1
00:00:08,258 --> 00:00:09,467
足を踏み入れよう

2
00:00:11,136 --> 00:00:13,138
知覚を超えた世界に

3
00:00:19,019 --> 00:00:22,272
隠された力や　
超感覚を持つ——

4
00:00:23,148 --> 00:00:26,693
驚異的な動物たちの世界

5
00:00:27,569 --> 00:00:29,863
自然界に　　　　　
詳しいつもりなら——

6
00:00:32,657 --> 00:00:33,783
まだまだだ

7
00:00:35,201 --> 00:00:39,664
超／自然

8
00:00:45,295 --> 00:00:46,880
競争の激しい世界で——

9
00:00:47,338 --> 00:00:50,717
ナレーション
ベネディクト･
カンバーバッチ

10
00:00:48,048 --> 00:00:53,344
敵と味方を見分けるのは
とても難しい　　　　　

11
00:00:55,722 --> 00:00:57,390
カラハリ砂漠

12
00:00:58,808 --> 00:01:03,646
ここでは最もジューシーで
タフな生き物が 炎天下で

13
00:01:05,106 --> 00:01:07,150
地下に追いやられている

14
00:01:10,820 --> 00:01:15,200
彼らにありつけるのは　
超一流のハンターだけだ

15
00:01:21,247 --> 00:01:22,290
ミーアキャットは

16
00:01:22,373 --> 00:01:25,668
地中の最高の獲物を
嗅ぎ分けられる　　

17
00:01:35,804 --> 00:01:38,181
だが 砂に頭を突っ込み

18
00:01:39,432 --> 00:01:41,976
１日８時間　　　　
掘り続けるとなると…

19
00:01:47,190 --> 00:01:51,861
高い場所に味方がいたほうが
有利だ　　　　　　　　　　

20
00:01:57,826 --> 00:02:00,203
オウチュウの鋭い視力は

21
00:02:00,870 --> 00:02:05,416
90メートル以上離れた　
小さな虫を捕らえられる

22
00:02:07,085 --> 00:02:11,965
上からなら約1.6キロ先の
敵も発見可能だ　　　　

23
00:02:20,765 --> 00:02:23,852
例えば 約６キロの　　
ミーアキャットを狙う——

24
00:02:23,977 --> 00:02:25,061
ゴマバラワシ

25
00:02:27,647 --> 00:02:31,192
オウチュウから　　　　　
ミーアキャットへの合図だ

26
00:02:32,402 --> 00:02:34,195
“空から脅威が接近〟

27
00:02:53,256 --> 00:02:54,674
信頼する友達が——

28
00:02:56,092 --> 00:02:57,594
警報を解除

29
00:02:58,261 --> 00:03:00,722
もう外に出ても安全だ

30
00:03:15,028 --> 00:03:17,113
そして 穴掘りを再開

31
00:03:25,079 --> 00:03:26,372
大当たり！

32
00:03:26,623 --> 00:03:30,460
水分とタンパク質が　　　
一度に取れる有毒な獲物だ

33
00:03:39,844 --> 00:03:44,057
幸い ミーアキャットは
サソリを始末する名人だ

34
00:03:46,768 --> 00:03:50,271
だが この話には　
さらなる展開がある

35
00:03:53,566 --> 00:03:55,151
また警報だ！

36
00:04:03,534 --> 00:04:04,827
だが 今回は…

37
00:04:06,621 --> 00:04:08,998
ワシの姿はない

38
00:04:16,965 --> 00:04:18,216
オウチュウは

39
00:04:19,217 --> 00:04:20,343
ウソつきだ

40
00:04:21,219 --> 00:04:22,887
狡猾こうかつな詐欺師は

41
00:04:23,346 --> 00:04:26,224
ミーアキャットの努力を
利用して　　　　　　　

42
00:04:26,724 --> 00:04:29,102
タダ飯を食らうのだ

43
00:04:31,437 --> 00:04:33,648
だが 警報を繰り返すと…

44
00:04:44,742 --> 00:04:47,328
ミーキャットも魂胆に気づく

45
00:05:00,383 --> 00:05:03,136
この鳴き声は無視できない

46
00:05:04,762 --> 00:05:05,888
仲間の警報だ

47
00:05:18,401 --> 00:05:19,444
本当に？

48
00:05:23,906 --> 00:05:25,658
