1 00:00:08,258 --> 00:00:09,467 足を踏み入れよう 2 00:00:11,094 --> 00:00:13,263 知覚を超えた世界に 3 00:00:19,060 --> 00:00:22,313 隠された力や  超感覚を持つ—— 4 00:00:23,189 --> 00:00:26,651 驚異的な動物たちの世界 5 00:00:27,652 --> 00:00:29,863 自然界に      詳しいつもりなら—— 6 00:00:32,532 --> 00:00:33,742 まだまだだ 7 00:00:35,744 --> 00:00:39,664 超/自然 8 00:00:44,419 --> 00:00:49,716 ナレーション ベネディクト・ カンバーバッチ 9 00:00:45,962 --> 00:00:48,214 カナダの原始林の奥深く 10 00:00:52,761 --> 00:00:54,429 謎めいた動物が… 11 00:00:58,141 --> 00:01:01,227 通称 “森のファントム〟 12 00:01:08,693 --> 00:01:10,028 オオタカだ 13 00:01:22,165 --> 00:01:24,250 時速60キロまで—— 14 00:01:25,710 --> 00:01:27,170 1秒以内に到達 15 00:01:30,965 --> 00:01:34,886 猛禽もうきん類の中で最速の加速だ 16 00:01:41,559 --> 00:01:44,521 短く丸みを帯びた翼と 30センチの尾で    17 00:01:45,146 --> 00:01:49,275 密林の中を      比類なき俊敏さで進む 18 00:01:54,030 --> 00:01:55,365 そんな彼女でも—— 19 00:01:56,574 --> 00:01:58,201 時に出し抜かれる 20 00:02:04,999 --> 00:02:07,710 一方 小さな動物たちは 21 00:02:09,129 --> 00:02:14,926 森のファントムを      負かすほどの意外な力がある 22 00:02:20,181 --> 00:02:23,059 微光に適応した 特殊な視力で—— 23 00:02:23,268 --> 00:02:27,480 アメリカコガラは  空中の脅威を察知し 24 00:02:32,360 --> 00:02:34,612 いち早く警報を発する 25 00:02:35,905 --> 00:02:37,323 暗号メッセージで—— 26 00:02:38,783 --> 00:02:41,286 タカの位置や速度を 知らせるのだ    27 00:02:44,664 --> 00:02:47,625 リスは それを   認識するだけでなく 28 00:02:50,795 --> 00:02:52,005 模倣する 29 00:02:53,965 --> 00:02:55,300 ほぼ完璧に 30 00:02:59,304 --> 00:03:00,221 数秒で—— 31 00:03:01,514 --> 00:03:05,935 警告は動物から動物へと リツイートされる    32 00:03:10,356 --> 00:03:14,527 森の中を伝わる速度は 時速約160キロ    33 00:03:18,615 --> 00:03:21,576 タカの2倍以上の速さだ 34 00:03:28,583 --> 00:03:31,169 メッセージは明確に伝わった 35 00:03:32,128 --> 00:03:36,549 “敵が低空かつ高速で 接近中〟      36 00:03:41,930 --> 00:03:44,474 おチビさんたちは 助け合うことで  37 00:03:47,977 --> 00:03:49,979 タカの一歩先を行く 38 00:03:57,946 --> 00:04:00,782 大きく強くなくとも 生き残れる     39 00:04:02,158 --> 00:04:05,245 本当に必要なのは仲間だ 40 00:04:06,621 --> 00:04:10,083 ようこそ 動物同盟の世界へ 41 00:04:11,459 --> 00:04:15,338 動物たちが見事な方法で 協力し合い       42 00:04:16,923 --> 00:04:20,551 思いもよらない       パートナーシップを築く世界 43 00:04:21,970 --> 00:04:29,435 不思議な関係 44 00:04:35,608 --> 00:04:37,652 過酷な世界でも 45 00:04:40,154 --> 00:04:41,572 力を合わせれば 46 00:04:42,407 --> 00:04:45,785 動物はハンデを覆して 勝つことができる   47 00:04:51,457 --> 00:04:54,711 北米の森では  天候が変わると 48 00:04:55,461 --> 00:05:00,800 一緒にいるか否かが   生と死の分かれ目となる 49 00:05:04,846 --> 00:05:06,472 約140グラムのリスは 50 