1 00:00:14,043 --> 00:00:18,243 ‎アレクサンドリア 2 00:00:19,723 --> 00:00:24,483 ‎出会いによって ‎運命が定まることがあります 3 00:00:27,803 --> 00:00:32,803 ‎この2人が出会わなければ ‎歴史は違っていたでしょう 4 00:00:35,323 --> 00:00:41,643 ‎宿命と野望 意志と愛に ‎引き寄せられた2人は⸺ 5 00:00:43,243 --> 00:00:44,843 ‎帝国を築く? 6 00:00:47,403 --> 00:00:49,603 ‎それとも破滅に導く? 7 00:00:51,443 --> 00:00:52,363 ‎捕まえた 8 00:00:52,883 --> 00:00:53,963 ‎ズルい 9 00:00:53,963 --> 00:00:55,083 ‎どこが? 10 00:00:55,083 --> 00:00:55,923 ‎ひどい 11 00:00:56,723 --> 00:01:00,883 ‎マルクス・アントニウスは ‎クレオパトラと共に⸺ 12 00:01:02,643 --> 00:01:06,603 ‎歴史に深い爪痕を ‎残すことになります 13 00:01:06,603 --> 00:01:07,643 ‎何だ? 14 00:01:08,643 --> 00:01:09,723 ‎妊娠した 15 00:01:21,563 --> 00:01:28,203 ‎アフリカン・クイーンズ ‎クレオパトラ 16 00:01:34,483 --> 00:01:36,803 {\an8}アントニウスと結ばれた クレオパトラは 17 00:01:36,803 --> 00:01:38,083 {\an8}アントニウスと結ばれた クレオパトラは コリーン・ダーネル 博士 18 00:01:38,083 --> 00:01:38,163 {\an8}コリーン・ダーネル 博士 19 00:01:38,163 --> 00:01:40,683 {\an8}コリーン・ダーネル 博士 彼をアレクサンドリアに 招きます 20 00:01:50,363 --> 00:01:53,323 ‎当初 2人の関係は 21 00:01:53,323 --> 00:01:57,923 ‎実利を重んじる ‎政治的な協定と言えました 22 00:01:57,923 --> 00:02:03,323 ‎その後 2人の間に ‎愛が芽生えたようです 23 00:02:06,243 --> 00:02:10,003 ‎アントニウスは ‎蜜月を楽しむ一方で 24 00:02:10,843 --> 00:02:13,403 ‎不安を拭えません 25 00:02:13,923 --> 00:02:15,083 {\an8}ローマに敵対勢力が あったからです 26 00:02:15,083 --> 00:02:17,843 {\an8}ローマに敵対勢力が あったからです イスラム・イッサ 博士 27 00:02:17,843 --> 00:02:23,323 ‎西半分を勢力下に置く ‎オクタヴィアヌスです 28 00:02:24,963 --> 00:02:28,803 ‎彼も権力の独占を ‎狙っていました 29 00:02:40,563 --> 00:02:41,483 ‎考え事? 30 00:02:43,923 --> 00:02:45,043 ‎違うよ 31 00:02:46,443 --> 00:02:47,603 ‎何でもない 32 00:02:49,123 --> 00:02:50,323 ‎やめて 33 00:02:50,923 --> 00:02:51,883 ‎何を? 34 00:02:51,883 --> 00:02:52,563 ‎ウソを 35 00:02:53,523 --> 00:02:54,203 ‎違う 36 00:02:55,883 --> 00:02:57,523 ‎見抜けないと? 37 00:03:02,323 --> 00:03:03,483 ‎オクタヴィアヌスだ 38 00:03:07,043 --> 00:03:09,643 ‎同盟を破って動き出すと⸺ 39 00:03:10,883 --> 00:03:12,243 ‎うわさを聞いた 40 00:03:16,723 --> 00:03:18,483 ‎どういうこと? 41 00:03:18,483 --> 00:03:20,083 ‎まだ分からない 42 00:03:22,003 --> 00:03:24,203 ‎何もせずに待つだけ? 43 00:03:26,363 --> 00:03:29,483 ‎帰国して ‎彼の動きを探るべきよ 44 00:03:30,723 --> 00:03:32,443 ‎ヤツの思うつぼだ 45 00:03:34,003 --> 00:03:37,403 ‎あなたと結んだ同盟を ‎破るなんて 46 00:03:39,123 --> 00:03:41,443 ‎やっぱりローマに戻って 47 00:03:41,443 --> 00:03:46,803 ‎あなたが築いたものを ‎台なしにされる前にね 48 00:03:54,483 --> 00:03:57,403 ‎エジプトにいた ‎アントニウスは 49 00:03:57,403 --> 00:03:59,763 ‎ローマを放置していました 50 00:04:01,763 --> 00:04:03,243 {\an8}その間 オクタヴィアヌスは 51 00:04:03,243 --> 00:04:04,123 {\an8}その間 オクタヴィアヌスは シェリー・P・ ヘイリー教授 52 00:04:04,123 --> 00:04:04,203 {\an8}シェリー・P・ ヘイリー教授 53 00:04:04,203 --> 00:04:08,403 {\an8}シェリー・P・ ヘイリー教授 元老院の近くで 力を蓄えたのです 54 00:04:08,403 --> 00:04:14,283 ‎ローマに届いたのは ‎派手な‎宴(うたげ)‎のうわさだけでした 55 00:04:19,243 --> 00:04:20,283 ‎帰国なさい 56 00:04:23,363 --> 00:04:25,403 ‎私たちは ここで⸺ 57 00:04:26,323 --> 00:04:27,803 ‎帰りを待ってる 58 00:04:44,243 --> 00:04:46,083 ‎オクタヴィアヌスは 59 00:04:46,083 --> 00:04:52,123 ‎アントニウスの評判を ‎落とそうと画策します 60 00:04:52,123 --> 00:04:57,403 ‎クレオパトラといた時の ‎カエサルと同じだと 61 00:04:57,403 --> 00:04:59,563 ‎ほのめかしたのです 62 00:05:00,203 --> 00:05:03,963 ‎クレオパトラは ‎帰国を促しました 63 00:05:04,963 --> 00:05:09,803 ‎オクタヴィアヌスを ‎押さえつけるためです 64 00:05:10,883 --> 00:05:13,803 {\an8}ローマ 紀元前40年 65 