1 00:00:14,305 --> 00:00:15,765 1 2 3... 2 00:00:23,565 --> 00:00:24,941 ジョンの第一印象は 3 00:00:26,484 --> 00:00:30,572 “天才的な曲を書くのに なんて いい人だ〟 4 00:00:32,782 --> 00:00:34,993 魔法のような才能だ 5 00:00:35,660 --> 00:00:39,289 一度 聴けば頭から離れない 6 00:00:41,583 --> 00:00:44,961 世界中の人が 知らずに彼を愛してる 7 00:00:46,421 --> 00:00:51,426 イントロを聴くだけで 瞬時に映画が思い浮かぶ 8 00:00:51,551 --> 00:00:54,804 そんな曲を作れる人は希少よ 9 00:00:56,222 --> 00:00:59,976 ジョンの音楽は心地がいい 10 00:01:00,101 --> 00:01:02,771 彼の曲だと一瞬で分かる 11 00:01:02,896 --> 00:01:06,274 それがジョンの音楽だ 12 00:01:06,983 --> 00:01:09,819 音で その才能が分かる 13 00:01:11,446 --> 00:01:14,824 マイケル・ジョーダンや バッハと同じさ 14 00:01:14,949 --> 00:01:17,410 ジョンも そういう男だ 15 00:01:23,041 --> 00:01:24,375 避けて通れない 16 00:01:24,501 --> 00:01:27,170 彼に頼めば間違いない 17 00:01:28,922 --> 00:01:32,675 彼の音楽は 感情に深く訴えかける 18 00:01:32,801 --> 00:01:34,803 懐かしさすら感じるんだ 19 00:01:34,928 --> 00:01:40,016 作ったばかりの曲も すぐに人々の心に定着する 20 00:01:44,062 --> 00:01:47,649 作曲できるだけじゃなく 頭もいい 21 00:01:47,774 --> 00:01:52,320 映画と音楽の関係性を よく分かってる 22 00:01:54,906 --> 00:01:59,244 クラシックとポップスを うまく融合させた 23 00:02:00,203 --> 00:02:01,788 彼は両方だよ 24 00:02:05,083 --> 00:02:10,964 あらゆるスタイルに精通した 音楽学者のような人だ 25 00:02:11,589 --> 00:02:12,924 どうやってる? 26 00:02:13,049 --> 00:02:16,094 受賞者はジョン・ウィリアムズ 27 00:02:16,219 --> 00:02:17,887 ジョン・ウィリアムズです 28 00:02:18,012 --> 00:02:19,347 ジョン・ウィリアムズ 29 00:02:19,472 --> 00:02:20,765 ジョン・ウィリアムズです 30 00:02:20,890 --> 00:02:22,725 ジョン・ウィリアムズ! 31 00:02:25,854 --> 00:02:27,981 模索と発見の繰り返しだ 32 00:02:28,106 --> 00:02:33,695 映画から得た体験を ピアノの前で形にしていく 33 00:02:34,696 --> 00:02:37,949 音楽が空から舞い降りて 彼を包む 34 00:02:41,411 --> 00:02:44,664 誰にもまねできない 純粋な芸術だ 35 00:02:51,880 --> 00:02:54,924 ジョン・ウィリアムズ/ 伝説の映画音楽 36 00:02:55,049 --> 00:03:00,471 ロラン・ブーズロー監督作品 37 00:03:10,648 --> 00:03:13,401 {\an8}ピアノは何台かあるが 38 00:03:11,232 --> 00:03:14,569 作曲家 ジョン・ウィリアムズ 39 00:03:14,277 --> 00:03:18,573 {\an8}これは25年間 フォックスで使っていた 40 00:03:18,698 --> 00:03:21,951 スティーヴンに 最初に弾いたのは これだ 41 00:03:29,000 --> 00:03:32,670 “それを どうする気だ〟と 言われたよ 42 00:03:34,047 --> 00:03:36,382 「未知との遭遇」の5音も? 43 00:03:36,507 --> 00:03:38,509 これで作った 44 00:03:40,929 --> 00:03:44,807 全て このピアノだ 「E.T.」もね 45 00:03:44,933 --> 00:03:47,393 この子との思い出だよ 46 00:03:50,396 --> 00:03:55,526 結婚式の曲みたいだ 君とは もう結婚してる 47 00:03:56,194 --> 00:03:57,195 そうだね 48 00:03:57,320 --> 00:03:59,322 {\an8}会えてうれしいよ 49 00:03:58,905 --> 00:04:01,908 映画製作者 スティーヴン・ スピルバーグ 50 00:03:59,447 --> 00:04:04,535 {\an8}ジョンの晴れ舞台に ちょっと お邪魔するよ 51 00:04:04,661 --> 00:04:05,495 {\an8}元気かい? 52 00:04:05,620 --> 00:04:06,788 新年おめでとう 53 00:04:06,913 --> 00:04:07,997 君もね 54 00:04:08,665 --> 00:04:14,587 {\an8}ジョンとスティーヴンは 2人でいるとバンドになる 55 00:04:12,126 --> 00:04:14,587 ミュージシャン/ コールドプレイ クリス・マーティン 56 00:04:15,338 --> 00:04:16,464 最高のバンドだよ 57 00:04:16,839 --> 00:04:20,551 2人が組むと 優れた才能が より高まる 58 00:04:20,677 --> 00:04:25,682 音楽と映像は どちらも重要で 互いに支え合っている 59 00:04:22,053 --> 00:04:24,222 “スティーヴン・ スピルバーグ通り〟 “J・ウィリアムズ通り〟 60 00:04:25,807 --> 00:04:29,018 どちらが欠けても成立しない 61 00:04:30,103 --> 00:04:33,940 初の監督作品が決まった頃には 62 00:04:34,065 --> 00:04:36,859 サウンドトラックを 500枚は持ってた 63 00:04:36,985 --> 00:04:40,571 映画音楽のファンだったんだ 64 00:04:40,697 --> 00:04:42,282 {\an8}“リアルト劇場〟 65 00:04:41,781 --> 00:04:48,037 60~70年代初頭になると 映画音楽は変わってくる 66 00:04:48,746 --> 00:04:55,128 オーケストラ音楽は古くなり その時代の曲が使われ始めた 67 00:04:55,878 --> 00:05:01,301 オーケストラの時代が 終わるのかと思うと怖かったよ 68 00:05:01,426 --> 00:05:05,722 僕が映画を作れるうちは 終わらせないけどね 69 00:05:06,639 --> 00:05:09,100 {\an8} マーク・ライデル監督 「華麗なる週末」 70 00:05:10,310 --> 00:05:15,148 {\an8}「華麗なる週末」の 音楽が大好きで 71 00:05:15,273 --> 00:05:16,607 {\an8}心に決めていた 72 00:05:16,733 --> 00:05:21,154 僕の劇場映画には その作曲家である—— 73 00:05:21,279 --> 00:05:26,826 ジョン・ウィリアムズに 声をかけてみようとね 74 00:05:27,493 --> 00:05:29,203 {\an8} マーク・ライデル監督 「11人のカウボーイ」 75 00:05:31,622 --> 00:05:36,502 「11人のカウボーイ」で さらに決意を固め 76 00:05:36,627 --> 00:05:40,673 {\an8}「続・激突!」の脚本を ジョンに送った 77 00:05:40,798 --> 00:05:43,176 {\an8}気に入ってくれたよ 78 00:05:46,554 --> 00:05:48,389 ひと目で彼を気に入った 79 00:05:49,766 --> 00:05:53,478 彼は とても若く 私は40歳だった 80 00:05:53,603 --> 00:05:58,149 長年 ハリウッドで もまれてきたベテランだ 81 00:05:59,817 --> 00:06:04,113 ジョンは上品だが 気さくで温かい人だった 82 00:06:05,073 --> 00:06:07,033 シェイクスピアに似てる 83 00:06:07,867 --> 00:06:10,578 髪とヒゲは赤毛で 84 00:06:10,703 --> 00:06:13,498 手がきれいだったのを覚えてる 85 00:06:14,624 --> 00:06:20,296 5分で分かったよ 彼のほうが映画音楽に詳しい 86 00:06:21,130 --> 00:06:26,094 僕の情熱を伝えようと 2分間 鼻歌を歌ったんだ 87 00:06:26,219 --> 00:06:30,390 「スパルタカス」の オープニング曲をね 88 00:06:30,515 --> 00:06:32,100 大好きな曲だ 89 00:06:32,225 --> 00:06:36,187 ジョンは感心してくれたように 見えたけど 90 00:06:36,312 --> 00:06:38,439 変人だと思ったのかも 91 00:06:38,564 --> 00:06:42,068 その後 「続・激突!」を見た 92 00:06:42,985 --> 00:06:46,823 S・スピルバーグ監督 「続・激突!/ カージャック」 93 00:06:44,278 --> 00:06:46,823 {\an8}それを渡せ 94 00:06:47,532 --> 00:06:49,826 君は何も知らない 95 00:06:50,868 --> 00:06:54,789 “この若者には 映画の才能がある〟と思った 96 00:06:55,873 --> 00:06:57,333 交渉成立だ 97 00:06:57,458 --> 00:07:00,628 {\an8}ジョンは ハーモニカの旋律で—— 98 00:07:00,753 --> 00:07:04,006 {\an8}映画を予想外の場所に 導いてくれた 99 00:07:12,723 --> 00:07:17,687 {\an8}ハーモニカ奏者である シールマンスの演奏で 100 00:07:17,812 --> 00:07:20,857 {\an8}感情を揺さぶる 音楽になった 101 00:07:18,312 --> 00:07:20,857 トゥーツ・シールマンス 102 00:07:20,982 --> 00:07:23,734 ジョン・ウィリアムズ スティーヴン・ スピルバーグ 103 00:07:23,860 --> 00:07:25,903 ジョンの仕事ぶりを見て 104 00:07:26,195 --> 00:07:30,575 僕が撮る映画の音楽は 全て彼に頼もうと思った 105 00:07:33,494 --> 00:07:36,038 “音楽編集室〟 106 00:07:34,787 --> 00:07:40,668 {\an8}映画音楽の制作では 独創性を出すのが難しい 107 00:07:36,539 --> 00:07:40,668 音楽評論家/歴史家 アレックス・ロス 108 00:07:41,627 --> 00:07:45,590 依頼が来る頃には 仮楽曲が決まってる 109 00:07:45,715 --> 00:07:49,218 監督や編集が選んだ 既存の音楽や歌—— 110 00:07:49,343 --> 00:07:54,974 映画音楽の一部を使い 映像のラフカットを作るんだ 111 00:07:55,099 --> 00:07:57,351 {\an8}これが厄介で 112 00:07:57,477 --> 00:08:00,188 作曲家 トーマス・ニューマン 113 00:07:57,477 --> 00:08:01,564 {\an8}仮楽曲を聴いた瞬間 創造性の扉は閉じてしまう 114 00:08:02,690 --> 00:08:08,946 多くの場合 監督は 自分の選曲を気に入っていて 115 00:08:09,071 --> 00:08:11,491 似たような曲を求める 116 00:08:11,616 --> 00:08:15,703 つまりコラージュされた音楽を 再現するだけでいい 117 00:08:16,496 --> 00:08:21,834 {\an8}「ジョーズ」 音楽なし 118 00:08:24,754 --> 00:08:30,301 「ジョーズ」の音楽は 深遠な雰囲気にしようと 119 00:08:30,426 --> 00:08:35,306 {\an8}「イメージズ」の音楽を ラフカットに使った 120 00:08:35,431 --> 00:08:37,225 「イメージズ」 121 00:08:38,059 --> 00:08:43,606 僕の選んだ仮楽曲を聴いて ジョンは笑ったんだ 122 00:08:46,234 --> 00:08:48,736 奇妙な音楽だった 123 00:08:48,861 --> 00:08:55,451 「イメージズ」は 叫び声や 不穏な効果音を使っていたが 124 00:08:56,327 --> 00:08:58,663 「ジョーズ」は海の冒険物語だ 125 00:08:59,080 --> 00:09:04,794 {\an8}「ジョーズ」 音楽あり 126 00:09:11,968 --> 00:09:16,013 ジョンに言われた “これは海賊物語なんだ〟 127 00:09:16,138 --> 00:09:21,269 “感情に訴えなきゃダメだ 私に任せてくれ〟って 128 00:09:22,353 --> 00:09:26,983 数週間後 彼は 立派なピアノの前に座っていた 129 00:09:27,108 --> 00:09:32,238 さぞ複雑な曲なんだろうと 期待が膨らんだよ 130 00:09:32,363 --> 00:09:36,284 だがジョンは 箸のように 数本の指を使い—— 131 00:09:36,867 --> 00:09:37,994 弾き始めた 132 00:09:42,290 --> 00:09:43,457 僕の目が泳ぐ 133 00:09:51,549 --> 00:09:56,012 真っ暗な場所に 独りでいると想像するんだ 134 00:09:56,137 --> 00:10:00,141 何も見えず 何も聞こえない 135 00:10:00,266 --> 00:10:01,892 そこに音がする 136 00:10:06,814 --> 00:10:10,109 危険が迫ってるように 感じるだろ? 137 00:10:11,986 --> 00:10:15,323 低音が 居心地の悪さを 増幅させる 138 00:10:17,617 --> 00:10:19,327 冗談かと思った 139 00:10:19,994 --> 00:10:26,000 “スティーヴンの反応は?〟と みんなに聞かれるんだ 140 00:10:26,125 --> 00:10:28,377 本心ではバカにしてた? 141 00:10:28,502 --> 00:10:30,421 してないよ 142 00:10:30,546 --> 00:10:33,674 でもピアノ曲なのは意外だった 143 00:10:33,799 --> 00:10:37,637 低いほうの鍵盤を 何個か押すだけだし... 144 00:10:37,762 --> 00:10:38,763 でも承諾しただろ? 145 00:10:38,888 --> 00:10:41,974 何度も聴けと しつこいからさ 146 00:10:42,099 --> 00:10:45,478 でも 聴くうちに すばらしさが分かった 147 00:10:47,396 --> 00:10:49,607 「ジョーズ」 録音セッション 148 00:10:49,732 --> 00:10:51,567 S・スピルバーグの プライベート映像 149 00:10:49,732 --> 00:10:53,778 {\an8}ここは小さくしよう 大きすぎる 150 00:10:57,698 --> 00:10:59,659 僕のサメは怖くなかった 151 00:11:00,242 --> 00:11:05,289 でもジョンが音楽で 怖いサメにしてくれたんだ 152 00:11:05,831 --> 00:11:08,793 音楽のサメは上出来だったよ 153 00:11:09,627 --> 00:11:13,297 {\an8}2音だがテーマ曲だ 154 00:11:10,711 --> 00:11:13,297 作曲家 アラン・シルヴェストリ 155 00:11:14,048 --> 00:11:19,762 テーマ曲は 画面にいないキャラクターを 156 00:11:19,887 --> 00:11:23,641 見る人に想像させるものだ 157 00:11:27,228 --> 00:11:29,563 いつも疑問に思うんだ 158 00:11:29,689 --> 00:11:34,568 {\an8}神技のような音楽を どうやって生み出すのか 159 00:11:32,233 --> 00:11:34,568 映画製作者/声優 セス・マクファーレン 160 00:11:43,202 --> 00:11:47,164 {\an8}「フェイブルマンズ」 “メインテーマ〟 161 00:11:50,501 --> 00:11:56,382 父の名がジョニーで 私はジョニーJr.と呼ばれた 162 00:11:57,383 --> 00:12:02,430 父はドラムとパーカッション 母も音楽好きだった 163 00:12:02,555 --> 00:12:07,476 1920年代に若かった母は 流行のウクレレが弾けた 164 00:12:08,769 --> 00:12:11,480 若い頃はダンサーだった 165 00:12:14,650 --> 00:12:17,570 {\an8}父が演奏していた ボストンの劇場で 166 00:12:15,025 --> 00:12:18,070 「天晴あっぱれ着陸」 ドラム ジョニー・ ウィリアムズSr. 