669 だが今は“回転スピナーイルカ〟と 呼ばれる由来を撮ろう  159 00:12:37,257 --> 00:12:40,344 革新的な道具の出番だ 160 00:12:41,345 --> 00:12:43,388 ジャイロスタビライザー式 カメラ          161 00:12:43,514 --> 00:12:46,475 揺れる洋上でも ブレずに撮れる 162 00:12:47,351 --> 00:12:48,352 いいぞ 163 00:12:49,186 --> 00:12:50,187 気をつけて 164 00:12:51,522 --> 00:12:55,025 これは高価な機材だ  操作を手伝ってもらう 165 00:12:55,234 --> 00:12:58,028 スピンしてる 左に向けて 166 00:12:58,403 --> 00:13:01,573 ドローンと違い  様子がよく見える 167 00:13:01,657 --> 00:13:03,283 もう少し下へ 168 00:13:03,951 --> 00:13:07,329 海面スレスレで  接近して撮りたい 169 00:13:08,038 --> 00:13:11,667 いつイルカが跳ねるか 分からないから    170 00:13:11,792 --> 00:13:14,753 ピントを合わせて 出てくるのを待つ 171 00:13:15,546 --> 00:13:18,507 スピンの理由には いろんな説がある 172 00:13:18,715 --> 00:13:21,844 寄生する動物を   振り払うためとか—— 173 00:13:21,969 --> 00:13:26,765 コミュニケーションや  ただの遊びとも言われる 174 00:13:27,850 --> 00:13:30,394 今のジャンプは3回転かな 175 00:13:30,644 --> 00:13:34,356 一度のジャンプで     6~7回転することもある 176 00:13:41,780 --> 00:13:43,490 理由はどうであれ 177 00:13:43,740 --> 00:13:47,661 重要な行動だということは 間違いない        178 00:13:49,538 --> 00:13:53,000 なぜなら       子供も練習するからだ 179 00:13:53,667 --> 00:13:55,711 何てかわいいんだ 180 00:13:55,878 --> 00:13:59,464 小さな子が       ジャンプの練習をしてる 181 00:14:06,805 --> 00:14:09,016 スピンの撮影は楽しい 182 00:14:09,224 --> 00:14:12,769 だが巨大群と      泳ぐ練習をするなら今だ 183 00:14:13,687 --> 00:14:15,606 再び水中に入ろう 184 00:14:18,191 --> 00:14:19,192 いいか? 185 00:14:27,826 --> 00:14:32,122 イルカは音で位置を測り 口笛で会話をする    186 00:14:34,249 --> 00:14:36,460 その音はすばらしい 187 00:14:40,464 --> 00:14:42,341 泳ぎも速い 188 00:14:43,008 --> 00:14:46,303 全速力なら     時速30キロを超える 189 00:14:50,432 --> 00:14:53,101 僕ではとても追いつけない 190 00:14:57,856 --> 00:15:00,984 すごかったよ 壮観だった 191 00:15:01,360 --> 00:15:04,696 大量のイルカを見られたよ 192 00:15:05,322 --> 00:15:10,285 だが 今の群れは せいぜい数百頭だ 193 00:15:10,744 --> 00:15:13,288 巨大群には程遠いね 194 00:15:13,622 --> 00:15:19,378 この海域のどこかに    数千頭の群れがいるはずだ 195 00:15:20,170 --> 00:15:22,005 絶対に見つけたい 196 00:15:24,967 --> 00:15:28,428 短時間だったが  貴重な教訓を得た 197 00:15:30,555 --> 00:15:34,351 海上での撮影は大変だが 不可能ではない     198 00:15:35,686 --> 00:15:38,480 だが海中は簡単じゃない 199 00:15:40,399 --> 00:15:43,610 再挑戦する前に  一度 母船に戻り 200 00:15:43,694 --> 00:15:46,029 秘密兵器を準備しよう 201 00:15:48,907 --> 00:15:52,536 水中撮影の課題は    イルカに追いつくことだ 202 00:15:52,786 --> 00:15:56,873 速く泳ぎたいなら   この道具を使えばいい 203 00:15:57,249 --> 