00:05:06,764 --> 00:05:10,143 冬眠に必要な体脂肪を 蓄えられない     51 00:05:11,394 --> 00:05:14,772 冬の間中         食料を探す必要があるのだ 52 00:05:19,527 --> 00:05:23,531 しかし仲間と離れると 凍死の危険がある   53 00:05:29,662 --> 00:05:32,040 気温がマイナス35度まで 下がると        54 00:05:33,541 --> 00:05:35,960 最も強いリスだけが 55 00:05:36,961 --> 00:05:38,671 生きて帰れる 56 00:05:41,049 --> 00:05:42,550 必要なのは食料と 57 00:05:43,676 --> 00:05:44,677 速さだ 58 00:05:52,894 --> 00:05:55,521 かすかな光を吸収する 大きな目は      59 00:06:01,569 --> 00:06:03,279 暗闇でも見える 60 00:06:04,781 --> 00:06:06,908 我々の日中と同様だ 61 00:06:10,661 --> 00:06:15,375 鋭い嗅覚は林床にある   食料を見つける強い味方だ 62 00:06:21,714 --> 00:06:24,842 しかしマッシュルームは わずか4キロカロリー  63 00:06:26,761 --> 00:06:30,056 夜を生き抜くには   20キロカロリー 必要だ 64 00:06:34,769 --> 00:06:37,814 真冬に手に入れるのは 容易ではない     65 00:06:42,110 --> 00:06:44,737 食料を探して走り回り 66 00:06:45,071 --> 00:06:47,865 摂取より消費カロリーが 上回ると        67 00:06:48,408 --> 00:06:51,202 これが最後の夜に なってしまう   68 00:07:00,795 --> 00:07:04,006 だが このおチビさんには 秘密がある       69 00:07:11,222 --> 00:07:12,515 飛べるのだ 70 00:07:15,935 --> 00:07:19,522 オオアメリカモモンガの 毛皮のウイングスーツは 71 00:07:20,273 --> 00:07:24,193 前足から後ろ足まで伸び 飛膜と呼ばれる     72 00:07:29,991 --> 00:07:33,077 フットボール場ほどの長さも 滑空可能だ         73 00:07:47,216 --> 00:07:51,888 着地には尻尾を     エアブレーキとして使う 74 00:08:04,650 --> 00:08:06,360 木々の間を飛び 75 00:08:06,486 --> 00:08:09,906 最小限の労力で    十分な食料を調達する 76 00:08:16,913 --> 00:08:21,209 しかし夜のニンジャは    仲間から遠く離れてしまった 77 00:08:23,461 --> 00:08:25,296 すぐに見つけないと—— 78 00:08:26,589 --> 00:08:27,798 死んでしまう 79 00:08:33,888 --> 00:08:36,933 そこで 緊急の     超音波メッセージを発信 80 00:08:41,812 --> 00:08:43,773 大半の捕食者には聞こえず 81 00:08:45,316 --> 00:08:47,193 仲間には聞こえる 82 00:08:49,570 --> 00:08:50,821 返事によって—— 83 00:08:52,615 --> 00:08:54,617 仲間の居場所を把握 84 00:09:03,584 --> 00:09:05,795 合流したら すぐに帰宅だ 85 00:09:07,880 --> 00:09:10,258 手遅れになる前に温まらねば 86 00:09:12,385 --> 00:09:15,888 森には20以上の 巣穴が点在し  87 00:09:17,557 --> 00:09:20,643 全員の行き先を   把握するのは難しい 88 00:09:22,603 --> 00:09:24,397 この速度ではなおさらだ 89 00:09:29,485 --> 00:09:31,696 しかし最近の発見で 90 00:09:31,821 --> 00:09:34,740 さらにすばらしい才能が 明らかになった     91 00:09:36,951 --> 00:09:38,035 モモンガは—— 92 00:09:38,953 --> 00:09:39,870 光るのだ 93 00:09:42,957 --> 00:09:46,836 紫外線撮影で       蛍光を発する仕組みが判明 94 00:09:47,962 --> 00:09:50,339 月の光をある色で吸収し 95 00:09:51,841 --> 00:09:53,551 別の色で放出する 96 00:09:56,929 --> 00:10:00,975 光る腹部はビーコンの  役割をすると考えられる 97 