1 00:00:06,083 --> 00:00:08,963 ‎NETFLIX シリーズ 2 00:00:14,083 --> 00:00:17,803 ‎私の主張は ‎何らかの高度な文明が 3 00:00:17,883 --> 00:00:22,323 ‎氷河期に存在した形跡が ‎あるということです 4 00:00:23,003 --> 00:00:25,683 ‎月へ行ったとは言いません 5 00:00:29,883 --> 00:00:33,963 ‎しかし古代人は ‎はるかに高度な科学知識を 6 00:00:34,043 --> 00:00:35,923 ‎身に付けていました 7 00:00:38,163 --> 00:00:42,603 ‎地球や宇宙の知識量は ‎私たちの想像以上です 8 00:00:44,843 --> 00:00:48,403 ‎高い技術力を駆使して ‎造られた遺跡が 9 00:00:49,363 --> 00:00:52,763 ‎トルコのカッパドキア地方に ‎あります 10 00:00:54,483 --> 00:00:58,483 ‎古代に掘られた ‎地下都市があるのです 11 00:01:02,083 --> 00:01:06,483 ‎数人ではなく ‎数千人を収容できます 12 00:01:08,243 --> 00:01:11,883 ‎地下都市の目的は ‎諸説あります 13 00:01:11,963 --> 00:01:15,003 ‎しかし ‎この失われた古代文明が 14 00:01:15,083 --> 00:01:20,003 ‎なぜ滅びたのかを ‎解明できるかもしれません 15 00:01:21,163 --> 00:01:24,203 ‎今回の舞台はデリンクユです 16 00:01:34,283 --> 00:01:39,163 ‎凍える災厄 17 00:01:42,203 --> 00:01:47,123 ‎トルコのカッパドキア地方を ‎訪れました 18 00:01:49,643 --> 00:01:53,643 ‎デリンクユから ‎390キロ北西に位置するのが 19 00:01:54,483 --> 00:01:56,163 ‎ギョベクリテペ遺跡 ギョベクリテペ遺跡 トルコ 20 00:01:56,163 --> 00:01:57,363 ギョベクリテペ遺跡 トルコ 21 00:01:57,363 --> 00:01:57,723 ギョベクリテペ遺跡 トルコ ‎意図的に埋められたため 22 00:01:57,723 --> 00:01:59,523 ‎意図的に埋められたため 23 00:02:01,083 --> 00:02:05,963 ‎氷河期末の大変動期が ‎記録されています 24 00:02:09,483 --> 00:02:13,603 ‎何百万年も前 ‎一連の火山噴火により 25 00:02:13,682 --> 00:02:16,082 ‎地形が変化しました 26 00:02:17,243 --> 00:02:19,923 ‎火山灰は何層にも重なり 27 00:02:20,443 --> 00:02:25,203 ‎何千年も圧縮されて ‎柔らかい凝灰岩になります 28 00:02:26,923 --> 00:02:29,723 ‎地層は浸食されて形を変え 29 00:02:29,803 --> 00:02:32,843 ‎“妖精の煙突”を ‎造り出しました 30 00:02:33,923 --> 00:02:37,243 ‎そして古代人は ‎軟岩の地層を生かし 31 00:02:37,323 --> 00:02:41,083 ‎世界最大級の遺跡を ‎建設しました 32 00:02:41,163 --> 00:02:46,403 ‎その遺跡があるのは ‎軟らかい地層の奥深くです 33 00:02:47,283 --> 00:02:49,403 ‎ここから数キロ先で 34 00:02:49,483 --> 00:02:54,483 ‎何千年も前に造られた都市が ‎発掘されました 35 00:02:54,563 --> 00:02:57,883 ‎誰が造ったのかは ‎いまだ不明ですが 36 00:02:57,963 --> 00:03:00,563 ‎動機は恐怖だったようです 37 00:03:00,643 --> 00:03:03,803 ‎疑問なのは ‎何を恐れていたのか 38 00:03:14,563 --> 00:03:18,283 ‎デリンクユは ‎一見 平凡な町です 39 00:03:20,963 --> 00:03:26,363 ‎しかし1963年 ‎ある男性が自宅の改装中に 40 00:03:27,963 --> 00:03:33,923 ‎忘れられた世界に通じる ‎長いトンネルを発見しました 41 00:03:35,403 --> 00:03:39,403 ‎実際に町を歩いてみても ‎信じられません 42 00:03:39,923 --> 00:03:43,283 ‎古代人は ‎この真下の岩盤を掘り出し 43 00:03:43,883 --> 00:03:47,643 ‎巨大な地下都市を ‎建設したのです 44 00:03:50,883 --> 00:03:54,243 ‎閉所恐怖症の人は要注意 45 00:03:57,083 --> 00:03:58,763 ‎地下へ進みます 46 00:04:06,083 --> 00:04:09,123 ‎ここが ‎デリンクユの地下都市です 47 00:04:09,203 --> 00:04:12,763 