1 00:00:24,709 --> 00:00:29,626 毒 2 00:00:37,501 --> 00:00:39,209 僕は深夜に帰宅 3 00:00:40,168 --> 00:00:43,043 家が近づくとライトを消した 4 00:00:43,126 --> 00:00:46,168 ハリー・ポープが寝てるから 5 00:00:46,251 --> 00:00:48,626 でも寝室には明かりが 6 00:00:48,709 --> 00:00:50,459 ポーチへ進む 7 00:00:50,543 --> 00:00:55,959 踏み外さぬよう数えながら 上った 1 2 3 4… 8 00:01:00,876 --> 00:01:03,751 ドアを開けて のぞくと⸺ 9 00:01:03,834 --> 00:01:07,043 彼は横になり 身動きしない 10 00:01:07,126 --> 00:01:09,334 ただ 小さな声がした 11 00:01:09,418 --> 00:01:10,293 助けて 12 00:01:10,376 --> 00:01:11,209 “助けて”? 13 00:01:14,168 --> 00:01:16,418 僕が近づこうとすると… 14 00:01:16,501 --> 00:01:17,334 来るな 15 00:01:17,418 --> 00:01:22,168 かすかな声を必死で 絞り出すように言った 16 00:01:22,251 --> 00:01:22,876 助けて 17 00:01:24,084 --> 00:01:25,501 どうした? 18 00:01:25,584 --> 00:01:27,584 靴を脱いでくれ 19 00:01:28,459 --> 00:01:30,334 “靴を脱げ”? 20 00:01:30,418 --> 00:01:33,376 空軍の飛行士 G・バーリングは⸺ 21 00:01:33,459 --> 00:01:37,918 腹を撃たれて 日本人飛行士のことを言った 22 00:01:38,001 --> 00:01:41,001 ハリーのような かすれ声で 23 00:01:41,084 --> 00:01:44,251 そして もちろん 倒れて死んだ 24 00:01:45,043 --> 00:01:46,043 靴を脱げ 25 00:01:46,751 --> 00:01:47,834 “靴を脱げ”… 26 00:01:49,918 --> 00:01:52,501 いぶかりながら従う 27 00:01:59,793 --> 00:02:01,043 触るな 28 00:02:03,459 --> 00:02:06,834 彼は体の4分の3に シーツを 29 00:02:06,918 --> 00:02:09,209 パジャマ姿で大汗だ 30 00:02:09,293 --> 00:02:13,834 確かに暑かったが 顔は濡れ 枕も湿ってる 31 00:02:13,918 --> 00:02:15,376 マラリアかも 32 00:02:15,459 --> 00:02:16,168 どうした? 33 00:02:17,126 --> 00:02:19,168 アマガサヘビだ 34 00:02:20,376 --> 00:02:22,126 いつ咬(か)まれた? 35 00:02:22,209 --> 00:02:23,043 違う 36 00:02:27,584 --> 00:02:28,793 まだだ 37 00:02:30,834 --> 00:02:33,084 どういうことなのか 38 00:02:34,959 --> 00:02:37,793 俺の腹の上で寝てる 39 00:02:40,376 --> 00:02:42,376 思わず飛びのいた 40 00:02:42,459 --> 00:02:48,168 腹を覆うシーツをよく見たが その下は分からない 41 00:02:48,251 --> 00:02:51,376 腹の上に毒ヘビが 乗ってると? 42 00:02:51,459 --> 00:02:52,293 そうだ 43 00:02:59,834 --> 00:03:01,376 なぜヘビが? 44 00:03:01,459 --> 00:03:05,168 本当は 喋るなと 言うべきだった 45 00:03:06,168 --> 00:03:12,501 仰向けで本を読んでたら 胸のあたりに何か感じた 46 00:03:12,584 --> 00:03:13,709 モゾモゾと 47 00:03:15,834 --> 00:03:21,293 パジャマの上を這うヘビが 目の端に見えた 48 00:03:22,126 --> 00:03:24,501 25センチほどのだ 49 00:03:25,793 --> 00:03:30,084 動いちゃダメだと思い 固まって見てた 50 00:03:30,168 --> 00:03:33,709 シーツの上へ移動するかと 51 00:03:33,793 --> 00:03:35,293 彼は黙った 52 00:03:35,376 --> 00:03:39,084 寝てるヘビを 起こしてないかと 53 00:03:40,501 --> 00:03:42,001 シーツの下へ⸺ 54 00:03:43,501 --> 00:03:47,543 潜るのを パジャマ越しに感じた 55 00:03:48,668 --> 00:03:52,876 それから動きが止まって そこに寝てる 56 00:03:56,751 --> 00:03:58,126 君を待ってた 57 00:03:58,834 --> 00:04:00,168 どのくらい? 