00:10:06,647 --> 00:10:08,816 おかげで夜でも 仲間が見えて  98 00:10:11,110 --> 00:10:13,029 後をついていける 99 00:10:14,280 --> 00:10:16,866 安全で暖かい巣穴へと 100 00:10:20,328 --> 00:10:25,458 凍える夜を乗り越えるため 仲間と寄り添い合う    101 00:10:30,671 --> 00:10:35,217 別次元の協力関係を築く 動物もいる       102 00:10:37,470 --> 00:10:39,972 連帯意識を高め 次世代が——   103 00:10:41,557 --> 00:10:44,435 安心して成長できる場に するのだ        104 00:10:48,898 --> 00:10:52,693 危険な世界で子育てする アナホリフクロウ    105 00:10:59,450 --> 00:11:03,204 わずか25センチの 彼らのすみかは  106 00:11:04,163 --> 00:11:05,498 巨体の足元だ 107 00:11:10,753 --> 00:11:12,797 常に恐怖がつきまとう 108 00:11:20,388 --> 00:11:23,057 モンタナの    開かれた大地では 109 00:11:26,018 --> 00:11:28,604 あらゆる角度から危険が迫る 110 00:11:42,034 --> 00:11:46,038 幸い アナホリフクロウは 目と耳がいい      111 00:11:51,085 --> 00:11:53,921 両眼視と鋭い聴覚により 112 00:11:54,588 --> 00:11:57,091 ピンポイントで  危険を特定できる 113 00:12:01,554 --> 00:12:04,807 さらにすばらしいのは 互いへの目配りだ   114 00:12:09,687 --> 00:12:13,858 彼らはフクロウの中で唯一 最大100羽の群れで生活し 115 00:12:16,819 --> 00:12:19,530 究極の自警団を形成する 116 00:12:23,909 --> 00:12:27,121 子供のフクロウは この安全な環境で 117 00:12:32,460 --> 00:12:34,086 スキルを磨いていく 118 00:12:46,557 --> 00:12:50,978 フクロウの視力は      生後1ヵ月で十分に発達する 119 00:12:53,439 --> 00:12:56,358 しかし巣立つまでの 数週間で——     120 00:12:57,610 --> 00:13:00,571 リスニングを        マスターしなければならない 121 00:13:02,823 --> 00:13:08,829 くぼんだ顔を回転させ    音を耳へと導く術すべを学ぶのだ 122 00:13:10,998 --> 00:13:16,253 正しく行えば       最大10倍まで音が増幅する 123 00:13:21,675 --> 00:13:25,179 だが それには   練習と調整が必要だ 124 00:13:37,983 --> 00:13:42,279 その間 親は彼らを見守り 辺りを警戒し      125 00:13:43,781 --> 00:13:45,366 食事も与える 126 00:13:47,952 --> 00:13:52,164 フクロウは肉食だが かむための歯がない 127 00:13:53,415 --> 00:13:56,168 赤ん坊でも獲物は丸のみだ 128 00:13:56,836 --> 00:14:01,131 爪も毛皮も骨も全部 129 00:14:04,051 --> 00:14:05,886 入ったものは—— 130 00:14:07,263 --> 00:14:08,514 出てくる 131 00:14:14,728 --> 00:14:15,896 不消化物の塊ペリットだ 132 00:14:21,110 --> 00:14:22,945 授業に戻ろう 133 00:14:25,489 --> 00:14:27,449 危険を回避するには 134 00:14:28,659 --> 00:14:31,745 親の言うことを聞いて見習う 135 00:14:34,874 --> 00:14:37,209 ガラガラヘビの  警報が鳴ったら—— 136 00:14:42,756 --> 00:14:45,384 学んだとおり距離を取る 137 00:14:49,597 --> 00:14:50,472 その毒は—— 138 00:14:50,598 --> 00:14:54,643 アメリカに生息する最大の 動物も殺せるほど強力だ  139 00:15:00,399 --> 00:15:04,612 しかし好奇心の強さが 命を救うこともある  140 00:15:12,620 --> 00:15:16,457 目を離さず        距離を取ってさえいれば—— 141 00:15:17,708 --> 00:15:19,084 安全なはずだ 142 00:15:24,715 --> 00:15:28,385 こちらの危険は  