1 00:00:08,258 --> 00:00:09,426 足を踏み入れよう 2 00:00:11,052 --> 00:00:13,096 知覚を超えた世界に 3 00:00:18,977 --> 00:00:22,063 隠された力や 超感覚を持つ—— 4 00:00:23,064 --> 00:00:26,693 驚異的な動物たちの世界 5 00:00:27,694 --> 00:00:29,904 自然界に 詳しいつもりなら—— 6 00:00:32,615 --> 00:00:33,700 まだまだだ 7 00:00:35,076 --> 00:00:39,664 超/自然 8 00:00:43,001 --> 00:00:45,170 予測できないパンチ 9 00:00:46,963 --> 00:00:50,717 ナレーション ベネディクト・ カンバーバッチ 10 00:00:48,965 --> 00:00:50,717 それが一番効く 11 00:01:03,563 --> 00:01:07,984 サンゴ礁には多くの捕食者が 生息している        12 00:01:12,822 --> 00:01:17,869 時には よく見える場所に 身を隠すほうが有利だ  13 00:01:21,164 --> 00:01:23,875 背景に溶け込むのが うまいのは     14 00:01:25,502 --> 00:01:27,295 オニダルマオコゼだ 15 00:01:28,296 --> 00:01:29,422 ハンサム… 16 00:01:32,467 --> 00:01:33,593 そうでもない 17 00:01:35,678 --> 00:01:36,805 だが問題ない 18 00:01:38,556 --> 00:01:41,142 サンゴ礁で     もめ事が起きた時は 19 00:01:42,685 --> 00:01:45,772 常に美よりもスキルが勝る 20 00:01:49,526 --> 00:01:51,820 ペテン師の     オニダルマオコゼは 21 00:01:53,488 --> 00:01:55,657 多くの才能を秘めている 22 00:01:59,661 --> 00:02:02,372 背びれにある13本のトゲには 23 00:02:03,873 --> 00:02:07,210 魚類の中で        最も殺傷力の高い毒があり 24 00:02:08,878 --> 00:02:11,089 攻撃から身を守る 25 00:02:14,509 --> 00:02:15,510 それでも—— 26 00:02:17,554 --> 00:02:19,639 オニダルマオコゼは 身を隠す      27 00:02:22,934 --> 00:02:27,981 うまく隠れようと 砂に埋もれる姿は 28 00:02:29,774 --> 00:02:31,109 恐ろしい 29 00:02:37,157 --> 00:02:40,410 オニダルマオコゼに   気づくのは ほぼ不可能だ 30 00:02:44,539 --> 00:02:47,125 そして 避けることも 31 00:02:53,673 --> 00:02:57,594 動物界でも     その動きは特に速く 32 00:02:57,927 --> 00:03:00,930 避けられない     吸引フィールドを作り… 33 00:03:06,060 --> 00:03:10,398 わずか0.016秒の速さで 獲物を飲み込む    34 00:03:18,156 --> 00:03:23,703 捕食者であれ 被食者であれ 命の危機に瀕した時は   35 00:03:24,537 --> 00:03:28,499 最も強力な特殊能力だけが 身を守るのだ       36 00:03:30,210 --> 00:03:34,297 食うか 食われるか 37 00:03:42,347 --> 00:03:46,100 コスタリカの熱帯雨林の 温室化は        38 00:03:46,935 --> 00:03:50,271 激しい進化競争に 拍車をかけている 39 00:03:51,189 --> 00:03:54,817 狙う者と狙われる者との 争いだ         40 00:03:56,653 --> 00:03:59,030 被食者の逃走力が上がるほど 41 00:04:00,990 --> 00:04:04,494 捕食者は       より凶暴になっていく 42 00:04:09,374 --> 00:04:13,586 ハチクイモドキは 爬虫はちゅう類を好む 43 00:04:17,090 --> 00:04:19,175 これらの       ビジュアルハンターは 44 00:04:19,384 --> 00:04:22,971 その鋭い視力で  獲物をスキャンし 45 00:04:24,013 --> 00:04:26,140 動きを敏感に察知する 46 00:04:30,895 --> 00:04:35,566 このアノールトカゲは   慎重に歩みを進めるべきだ 47 00:04:39,487 --> 00:04:40,905 トカゲが止まれば 48 00:04:42,490 --> 00:04:44,701 