デリンクユ 48 00:04:12,763 --> 00:04:14,123 デリンクユ ‎トンネルと部屋が連なり 49 00:04:14,123 --> 00:04:15,603 ‎トンネルと部屋が連なり 50 00:04:15,683 --> 00:04:19,323 ‎地上からの深さは85メートル 51 00:04:21,403 --> 00:04:24,083 ‎地下18階にも達します 52 00:04:26,963 --> 00:04:31,363 ‎すべて‎手斧(ておの)‎で岩をたたき ‎造られました 53 00:04:32,723 --> 00:04:34,763 ‎迷路のような通路は 54 00:04:34,843 --> 00:04:38,203 ‎広々とした空間に ‎通じています 55 00:04:39,123 --> 00:04:44,403 ‎中からでは 実際の規模は ‎検討もつきません 56 00:04:45,723 --> 00:04:48,483 ‎しかし余計な岩を ‎取り除いた⸺ 57 00:04:50,083 --> 00:04:52,963 ‎簡略化された地図があります 58 00:04:53,803 --> 00:04:55,923 ‎都市の断面図を見ると 59 00:04:57,243 --> 00:04:59,163 ‎目を疑うものでした 60 00:05:02,643 --> 00:05:09,163 ‎洞窟とトンネルで構成された ‎人間サイズのアリの巣は 61 00:05:09,243 --> 00:05:12,723 ‎広さ4平方キロメートルです 62 00:05:14,283 --> 00:05:20,043 ‎換気のために ‎地下と地上をつなぐ通気口が 63 00:05:20,123 --> 00:05:22,523 ‎1万5000個以上あります 64 00:05:25,243 --> 00:05:27,803 ‎50以上ある穴の中には 65 00:05:27,883 --> 00:05:32,883 ‎85メートルの地下水に ‎達しているものもあります 66 00:05:36,363 --> 00:05:38,363 ‎“デリンクユ”は 67 00:05:38,443 --> 00:05:41,163 ‎“深い井戸”という意味です 68 00:05:44,883 --> 00:05:48,523 ‎信じられないほど ‎複雑な構造ですが 69 00:05:48,603 --> 00:05:53,883 ‎デリンクユの収容人員は ‎2万人だと考えられています 70 00:05:54,403 --> 00:05:55,603 ‎疑問なのは⸺ 71 00:05:56,283 --> 00:05:59,603 ‎誰が いつ ‎何のために造ったのか 72 00:06:02,643 --> 00:06:04,563 ‎解明は困難です 73 00:06:05,123 --> 00:06:09,883 ‎デリンクユは争いの絶えない ‎場所だからです 74 00:06:11,403 --> 00:06:13,363 トルコ 75 00:06:13,363 --> 00:06:15,203 トルコ ‎この多文化が交錯する地を 76 00:06:15,203 --> 00:06:15,283 ‎この多文化が交錯する地を 77 00:06:15,283 --> 00:06:15,923 ‎この多文化が交錯する地を カッパドキア 78 00:06:15,923 --> 00:06:17,043 カッパドキア 79 00:06:17,043 --> 00:06:21,723 カッパドキア ‎長年 カッパドキア王国が ‎支配していました 80 00:06:22,443 --> 00:06:24,643 ネヴシェヒル デリンクユ ‎東西をつなぐ ‎シルクロードもあります 81 00:06:24,643 --> 00:06:27,123 ‎東西をつなぐ ‎シルクロードもあります 82 00:06:27,603 --> 00:06:30,363 ‎アレクサンドロス大王の ‎時代です 83 00:06:32,283 --> 00:06:34,523 ‎セビン・タンデミアーは 84 00:06:34,603 --> 00:06:38,483 ‎デリンクユの地下都市を ‎研究しています 85 00:06:39,003 --> 00:06:41,683 ‎多くの文明が育まれました セビン・タンデミアー 博物館長 86 00:06:41,763 --> 00:06:45,123 ‎最初から ‎名前を挙げてみましょう 87 00:06:46,083 --> 00:06:47,483 ‎ヒッタイト 紀元前1700年 88 00:06:47,563 --> 00:06:48,283 ‎フリギア ペルシア 89 00:06:48,283 --> 00:06:49,483 ‎フリギア ペルシア 紀元前1200年 90 00:06:49,483 --> 00:06:49,563 ‎フリギア ペルシア 91 00:06:49,563 --> 00:06:50,163 ‎フリギア ペルシア 紀元前550年 92 00:06:50,163 --> 00:06:50,843 紀元前550年 93 00:06:50,923 --> 00:06:52,603 ‎カッパドキア王国 紀元前300年 94 00:06:52,683 --> 00:06:54,123 ‎ローマ帝国 紀元前50年 95 00:06:54,203 --> 