避けるのが難しい 143 00:15:45,945 --> 00:15:46,946 バイソンだ 144 00:15:49,156 --> 00:15:52,785 彼らはフクロウの巣穴周辺を 狙って砂浴びする      145 00:15:57,581 --> 00:16:00,584 1トンを超える巨体なら—— 146 00:16:02,169 --> 00:16:06,423 巣穴を破壊しフクロウを   閉じ込めることなどたやすい 147 00:16:11,220 --> 00:16:15,265 そこで 子供のフクロウは 実に見事な技を見せる  148 00:16:22,314 --> 00:16:25,234 彼らはマスターした 模倣技術で——    149 00:16:27,236 --> 00:16:32,074 ガラガラヘビの尻尾の音を ほぼ完璧にコピー     150 00:16:34,827 --> 00:16:39,248 1万1000倍もの大きさの獣を 追い払うのだ        151 00:16:49,091 --> 00:16:52,678 このすばらしい模倣が 着々と進歩し     152 00:16:52,803 --> 00:16:57,558 一人前のアナホリフクロウ  自警団メンバーへと成長する 153 00:17:01,687 --> 00:17:06,191 あらゆる角度から  じっくり見てみよう 154 00:17:07,401 --> 00:17:08,736 すると… 155 00:17:09,361 --> 00:17:11,030 不思議な関係が—— 156 00:17:11,155 --> 00:17:14,533 美しい世界の至る所に 潜んでいるのが分かる 157 00:17:16,827 --> 00:17:19,246 毎年数回     特別な夜にだけ—— 158 00:17:19,830 --> 00:17:23,375 メキシコの山中の 森の片隅で    159 00:17:24,710 --> 00:17:30,049 地球上でも有数の     魅惑的な協演が披露される 160 00:17:45,731 --> 00:17:51,070 このオスのホタルは 地中で待つこと2年 161 00:17:55,365 --> 00:17:58,535 ようやく輝くチャンスが 訪れた         162 00:18:04,833 --> 00:18:07,711 仕事との相性はバッチリだ 163 00:18:10,881 --> 00:18:13,550 彼が腹部に    酸素を送り込むと 164 00:18:16,095 --> 00:18:18,806 2つの化合物と反応する 165 00:18:19,640 --> 00:18:22,142 ルシフェリンと  ルシフェラーゼだ 166 00:18:23,310 --> 00:18:26,855 そして生物発光が起こる 167 00:18:30,317 --> 00:18:33,862 だが魅力的な能力も  それだけでは不十分だ 168 00:18:37,533 --> 00:18:39,952 メスはまばゆい光を好む 169 00:18:41,578 --> 00:18:43,747 明るければ明るいほどいい 170 00:18:46,333 --> 00:18:47,876 オスの選択肢は1つ 171 00:18:51,338 --> 00:18:53,340 ライバルとの協力だ 172 00:18:56,718 --> 00:18:59,763 何千匹もの       オスのホタルが集まれば 173 00:19:00,639 --> 00:19:02,432 確実に明るさは増す 174 00:19:05,519 --> 00:19:07,521 だがカオス状態だ 175 00:19:10,816 --> 00:19:16,321 メスは オスの発光が    同調した時だけ行動を起こす 176 00:19:21,076 --> 00:19:24,997 そこで彼らは徐々に タイミングを合わせ… 177 00:19:27,749 --> 00:19:32,588 ついに 魔法のような瞬間が 訪れる          178 00:19:38,093 --> 00:19:41,180 神秘的なシンクロニシティだ 179 00:19:43,599 --> 00:19:48,020 メキシコの光る波はこれまで ほとんど撮影されていない  180 00:19:52,608 --> 00:19:55,068 2000種のホタルのうち—— 181 00:19:56,403 --> 00:19:59,489 同調して光るのは わずか12種ほどで 182 00:20:01,533 --> 00:20:04,077 その波及効果は  目を見張るほどだ 183 00:20:05,078 --> 00:20:06,580 好みのうるさいメスも—— 184 00:20:07,456 --> 00:20:09,249 その気になってしまう 185 00:20:10,918 --> 00:20:12,878 興味を示すメス 186 00:20:15,464 --> 00:20:17,299 しかし光が弱いため 187 00:20:18,217 --> 00:20:22,012 オスの発光の合間に   