巧妙なオウチュウは

49
00:05:30,079 --> 00:05:33,249
模倣も驚くほどうまい

50
00:05:36,502 --> 00:05:40,715
警報のコピーを　　　　
30種類も使い分けられる

51
00:05:43,217 --> 00:05:46,554
オウチュウが　　　　
本物の警報を出す限り

52
00:05:46,846 --> 00:05:50,767
彼らは友を装う敵を　　　
無視するわけにはいかない

53
00:05:53,353 --> 00:05:57,357
動物たちは並外れた力で
競争相手を出し抜く　　

54
00:05:59,442 --> 00:06:04,447
だが最大の敵は 予想外の
相手であることが多い　

55
00:06:07,658 --> 00:06:14,457
ライバル

56
00:06:21,547 --> 00:06:24,717
自然界では　　　　　　　
いたるところに争いがある

57
00:06:27,637 --> 00:06:30,807
このオーストラリアの公園は
一見 平和そうだ　　　　　

58
00:06:33,559 --> 00:06:37,480
だが ここには争いをあおり

59
00:06:38,648 --> 00:06:41,526
それをうまく利用する
動物がいる　　　　　

60
00:06:44,529 --> 00:06:47,698
このヨーロッパハムスターの
メスは　　　　　　　　　　

61
00:06:47,949 --> 00:06:50,701
理想の配偶者を探し中だ

62
00:06:54,414 --> 00:06:57,625
ここには通常　　　　　　
十数匹のオスが住んでいる

63
00:07:04,048 --> 00:07:06,634
だが 品定めには
時間をかけず　

64
00:07:07,385 --> 00:07:09,720
彼女はコンテストを開く

65
00:07:12,557 --> 00:07:17,437
彼女の魅惑的な鳴き声は
強力な超音波だ　　　　

66
00:07:17,770 --> 00:07:20,898
スローにしないと　
人間には聞こえない

67
00:07:22,900 --> 00:07:27,989
だが 約18メートル以内の
オスには はっきりと届く

68
00:07:31,534 --> 00:07:32,785
レース開始だ

69
00:07:46,174 --> 00:07:49,218
反応が早いのは いい兆候だ

70
00:07:50,511 --> 00:07:53,598
先頭２匹　　　　　　　
どちらにするか迷ったら…

71
00:07:58,227 --> 00:08:00,271
彼女は独特の香りを放つ

72
00:08:03,608 --> 00:08:05,610
強力な媚薬だ

73
00:08:10,156 --> 00:08:11,449
少し嗅ぐだけで

74
00:08:12,074 --> 00:08:15,536
オスの血中には　　　　　
アドレナリンが放出される

75
00:08:16,871 --> 00:08:19,916
テストステロン値は
10倍にもなり…　　

76
00:08:23,461 --> 00:08:28,466
フワフワの動物を 牙のある
怒りの塊に変えてしまう　

77
00:08:35,139 --> 00:08:37,183
命懸けの戦いだ

78
00:08:43,481 --> 00:08:48,110
メスは ２匹に　　　　
決着をつけさせればいい

79
00:09:19,308 --> 00:09:20,810
ライバルを追い払い

80
00:09:23,896 --> 00:09:27,358
勝者は身なりを整える

81
00:09:30,486 --> 00:09:33,781
いよいよ配偶者とご対面だ

82
00:09:37,243 --> 00:09:40,037
だが 真の勝者はメスだろう

83
00:09:42,832 --> 00:09:44,917
オスに自分を奪い合わせ

84
00:09:45,793 --> 00:09:48,879
理想のパートナーを　
確実に ものにしたのだ

85
00:10:03,269 --> 00:10:06,522
ライバルに立ち向かえば
争いになりかねない　　

86
00:10:08,983 --> 00:10:14,196
中には 何としても　　　
ケンカを避ける動物もいる

87
00:10:15,323 --> 00:10:18,117
カリフォルニアの
海藻の森にいる——

88
00:10:18,576 --> 00:10:20,411
手のひらサイズの魚——

89
00:10:20,536 --> 00:10:22,997
サーカスティック
フリンジヘッド　

90
00:10:26,792 --> 00:10:29,170
その奇妙な膨らんだ目で

91
00:10:29,712 --> 00:10:32,632
四方の危険を　　　
見渡すことができる

92
00:10:41,557 --> 00:10:44,894