00:15:58,542 水中スクーターだ 204 00:15:58,667 --> 00:16:03,046 後部にプロペラがあり 前にカメラを装着した 205 00:16:03,213 --> 00:16:06,216 これならイルカに追いつける 206 00:16:07,300 --> 00:16:09,553 だが これは希望的仮説だ 207 00:16:09,970 --> 00:16:13,223 もし水中で     故障でもしたら——  208 00:16:13,432 --> 00:16:17,060 僕のカメラは     海の底へ沈んでしまう 209 00:16:18,061 --> 00:16:20,605 そうなったらゲーム終了だ 210 00:16:21,440 --> 00:16:24,735 ゆっくり慎重に試すつもりだ 211 00:16:25,027 --> 00:16:27,529 だが僕の中の13歳の少年は 212 00:16:27,696 --> 00:16:31,450 水中スクーターに ワクワクしてる  213 00:16:35,454 --> 00:16:38,957 出発だ         まずは漏れがないか確認 214 00:16:42,085 --> 00:16:43,378 大丈夫そうだ 215 00:16:48,633 --> 00:16:50,802 低速では問題ない 216 00:16:53,346 --> 00:16:56,433 次はジェームズ・ボンド・ モードだ        217 00:17:04,900 --> 00:17:07,694 イルカのスピードは 時速約10キロ    218 00:17:08,653 --> 00:17:11,156 僕はスクーターで 時速5キロだが  219 00:17:11,364 --> 00:17:14,409 普通に泳ぐよりも3倍速い 220 00:17:14,910 --> 00:17:16,745 すごい進化だ 221 00:17:24,669 --> 00:17:25,712 どう? 222 00:17:25,837 --> 00:17:28,256 すごく楽しかったよ 223 00:17:28,381 --> 00:17:32,427 アクセルを握るだけで イルカの気分になれる 224 00:17:32,636 --> 00:17:35,764 イルカが警戒しないといいな 225 00:17:35,847 --> 00:17:38,183 水中での音は静かだ 226 00:17:39,309 --> 00:17:41,019 うまくいくと思う 227 00:17:43,563 --> 00:17:44,981 何て日だ 228 00:17:45,440 --> 00:17:47,984 ハシナガイルカと泳ぎ—— 229 00:17:48,151 --> 00:17:51,196 映画“007〟のシーンを再現 230 00:17:51,696 --> 00:17:53,156 準備は整った 231 00:17:54,449 --> 00:17:58,411 あとは明日       巨大群を見つけるだけだ 232 00:18:04,668 --> 00:18:05,836 残り15日 233 00:18:06,002 --> 00:18:08,880 翌日 新たな懸念が生まれる 234 00:18:13,260 --> 00:18:14,803 その後 4日間—— 235 00:18:14,970 --> 00:18:18,098 アギーラ号での日々は 単調を極める     236 00:18:19,933 --> 00:18:21,143 早朝に起床 237 00:18:21,434 --> 00:18:22,394 おはよう 238 00:18:23,061 --> 00:18:24,187 コーヒーを飲み… 239 00:18:24,312 --> 00:18:26,273 普段は入れてくれない 240 00:18:27,107 --> 00:18:28,525 デッキに上がり… 241 00:18:29,442 --> 00:18:30,735 海を観察する 242 00:18:33,071 --> 00:18:35,574 広大で 美しく—— 243 00:18:35,866 --> 00:18:38,118 だけど何もいない海を 244 00:18:39,077 --> 00:18:43,039 ただ目を見開いて ここに立つ毎日だ 245 00:18:44,207 --> 00:18:47,419 日が昇ってから  沈むまでずっとね 246 00:18:49,212 --> 00:18:52,841 巨大群へとつながる 手がかりが欲しい  247 00:18:53,216 --> 00:18:57,304 不審な波 変則的なしぶき 腹をすかせた鳥の群れ  248 00:18:59,764 --> 00:19:02,517 でも 見つけられるのかな 249 00:19:02,934 --> 00:19:06,229 広い海なのに    生き物の気配がない 250 00:19:08,440 --> 00:19:12,694 