00:05:18,043 --> 00:05:21,803 ‎オクタヴィアヌスとの関係を ‎修復するため 66 00:05:21,803 --> 00:05:23,763 ‎アントニウスは 67 00:05:23,763 --> 00:05:26,883 ‎クレオパトラの妊娠中に ‎帰国しました 68 00:05:29,323 --> 00:05:32,923 ‎アントニウスは ‎彼女に夢中でしたが 69 00:05:33,443 --> 00:05:37,843 ‎結婚相手には ‎別の女性を選びました 70 00:05:38,363 --> 00:05:42,123 ‎政治的に有利だと ‎彼が判断した相手です 71 00:05:45,403 --> 00:05:48,203 ‎〈あなたと生涯 ‎添い遂げます〉 72 00:05:49,283 --> 00:05:52,003 ‎〈あなたと生涯 ‎添い遂げます〉 73 00:05:52,843 --> 00:05:55,883 ‎アントニウスが結婚したのは 74 00:05:55,883 --> 00:05:59,803 ‎オクタヴィアヌスの姉 ‎オクタヴィアです 75 00:06:14,123 --> 00:06:18,963 ‎オクタヴィアヌスの ‎血縁者と結婚すれば 76 00:06:18,963 --> 00:06:24,243 ‎彼を味方につけられると ‎アントニウスは考えました 77 00:06:35,083 --> 00:06:41,123 ‎古代エジプトの女性にとって ‎出産は危険を伴いました 78 00:06:41,123 --> 00:06:42,483 {\an8}クレオパトラと子の命に 万が一のことがあれば 79 00:06:42,483 --> 00:06:47,083 {\an8}クレオパトラと子の命に 万が一のことがあれば デボラ・ハード 博士号候補 80 00:06:47,083 --> 00:06:47,163 {\an8}デボラ・ハード 博士号候補 81 00:06:47,163 --> 00:06:47,923 {\an8}デボラ・ハード 博士号候補 国民は 女王を失ってしまいます 82 00:06:47,923 --> 00:06:50,923 {\an8}国民は 女王を失ってしまいます 83 00:07:03,723 --> 00:07:08,323 ‎クレオパトラは ‎双子を出産します 84 00:07:10,843 --> 00:07:15,883 ‎そのため 神から授かった ‎神聖な子と見なされ 85 00:07:15,883 --> 00:07:22,323 ‎クレオパトラには ‎神のイメージが定着しました 86 00:07:29,083 --> 00:07:30,203 ‎政略結婚は⸺ 87 00:07:31,203 --> 00:07:36,443 ‎ローマの伝統だと ‎彼女は とらえていました 88 00:07:37,243 --> 00:07:40,803 ‎だから ‎アントニウスを責めません 89 00:07:41,563 --> 00:07:43,963 ‎オクタヴィアとの結婚は 90 00:07:44,523 --> 00:07:48,003 ‎政敵をなだめるためと ‎理解したのです 91 00:07:48,003 --> 00:07:49,803 ‎戦略のうちだと 92 00:07:51,723 --> 00:07:55,603 ‎クレオパトラは ‎気にしませんでした 93 00:07:56,203 --> 00:07:59,323 ‎“どうぞ”と余裕でしたが 94 00:07:59,323 --> 00:08:02,083 ‎彼は3年も戻りませんでした 95 00:08:02,603 --> 00:08:05,003 ‎あら 何かいるわね 96 00:08:05,003 --> 00:08:06,563 ‎カエサルでさえ 97 00:08:06,563 --> 00:08:11,523 ‎我が子を産んだ彼女に ‎手紙を書いたものです 98 00:08:12,483 --> 00:08:15,163 ‎でも アントニウスは 99 00:08:16,283 --> 00:08:22,083 ‎双子が生まれたあとも ‎彼女に連絡しませんでした 100 00:08:26,363 --> 00:08:28,643 ‎音沙汰なしです 101 00:08:31,603 --> 00:08:33,803 ‎縁を切ったも同然です 102 00:08:41,603 --> 00:08:47,443 ‎その間に クレオパトラは ‎国情を好転させました 103 00:08:50,363 --> 00:08:52,563 ‎増税の敢行以外にも 104 00:08:52,563 --> 00:08:56,483 ‎輸出量の増加 ‎雇用の創出を成功させます 105 00:08:56,483 --> 00:09:03,043 ‎すると突然 エジプト経済が ‎急成長の兆しを見せます 106 00:09:04,683 --> 00:09:09,803 ‎その3年間に ‎クレオパトラが何をしたのか 107 00:09:10,803 --> 00:09:14,523 ‎ローマの記録には ‎残っていません 108 00:09:14,523 --> 00:09:18,563 ‎アラビアの記録によると ‎エジプトは好況でした 109 00:09:19,043 --> 00:09:21,683 ‎経済が著しく成長し⸺ 110 00:09:22,643 --> 00:09:25,523 ‎クレオパトラは ‎民に愛されました 111 00:09:26,043 --> 00:09:29,403 ‎有能な女王として ‎認められたのです 112 00:09:43,203 --> 00:09:47,443 ‎アントニウスと疎遠だった ‎3年の間 113 00:09:47,443 --> 00:09:52,163 ‎彼女は東方遠征を行い ‎パルティアと戦いました 114 00:09:52,883 --> 00:09:53,403 {\an8}ローマ帝国 115 00:09:53,403 --> 00:09:54,643 {\an8}ローマ帝国 ‎イラン系民族の強国です 116 00:09:54,643 --> 00:09:54,723 ‎イラン系民族の強国です 117 00:09:54,723 --> 00:09:56,683 ‎イラン系民族の強国です {\an8}パルティア帝国 118 00:09:56,683 --> 00:09:59,963 {\an8}パルティア帝国 119 00:09:59,963 --> 00:10:05,083 ‎アントニウスは ‎パルティアを支配して 120 00:10:05,083 --> 00:10:06,443 {\an8}地位を 高めるつもりでした 121 00:10:06,443 --> 00:10:08,363 {\an8}地位を 高めるつもりでした ジャクリン・ ウィリアムソン 准教授 122 00:10:08,363 --> 00:10:08,443 {\an8}ジャクリン・ ウィリアムソン 准教授 123 00:10:08,443 --> 00:10:12,163 {\an8}ジャクリン・ ウィリアムソン 准教授 オクタヴィアヌスと 肩を並べるためです 124 00:10:14,083 --> 00:10:18,163 ‎ローマはパルティア征服に ‎手こずっていたので 125 00:10:18,163 --> 00:10:21,043 ‎成功すれば大手柄です 126 00:10:22,163 --> 00:10:25,283 ‎しかし 彼が期待したほど 127 00:10:25,283 --> 00:10:29,323 ‎オクタヴィアヌスは ‎彼を支援しません 128 00:10:29,323 --> 00:10:31,963 ‎兵と資金が必要でした 129 00:10:32,843 --> 00:10:38,083 ‎オクタヴィアと結婚した ‎アントニウスは 130 00:10:38,083 --> 00:10:42,723 ‎オクタヴィアヌスの支援に ‎期待していました 131 00:10:42,723 --> 00:10:46,163 ‎でも彼が提供したのは ‎2軍団のみ 132 00:10:46,163 --> 00:10:52,843 ‎東方遠征を成功させるには ‎もっと兵士が必要でした 133 00:10:56,683 --> 00:10:58,483 ‎戦いが激化する中で 134 00:10:58,483 --> 00:11:03,043 ‎アントニウスは ‎支援者を探しました 135 00:11:03,043 --> 00:11:06,283 ‎まずクレオパトラを ‎思いついたでしょう 136 00:11:06,843 --> 00:11:10,723 ‎オクタヴィアヌスを ‎頼れないアントニウスは 137 00:11:11,283 --> 00:11:15,363 ‎クレオパトラの援助が ‎必要だと悟ります 138 00:11:21,923 --> 00:11:27,683 ‎アントニウスは ‎彼女をシリアに呼び寄せます 139 00:11:32,603 --> 00:11:35,763 ‎優位だったクレオパトラは 140 00:11:35,763 --> 00:11:38,443 ‎要求を出せる立場でした 141 00:11:42,523 --> 00:11:45,123 ‎かつて王朝が支配した領土を 142 00:11:45,123 --> 00:11:49,123 ‎エジプトに返還するよう ‎求めました 143 00:11:49,123 --> 00:11:52,083 ‎特にキプロスやクレタです 144 00:11:55,803 --> 00:11:58,803 ‎シリア 145 00:12:09,923 --> 00:12:11,203 ‎二人にして 146 00:12:20,483 --> 00:12:21,723 ‎クレオパトラ 147 00:12:22,523 --> 00:12:24,283 ‎言い訳はやめて 148 00:12:24,283 --> 00:12:26,163 ‎3年もの間⸺ 149 00:12:27,083 --> 00:12:28,083 ‎連絡もなし 150 00:12:28,603 --> 00:12:29,763 ‎私にも 151 00:12:30,403 --> 00:12:31,243 ‎子供にも 152 00:12:32,043 --> 00:12:33,963 ‎子供は一緒か? 153 00:12:36,243 --> 00:12:37,443 ‎会わせると? 154 00:12:41,443 --> 00:12:42,443 ‎あなたに? 155 00:12:43,803 --> 00:12:46,043 ‎呼ばれた理由は分かる 156 00:12:48,563 --> 00:12:49,403 ‎聞いたわ 157 00:12:50,763 --> 00:12:53,123 ‎オクタヴィアヌスを ‎頼れないと 158 00:12:54,043 --> 00:12:55,883 ‎私にも偵察員がいる 159 00:12:59,803 --> 00:13:01,243 ‎援助が要るのね 160 00:13:05,123 --> 00:13:06,523 ‎私に何の得が? 161 00:13:10,203 --> 00:13:11,243 ‎そのとおり 162 00:13:13,003 --> 00:13:14,363 ‎返す言葉もない 163 00:13:21,163 --> 00:13:24,163 ‎権力者の2人が合流して 164 00:13:24,163 --> 00:13:30,803 ‎相互利益を得るための ‎最善策を話し合ったのです 165 00:13:30,803 --> 00:13:35,323 ‎アントニウスは ‎東方に帝国を築くため 166 00:13:35,323 --> 00:13:38,043 ‎クレオパトラが必要でした 167 00:13:38,043 --> 00:13:41,563 ‎兵や物資が ‎不足していたからです 168 00:13:41,563 --> 00:13:45,003 ‎彼女は ‎ローマへのコネが必要でした 169 00:13:46,923 --> 00:13:49,243 ‎彼女は要求書を渡します 170 00:13:51,083 --> 00:13:52,923 ‎こんな内容でした 171 00:13:52,923 --> 00:13:58,323 ‎カエサルに奪われたものを ‎全て返還すること 172 00:13:58,323 --> 00:14:03,203 ‎生まれてきた双子を ‎実子と認知すること 173 00:14:03,203 --> 00:14:08,203 ‎双子が支配できる領土を ‎与えること 174 00:14:09,683 --> 00:14:16,403 ‎それからカエサルの子として ‎カエサリオンを認めること 175 00:14:21,323 --> 00:14:22,643 ‎要求を全て⸺ 176 00:14:24,483 --> 00:14:25,683 ‎のんでもらう 177 00:14:27,803 --> 00:14:31,403 ‎クレオパトラと ‎アントニウスの2人は 178 00:14:31,403 --> 00:14:34,683 ‎冬の間ずっと ‎交渉を続けました 179 00:14:34,683 --> 00:14:39,523 ‎クレオパトラの望みは ‎国の栄華を取り戻すことです 180 00:14:41,283 --> 00:14:43,043 ‎検討したよ 181 00:14:43,563 --> 00:14:45,363 ‎君の要求をね 182 00:14:46,643 --> 00:14:48,163 ‎私の権利よ 183 00:14:48,843 --> 00:14:50,323 ‎エジプトの権利ね 184 00:14:50,323 --> 00:14:52,123 ‎要求が厳しすぎる 185 00:14:52,123 --> 00:14:54,803 ‎交渉の余地がある? 186 00:14:54,803 --> 00:14:56,963 ‎口論しに来たんじゃない 187 00:14:57,643 --> 00:14:58,763 ‎なぜ来たの? 188 00:14:59,283 --> 00:15:00,883 ‎なぜかって? 