彼らのような小さな魚は
狙われやすい　　　　　

93
00:10:48,189 --> 00:10:50,066
どこかに隠れなくては

94
00:10:52,234 --> 00:10:55,905
巻き貝の殻は　　　
隠れ家にピッタリだ

95
00:11:10,419 --> 00:11:14,048
だが そこにはすでに先客が

96
00:11:14,590 --> 00:11:16,884
ツースポットタコだ

97
00:11:24,350 --> 00:11:28,854
隠れ家は需要が高く
奪い合いになる　　

98
00:11:29,814 --> 00:11:32,441
だが 争う相手は
同じ大きさがいい

99
00:11:36,779 --> 00:11:38,197
別のフリンジヘッドだ

100
00:11:40,700 --> 00:11:46,580
彼らは負傷を避けるため　
風変わりな方法で対峙たいじする

101
00:11:56,006 --> 00:12:00,803
彼らの口は　　　　　　
体の３倍も大きく広がる

102
00:12:05,015 --> 00:12:08,185
驚きのディスプレーは
これだけではない　　

103
00:12:10,813 --> 00:12:15,234
我々の目には見えないが
大きく開いた口は　　　

104
00:12:15,943 --> 00:12:18,738
紫外線による警告を
発している　　　　

105
00:12:21,031 --> 00:12:23,492
強さを示す秘密の合図だ

106
00:12:24,201 --> 00:12:27,246
彼らは これで　　　
どちらが強いか判断し

107
00:12:28,330 --> 00:12:30,249
争いの激化を防ぐ

108
00:12:46,515 --> 00:12:49,894
追い払われたが　　　
少なくともケガはない

109
00:12:50,686 --> 00:12:52,396
立場は逆転

110
00:12:54,482 --> 00:12:57,985
外界から身を守れるのは
この侵入者だ　　　　　

111
00:13:05,868 --> 00:13:07,995
自然は豊かに見える

112
00:13:08,746 --> 00:13:12,166
だが 海中でも陸上でも

113
00:13:14,502 --> 00:13:18,088
場所や食料は　　　　
奪い合わねばならない

114
00:13:21,884 --> 00:13:23,969
ボツワナの　　　
オカバンゴ･デルタ

115
00:13:24,970 --> 00:13:27,723
この地で　　　　　　
激闘を繰り広げるのは

116
00:13:29,475 --> 00:13:31,101
肉食動物同士だ

117
00:13:39,527 --> 00:13:43,906
リカオンの群れに立ち向かう
１匹のハイエナ　　　　　　

118
00:13:45,115 --> 00:13:49,328
群れを離れ より広い範囲で
食料を探している　　　　

119
00:13:50,079 --> 00:13:52,706
こうなると 危険な戦略だ

120
00:13:54,708 --> 00:13:57,002
だが 驚異的な
免疫システムと

121
00:13:58,212 --> 00:14:00,923
超自然的な　　　　　　
サバイバルスキルを持ち

122
00:14:02,842 --> 00:14:04,844
負け犬には程遠い

123
00:14:09,515 --> 00:14:15,688
並外れた嗅覚で約３キロ先の
獲物も感知できる　　　　　

124
00:14:22,027 --> 00:14:25,865
体長 約180センチ
体重 680キロ　　

125
00:14:26,532 --> 00:14:28,409
ケープバッファロー
１頭で——　　　　　

126
00:14:28,492 --> 00:14:31,287
群れクラン全体を　　　　　　
１週間 養うことができる

127
00:14:42,965 --> 00:14:45,342
１匹で戦うのは無理だ

128
00:14:48,554 --> 00:14:54,643
だが 霊長類と同等の知能で
戦略的なアプローチを取れる

129
00:14:57,813 --> 00:15:00,357
ライバルに　　　　　
主導権を握らせるのだ

130
00:15:06,113 --> 00:15:07,865
大きさは最大で２倍

131
00:15:10,451 --> 00:15:12,077
体重は４倍

132
00:15:13,370 --> 00:15:17,207
ライオンはハイエナの
最大の敵だ　　　　　

133
00:15:21,754 --> 00:15:25,716
群れプライドでの狩りは　
さらにパワフルだ

134
00:15:37,186 --> 00:15:42,066
だが バッファローが最大　
600頭もの大群で移動すると

135
00:15:46,445 --> 00:15:48,781