ただひたすら    何もなく時が過ぎる 251 00:19:14,613 --> 00:19:17,574 冗談じゃなく   不安になってきた 252 00:19:17,782 --> 00:19:21,661 時間をかけて      広大な範囲を調べたけど 253 00:19:21,912 --> 00:19:26,374 僕たち同様に       標的のイルカも移動してる 254 00:19:26,625 --> 00:19:31,004 入れ違いになって   会えなかったのかもね 255 00:19:31,630 --> 00:19:33,673 残り7日 256 00:19:32,839 --> 00:19:37,510 僕らは海図を確認し   別の海底渓谷を目指した 257 00:19:37,802 --> 00:19:41,890 イルカの餌が        海流で押し上げられる場所を 258 00:19:43,558 --> 00:19:47,812 だが巨大群どころか  イルカ1頭すらいない 259 00:19:48,313 --> 00:19:49,773 士気も下がる 260 00:19:50,774 --> 00:19:54,736 でも何とか        ハンドウイルカに出会えた 261 00:19:55,570 --> 00:19:59,783 船が起こす波を利用して 軽快に泳いでる     262 00:20:01,117 --> 00:20:04,204 その姿に       僕たちは希望を抱いた 263 00:20:05,538 --> 00:20:09,668 餌があるなら        ハシナガイルカも現れるかも 264 00:20:10,543 --> 00:20:13,380 イルカの群れに遭遇した 265 00:20:13,838 --> 00:20:14,798 バーティ 266 00:20:15,006 --> 00:20:16,216 ゴンドウクジラだ 267 00:20:16,341 --> 00:20:17,300 どこに? 268 00:20:17,384 --> 00:20:18,635 イルカと一緒だ 269 00:20:19,886 --> 00:20:20,929 すごそこ 270 00:20:21,096 --> 00:20:22,514 ウソだろ マジか 271 00:20:23,640 --> 00:20:26,685 これは面白くなってきた 272 00:20:29,688 --> 00:20:34,526 イルカの群れは3時の方向で ゴンドウも2頭いる     273 00:20:35,151 --> 00:20:36,611 何てこった 274 00:20:37,904 --> 00:20:40,323 2頭だけじゃないぞ 275 00:20:41,074 --> 00:20:44,077 ドローンからは 30頭以上見える 276 00:20:47,122 --> 00:20:49,916 ゴンドウクジラは イルカの仲間だ  277 00:20:50,208 --> 00:20:54,546 だが900メートルほどの 深海で狩りをする    278 00:20:58,174 --> 00:21:01,386 だから餌探しはとても大変だ 279 00:21:01,928 --> 00:21:06,266 呼吸をするために   上がってきたのだろう 280 00:21:13,023 --> 00:21:17,319 そしてハンドウイルカと 合流したのだ      281 00:21:18,528 --> 00:21:21,197 遊んでるみたいだな 282 00:21:22,240 --> 00:21:24,492 追いかけっこをしてる 283 00:21:30,707 --> 00:21:34,836 種の異なる2頭が   遊んでるなんてすごい 284 00:21:35,045 --> 00:21:38,048 撮影されたのは初めてかも 285 00:21:41,885 --> 00:21:43,178 見てみろ 286 00:21:43,428 --> 00:21:44,888 楽しんでる 287 00:21:47,265 --> 00:21:48,600 前方宙返りだ 288 00:21:55,065 --> 00:21:58,985 イルカがクジラを     攻撃することもあるが——  289 00:21:59,819 --> 00:22:01,738 今は全く敵意がない 290 00:22:05,075 --> 00:22:08,578 ただ無邪気に   楽しんでるようだ 291 00:22:16,252 --> 00:22:19,589 カバほどの体重がある  ゴンドウクジラだが——  292 00:22:19,756 --> 00:22:21,508 ダイバーを警戒する 293 00:22:24,260 --> 00:22:27,639 だから慎重に      近づかなければならない 294 00:22:28,139 --> 00:22:31,142 低速で ゆっくり近づく 295 00:22:31,351 --> 00:22:33,353 シャイな生き物だからね 