合図を送らねばならない 188 00:20:29,561 --> 00:20:32,814 オス10匹で      1匹のメスを奪い合う 189 00:20:34,608 --> 00:20:37,653 頼れるのは自分しかいない 190 00:20:40,280 --> 00:20:43,158 意志の強いオスが 一番に彼女の元へ 191 00:20:47,120 --> 00:20:49,206 ようやく交尾の時だ 192 00:21:02,135 --> 00:21:06,014 だが結局 彼が    幸運を手にできたのも 193 00:21:06,139 --> 00:21:09,977 魔法のように魅惑的な 協演のおかげだ    194 00:21:22,489 --> 00:21:25,742 自然界の不思議な関係は 掘り下げるほど     195 00:21:28,662 --> 00:21:30,664 驚きも大きくなる 196 00:21:33,792 --> 00:21:35,335 アフリカのサバンナでは 197 00:21:36,378 --> 00:21:41,133 意外な協力関係が     大きな問題を克服している 198 00:21:43,302 --> 00:21:45,721 底知れぬ食欲を満たすため 199 00:21:46,471 --> 00:21:50,392 ゾウは1日に       約135キロもの草木を食べる 200 00:21:58,066 --> 00:22:00,527 木々は逃げられない 201 00:22:09,077 --> 00:22:13,582 だがこのアカシアにはゾウを 寄せつけない武器がある   202 00:22:16,626 --> 00:22:19,463 低周波の音波シールド 203 00:22:25,677 --> 00:22:29,389 攻撃的なハチの大群のような その音は          204 00:22:34,102 --> 00:22:36,730 ゾウでさえおびえる 205 00:22:48,158 --> 00:22:51,578 アカシアの警報装置は 内蔵タイプではなく  206 00:22:52,746 --> 00:22:56,458 小さな助っ人によって 取りつけられる    207 00:23:02,339 --> 00:23:06,551 膨らんだトゲに穴を開ける カクテルアリ       208 00:23:10,931 --> 00:23:14,768 触覚で最適な角度を    判断すると考えられている 209 00:23:18,522 --> 00:23:21,441 そして卓越風が吹くと 210 00:23:23,360 --> 00:23:26,613 アカシアが歌い始める 211 00:23:31,201 --> 00:23:34,121 アリの穴は       木の笛になるだけでなく 212 00:23:34,579 --> 00:23:38,667 秘められた世界への 入り口でもある   213 00:23:41,128 --> 00:23:42,963 秘密の隠れ家 214 00:23:44,756 --> 00:23:46,800 アリたちの子育ての場だ 215 00:23:50,929 --> 00:23:53,849 木は中毒性の高い 甘い蜜を提供し  216 00:23:53,974 --> 00:23:56,518 アリたちを定住させる 217 00:24:07,028 --> 00:24:08,488 たった1本に—— 218 00:24:08,613 --> 00:24:11,908 5万匹のコロニーが できるのだ     219 00:24:13,869 --> 00:24:16,746 空に浮かぶ町だ 220 00:24:23,170 --> 00:24:24,796 町に危険が迫る 221 00:24:37,142 --> 00:24:40,353 2メートル近い首は 一番上の葉にも届く 222 00:24:43,190 --> 00:24:47,152 約50センチの器用な舌なら トゲの間もお手の物だ   223 00:24:56,369 --> 00:24:58,455 しかもゾウと違い 224 00:24:59,206 --> 00:25:02,542 キリンは         アカシアの口笛に動じない 225 00:25:07,047 --> 00:25:10,717 アリたちが        タダ住まいの恩を返す時だ 226 00:25:16,306 --> 00:25:19,768 軍隊を動員して戦いを挑む 227 00:25:19,935 --> 00:25:23,522 相手は1億5800万倍の 大きさだ      228 00:25:40,038 --> 00:25:42,582 カクテルアリは   遠くが見えないため 229 00:25:42,791 --> 00:25:47,045 超高感度の振動センサーで 敵を感知する       230 00:25:50,173 --> 00:25:51,675 キリンが葉を食べると 231 00:25:52,801 --> 00:25:55,178 枝を通して衝撃波が伝わる 232 00:26:00,141 --> 00:26:04,604 彼らは 振動のわずかな差を 