重武装のハンターでも

136
00:15:49,698 --> 00:15:51,075
戦いを挑めない

137
00:16:04,588 --> 00:16:06,131
賢い捕食者は

138
00:16:07,841 --> 00:16:09,343
チャンスを待つ

139
00:16:14,848 --> 00:16:16,392
夜が近づくにつれ

140
00:16:18,519 --> 00:16:19,895
形勢は逆転

141
00:16:28,946 --> 00:16:35,536
ライオンは目に反射板があり
人間の６倍も暗視能力が高い

142
00:16:37,371 --> 00:16:39,957
その目に映るのは
我々が——　　　　

143
00:16:41,458 --> 00:16:43,669
超高感度カメラで見る世界だ

144
00:16:46,755 --> 00:16:50,676
涼しい夜には　　　　　　
ハンターたちが活発になり

145
00:16:53,804 --> 00:16:56,807
暗闇に身を隠し
攻撃を仕掛ける

146
00:17:02,604 --> 00:17:05,065
ハイエナの暗視能力も高い

147
00:17:08,736 --> 00:17:13,198
ライオンの懸命な狩りを
見るには 好都合だ　　

148
00:17:28,672 --> 00:17:29,506
今こそ——

149
00:17:30,466 --> 00:17:33,135
作戦を実行に移す時だ

150
00:17:37,514 --> 00:17:42,895
雄たけびを地面で跳ね返し
音を増幅させる　　　　　

151
00:17:50,402 --> 00:17:54,865
その声は最長約9.5キロ先の
超高感度な耳まで届き　　

152
00:18:01,455 --> 00:18:04,041
クランを集結させられるのだ

153
00:18:13,342 --> 00:18:16,845
ハイエナは応援を待ちながら
時間を稼ぐ　　　　　　　　

154
00:18:21,809 --> 00:18:25,896
ライオンの気を散らし
食事の邪魔をするのだ

155
00:18:32,444 --> 00:18:34,029
だが 注意が必要だ

156
00:18:35,906 --> 00:18:38,784
前足一振りで殺されかねない

157
00:18:40,160 --> 00:18:43,038
１匹では防戦一方だ

158
00:18:48,418 --> 00:18:51,213
だが 20匹の仲間が
バックについたら

159
00:18:52,756 --> 00:18:54,967
いよいよ突撃開始だ

160
00:18:59,721 --> 00:19:03,934
ハイエナはライオン以上に
チームプレーがうまい　　

161
00:19:17,656 --> 00:19:18,699
協力して——

162
00:19:21,368 --> 00:19:23,745
プライドを疲弊させる

163
00:19:26,915 --> 00:19:29,376
ライオンには引き時が分かる

164
00:19:41,930 --> 00:19:44,099
骨を砕くアゴと

165
00:19:46,602 --> 00:19:49,188
それを消化する
強力な胃により

166
00:19:50,147 --> 00:19:54,860
バッファローは わずか　
数時間で跡形もなく消える

167
00:20:02,910 --> 00:20:06,496
腹を満たし　　　　　
クランも勢ぞろいした

168
00:20:10,167 --> 00:20:14,671
長年の肉食獣戦争で
権力を握ったのは　

169
00:20:15,505 --> 00:20:18,008
今日のところはハイエナだ

170
00:20:23,639 --> 00:20:27,726
何百万年もの間　　　　
対立を続ける動物もいる

171
00:20:29,728 --> 00:20:32,481
強い敵を撃退する
秘密兵器を——　　

172
00:20:32,606 --> 00:20:35,400
進化させるのに十分な年月だ

173
00:20:38,445 --> 00:20:40,572
オオスズメバチ

174
00:20:41,698 --> 00:20:43,742
世界最大のハチだ

175
00:20:45,202 --> 00:20:48,872
体長は約５センチ　
非常に肉食性が高い

176
00:20:55,712 --> 00:20:59,216
その４分の１の大きさの
ニホンミツバチは　　　

177
00:20:59,424 --> 00:21:01,260
無防備に見える

178
00:21:02,219 --> 00:21:04,096
敵は重武装のスズメバチだ

179
00:21:07,432 --> 00:21:08,976
約６ミリの毒針と

180
00:21:09,893 --> 00:21:11,895
特大のアゴで

181
00:21:13,397 --> 00:21:17,025