296 00:22:33,853 --> 00:22:37,816 できるだけ音を立てずに 行動するよ       297 00:22:38,191 --> 00:22:40,652 しぶきを立てず 静かに入れば—— 298 00:22:41,152 --> 00:22:43,279 一緒に泳いでくれるかも 299 00:22:51,371 --> 00:22:52,372 いいか? 300 00:22:53,957 --> 00:22:57,168 ハンドウイルカがいるのは 幸いだ          301 00:22:58,002 --> 00:23:01,923 イルカに受け入れられれば クジラも安心する     302 00:23:03,883 --> 00:23:07,262 紹介してもらえるまで ついて回ろう     303 00:23:16,855 --> 00:23:18,606 何とも美しい 304 00:23:19,482 --> 00:23:24,362 巨大な飛行船のように 青い空間を漂う者や… 305 00:23:26,948 --> 00:23:29,534 イルカと のんびり泳ぐ者 306 00:23:33,329 --> 00:23:35,874 遊んでるだけではなさそうだ 307 00:23:38,668 --> 00:23:40,336 触れ合ってる 308 00:23:41,713 --> 00:23:44,382 イルカが絆を深める行動だ 309 00:23:45,925 --> 00:23:49,220 以前から       友達だったのだろうか 310 00:24:00,356 --> 00:24:04,235 ゴンドウクジラと   親密な時を過ごしてる 311 00:24:07,780 --> 00:24:11,743 ゴンドウは再び      深海での狩りへ戻るだろう 312 00:24:19,792 --> 00:24:21,503 だが その前に—— 313 00:24:22,045 --> 00:24:25,757 大事な用を済ませたいようだ 314 00:24:28,092 --> 00:24:31,804 生物の食事情は   フンを見れば分かる 315 00:24:34,516 --> 00:24:37,894 ゴンドウクジラのフンは 相当な量だ       316 00:24:44,817 --> 00:24:48,571 調査の成果を    次の潜水に生かそう 317 00:24:52,909 --> 00:24:55,870 幸運なことに   ゴンドウクジラが 318 00:24:56,120 --> 00:24:59,791 泳ぐ僕の目の前で 大量のフンをした 319 00:25:00,166 --> 00:25:03,670 その中に      これが含まれてたよ 320 00:25:03,878 --> 00:25:06,297 イカのくちばしだ 321 00:25:06,422 --> 00:25:09,801 今 海面近くにイカはいない 322 00:25:10,009 --> 00:25:14,013 クジラは深海でイカを食べ 上がってきたんだ     323 00:25:16,516 --> 00:25:18,935 穏やかな海にゴンドウクジラ 324 00:25:19,060 --> 00:25:21,938 次の潜水に全力を注ごう 325 00:25:22,522 --> 00:25:24,857 スクーターの出番だ 326 00:25:25,024 --> 00:25:30,530 ゴンドウクジラに近づいても 静かに泳げるからね     327 00:25:34,075 --> 00:25:38,329 ハシナガイルカの撮影にも 新局面が開けるかも    328 00:25:49,173 --> 00:25:52,010 期待以上にうまくいった 329 00:25:54,304 --> 00:25:56,598 クジラになった気分だ 330 00:26:03,062 --> 00:26:06,149 ゴンドウクジラの群れを 率いるのは——      331 00:26:06,316 --> 00:26:08,651 1頭だけと思われてきた 332 00:26:13,406 --> 00:26:15,783 だが それは正しくない 333 00:26:16,284 --> 00:26:20,038 家族の絆で       群れを強くしているのだ 334 00:26:28,880 --> 00:26:31,549 1頭が様子をうかがいに来た 335 00:26:32,258 --> 00:26:33,635 大人のメスだ 336 00:26:41,601 --> 00:26:45,605 僕に敵意がないか  探っているのだろう 337 00:26:47,357 --> 00:26:50,443 僕の心を        読んでいるように感じた 338 00:27:02,372 --> 00:27:05,166 一家は僕を      信用してくれたらしい 339 00:27:09,796 --> 00:27:11,881 これは最高の栄誉かも 340 