189 00:15:09,123 --> 00:15:10,683 ‎君の勝ちだ 190 00:15:13,403 --> 00:15:14,803 ‎何に勝ったの? 191 00:15:16,123 --> 00:15:17,283 ‎要求をのむ 192 00:15:20,003 --> 00:15:20,803 ‎なぜ? 193 00:15:21,843 --> 00:15:22,883 ‎2人のためだ 194 00:15:26,203 --> 00:15:28,643 ‎信用していいのね? 195 00:15:29,163 --> 00:15:31,603 ‎君にウソは通じない 196 00:15:33,763 --> 00:15:35,043 ‎君に従おう 197 00:15:39,843 --> 00:15:42,723 ‎今まで以上の力を得た彼女は 198 00:15:42,723 --> 00:15:46,603 {\an8}プトレマイオス朝に 栄華を取り戻しました 199 00:15:46,603 --> 00:15:49,043 {\an8}東方遠征中の アントニウスは 200 00:15:49,043 --> 00:15:53,003 {\an8}必要な兵を 確保できたのです 201 00:15:54,283 --> 00:15:58,283 ‎かつての領土を ‎取り戻したエジプトは 202 00:15:58,283 --> 00:16:03,283 ‎まさに目を見張るほどの ‎繁栄を極めます 203 00:16:03,283 --> 00:16:07,123 ‎領土を広げれば広げるほど 204 00:16:07,123 --> 00:16:11,803 ‎その国の中核が ‎豊かになるものです 205 00:16:11,803 --> 00:16:18,043 ‎領土を広げたクレオパトラは ‎権力と富と平安を得ました 206 00:16:18,043 --> 00:16:22,163 ‎プトレマイオス朝を ‎統治した誰もが 207 00:16:22,163 --> 00:16:25,083 ‎ずっと望んでいたことです 208 00:16:29,003 --> 00:16:34,443 ‎この時 アントニウスは ‎クレオパトラが産んだ双子と 209 00:16:34,443 --> 00:16:37,483 ‎初めて顔を合わせました 210 00:16:39,443 --> 00:16:42,203 ‎私の神様 はじめまして 211 00:16:43,043 --> 00:16:45,243 ‎やあ 君も来るかい? 212 00:16:45,243 --> 00:16:46,603 ‎それがいい 213 00:16:46,603 --> 00:16:49,283 ‎本当に神様みたいだ 214 00:16:49,803 --> 00:16:51,483 ‎なんとも美しい 215 00:16:54,283 --> 00:16:59,043 ‎誰の目から見ても ‎彼は双子に夢中でした 216 00:17:00,203 --> 00:17:04,563 ‎双子は“太陽”と“月”と ‎名付けられました 217 00:17:04,563 --> 00:17:07,683 ‎ヘリオスとセレネです 218 00:17:09,643 --> 00:17:13,203 ‎アントニウスと ‎クレオパトラは 219 00:17:13,203 --> 00:17:16,883 ‎双子を太陽と月のように ‎扱いました 220 00:17:16,883 --> 00:17:21,883 ‎2人で築いている ‎東方帝国の後継者に 221 00:17:21,883 --> 00:17:25,243 ‎双子を指名する予定でした 222 00:17:25,243 --> 00:17:27,763 ‎こうやって お辞儀をする 223 00:17:28,923 --> 00:17:30,083 ‎陛下 224 00:17:30,083 --> 00:17:36,083 ‎この時期 アントニウスは ‎東方侵略を狙うと同時に 225 00:17:36,083 --> 00:17:40,723 ‎クレオパトラと復縁し ‎家族として過ごしました 226 00:17:40,723 --> 00:17:43,443 ‎そして再び妊娠が発覚します 227 00:17:45,603 --> 00:17:51,883 ‎しかし 彼らの人生には ‎政治や戦争が付き物です 228 00:17:51,883 --> 00:17:55,523 ‎パルティアとの攻防も ‎その1つです 229 00:18:14,163 --> 00:18:19,243 ‎アントニウスは援助を得るも ‎パルティアに敗北しました 230 00:18:19,883 --> 00:18:25,043 ‎同盟国のアルメニアに ‎裏切られたからです 231 00:18:26,403 --> 00:18:30,283 ‎パルティアが ‎アントニウスに勝ちました 232 00:18:30,283 --> 00:18:33,203 ‎彼にとっては最悪な結果です 233 00:18:33,203 --> 00:18:38,283 ‎数千の兵と大量の物資を ‎失ってしまいました 234 00:18:39,163 --> 00:18:42,043 ‎オクタヴィアヌスは ‎それを逆手に 235 00:18:42,043 --> 00:18:46,803 ‎指揮官アントニウスの ‎未熟さを追及します 236 00:18:51,803 --> 00:18:55,483 {\an8}エジプト 紀元前36年 237 00:18:55,483 --> 00:19:01,163 ‎遠征に同行できないため ‎クレオパトラは帰郷しました 238 00:19:01,163 --> 00:19:06,203 ‎2人の子 プトレマイオスを ‎出産したからです 239 00:19:11,643 --> 00:19:12,483 ‎何か? 240 00:19:13,963 --> 00:19:17,243 ‎遠征が ‎計画どおりにいってません 241 00:19:18,483 --> 00:19:21,803 ‎オクタヴィアヌスが ‎喜んでるわね 242 00:19:22,443 --> 00:19:25,403 ‎前回の戦闘で ‎アントニウス様は... 243 00:19:28,723 --> 00:19:30,283 ‎早く言って 244 00:19:30,283 --> 00:19:35,203 ‎信用できる者に確認して ‎すぐお知らせします 245 00:19:35,203 --> 00:19:36,043 ‎いつ? 246 00:19:36,043 --> 00:19:37,403 ‎数週間以内に... 247 00:19:37,403 --> 00:19:38,803 ‎それじゃ遅い 248 00:19:39,563 --> 00:19:42,563 ‎オクタヴィアヌスより ‎早く聞きたい 249 00:19:42,563 --> 00:19:44,843 ‎急ぐように伝えます 250 00:19:46,763 --> 00:19:48,603 ‎他に何かご用件は? 