スズメバチは１分間に　
40匹のミツバチを殺せる

182
00:21:22,072 --> 00:21:24,449
だが 狙いは　　
ミツバチではない

183
00:21:32,249 --> 00:21:33,792
彼らの赤ん坊だ

184
00:21:38,505 --> 00:21:42,759
この木には何千もの幼虫が
潜んでいる　　　　　　　

185
00:21:46,096 --> 00:21:49,474
彼らを守るのは　　
２万匹の働きバチだ

186
00:21:58,191 --> 00:22:01,695
スズメバチ１匹では
手に負えない　　　

187
00:22:03,238 --> 00:22:05,282
そこで 彼らの要塞から

188
00:22:06,575 --> 00:22:07,993
のろしを上げる

189
00:22:12,873 --> 00:22:16,293
スズメバチはエサを探し
１日に約96キロ 移動する

190
00:22:17,002 --> 00:22:19,463
家族から合図を受け取ると

191
00:22:20,839 --> 00:22:22,591
捜索を終え集合だ

192
00:22:29,806 --> 00:22:30,724
数時間で——

193
00:22:31,975 --> 00:22:36,271
この暗殺者集団は　　　　　
巣を全滅させることができる

194
00:22:47,657 --> 00:22:49,451
外側の防御を突破

195
00:22:50,994 --> 00:22:51,912
次は…

196
00:22:54,414 --> 00:22:55,499
保育室だ

197
00:22:58,543 --> 00:23:01,004
コロニーの命運は尽きた…

198
00:23:03,465 --> 00:23:04,466
いや

199
00:23:05,008 --> 00:23:08,261
ミツバチには生き残るための
奥の手がある　　　　　　　

200
00:23:11,056 --> 00:23:14,059
彼らは科学的なアラームで
一体となり　　　　　　　

201
00:23:15,394 --> 00:23:17,270
スズメバチに群がる

202
00:23:25,570 --> 00:23:28,615
そして それぞれが
飛翔筋を震わせる

203
00:23:30,117 --> 00:23:32,786
１匹が発する熱量はわずかだ

204
00:23:33,912 --> 00:23:37,999
だが 一体となれば
恐るべき力となる

205
00:23:39,876 --> 00:23:43,255
サーマルカメラで見ると
中心温度の上昇が分かる

206
00:23:45,132 --> 00:23:49,177
この熱殺蜂球は精密兵器だ

207
00:23:50,178 --> 00:23:52,889
温度が１度 高ければ
自滅してしまう　　

208
00:23:54,850 --> 00:23:58,186
摂氏47度ちょうどが——

209
00:23:59,271 --> 00:24:04,109
スズメバチを生きたまま　
調理するのに最適な温度だ

210
00:24:22,335 --> 00:24:24,463
両者とも犠牲は免れない

211
00:24:28,258 --> 00:24:31,761
だが ミツバチは　　　
一丸となる見事な能力で

212
00:24:32,888 --> 00:24:35,765
確実にコロニーを存続させる

213
00:24:46,693 --> 00:24:50,071
数の多さは身を守る

214
00:24:51,990 --> 00:24:55,410
だが同時に　　　　　　
争いを身近なものにする

215
00:24:58,413 --> 00:25:00,957
スコットランドの
バス･ロック　　

216
00:25:02,751 --> 00:25:05,879
15万羽の　　　　　
シロカツオドリが——

217
00:25:07,464 --> 00:25:09,966
１つの岩に巣を作っている

218
00:25:10,967 --> 00:25:13,512
面積は2.5平方キロにも
満たない　　　　　　

219
00:25:15,555 --> 00:25:20,477
上空からは 完全に　　　
調和しているように見える

220
00:25:23,021 --> 00:25:24,856
だが 錯覚に過ぎない

221
00:25:32,155 --> 00:25:35,867
巣同士が くちばし２つ分
離れているのは　　　　

222
00:25:36,076 --> 00:25:36,952
理由があるのだ

223
00:25:37,994 --> 00:25:43,291
誰かがそれを越えると　　
彼らの敵対意識が露呈する

224
00:25:46,378 --> 00:25:49,047
水を切り裂くよう　　　　
デザインされた くちばしは

225
00:25:49,172 --> 00:25:51,174