ハチクイモドキには見えない 49 00:04:46,786 --> 00:04:49,622 だが トカゲには 相手の姿が見える 50 00:04:51,416 --> 00:04:54,002 彼女の視力にも 特性があるのだ 51 00:04:55,169 --> 00:04:59,882 横向きの目は     ほぼ360度 監視できる 52 00:05:03,678 --> 00:05:06,639 さらに紫外スペクトルに 敏感で——        53 00:05:08,308 --> 00:05:13,813 ハチクイモドキの羽の    コントラストと色を強調する 54 00:05:17,025 --> 00:05:19,193 だが 動かなくては… 55 00:05:20,570 --> 00:05:22,613 彼女にも食料が必要だ 56 00:05:26,659 --> 00:05:28,786 ハチクイモドキが 目をそらすと…  57 00:05:30,580 --> 00:05:32,790 その隙に動く 58 00:05:34,625 --> 00:05:36,002 ほんの少し 59 00:05:40,381 --> 00:05:41,841 ここには何もない 60 00:05:51,517 --> 00:05:54,228 “だるまさんがころんだ〟 のようだ        61 00:05:56,314 --> 00:05:58,399 だが これは遊びではない 62 00:06:08,368 --> 00:06:09,869 一歩間違えれば… 63 00:06:14,874 --> 00:06:15,958 命取りになる 64 00:06:22,006 --> 00:06:24,092 ハチクイモドキが近づくと 65 00:06:25,093 --> 00:06:27,595 トカゲは射程圏外へと移動 66 00:06:39,023 --> 00:06:42,068 だが もう逃げ場がない 67 00:07:11,639 --> 00:07:15,017 ハチクイモドキは  待ち伏せ型捕食者だ 68 00:07:21,482 --> 00:07:25,653 トカゲが水中にいられる 時間は それほど長くない 69 00:07:33,744 --> 00:07:37,665 だが この種は明らかに 普通のトカゲとは違う 70 00:07:43,963 --> 00:07:47,633 彼女には信じられないような 逃走術がある        71 00:07:48,259 --> 00:07:53,264 最近 発見された能力で  撮影されたのはこれが初だ 72 00:07:55,391 --> 00:07:56,517 水中に潜ると 73 00:07:58,853 --> 00:08:02,523 撥水はっすい性のある鱗うろこの間に  閉じ込められた気泡が—— 74 00:08:03,316 --> 00:08:07,695 結合して 頭部へと上昇する 75 00:08:13,284 --> 00:08:15,870 秘密の潜水システムだ 76 00:08:24,629 --> 00:08:26,881 これによって水中でも—— 77 00:08:28,299 --> 00:08:29,592 呼吸できる 78 00:08:33,471 --> 00:08:36,599 この独創的なトカゲの 潜水可能時間は    79 00:08:36,974 --> 00:08:39,101 なんと18分以上 80 00:08:50,404 --> 00:08:56,077 我慢強いハチクイモドキでも 負けを認める長さだ     81 00:09:05,586 --> 00:09:07,088 小さなトカゲには 82 00:09:08,297 --> 00:09:11,509 勝利を収めるのに 十分な長さだ   83 00:09:16,806 --> 00:09:18,808 大半の狩りは成功しない 84 00:09:21,018 --> 00:09:25,398 最強の能力を持つ捕食者でも 捕獲に苦労する       85 00:09:28,609 --> 00:09:33,573 主に肉食の動物は 食事の7割が肉だ 86 00:09:35,366 --> 00:09:39,412 この動物は地上で最も大きく 87 00:09:41,497 --> 00:09:45,710 積極的に人間を狩る  数少ない動物の1つだ 88 00:09:54,552 --> 00:09:57,096 だが ホッキョクグマの 好物は…        89 00:09:59,849 --> 00:10:00,975 アザラシだ 90 00:10:04,937 --> 00:10:07,523 氷点下を生き抜くためには 91 00:10:07,773 --> 00:10:10,860 年間50頭以上    食べなくてならない 92 00:10:12,528 --> 00:10:14,363 だが 捕獲は難しい 93 00:10:15,865 --> 00:10:18,826 アザラシ専門の  ストーカーでもだ 94 00:10:23,289 --> 00:10:25,541 アザラシは尾を風上に向け 95 00:10:25,708 --> 00:10:30,921 背後から近づく捕食者を 