251 00:19:50,283 --> 00:19:52,043 ‎彼の居場所を調べて 252 00:19:57,723 --> 00:20:01,043 ‎アントニウスを ‎心配した彼女は 253 00:20:01,043 --> 00:20:06,883 ‎彼が身を寄せたシリアまで ‎会いに行きました 254 00:20:06,883 --> 00:20:09,963 ‎シリア 255 00:20:17,203 --> 00:20:20,523 ‎邪魔するなと言っただろ 256 00:20:26,603 --> 00:20:27,763 ‎クレオパトラ 257 00:20:36,603 --> 00:20:38,123 ‎うまくいかない 258 00:20:40,683 --> 00:20:43,163 ‎オクタヴィアヌスに潰される 259 00:20:44,163 --> 00:20:45,803 ‎新しい戦術を 260 00:20:45,803 --> 00:20:47,923 ‎何度も試した 261 00:20:49,243 --> 00:20:50,603 ‎心を読まれてる 262 00:20:52,963 --> 00:20:53,963 ‎やめて 263 00:20:59,403 --> 00:21:01,483 ‎何をしても邪魔される 264 00:21:10,483 --> 00:21:12,363 ‎心を読めるはずがない 265 00:21:14,483 --> 00:21:16,443 ‎自分が誰だか忘れた? 266 00:21:19,203 --> 00:21:22,163 ‎彼が先頭に立つことはない 267 00:21:23,883 --> 00:21:25,043 ‎あなたは強い 268 00:21:25,763 --> 00:21:27,963 ‎戦士としても優れてる 269 00:21:28,723 --> 00:21:30,083 ‎彼に勝って 270 00:21:31,363 --> 00:21:33,483 ‎エジプトがついてるわ 271 00:21:34,603 --> 00:21:36,283 ‎人前に出て⸺ 272 00:21:37,283 --> 00:21:40,443 ‎あなたらしく振る舞いなさい 273 00:21:43,243 --> 00:21:45,243 ‎私らしくって何だ? 274 00:21:46,363 --> 00:21:47,803 ‎戦士でしょ 275 00:21:48,323 --> 00:21:50,443 ‎私を守る戦士よ 276 00:21:52,843 --> 00:21:54,123 ‎忘れないで 277 00:21:54,883 --> 00:21:56,083 ‎いいわね? 278 00:21:59,003 --> 00:22:00,963 ‎勝者らしい態度を 279 00:22:01,483 --> 00:22:02,163 ‎分かった 280 00:22:03,083 --> 00:22:04,003 ‎私は勝者だ 281 00:22:04,963 --> 00:22:05,643 ‎愛してる 282 00:22:08,203 --> 00:22:12,043 ‎クレオパトラは ‎彼に深入りしていました 283 00:22:12,643 --> 00:22:15,123 ‎3人の子供もいます 284 00:22:15,643 --> 00:22:16,683 ‎彼は⸺ 285 00:22:17,443 --> 00:22:21,803 ‎彼女を支えると ‎約束しただけではありません 286 00:22:21,803 --> 00:22:28,003 ‎子供たちのために ‎自分の領土を分け与えました 287 00:22:29,083 --> 00:22:32,603 ‎彼女の経済的支援が ‎必要だからです 288 00:22:32,603 --> 00:22:36,763 ‎クレオパトラは ‎彼を支配していました 289 00:22:37,403 --> 00:22:42,283 ‎2人の関係を ‎揺るぎないものにするため 290 00:22:43,243 --> 00:22:47,723 ‎そして ‎彼に神聖な力を与えるため⸺ 291 00:22:49,603 --> 00:22:53,083 ‎彼女は ‎アントニウスと結婚します 292 00:22:59,483 --> 00:23:03,763 ‎ローマ人は ‎2人を冷たい目で見ました 293 00:23:03,763 --> 00:23:08,403 ‎彼はオクタヴィアヌスの姉と ‎結婚していたからです 294 00:23:08,923 --> 00:23:13,403 ‎エジプトの王は ‎複数の妻を持ちますが 295 00:23:13,403 --> 00:23:17,803 ‎当時 彼女が結婚したのは ‎1人だけでした 296 00:23:17,803 --> 00:23:19,043 ‎アントニウスです 297 00:23:20,123 --> 00:23:24,883 ‎アレクサンドリア 298 00:23:24,883 --> 00:23:28,963 ‎2人の結婚後 ‎大きな式典がありました 299 00:23:28,963 --> 00:23:31,723 ‎“アレクサンドリアの寄贈” ‎です 300 00:23:41,283 --> 00:23:43,403 ‎私は皆のイシスです 301 00:23:45,643 --> 00:23:48,723 ‎エジプトの敵を哀れみます 302 00:23:49,563 --> 00:23:54,523 ‎ローマと手を組むエジプトは ‎無敵です 303 00:23:56,123 --> 00:24:00,323 ‎彼らは我が同盟を ‎侮っているでしょう 304 00:24:00,323 --> 00:24:01,963 ‎我らの英知 305 00:24:03,963 --> 00:24:04,763 ‎我らの富 306 00:24:05,883 --> 00:24:07,043 ‎我らの兵 307 00:24:07,563 --> 00:24:10,123 ‎全てが神の恵みです 308 00:24:16,763 --> 00:24:19,043 ‎今日 私は民の前で... 