00:06:57,003 ‎そして ‎オスマン帝国の時代まで 96 00:06:57,603 --> 00:06:58,883 ‎ここを通ったすべての人が ‎トンネルを利用しました 97 00:06:58,883 --> 00:07:02,363 ‎ここを通ったすべての人が ‎トンネルを利用しました 西暦1400年 98 00:07:04,923 --> 00:07:06,803 ‎トンネル発見時には 99 00:07:06,883 --> 00:07:10,843 ‎初期キリスト教の遺物が ‎見つかりました 100 00:07:12,003 --> 00:07:15,243 ‎最下層には ‎アーチ状の天井を持つ⸺ 101 00:07:15,323 --> 00:07:18,363 ‎教会のような部屋もあります 102 00:07:19,803 --> 00:07:24,123 ‎そのため歴史学者は ‎いまだに こう主張します 103 00:07:24,763 --> 00:07:28,483 ‎7世紀にキリスト教徒が ‎迫害から逃れるために⸺ 104 00:07:28,483 --> 00:07:30,523 ‎7世紀にキリスト教徒が ‎迫害から逃れるために⸺ 西暦650年 105 00:07:30,523 --> 00:07:32,283 西暦650年 106 00:07:32,283 --> 00:07:32,363 西暦650年 ‎地下都市を掘ったのだろうと 107 00:07:32,363 --> 00:07:35,043 ‎地下都市を掘ったのだろうと 108 00:07:36,523 --> 00:07:38,963 ‎魅力的な物語ですが 109 00:07:39,963 --> 00:07:42,243 ‎全くのでたらめです 110 00:07:45,163 --> 00:07:49,323 ‎その後の発掘調査で ‎紀元前8世紀には 111 00:07:49,403 --> 00:07:51,803 ‎地下都市が ‎存在していたと判明 112 00:07:51,803 --> 00:07:52,203 ‎地下都市が ‎存在していたと判明 紀元前750年 113 00:07:52,203 --> 00:07:52,723 紀元前750年 114 00:07:52,723 --> 00:07:54,883 紀元前750年 ‎キリスト教徒が来る ‎何百年も前です 115 00:07:54,883 --> 00:07:55,763 ‎キリスト教徒が来る ‎何百年も前です 116 00:07:57,883 --> 00:08:01,803 ‎世界中の遺跡には ‎案内板があります 117 00:08:01,883 --> 00:08:06,363 ‎考古学者の見解を基に ‎作られていますが 118 00:08:06,443 --> 00:08:09,043 ‎間違いだらけなのです 119 00:08:09,803 --> 00:08:14,683 ‎新事実が明らかになっても ‎変更されません 120 00:08:15,283 --> 00:08:18,643 ‎案内板や専門家に頼りすぎず 121 00:08:18,723 --> 00:08:21,243 ‎自分でも調べてください 122 00:08:25,123 --> 00:08:28,643 ‎多民族がトンネルを ‎利用しましたが 123 00:08:29,523 --> 00:08:33,523 ‎私が知りたいのは ‎誰が造ったのかです 124 00:08:34,443 --> 00:08:36,483 ‎何年前なのでしょう 125 00:08:38,443 --> 00:08:43,722 ‎フサム・スリマンギルは ‎起源を解き明かすため 126 00:08:43,803 --> 00:08:46,523 ‎長年 調査を行っています 127 00:08:47,763 --> 00:08:51,683 ‎デリンクユの複雑な構造を ‎見た時は 128 00:08:51,763 --> 00:08:53,803 ‎あっけに取られました 129 00:08:53,883 --> 00:08:57,723 ‎造られたのは ‎いつだと思いますか? 130 00:08:57,803 --> 00:08:58,003 ‎諸説ありますが 131 00:08:58,003 --> 00:08:59,843 ‎諸説ありますが フサム・スリマンギル 歴史学者 132 00:08:59,843 --> 00:08:59,923 フサム・スリマンギル 歴史学者 133 00:08:59,923 --> 00:09:02,003 フサム・スリマンギル 歴史学者 ‎どれも科学的根拠は ‎ありません 134 00:09:02,003 --> 00:09:02,803 ‎どれも科学的根拠は ‎ありません 135 00:09:02,883 --> 00:09:03,723 ‎なるほど 136 00:09:03,803 --> 00:09:05,843 ‎文字情報もなく 137 00:09:05,923 --> 00:09:09,963 ‎有機物もないので ‎年代測定もできません 138 00:09:10,043 --> 00:09:11,523 ‎有機物がない? 