00:27:12,215 --> 00:27:15,301 僕の目の前で眠りに就いた 341 00:27:20,098 --> 00:27:22,266 すごく感動的だ 342 00:27:38,491 --> 00:27:40,868 この辺で静かに帰ろう 343 00:27:46,958 --> 00:27:48,042 成功だ 344 00:27:48,167 --> 00:27:49,210 やったな 345 00:27:54,173 --> 00:27:55,967 クジラになった気分 346 00:27:56,759 --> 00:28:00,346 メスらしき1頭が 近づいてきて——  347 00:28:00,513 --> 00:28:04,976 探るような目で僕を見て ピクピク動いてた    348 00:28:05,184 --> 00:28:10,314 すばらしい時間だった 初めての経験だよ   349 00:28:11,441 --> 00:28:14,485 あの目は何かを語ってた 350 00:28:15,403 --> 00:28:18,406 明らかに知性を宿してる 351 00:28:18,906 --> 00:28:23,786 こんな遠洋だから      人間を見たのは初めてかもね 352 00:28:24,162 --> 00:28:27,832 僕もゴンドウを     海中で見たのは初めてだ 353 00:28:29,083 --> 00:28:34,714 あのクジラも僕との出会いに 感動してるといいな     354 00:28:38,301 --> 00:28:41,095 ゴンドウクジラは 冒険のご褒美   355 00:28:41,512 --> 00:28:44,265 だが巨大群には まだ会えてない 356 00:28:44,348 --> 00:28:46,225 残り6日 357 00:28:47,393 --> 00:28:50,229 海があざ笑っているようだ 358 00:28:51,856 --> 00:28:56,527 手が空くように       双眼鏡を体にくくり付けたい 359 00:28:57,236 --> 00:29:00,531 ジャンプしてくれ イルカ君 360 00:29:01,240 --> 00:29:02,575 あれはマイルカ 361 00:29:02,867 --> 00:29:07,413 日に3~4回は見つけて 一瞬 盛り上がる    362 00:29:08,039 --> 00:29:13,294 イルカを見るのは楽しいけど 求めてる種類じゃない    363 00:29:13,920 --> 00:29:16,672 マイルカはとても高く跳ぶ 364 00:29:16,839 --> 00:29:18,633 だから遠くからでも 365 00:29:18,758 --> 00:29:22,303 ハシナガイルカじゃないと 判別できる        366 00:29:22,845 --> 00:29:27,600 それにマイルカが跳ぶと 白い腹部が見える    367 00:29:27,809 --> 00:29:29,644 白ければマイルカだ 368 00:29:32,688 --> 00:29:34,315 あれはどっちだ? 369 00:29:34,690 --> 00:29:37,318 高く跳んだからマイルカだ 370 00:29:38,528 --> 00:29:40,947 夢のような光景だろ 371 00:29:41,364 --> 00:29:42,532 見事なしぶき 372 00:29:42,615 --> 00:29:43,491 悪夢だ 373 00:29:44,200 --> 00:29:45,868 時間制限のせいだ 374 00:29:47,078 --> 00:29:48,579 またマイルカ 375 00:29:51,582 --> 00:29:54,335 今のジャンプは高かった 376 00:29:57,296 --> 00:30:00,132 イルカを見て    ガッカリするなんて 377 00:30:01,300 --> 00:30:03,469 マイルカには参●る● 378 00:30:05,555 --> 00:30:08,724 ハシナガイルカの  巨大群を求めて——  379 00:30:08,933 --> 00:30:11,143 僕らはここまで来たのだ 380 00:30:12,812 --> 00:30:16,858 時間が経つほど     懸念が深刻になってくる 381 00:30:21,487 --> 00:30:23,531 もどかしいよ 382 00:30:23,656 --> 00:30:27,743 この海のどこかに     数千頭の群れがいるのに—— 383 00:30:28,202 --> 00:30:29,745 見つけられない 384 00:30:30,121 --> 00:30:34,959 干し草の山から       針を探そうと躍起になるほど 385 00:30:35,126 --> 00:30:39,046 見つけられない気が してくるんだ    