足で測定できる      233 00:26:17,325 --> 00:26:21,788 右前が左後ろより     一瞬早く動きを感知したら 234 00:26:21,997 --> 00:26:25,041 右前方に       敵がいるということだ 235 00:26:31,798 --> 00:26:33,133 アリの軍隊は—— 236 00:26:35,427 --> 00:26:38,471 舌や顔をかんで痛みを与える 237 00:26:47,897 --> 00:26:49,107 1匹は皆のため 238 00:26:50,692 --> 00:26:53,320 皆は木のために 239 00:26:56,489 --> 00:27:00,035 腹部をそり返らせ 有毒な酸を噴射  240 00:27:02,954 --> 00:27:04,956 これが名前の由来だ 241 00:27:06,499 --> 00:27:07,876 “カクテルアリ〟 242 00:27:16,551 --> 00:27:18,637 攻撃は成功だ 243 00:27:29,272 --> 00:27:31,232 犠牲は避けられない 244 00:27:35,570 --> 00:27:38,740 だがキリンを    撤退へと追い込んだ 245 00:27:46,790 --> 00:27:49,042 被害や犠牲にもかかわらず 246 00:27:49,834 --> 00:27:52,504 アカシアもコロニーも 生き続けている    247 00:27:55,006 --> 00:27:57,717 優れたパートナーシップの おかげだ         248 00:28:03,264 --> 00:28:07,352 種を結びつけるのは 対立だけではない  249 00:28:11,981 --> 00:28:15,276 イボイノシシは  泥風呂が大好きだ 250 00:28:18,530 --> 00:28:20,198 最高に気持ちいい 251 00:28:22,075 --> 00:28:23,952 それに角質も落とせる 252 00:28:25,662 --> 00:28:28,832 しかし泥では      取り除けないものもある 253 00:28:31,126 --> 00:28:35,630 イノシシは       あらゆる寄生虫の宿主だ 254 00:28:36,297 --> 00:28:39,259 吸血性のダニやシラミが—— 255 00:28:40,176 --> 00:28:43,012 自分では届かない場所に 潜んでいる       256 00:28:46,099 --> 00:28:49,227 少なくとも      手助けがないと無理だ 257 00:28:52,147 --> 00:28:56,067 近くに住むマングースの群れ 258 00:28:58,278 --> 00:29:03,032 複雑な“言語〟を使う  おしゃべり好きな動物だ 259 00:29:09,372 --> 00:29:12,667 母音や音節のある 幅広い言葉で——  260 00:29:13,293 --> 00:29:15,587 食料の在りかを相談中 261 00:29:17,672 --> 00:29:19,215 意見はまとまった 262 00:29:20,467 --> 00:29:23,261 町に繰り出す時だ 263 00:29:26,639 --> 00:29:29,517 体重 約150キロ 264 00:29:32,228 --> 00:29:34,189 完全武装の体で 265 00:29:36,024 --> 00:29:39,652 イボイノシシは通常 ガードを固めている 266 00:29:42,238 --> 00:29:44,240 だが このウガンダの村では 267 00:29:44,991 --> 00:29:49,078 もう少し親しみやすさを 学んだようだ      268 00:30:00,048 --> 00:30:04,844 イボイノシシとマングースは 話す言葉は違うが      269 00:30:06,262 --> 00:30:09,641 哺乳類では極めて稀まれなものを 共有する          270 00:30:11,726 --> 00:30:13,686 異種間コラボレーション 271 00:30:18,233 --> 00:30:19,484 始まりは—— 272 00:30:20,985 --> 00:30:22,612 ボディランゲージだ 273 00:30:25,281 --> 00:30:30,328 イノシシが寝転がると   それがマングースへの合図 274 00:30:32,330 --> 00:30:35,583 彼らへの食事の誘いだ 275 00:30:38,795 --> 00:30:43,007 人間の1000倍もの 敏感な嗅覚で   276 00:30:46,261 --> 00:30:48,555 かすかな血の臭いを嗅ぎ分け 277 00:30:56,187 --> 00:30:59,440 タンパク質たっぷりの 寄生虫を食べる    278 00:31:07,532 --> 00:31:09,909 マングースには 栄養豊富な食事 279 