139 00:09:11,603 --> 00:09:13,803 ‎私の知る限りはね 140 00:09:13,883 --> 00:09:14,723 ‎すごい 141 00:09:14,803 --> 00:09:17,283 ‎年代はまだ不明です 142 00:09:21,443 --> 00:09:23,443 ‎私の自説はありますが 143 00:09:23,523 --> 00:09:29,083 ‎世界最古の文化に基づき ‎フサムが年代を推測します 144 00:09:29,923 --> 00:09:35,403 ‎私は紀元前8世紀頃が ‎有力だと考えています 145 00:09:37,243 --> 00:09:42,403 ‎当時 この地域には ‎フリギア人が住んでおり 146 00:09:43,443 --> 00:09:47,083 ‎アッシリア帝国に ‎圧迫されていました 147 00:09:49,043 --> 00:09:53,003 ‎アッシリア軍は ‎南東から侵攻します 148 00:09:55,283 --> 00:09:59,163 ‎フリギア人は ‎恐怖に襲われたでしょう 149 00:10:02,203 --> 00:10:07,163 ‎アッシリア軍は ‎捕虜の皮を剥いで刺し殺し 150 00:10:07,763 --> 00:10:09,723 ‎子供を焼き殺しました 151 00:10:12,843 --> 00:10:18,123 ‎その後の記述によると ‎アッシリアの侵略軍は 152 00:10:18,683 --> 00:10:22,403 ‎フリギア人の戦術に ‎驚いたようです 153 00:10:27,963 --> 00:10:32,883 ‎フリギア人は ‎ゲリラ戦で対抗したのです 154 00:10:32,963 --> 00:10:35,483 ‎侵略軍に奇襲を仕掛け 155 00:10:35,563 --> 00:10:39,723 ‎追いかけられたら ‎トンネルに隠れました 156 00:10:42,643 --> 00:10:45,603 ‎ゲリラ戦は伝統的な戦術です 157 00:10:47,803 --> 00:10:51,483 ‎ベトナム戦争でも ‎トンネルが掘られました 158 00:10:52,723 --> 00:10:54,923 ‎アフガニスタン人も 159 00:10:55,443 --> 00:10:59,403 ‎敵軍から逃れるために ‎地下に隠れました 160 00:11:01,963 --> 00:11:07,443 ‎フリギア人が軍事目的で ‎トンネルを掘ったことは 161 00:11:08,083 --> 00:11:12,163 ‎ある巧妙な装置により ‎裏付けされています 162 00:11:14,163 --> 00:11:19,163 ‎転がして通路を封鎖できる ‎巨大な石の円盤です 163 00:11:22,243 --> 00:11:26,163 ‎丸いドアの直径は ‎最大150センチで 164 00:11:26,683 --> 00:11:28,243 ‎重さは500キロ 165 00:11:32,523 --> 00:11:35,603 ‎ドアの内側には穴があり 166 00:11:36,603 --> 00:11:41,443 ‎取っ手となる石を差し込み ‎ドアを閉めます 167 00:11:42,483 --> 00:11:46,083 ‎そして素早く ‎敵の侵入を防ぐのです 168 00:11:54,683 --> 00:11:58,403 ‎しかしフリギア人が ‎造った証拠は? 169 00:11:59,683 --> 00:12:01,603 ‎ドアは既にあったのでは? 170 00:12:03,483 --> 00:12:07,763 ‎煙突と同じく ドアも ‎凝灰岩で造られています 171 00:12:11,643 --> 00:12:16,923 ‎誰かが軟らかい石を掘り ‎トンネルを造りました 172 00:12:18,963 --> 00:12:22,763 ‎石のドアは ‎空間を分けるために 173 00:12:22,843 --> 00:12:26,403 ‎ぴったりと収まる ‎必要があります 174 00:12:26,483 --> 00:12:28,123 ‎しかし軟岩なので 175 00:12:28,203 --> 00:12:33,163 ‎武装した敵なら ‎容易に破壊できたでしょう 176 00:12:33,243 --> 00:12:37,003 ‎労力をかけて造っても ‎役立ちません 177 00:12:37,523 --> 00:12:41,523 ‎侵略を防ぐためだったとは ‎思えません 178 00:12:44,203 --> 00:12:48,163 ‎石のドアは防御設備ではなく 179 00:12:48,243 --> 00:12:51,883 ‎空間を区切る物だったと ‎考えます 180 00:12:53,243 --> 00:12:55,363 ‎防火扉かもしれません 181 00:12:57,603 --> 00:13:02,123 ‎地下都市が軍事施設として ‎造られたとしても 182 00:13:02,203 --> 00:13:04,163 ‎なぜここに? 