嗅覚で察知しながら   96 00:10:31,380 --> 00:10:34,884 前方からの攻撃に 警戒している   97 00:10:39,972 --> 00:10:42,433 そのUV強化視力は 98 00:10:43,851 --> 00:10:47,188 雪と同化するクマを 見抜くことが可能だ 99 00:10:53,986 --> 00:10:58,741 頭もよく        常に非常口の近くにいる 100 00:11:10,086 --> 00:11:14,882 ここでの狩りには    腕力以上のものが必要だ 101 00:11:18,219 --> 00:11:21,305 約2.6平方キロメートルに アザラシは2頭もいない 102 00:11:22,556 --> 00:11:23,808 見つけ出すのは 103 00:11:25,935 --> 00:11:27,269 至難の業だ 104 00:11:31,232 --> 00:11:34,527 しかも気候変動の影響で 海氷が減少している   105 00:11:37,071 --> 00:11:40,616 ホッキョクグマの食料探しは さらに過酷だ        106 00:11:45,871 --> 00:11:50,751 幸い彼女は 並外れた   超感覚を持ち合わせている 107 00:11:54,380 --> 00:11:56,298 嗅覚だ 108 00:11:57,883 --> 00:12:00,886 動物界で最も強力な鼻を持ち 109 00:12:04,348 --> 00:12:07,727 氷の下にいるアザラシも 嗅ぎつける       110 00:12:14,525 --> 00:12:18,863 1.6キロ以上離れた場所から 風が運ぶニオイも感知可能だ 111 00:12:35,963 --> 00:12:37,757 獲物にロックオン 112 00:12:42,470 --> 00:12:44,472 風下から近づき 113 00:12:46,557 --> 00:12:48,017 獲物に迫る 114 00:13:19,465 --> 00:13:23,135 生き抜くためだけでも 食料確保は難しい   115 00:13:27,973 --> 00:13:32,561 成長する家族を養うのは さらに大変だ      116 00:13:34,939 --> 00:13:38,442 1歳を迎える子供は 3分の1にすぎない 117 00:13:42,029 --> 00:13:44,824 次世代のハンターを 育てるのは     118 00:13:45,449 --> 00:13:47,743 過酷な挑戦になりかねない 119 00:13:49,578 --> 00:13:52,623 極めて厳しい環境では特に 120 00:14:00,089 --> 00:14:02,383 食うか食われるかの 世界が広がる——   121 00:14:04,844 --> 00:14:06,762 アリゾナの砂漠 122 00:14:10,808 --> 00:14:12,601 このオオミチバシリの父親は 123 00:14:13,269 --> 00:14:18,148 食欲旺盛な3羽のひな鳥への エサやりでヘトヘトだ    124 00:14:19,859 --> 00:14:23,153 1食分を届けると また次のエサ探し 125 00:14:24,738 --> 00:14:27,408 時速約40キロで駆け回り 126 00:14:29,535 --> 00:14:32,121 可能なものは何でも捕らえる 127 00:14:38,919 --> 00:14:40,880 だが 父親が離れるたび 128 00:14:42,089 --> 00:14:44,300 巣は危険にさらされる 129 00:14:45,050 --> 00:14:48,220 ひなの7割が       捕食者のえじきになるのだ 130 00:14:52,808 --> 00:14:55,311 ブタハナヘビは ニオイの分子を—— 131 00:14:55,436 --> 00:14:58,689 二股に分かれた     それぞれの舌先で感知し 132 00:15:04,528 --> 00:15:09,783 立体的に捉えて 獲物の正確な方向を判断する 133 00:15:24,131 --> 00:15:25,966 さらにエサを確保し 134 00:15:27,384 --> 00:15:28,886 父親が巣へ向かう 135 00:15:32,890 --> 00:15:33,766 危機一髪だ 136 00:15:40,606 --> 00:15:42,274 電光石火の反応に 137 00:15:44,610 --> 00:15:46,278 約5センチのくちばし 138 00:15:48,864 --> 00:15:52,660 彼らが“スネークキラー〟と 呼ばれるのも もっともだ  139 00:15:55,871 --> 00:15:57,915 父親は危険を—— 140 00:15:59,208 --> 00:16:00,584 夕食に変えた 141 00:16:03,379 --> 00:16:07,549 だが このヘビのニオイは 食欲をそそらない    142 00:16:09,343 --> 00:16:13,889 彼らは好き嫌いは多くないが 腐った肉は…        143 00:16:15,349 --> 00:16:16,600 お断りだ 144 00:16:22,398 --> 00:16:24,733 少なくとも ひな鳥は安全だ 145 00:16:30,114 --> 00:16:31,407 そうだろうか? 