時速約96キロで魚を捕らえ

226
00:25:52,425 --> 00:25:55,136
凶暴な武器にもなる

227
00:26:16,825 --> 00:26:21,079
場所をめぐる争いは　　　
２時間にも及ぶことがある

228
00:26:36,136 --> 00:26:37,846
そして犠牲を伴う

229
00:26:46,396 --> 00:26:50,275
自然界において　　
平和は危ういものだ

230
00:26:59,534 --> 00:27:01,411
争いは常に——

231
00:27:02,579 --> 00:27:04,581
水面下に潜んでいる

232
00:27:14,591 --> 00:27:17,177
血統を守るためなら——

233
00:27:18,136 --> 00:27:20,722
さらに卑劣な手を使う
動物もいる　　　　　

234
00:27:22,474 --> 00:27:24,768
タンザニアの　　
タンガニーカ湖は

235
00:27:25,018 --> 00:27:27,312
争いの温床だ

236
00:27:31,274 --> 00:27:33,443
オスのアフリカカワスズメ

237
00:27:33,652 --> 00:27:35,987
メスに好かれようと必死だ

238
00:27:41,951 --> 00:27:43,828
得意のダンスを披露

239
00:27:58,718 --> 00:28:02,222
こう見えて　　　　　
実は うっとりしている

240
00:28:04,974 --> 00:28:09,104
水中のロミオは　　　　
ほれ薬でさらに気を引く

241
00:28:13,024 --> 00:28:16,361
メスを刺激するための
フェロモンが——　　　

242
00:28:19,489 --> 00:28:21,825
水中を広がっていき…

243
00:28:23,451 --> 00:28:25,495
厄介な相手も引きつける

244
00:28:28,998 --> 00:28:31,751
地元のギャング団
カッコウナマズ　

245
00:28:33,628 --> 00:28:36,756
味蕾みらいで覆われた彼らの皮膚は

246
00:28:37,257 --> 00:28:39,801
かすかなフェロモンも感知し

247
00:28:41,886 --> 00:28:43,513
意味まで理解する

248
00:28:45,390 --> 00:28:48,768
カワスズメの産卵が
始まるのだ　　　　

249
00:28:53,481 --> 00:28:58,153
カワスズメは　　　　　　　
ゴマ粒ほどの卵を100個 産む

250
00:28:58,653 --> 00:29:01,322
奇襲には絶好の機会だ

251
00:29:09,789 --> 00:29:12,584
ナマズは できるだけ
多くの卵を食べる　

252
00:29:20,216 --> 00:29:23,094
今度はナマズの産卵だ

253
00:29:29,017 --> 00:29:30,059
残されたのは…

254
00:29:30,894 --> 00:29:34,105
小さな時限爆弾だ

255
00:29:37,525 --> 00:29:41,821
カワスズメの母親は本能的に
すべての卵を集める　　　　

256
00:29:43,865 --> 00:29:45,033
食べはしない

257
00:29:46,367 --> 00:29:48,495
特殊な能力があるのだ

258
00:29:55,043 --> 00:29:57,003
カワスズメの　　　　
スーパーママの中には

259
00:29:57,128 --> 00:30:00,256
口の中で赤ん坊を育てる
母親がいる　　　　　　

260
00:30:02,717 --> 00:30:07,722
口を移動式の保育器にして
子供の安全を守るのだ　　

261
00:30:13,895 --> 00:30:17,690
だが このカワスズメは
乗っ取られている　　

262
00:30:20,610 --> 00:30:23,863
目に見えない口の中で——

263
00:30:24,739 --> 00:30:28,076
入り交じった卵が
孵化ふかを始めた　　

264
00:30:32,872 --> 00:30:37,836
その中に 他と比べて　　　
かなり成長の早い子供がいる

265
00:30:40,839 --> 00:30:46,261
彼女は気づかずに　　　　　
間違った子を育てていたのだ

266
00:30:49,806 --> 00:30:51,224
大きさは２倍

267
00:30:52,684 --> 00:30:55,144
飢えたカッコウナマズの
子供は　　　　　　　　

268
00:30:56,312 --> 00:30:58,231
カワスズメの子供を襲う

269
00:31:02,026 --> 00:31:06,197
口を大きく開け　
乳兄弟を頭から——

270