386 00:30:39,797 --> 00:30:43,384 ハシナガイルカの 巨大な群れをね  387 00:30:44,302 --> 00:30:47,430 この辺りに      やって来るはずなのに 388 00:30:48,723 --> 00:30:51,851 でも僕が海から学んだことは 389 00:30:52,101 --> 00:30:55,104 運は突然       向いてくるということ 390 00:30:58,900 --> 00:31:00,359 残り1日 391 00:30:58,900 --> 00:31:02,695 ついに最終日   全員が見張り番だ 392 00:31:07,658 --> 00:31:10,786 カメのタクシーは いい前兆かも   393 00:31:17,293 --> 00:31:18,294 あれは? 394 00:31:20,254 --> 00:31:23,007 10時方向に飛び込んでる 395 00:31:24,425 --> 00:31:25,927 鳥の群れがいる 396 00:31:26,135 --> 00:31:29,263 ハシナガイルカと会える 最後のチャンスだ    397 00:31:35,269 --> 00:31:39,440 海面が波打つ場所に 鳥が群がってる   398 00:31:39,857 --> 00:31:42,735 カツオドリやミズナキドリだ 399 00:31:42,985 --> 00:31:44,111 あれを見て 400 00:31:44,278 --> 00:31:47,657 水面の揺れが激しくなってる 401 00:31:47,823 --> 00:31:51,619 あっちを撮ってくれ すごいぞ      402 00:31:51,911 --> 00:31:56,749 ここは美しい場所だけど  この数日間はイラついてた 403 00:31:56,916 --> 00:32:01,003 何もない海を        見つめてるだけだったからね 404 00:32:01,128 --> 00:32:05,257 でも急に興奮する場面に 出会うこともある    405 00:32:05,424 --> 00:32:07,468 あれが まさにそうだ 406 00:32:08,594 --> 00:32:11,472 鳥が潜ってる  魚はすぐそこだ 407 00:32:11,555 --> 00:32:12,431 どこ? 408 00:32:12,556 --> 00:32:13,891 その辺りだ 409 00:32:21,607 --> 00:32:23,693 ものすごく静かだ 410 00:32:25,778 --> 00:32:29,782 マグロの泳ぐ音も    イルカの声も聞こえない 411 00:32:33,786 --> 00:32:37,540 ハダカイワシの巨大な  ベイトボールがあるだけ 412 00:32:49,844 --> 00:32:51,971 普段は深い場所に生息し 413 00:32:52,096 --> 00:32:55,850 夜になるとプランクトンを 食べに上がってくる    414 00:32:59,478 --> 00:33:02,231 ハシナガイルカはそこを狙う 415 00:33:03,691 --> 00:33:06,193 欠かせない餌なのだ 416 00:33:12,575 --> 00:33:16,162 イワシが日中に     海面まで来るのはまれだ 417 00:33:24,128 --> 00:33:27,715 漂うウロコは    イルカが食べた証拠 418 00:33:32,011 --> 00:33:33,471 イルカはどこに? 419 00:33:39,810 --> 00:33:42,146 見ろ イルカだ 420 00:33:42,271 --> 00:33:45,399 来たぞ 期待できそうだ 421 00:33:49,695 --> 00:33:51,614 この声はまるで音楽 422 00:33:54,867 --> 00:33:56,410 イルカが戻ってきた 423 00:33:57,703 --> 00:34:00,706 これはマダライルカだ 424 00:34:06,378 --> 00:34:08,672 まるでスポーツチーム 425 00:34:09,006 --> 00:34:11,967 魚を逃がさず止める競技だ 426 00:34:16,180 --> 00:34:18,432 下から気泡を出している 427 00:34:21,727 --> 00:34:27,441 気泡でイワシを驚かせ    海面近くにとどまらせるのだ 428 00:34:38,202 --> 00:34:40,204 鳥も感謝してるだろう 429 00:34:46,127 --> 00:34:49,922 子イルカが     ママを見習っている 430 00:34:55,886 --> 00:34:58,597 これも大当たりといえる 431 00:35:07,022 --> 00:35:10,985 ハダカイワシは       