146 00:16:36,537 --> 00:16:38,497 ゾンビの復活か 147 00:16:40,040 --> 00:16:43,085 それとも 身を守るための 死んだフリか      148 00:16:47,715 --> 00:16:52,720 ブタハナヘビは       腐敗臭のようなニオイを発し 149 00:16:54,847 --> 00:16:56,640 自らの死を装い 150 00:16:57,808 --> 00:17:01,437 いつか死ぬ日が来るまで 生き延びるのだ     151 00:17:08,610 --> 00:17:13,782 防御策の中には       特別に目を見張るものがある 152 00:17:20,122 --> 00:17:22,458 ムクドリの群れ 153 00:17:23,292 --> 00:17:27,046 超個体となった動きは 見る者を魅了する   154 00:17:35,304 --> 00:17:39,892 どのように そしてなぜ  このパターンを作るのかは 155 00:17:40,392 --> 00:17:42,061 いまだ謎のままだ 156 00:17:46,148 --> 00:17:50,360 だが最近 この美の裏にある 動機が明らかになった   157 00:17:51,361 --> 00:17:52,696 錯乱だ 158 00:17:59,578 --> 00:18:01,413 この地のハヤブサは 159 00:18:01,538 --> 00:18:06,001 ヨーロッパの冬にムクドリが 大群を成すことを知っている 160 00:18:07,711 --> 00:18:11,590 開けた田園地帯では 攻撃されやすい   161 00:18:14,009 --> 00:18:15,260 夕暮れ時—— 162 00:18:16,095 --> 00:18:18,722 彼らは集まって身を守る 163 00:18:22,184 --> 00:18:24,937 個々は群れに紛れるが—— 164 00:18:25,979 --> 00:18:27,689 捕食者の気を引く 165 00:18:31,735 --> 00:18:34,029 低空飛行で身を隠し 166 00:18:35,572 --> 00:18:37,908 ハヤブサが近づいていく 167 00:18:43,831 --> 00:18:45,290 そして上昇 168 00:18:47,543 --> 00:18:49,545 群れの上空へ 169 00:18:57,678 --> 00:19:00,848 旋回して急降下 170 00:19:04,351 --> 00:19:05,853 完璧に近い流線形の体で 171 00:19:05,978 --> 00:19:09,231 降下する速度は 時速約400キロ 172 00:19:11,942 --> 00:19:15,445 地球上で最も速い動物だ 173 00:19:21,368 --> 00:19:24,371 ムクドリは        時速80キロがやっとだが—— 174 00:19:25,247 --> 00:19:28,750 彼らには より巧妙な 秘密兵器がある   175 00:19:30,836 --> 00:19:33,463 ある魔法の数字だ 176 00:19:36,091 --> 00:19:39,803 1羽1羽が        最も近くにいる6羽を追い 177 00:19:40,137 --> 00:19:43,140 距離と速度を   正確に一致させる 178 00:19:44,975 --> 00:19:48,228 この6の法則が  群れ全体に広がり 179 00:19:50,564 --> 00:19:53,609 すばらしいディスプレーを 作り出すのだ       180 00:19:55,569 --> 00:19:57,112 それぞれの動きが—— 181 00:19:57,237 --> 00:20:01,200 毎秒約20メートルで  さざ波のように広がる 182 00:20:05,329 --> 00:20:06,705 視覚を混乱させ 183 00:20:08,165 --> 00:20:09,708 予測も難しい 184 00:20:12,044 --> 00:20:14,922 侵入するのは ほぼ不可能だ 185 00:20:18,425 --> 00:20:20,844 狙い撃ちに苦心するハヤブサ 186 00:20:23,263 --> 00:20:28,018 水平飛行では速度の優位性が 大きく損なわれてしまう   187 00:20:30,812 --> 00:20:34,566 ムクドリは人間より早く 視覚的な合図を処理し  188 00:20:36,443 --> 00:20:41,198 