167 00:12:17,695 --> 00:12:19,196 {\an8}母が踊っていた 168 00:12:19,321 --> 00:12:22,950 音楽家とダンサーは交流があり 169 00:12:23,075 --> 00:12:26,495 2人は1929年に結婚した 170 00:12:26,620 --> 00:12:30,291 母が20歳 父が25歳の頃だ 171 00:12:31,834 --> 00:12:36,130 {\an8}ジョン・ウィリアムズ 幼少期の家 172 00:12:36,255 --> 00:12:39,341 私は1932年2月8日に 173 00:12:39,467 --> 00:12:43,888 ニューヨーク州クイーンズの 病院で生まれた 174 00:12:44,555 --> 00:12:47,183 きょうだいは姉1人と弟2人 175 00:12:47,725 --> 00:12:51,312 弟たちも音楽家で 今も活動してる 176 00:12:51,896 --> 00:12:55,065 亡くなった姉は 生涯ピアノの先生で 177 00:12:55,191 --> 00:12:58,027 私より上手に弾いていた 178 00:12:59,028 --> 00:13:03,073 父の意向で 4人ともピアノを習わされた 179 00:13:04,241 --> 00:13:09,288 ピアノの練習時間は 野球をする時間で決まる 180 00:13:09,413 --> 00:13:13,459 野球で1時間 遊んだら ピアノを30分弾く 181 00:13:17,797 --> 00:13:22,468 当時はラジオが 情報源であり娯楽だった 182 00:13:22,593 --> 00:13:23,928 テレビはない 183 00:13:24,053 --> 00:13:27,973 父はラジオの スタジオ・オーケストラで 184 00:13:28,098 --> 00:13:32,895 仕事に出かける日は 夜8時の番組で演奏が聴けた 185 00:13:34,647 --> 00:13:35,731 ユア・ヒット・パレード! 186 00:13:37,858 --> 00:13:44,532 べニー・グッドマンらと 演奏する父が誇らしかったよ 187 00:13:44,657 --> 00:13:47,576 耳でドラムの音を探した 188 00:13:49,954 --> 00:13:52,331 ひと味違う聴き方だ 189 00:13:52,706 --> 00:13:59,046 楽器の音を聴くうちに トロンボーンに興味を持った 190 00:13:59,171 --> 00:14:02,633 父は“ピアノを続けるなら やってもいい〟と 191 00:14:03,425 --> 00:14:08,264 音楽は私の家族の一部であり 仕事であった 192 00:14:08,389 --> 00:14:13,352 他の職業に興味を持ったことは 一度もないよ 193 00:14:13,477 --> 00:14:15,688 両親の友達も音楽家だ 194 00:14:15,813 --> 00:14:20,693 演奏家の道に進むのが 当然だと思っていた 195 00:14:28,033 --> 00:14:34,290 高校生だった15歳の頃 カリフォルニアに引っ越し 196 00:14:34,832 --> 00:14:37,376 ノースハリウッド高校に通った 197 00:14:37,501 --> 00:14:40,462 ピアノは続けていたものの 198 00:14:40,588 --> 00:14:43,340 数年は トロンボーンに夢中だった 199 00:14:43,465 --> 00:14:48,304 父は“トロンボーンをやめて ピアノに集中しろ〟と 200 00:14:48,429 --> 00:14:50,347 でもブランクがある 201 00:14:53,601 --> 00:14:55,477 必死に練習した 202 00:14:55,603 --> 00:14:58,689 毎日5~6時間 週末は終日だ 203 00:14:58,814 --> 00:15:01,442 母は私が死ぬと思ってた 204 00:15:04,320 --> 00:15:09,116 あれは教育ではなく アスリートの訓練に近い 205 00:15:09,241 --> 00:15:13,662 プロになるために 必要なことを習得した 206 00:15:14,788 --> 00:15:19,376 その頃から私は 映画に目を向け始めた 207 00:15:19,501 --> 00:15:25,591 スタジオで働く父の影響で 映画音楽を聴くようになり 208 00:15:25,716 --> 00:15:30,387 父の職場に同行して 映画音楽の制作現場を体験した 209 00:15:31,138 --> 00:15:36,226 「波止場」 音楽 L・バーンスタイン 210 00:15:33,307 --> 00:15:37,895 {\an8}バーンスタインの 「波止場」を覚えてる 211 00:15:38,979 --> 00:15:42,691 音楽の録音に 父も参加していたんだ 212 00:15:42,816 --> 00:15:45,778 指揮用の楽譜を 見せてもらい—— 213 00:15:47,112 --> 00:15:50,032 私も書けると思い始めた 214 00:15:53,077 --> 00:15:55,037 高校時代には—— 215 00:15:55,162 --> 00:15:58,791 学生オーケストラ向けの 楽譜も書いていた 216 00:15:58,916 --> 00:16:04,088 ミュージカルのピアノ曲を オーケストラ用に編曲し 217 00:16:04,213 --> 00:16:06,256 指揮したこともある 218 00:16:06,382 --> 00:16:10,052 実践と練習の積み重ねだ 219 00:16:10,177 --> 00:16:13,639 独学で学んだことは多い 220 00:16:13,764 --> 00:16:18,310 音楽関連の本に 長いこと鼻をうずめていたよ 221 00:16:21,188 --> 00:16:23,649 空軍にいた4年間のうち 222 00:16:23,774 --> 00:16:29,738 ニューファンドランド配属時は 軍楽隊に入っていた 223 00:16:31,365 --> 00:16:35,077 第二次世界大戦後 カナダ政府は—— 224 00:16:35,202 --> 00:16:39,623 外国の映画会社を 国内に誘致していた 225 00:16:40,749 --> 00:16:45,838 そこでドイツの スタジオ・ハンブルグが 226 00:16:45,963 --> 00:16:51,176 カナダの沿海州を巡る ドキュメンタリーを撮っていた 227 00:16:51,301 --> 00:16:55,431 映画は完成したが まだ音楽はなかった 228 00:16:55,556 --> 00:16:58,976 {\an8}「ユー・アー・ ウェルカム」 229 00:16:59,101 --> 00:17:01,061 なぜか私に連絡が来た 230 00:17:02,771 --> 00:17:08,277 映画音楽の経験はなかったが 二つ返事で引き受けたよ 231 00:17:09,945 --> 00:17:14,616 ニューファンドランドの 民謡の本を図書館で借り 232 00:17:14,742 --> 00:17:16,952 作曲に取りかかった 233 00:17:16,285 --> 00:17:18,996 {\an8}“ニューファンドランドで 軍人が映画音楽を作曲〟 234 00:17:19,121 --> 00:17:21,165 それが最初だ 235 00:17:19,121 --> 00:17:22,833 {\an8}“空軍兵が 映画音楽の道へ〟 236 00:17:23,333 --> 00:17:24,626 20代前半の頃は 237 00:17:24,752 --> 00:17:29,298 ピアニストの道しか 考えていなかった 238 00:17:29,923 --> 00:17:33,886 作曲の中でも 映画音楽に携わったのは 239 00:17:34,011 --> 00:17:36,305 偶然の結果でしかない 240 00:17:39,308 --> 00:17:41,477 ジャズに夢中だった 241 00:17:42,019 --> 00:17:45,272 ラジオで聴いて 自分も弾きたくなり 242 00:17:45,397 --> 00:17:48,233 {\an8}ジャズ奏者になった 243 00:17:47,941 --> 00:17:50,444 「ジョニー・ スタッカート」 244 00:17:48,358 --> 00:17:53,363 {\an8}自分がO・ピーターソンや T・ウィルソンのような 245 00:17:50,569 --> 00:17:53,363 ピアノ ジョン・ウィリアムズ 246 00:17:53,489 --> 00:17:57,284 一流奏者になれるとは 思っていなかった 247 00:17:57,409 --> 00:17:59,995 でも作曲は得意だ 248 00:18:04,208 --> 00:18:10,464 {\an8}高校時代から しばらく ジャズに夢中で—— 249 00:18:07,252 --> 00:18:10,464 映画製作者 ジョージ・ルーカス 250 00:18:10,589 --> 00:18:14,051 {\an8}ジャズ奏者のジョンしか 知らなかった 251 00:18:14,176 --> 00:18:18,889 彼は20代で「リズム・イン・ モーション」を出した 252 00:18:20,599 --> 00:18:23,977 自身のジャズバンドを 使った傑作だ 253 00:18:24,103 --> 00:18:27,439 ベテラン作曲家も遠く及ばない 254 00:18:27,564 --> 00:18:30,150 かつてはジャズ奏者だった 255 00:18:30,275 --> 00:18:35,197 1977年の映画音楽で ジョンを知った人には—— 256 00:18:35,322 --> 00:18:38,158 想像もできないだろうね 257 00:18:38,325 --> 00:18:42,162 ジョージ・ルーカス監督 「スター・ウォーズ/ 新たなる希望」 258 00:18:41,203 --> 00:18:45,207 {\an8}宇宙港カンティーナ のような音楽は 259 00:18:45,332 --> 00:18:47,835 {\an8}ジャズを知らない人には 作れない 260 00:18:47,960 --> 00:18:51,588 {\an8}門外漢が作ったところで 261 00:18:48,210 --> 00:18:51,588 サックス奏者/作曲家 ブランフォード・ マルサリス 262 00:18:51,713 --> 00:18:54,299 {\an8}安っぽくなるのがオチだ 263 00:18:55,676 --> 00:18:58,470 でもジョンが作るとイカす 264 00:18:59,513 --> 00:19:01,723 「キャッチ・ミー・ イフ・ユー・キャン」も同じさ 265 00:19:02,349 --> 00:19:05,310 S・スピルバーグ監督 「キャッチ・ミー・ イフ・ユー・キャン」 266 00:19:03,392 --> 00:19:07,437 {\an8}あれこそジャズだ 本物を感じるよ 267 00:19:08,355 --> 00:19:12,359 映画を見終わり ジョンにメールを送った 268 00:19:12,484 --> 00:19:16,947 “これをサックス協奏曲に 編曲してください〟と 269 00:19:17,489 --> 00:19:20,826 数日後 返信があった 270 00:19:20,951 --> 00:19:25,998 “既に制作中です 6週間ほどで完成します〟と 271 00:19:27,291 --> 00:19:29,459 とても楽しみだった 272 00:19:29,585 --> 00:19:32,254 {\an8}「キャッチ・ミー・ イフ・ユー・キャン」 273 00:19:32,379 --> 00:19:35,257 {\an8}“アルトサックスと オーケストラのための エスカペイド〟 274 00:19:39,178 --> 00:19:42,764 映画に詳しくもなく ファンでもない 275 00:19:42,890 --> 00:19:44,766 映画館にも行かない 276 00:19:45,058 --> 00:19:47,978 だが父は コロンビアやMGMなどの 277 00:19:48,103 --> 00:19:51,064 スタジオ・オーケストラだった 278 00:19:51,190 --> 00:19:54,902 スタジオに 音楽家の仕事があると知り 279 00:19:55,027 --> 00:19:58,113 映画音楽に興味を持った 280 00:19:58,238 --> 00:20:02,451 コロンビア・ピクチャーズの スタジオ監督の前で弾き 281 00:20:02,576 --> 00:20:05,037 オーケストラに採用された 282 00:20:05,746 --> 00:20:08,957 2年間 休みなく演奏したよ 283 00:20:09,082 --> 00:20:14,755 その後 20世紀フォックスや パラマウントでも弾いた 284 00:20:14,880 --> 00:20:17,633 バーナード・ハーマンや フランツ・ワックスマン 285 00:20:17,758 --> 00:20:20,427 ヘンリー・マンシーニとね 286 00:20:21,011 --> 00:20:23,013 「ピーター・ガン」は最高だ 287 00:20:23,972 --> 00:20:25,682 {\an8}「ピーター・ガン」 音楽 ヘンリー・マンシーニ 288 00:20:25,807 --> 00:20:27,851 {\an8}ピアノ ジョン・ウィリアムズ 289 00:20:30,437 --> 00:20:33,232 ラジオパーソナリティー エルヴィス・ミッチェル 290 00:20:30,437 --> 00:20:37,026 {\an8}あの激しいピアノが ジャズファンクの基盤だ 291 00:20:37,027 --> 00:20:38,779 {\an8} アーヴィング・ ラーナー監督 「青春のさまよえる時」 292 00:20:38,904 --> 00:20:40,155 {\an8}音楽 ジェリー・ゴールドスミス 293 00:20:40,280 --> 00:20:41,615 {\an8}ピアノ ジョン・ ウィリアムズ 294 00:20:41,740 --> 00:20:45,369 {\an8}私は とても忙しく 毎日 演奏していた 295 00:20:45,869 --> 00:20:48,288 ロバート・マリガン監督 「アラバマ物語」 296 00:20:48,413 --> 00:20:50,874 音楽 エルマー・バーンスタイン 297 00:20:50,999 --> 00:20:53,418 ピアノ ジョン・ウィリアムズ 298 00:20:51,833 --> 00:20:54,544 {\an8}オーケストラで 演奏していた頃 299 00:20:54,670 --> 00:20:58,507 年上の同僚たちに 編曲を頼まれた 300 00:21:03,762 --> 00:21:09,685 何曲か編曲した頃 今度は “指揮をしてみないか〟と 301 00:21:09,810 --> 00:21:12,896 それを若さに任せて引き受けた 302 00:21:13,814 --> 00:21:17,150 その頃から 作曲一本にしたくなった 303 00:21:17,276 --> 00:21:21,154 気づけばテレビや映画に 引っ張りだこだ 304 00:21:21,280 --> 00:21:22,864 そこで妻に話した 305 00:21:22,990 --> 00:21:27,327 “演奏家をやめて 作曲に専念したい〟と 306 00:21:27,452 --> 00:21:30,330 そのほうが稼ぎがいい 307 00:21:30,455 --> 00:21:33,333 子供3人を育てなきゃいけない 308 00:21:34,501 --> 00:21:38,046 子供の頃 小さな部屋に 309 00:21:38,171 --> 00:21:42,050 {\an8}コーデュロイの敷物があり ジョンの娘 ジェニー・ウィリアムズ 310 00:21:42,175 --> 00:21:47,681 敷物の上に置かれたピアノを 父が弾いていたのを覚えてる 311 00:21:53,103 --> 00:21:57,149 母は俳優で歌手の バーバラ・リュイックよ 312 00:21:57,274 --> 00:22:00,569 {\an8}「回転木馬」の キャリー役だった 313 00:21:58,608 --> 00:22:03,113 ヘンリー・キング監督 「回転木馬」 314 00:22:07,534 --> 00:22:13,040 弟はマークとジョセフの2人 どちらも音楽をやってる 315 00:22:13,165 --> 00:22:16,001 ジョセフはトトのボーカルで 316 00:22:16,126 --> 00:22:21,548 マークはエア・サプライや ティナ・ターナーのドラマーよ 317 00:22:21,840 --> 00:22:24,051 両親は華やかで 318 00:22:24,176 --> 00:22:28,013 よく出かけたし パーティーも主催した 319 00:22:28,138 --> 00:22:31,975 毎年 家族で クリスマスを祝ってくれた 320 00:22:33,435 --> 00:22:36,730 父が番組用の曲を弾き—— 321 00:22:37,647 --> 00:22:41,568 母は歌の練習をして 一緒に楽しんでいた 322 00:22:41,693 --> 00:22:45,322 一緒に笑い合える家族だったの 323 00:22:46,281 --> 00:22:48,075 楽しかったわ 324 00:22:50,911 --> 00:22:53,789 毎週 テレビ番組の曲を書いた 325 00:22:55,832 --> 00:22:59,961 アンソロジー番組を 担当する機会に恵まれた 326 00:23:00,087 --> 00:23:03,006 「クライスラー・シアター」や 「アルコア・シアター」だ 327 00:23:03,590 --> 00:23:07,761 西部劇やコメディー ドラマものもあった 328 00:23:07,886 --> 00:23:12,933 監督は その後 映画の道に進んだ人たちばかり 329 00:23:13,058 --> 00:23:16,144 S・ポラックやR・ドナー R・アルトマンだ 330 00:23:16,937 --> 00:23:20,607 週末は家で 仕事をすることもあったけど 331 00:23:20,732 --> 00:23:22,943 ずっと楽譜に向かってた 332 00:23:24,528 --> 00:23:29,741 ある日 私は メモを書いて父に渡したの 333 00:23:29,866 --> 00:23:32,994 “部屋から出てきて 私と遊んで〟と 334 00:23:33,578 --> 00:23:37,374 ドアの下にメモを入れたら 怒られたわ 335 00:23:39,835 --> 00:23:45,090 1960年代は 自宅より スタジオで働くことが多かった 336 00:23:45,215 --> 00:23:49,594 子供たちは まだ小さく 家の中はドタバタだった 337 00:23:49,719 --> 00:23:54,349 作曲に必要な 静かな環境を得るのは難しい 338 00:23:54,474 --> 00:23:58,395 だからスタジオに行って 長い時間を過ごした 339 00:23:58,520 --> 00:24:03,191 働くというより ただ そこに居座っていたんだ 340 00:24:05,277 --> 00:24:09,281 {\an8}「スター・ウォーズ」の 作曲家が—— 341 00:24:08,864 --> 00:24:12,325 映画製作者 J・J・エイブラムス 342 00:24:09,406 --> 00:24:13,493 {\an8}「ギリガン君SOS」も 手がけた 343 00:24:13,618 --> 00:24:16,830 どんなジャンルもこなせる 344 00:24:16,955 --> 00:24:18,373 {\an8}ポールを! 345 00:24:17,581 --> 00:24:21,293 ジョン・リッチ監督 「ギリガン君SOS」 346 00:24:18,498 --> 00:24:19,499 {\an8}はい 347 00:24:23,795 --> 00:24:25,005 これで? 348 00:24:25,130 --> 00:24:26,631 よし 持ってこい 349 00:24:26,756 --> 00:24:27,966 すぐに 350 00:24:32,471 --> 00:24:37,267 家族でハワイに行った時 父がウクレレを買ったの 351 00:24:37,392 --> 00:24:41,229 当時「宇宙家族ロビンソン」の テーマ曲を思案中で 352 00:24:41,354 --> 00:24:44,649 ウクレレを使って曲を作った 353 00:24:45,484 --> 00:24:50,530 {\an8}「宇宙家族ロビンソン」 “メインテーマ〟 354 00:24:50,822 --> 00:24:57,204 20世紀フォックスの仕事で L・ニューマンと出会ったんだ 355 00:24:57,704 --> 00:25:04,044 テレビに関わったことが 後の映画の仕事につながった 356 00:25:04,169 --> 00:25:07,088 「ジョン・ゴールドファーブ・ プリーズ・カム・ホーム」 357 00:25:07,839 --> 00:25:10,091 {\an8}契約金はいくら? 