00:31:08,032 --> 00:31:09,450
飲み込んでいく

271
00:31:19,669 --> 00:31:23,631
裏切り者の子ナマズは　　
すぐ保育器より大きくなる

272
00:31:42,650 --> 00:31:46,154
単独で去り　　　　　　　
目立たないよう行動して——

273
00:31:46,404 --> 00:31:50,033
別の無防備な母親を　　
えじきにする機会を伺う

274
00:31:52,785 --> 00:31:56,956
カワスズメは　　　　
生き残った子供を守り

275
00:31:59,709 --> 00:32:04,172
危険な世界で できる限り
最善のチャンスを与える

276
00:32:13,097 --> 00:32:17,143
イタリアのアルプスの　
草原では 動物の子供が——

277
00:32:17,936 --> 00:32:22,065
まったく別次元で
敵と共存している

278
00:32:23,650 --> 00:32:26,861
この子は勇敢な　　　
アルコンブルーの幼虫

279
00:32:28,947 --> 00:32:30,531
生後２ヵ月で——

280
00:32:31,282 --> 00:32:33,785
米粒ほどの大きさだ

281
00:32:36,079 --> 00:32:40,249
自然界でも有数の　　
驚くべき冒険の旅が——

282
00:32:40,500 --> 00:32:42,877
始まろうとしている

283
00:32:49,759 --> 00:32:50,927
食料を求め

284
00:32:54,138 --> 00:32:56,641
下界に下りねばならない

285
00:32:59,310 --> 00:33:02,939
凶暴なキバハリアリが
パトロールする世界だ

286
00:33:05,692 --> 00:33:09,153
彼らは何千倍もの大きさの
獲物も倒せる　　　　　　

287
00:33:23,835 --> 00:33:27,213
小さな毛虫は　　　
格好のターゲットだ

288
00:33:32,844 --> 00:33:38,516
魅力的な香りで居場所を　　
知らせるとなればなおさらだ

289
00:33:40,893 --> 00:33:44,272
大半の昆虫より　　　　　
５倍も感度の高い触覚で——

290
00:33:45,314 --> 00:33:48,818
アリは猟犬のように
香りを察知する　　

291
00:33:57,869 --> 00:34:01,831
この大きさなら　　　
基地に持ち帰りやすい

292
00:34:07,837 --> 00:34:10,965
子供の食事を準備する場所だ

293
00:34:22,393 --> 00:34:26,689
だが この毛虫は　　
獲物のニオイがしない

294
00:34:30,068 --> 00:34:32,528
このニオイは まるで家族だ

295
00:34:35,615 --> 00:34:39,035
天性の詐欺師である毛虫の
特別な香りは　　　　　　

296
00:34:39,243 --> 00:34:44,582
アリの幼虫と似ているため
彼らは我が子のように扱う

297
00:34:56,177 --> 00:34:59,931
それだけでなく　　
偽装を強化するため

298
00:35:00,807 --> 00:35:03,059
この毛虫は歌うのだ

299
00:35:10,858 --> 00:35:14,654
コピーするのは　　　　　
コロニーで最も重要なアリ

300
00:35:16,823 --> 00:35:18,074
女王アリの歌だ

301
00:35:20,243 --> 00:35:23,746
働きアリは　　　　　　　
毛虫の世話を余儀なくされ

302
00:35:24,580 --> 00:35:26,666
自分を二の次にする

303
00:35:30,128 --> 00:35:32,255
コロニーに守られ

304
00:35:32,797 --> 00:35:34,966
世話をされながら

305
00:35:35,800 --> 00:35:38,803
毛虫が大胆な行動を
続けられるのは　　

306
00:35:39,595 --> 00:35:42,932
なんと２年もの間だ

307
00:35:52,859 --> 00:35:56,821
元の100倍まで
体重が増えると

308
00:35:59,031 --> 00:36:00,283
この赤ちゃんは

309
00:36:00,908 --> 00:36:04,203
ようやく本来の色を披露する
準備が整う　　　　　　　　

310
00:36:07,707 --> 00:36:09,125
繭まゆの中では

311
00:36:10,543 --> 00:36:12,962
毛虫の細胞組織が分解され

312
00:36:14,130 --> 00:36:15,548
再形成される

313
00:36:33,566 --> 00:36:36,360