地球で最も豊富な魚の一種だ 432 00:35:11,735 --> 00:35:14,405 多くの捕食者を引き寄せる 433 00:35:16,407 --> 00:35:18,033 ほら やって来た 434 00:35:19,243 --> 00:35:20,828 イトマキエイだ 435 00:35:24,165 --> 00:35:27,835 餌はプランクトンと 思われていたが   436 00:35:28,794 --> 00:35:32,089 ベイトボールに  食らいついている 437 00:35:34,717 --> 00:35:38,262 顔の横にあるのは 頭鰭とうきというヒレ  438 00:35:39,138 --> 00:35:42,391 そのヒレで       魚を口に流し入れるのだ 439 00:35:47,104 --> 00:35:48,439 さあ 来たぞ 440 00:35:50,149 --> 00:35:53,569 魚類界の誘導ミサイルの登場 441 00:35:55,487 --> 00:35:59,033 キハダマグロだ 数百匹はいる  442 00:36:04,997 --> 00:36:09,877 4種の捕食者がそろって 同じ餌に食らいつく   443 00:36:13,172 --> 00:36:15,799 衝突は避けられないはず 444 00:36:19,970 --> 00:36:23,557 しかし痛い目に遭うのは イワシだけ       445 00:36:54,880 --> 00:36:57,424 饗宴が終わり 捕食者が去る 446 00:36:58,592 --> 00:37:01,929 ベイトボールは粉々に砕けた 447 00:37:05,975 --> 00:37:11,605 残ったのは水中に輝く ウロコの銀河だけ   448 00:37:16,277 --> 00:37:21,031 人がめったに入らない場所を 探索することは       449 00:37:21,198 --> 00:37:23,075 おそれ多い体験だった 450 00:37:23,325 --> 00:37:25,786 多くのことを海から学んだ 451 00:37:25,911 --> 00:37:29,206 必要なのは忍耐力と不屈の心 452 00:37:29,331 --> 00:37:31,750 そして何よりも順応性だ 453 00:37:31,875 --> 00:37:34,712 何に出会うか   分からないからね 454 00:37:39,049 --> 00:37:40,968 僕は幸運だった 455 00:37:41,176 --> 00:37:46,890 乱獲や汚染 水温の上昇で   世界の海は打撃を受けてるが 456 00:37:47,308 --> 00:37:50,936 この宝石のような場所は 持ちこたえている    457 00:37:53,689 --> 00:37:58,736 目的はハシナガイルカの 巨大群だったが     458 00:37:58,861 --> 00:38:01,530 残念ながら撮れなかった 459 00:38:01,613 --> 00:38:05,034 イルカは        どこかに消えてしまった 460 00:38:05,326 --> 00:38:09,246 広大な海では     よくあることだけどね 461 00:38:09,455 --> 00:38:13,125 イルカはいるが     見つけられなかっただけ 462 00:38:13,459 --> 00:38:15,502 でも海の不思議は 463 00:38:15,711 --> 00:38:20,049 僕らを拒む一方で  何かを与えてくれる 464 00:38:22,801 --> 00:38:27,348 この広い海は      生命のホットスポットで 465 00:38:27,514 --> 00:38:32,394 野生動物との       魔法のような出会いがある 466 00:38:33,187 --> 00:38:35,564 すばらしいことだよ 467 00:38:44,365 --> 00:38:47,326 追加情報… 468 00:38:44,865 --> 00:38:47,326 目的はイルカだったが 469 00:38:47,409 --> 00:38:51,121 一番の驚きは キハダマグロの数だった 470 00:38:51,538 --> 00:38:54,458 漁場から 加工船を排除したことで 471 00:38:54,625 --> 00:38:59,338 生息数が回復したと 地元の漁師が言っていた 472 00:38:59,505 --> 00:39:02,591 小さな勝利だが 加工船の乱獲を防ぎ 473 00:39:02,716 --> 00:39:07,179 自然の治癒力に任せた 結果だ 474 00:39:07,262 --> 00:39:10,140 野生生物と地元の 漁師にとって朗報だ 475 00:39:10,224 --> 00:39:12,226 日本版字幕 萩原 利恵