358 00:25:08,173 --> 00:25:12,844 ジョン・ウィリアムズ 採用通知 1964年 359 00:25:10,217 --> 00:25:12,844 {\an8}1万2500ドルだ 360 00:25:12,969 --> 00:25:14,095 {\an8}1週間? 361 00:25:14,930 --> 00:25:17,265 {\an8}10週間だ 参ったな 362 00:25:17,390 --> 00:25:18,850 {\an8}「おしゃれ泥棒」 363 00:25:18,975 --> 00:25:23,647 ある時 コメディーは もうやりたくないと思った 364 00:25:23,772 --> 00:25:25,106 {\an8}「プレイラブ48章」 365 00:25:24,981 --> 00:25:27,108 その頃 同僚に言われた 366 00:25:27,234 --> 00:25:30,529 映画音楽では 名前を変えたほうがいいと 367 00:25:30,654 --> 00:25:35,450 当時はクレジットに “ジョニー〟を使っていたが 368 00:25:35,575 --> 00:25:38,787 “ジョン〟にするべきだとね 369 00:25:38,912 --> 00:25:40,956 彼が正しいと思ったよ 370 00:25:41,331 --> 00:25:43,458 {\an8}俺が金持ちなら 371 00:25:43,208 --> 00:25:47,796 ノーマン・ジュイソン監督 「屋根の上の バイオリン弾き」 372 00:25:48,713 --> 00:25:52,259 一日中 ゆかいに暮らす 373 00:25:52,384 --> 00:25:54,636 金があれば 374 00:25:55,679 --> 00:25:57,556 「屋根の上の バイオリン弾き」 375 00:25:55,679 --> 00:25:59,015 初の大予算映画は ミュージカルで 376 00:25:59,140 --> 00:26:02,769 私が編曲と音楽監督 指揮も務めた 377 00:26:02,894 --> 00:26:07,524 合唱団や子供の歌声など 多くの音源が必要で 378 00:26:07,649 --> 00:26:10,819 歌詞は一語一句まで聞かせたい 379 00:26:11,069 --> 00:26:14,281 伝統だ 伝統! 380 00:26:15,991 --> 00:26:16,992 伝統! 381 00:26:17,742 --> 00:26:22,455 音をミックスして 編集して カットする 382 00:26:22,581 --> 00:26:26,376 作業自体が学びで 大きな経験になった 383 00:26:26,501 --> 00:26:32,507 作曲家としてだけでなく 映画製作の職人としてもね 384 00:26:33,091 --> 00:26:35,510 {\an8} ハーバート・ロス監督 「チップス先生 さようなら」 385 00:26:37,012 --> 00:26:40,974 {\an8}最初の作曲担当は アンドレ・プレヴィンだ 386 00:26:41,099 --> 00:26:44,936 {\an8}だがプロデューサーとの 不合意があり 387 00:26:45,061 --> 00:26:49,232 {\an8}レスリー・ブリッカスに 担当が移されたんだ 388 00:26:49,608 --> 00:26:54,779 {\an8}アンドレは私のメンターで いつも応援してくれた 389 00:26:54,904 --> 00:27:00,493 “自分の音楽を書きたいなら ハリウッドを出たほうがいい〟 390 00:27:00,619 --> 00:27:03,622 “商業映画は時間の無駄だ〟と 391 00:27:04,497 --> 00:27:08,668 私に彼の才能があれば 映画音楽はやらなかった 392 00:27:08,793 --> 00:27:12,797 でも私はハリウッドで 自分を見いだしたんだ 393 00:27:13,048 --> 00:27:16,134 ロナルド・ニーム監督 「ポセイドン・ アドベンチャー」 394 00:27:15,300 --> 00:27:19,596 {\an8}ジョンの音楽は 常に映画を向上させる 395 00:27:19,721 --> 00:27:22,182 本質を見つけるんだ 396 00:27:22,307 --> 00:27:25,352 何が人の心を揺さぶるのか 397 00:27:25,477 --> 00:27:30,148 {\an8}それが70年代の パニック映画でもね 398 00:27:27,395 --> 00:27:30,148 マーク・ロブソン監督 “大地震〟 399 00:27:31,024 --> 00:27:34,319 {\an8} ジョン・ギラーミン監督 「タワーリング・ インフェルノ」 400 00:27:34,444 --> 00:27:37,656 初めてジョンを 指揮台で見たのは 401 00:27:37,781 --> 00:27:40,033 「ポセイドン・ アドベンチャー」だ 402 00:27:40,158 --> 00:27:43,161 スタジオに入ると ベース奏者がいて 403 00:27:43,286 --> 00:27:46,831 ジョンは 黒いタートルネックを着ていた 404 00:27:48,500 --> 00:27:54,047 僕は静かに席に座って 彼の指揮を見守ったよ 405 00:27:55,674 --> 00:27:58,176 {\an8}アーウィンは豪快だ 406 00:27:56,174 --> 00:27:58,176 「ポセイドン・ アドベンチャー」 プロデューサー 407 00:27:58,301 --> 00:27:59,761 アーウィン・アレン 408 00:27:58,301 --> 00:28:04,182 {\an8}効果音やセリフを混ぜる ダビングが得意で 409 00:28:04,307 --> 00:28:06,851 大音量に こだわっていた 410 00:28:06,976 --> 00:28:09,020 とにかく“大きく〟だ 411 00:28:14,150 --> 00:28:16,820 ずっと紙と鉛筆を使ってきた 412 00:28:17,445 --> 00:28:19,739 それは今も変わらない 413 00:28:20,365 --> 00:28:26,705 デジタルソフトを 学んでいる時間はなかったよ 414 00:28:26,830 --> 00:28:29,374 使ったほうが効率はいい 415 00:28:29,499 --> 00:28:31,126 こんな音なら... 416 00:28:32,377 --> 00:28:35,755 9~10音だ 私は手で書く 417 00:28:36,339 --> 00:28:37,382 もし... 418 00:28:40,552 --> 00:28:42,762 音が たくさんあったら? 419 00:28:42,887 --> 00:28:45,598 コンピューターは 弾けば取り込める 420 00:28:46,015 --> 00:28:47,851 私は手書きだ 421 00:28:48,435 --> 00:28:53,148 若い作曲家に比べると 作曲に時間がかかった 422 00:28:54,941 --> 00:28:58,361 五線譜に 音符を書いていくが—— 423 00:28:58,486 --> 00:29:03,491 次の朝 見返すと 他人の曲のように感じる 424 00:29:03,616 --> 00:29:09,205 “昨日のうちに こんなに書けるはずがない〟と 425 00:29:10,582 --> 00:29:14,919 苦労しながら スキルを身に付けてきた人だ 426 00:29:15,044 --> 00:29:20,675 {\an8}今はAIと対話しながら 作曲できる時代になった 427 00:29:15,378 --> 00:29:18,715 音楽プロデューサー/ ジョンの孫 イーサン・グルスカ 428 00:29:21,551 --> 00:29:26,556 部屋にこもって 60年以上 働いてきた努力を 429 00:29:26,681 --> 00:29:29,350 みんなに知ってもらいたい 430 00:29:29,476 --> 00:29:32,729 多くの犠牲と苦労が あったはずだ 431 00:29:32,854 --> 00:29:36,107 一線を越えると 祖父は寡黙になる 432 00:29:37,192 --> 00:29:41,237 音楽で自分を 表現していたんだと思う 433 00:29:44,199 --> 00:29:49,370 {\an8}「サブリナ」テーマ曲 434 00:29:57,629 --> 00:30:00,173 母はネバダ州リノで—— 435 00:30:00,298 --> 00:30:03,927 「ジャックポット」の 撮影をしていた 436 00:30:04,344 --> 00:30:06,054 {\an8}オールドブルーに 437 00:30:04,552 --> 00:30:09,140 ロバート・アルトマン監督 「ジャックポット」 438 00:30:06,179 --> 00:30:07,055 {\an8}本当? 439 00:30:07,180 --> 00:30:08,807 {\an8}ああ 賭けよう 440 00:30:09,933 --> 00:30:13,520 {\an8}キャスリンが電話で—— 441 00:30:11,351 --> 00:30:15,313 ロバートの妻/俳優 キャスリン・リード・ アルトマン 442 00:30:13,645 --> 00:30:15,313 {\an8}父に話があると 443 00:30:15,814 --> 00:30:18,191 私は父の帰りを待ち 444 00:30:18,316 --> 00:30:20,985 “ママに何かあったと思う〟 と伝えた 445 00:30:22,320 --> 00:30:26,908 {\an8}“リノで俳優が死亡〟 446 00:30:24,405 --> 00:30:26,908 信じられなかった 447 00:30:27,033 --> 00:30:32,831 まだ若く 健康だったが 動脈瘤りゅうで急死した 448 00:30:33,414 --> 00:30:35,625 悲しい出来事だよ 449 00:30:35,750 --> 00:30:41,798 妻は 3人の子供の母親で まだ41歳だった 450 00:30:43,675 --> 00:30:49,222 父は飛行機でリノに向かい 私は弟たちと留守番していた 451 00:30:49,806 --> 00:30:55,270 あの頃から 弟たちの世話が 私の役割になったの 452 00:30:56,729 --> 00:31:00,692 40代前半で 突然 子供3人を託され 453 00:31:00,817 --> 00:31:03,403 とても大変だった 454 00:31:04,904 --> 00:31:06,906 思い出すとつらいね 455 00:31:10,618 --> 00:31:15,331 子育てをしようにも 父には経験がなかった 456 00:31:15,456 --> 00:31:17,083 ひどい状態よ 457 00:31:18,668 --> 00:31:23,840 私は慣れていたから 弟たちの世話もできたし 458 00:31:24,424 --> 00:31:28,136 きょうだいの間に 特別な絆もあった 459 00:31:30,889 --> 00:31:32,682 仕事から離れた 460 00:31:33,349 --> 00:31:37,979 映画や物語のことを 考えたくなかったんだ 461 00:31:38,730 --> 00:31:42,358 母の死後 父は バイオリン協奏曲を書いた 462 00:31:46,112 --> 00:31:50,074 “バイオリン協奏曲/ フルート協奏曲〟 ジョン・ウィリアムズ 463 00:31:47,780 --> 00:31:50,074 {\an8}バイオリン好きの妻に 464 00:31:50,199 --> 00:31:54,787 曲を頼まれていたが 作ってあげられなかった 465 00:31:58,333 --> 00:31:59,709 母がいた頃の曲は—— 466 00:31:59,834 --> 00:32:05,089 すばらしいけれど どこか職人的な音がしていた 467 00:32:05,214 --> 00:32:08,593 でも母の死後は 感情がこもってる 468 00:32:08,718 --> 00:32:09,969 母を感じるの 469 00:32:13,514 --> 00:32:15,558 彼女が支えてくれた 470 00:32:16,225 --> 00:32:20,855 不思議な感覚だったが 今でも近くに感じる 471 00:32:21,981 --> 00:32:27,278 音楽家として成長したような エネルギーを得たような 472 00:32:27,403 --> 00:32:30,698 作曲の理解を 深めたような感覚だ 473 00:32:32,659 --> 00:32:36,412 私が映画音楽家として 多忙を極めたのは 474 00:32:36,537 --> 00:32:38,623 その直後だった 475 00:32:40,249 --> 00:32:43,044 {\an8}「スター・ウォーズ」を 依頼された 476 00:32:46,589 --> 00:32:49,884 同時に「遠すぎた橋」の 話もあった 477 00:32:50,343 --> 00:32:52,845 {\an8}音楽監督に伝えた 478 00:32:50,802 --> 00:32:54,764 20世紀フォックス 音楽監督 ライオネル・ニューマン 479 00:32:52,971 --> 00:32:57,183 {\an8}「遠すぎた橋」を優先する スターが勢ぞろいだと 480 00:32:57,308 --> 00:33:01,729 「スター・ウォーズ」は 詳細も監督も知らない 481 00:33:01,854 --> 00:33:05,024 クラシック音楽を使いたかった 482 00:33:05,149 --> 00:33:07,443 {\an8}コルンゴルトや ニューマンのような 483 00:33:06,442 --> 00:33:08,903 音楽 エーリヒ・ ヴォルフガング ・コルンゴルト 484 00:33:07,568 --> 00:33:11,197 {\an8}30~40年代の映画音楽だ 485 00:33:09,028 --> 00:33:11,197 音楽 アルフレッド・ニューマン 486 00:33:11,322 --> 00:33:15,034 スティーヴンから ジョンの名を聞いた 487 00:33:15,159 --> 00:33:16,494 “ジャズ奏者だろ?〟 488 00:33:16,619 --> 00:33:19,038 “いや すごい作曲家だ〟 489 00:33:20,373 --> 00:33:22,959 スティーヴンに言われたんだ 490 00:33:23,084 --> 00:33:26,587 “ジョージ・ルーカスに 会ってくれ〟と 491 00:33:26,713 --> 00:33:29,632 彼を知らないのは 私の勉強不足だ 492 00:33:30,008 --> 00:33:33,386 ジョージと会って 音楽の話をしたよ 493 00:33:33,511 --> 00:33:34,929 彼は若かった 494 00:33:35,680 --> 00:33:37,515 意気投合した 495 00:33:37,640 --> 00:33:39,726 紳士的で話しやすく 496 00:33:39,851 --> 00:33:45,940 音楽の知識が豊富で 特に交響曲の作曲に詳しい 497 00:33:46,899 --> 00:33:50,862 「スター・ウォーズ」を やるべきだと 498 00:33:50,987 --> 00:33:53,448 スティーヴンに勧められた 499 00:33:53,573 --> 00:33:57,118 「遠すぎた橋」は ただの商業映画だが—— 500 00:33:57,243 --> 00:33:59,620 こっちは傑作になるとね 501 00:34:01,205 --> 00:34:05,460 説得はされたものの ためらう気持ちはなかった 502 00:34:10,173 --> 00:34:14,844 このプロジェクトは 特別な雰囲気に包まれていた 503 00:34:14,969 --> 00:34:21,434 ジョージが何か 風変わりなことをしてると 504 00:34:21,559 --> 00:34:22,810 みんな知っていた 505 00:34:22,935 --> 00:34:26,189 それまでも宇宙映画はあったが 506 00:34:26,314 --> 00:34:29,901 これほど想像力と 輝きに満ちた作品はない 507 00:34:34,030 --> 00:34:39,118 {\an8}数日かけて ジョンと 曲を入れるシーンを決めた 508 00:34:37,033 --> 00:34:41,037 編集 ポール・ハーシュ 509 00:34:39,243 --> 00:34:44,290 {\an8}仮楽曲に使ったのは グスターヴ・ホルスト 510 00:34:44,916 --> 00:34:48,211 {\an8}アントニン・ ドヴォルザークや 511 00:34:48,336 --> 00:34:53,216 {\an8}“春の祭典〟の一部と マックス・スタイナーだ 512 00:34:53,841 --> 00:34:54,926 {\an8}ジョンは—— 513 00:34:55,051 --> 00:35:00,014 僕らに賛同することも 別案をくれることもあった 514 00:35:01,474 --> 00:35:06,145 曲を決める工程は パズルの組み立てに似てる 515 00:35:06,270 --> 00:35:11,692 {\an8}“ピーターと狼おおかみ〟など 古い交響曲も検討した 516 00:35:11,818 --> 00:35:14,987 キャラクターごとに テーマ曲を作れば 517 00:35:15,113 --> 00:35:19,200 人物と音楽を ひも付けて 物語を伝えられる 518 00:35:20,159 --> 00:35:24,831 {\an8}「スター・ウォーズ/ 新たなる希望」 “レイア姫のテーマ〟 519 00:35:26,833 --> 00:35:30,169 「スター・ウォーズ」は 音楽の構想が 520 00:35:30,294 --> 00:35:32,672 支離滅裂だった 521 00:35:32,797 --> 00:35:34,757 変更だらけだ 522 00:35:34,882 --> 00:35:38,386 1分半の曲が 翌日は1分45秒になり 523 00:35:38,511 --> 00:35:40,096 最後は削除された 524 00:35:40,221 --> 00:35:46,269 {\an8}音楽編集のケネスに 翻弄ほんろうされる日々だった 525 00:35:43,391 --> 00:35:47,895 音楽編集 ケネス・ワンバーグ 526 00:35:46,394 --> 00:35:50,857 {\an8}ケネスが慌てて 連絡してきて 527 00:35:50,982 --> 00:35:57,071 “編集が追いつかない 曲は仕上がってるんだぞ〟と 528 00:35:58,239 --> 00:36:00,366 何週間たっても 529 00:36:00,491 --> 00:36:04,162 オープニングの曲が 浮かばなかった 530 00:36:04,287 --> 00:36:07,748 あの金管楽器の ファンファーレは 531 00:36:07,874 --> 00:36:09,709 最後に書いたんだ 532 00:36:11,335 --> 00:36:15,548 ジョンのピアノで 初めて曲の一部を聴いた 533 00:36:16,174 --> 00:36:17,550 あれは... 534 00:36:17,675 --> 00:36:23,097 テーマ曲のざっくりとした ピアノ版という感じだった 535 00:36:23,222 --> 00:36:28,060 “よく分からないけど 悪くはない〟としか言えない 536 00:36:28,186 --> 00:36:33,107 熱量や感情は伝わるし 実際はオーケストラが演奏する 537 00:36:33,900 --> 00:36:39,071 私は交響楽団を 映画で使ったことがなく 538 00:36:39,197 --> 00:36:42,575 ライオネルが雇ってくれた 539 00:36:43,284 --> 00:36:47,747 ロンドン交響楽団だ すごく興奮したよ 540 00:36:47,872 --> 00:36:53,169 世界レベルの楽団が 私の曲を演奏してくれる 541 00:36:53,294 --> 00:36:54,503 157... 