00:31:13,121 --> 00:31:16,624 イボイノシシには    待望の念入りな体の掃除 280 00:31:23,131 --> 00:31:28,511 この特別な関係は地球上で 2ヵ所しか見られない   281 00:31:30,430 --> 00:31:35,101 どちらも捕食者の少ない 人間の居住地周辺で   282 00:31:36,269 --> 00:31:39,147 被食者は       少しリラックスできる 283 00:31:39,939 --> 00:31:43,109 新しくできた友達が一緒だ 284 00:31:48,239 --> 00:31:50,617 動物が現代社会に 適応する中——   285 00:31:51,326 --> 00:31:56,664 最も効率的で効果的な   協力関係が生まれつつある 286 00:32:07,675 --> 00:32:09,344 バンドウイルカは 287 00:32:09,594 --> 00:32:12,931 獲物を捕獲するため 高度な技術を使う  288 00:32:21,397 --> 00:32:25,068 中には まったく別次元の 狩りをするイルカもいる 289 00:32:28,363 --> 00:32:29,656 知能の高い—— 290 00:32:31,199 --> 00:32:33,159 別の動物と組むのだ 291 00:32:46,089 --> 00:32:49,008 ブラジル ラグナの 地元漁師は    292 00:32:49,384 --> 00:32:55,556 5月~6月 この河口水域に ボラがいることを知っている 293 00:32:59,352 --> 00:33:01,521 だが濁りで見えない 294 00:33:07,318 --> 00:33:10,697 ただし音で見●れ●ば●話は別だ 295 00:33:18,997 --> 00:33:22,041 エコロケーションは   精密なソナーシステムで 296 00:33:22,166 --> 00:33:26,462 獲物の大きさ 速さ 距離を感知できる 297 00:33:38,558 --> 00:33:41,185 イルカはそれを使って ボラを見つけ     298 00:33:47,692 --> 00:33:49,944 群れを追い込む 299 00:33:55,742 --> 00:33:58,995 だが群れで泳ぐ魚を 狙うのは難しい   300 00:34:06,252 --> 00:34:11,799 そこでイルカは尾びれを弾き 独特の潜りを見せる     301 00:34:12,592 --> 00:34:16,888 お決まりの尾びれの一打ちが 漁師仲間への合図だ     302 00:34:17,638 --> 00:34:20,349 “さあ 網を投げろ〟 303 00:34:35,698 --> 00:34:39,160 おかげで漁師は     次々と獲物を捕獲できる 304 00:34:40,203 --> 00:34:43,790 やみくもに      漁をしなくて済むのだ 305 00:34:51,506 --> 00:34:53,508 イルカにもメリットがある 306 00:34:58,221 --> 00:34:59,764 網が投げられると 307 00:35:01,099 --> 00:35:02,642 ボラは逃げまどい 308 00:35:08,815 --> 00:35:10,066 隊形が崩れ 309 00:35:11,275 --> 00:35:12,568 散らばった先に 310 00:35:13,778 --> 00:35:16,239 イルカが待ち受ける 311 00:35:28,376 --> 00:35:30,795 皆 腹いっぱい 魚を食べられる 312 00:35:34,132 --> 00:35:36,259 完璧なパートナーシップだ 313 00:35:40,847 --> 00:35:41,889 戦略的で—— 314 00:35:43,057 --> 00:35:43,933 独創的 315 00:35:44,934 --> 00:35:49,021 知能の高い2つの種が 協力して成功をつかむ 316 00:35:55,194 --> 00:35:57,947 我々の世界はまだ謎が多く 317 00:35:59,991 --> 00:36:03,536 さらに不思議な関係も 存在する       318 00:36:06,205 --> 00:36:10,918 探索の結果 地球上で最も 意外な協力関係の1つが 319 00:36:11,669 --> 00:36:14,589 足元に潜んでいることが 分かった        320 00:36:19,719 --> 00:36:23,598 木々はひそやかに   社会生活を送っている 321 00:36:26,726 --> 00:36:28,060 地中深くで—— 322 00:36:29,729 --> 00:36:32,398 繰り広げられる   生き生きとした会話 323 00:36:37,403 --> 00:36:39,989 木々は新たに発見された—— 324 00:36:41,115 --> 00:36:43,993 