ハヤブサの機敏性に    独自の曲芸飛行で対抗する 189 00:20:47,913 --> 00:20:49,998 この驚異の     シンクロニシティは 190 00:20:51,375 --> 00:20:53,835 地球最速の捕食者をも 191 00:20:55,337 --> 00:20:57,005 凌駕りょうがするのだ 192 00:21:07,933 --> 00:21:11,353 80パーセントの確率で   ハヤブサは捕獲に失敗する 193 00:21:17,526 --> 00:21:24,366 数で勝る彼らの壮大な   ショーを見るほかないのだ 194 00:21:38,964 --> 00:21:45,137 攻撃を避ける工夫は     いたるところに隠されている 195 00:21:46,013 --> 00:21:48,724 こんなイギリスの 田舎の庭にも   196 00:21:51,310 --> 00:21:52,853 よく見てみよう 197 00:21:53,979 --> 00:21:56,857 植物にも捕食者がいる 198 00:22:02,738 --> 00:22:07,576 メンガタスズメの好物は 花の蜜だ        199 00:22:09,411 --> 00:22:15,000 だが その子供は貪欲な   トマトキラーとして姿を現す 200 00:22:23,258 --> 00:22:25,510 わずか3週間で—— 201 00:22:27,929 --> 00:22:30,349 腹をすかせたイモムシは 202 00:22:31,850 --> 00:22:35,187 16倍もの大きさに成長する 203 00:22:44,154 --> 00:22:49,117 指ほどの長さまで成長し  ハサミのような大アゴで—— 204 00:22:52,245 --> 00:22:56,083 1匹で植物全体を むさぼり食う   205 00:23:07,010 --> 00:23:11,181 大群で押し寄せれば 作物全体が壊滅する 206 00:23:20,399 --> 00:23:24,236 だが トマトの木には   目に見えない防御力がある 207 00:23:26,738 --> 00:23:30,492 傷ついた葉が     空中に救難信号を発令 208 00:23:34,913 --> 00:23:38,083 揮発性の化学物質で 近くの植物に——   209 00:23:38,750 --> 00:23:40,961 戦いに備えるよう警告する 210 00:23:44,673 --> 00:23:51,138 この警告で近くの葉は 強力な毒を生成し   211 00:23:55,434 --> 00:23:57,936 食べられない状態にするのだ 212 00:24:04,693 --> 00:24:09,281 そして ナス科の植物しか 食べないイモムシたちは 213 00:24:09,781 --> 00:24:11,616 飢え始める 214 00:24:14,286 --> 00:24:19,666 最近 この物語の不気味な 展開が明らかになった  215 00:24:22,711 --> 00:24:24,421 食料がなくなると… 216 00:24:29,634 --> 00:24:30,886 彼らは 217 00:24:32,429 --> 00:24:33,805 互いを食べる 218 00:24:37,767 --> 00:24:39,644 共食いイモムシ 219 00:24:41,897 --> 00:24:44,691 身の毛もよだつ  害虫駆除法により 220 00:24:46,318 --> 00:24:49,446 キラートマトの逆襲成功だ 221 00:24:52,324 --> 00:24:55,660 自然界で         誰が最も殺傷力があるかは 222 00:24:57,037 --> 00:24:59,623 すべて見方による 223 00:25:05,212 --> 00:25:07,214 ヨーロッパの草原では 224 00:25:08,548 --> 00:25:11,843 コビトジャコウネズミが 目覚めたところだ    225 00:25:13,762 --> 00:25:15,972 スロースタートではない 226 00:25:16,598 --> 00:25:20,310 彼女の脈拍は毎分    1000回以上にも上昇する 227 00:25:21,353 --> 00:25:25,899 さあ 外に出て  狩りをする時間だ 228 00:25:31,613 --> 00:25:36,701 哺乳類の中で最も代謝が高い この大興奮の殺人鬼は    229 00:25:36,826 --> 00:25:40,830 1日に体重の6倍もの量を 食べなければ——      230 00:25:42,290 --> 00:25:43,708 飢え死にする 231 00:25:45,335 --> 00:25:47,796 それが獲物を見つける秘訣だ 232 00:25:49,381 --> 00:25:52,467 この大きな耳は   あまりよく聞こえず 233 00:25:53,677 --> 00:25:55,679 目もとても小さい 