542 00:36:55,630 --> 00:36:57,340 スタンバイして 543 00:36:58,841 --> 00:37:01,177 言葉では表現できない 544 00:37:01,928 --> 00:37:04,138 皆さん お静かに 545 00:37:04,263 --> 00:37:08,059 産声を聞いたような感覚だった 546 00:37:09,143 --> 00:37:12,939 あの時の気持ちは そうとしか形容できない 547 00:37:13,564 --> 00:37:18,903 初めてオーケストラの演奏で 映像に合わせて曲を聴いた 548 00:37:19,654 --> 00:37:21,489 彼を信じてはいたが 549 00:37:22,323 --> 00:37:25,701 最初の1音を聴くまで 不安はあった 550 00:37:28,246 --> 00:37:30,081 ダメだったら? 551 00:37:30,248 --> 00:37:33,376 遠い昔 はるかかなたの銀河系で... 552 00:37:36,087 --> 00:37:38,631 「スター・ウォーズ」 553 00:37:47,265 --> 00:37:49,141 {\an8}鳥肌が立ったよ 554 00:37:49,267 --> 00:37:52,937 {\an8}最初の10秒で 会場中が心を奪われた 映画製作者 ローレンス・カスダン 555 00:37:53,062 --> 00:37:55,231 “作曲家は誰だ?〟と 556 00:37:56,148 --> 00:37:59,652 「スター・ウォーズ」には 大胆さがある 557 00:37:59,777 --> 00:38:02,738 {\an8}あの大音量の オープニングは—— 558 00:38:00,027 --> 00:38:03,948 映画製作者 ジェームズ・マンゴールド 559 00:38:02,863 --> 00:38:06,867 {\an8}映画かつ音楽史上 最も有名な曲になった 560 00:38:06,993 --> 00:38:10,037 オーケストラ音楽への賛辞だ 561 00:38:17,878 --> 00:38:19,505 「スター・ウォーズ」 562 00:38:19,630 --> 00:38:22,258 この音楽がヒットを越えた—— 563 00:38:22,383 --> 00:38:25,761 一大現象になるとは 誰も思わなかった 564 00:38:26,512 --> 00:38:32,852 サウンドトラックは 曲数が多いため2枚組になった 565 00:38:33,019 --> 00:38:35,146 “アルバムが大ヒット〟 566 00:38:35,271 --> 00:38:37,690 レコードは人気を博した 567 00:38:37,815 --> 00:38:41,652 買った人の多くは サウンドトラックアルバムや 568 00:38:41,777 --> 00:38:45,990 オーケストラコンサートに なじみがなかったと思う 569 00:38:46,115 --> 00:38:49,785 昔は映画を 何度も見返せなかった 570 00:38:49,910 --> 00:38:53,581 だから音楽を聴き ジャケットを眺め 571 00:38:53,706 --> 00:38:56,834 頭の中で映画を流してた 572 00:38:56,250 --> 00:38:56,834 {\an8}「大地震」 573 00:38:56,959 --> 00:38:58,336 {\an8}「アイガー・ サンクション」 「フューリー」 574 00:38:58,461 --> 00:38:59,962 {\an8}「ドラキュラ」 「レイダース/ 失われたアーク《聖櫃》」 575 00:39:01,964 --> 00:39:04,175 アルバムは2枚組だ 576 00:39:04,300 --> 00:39:10,139 ジャケットのロゴを 凝視しながら曲を聴いた 577 00:39:10,765 --> 00:39:15,978 音楽の壮大なスケール感が とても重要なんだ 578 00:39:17,813 --> 00:39:20,358 別世界に いざなってくれる 579 00:39:22,318 --> 00:39:25,071 {\an8}ヴァージニア交響楽団 第2ホルン ヘレン・ワーゲリン 580 00:39:37,291 --> 00:39:42,546 {\an8}「スター・ウォーズ」の ような映画音楽は他にない 581 00:39:40,753 --> 00:39:42,546 映画音楽家/指揮者 デヴィッド・ニューマン 582 00:39:42,671 --> 00:39:46,592 ライトモチーフの使い方が 秀逸だった 583 00:39:48,594 --> 00:39:51,472 簡単に言えばテーマ曲だ 584 00:39:59,939 --> 00:40:03,734 {\an8}「スター・ウォーズ/ 帝国の逆襲」 “ヨーダのテーマ〟 585 00:40:07,113 --> 00:40:12,034 「スター・ウォーズ」全体で 80~90曲ほどある 586 00:40:13,869 --> 00:40:16,163 “フォースのテーマ〟が好きだ 587 00:40:22,002 --> 00:40:23,879 旋律を聴くだけで 588 00:40:24,004 --> 00:40:28,884 映画のキャラクターだけでなく 40年前の自分も思い出す 589 00:40:34,849 --> 00:40:37,893 心にしみわたる最高の感覚だ 590 00:40:38,018 --> 00:40:43,482 ジョンは印象的なテーマ曲を たくさん作ってくれた 591 00:40:44,692 --> 00:40:47,987 予想に反する旋律が 届くこともある 592 00:40:49,363 --> 00:40:54,577 {\an8}“二つの夕日〟 未使用曲 593 00:40:58,080 --> 00:41:00,916 僕が“想像と違う〟と言えば 594 00:41:01,041 --> 00:41:05,337 ジョンは“明日までに 書き直す〟と言ってくれた 595 00:41:06,505 --> 00:41:10,801 自分の意見を 貫こうとする作曲家もいるが 596 00:41:10,926 --> 00:41:14,472 強引に進めれば ぶつかることになる 597 00:41:15,931 --> 00:41:17,683 でもジョンは違う 598 00:41:18,309 --> 00:41:20,019 紳士的だった 599 00:41:20,227 --> 00:41:23,856 {\an8}“二つの夕日〟 使用曲 600 00:41:26,817 --> 00:41:30,654 映画の半分は 音楽で決まると思ってる 601 00:41:31,447 --> 00:41:34,783 ジョンなしでは 作品が成立しない 602 00:41:35,618 --> 00:41:37,536 {\an8}事務所の近くに—— 603 00:41:37,661 --> 00:41:40,456 {\an8}人だかりがあると 誰かに聞いた 604 00:41:40,581 --> 00:41:42,625 {\an8}うれしかったよ 605 00:41:42,750 --> 00:41:47,922 私は仕事にかかりきりで 見られなかったけどね 606 00:41:48,047 --> 00:41:49,840 「スター・ウォーズ」の次は 607 00:41:49,965 --> 00:41:52,885 「未知との遭遇」に 取りかかった 608 00:41:53,052 --> 00:41:55,054 {\an8}「未知との遭遇」 録音セッション 609 00:41:55,179 --> 00:41:57,139 {\an8}S・スピルバーグの プライベート映像 610 00:42:00,142 --> 00:42:02,269 いいでしょう 611 00:42:02,394 --> 00:42:04,980 オーケストラは 7拍のテヌートから 612 00:42:08,526 --> 00:42:12,321 「ジョーズ」は2音で 「未知との遭遇」は5音? 613 00:42:12,446 --> 00:42:14,448 少しずつ進歩した 614 00:42:14,573 --> 00:42:16,909 「失われたアーク」は 100音だ 615 00:42:17,034 --> 00:42:18,244 そうだな 616 00:42:18,369 --> 00:42:22,248 「未知との遭遇」は 実は音楽映画なんだ 617 00:42:22,373 --> 00:42:27,586 あれを初めて君に弾いた時 “友情が終わる〟と思った 618 00:42:27,711 --> 00:42:29,046 まさか 619 00:42:29,713 --> 00:42:33,801 {\an8} スティーヴン・ スピルバーグ監督 「未知との遭遇」 620 00:42:54,905 --> 00:42:57,283 音楽に全てが詰まってる 621 00:42:57,408 --> 00:43:03,289 20世紀の音楽 つまり 前衛的で 不協和音が多い 622 00:43:08,168 --> 00:43:10,588 極端な音も使ってる 623 00:43:10,713 --> 00:43:12,464 {\an8}1 2 3... 624 00:43:11,380 --> 00:43:14,091 合唱団の アドリブセッション 625 00:43:15,634 --> 00:43:18,137 「未知との遭遇」 626 00:43:21,932 --> 00:43:26,687 最も基礎的で 印象深い 5音のテーマ曲を 627 00:43:26,812 --> 00:43:28,480 繰り返し使った 628 00:43:36,947 --> 00:43:41,118 これは面白いと思うよ 629 00:43:41,243 --> 00:43:43,996 各小節が5つの音なんだ 630 00:43:44,121 --> 00:43:46,165 たくさん考えた 631 00:43:46,290 --> 00:43:47,625 書き込みもある 632 00:43:48,250 --> 00:43:50,002 使ったのは これ 633 00:43:51,503 --> 00:43:52,713 ここだ 634 00:43:52,838 --> 00:43:58,510 スティーヴンと私で 全部の候補を聴いて決めた 635 00:43:58,636 --> 00:44:00,304 5音といっても... 636 00:44:02,473 --> 00:44:03,641 いいね 637 00:44:06,435 --> 00:44:09,021 いろいろある なぜ この... 638 00:44:17,946 --> 00:44:21,116 スピリチュアルな何かを 感じるね 639 00:44:21,241 --> 00:44:22,409 もし... 640 00:44:26,664 --> 00:44:29,750 終わりだ 文章に句点を打った 641 00:44:30,376 --> 00:44:31,543 だが... 642 00:44:34,296 --> 00:44:40,928 “そして〟や“でも〟などの 接続詞に続くように感じる 643 00:44:41,053 --> 00:44:43,389 “これは いい映画で...〟 644 00:44:43,514 --> 00:44:47,101 “で...〟と聞こえる音は 2つある 645 00:44:47,226 --> 00:44:51,563 ソは5つめで 次にドを期待するのは分かるね 646 00:44:51,689 --> 00:44:54,066 もう1つは“シド〟だ 647 00:44:54,191 --> 00:44:58,070 この2つがある だからシで音を止めれば... 648 00:44:58,946 --> 00:45:01,323 次はドを期待するだろ? 649 00:45:01,448 --> 00:45:05,536 つまり5度の音階は 次の音を期待させる 650 00:45:05,661 --> 00:45:09,415 この文脈でいう “でも...〟のようにね 651 00:45:10,457 --> 00:45:13,919 “ロランが好きだ でも...〟 652 00:45:14,670 --> 00:45:16,714 で•も•質問が多すぎる? 653 00:45:16,839 --> 00:45:18,340 止まらない 654 00:45:18,465 --> 00:45:20,259 これでいいか? 655 00:45:20,968 --> 00:45:23,804 まだ35小節が よくない 656 00:45:26,390 --> 00:45:29,309 一番 苦労した曲は? 657 00:45:29,435 --> 00:45:32,813 「未知との遭遇」のラストかな 658 00:45:32,938 --> 00:45:35,774 ライトが光るシーンだ 659 00:45:50,122 --> 00:45:51,081 すごい 660 00:45:51,206 --> 00:45:55,836 {\an8}これがアーカイブにあった オリジナルの楽譜だ ソニー・ミュージック・ アーカイブ スピルバーグの家庭用映像 661 00:45:55,961 --> 00:45:57,254 これを見て 662 00:45:57,379 --> 00:45:59,798 信じられない 663 00:45:59,923 --> 00:46:00,883 すごいな 664 00:46:03,719 --> 00:46:05,095 ウソだろ 665 00:46:06,638 --> 00:46:12,186 初めの頃 父に相談したんだ “何も浮かばない〟と 666 00:46:12,311 --> 00:46:16,899 「スター・ウォーズ」の直後で 音にまみれてた 667 00:46:17,024 --> 00:46:19,026 すると父は ただ—— 668 00:46:19,151 --> 00:46:23,405 “何とかなるさ 夕食でも どうだ?〟と 669 00:46:23,530 --> 00:46:29,995 オーケストラ的にも指揮的にも 私にとって一段上の挑戦だった 670 00:46:31,955 --> 00:46:35,250 「未知との遭遇」の話は以上だ 671 00:46:37,544 --> 00:46:41,340 {\an8}ジョンは1年で 3作品の音楽を手がけた 672 00:46:41,465 --> 00:46:44,134 {\an8}3つめは 「ブラック・サンデー」だ 673 00:46:44,259 --> 00:46:48,680 どれも非常に複雑で 独自のすばらしさがあり 674 00:46:48,806 --> 00:46:50,432 一つ一つが全く違う 675 00:46:51,016 --> 00:46:56,605 それを1人の作曲家が たった1年で作り上げた 676 00:46:56,730 --> 00:46:59,024 ザ・ビートルズと同じさ 677 00:46:59,149 --> 00:47:05,823 彼らの曲は どれを取っても 他のバンドの最高傑作に値する 678 00:47:05,948 --> 00:47:08,325 ジョンの作る1曲は 679 00:47:08,450 --> 00:47:11,411 他の作曲家なら 一生分の功績になる 680 00:47:17,751 --> 00:47:22,214 突然の成功で 人生が どう変わったかと聞かれる 681 00:47:22,339 --> 00:47:24,508 ある日 電話があった 682 00:47:23,298 --> 00:47:29,680 {\an8}“アナハイム・ スタジアム〟 683 00:47:24,633 --> 00:47:29,680 “6万人以上を収容する アナハイム・スタジアムで〟 684 00:47:29,805 --> 00:47:34,017 “ズービン・メータが コンサートをやる〟と 685 00:47:30,639 --> 00:47:34,017 {\an8}“宇宙から届いた音楽〟 686 00:47:34,142 --> 00:47:37,062 ロサンゼルス・ フィルハーモニー管弦楽団だ 687 00:47:37,187 --> 00:47:40,399 その後 楽団から連絡があり 688 00:47:40,524 --> 00:47:43,777 “ハリウッド・ボウルで 指揮してくれ〟と 689 00:47:44,361 --> 00:47:47,531 {\an8}「スター・ウォーズ」の あとは—— 690 00:47:47,656 --> 00:47:52,578 {\an8}ゲスト指揮者として各地に 呼ばれるようになった 691 00:47:52,703 --> 00:47:56,790 私の音楽人生に 新たなページが加わった 692 00:47:59,793 --> 00:48:01,336 皆さん 693 00:48:02,087 --> 00:48:03,505 こんばんは 694 00:48:04,047 --> 00:48:05,632 新しい指揮者です 695 00:48:06,508 --> 00:48:12,472 {\an8}ボストン交響楽団の 音楽監督である小澤征爾せいじに 696 00:48:08,135 --> 00:48:09,678 指揮者/音楽監督 小澤征爾 697 00:48:09,803 --> 00:48:12,097 ボストン交響楽団 1973~2002年 698 00:48:12,598 --> 00:48:15,976 {\an8}ボストン・ポップスの 指揮者に指名された 699 00:48:16,268 --> 00:48:18,312 {\an8}ボストン・ポップスが 700 00:48:17,185 --> 00:48:21,398 1980年1月10日 701 00:48:18,437 --> 00:48:21,398 {\an8}「スター・ウォーズ」を 演奏 702 00:48:21,523 --> 00:48:26,153 {\an8}作曲家で指揮者の ジョン・ウィリアムズが 703 00:48:26,278 --> 00:48:31,325 {\an8}アーサー・フィードラーの 後任として就任 704 00:48:31,450 --> 00:48:34,578 背中を押したのは ライオネルだが 705 00:48:34,703 --> 00:48:39,708 内心は ずっと やりたかったのかもしれない 706 00:48:41,293 --> 00:48:44,838 {\an8}前任者は アーサー・フィードラーだ 707 00:48:42,753 --> 00:48:44,838 ピアニスト エマニュエル・アックス 708 00:48:44,963 --> 00:48:49,176 彼の音楽は 偉大な存在感を放っていた 709 00:48:49,551 --> 00:48:51,595 苦悩もあったはずだ 710 00:48:51,720 --> 00:48:56,975 ボストンの音楽家たちは 娯楽音楽に否定的で 711 00:48:57,684 --> 00:48:59,811 映画音楽を嫌っていた 712 00:48:59,937 --> 00:49:01,229 ゴミ扱いだ 713 00:49:02,397 --> 00:49:08,320 私が就任した1980年は まだ楽団員の中に古参がいた 714 00:49:08,445 --> 00:49:13,450 映画音楽を見下していて 演奏したがらない 715 00:49:13,575 --> 00:49:17,996 あまりに態度が悪くて プロ意識に欠けると感じたよ 716 00:49:18,372 --> 00:49:21,708 ジョン就任の4年後 1984年6月14日 717 00:49:18,747 --> 00:49:24,127 {\an8}ボストン・ポップスの ジョン・ウィリアムズが 718 00:49:24,252 --> 00:49:27,130 団員との不和により 退任すると発表 719 00:49:27,923 --> 00:49:33,011 昨日のリハーサルでの態度が 決定打となったようです 720 00:49:33,136 --> 00:49:36,598 