183 00:13:06,043 --> 00:13:08,003 ‎守るものもありません 184 00:13:09,603 --> 00:13:11,723 ‎デリンクユの地上には 185 00:13:12,283 --> 00:13:16,723 ‎1830年まで ‎定住者はいませんでした 186 00:13:21,523 --> 00:13:26,123 ‎侵略軍から逃げるために ‎トンネルを掘ったとは 187 00:13:26,203 --> 00:13:27,883 ‎到底 思えません 188 00:13:27,963 --> 00:13:33,443 ‎侵略軍の目的は ‎財産や領土を奪うことなので 189 00:13:33,523 --> 00:13:37,323 ‎入り口を塞ぎ ‎餓死するのを待てばいい 190 00:13:38,123 --> 00:13:41,203 ‎この仮説は ‎筋が通っていません 191 00:13:42,323 --> 00:13:47,603 ‎トンネルを使用した形跡が ‎あるからと言って 192 00:13:47,683 --> 00:13:50,843 ‎紀元前8世紀とは限りません 193 00:13:50,923 --> 00:13:51,883 ‎そうですね 194 00:13:51,963 --> 00:13:56,843 ‎それ以前から存在していた ‎可能性もあります 195 00:13:56,923 --> 00:13:58,723 ‎もちろんです 196 00:13:58,803 --> 00:14:00,803 ‎有力説というだけで 197 00:14:00,883 --> 00:14:02,723 ‎正しいとは限りません 198 00:14:07,563 --> 00:14:09,563 ‎正確な年代については 199 00:14:09,643 --> 00:14:13,523 ‎考古学者も ‎確信が持てないようです 200 00:14:15,323 --> 00:14:19,523 ‎使用された形跡を基に ‎仮説を立てますが 201 00:14:19,603 --> 00:14:24,163 ‎住む直前に ‎造られたとは限りません 202 00:14:32,403 --> 00:14:36,763 ‎地下都市が造られた年代に ‎疑問が生じます 203 00:14:37,763 --> 00:14:39,283 ‎紀元前8世紀より 204 00:14:39,963 --> 00:14:43,443 ‎もっと前に造られていた ‎可能性は? 205 00:14:45,403 --> 00:14:50,443 ‎侵略軍ではなく ‎別の何かから逃げるため⸺ 206 00:14:51,963 --> 00:14:54,163 ‎造られたのでは? 207 00:14:56,323 --> 00:15:00,363 ‎最初期に造られた ‎地下1階の部屋は 208 00:15:00,443 --> 00:15:04,763 ‎日常生活を送るための ‎場所のようです 209 00:15:08,283 --> 00:15:11,923 ‎地下都市は ‎人間が生活できるように 210 00:15:12,003 --> 00:15:14,363 ‎設計されています 211 00:15:14,443 --> 00:15:17,963 ‎ここに住んでいたのでしょう 212 00:15:19,043 --> 00:15:21,683 ‎必要な物もそろっています 213 00:15:23,163 --> 00:15:28,083 ‎台所はもちろん ‎食料庫や居住空間もあります 214 00:15:30,723 --> 00:15:34,043 ‎料理を作るための空間があり 215 00:15:34,123 --> 00:15:37,123 ‎小さな煙突も備わっています 216 00:15:37,803 --> 00:15:41,243 ‎入り口には ‎家畜小屋もありました 217 00:15:41,883 --> 00:15:45,563 ‎当時 動物は ‎最も貴重な財産でした 218 00:15:48,643 --> 00:15:51,803 ‎ブドウを潰していたと ‎思われる⸺ 219 00:15:52,323 --> 00:15:53,963 ‎ワイナリーもあります 220 00:15:55,883 --> 00:15:58,723 ‎ワインの保存に最適です 221 00:15:59,683 --> 00:16:01,523 ‎トンネル内は涼しく 222 00:16:01,603 --> 00:16:04,883 ‎外気温にも ‎左右されないからです 223 00:16:06,163 --> 00:16:08,763 ‎食料も長持ちします 224 00:16:11,043 --> 00:16:16,803 ‎地下シェルターとして ‎デリンクユが造られたことは 225 00:16:17,643 --> 00:16:18,843 ‎明らかです 226 00:16:21,683 --> 00:16:22,803 シャイアン・ マウンテン基地 227 00:16:22,803 --> 00:16:24,563 シャイアン・ マウンテン基地 現代も 地下には 228 00:16:24,643 --> 00:16:26,523 アメリカ 巨大な居住空間が 造られています 229 00:16:26,523 --> 00:16:28,483 巨大な居住空間が 造られています 230 00:16:29,283 --> 00:16:31,883 ‎シャイアン・マウンテン基地 231 00:16:33,323 --> 00:16:34,523 北京地下城 中国 232 00:16:34,523 --> 00:16:38,283 北京地下城 中国 北京の地下に掘られた 無数のトンネル 233 00:16:38,843 --> 00:16:39,723 ホワイハウス アメリカ 234 00:16:39,723 --> 00:16:43,843 