309 00:24:21,123 --> 00:24:24,443 ‎私たちは民の前に立ち⸺ 310 00:24:25,443 --> 00:24:28,603 ‎我が国は ‎安泰であると宣言します 311 00:24:30,163 --> 00:24:32,123 ‎派手な式典でした 312 00:24:32,123 --> 00:24:36,483 ‎クレオパトラは ‎イシスの衣装で現れました 313 00:24:36,483 --> 00:24:38,923 {\an8}ここでアントニウスは 家族に領土を贈ります 314 00:24:38,923 --> 00:24:41,643 {\an8}ここでアントニウスは 家族に領土を贈ります サリー=アン・ アシュトン博士 315 00:24:41,643 --> 00:24:43,643 ‎そして 約束します 316 00:24:44,323 --> 00:24:49,203 ‎神聖なる我が同盟を ‎脅かす者は 誰であろうと 317 00:24:50,043 --> 00:24:52,763 ‎生まれたことを ‎後悔するでしょう 318 00:25:03,643 --> 00:25:06,243 ‎この時 アントニウスは 319 00:25:06,243 --> 00:25:11,603 ‎カエサリオンを カエサルの ‎後継者と宣言しました 320 00:25:13,363 --> 00:25:17,643 ‎アントニウスは ‎正式に譲渡しました 321 00:25:17,643 --> 00:25:21,643 ‎クレオパトラが望む ‎全ての領土です 322 00:25:21,643 --> 00:25:23,603 ‎この寄贈式典で 323 00:25:23,603 --> 00:25:29,163 ‎プトレマイオス朝は ‎最高の威信を取り戻しました 324 00:25:29,163 --> 00:25:31,363 ‎それだけでなく 325 00:25:32,203 --> 00:25:37,563 ‎エジプトは過去最大の ‎領土を手にしたのです 326 00:25:40,883 --> 00:25:47,003 {\an8}エジプト 327 00:25:47,003 --> 00:25:49,443 {\an8}そして アントニウスは 328 00:25:49,443 --> 00:25:52,803 ‎オクタヴィアと離婚しました 329 00:25:52,803 --> 00:25:58,563 ‎ローマを切り捨てたように ‎見られて当然です 330 00:25:58,563 --> 00:26:02,403 ‎怒りで頭が爆発する ‎絵文字がありますよね 331 00:26:03,043 --> 00:26:08,603 ‎オクタヴィアヌスの頭は ‎領土分配の件で爆発します 332 00:26:09,123 --> 00:26:11,523 ‎“一体 何を考えてる?” 333 00:26:13,163 --> 00:26:15,443 ‎“正気じゃない”とね 334 00:26:16,443 --> 00:26:18,803 ‎“ヤツにそんな権利はない” 335 00:26:21,083 --> 00:26:26,763 ‎しかし彼にとっては ‎ある意味 好機でした 336 00:26:26,763 --> 00:26:30,483 ‎“アントニウスは ‎東方の王様気取りで” 337 00:26:30,483 --> 00:26:35,243 ‎“もうローマ人ではない”と ‎触れ回ったのです 338 00:26:35,803 --> 00:26:38,123 ‎寄贈式典を利用して 339 00:26:38,123 --> 00:26:43,163 ‎反ローマ的だと訴えるのは ‎簡単だったはずです 340 00:26:47,443 --> 00:26:52,523 ‎宣戦布告するには ‎十分な理由でした 341 00:26:53,443 --> 00:26:56,043 ‎アントニウス相手では ‎ありません 342 00:26:56,723 --> 00:27:02,003 ‎ローマ人は再びの内戦を ‎望んでいませんでした 343 00:27:02,643 --> 00:27:04,643 ‎罪を着せられたのは... 344 00:27:06,443 --> 00:27:08,123 ‎クレオパトラです 345 00:27:08,123 --> 00:27:11,723 ‎“あの女が悪い”と ‎名指しされました 346 00:27:12,243 --> 00:27:18,003 ‎クレオパトラに対する ‎プロパガンダの始まりです 347 00:27:18,643 --> 00:27:21,883 ‎仕掛けたのは ‎オクタヴィアヌスです 348 00:27:21,883 --> 00:27:26,003 ‎アントニウスの ‎ローマでの評価が 349 00:27:26,003 --> 00:27:29,563 ‎下がるきっかけとなりました 350 00:27:30,643 --> 00:27:34,763 ‎アレクサンドリア王宮 351 00:27:42,443 --> 00:27:48,283 ‎オクタヴィアヌスは ‎私を思うままに操る君が⸺ 352 00:27:51,683 --> 00:27:54,403 ‎ローマを危険にさらしてると 353 00:27:58,163 --> 00:27:58,883 ‎そう 354 00:28:00,963 --> 00:28:05,083 ‎すっかり気分を害した ‎オクタヴィアヌスは 355 00:28:05,083 --> 00:28:10,203 ‎悪意に満ちたプロパガンダを ‎流しました 356 00:28:10,203 --> 00:28:16,643 ‎彼の姉に不誠実だったのは ‎アントニウスでしたが 357 00:28:17,243 --> 00:28:20,643 ‎クレオパトラが ‎悪者呼ばわりされました 358 00:28:20,643 --> 00:28:23,763 ‎彼を‎嵌(は)‎めたと言われたのです 359 00:28:23,763 --> 00:28:28,403 ‎怒りに満ちた人は ‎過ちを犯すものよ 360 00:28:29,443 --> 00:28:33,963 ‎彼の過ちは ‎私たちを見くびってること 361 00:28:35,683 --> 00:28:37,643 ‎彼を潰すべきね 362 00:28:51,843 --> 00:28:53,643 ‎まさに この頃⸺ 363 00:28:55,963 --> 00:28:58,683 ‎オクタヴィアヌスは ‎宣戦布告します 364 00:28:58,683 --> 00:29:02,123 {\an8}ギリシャ 紀元前31年 365 00:29:05,763 --> 00:29:07,283 ‎紀元前31年 366 00:29:07,283 --> 00:29:09,683 ‎クレオパトラと ‎アントニウスは 367 00:29:09,683 --> 00:29:14,043 ‎オクタヴィアヌスとの ‎海上決戦に挑みます 368 00:29:14,043 --> 00:29:16,683 ‎アクティウムの海戦です 369 00:29:19,803 --> 00:29:23,043 {\an8}因縁の宿敵との 直接対決です 370 00:29:30,483 --> 00:29:35,483 ‎彼女は多くの船と ‎何千もの兵を率いて 371 00:29:35,483 --> 00:29:37,883 ‎ギリシャに向かいました 372 00:29:40,843 --> 00:29:45,723 ‎クレオパトラは積極的に ‎軍事に関わりました 373 00:29:46,243 --> 00:29:51,563 ‎戦いの詳細や戦術を ‎把握しておきたかったのです 374 00:29:52,123 --> 00:29:55,083 ‎王宮からではなく 375 00:29:55,083 --> 00:29:57,483 ‎前線で指揮しました 376 00:30:05,683 --> 00:30:11,203 ‎ローマとエジプトの ‎歴史を変えるほどの 377 00:30:11,203 --> 00:30:13,283 ‎対決と言えるでしょう 378 00:30:16,763 --> 00:30:21,123 ‎2人は ‎一緒に作戦を立てました 379 00:30:21,123 --> 00:30:27,043 ‎800隻ある船のうち200隻と ‎ほぼ全財産を投じたからです 380 00:30:27,043 --> 00:30:30,603 ‎アントニウスの部下の中には 381 00:30:30,603 --> 00:30:34,123 ‎女性の指図を ‎嫌う者もいました 382 00:30:34,123 --> 00:30:38,123 ‎あなたに仕えるために ‎来たんじゃない 383 00:30:38,803 --> 00:30:41,243 ‎私なしで戦えるとでも? 