234 00:25:57,305 --> 00:25:59,349 ほぼ目隠し状態での狩りだ 235 00:26:03,061 --> 00:26:07,065 幸い 別の感覚は とても優れている 236 00:26:09,776 --> 00:26:14,406 ヒゲで周りの世界を   感じることができるのだ 237 00:26:16,241 --> 00:26:20,829 体長の4分の1の長さの  ヒゲで周囲をスキャンする 238 00:26:23,957 --> 00:26:26,167 触覚はとても鋭く 239 00:26:27,210 --> 00:26:30,547 わずかな振動で  瞬時に攻撃できる 240 00:26:34,175 --> 00:26:35,927 0.025秒 241 00:26:36,761 --> 00:26:40,348 まばたきの12倍の速さだ 242 00:26:44,352 --> 00:26:47,230 この小さな幼虫は 前菜にすぎない  243 00:26:48,356 --> 00:26:50,859 ここから大虐殺が始まる 244 00:27:06,708 --> 00:27:09,336 アーモンドほどの 大きさしかなく  245 00:27:09,961 --> 00:27:12,464 地球上で最も小さな 哺乳類だが     246 00:27:14,257 --> 00:27:16,259 大体は手が届く 247 00:27:21,598 --> 00:27:26,519 2倍の大きさのイナゴでさえ 格好のえじきだ       248 00:27:49,626 --> 00:27:53,505 一連の食事を終えると いったん休憩     249 00:27:54,589 --> 00:27:56,007 再充電だ 250 00:27:59,719 --> 00:28:02,389 わずか7分の仮眠で—— 251 00:28:04,349 --> 00:28:08,019 小さなモンスターが また野放しになる  252 00:28:17,487 --> 00:28:20,156 同じヨーロッパの草原の 上空では        253 00:28:20,365 --> 00:28:23,576 別の小さな捕食者もまた 狩りの最中だ      254 00:28:28,081 --> 00:28:31,876 ホオヒゲコウモリの聴覚は 非常に敏感で       255 00:28:32,252 --> 00:28:36,047 約40メートル先の  昆虫の鳴き声を聞き 256 00:28:36,923 --> 00:28:41,803 その方向やサイズや形を 判断できる       257 00:28:46,975 --> 00:28:48,435 コウモリの巡回中—— 258 00:28:49,310 --> 00:28:52,731 動いたり        音を立てたりする虫には… 259 00:28:58,361 --> 00:29:00,155 死が迫る 260 00:29:07,620 --> 00:29:11,958 だが キタササキリは 別のことを思案中だ 261 00:29:15,545 --> 00:29:19,632 夏の夕暮れ時 草原では たくさんのオスが——  262 00:29:20,216 --> 00:29:24,971 メスを引きつけようと   できるだけ大きな声で鳴く 263 00:29:30,018 --> 00:29:34,147 このオスはライバルより 大きく鳴く決意だ    264 00:29:36,065 --> 00:29:40,195 キリギリスは足に付いた耳も よく聞こえるため      265 00:29:42,113 --> 00:29:44,783 コウモリには気づいている 266 00:29:45,825 --> 00:29:48,536 それでも黙ることなく 267 00:29:49,329 --> 00:29:53,666 電動ドリルのように  大きな音で歌い上げる 268 00:29:55,460 --> 00:29:57,212 コウモリが近づいても 269 00:29:59,047 --> 00:30:02,550 黙るどころか   さらに大きく鳴く 270 00:30:06,429 --> 00:30:10,892 交尾への欲求が     死を招いてしまいそうだ 271 00:30:13,353 --> 00:30:17,690 だが 驚くべき新発見により この引き寄せる力には   272 00:30:18,107 --> 00:30:20,485 反発力もあることが分かった 273 00:30:21,986 --> 00:30:27,033 大きな歌声は コオロギの 敏感な耳には苦痛だ   274 00:30:29,536 --> 00:30:34,249 コオロギはコウモリの 特殊能力を弱点に変え 275 00:30:34,749 --> 00:30:38,169 周囲に約1メートルの 飛行禁止区域を作る  276 00:30:44,008 --> 00:30:47,846 メスを求めて鳴くのは 1匹だけではないため 277 00:30:48,263 --> 00:30:52,767 耳をつんざくような音の波で 草原全体が守られるのだ   278 