ウィリアムズの選曲に 団員が反論し 721 00:49:36,723 --> 00:49:39,142 練習にも集中しませんでした 722 00:49:39,267 --> 00:49:44,940 楽団は非常に残念としながらも 彼の退任を承諾しました 723 00:49:46,274 --> 00:49:51,113 退任を決めたのは 団員と対話した結果だ 724 00:49:51,238 --> 00:49:55,075 彼らは不満が強く 礼儀もなかった 725 00:49:55,659 --> 00:50:02,374 一部の演奏家は映画音楽を 下等なものだと思っていた 726 00:50:02,499 --> 00:50:05,252 {\an8}子供の頃から疑問だった 727 00:50:03,083 --> 00:50:05,252 チェロ奏者 ヨーヨー・マ 728 00:50:05,377 --> 00:50:11,591 {\an8}なぜ音楽のジャンルには たくさんの壁があるのか 729 00:50:11,717 --> 00:50:17,014 映画音楽 コンサート音楽 バロック音楽 現代音楽とね 730 00:50:17,139 --> 00:50:22,894 ジョンの音楽は 全てのジャンルを網羅していた 731 00:50:24,104 --> 00:50:29,401 ジョンは その境界線を 消したわけではないが 732 00:50:29,526 --> 00:50:32,362 非常に あいまいにした 733 00:50:32,487 --> 00:50:34,990 もう誰にも見えない 734 00:50:35,115 --> 00:50:40,203 “音楽には いい音楽と 悪い音楽しかない〟というが 735 00:50:40,328 --> 00:50:45,250 ジョンは それを広める 重要な存在だった 736 00:50:46,835 --> 00:50:52,716 オーケストラの正団員には 選曲に意見する権利がある 737 00:50:53,383 --> 00:50:57,012 だが指揮者の創造的な提案を 738 00:50:57,137 --> 00:51:00,891 必要以上に 拒むべきではないと思う 739 00:51:01,933 --> 00:51:06,772 オーケストラは家族だ 協力によって成り立つ 740 00:51:07,481 --> 00:51:10,025 {\an8}ジョン・ウィリアムズが 741 00:51:08,273 --> 00:51:12,736 1984年8月2日 ジョン退任の6週間後 742 00:51:10,150 --> 00:51:12,736 {\an8}ボストン・ポップスに カムバック 743 00:51:13,779 --> 00:51:18,825 団員との すれ違いは 解消されたようです 744 00:51:19,659 --> 00:51:25,290 “楽団への敬意と愛情を 抱いている〟とウィリアムズ 745 00:51:28,877 --> 00:51:34,007 ハリウッドからボストンに 移って よかったと思う 746 00:51:34,132 --> 00:51:37,594 ハリウッドでは 無機質なスタジオにいて 747 00:51:37,719 --> 00:51:41,348 観客の顔を見ることはない 748 00:51:43,266 --> 00:51:47,979 ボストンでは オーケストラも観客もいて 749 00:51:48,105 --> 00:51:49,356 拍手もある 750 00:51:49,481 --> 00:51:55,195 拍手をもらったことのない ハリウッドの作曲家にとって 751 00:51:55,320 --> 00:51:58,782 観客のいるボストンは 至福の場所だった 752 00:52:00,075 --> 00:52:03,286 クラシック界が 彼を認め始めた 753 00:52:03,411 --> 00:52:06,915 才能ある独創的な作曲家であり 754 00:52:07,040 --> 00:52:12,629 オーケストラの発展に 大きく貢献した人物だとね 755 00:52:13,255 --> 00:52:18,218 この時点でも 映画音楽を軽蔑していた人は 756 00:52:18,343 --> 00:52:19,678 まともじゃない 757 00:52:26,184 --> 00:52:31,148 漫画の「スーパーマン」が 幼い頃 人気だった 758 00:52:32,065 --> 00:52:33,817 いつも読んでたよ 759 00:52:35,193 --> 00:52:37,779 {\an8} リチャード・ドナー監督 「スーパーマン」 760 00:52:39,281 --> 00:52:43,869 マントやら何やらが出てくる 映画の曲を書くのは楽しかった 761 00:52:44,911 --> 00:52:45,954 あれは何だ? 762 00:52:48,206 --> 00:52:50,125 お嬢さん 平気だ 763 00:52:50,250 --> 00:52:51,626 平気? 764 00:52:51,751 --> 00:52:52,961 なぜ飛んでるの? 765 00:52:53,086 --> 00:52:56,840 クリスとマーゴットが 空を飛ぶシーン 766 00:52:56,965 --> 00:52:59,217 曲を書いててワクワクした 767 00:52:59,342 --> 00:53:02,971 音楽で あの場面を 盛り上げたかった 768 00:53:10,937 --> 00:53:14,399 ジョンには心から 感謝してます 769 00:53:14,524 --> 00:53:18,653 彼の音楽がなければ スーパーマンの力は半減 770 00:53:20,322 --> 00:53:25,327 あのテーマ曲がないと 飛べないし どこにも行けない 771 00:53:25,452 --> 00:53:27,787 すぐに降下してしまう 772 00:53:32,542 --> 00:53:36,504 {\an8}ジョンの音楽は叙情的よ 773 00:53:33,501 --> 00:53:36,504 映画監督 キャスリーン・ケネディ 774 00:53:37,214 --> 00:53:40,008 S・スピルバーグ監督 「レイダース/ 失われたアーク《聖櫃》」 775 00:53:38,048 --> 00:53:44,721 {\an8}彼はハリソンのための 曲作りを心から楽しんでた 776 00:53:46,139 --> 00:53:52,103 ハリソンは劇的な場面を いたずらっぽく演じるのが得意 777 00:53:52,229 --> 00:53:53,480 車を追う 778 00:53:53,605 --> 00:53:54,356 どうやって? 779 00:53:54,481 --> 00:53:56,358 今 考える 780 00:53:56,483 --> 00:53:58,985 演技が曲に着想を与えた 781 00:54:08,495 --> 00:54:13,792 {\an8}僕の父とジョンは 軍で一緒だった 782 00:54:11,248 --> 00:54:13,792 映画監督 フランク・マーシャル 783 00:54:13,917 --> 00:54:15,252 同じ軍楽隊でね 784 00:54:15,377 --> 00:54:18,129 父はギターでジョンはピアノ 785 00:54:18,255 --> 00:54:20,215 彼はよく うちに来たよ 786 00:54:20,340 --> 00:54:23,176 僕は幼い頃から彼を知ってた 787 00:54:23,301 --> 00:54:26,471 彼と映画で 仕事できたことは—— 788 00:54:26,596 --> 00:54:30,225 人生で最高の出来事の 1つだったよ 789 00:54:31,685 --> 00:54:36,189 「レイダース」の曲は ロンドン交響楽団と録音した 790 00:54:38,984 --> 00:54:41,194 ハラハラする音楽 791 00:54:47,826 --> 00:54:49,452 繊細なメロディ 792 00:54:50,578 --> 00:54:53,164 音楽が細部を描写する 793 00:54:53,665 --> 00:54:57,210 蛇が登場する 魂の泉のシーンでは—— 794 00:54:57,335 --> 00:55:00,088 蛇の細かい動きを音で表した 795 00:55:00,213 --> 00:55:04,342 素早い飛びつきや後退 そして攻撃などをね 796 00:55:06,094 --> 00:55:09,723 “マリオンのテーマ〟は ロマンチックに描き 797 00:55:09,848 --> 00:55:13,268 音楽で登場人物の関係を 密接にした 798 00:55:14,311 --> 00:55:18,148 マリオンは主要キャラだが あまり登場しない 799 00:55:18,273 --> 00:55:23,862 だから 僕らは彼女に 曲を与えて印象を強くした 800 00:55:25,530 --> 00:55:28,283 実に美しいテーマ曲だよ 801 00:55:28,408 --> 00:55:31,703 ハリウッドの大物作曲家を 彷彿させる 802 00:55:31,828 --> 00:55:37,000 ワックスマンにローザ ラクシンなどをね 803 00:55:38,543 --> 00:55:41,087 ジョンは続編においても—— 804 00:55:41,212 --> 00:55:44,549 「レイダース」の音楽を 採用した 805 00:55:45,884 --> 00:55:49,971 {\an8}だが 作品によって 音楽のアプローチが異なる 806 00:55:50,138 --> 00:55:52,599 {\an8}S・スピルバーグ監督 「インディ・ジョーンズ/ 魔宮の伝説」 807 00:55:56,436 --> 00:55:58,063 {\an8}アカデミー賞で—— 808 00:55:56,436 --> 00:55:59,189 俳優 キー・ホイ・クァン 809 00:55:58,813 --> 00:56:02,525 {\an8}ジョンがスティーヴンの 後ろに座ってた 810 00:56:02,650 --> 00:56:07,155 「魔宮の伝説」ぶりに会えて とても うれしかったよ 811 00:56:07,280 --> 00:56:09,366 スティーヴンが言った 812 00:56:09,491 --> 00:56:13,161 “キー 君のテーマ曲を 覚えてる?〟って 813 00:56:13,286 --> 00:56:16,122 “当然 覚えてる!〟って 答えたよ 814 00:56:16,247 --> 00:56:20,502 ジョンに役の曲を 書いてもらった俳優は数少ない 815 00:56:27,967 --> 00:56:32,680 そして 僕たちは その曲を同時にハミングした 816 00:56:37,268 --> 00:56:39,020 最高のメロディだ 817 00:56:39,896 --> 00:56:42,690 {\an8}「インディ・ジョーンズ/ 最後の聖戦」 音楽なし 818 00:56:42,816 --> 00:56:46,152 ジョンの音楽の力を知る 最良の方法は—— 819 00:56:46,277 --> 00:56:51,991 映画から音楽を抜いた状態で 再生してみることだ 820 00:56:54,577 --> 00:56:57,789 そのあと 音楽付きを見る 821 00:56:57,914 --> 00:57:01,418 {\an8}音楽あり 822 00:57:08,633 --> 00:57:12,011 映画音楽の価値を 認識するはずだ 823 00:57:15,265 --> 00:57:16,724 撮るぞ 824 00:57:16,850 --> 00:57:18,685 {\an8}小さな大作だ 825 00:57:17,100 --> 00:57:20,603 「E.T.」の舞台裏 826 00:57:18,810 --> 00:57:23,440 {\an8}ジョンの曲は そんな作品にぴったり 827 00:57:23,565 --> 00:57:26,734 {\an8}次のセリフの前まで 音楽はなしだ 828 00:57:24,232 --> 00:57:27,986 スポッティング セッション 829 00:57:26,860 --> 00:57:27,986 {\an8}行かないと 830 00:57:28,111 --> 00:57:29,487 {\an8}“行かないと〟だ 831 00:57:29,612 --> 00:57:30,530 了解 832 00:57:31,281 --> 00:57:35,535 “行かないと〟のあとに 音楽が戻る 833 00:57:36,244 --> 00:57:38,955 タイミングを教えてくれ 834 00:57:39,080 --> 00:57:43,293 鹿が振り返って 何かに捕らえられる 835 00:57:44,127 --> 00:57:45,503 ハープがいい 836 00:57:45,628 --> 00:57:47,172 ああ いいね 837 00:57:47,297 --> 00:57:51,718 ジョンは毎回 仮の曲を聴かせてくれる 838 00:57:51,843 --> 00:57:53,887 それが いつも楽しみだ 839 00:57:54,012 --> 00:57:59,517 僕の期待を裏切らない出来だと 分かってるからね 840 00:57:59,642 --> 00:58:02,395 自転車に乗ってるマイケル 841 00:58:02,520 --> 00:58:04,772 森の中でE.T.を追ってる 842 00:58:04,898 --> 00:58:08,151 ああ そこから始まるんだ 843 00:58:10,487 --> 00:58:13,573 そして こんな感じに変わる 844 00:58:24,083 --> 00:58:27,170 僕らの共同作業は常にこうだ 845 00:58:27,295 --> 00:58:31,966 まず ジョンが 僕が撮った映画を見て—— 846 00:58:32,091 --> 00:58:34,969 彼なりに解釈し 曲を書く 847 00:58:35,094 --> 00:58:37,805 そして 僕がそれを聞き—— 848 00:58:37,931 --> 00:58:40,850 {\an8}彼の解釈を理解して 映画を見る S・スピルバーグ監督 「E.T.」 849 00:58:46,606 --> 00:58:50,026 おうちだよ おうちだ 850 00:58:50,151 --> 00:58:52,737 おうち おうち 851 00:58:54,030 --> 00:58:57,116 “ヨーダのテーマ〟は サプライズだね 852 00:58:57,242 --> 00:58:58,910 誰か気づくかな? 853 00:58:59,035 --> 00:59:00,119 2億人が 854 00:59:00,245 --> 00:59:01,246 本当に? 855 00:59:06,125 --> 00:59:07,919 125からだ 856 00:59:08,044 --> 00:59:09,921 オーボエたちは... 857 00:59:11,339 --> 00:59:15,343 2と3にアクセントで リズミカルにする 858 00:59:15,885 --> 00:59:17,637 集中してくれ 859 00:59:17,762 --> 00:59:20,640 スティーヴンのカメラは無視 860 00:59:22,267 --> 00:59:23,142 いいね? 861 00:59:27,772 --> 00:59:29,524 何だか妙だ 862 00:59:29,649 --> 00:59:32,569 浴室で撮られてる感じだよ 863 00:59:32,694 --> 00:59:37,282 まるで シャワーを浴びてるところをね 864 00:59:38,950 --> 00:59:40,535 裸の気分だ 865 00:59:41,327 --> 00:59:42,579 ミュートを 866 00:59:50,169 --> 00:59:54,674 僕は「E.T.」の音楽で バイオリンを担当した 867 00:59:55,508 --> 01:00:00,054 他の演奏者に紛れて 映画を見ながら演奏したよ 868 01:00:00,179 --> 01:00:03,474 かなり気分が高揚したね 869 01:00:06,728 --> 01:00:09,689 「E.T.」の 長いハープのメロディは—— 870 01:00:09,814 --> 01:00:12,900 E.T.とエリオットの絆を 象徴してる 871 01:00:17,739 --> 01:00:22,410 ハープを演奏したのは ドロシー・レムセン 872 01:00:26,331 --> 01:00:28,374 ドロシー トリルでは... 873 01:00:31,836 --> 01:00:34,922 こう終わらせてほしい 874 01:00:36,758 --> 01:00:39,385 左手を省けばできるわ 875 01:00:39,510 --> 01:00:40,470 頼む 876 01:00:40,595 --> 01:00:43,806 ピアノはラルフ・グリアソン 877 01:00:43,931 --> 01:00:46,184 ジョンは よく彼を起用した 878 01:00:48,186 --> 01:00:50,355 四分音符が2つだ 879 01:00:52,607 --> 01:00:57,278 滑らかで壮大な 「E.T.」のエンディング曲 880 01:00:57,403 --> 01:01:02,742 ジョンはラルフに楽譜を渡し 4日間 練習させた 881 01:01:13,753 --> 01:01:18,883 「E.T.」は 僕が劇場で 見た初めての映画だ 882 01:01:19,676 --> 01:01:24,806 コールドプレイのライブで ステージに登場する時—— 883 01:01:24,931 --> 01:01:29,477 「E.T.」