ホワイハウス アメリカ アメリカの 大統領危機管理センター 235 00:16:45,203 --> 00:16:48,803 ‎侵略軍から ‎逃れるためではありません 236 00:16:50,043 --> 00:16:52,163 ‎どれも地上の脅威から 237 00:16:52,243 --> 00:16:55,963 ‎身を守るために ‎造られたのです 238 00:16:58,123 --> 00:17:00,843 ‎これこそが ‎デリンクユを造った⸺ 239 00:17:04,083 --> 00:17:05,483 ‎目的でしょう 240 00:17:07,843 --> 00:17:11,362 ‎そして起源は ‎考古学者が考えるよりも 241 00:17:11,443 --> 00:17:13,963 ‎もっと前だと考えられます 242 00:17:15,683 --> 00:17:18,402 ‎氷河期末に造られた可能性を 243 00:17:18,483 --> 00:17:20,803 ‎示唆する証拠があります 244 00:17:25,323 --> 00:17:31,243 ‎デリンクユの壁には ‎手斧でたたいた跡があります 245 00:17:32,803 --> 00:17:35,163 ‎その数キロ離れた場所で 246 00:17:35,243 --> 00:17:38,723 ‎考古学者が ‎ある物を発見しました 247 00:17:38,803 --> 00:17:41,683 ‎複数の手斧と石器です 248 00:17:42,283 --> 00:17:46,803 ‎紀元前9500年頃の物だと ‎推定されており 249 00:17:47,323 --> 00:17:49,443 ‎氷河期末に相当します 250 00:17:50,243 --> 00:17:55,683 ‎デリンクユの最古の部屋にも ‎同じ道具が使われています 251 00:17:58,203 --> 00:17:59,243 カラハンテペ遺跡 トルコ 252 00:17:59,243 --> 00:18:02,963 カラハンテペ遺跡 トルコ デリンクユから 500キロ離れた場所に 253 00:18:03,043 --> 00:18:05,363 カラハンテペ遺跡が あります 254 00:18:06,163 --> 00:18:08,123 ‎建てられた石柱は 255 00:18:08,203 --> 00:18:11,363 ‎妖精の煙突にも似ています 256 00:18:14,203 --> 00:18:18,963 ‎氷河期末に掘られたことが ‎証明されており 257 00:18:20,803 --> 00:18:25,123 ‎同時期にデリンクユが ‎造られた可能性も 258 00:18:29,883 --> 00:18:33,123 ‎デリンクユの全容を見れば 259 00:18:33,203 --> 00:18:37,443 ‎大規模な事業であったことは ‎明らかです 260 00:18:38,603 --> 00:18:43,083 ‎多大な労力を ‎費やしたことでしょう 261 00:18:45,643 --> 00:18:49,043 ‎驚くべきことに ‎カッパドキアには 262 00:18:49,563 --> 00:18:53,123 ‎地下都市が無数に存在します 263 00:18:58,243 --> 00:19:01,083 ‎2013年 作業員が ‎ネブシェヒルで 264 00:19:01,163 --> 00:19:03,643 ‎無数のトンネルを発見 265 00:19:05,283 --> 00:19:07,083 ‎約28キロ離れています 266 00:19:08,083 --> 00:19:11,923 ‎その規模は ‎デリンクユを上回り⸺ 267 00:19:14,763 --> 00:19:18,003 ‎それ以降も ‎発見が相次いでいます 268 00:19:19,563 --> 00:19:21,123 トルコ 269 00:19:21,123 --> 00:19:22,443 トルコ ‎驚くことにカッパドキアでは 270 00:19:22,443 --> 00:19:24,243 ‎驚くことにカッパドキアでは 271 00:19:24,323 --> 00:19:29,043 ‎36もの地下都市が ‎存在しているのです 272 00:19:32,683 --> 00:19:35,123 ‎地下2階までのものは 273 00:19:35,643 --> 00:19:37,883 ‎200以上もあります 274 00:19:43,243 --> 00:19:47,203 ‎デリンクユから ‎8キロ地点にある地下都市が 275 00:19:47,283 --> 00:19:49,603 ‎秘密を握っていました 276 00:19:51,323 --> 00:19:54,043 ‎カイマクルは ‎地下8階まであり 277 00:19:54,123 --> 00:19:56,883 ‎広さはデリンクユ以上です 278 00:19:59,003 --> 00:20:02,683 ‎壁に掘られた貯蔵室の数から 279 00:20:02,763 --> 00:20:08,243 ‎収容人員は最大3500人だと ‎推定されています 280 00:20:12,723 --> 00:20:18,443 ‎そして信じられないものが ‎地下3階にあります 281 00:20:22,963 --> 00:20:26,363 ‎どこまでも続く ‎地下トンネルです 282 00:20:32,323 --> 00:20:33,883 ‎今は通れませんが 283 00:20:33,963 --> 00:20:39,043 ‎デリンクユに通じていたと ‎考えられています 284 00:20:41,323 --> 00:20:43,883 ‎直線距離は約8キロです 285 00:20:48,843 --> 00:20:51,323 ‎これには根拠があります 286 00:20:51,403 --> 00:20:55,443 ‎カッパドキアにある ‎6つの地下都市が 287 00:20:55,523 --> 00:20:59,163 ‎地下トンネルで ‎つながっていたのです 288 00:21:00,763 --> 00:21:04,083 ‎今までの定説が覆る ‎大発見です 289 00:21:05,243 --> 00:21:09,603 ‎地下都市は 孤立した ‎シェルターではありません 290 00:21:09,683 --> 00:21:13,643 ‎カッパドキアの各地で ‎行われた⸺ 291 00:21:13,723 --> 00:21:15,083 ‎巨大事業の一部なのです 292 00:21:15,083 --> 00:21:16,763 ‎巨大事業の一部なのです カッパドキア 293 00:21:16,763 --> 00:21:17,563 カッパドキア 294 00:21:17,603 --> 00:21:21,443 ‎強い動機がなければ ‎成し得ません 295 00:21:23,843 --> 00:21:27,083 ‎しかし何が ‎脅威だったのでしょう? 296 00:21:27,163 --> 00:21:30,283 ‎数十万の人々に衝撃を与え 297 00:21:30,363 --> 00:21:35,363 ‎地下で生活を始めさせるほど ‎強力な何かです 298 00:21:36,243 --> 00:21:39,283 ‎侵略軍から隠れるよりも 299 00:21:39,363 --> 00:21:43,163 ‎もっと納得のいく理由が ‎あるはずです 300 00:21:46,203 --> 00:21:50,203 ‎その答えは ‎神話にあるかもしれません 301 00:21:51,403 --> 00:21:55,763 ‎ゾロアスター教の時代まで ‎さかのぼります 302 00:21:59,043 --> 00:22:02,763 ‎カッパドキアの ‎有名な旋回舞踏です 303 00:22:07,323 --> 00:22:10,443 ‎この踊りはスーフィズムです 304 00:22:14,723 --> 00:22:18,363 ‎ゾロアスター教の影響を ‎受けています 305 00:22:20,843 --> 00:22:25,243 ‎ゾロアスターが創始した ‎ゾロアスター教は 306 00:22:25,323 --> 00:22:28,643 ‎世界最古の宗教だと ‎言われています 307 00:22:32,123 --> 00:22:36,643 ‎ゾロアスター教の聖典には ‎誰が 何のために 308 00:22:37,123 --> 00:22:41,323 ‎地下都市を造ったのかが ‎書かれています 309 00:22:41,843 --> 00:22:46,683 ‎ゾロアスターは ‎最初の王について話します 310 00:22:46,763 --> 00:22:48,123 ‎名前はイマ 311 00:22:54,043 --> 00:22:57,043 ‎ある日 イマの下に 312 00:22:57,123 --> 00:23:01,843 ‎アフラ・マズダーが現れ ‎警告しました 313 00:23:02,843 --> 00:23:06,203 ‎洪水ではなく ‎破壊的な冬が来ると 314 00:23:07,403 --> 00:23:12,203 ‎神の警告に従い イマは ‎地下に“ヴァラ”を建設 315 00:23:14,083 --> 00:23:19,323 ‎最も優れた男女と家畜を ‎つがいで運び込みました 316 00:23:20,363 --> 00:23:23,603 ‎すべての木と果実の種も ‎保存し 317 00:23:23,683 --> 00:23:28,003 ‎冬が終わるまでの ‎十分な食料を確保しました 318 00:23:28,723 --> 00:23:31,723 ‎それから聖典によると 319 00:23:31,803 --> 00:23:37,123 ‎冬の到来を告げるのは ‎空飛ぶヘビだそうです 320 00:23:40,643 --> 00:23:42,203 ‎ヴァラは⸺ 321 00:23:42,843 --> 00:23:46,883 ‎デリンクユの地下都市に ‎よく似ています 322 00:23:47,843 --> 00:23:50,843 ‎しかし歴史家は ‎接点を認めません 323 00:23:51,963 --> 00:23:54,483 ‎イマの神話は ただの物語で 324 00:23:54,563 --> 00:23:56,923 ‎意味はないと言うのです 325 00:23:57,003 --> 00:24:00,603 ‎しかし氷河期の到来を ‎示唆しています 326 00:24:03,363 --> 00:24:09,003 ‎地質学者も認めている ‎亜氷期に発生した大洪水は 