00:31:00,817 --> 00:31:06,406 コウモリを追い払う音が メスたちを興奮させる  279 00:31:07,490 --> 00:31:10,201 騒がしいほど 魅力的なのだ 280 00:31:13,371 --> 00:31:15,039 しばしば 最善の防御は 281 00:31:16,958 --> 00:31:18,710 最善の攻撃だ 282 00:31:21,880 --> 00:31:27,385 カリブ海では       それが逆転勝利をもたらす 283 00:31:34,851 --> 00:31:35,852 夕暮れは 284 00:31:36,060 --> 00:31:39,898 暗礁の上を泳ぐ小さな  魚にとって危険な時間だ 285 00:31:41,858 --> 00:31:45,278 体長わずか2.5センチの このテンジクダイは  286 00:31:45,486 --> 00:31:48,990 ミノカサゴの食事になるのを 避けねばならない      287 00:32:02,879 --> 00:32:05,381 だが 彼も食事が必要だ 288 00:32:13,848 --> 00:32:16,142 光に敏感な巨大な目で 289 00:32:16,267 --> 00:32:19,228 暗闇でも小さな獲物を 見つけられる     290 00:32:24,734 --> 00:32:28,821 砂粒ほどの大きさの甲殻類 オストラコッドなら    291 00:32:29,572 --> 00:32:31,741 何とか食べられるはずだ 292 00:32:41,584 --> 00:32:44,003 手を出す相手を間違えた 293 00:32:47,674 --> 00:32:49,425 オストラコッドは 294 00:32:49,550 --> 00:32:53,137 体内に揮発性の化学物質を 蓄えている        295 00:32:54,555 --> 00:32:55,765 攻撃されると… 296 00:32:56,224 --> 00:32:57,850 化合物が混ざり合い 297 00:32:58,059 --> 00:33:02,689 懐中電灯よりも明るい 生物発光が起こる   298 00:33:05,316 --> 00:33:07,568 そして不快な味を残す 299 00:33:10,488 --> 00:33:14,117 テンジクダイが    無傷で吐き出すほどだ 300 00:33:18,079 --> 00:33:23,126 彼らは化学物質の蓄えにより 10回連続で爆発を起こせる  301 00:33:29,132 --> 00:33:31,467 この甲殻類の脱出計画は 302 00:33:32,343 --> 00:33:34,303 さらに優れた点がある 303 00:33:39,976 --> 00:33:44,397 フラッシュはとても明るく 目をくらますだけでなく  304 00:33:47,275 --> 00:33:49,193 相手を売るのだ 305 00:33:52,655 --> 00:33:57,535 テンジクダイは気の毒にも 一時的に目が見えなくなる 306 00:33:58,453 --> 00:34:00,830 だが 敵からは丸見えだ 307 00:34:05,418 --> 00:34:06,502 海には 308 00:34:07,587 --> 00:34:10,256 常に より大きな魚がいる 309 00:34:16,888 --> 00:34:18,765 究極のハンター 310 00:34:21,851 --> 00:34:24,312 最も広範囲に生息する 捕食者は       311 00:34:27,065 --> 00:34:29,942 世界中の海の     いたるところに現れる 312 00:34:31,194 --> 00:34:35,531 シャチは驚くべき方法で  狩猟技術を適応させるのだ 313 00:34:36,199 --> 00:34:39,577 北極圏のフィヨルドでは ヒレで魚を気絶させ   314 00:34:40,411 --> 00:34:42,246 群れから奪い取る 315 00:34:43,956 --> 00:34:48,586 外洋では 協力して   シロナガスクジラを追う 316 00:34:49,462 --> 00:34:52,006 史上最大の動物だ 317 00:35:02,308 --> 00:35:07,814 だが 最も印象的なのは ここのシャチハンターだ 318 00:35:10,024 --> 00:35:12,860 パタゴニアの   バルデス半島には 319 00:35:13,027 --> 00:35:18,157 難しく危険な狩りをする シャチの群れポッドが生息し  320 00:35:18,699 --> 00:35:21,702 その技術の習得には 何年もかかる    321 00:35:23,204 --> 00:35:27,125 女家長が その秘密を 代々受け継いでいく 322 00:35:29,127 --> 00:35:31,045 他の家族は 323 00:35:31,212 --> 00:35:35,424 