384 00:30:41,243 --> 00:30:42,723 ‎よくもそんな... 385 00:30:42,723 --> 00:30:43,683 ‎やめろ 386 00:30:45,123 --> 00:30:46,603 ‎彼女の提案は... 387 00:30:50,563 --> 00:30:52,483 ‎言葉を間違えるな 388 00:30:53,083 --> 00:30:54,723 ‎感謝すべきだろう 389 00:30:55,243 --> 00:30:58,683 ‎無敵艦隊を提供してくれた 390 00:30:58,683 --> 00:31:03,563 ‎全力で突っ込んで ‎オクタヴィアヌスを驚かせる 391 00:31:05,523 --> 00:31:06,123 ‎いいな? 392 00:31:06,123 --> 00:31:07,923 ‎承知しました 393 00:31:16,003 --> 00:31:16,723 ‎ありがとう 394 00:31:18,363 --> 00:31:19,603 ‎助けは無用よ 395 00:31:22,763 --> 00:31:28,523 ‎アントニウスの忠臣たちも ‎彼女に疑念を抱きました 396 00:31:28,523 --> 00:31:33,723 ‎彼女は絶対君主で ‎東方帝国の象徴であるうえ 397 00:31:33,723 --> 00:31:36,043 ‎女性だったからです 398 00:31:36,843 --> 00:31:41,483 ‎アントニウスは ‎強い将軍であるべきです 399 00:31:41,483 --> 00:31:46,163 ‎しかし クレオパトラと ‎同盟を築いた彼は 400 00:31:46,163 --> 00:31:48,563 ‎弱く見えました 401 00:31:48,563 --> 00:31:52,923 ‎ローマの将軍というより ‎東方の王みたいだと 402 00:31:52,923 --> 00:31:55,243 ‎忠臣たちは心配しました 403 00:31:55,243 --> 00:31:59,283 ‎その多くが ‎アントニウスを見捨てて 404 00:31:59,283 --> 00:32:02,683 ‎オクタヴィアヌスに ‎くら替えしました 405 00:32:02,683 --> 00:32:05,803 {\an8}アクティウム 406 00:32:05,803 --> 00:32:06,683 {\an8}アクティウム 先陣を切る艦隊を率いる アントニウスを 407 00:32:06,683 --> 00:32:10,603 {\an8}先陣を切る艦隊を率いる アントニウスを 408 00:32:10,603 --> 00:32:14,923 {\an8}クレオパトラは 後方から支えます 409 00:32:17,523 --> 00:32:19,483 ‎9月2日の朝 410 00:32:19,483 --> 00:32:24,723 ‎アクティウム港を封鎖する ‎オクタヴィアヌスの艦隊に 411 00:32:24,723 --> 00:32:27,923 ‎アントニウスが ‎攻撃を仕掛けました 412 00:32:28,483 --> 00:32:33,003 ‎アントニウスの船は ‎数で敵に負けています 413 00:32:33,523 --> 00:32:36,763 ‎それ以外にも ‎違いがありました 414 00:32:36,763 --> 00:32:41,883 ‎アントニウスの船は大きくて ‎射撃能力も高いのですが 415 00:32:41,883 --> 00:32:47,123 ‎重量があって ‎小回りが利きませんでした 416 00:32:51,683 --> 00:32:58,003 ‎この戦いの間 2人は ‎いくつも誤った決断をします 417 00:32:58,603 --> 00:33:02,643 ‎戦いに精通していたので ‎驚きですが 418 00:33:02,643 --> 00:33:09,283 ‎その結果 展開した艦隊は ‎包囲されてしまったのです 419 00:33:09,923 --> 00:33:13,203 ‎軽量だった ‎オクタヴィアヌスの船は 420 00:33:13,203 --> 00:33:18,283 ‎アントニウスたちを ‎取り囲む形になりました 421 00:33:21,443 --> 00:33:23,963 ‎ローマ人の記録に ‎こうあります 422 00:33:23,963 --> 00:33:28,363 ‎アントニウスの敗北を ‎悟ったクレオパトラは 423 00:33:28,363 --> 00:33:31,923 ‎帰郷する決断をしたそうです 424 00:33:32,963 --> 00:33:34,363 ‎漕いで 425 00:33:34,923 --> 00:33:38,003 ‎もっと速く 全力を出して 426 00:33:38,003 --> 00:33:39,843 ‎漕げ 427 00:33:40,403 --> 00:33:46,283 ‎負け戦を最後まで戦って ‎捕まりたくなかったのです 428 00:33:48,323 --> 00:33:54,443 ‎彼女の大事な使命は ‎国の安全を守ることです 429 00:33:54,443 --> 00:33:58,483 ‎できるだけ多くの船と共に 430 00:33:58,483 --> 00:34:01,763 ‎帰国するしか ‎ありませんでした 431 00:34:02,803 --> 00:34:08,803 ‎海戦で全艦隊を失えば ‎国は無防備になります 432 00:34:14,323 --> 00:34:15,683 ‎彼女は撤退を 433 00:34:16,403 --> 00:34:18,363 ‎完全撤退です 434 00:34:20,883 --> 00:34:21,963 ‎本当か? 435 00:34:22,483 --> 00:34:24,723 ‎ローマ人から見ると 436 00:34:24,723 --> 00:34:30,283 ‎彼女の撤退は ‎明らかな裏切り行為でした 437 00:34:32,043 --> 00:34:33,963 ‎止めなかったのか? 438 00:34:35,443 --> 00:34:36,883 ‎どうなんだ? 