のテーマ曲を 会場にかけている 884 01:01:34,774 --> 01:01:37,860 僕にとって ステージへの登場は—— 885 01:01:37,985 --> 01:01:40,405 空を飛ぶのと同じ感覚だ 886 01:01:40,530 --> 01:01:43,866 自転車に乗った エリオットの気分 887 01:01:43,991 --> 01:01:47,787 曲の使用許可のために ジョンに連絡したら 888 01:01:47,912 --> 01:01:49,414 “OK〟と 889 01:01:50,665 --> 01:01:54,252 聴いてると 本当にワクワクする 890 01:01:54,377 --> 01:01:58,297 ライブの登場時に 何度もかけてるしね 891 01:01:58,423 --> 01:02:03,010 ジョンの音楽は 1曲に 様々なメロディが含まれてる 892 01:02:03,136 --> 01:02:05,471 メインテーマに戻るぞ 893 01:02:15,398 --> 01:02:16,357 完璧だ 894 01:02:36,669 --> 01:02:41,090 マサチューセッツ州西部 バークシャー地方 895 01:02:40,590 --> 01:02:42,300 {\an8}タングルウッドだ 896 01:02:43,217 --> 01:02:44,135 {\an8}“タングルウッド〟 897 01:02:44,719 --> 01:02:46,345 音楽の地だよ 898 01:02:47,180 --> 01:02:49,348 まず 教育施設がある 899 01:02:50,558 --> 01:02:54,353 優秀な学生が ユニークな機会を得る場だ 900 01:02:54,479 --> 01:02:57,523 ボストン交響楽団の コンサート会場も 901 01:02:59,275 --> 01:03:01,110 風景もすばらしい 902 01:03:03,488 --> 01:03:08,034 音楽を愛する者にとって 憧れの場所だ 903 01:03:08,951 --> 01:03:11,954 この地で 多くの学生が学んでいて—— 904 01:03:12,079 --> 01:03:15,374 偉大な指揮者と 演奏することもある 905 01:03:15,500 --> 01:03:16,459 {\an8}アーサー・フィードラー 906 01:03:16,584 --> 01:03:17,543 {\an8}アーロン・コプランド 907 01:03:17,668 --> 01:03:18,878 {\an8}レナード・バーンスタイン 908 01:03:19,003 --> 01:03:20,463 小澤征爾 909 01:03:20,588 --> 01:03:23,049 コンサートは夏に行う 910 01:03:23,174 --> 01:03:27,804 映画で忙しい時期は春だ そのあとは余裕ができる 911 01:03:27,929 --> 01:03:30,264 映画は夏の公開が多くてね 912 01:03:30,389 --> 01:03:34,644 公開されてる間は 3週間ほど 暇になることも 913 01:03:35,186 --> 01:03:37,563 だから コンサートができる 914 01:03:39,148 --> 01:03:43,027 1980年以来 43年間 続けてるよ 915 01:03:43,152 --> 01:03:44,487 人生の一部だ 916 01:03:45,530 --> 01:03:48,199 1年に2回 開くことも 917 01:03:48,324 --> 01:03:51,452 ボストン・ポップスの頃は もっとやってた 918 01:03:53,037 --> 01:03:54,372 元気になれる 919 01:03:58,793 --> 01:04:01,045 ジョンは最高の指揮者だ 920 01:04:01,170 --> 01:04:04,006 {\an8}豊富な知識を通して—— 921 01:04:02,421 --> 01:04:06,759 作曲家/ ロス・フィル 指揮者 グスターボ・ドゥダメル 922 01:04:04,131 --> 01:04:08,386 {\an8}常に楽団と 魂を1つにしている 923 01:04:16,227 --> 01:04:18,980 「ジュラシック・パーク」は 924 01:04:19,105 --> 01:04:24,277 僕が音楽家を目指す きっかけとなった作品だ 925 01:04:25,736 --> 01:04:29,574 友達と映画館で見たのを 覚えてる 926 01:04:30,324 --> 01:04:36,247 よく覚えてないが 10回ほどは行ったと思うよ 927 01:04:36,372 --> 01:04:38,040 すばらしい作品だ 928 01:04:38,165 --> 01:04:39,667 音楽が見事でね 929 01:04:40,877 --> 01:04:42,253 {\an8}大勢が言う 930 01:04:41,586 --> 01:04:44,005 ロス・フィル 首席トランペット奏者 トーマス・フートゥン 931 01:04:42,378 --> 01:04:45,339 {\an8}「ジュラシック・ パーク」の—— 932 01:04:45,464 --> 01:04:48,926 トランペットは最高とね 933 01:04:51,387 --> 01:04:54,098 {\an8}S・スピルバーグ監督 「ジュラシック・パーク」 934 01:04:54,765 --> 01:04:58,102 映画館で見て 興奮したのを覚えてる 935 01:04:58,227 --> 01:05:00,646 “早く帰って演奏したい〟と 936 01:05:05,943 --> 01:05:10,114 ジョンは映画の恐竜を 音楽で レベルアップさせた 937 01:05:10,239 --> 01:05:15,036 子供の目線に戻り 恐竜に称賛を送ることでね 938 01:05:15,161 --> 01:05:17,204 子供は博物館へ行くと—— 939 01:05:17,330 --> 01:05:21,834 ジュラ紀や白亜紀の骨を見て 目を輝かせる 940 01:05:21,959 --> 01:05:24,921 骨に ある種のロマンを 覚えるんだ 941 01:05:32,136 --> 01:05:35,139 子供は恐竜に引き寄せられる 942 01:05:35,264 --> 01:05:39,685 ジョンも そんな子供の心で 音楽を作ってくれた 943 01:05:44,440 --> 01:05:47,443 {\an8}ジョンの曲の雰囲気は—— 944 01:05:46,233 --> 01:05:50,112 ラジオ番組の司会者 エルヴィス・ミッチェル 945 01:05:47,568 --> 01:05:50,655 {\an8}映画によって大きく異なる 946 01:05:50,780 --> 01:05:53,866 彼は「ジュラシック・ パーク」と同じ年に 947 01:05:53,991 --> 01:05:56,160 正反対の作品を手がけた 948 01:05:56,661 --> 01:06:01,791 同じくスピルバーグ監督の 「シンドラーのリスト」 949 01:06:02,541 --> 01:06:06,087 人類のおぞましさが 描かれた作品だ 950 01:06:09,757 --> 01:06:14,720 「シンドラーのリスト」の曲は 夏にタングルウッドで書いた 951 01:06:17,390 --> 01:06:20,518 スティーヴンは撮影で ポーランドに 952 01:06:20,643 --> 01:06:22,770 ポーランドにいたから—— 953 01:06:22,895 --> 01:06:27,108 「ジュラシック・パーク」の 音楽作りに参加できなかった 954 01:06:27,233 --> 01:06:31,153 映画の製作期間が 完璧にダブったからだ 955 01:06:31,821 --> 01:06:35,992 S・スピルバーグ監督 「シンドラーのリスト」 956 01:06:32,571 --> 01:06:37,284 {\an8}両作は雰囲気が異なったが 問題なく仕事できた 957 01:06:37,868 --> 01:06:40,746 「シンドラーのリスト」は 音楽を考えず—— 958 01:06:41,455 --> 01:06:43,582 仮の曲も用意しなかった 959 01:06:43,708 --> 01:06:47,336 ジョンに“こんな曲を頼む〟 とも言わずに—— 960 01:06:47,461 --> 01:06:49,630 物語だけに集中して撮った 961 01:06:50,172 --> 01:06:52,717 撮影後にジョンに見せたよ 962 01:06:53,676 --> 01:06:56,137 すばらしいリストだ 963 01:06:58,055 --> 01:07:00,641 まさに“命のリスト〟だよ 964 01:07:01,350 --> 01:07:05,730 映画を見て 打ちひしがれたね 言葉が出なかった 965 01:07:05,855 --> 01:07:08,858 圧倒されて 涙が出たよ 966 01:07:09,442 --> 01:07:14,405 外の空気を吸いに行き 戻ってきて 監督と話した 967 01:07:14,530 --> 01:07:17,199 音楽をどうすべきかとね 968 01:07:18,117 --> 01:07:21,245 “スティーヴン すばらしい作品だ〟 969 01:07:21,746 --> 01:07:24,623 “私より腕のいい作曲家が要る〟 970 01:07:25,207 --> 01:07:28,210 すると彼が “承知だが 全員死んだ〟と 971 01:07:36,927 --> 01:07:39,472 彼の粘り強さのおかげで—— 972 01:07:40,389 --> 01:07:42,308 音楽を引き受けたよ 973 01:07:42,975 --> 01:07:45,853 でも 本当に自信がなかった 974 01:07:45,978 --> 01:07:48,230 誰が どんな曲を書いても—— 975 01:07:49,231 --> 01:07:52,068 ふさわしい曲には ならないとね 976 01:07:52,777 --> 01:07:55,780 それほど 重みのある作品だった 977 01:07:57,573 --> 01:07:59,658 彼と ある経験を共有した 978 01:07:59,784 --> 01:08:02,703 とても感情的な経験だったよ 979 01:08:02,828 --> 01:08:06,248 「シンドラーのリスト」の 曲作りの場に—— 980 01:08:06,999 --> 01:08:08,626 妻と出向いた 981 01:08:08,751 --> 01:08:11,170 仮の曲を聴くためだった 982 01:08:12,630 --> 01:08:14,381 {\an8}彼は言った 983 01:08:12,963 --> 01:08:15,841 俳優/ S・スピルバーグの妻 ケイト・キャプショー 984 01:08:14,507 --> 01:08:17,468 {\an8}“ピアノはうまくないが〟 985 01:08:17,593 --> 01:08:19,595 “これから曲を弾く〟 986 01:08:19,720 --> 01:08:21,555 もちろん 謙遜よ 987 01:08:22,264 --> 01:08:25,643 手書きの楽譜を 目の前に置き—— 988 01:08:26,268 --> 01:08:30,022 私たちのために 弾いてくれた 989 01:08:45,121 --> 01:08:45,996 ええ 990 01:08:47,289 --> 01:08:48,415 覚えてる 991 01:08:52,336 --> 01:08:57,550 あんなに心が揺さぶられたのは 初めてだった 992 01:08:58,342 --> 01:09:04,098 シンプルでありながら 魂がこもった苦悶のメロディを 993 01:09:04,223 --> 01:09:06,725 僕らの前で奏でてくれた 994 01:09:06,851 --> 01:09:09,770 すぐに ケイトが泣き始めて—— 995 01:09:10,396 --> 01:09:14,650 やがて 僕も泣き ジョンも涙を流した 996 01:09:14,775 --> 01:09:16,735 演奏しながらね 997 01:09:16,861 --> 01:09:17,987 感激した 998 01:09:18,487 --> 01:09:22,741 彼はホロコーストの物語に 音楽で敬意を払ったんだ 999 01:09:24,118 --> 01:09:28,455 イツァーク・パールマンは 数十年来の親友だ 1000 01:09:28,581 --> 01:09:32,084 我々は バイオリン奏者が必要になり 1001 01:09:32,209 --> 01:09:36,380 私がスティーヴンに イツァークを推薦した 1002 01:09:36,505 --> 01:09:39,842 イツァークとは それまで何年も—— 1003 01:09:39,967 --> 01:09:43,679 コンサート会場で 顔を合わしていてね 1004 01:09:43,804 --> 01:09:47,057 彼は いつも “映画で使って〟と言った 1005 01:09:47,183 --> 01:09:50,394 私は“いつか雇うよ もう少し待て〟と 1006 01:09:50,519 --> 01:09:52,855 その時が来て 彼に電話した 1007 01:09:52,980 --> 01:09:56,358 “イツァーク やっと映画の話だぞ〟 1008 01:09:56,942 --> 01:09:59,111 僕は“考えさせて〟と 1009 01:09:59,528 --> 01:10:03,741 {\an8}そのあと 妻に話したよ 1010 01:10:00,446 --> 01:10:03,741 バイオリン奏者 イツァーク・パールマン 1011 01:10:03,866 --> 01:10:07,244 {\an8}“ジョンから 映画の話が来たが——〟 1012 01:10:07,369 --> 01:10:09,205 “考えさせてと言った〟 1013 01:10:09,330 --> 01:10:13,459 すると 妻が “考えさせてですって?〟 1014 01:10:14,210 --> 01:10:17,796 “ジョンが音楽で スティーヴンが監督〟 1015 01:10:17,922 --> 01:10:21,425 “そんな作品に 考える余裕が?〟と 1016 01:10:22,009 --> 01:10:25,012 翌日 ジョンに “引き受ける〟と言った 1017 01:10:25,846 --> 01:10:28,807 そう言って本当によかったよ 1018 01:10:35,356 --> 01:10:37,441 {\an8}「シンドラーのリスト」の レコーディング 1019 01:10:37,566 --> 01:10:39,652 {\an8}S・スピルバーグの プライベート映像 1020 01:10:42,988 --> 01:10:46,909 仕事で 世界中を飛び回るが—— 1021 01:10:47,034 --> 01:10:51,538 とにかく こう言われることが多い 1022 01:10:51,664 --> 01:10:54,750 「シンドラーのリスト」を 弾いてとね 1023 01:10:54,875 --> 01:10:58,504 あの曲に みんな すごく感動する 1024 01:11:01,924 --> 01:11:05,052 {\an8}AFI生涯功労賞 授賞式 “ジョン・ウィリアムズに 捧ぐ〟 1025 01:11:05,177 --> 01:11:07,054 {\an8}バイオリン シモーヌ・ポーター 1026 01:11:25,030 --> 01:11:27,533 ロン・ハワード監督 「遥かなる大地へ」 1027 01:11:26,115 --> 01:11:29,201 {\an8}“音楽の作用の 要因は何かな?〟 1028 01:11:29,326 --> 01:11:31,662 映画監督 ロン・ハワード 1029 01:11:29,827 --> 01:11:31,954 {\an8}彼にそう聞いた 1030 01:11:32,079 --> 01:11:33,497 すると ジョンは 1031 01:11:33,622 --> 01:11:36,625 “私が納得できる説は 1つだけだ〟 1032 01:11:36,750 --> 01:11:39,044 “原始に遡る説だよ〟と 1033 01:11:39,169 --> 01:11:44,550 音は 元々 人類にとって重要なものだった 1034 01:11:44,675 --> 01:11:47,303 心に平安や静寂をもたらし—— 1035 01:11:47,428 --> 01:11:51,724 迫りくる危険に対し 警戒心を与えることも 1036 01:11:51,849 --> 01:11:53,976 太鼓の源は地震かも 1037 01:11:54,101 --> 01:11:56,270 もしくは 転げ落ちる岩 1038 01:11:57,187 --> 01:12:01,358 鳥のさえずりには ロマンスの要素がある 1039 01:12:02,609 --> 01:12:06,864 ジョンは そのような 美しい感受性で—— 1040 01:12:06,989 --> 01:12:09,533 ストーリーを語るのが得意だ 1041 01:12:10,909 --> 01:12:15,080 オーケストラのすばらしさを ジョンは教えてくれる 1042 01:12:16,373 --> 01:12:21,045 彼の音楽には そういう特徴があると思う 1043 01:12:24,882 --> 01:12:30,220 {\an8}ジョンと演奏できることは 大きな財産よ 1044 01:12:26,091 --> 01:12:29,678 バイオリン奏者 アンネ=ゾフィー・ムター 1045 01:12:31,013 --> 01:12:34,600 楽団を起用する 数少ない作曲家だからね 1046 01:12:34,725 --> 01:12:37,770 やはり シンセで再現した 楽団の音は—— 1047 01:12:37,895 --> 01:12:41,899 実際に人間が演奏した音とは だいぶ違う 1048 01:12:42,024 --> 01:12:45,903 音楽家という職業を 人々が しっかり理解し—— 1049 01:12:46,028 --> 01:12:50,282 次世代の音楽家を 生み出すことが大事 1050 01:12:53,994 --> 01:12:58,707 僕が誇りに思うのは 電子音楽に頼ってないことだ 1051 01:13:00,334 --> 01:13:04,755 人間の演奏や ジョンが書く曲に価値がある 1052 01:13:04,880 --> 01:13:10,094 彼も基本的に電子を使わないが 数回 シンセを取り入れた 1053 01:13:10,219 --> 01:13:13,680 {\an8}「ミュンヘン」で 少しだけ採用してる 1054 01:13:13,097 --> 01:13:16,850 S・スピルバーグ監督 「ミュンヘン」 1055 01:13:19,019 --> 01:13:22,147 多くの監督が 電子に切り替えたが 1056 01:13:23,690 --> 01:13:26,443 僕は今も楽団にこだわってる 1057 01:13:27,027 --> 01:13:30,697 電子音には その時独自の“瞬間〟がない 1058 01:13:30,823 --> 01:13:32,408 でも 楽団は違う 1059 01:13:32,866 --> 01:13:36,328 人間の演奏は その時々で変わり—— 1060 01:13:37,454 --> 01:13:39,957 各演奏に違いがあるんだ 1061 01:13:40,082 --> 01:13:44,670 それぞれのテイクに 命が宿っている 1062 01:13:48,340 --> 01:13:52,469 彼の音楽を通して 観客は楽団に向き合っていく 1063 01:13:52,594 --> 01:13:56,765 これまでに聞いたことのない 素早い音や—— 1064 01:13:56,890 --> 01:13:59,685 激しい音 劇的な音に 1065 01:13:59,810 --> 01:14:02,104 自身が さらされるからだ 1066 01:14:02,229 --> 01:14:03,063 いいぞ 1067 01:14:03,188 --> 01:14:04,064 よし 1068 01:14:04,648 --> 01:14:05,607 では次 1069 01:14:05,732 --> 01:14:10,737 ジョンは楽団が大好きだ 彼らとの非言語的意思伝達もね 1070 01:14:10,863 --> 01:14:13,907 彼が指揮棒で 意思を伝えると—— 1071 01:14:14,032 --> 01:14:16,827 楽団が読み取り 次の演奏へ進む 1072 01:14:16,952 --> 01:14:21,373 そんな時には ジョンの顔に笑みが浮かぶ 1073 01:14:21,874 --> 01:14:25,711 この曲は あまり礼儀正しくしないでくれ 1074 01:14:25,836 --> 01:14:27,129 下品な感じに 1075 01:14:30,048 --> 01:14:31,884 トロンボーンは用意を 1076 01:14:32,009 --> 01:14:35,053 私は手を大きく振るから 1077 01:14:36,889 --> 01:14:40,809 彼の周りにいる人は みんな 幸せそうよ 1078 01:14:41,477 --> 01:14:43,812 団員 全員がそうなの 1079 01:14:44,313 --> 01:14:49,067 彼が現れると みんな 幼い頃の記憶が甦り 1080 01:14:49,193 --> 01:14:52,196 偉大な作曲家を見て 心がときめくの 1081 01:14:55,741 --> 01:15:00,579 {\an8}“レイのテーマ〟 1082 01:14:57,576 --> 01:15:01,830 ジョンは「フォースの覚醒」で スタイルを変えなかった 1083 01:15:01,955 --> 01:15:05,876 70年代のスタイルで 曲を書いたんだ 1084 01:15:10,964 --> 01:15:11,965 そして... 1085 01:15:16,345 --> 01:15:20,140 {\an8}「スター・ウォーズ/ フォースの覚醒」 “レイのテーマ〟 1086 01:15:21,391 --> 01:15:23,936 彼は好奇心に忠実だ 1087 01:15:24,436 --> 01:15:30,025 感情的な真実を 上手に活用することもできるが 1088 01:15:30,150 --> 01:15:33,320 それと同時に 無防備にもなれる 1089 01:15:33,445 --> 01:15:35,447 そして周りに聞くんだ 1090 01:15:35,572 --> 01:15:38,909 “大丈夫か? この演奏でいいだろうか?