ベテランの40年にわたる 狩猟経験から学ぶのだ  324 00:35:45,268 --> 00:35:49,814 毎春 パタゴニアの海岸には アシカが繁殖にやってくる 325 00:35:56,070 --> 00:35:59,657 子供たちは浅瀬で泳ぎを学ぶ 326 00:35:59,907 --> 00:36:02,743 ここならハンターも来ない 327 00:36:05,329 --> 00:36:06,581 大半は… 328 00:36:10,626 --> 00:36:15,173 家長が家族に        アシカの狙い方を教えている 329 00:36:16,090 --> 00:36:18,926 ほぼ毎日      同じルートをたどり 330 00:36:19,051 --> 00:36:22,221 海岸線に沿ったコースで ポッドを誘導      331 00:36:25,141 --> 00:36:28,728 卓越した頭脳や      コミュニケーション能力で 332 00:36:29,353 --> 00:36:32,732 目印を示しながら 家族に合図を送る 333 00:36:38,070 --> 00:36:43,284 子供が頭に狩り場の地図を 描けるよう手助けするのだ 334 00:36:54,295 --> 00:36:59,008 同時にコンフォートゾーンを 抜け出す方法も教える    335 00:37:03,179 --> 00:37:06,390 獲物の捕獲を始める前に—— 336 00:37:06,974 --> 00:37:11,604 まず浅瀬での身のこなしを 学ばなければならない   337 00:37:15,066 --> 00:37:18,569 だが 座礁するリスクは 非常に高い      338 00:37:19,320 --> 00:37:23,824 6トンのシャチは     自重ですぐに潰れてしまう 339 00:37:24,450 --> 00:37:26,869 なかなか再浮上できない時は 340 00:37:27,453 --> 00:37:31,290 家長がそばにいて 海に戻してくれる 341 00:37:42,468 --> 00:37:46,973 それでも シャチが     本格的に狩りに挑戦するには 342 00:37:47,139 --> 00:37:49,767 6年もの長い年月がかかる 343 00:37:54,230 --> 00:37:56,232 任務に向かう家長 344 00:37:59,151 --> 00:38:03,864 狩りをする海岸に近づくと 声を出すのをやめる    345 00:38:07,743 --> 00:38:08,953 耳を澄ます 346 00:38:15,501 --> 00:38:20,381 いつ どこを攻撃すべきか 正確に把握している   347 00:38:22,133 --> 00:38:23,509 満潮や 348 00:38:25,052 --> 00:38:26,595 急こう配のビーチ 349 00:38:28,514 --> 00:38:31,851 丸い小石が 彼女を   海へと押し戻してくれる 350 00:38:33,352 --> 00:38:36,689 何頭もの無防備な獲物と共に 351 00:38:42,945 --> 00:38:45,906 子供が最適な位置に 来るまで待機    352 00:38:48,326 --> 00:38:50,119 波打ち際だ 353 00:38:52,538 --> 00:38:55,249 浅すぎて       安全な場所まで泳げず 354 00:38:57,126 --> 00:39:00,463 波が激しく       敵の接近には気づけない 355 00:39:36,290 --> 00:39:39,168 完璧な捕食を学ぶ 上級クラスは   356 00:39:39,794 --> 00:39:42,671 彼女の技術の継承に不可欠だ 357 00:39:45,216 --> 00:39:50,179 彼らが本格的な狩りに  出る頃には 次の世代が—— 358 00:39:50,679 --> 00:39:54,600 捕食者との戦いに     十分に備えることができる 359 00:39:58,938 --> 00:40:00,606 生きることは使命だ 360 00:40:03,401 --> 00:40:06,570 主な目的は生存 361 00:40:10,032 --> 00:40:12,576 動物たちは秘密兵器や 362 00:40:15,996 --> 00:40:17,415 秘めた力を進化させ 363 00:40:19,166 --> 00:40:20,709 敵の上を行く 364 00:40:22,336 --> 00:40:25,047 生きるか死ぬかの瞬間には 365 00:40:27,049 --> 00:40:31,846 勝ち抜くための      並外れた能力が必要なのだ 366 00:40:36,600 --> 00:40:38,561 自然界に 詳しいつもりなら—— 367 00:40:40,896 --> 00:40:42,022 まだまだだ 368 00:41:05,337 --> 00:41:07,381 日本版字幕 中村 留美