だが アルコンブルーは
チョウになると　　　

314
00:36:37,612 --> 00:36:40,031
防御力を失ってしまう

315
00:36:43,367 --> 00:36:45,661
もうアリのニオイはしない

316
00:36:46,454 --> 00:36:49,457
一刻も早く　　　
ここを出なければ

317
00:36:52,960 --> 00:36:56,547
アリたちが侵入者に
気づく前に　　　　

318
00:37:25,618 --> 00:37:30,081
ついにアルコンブルーは
自由に羽ばたいていく　

319
00:37:36,671 --> 00:37:38,547
何十億年もかけて

320
00:37:39,757 --> 00:37:45,346
生物は居場所を奪い合うため
能力を進化させてきた　　　

321
00:37:46,180 --> 00:37:48,391
だが　　　　　　　　
新ライバルの出現で——

322
00:37:49,350 --> 00:37:51,727
すべてが変わってしまう

323
00:37:54,563 --> 00:37:57,149
ブリティッシュ･　　　　
コロンビアの沿岸水域には

324
00:37:57,400 --> 00:38:00,611
伝説の海の怪獣が
生息している　　

325
00:38:07,618 --> 00:38:10,746
地球上でも　　　　　
特に成長の早い動物だ

326
00:38:13,791 --> 00:38:18,796
甲殻類を主食とし　　　　　
２ヵ月ごとに体重は倍になる

327
00:38:37,064 --> 00:38:39,483
恐竜時代以前から

328
00:38:40,776 --> 00:38:46,407
ミズダコは この辺りで　
無類のカニハンターだった

329
00:38:50,953 --> 00:38:52,747
これまでは

330
00:38:58,627 --> 00:39:04,592
人間は海に入ることなく　　
狡猾な方法で魚介を捕獲する

331
00:39:17,188 --> 00:39:21,859
ワナは タコの好物を　
引き寄せるのに効果的だ

332
00:39:25,446 --> 00:39:30,034
だが世界一賢い無脊椎動物は
難題に直面しても　　　　　

333
00:39:31,911 --> 00:39:33,245
諦めず

334
00:39:35,623 --> 00:39:36,999
解決する

335
00:39:40,461 --> 00:39:42,171
2000個の吸盤は

336
00:39:43,130 --> 00:39:47,134
それぞれが人間の舌より
味覚受容体が多く　　　

337
00:39:48,386 --> 00:39:52,431
濁った水の中でも
獲物を感知できる

338
00:40:00,856 --> 00:40:03,192
タコを導くのは９つの脳

339
00:40:03,818 --> 00:40:08,239
頭部に１つ ８本の足に
小さい脳が１つずつだ

340
00:40:12,326 --> 00:40:14,328
タコが獲物に近づく

341
00:40:17,998 --> 00:40:24,004
水でできた骨格で　　　　
約３メートルの体をねじり

342
00:40:24,380 --> 00:40:28,134
グレープフルーツほどの穴を
通り抜ける　　　　　　　　

343
00:40:44,942 --> 00:40:48,112
ワナが引き上げられる前に
食事だ　　　　　　　　　

344
00:40:55,244 --> 00:40:57,163
ワナは一方向にしか開かない

345
00:41:03,335 --> 00:41:08,174
だが 脱出の名人にとっては
何の問題もない　　　　　

346
00:41:17,766 --> 00:41:18,934
人間は賢い

347
00:41:20,769 --> 00:41:26,609
だが動物の無数にある能力は
今なお発見されている　　　

348
00:41:30,488 --> 00:41:31,530
見落とすと——

349
00:41:33,032 --> 00:41:35,075
手ぶらで帰る羽目になる

350
00:41:44,793 --> 00:41:47,463
予期せぬ敵に満ちた世界では

351
00:41:51,675 --> 00:41:55,513
争いこそが　　　　　　　
進化の究極の原動力となる

352
00:41:58,015 --> 00:42:01,936
地球上の生命の　　　
驚くべき多様性の秘密

353
00:42:05,981 --> 00:42:08,943
目を見張るほどの
動物たちの力　　

354
00:42:11,612 --> 00:42:13,197
自然界に　　　　　
詳しいつもりなら——

355
00:42:14,698 --> 00:42:15,950
まだまだだ

356
00:42:39,682 --> 00:42:41,684
日本版字幕　中村 留美