327 00:24:09,683 --> 00:24:12,163 ‎神話にも描かれています 328 00:24:13,323 --> 00:24:17,283 ‎洪水のあと ‎気温が急激に低下しました 329 00:24:18,643 --> 00:24:20,403 ‎氷河期の到来です 330 00:24:21,843 --> 00:24:26,043 ‎そして破壊的な冬の到来を ‎告げたのは 331 00:24:26,123 --> 00:24:29,043 ‎空に現れた巨大ヘビです 332 00:24:30,523 --> 00:24:34,643 ‎古代アステカの神話にも ‎ヘビが登場します 333 00:24:36,083 --> 00:24:37,603 ‎イロコイの神話でも 334 00:24:37,683 --> 00:24:40,643 ‎ヘビは洪水と ‎関連があるのです 335 00:24:46,163 --> 00:24:48,963 ‎カラハンテペ遺跡の石柱には 336 00:24:49,043 --> 00:24:54,483 ‎空から降ってくるヘビが ‎彫られています 337 00:24:55,163 --> 00:24:59,123 ‎ヘビは マルタの ‎ジュガンティーヤ神殿や 338 00:24:59,963 --> 00:25:02,123 ‎北米の形象墳にも 339 00:25:02,963 --> 00:25:07,443 ‎もちろん考古学者は ‎地球の裏側にある象徴を 340 00:25:07,523 --> 00:25:08,163 ‎関連づけようとはしません 341 00:25:08,163 --> 00:25:10,843 ‎関連づけようとはしません ソチカルコ メキシコ 342 00:25:10,843 --> 00:25:10,923 ソチカルコ メキシコ 343 00:25:10,923 --> 00:25:11,763 ソチカルコ メキシコ ‎奇怪だと思うだけです 344 00:25:11,763 --> 00:25:13,083 ‎奇怪だと思うだけです 345 00:25:13,883 --> 00:25:19,523 ‎しかし世界中にある ‎無関係のように思える遺跡は 346 00:25:19,603 --> 00:25:22,883 ‎故知の遺産からの ‎恩恵を受けているようです 347 00:25:22,883 --> 00:25:24,003 ‎故知の遺産からの ‎恩恵を受けているようです マルタ 348 00:25:24,003 --> 00:25:24,083 マルタ 349 00:25:24,083 --> 00:25:25,563 マルタ ‎起源不明の共通遺産です 350 00:25:25,563 --> 00:25:26,683 ‎起源不明の共通遺産です 351 00:25:27,803 --> 00:25:30,963 ‎驚いたことに氷河期には 352 00:25:31,043 --> 00:25:35,083 ‎高度文明の影響が ‎世界中に及んでいました 353 00:25:35,163 --> 00:25:39,763 ‎そして文明と狩猟採集民は ‎共存していたのです 354 00:25:40,403 --> 00:25:45,683 ‎亜氷期の大洪水により ‎文明は破壊されました 355 00:25:47,643 --> 00:25:52,163 ‎ヘビの描写も ‎遺産の一部なのでしょうか 356 00:25:52,963 --> 00:25:55,723 ‎生存者が残した警告では? 357 00:26:04,203 --> 00:26:11,083 ‎結局のところ 私たち人間は ‎忘却の生き物なのです 358 00:26:12,723 --> 00:26:17,563 ‎氷河期末の大洪水で ‎壊滅的な被害に遭っても 359 00:26:17,643 --> 00:26:21,763 ‎重要なことを ‎忘れてしまっています 360 00:26:23,043 --> 00:26:28,243 ‎これが大問題なのは ‎神話を見れば明らかです 361 00:26:28,323 --> 00:26:32,803 ‎イマの神話では ‎神が こう警告します 362 00:26:32,883 --> 00:26:36,883 ‎いつか同様の大災害が ‎再来すると 363 00:26:39,123 --> 00:26:40,243 ‎本当でしょうか 364 00:26:41,963 --> 00:26:46,763 ‎長年 洪水や火災 ‎急激な気温低下の原因は 365 00:26:46,843 --> 00:26:50,203 ‎解明されていませんでした 366 00:26:51,163 --> 00:26:55,163 ‎しかし地質学者が ‎ある可能性を示唆します 367 00:26:56,563 --> 00:27:01,243 ‎その証拠が見られる場所が ‎アメリカにあります 368 00:27:01,923 --> 00:27:03,563 ‎次の目的地です 369 00:27:04,483 --> 00:27:08,363 ‎遺跡に残されたヘビと ‎空飛ぶヘビに 370 00:27:08,443 --> 00:27:11,203 ‎関連があると確信しています 371 00:27:11,283 --> 00:27:12,883 ‎彗星(すいせい)‎です 372 00:27:41,643 --> 00:27:46,643 ‎日本語字幕 中村 早希