〟 1091 01:15:39,451 --> 01:15:42,871 僕は笑ったよ 巨匠に そう聞かれてね 1092 01:15:42,996 --> 01:15:46,542 当然 大丈夫に 決まってるからだ 1093 01:15:54,883 --> 01:15:56,969 観客にとって 彼の音楽は色あせない 1094 01:15:58,011 --> 01:16:01,723 スケールの大きな 映画音楽を—— 1095 01:16:01,848 --> 01:16:05,936 なぜ 他の映画監督は 作ろうとしないのか? 1096 01:16:06,061 --> 01:16:10,357 観客が求めてるのに なぜ他にない? 1097 01:16:16,196 --> 01:16:18,991 音楽は苦難の時期を迎えてる 1098 01:16:19,575 --> 01:16:25,497 私にとって 楽団は 音楽を伝えるための道具だ 1099 01:16:25,622 --> 01:16:29,876 “偉大な文学〟とも言える その音楽が今—— 1100 01:16:30,002 --> 01:16:34,923 400年の進化を遂げたあと 滅びようとしている 1101 01:16:35,048 --> 01:16:39,136 若い作曲家たちは 電子音で音楽を作ってる 1102 01:16:39,261 --> 01:16:41,263 それは それで構わないし 1103 01:16:41,388 --> 01:16:45,225 私も 50年後の音楽が どうなるかを知りたい 1104 01:16:45,350 --> 01:16:50,606 だが それまでに 新たなワグナーは誕生するか? 1105 01:16:51,064 --> 01:16:55,402 音楽の進化が 今のまま進んでいくと—— 1106 01:16:56,069 --> 01:16:59,364 この先 どうなるか よく考えるべきだ 1107 01:17:01,992 --> 01:17:05,454 {\an8}ジョンのコンサートは 有名だ 1108 01:17:03,744 --> 01:17:08,415 ニューヨークタイムズ 文化部記者 ハヴィエ・C・エルナンデス 1109 01:17:05,579 --> 01:17:08,624 {\an8}そこで聴けるのは—— 1110 01:17:08,749 --> 01:17:10,709 映画音楽の類いではない 1111 01:17:10,834 --> 01:17:16,214 何かを追い求めるような 抽象的で 洗練された曲だ 1112 01:17:18,467 --> 01:17:21,386 {\an8}“ハイウッズ・ゴースト〟 1113 01:17:23,597 --> 01:17:26,475 彼のコンサートの音楽は—— 1114 01:17:26,600 --> 01:17:31,063 映画音楽に比べると まとまりに欠けている 1115 01:17:31,521 --> 01:17:35,400 時間的な制約がなく 一直線のような雰囲気だ 1116 01:17:38,320 --> 01:17:42,282 {\an8}彼にとってコンサートは “はけ口〟だろう 1117 01:17:40,822 --> 01:17:44,368 “サウンディングズ〟 1118 01:17:42,991 --> 01:17:47,329 {\an8}無調音楽や新たな質感の 音楽に挑戦していて 1119 01:17:49,081 --> 01:17:51,833 彼の違う一面が見られる 1120 01:17:53,251 --> 01:17:57,714 映画音楽は 映画ありきで いろんな制限がある 1121 01:17:57,839 --> 01:18:01,551 自由気ままに 演奏することは許されない 1122 01:18:01,677 --> 01:18:06,098 {\an8}“プレリュードとフーガ〟 1123 01:18:07,015 --> 01:18:11,186 “協奏曲 5本の聖なる木〟 1124 01:18:09,601 --> 01:18:13,397 {\an8}高校生の頃に 学生楽団に入った 1125 01:18:13,522 --> 01:18:18,819 バスーンの吹き方は 友人のハロルドに教わった 1126 01:18:19,361 --> 01:18:23,949 リハに出られるくらいは うまくなったが 1127 01:18:24,449 --> 01:18:29,329 まさか 40年後に バスーンの協奏曲を書くとはね 1128 01:18:29,996 --> 01:18:31,498 自分でも驚いた 1129 01:18:31,623 --> 01:18:34,126 下手なりに 楽器を始めて—— 1130 01:18:34,251 --> 01:18:38,130 その後 名演奏家に 曲を書くことができた 1131 01:18:38,255 --> 01:18:39,464 ジュディスだ 1132 01:18:41,550 --> 01:18:44,845 アンネ=ゾフィーにも 曲を書いた 1133 01:18:44,970 --> 01:18:49,391 {\an8}“バイオリン協奏曲 第2番〟 1134 01:18:50,016 --> 01:18:51,977 ヨーヨー・マもだ 1135 01:18:52,102 --> 01:18:56,356 {\an8}“ソロチェロのための 3つの小品 2番 ピッキン〟 1136 01:18:57,023 --> 01:18:59,192 これらの曲は難しい 1137 01:18:59,776 --> 01:19:04,156 ジョンの音楽が 演奏者たちを支配する 1138 01:19:04,740 --> 01:19:08,452 {\an8}“チェロとオーケストラの ためのエレジー〟 1139 01:19:11,663 --> 01:19:15,959 “エレジー〟は ずっと前に一緒に録音した 1140 01:19:16,084 --> 01:19:19,588 演奏者に楽譜を渡す時 私は こう言う 1141 01:19:20,172 --> 01:19:23,508 “ヨーヨーの演奏を 聴いたことはある?〟 1142 01:19:23,633 --> 01:19:25,677 すると彼らは“もちろん〟 1143 01:19:25,802 --> 01:19:29,014 “最悪だ 巨匠と比較されたくない〟と 1144 01:19:29,139 --> 01:19:30,390 僕は悪くない 1145 01:19:32,601 --> 01:19:33,602 笑える 1146 01:19:35,562 --> 01:19:37,481 {\an8}父さんは仕事好き ジョンの娘 ジェニー・ウィリアムズ 1147 01:19:38,857 --> 01:19:44,154 常に働いてて 仕事を心から楽しんでるみたい 1148 01:19:44,279 --> 01:19:49,034 今 父との関係で 一番 大事にしてるのはゴルフよ 1149 01:19:49,785 --> 01:19:52,037 ゴルフの好きな点は何? 1150 01:19:52,162 --> 01:19:53,538 好きな点? 1151 01:19:54,456 --> 01:19:56,750 たくさん歩けること 1152 01:19:58,460 --> 01:20:02,130 私のゴルフは“ゴルフ〟とは 言えないかも 1153 01:20:02,672 --> 01:20:04,341 ものすごく下手だ 1154 01:20:05,008 --> 01:20:08,261 夕方前に いつもグリーンに入って 1155 01:20:08,386 --> 01:20:12,390 静けさと 緑の美しさを堪能してる 1156 01:20:13,266 --> 01:20:16,436 父とプレーできて すごくうれしい 1157 01:20:17,604 --> 01:20:21,817 “もう行きたくない〟と 言いだすまで—— 1158 01:20:21,942 --> 01:20:24,319 父に付き合うつもりよ 1159 01:20:26,905 --> 01:20:28,365 難しいわね 1160 01:20:30,784 --> 01:20:33,453 ジョンの音楽は 僕らに—— 1161 01:20:33,578 --> 01:20:38,416 映画のすばらしさを教えて 無邪気な心を与えてくれる 1162 01:20:38,542 --> 01:20:42,295 他のどの作曲家に比べても—— 1163 01:20:42,879 --> 01:20:46,258 彼の音楽には そういう瞬間が多い 1164 01:20:46,383 --> 01:20:50,095 {\an8}他の誰よりも 繊細で力強い曲を書き—— 1165 01:20:46,591 --> 01:20:48,260 「偶然の旅行者」 1166 01:20:48,385 --> 01:20:50,095 「SAYURI」 1167 01:20:50,220 --> 01:20:51,555 「サブリナ」 1168 01:20:50,220 --> 01:20:53,723 {\an8}感動的な曲を書いている 1169 01:20:51,680 --> 01:20:53,723 「ペンタゴン・ペーパーズ /最高機密文書」 1170 01:20:58,395 --> 01:21:02,524 {\an8}「リンカーン」 “誰にも悪意を持たず〟 1171 01:21:03,859 --> 01:21:06,736 ジョンの姿勢は非常に柔軟だ 1172 01:21:06,862 --> 01:21:10,282 異なる音楽の言語を 自由に操る 1173 01:21:10,407 --> 01:21:13,410 S・スピルバーグ監督 「リンカーン」 1174 01:21:10,407 --> 01:21:13,743 {\an8}歴史的な物語が得意だ 1175 01:21:16,454 --> 01:21:19,207 {\an8}S・スピルバーグ監督 「アミスタッド」 1176 01:21:21,376 --> 01:21:24,379 {\an8}S・スピルバーグ監督 「戦火の馬」 1177 01:21:26,256 --> 01:21:28,133 S・スピルバーグ監督 「太陽の帝国」 1178 01:21:26,464 --> 01:21:30,677 {\an8}歴史映画で印象的なのは 1179 01:21:31,970 --> 01:21:35,682 オリヴァー・ストーンとの 仕事だ 1180 01:21:37,809 --> 01:21:40,562 O・ストーン監督 「7月4日に生まれて」 1181 01:21:38,393 --> 01:21:44,399 {\an8}ベトナム戦争がテーマで 自身の経験も描き 1182 01:21:47,277 --> 01:21:52,198 {\an8}彼は多くの観客に 深いメッセージを届けた 1183 01:21:55,619 --> 01:21:58,455 O・ストーン監督 「JFK」 1184 01:21:57,037 --> 01:21:58,455 {\an8}「JFK」では—— 1185 01:22:00,206 --> 01:22:03,293 実に面白い試みがあった 1186 01:22:03,418 --> 01:22:07,130 一部の曲を 映画を作る前に書いたんだ 1187 01:22:08,089 --> 01:22:10,717 まず監督が“3曲を〟と 1188 01:22:10,842 --> 01:22:14,387 “映画を見せずに シーンだけ説明する〟 1189 01:22:14,512 --> 01:22:18,558 “それを基に 自由に書いてほしい〟とね 1190 01:22:21,394 --> 01:22:23,939 完成した曲を彼に渡し—— 1191 01:22:24,064 --> 01:22:27,567 彼が 各シーンに 曲を付け足していく 1192 01:22:27,901 --> 01:22:32,614 実話を基にした作品に 定評があるオリヴァーと—— 1193 01:22:32,739 --> 01:22:37,535 ユニークな機会を共有できて いい経験になった 1194 01:22:39,287 --> 01:22:41,873 {\an8}S・スピルバーグ監督 「プライベート・ ライアン」 1195 01:22:44,626 --> 01:22:46,628 気高さを感じるのは 1196 01:22:46,753 --> 01:22:50,715 「プライベート・ライアン」と 「リンカーン」の音楽だ 1197 01:22:50,840 --> 01:22:54,886 米国らしさを描いた とても美しい曲で—— 1198 01:22:55,011 --> 01:22:58,473 メロディを聴くと こんな気分になる 1199 01:22:58,598 --> 01:23:00,892 “米国人でよかった〟とね 1200 01:23:07,190 --> 01:23:12,070 「プライベート・ライアン」は 第二次大戦を描いた傑作だ 1201 01:23:14,322 --> 01:23:16,992 観客は冒頭の15分で—— 1202 01:23:17,742 --> 01:23:20,078 思いきり圧倒される 1203 01:23:20,203 --> 01:23:21,955 音楽は不要だった 1204 01:23:24,624 --> 01:23:28,253 ジョンは 音楽がない場面も重要視する 1205 01:23:28,378 --> 01:23:31,423 音楽が必要な場面と 不要な場面を—— 1206 01:23:31,548 --> 01:23:34,175 僕らは2人で決めていった 1207 01:23:34,300 --> 01:23:36,344 もちろん冒頭の場面は—— 1208 01:23:37,429 --> 01:23:39,264 不要だと判断した 1209 01:23:43,226 --> 01:23:47,397 浜辺に横たわるライアンを 映してから 音楽が始まる 1210 01:23:59,701 --> 01:24:01,953 最後の“死者への賛歌〟は—— 1211 01:24:02,078 --> 01:24:05,540 {\an8}ボストン交響楽団と 録音した 1212 01:24:02,537 --> 01:24:05,540 「プライベート・ ライアン」の レコーディング 1213 01:24:06,291 --> 01:24:10,545 トム・ハンクスが来ていて みんな そわそわしていたね 1214 01:24:10,670 --> 01:24:14,424 演奏者が 彼のほうばかり見るから—— 1215 01:24:14,549 --> 01:24:16,843 私は“楽譜を見てくれ〟と 1216 01:24:19,637 --> 01:24:25,268 {\an8}「プライベート・ ライアン」 “死者への賛歌〟 1217 01:24:26,144 --> 01:24:31,566 音楽が この国の 全ての軍人たちを称えてる 1218 01:24:31,691 --> 01:24:34,319 君が音楽で敬意を払ったから 1219 01:24:34,444 --> 01:24:39,282 今でも 米軍から 曲の演奏許可のお願いが来る 1220 01:24:40,784 --> 01:24:45,497 米軍の楽団の中で とても人気の高い曲なんだ 1221 01:24:45,622 --> 01:24:49,000 自由を求めて 犠牲になった軍人たちの—— 1222 01:24:49,125 --> 01:24:52,420 功績を褒め称える 曲だからだろう 1223 01:24:59,219 --> 01:25:02,931 {\an8}ジョンは ジャンルに縛られない 1224 01:25:00,678 --> 01:25:04,265 映画監督 クリス・コロンバス 1225 01:25:03,056 --> 01:25:05,308 {\an8}どんな作品も手がける 1226 01:25:05,683 --> 01:25:08,645 {\an8}僕が家族を消した C・コロンバス監督 「ホーム・アローン」 1227 01:25:09,729 --> 01:25:13,066 元々 別の作曲家を 雇う予定だった 1228 01:25:13,858 --> 01:25:18,738 だが ポスプロの段階になり スケジュールの都合で降板に 1229 01:25:18,863 --> 01:25:21,074 {\an8}すると ジョンの代理人から 1230 01:25:21,199 --> 01:25:23,576 {\an8}ジョンを紹介すると 電話が 1231 01:25:23,701 --> 01:25:26,329 受話器を落としそうになった 1232 01:25:27,038 --> 01:25:28,164 驚いてね 1233 01:25:29,499 --> 01:25:32,627 いい映画だったよ 少年の演技も最高 1234 01:25:32,752 --> 01:25:37,841 クリスマス的な雰囲気を どう演出するか楽しみだった 1235 01:25:44,139 --> 01:25:47,892 ジョンの曲を使った映像で 試写を行った 1236 01:25:48,393 --> 01:25:51,813 ものすごい反響だったよ 1237 01:25:52,772 --> 01:25:55,942 曲なしより 5倍は よくなってた 1238 01:26:00,822 --> 01:26:03,950 彼は観客の心を 映画に引き入れる 1239 01:26:07,120 --> 01:26:10,832 「ハリー・ポッター」でも クリスと仕事した 1240 01:26:12,834 --> 01:26:14,377 {\an8}ウィザーディング・ ワールド・ オブ・ ハリー・ポッター 1241 01:26:14,502 --> 01:26:15,837 {\an8}グランドオープン 1242 01:26:15,962 --> 01:26:17,422 {\an8}ユニバーサル・スタジオ・ ハリウッド 1243 01:26:19,257 --> 01:26:20,842 {\an8}最高の機会だった 1244 01:26:20,967 --> 01:26:24,971 {\an8}子供と魔法の物語を 音楽で彩る 1245 01:26:26,181 --> 01:26:30,894 {\an8}最初に依頼されたのは 予告編の仕事だった 1246 01:26:31,019 --> 01:26:33,062 {\an8}“マジカルに仕上げて〟 1247 01:26:31,728 --> 01:26:34,647 「ハリー・ポッターと 賢者の石」 予告編 1248 01:26:33,188 --> 01:26:34,647 {\an8}そう言われたが—— 1249 01:26:34,772 --> 01:26:37,692 {\an8}映画を見ないまま 曲を書いた 1250 01:26:37,817 --> 01:26:40,069 “ヘドウィグのテーマ〟だ 1251 01:26:42,155 --> 01:26:45,700 はっきり言って 楽勝だったよ 1252 01:26:46,284 --> 01:26:49,204 ある日 ジョンの職場に入ると—— 1253 01:26:49,329 --> 01:26:51,414 彼が“聞きたいか?