439 00:34:39,843 --> 00:34:44,443 ‎実際は 彼女が撤退して ‎彼も助かったはずです 440 00:34:44,443 --> 00:34:48,443 ‎一部でも無傷の艦隊を残せば 441 00:34:48,443 --> 00:34:51,483 ‎次の戦いに備えられます 442 00:34:52,323 --> 00:34:55,963 ‎アントニウスは負けを認めて 443 00:34:55,963 --> 00:35:00,643 ‎クレオパトラの船を ‎追うように逃げました 444 00:35:06,163 --> 00:35:07,323 ‎なぜ逃げた? 445 00:35:07,323 --> 00:35:08,483 ‎私の艦隊を... 446 00:35:08,483 --> 00:35:09,603 ‎私たちのだ 447 00:35:10,643 --> 00:35:13,643 ‎将軍の私に断るべきだった 448 00:35:15,043 --> 00:35:16,523 ‎裸の王様ね 449 00:35:20,243 --> 00:35:22,563 ‎よくもそんなことを! 450 00:35:22,563 --> 00:35:25,963 ‎指揮官は ‎アントニウスだったので 451 00:35:25,963 --> 00:35:28,883 ‎最終決断を下すのは彼でした 452 00:35:28,883 --> 00:35:34,523 ‎でも 状況が悪くなると ‎クレオパトラが責められます 453 00:35:35,323 --> 00:35:37,763 ‎指揮官は私だったはずだ 454 00:35:37,763 --> 00:35:39,483 ‎正しい判断だった 455 00:35:40,283 --> 00:35:42,003 ‎私の意見は? 456 00:35:43,243 --> 00:35:44,443 ‎仕方なかった 457 00:35:45,043 --> 00:35:47,003 ‎勝手な判断は困る 458 00:35:47,003 --> 00:35:50,923 ‎私の兵を守るために ‎すべきことをした 459 00:35:50,923 --> 00:35:55,083 ‎君の兵じゃない ‎私たちの兵だ 460 00:35:58,323 --> 00:36:02,483 ‎一般的なローマ人なら ‎仲間を見捨てません 461 00:36:03,003 --> 00:36:05,803 ‎でも 彼女は違いました 462 00:36:05,803 --> 00:36:08,083 ‎家族を優先したのです 463 00:36:08,083 --> 00:36:10,123 ‎何様だと思ってる? 464 00:36:10,123 --> 00:36:12,483 ‎私はファラオよ 465 00:36:13,243 --> 00:36:15,083 ‎言葉を慎みなさい 466 00:36:19,883 --> 00:36:21,803 ‎近くにいる忠臣が 467 00:36:21,803 --> 00:36:24,843 ‎会話を聞いて ‎私を笑ってるだろう 468 00:36:25,323 --> 00:36:28,603 ‎あなたが いくら怒っても 469 00:36:29,603 --> 00:36:32,443 ‎私は正しい判断をしたと ‎思ってる 470 00:36:33,603 --> 00:36:34,923 ‎私が望むのは⸺ 471 00:36:36,803 --> 00:36:38,003 ‎君の信頼だ 472 00:36:40,643 --> 00:36:45,803 ‎アクティウムの海戦は ‎最悪な結果に終わりました 473 00:36:45,803 --> 00:36:48,763 ‎エジプト国境の外で 474 00:36:48,763 --> 00:36:53,323 ‎宿敵を倒す絶好の機会を ‎逃したのです 475 00:36:53,323 --> 00:36:59,763 ‎黙ってエジプトに戻り ‎領土を守るしかありません 476 00:37:06,083 --> 00:37:09,003 ‎戦いに勝った ‎オクタヴィアヌスは 477 00:37:09,003 --> 00:37:13,523 ‎アントニウスに ‎力を見せつけました 478 00:37:13,523 --> 00:37:15,563 ‎エジプトにもです 479 00:37:15,563 --> 00:37:21,763 ‎彼はカエサルの後継者として ‎指名されていましたが 480 00:37:21,763 --> 00:37:26,163 ‎その地位は ‎揺るぎないものとなりました 481 00:37:29,563 --> 00:37:34,523 ‎敗戦後 クレオパトラは ‎手紙を書きました 482 00:37:36,043 --> 00:37:38,803 ‎オクタヴィアヌス宛てです 483 00:37:38,803 --> 00:37:43,763 ‎“私とアントニウスを ‎生かしてくれるなら” 484 00:37:43,763 --> 00:37:46,283 ‎“追放されても構わない” 485 00:37:46,283 --> 00:37:48,083 ‎“エジプトも渡す” 486 00:37:48,083 --> 00:37:51,603 ‎アントニウスにも ‎見られないように 487 00:37:55,603 --> 00:38:00,883 ‎カエサルやアントニウスへの ‎大胆な提案とは違い 488 00:38:00,883 --> 00:38:02,083 ‎現実的でした 489 00:38:02,083 --> 00:38:04,923 ‎流罪は確信していましたが 490 00:38:04,923 --> 00:38:10,923 ‎できれば子供にエジプトを ‎継がせたかったのです 491 00:38:10,923 --> 00:38:15,963 ‎アントニウスのために ‎命乞いもしました 492 00:38:19,683 --> 00:38:23,883 ‎彼女は生き延びるために ‎必死でした 493 00:38:26,763 --> 00:38:32,483 ‎彼女とエジプトの命運は ‎敵の手中にあったのです 494 00:38:41,763 --> 00:38:46,243 ‎オクタヴィアヌス様は ‎手紙を拝読しました 495 00:38:47,083 --> 00:38:52,003 ‎彼の考えを ‎私が代理でお伝えします 496 00:38:53,123 --> 00:38:54,923 ‎要求を受け入れます 497 00:38:58,003 --> 00:38:59,283 ‎1つ条件が 498 00:39:01,283 --> 00:39:03,083 ‎簡単なことです 499 00:39:06,923 --> 00:39:10,483 ‎アントニウスを殺せば ‎あなたは自由です 500 00:39:11,403 --> 00:39:13,163 ‎もちろん子供も 501 00:40:23,363 --> 00:40:25,363 ‎日本語字幕‎ ‎和泉 珠里