ソーシャルネットワークを 通して話すのだ      325 00:36:45,036 --> 00:36:48,039 その名も        “ウッド・ワイド・ウェブ〟 326 00:36:50,499 --> 00:36:54,212 菌類は髪の毛のような糸で マトリックスを形成し   327 00:36:56,547 --> 00:36:58,799 木の根から糖を吸収する 328 00:37:02,220 --> 00:37:03,471 その代わりに 329 00:37:04,472 --> 00:37:08,434 土壌から吸い上げた   ミネラルを木に供給する 330 00:37:11,938 --> 00:37:14,690 そして このひそかな 関係により     331 00:37:14,815 --> 00:37:18,945 さらに思いがけないことが 起こるのだ        332 00:37:21,239 --> 00:37:23,532 木同士がつながると 333 00:37:24,825 --> 00:37:27,453 情報交換が可能になる 334 00:37:28,746 --> 00:37:32,667 干ばつや病気などの 重要な情報だ    335 00:37:46,847 --> 00:37:50,101 樹齢数十年の     このダグラスファーは 336 00:37:50,935 --> 00:37:53,354 今 危機的状況だ 337 00:37:56,023 --> 00:37:59,652 恐ろしい計画をくわだてる ダグラスファー・ビートル 338 00:38:00,820 --> 00:38:02,446 軍隊を召集し 339 00:38:03,239 --> 00:38:04,782 木を殺すのだ 340 00:38:09,161 --> 00:38:12,581 科学的な電気信号を発信し 341 00:38:13,124 --> 00:38:18,254 その木は隣人に防御用の毒を 生成するよう警告する    342 00:38:20,381 --> 00:38:23,426 だが自分は     手遅れかもしれない 343 00:38:28,139 --> 00:38:31,225 豆粒大の害虫が放出する フェロモンは      344 00:38:36,647 --> 00:38:39,233 木の運命をも左右する 345 00:38:45,573 --> 00:38:47,825 援軍を求め 346 00:38:48,993 --> 00:38:51,996 大規模侵略を呼びかける害虫 347 00:38:54,999 --> 00:38:55,791 仲間が—— 348 00:38:57,168 --> 00:38:58,169 到着 349 00:38:59,879 --> 00:39:00,880 交尾 350 00:39:02,131 --> 00:39:03,591 潜入成功 351 00:39:05,718 --> 00:39:10,598 そして彼らの子供たちは 木を生きたまま食べる  352 00:39:13,517 --> 00:39:17,480 この強い木は      数週間以内に死ぬだろう 353 00:39:19,982 --> 00:39:22,193 しかし無欲にも最後に—— 354 00:39:24,528 --> 00:39:29,492 この瀕死の巨木は 根に糖分を送った 355 00:39:35,539 --> 00:39:40,002 その糖分はウッド・ワイド・ ウェブを通して共有される 356 00:39:53,182 --> 00:39:58,854 こうすることで隣人や子孫を 強く育てられるのだ     357 00:40:03,150 --> 00:40:05,236 1つの命が消えゆく中—— 358 00:40:06,445 --> 00:40:11,909 残りの森は 未来のために 闘う準備ができる    359 00:40:16,956 --> 00:40:21,627 木と菌類とのつながりの力は 今も謎が多い        360 00:40:22,753 --> 00:40:27,716 すでに明らかなのは   この深く根づいた関係が 361 00:40:27,883 --> 00:40:31,387 地球上のすべての生命の 基本だということだ   362 00:40:36,684 --> 00:40:40,104 自然界では強い者だけが 生き残ると言われる   363 00:40:44,984 --> 00:40:46,444 だが 協力や 364 00:40:48,070 --> 00:40:49,363 会話で 365 00:40:51,031 --> 00:40:53,617 動物や植物が1つになり 366 00:40:55,411 --> 00:40:58,038 強大な力が結びつくと 367 00:41:02,001 --> 00:41:06,964 一番の弱者でさえ 無敵になれる   368 00:41:10,134 --> 00:41:11,969 自然界に      詳しいつもりなら—— 369 00:41:17,433 --> 00:41:18,601 まだまだだ 370 00:41:52,259 --> 00:41:54,261 日本版字幕 中村 留美