〟と 1254 01:26:51,539 --> 01:26:54,709 メインテーマだよ 弾いてくれた 1255 01:27:00,173 --> 01:27:02,508 不気味な雰囲気から—— 1256 01:27:02,634 --> 01:27:06,596 陽気な感じになり また不気味になる 1257 01:27:06,721 --> 01:27:08,848 見事な出来だったよ 1258 01:27:10,475 --> 01:27:13,102 本シリーズは続編が進むと—— 1259 01:27:13,228 --> 01:27:17,315 {\an8}物語が それにつれて どんどんダークになる 1260 01:27:15,688 --> 01:27:18,274 C・コロンバス監督 「ハリー・ポッターと 秘密の部屋」 1261 01:27:17,440 --> 01:27:19,359 {\an8}君の傷は伝説だ 1262 01:27:19,943 --> 01:27:22,111 もちろん 魔法使いもな 1263 01:27:22,237 --> 01:27:24,697 僕はジョンに説明した 1264 01:27:24,822 --> 01:27:27,742 よりダークになる 展開についてね 1265 01:27:28,284 --> 01:27:33,248 その結果 2作目以降の音楽は 1作目と雰囲気が異なってる 1266 01:27:33,373 --> 01:27:36,626 {\an8}エクスペクト・ パトローナム! A・キュアロン監督 「ハリー・ポッターと アズカバンの囚人」 1267 01:27:39,837 --> 01:27:44,259 シリーズものの曲作りは あまり好きじゃない 1268 01:27:44,384 --> 01:27:49,639 真新しい作品に 曲を付けるほうが好きだ 1269 01:27:50,223 --> 01:27:54,394 だが その一方で こんな思いもある 1270 01:27:54,519 --> 01:27:59,107 “続編の作曲家に雰囲気を 変えられるのもイヤだな〟 1271 01:27:59,232 --> 01:28:04,279 1本目の雰囲気を シリーズ全体に維持させたいし 1272 01:28:04,404 --> 01:28:09,784 時間があれば 続編を 何本でも引き受けたかった 1273 01:28:09,909 --> 01:28:13,830 「ハリー・ポッター」は 難しい作品だったが 1274 01:28:13,955 --> 01:28:17,375 結局 3本 担当することになった 1275 01:28:17,500 --> 01:28:19,335 全8本だったかな? 1276 01:28:19,460 --> 01:28:22,505 本当は もっと担当したかったが 1277 01:28:22,630 --> 01:28:24,966 結局 他の作曲家に任せた 1278 01:28:25,300 --> 01:28:28,761 余裕がある時は 喜んで引き受けたが 1279 01:28:28,886 --> 01:28:32,432 その理由は“最初の 雰囲気を壊すな〟という—— 1280 01:28:32,557 --> 01:28:34,600 利己心だったんだ 1281 01:28:34,726 --> 01:28:39,772 別の作曲家に曲を 触れられるのがイヤだった 1282 01:28:39,897 --> 01:28:44,902 本来なら 続編も担当して 一貫性を保ちたいと考えてたよ 1283 01:28:45,695 --> 01:28:50,533 エピソード1~3は ジョンなしでは撮れなかったよ 1284 01:28:50,658 --> 01:28:53,703 彼自身が「スター・ ウォーズ」の要だった 1285 01:28:55,330 --> 01:28:58,041 90年代には 彼がブランドに 1286 01:29:00,877 --> 01:29:03,463 {\an8}「シンプソンズ」 製作総指揮 M・グローニング 1287 01:29:13,056 --> 01:29:15,975 {\an8}「ファミリー・ガイ」 製作総指揮 S・マクファーレン 1288 01:29:18,144 --> 01:29:20,897 彼の曲は誰もが耳にしてる 1289 01:29:21,022 --> 01:29:25,318 “NBCサンデーナイト フットボールのテーマ〟 1290 01:29:22,857 --> 01:29:27,195 {\an8}映画やアニメだけではなく ニュースにまで進出 1291 01:29:27,320 --> 01:29:29,572 {\an8}“ミッションテーマ〟 NBCニュース 1292 01:29:29,697 --> 01:29:33,534 ジョンは ハリウッド映画にとどまらず 1293 01:29:33,659 --> 01:29:37,580 オリンピックの曲にも 挑戦した 1294 01:29:42,710 --> 01:29:45,671 {\an8}幼い頃 オリンピックを見て 1295 01:29:44,045 --> 01:29:49,175 米国海兵隊室内楽団 コンサートマスター カレン・ジョンソン軍曹 1296 01:29:45,797 --> 01:29:49,175 {\an8}名曲を聞き ものすごく感激しました 1297 01:29:51,469 --> 01:29:52,553 電話が来て—— 1298 01:29:52,678 --> 01:29:55,681 “ジョン オリンピックの曲を頼む〟と 1299 01:29:55,807 --> 01:29:58,518 {\an8}“ロサンゼルス・ コロシアム〟 1300 01:29:58,643 --> 01:30:02,522 私は開会式の雰囲気が 好きだった 1301 01:30:02,647 --> 01:30:06,234 選手たちが国旗を手に 堂々と行進する 1302 01:30:06,901 --> 01:30:09,237 合計で数回 担当した 1303 01:30:10,738 --> 01:30:14,158 ジョンは 偉大なポップスターだ 1304 01:30:17,578 --> 01:30:20,498 “映画の巨匠 J・ウィリアムズと ロス・フィル〟 1305 01:30:19,247 --> 01:30:25,044 {\an8}ハリウッド・ボウルでの コンサートは45年目だ 1306 01:30:25,920 --> 01:30:27,171 今年でな 1307 01:30:27,797 --> 01:30:29,799 1978年に始めた 1308 01:30:30,550 --> 01:30:32,927 今も まだ続けてる 1309 01:30:35,388 --> 01:30:38,975 最初は照れくさかったよ 1310 01:30:39,892 --> 01:30:44,272 楽団のマネージャーに言った “他の指揮者に頼めば?〟 1311 01:30:44,397 --> 01:30:48,943 すると彼が“観客は あなたを求めている〟と 1312 01:30:49,068 --> 01:30:51,571 グスターボ 久しぶりだな 1313 01:30:52,905 --> 01:30:55,616 映画音楽のコンサートは—— 1314 01:30:55,741 --> 01:30:59,287 「スター・ウォーズ」から 始まった 1315 01:30:59,412 --> 01:31:04,333 今では 多くの作曲家が 各地で開催している 1316 01:31:04,459 --> 01:31:05,960 ライトセーバー 1317 01:31:06,085 --> 01:31:08,004 いいね 重くない 1318 01:31:08,129 --> 01:31:09,672 気に入った 1319 01:31:10,756 --> 01:31:12,383 カッコいい 1320 01:31:15,887 --> 01:31:17,346 ビン・ワンだ 1321 01:31:17,472 --> 01:31:20,683 今夜 ソロで バイオリンを弾く 1322 01:31:20,808 --> 01:31:22,518 楽しみよ 1323 01:31:23,186 --> 01:31:25,897 巨匠と演奏できるのが 1324 01:31:26,772 --> 01:31:28,107 今夜の被•害•者•だ 1325 01:31:29,692 --> 01:31:31,110 これは魔法の棒 1326 01:31:33,571 --> 01:31:34,572 ほら 1327 01:31:37,700 --> 01:31:38,784 よし 1328 01:31:38,910 --> 01:31:42,830 {\an8}“映画の巨匠〟 1329 01:31:40,119 --> 01:31:42,830 ジョンは唯一無二の存在だ 1330 01:31:43,873 --> 01:31:47,752 クラシック界で こんなに人気のある作曲家は 1331 01:31:47,877 --> 01:31:49,086 他にいない 1332 01:31:51,255 --> 01:31:53,674 彼じゃなければ無理だった 1333 01:31:54,717 --> 01:31:58,471 ものすごい人数だ 1万7000人だぞ 1334 01:32:01,599 --> 01:32:03,059 白い上着 1335 01:32:03,184 --> 01:32:06,437 これを着るよ 私のユニフォームだ 1336 01:32:07,188 --> 01:32:09,941 今日も頑張って仕事するぞ 1337 01:32:10,441 --> 01:32:11,567 こうやって 1338 01:32:12,109 --> 01:32:16,113 ハリウッド・ボウルに来た 観客は気づいてる 1339 01:32:16,239 --> 01:32:19,825 舞台にいるのが クラシックの楽団だと 1340 01:32:22,203 --> 01:32:24,705 でも盛り上がり方はロックだ 1341 01:32:35,883 --> 01:32:38,928 観客は 気取った 上流階級ではなく 1342 01:32:39,053 --> 01:32:41,888 どこにでもいる 音楽好きの人々 1343 01:32:41,889 --> 01:32:44,016 {\an8}「スター・ウォーズ/ 帝国の逆襲 」 1344 01:32:44,141 --> 01:32:46,477 {\an8}“帝国のマーチ (ダース・ベイダーの テーマ)〟 1345 01:32:49,647 --> 01:32:53,693 ジョンの音楽は幅広い世代の 人々を結びつける 1346 01:32:53,818 --> 01:32:56,737 実に すばらしいことだ 1347 01:32:57,905 --> 01:33:00,449 子供からお年寄りまで 1348 01:33:00,575 --> 01:33:03,995 みんな ライトセーバーを持ってた 1349 01:33:05,454 --> 01:33:06,956 ジョンの周りに—— 1350 01:33:08,833 --> 01:33:11,711 何千人もの人々が集まった 1351 01:33:11,836 --> 01:33:15,840 彼らはライトセーバーを持ち ジョンの功績を称える 1352 01:33:15,965 --> 01:33:19,885 これは 明らかに 彼の努力の賜たまものだろう 1353 01:33:21,220 --> 01:33:26,976 普通のコンサート以上の 盛り上がりだったと思う 1354 01:33:28,436 --> 01:33:33,399 ロックを聴いてるかのように みんな 興奮してた 1355 01:33:43,200 --> 01:33:48,414 “帝国のマーチ〟が流れると 観客がライトセーバーを振る 1356 01:33:48,539 --> 01:33:51,208 元々は 数人だけだったが 1357 01:33:51,334 --> 01:33:56,088 次第に数百人になり 今では数千人が振ってる 1358 01:33:59,342 --> 01:34:04,138 ファンたちがジョンへの愛を コンサートで爆発させた 1359 01:34:04,263 --> 01:34:06,140 幸せの爆発だ 1360 01:34:30,414 --> 01:34:31,791 楽しかった 1361 01:34:31,916 --> 01:34:33,167 最高だね 1362 01:34:33,834 --> 01:34:35,544 うまくいった 1363 01:34:39,674 --> 01:34:42,593 私はあり得ないほど 幸運だった 1364 01:34:45,012 --> 01:34:48,516 再婚したよ サマンサとね 1365 01:34:48,641 --> 01:34:49,767 彼女は最高だ 1366 01:34:51,394 --> 01:34:53,270 50年前に出会って—— 1367 01:34:54,105 --> 01:34:56,691 美しい日々を共有してる 1368 01:34:58,109 --> 01:35:00,361 心から感謝してるよ 1369 01:35:03,906 --> 01:35:07,201 これまでに 数多くの称賛を得た 1370 01:35:12,331 --> 01:35:16,210 アカデミー賞が その象徴であるし—— 1371 01:35:16,335 --> 01:35:20,089 実際に受賞して 本当にうれしかった 1372 01:35:21,674 --> 01:35:23,509 ノミネートは計54回 1373 01:35:24,635 --> 01:35:27,722 アカデミー賞の 音楽部門の人々に—— 1374 01:35:27,847 --> 01:35:29,765 感謝の意を示したい 1375 01:35:29,890 --> 01:35:32,518 彼らは私にとって同僚だ 1376 01:35:33,227 --> 01:35:34,437 ありがとう 1377 01:35:39,066 --> 01:35:41,068 僕も彼に感謝してる 1378 01:35:41,193 --> 01:35:44,822 多くの喜びを 与えてくれたからだ 1379 01:35:46,490 --> 01:35:50,244 ジョンは常に 喜びを与え続けてる 1380 01:35:50,369 --> 01:35:52,955 これは本当にすごいことだ 1381 01:35:53,080 --> 01:35:57,293 彼の音楽を聴いて イヤな気分になる人はいない 1382 01:36:00,212 --> 01:36:03,799 生まれ持っての 音楽的センスで—— 1383 01:36:03,924 --> 01:36:08,304 耳にしたものを 曲として表現している 1384 01:36:08,429 --> 01:36:12,433 だからこそ 彼の音楽は 僕らの心に強く残る 1385 01:36:13,392 --> 01:36:19,607 ジョンが指揮棒を上げて 新たな曲が演奏されるたび 1386 01:36:20,107 --> 01:36:21,650 傑作が生まれる 1387 01:36:21,776 --> 01:36:23,277 毎回 必ずよ 1388 01:36:24,987 --> 01:36:28,824 彼に備わってる ものすごいパワーが—— 1389 01:36:28,949 --> 01:36:33,662 新たな美しいメロディを どんどん 奏でていく 1390 01:36:34,413 --> 01:36:37,917 僕らは それを聴き すぐに魅了される 1391 01:36:39,585 --> 01:36:44,590 この世に楽団が存在する限り 彼の音楽は演奏される 1392 01:36:44,715 --> 01:36:48,219 ベートーヴェンや モーツァルトのように 1393 01:36:49,970 --> 01:36:52,473 映画の撮影が難航すると—— 1394 01:36:52,598 --> 01:36:55,726 撮影終了日が待ち遠しくなる 1395 01:36:56,310 --> 01:36:59,814 終了すれば 何もせず 楽団の前に座り—— 1396 01:37:00,815 --> 01:37:06,445 1週間ほど ジョンが書いた曲に 耳を傾けることができる 1397 01:37:06,570 --> 01:37:08,989 それが何より楽しみになる 1398 01:37:13,786 --> 01:37:16,121 “ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント〟 1399 01:37:16,247 --> 01:37:19,250 2024年1月18日 カリフォルニア州 カルバーシティー 1400 01:37:18,249 --> 01:37:21,794 {\an8}ジョンの楽団を 指揮したい気分だね 1401 01:37:22,586 --> 01:37:26,674 でも 今日は 指揮棒で 彼に敬意を払おうと思う 1402 01:37:27,591 --> 01:37:31,262 皆さん 看板にご注目ください 1403 01:37:31,637 --> 01:37:32,638 おめでとう 1404 01:37:35,057 --> 01:37:39,645 “ジョン・ウィリアムズ ミュージックビルディング〟 1405 01:37:49,196 --> 01:37:52,992 このスタジオに初めて来たのは 1940年 1406 01:37:53,868 --> 01:37:56,704 父親に連れられて見学に訪れた 1407 01:37:57,454 --> 01:38:00,207 当時 私は10歳くらいだった 1408 01:38:00,749 --> 01:38:04,587 スタジオをのぞいて こう思ったよ 1409 01:38:05,212 --> 01:38:07,339 “いつか 必ず手に入れる〟 1410 01:38:11,969 --> 01:38:13,888 やっと手に入れた 1411 01:38:23,522 --> 01:38:25,691 私のキャリアは多種多様 1412 01:38:25,816 --> 01:38:29,820 コメディーにSF シリアスな作品も 1413 01:38:30,613 --> 01:38:35,659 その中で出来に満足してるのは チェロ協奏曲のフィナーレ 1414 01:38:38,746 --> 01:38:42,541 もしくは バイオリン協奏曲第1番 1415 01:38:45,586 --> 01:38:47,087 全体ではない 1416 01:38:48,756 --> 01:38:52,134 “ヨーダのテーマ〟にも 納得してる 1417 01:38:52,259 --> 01:38:54,428 いい仕上がりになった 1418 01:38:54,553 --> 01:38:57,640 音程の進み方が シンプルで かつ 独特 1419 01:38:59,558 --> 01:39:04,605 「E.T.」のテーマ曲も なかなか いい出来だった 1420 01:39:06,357 --> 01:39:10,069 以上が 私の代表作と言える作品かな? 1421 01:39:11,028 --> 01:39:15,157 私を象徴している作品だ 全体じゃないがね 1422 01:39:18,702 --> 01:39:25,376 私のキャリアはピアノからで 編曲 指揮 テレビに映画 1423 01:39:25,501 --> 01:39:28,587 特に計画は立ててこなかった 1424 01:39:30,589 --> 01:39:33,342 失敗もしたが 幸運だったよ 1425 01:39:33,467 --> 01:39:37,179 特に スティーヴンとの 出会いは宝物だ 1426 01:39:40,724 --> 01:39:47,231 作品をたくさん書けるのは 音楽を心から愛してるからだよ 1427 01:39:48,315 --> 01:39:51,610 優れた演奏者との仕事は楽しい 1428 01:39:53,779 --> 01:39:57,157 だからこそ 急いで 曲を書いてる 1429 01:40:03,163 --> 01:40:05,249 私にとって音楽は呼吸だ 1430 01:40:06,750 --> 01:40:10,170 音楽は私を支えて 力を与えてくれる 1431 01:40:12,131 --> 01:40:14,091 毎朝 曲を書いてるよ 1432 01:40:15,342 --> 01:40:17,594 たくさん音譜を書いて—— 1433 01:40:17,720 --> 01:40:21,515 楽団の前に立ち 指揮者として棒を振る 1434 01:40:21,640 --> 01:40:25,019 そして 書いた音符たちに 命を与える 1435 01:40:26,020 --> 01:40:27,479 最高の喜びだ 1436 01:40:31,650 --> 01:40:33,402 命には限りがあるが—— 1437 01:40:34,987 --> 01:40:37,448 音楽には限りがない 1438 01:44:48,323 --> 01:44:50,325 日本語字幕 大前 留奈 大城 哲郎