58 00:04:01,293 --> 00:04:04,126 何時間も クソ何時間も 59 00:04:04,209 --> 00:04:07,001 もう限界だ セキがしたい 60 00:04:10,418 --> 00:04:13,918 実は アマガサヘビには 多い行動だ 61 00:04:14,001 --> 00:04:17,584 人家の周りに棲(す)み 暖を好む 62 00:04:17,668 --> 00:04:20,751 まだ咬まれてない方が驚きだ 63 00:04:20,834 --> 00:04:26,168 もし咬まれたら すぐに 血清を打たないと死に至る 64 00:04:27,001 --> 00:04:29,084 小さな こんなヘビ 65 00:04:31,376 --> 00:04:37,126 子供部屋のドアの割れ目から 忍び入ることもある 66 00:04:38,709 --> 00:04:42,918 農園主は 脚を咬まれた ヒツジの死骸を⸺ 67 00:04:43,001 --> 00:04:47,293 切り開くと ドス黒い血が流れ出たと 68 00:04:51,459 --> 00:04:54,751 “よし” 僕も ひそひそ声になる 69 00:04:54,834 --> 00:04:57,168 “動くなよ もう喋るな” 70 00:04:57,251 --> 00:04:59,876 “脅かさなきゃ咬まれない” 71 00:05:02,543 --> 00:05:06,751 僕は寝室を出て キッチンのナイフを取り⸺ 72 00:05:06,834 --> 00:05:11,043 彼が咬まれた時のために 備えた 73 00:05:11,126 --> 00:05:13,501 切開して毒を吸う 74 00:05:14,501 --> 00:05:17,126 “ハリー これが一番いい” 75 00:05:17,209 --> 00:05:20,293 “シーツをめくって 見てみるのが” 76 00:05:20,918 --> 00:05:22,918 君はバカか 77 00:05:24,376 --> 00:05:28,251 その声は静かすぎて 感情がない 78 00:05:28,334 --> 00:05:31,668 感情は目と口元に表れてた 79 00:05:32,293 --> 00:05:36,126 ヘビが光に驚いて咬みつく 80 00:05:38,126 --> 00:05:39,168 なるほど 81 00:05:39,751 --> 00:05:41,918 めくった瞬間 払いのけ… 82 00:05:42,001 --> 00:05:44,209 いいから医者を呼べ 83 00:05:45,918 --> 00:05:48,876 “君が気づけ”と 目が語ってた 84 00:05:48,959 --> 00:05:51,668 医者だ ガンデルバイを 85 00:05:51,751 --> 00:05:56,668 僕は先生の電話番号を調べ 交換台を急がせた 86 00:06:01,626 --> 00:06:03,043 ウッズです 87 00:06:03,126 --> 00:06:05,001 まだ起きてるのか 88 00:06:05,084 --> 00:06:07,209 毒ヘビの血清を 89 00:06:07,293 --> 00:06:08,918 誰が咬まれた? 90 00:06:09,001 --> 00:06:11,543 まるで耳の中の小爆発だ 91 00:06:11,626 --> 00:06:15,709 まだです ヘビは ハリーの腹の上で寝てる 92 00:06:15,793 --> 00:06:18,459 3秒間ほどの沈黙 93 00:06:19,834 --> 00:06:23,543 今度は爆発でなく ゆっくりと… 94 00:06:23,626 --> 00:06:26,501 動かず喋らずに いいね? 95 00:06:26,584 --> 00:06:27,293 はい 96 00:06:27,376 --> 00:06:28,501 すぐ行く 97 00:06:28,584 --> 00:06:30,751 僕は寝室へ戻った 98 00:06:33,043 --> 00:06:34,751 彼の目が追う 99 00:06:34,834 --> 00:06:36,709 先生が動くなと 100 00:06:37,293 --> 00:06:39,084 動いてるとでも? 101 00:06:39,168 --> 00:06:40,668 喋るなとも 102 00:06:40,751 --> 00:06:41,876 なら黙れ 103 00:06:42,876 --> 00:06:48,043 彼が微笑む時に使う筋肉が かすかに痙攣(けいれん)し⸺ 104 00:06:48,126 --> 00:06:50,793 話し終わっても続いた 105 00:06:50,876 --> 00:06:53,709 イヤな感じだ 話し方も 106 00:06:54,626 --> 00:06:56,709 先生の車が着いた 107 00:06:58,709 --> 00:06:59,876 出迎える 108 00:07:03,126 --> 00:07:04,293 どこだ? 109 00:07:04,376 --> 00:07:09,334 先生は僕の前を素通りし 椅子にカバンを置き⸺ 110 00:07:09,418 --> 00:07:14,334 底の柔らかいスリッパで 猫のように そっと歩いた 111 00:07:14,418 --> 00:07:16,418 ハリーも見てる 112 00:07:16,501 --> 00:07:21,376 先生は彼を見て 励ますように うなずいた 113 00:07:21,459 --> 00:07:24,626 心配ない 私に任せなさい 114 00:07:24,709 --> 00:07:26,918 先生とキッチンへ 115 00:07:28,668 --> 00:07:29,668 準備だ 116 00:07:29,751 --> 00:07:33,709 まず血清だが 手際よく打たねば 117 00:07:33,793 --> 00:07:36,043 先生は注射器を持ち⸺ 118 00:07:36,126 --> 00:07:39,834 針で液体を吸うと 僕に渡した 119 00:07:39,918 --> 00:07:41,418 指示するので 120 00:07:41,501 --> 00:07:42,793 僕らは寝室へ 121 00:07:47,834 --> 00:07:49,959 ハリーの目が光る 122 00:07:50,043 --> 00:07:54,376 先生はパジャマの袖(そで)を 慎重に まくり上げ⸺ 123 00:07:54,459 --> 00:07:56,751 ベッドから離れて言った 124 00:07:56,834 --> 00:07:59,959 注射をするが動かないでくれ 125 00:08:00,043 --> 00:08:02,709 お腹に力を入れないで 126 00:08:02,793 --> 00:08:06,251 ハリーの“微笑筋”が また痙攣した 127 00:08:07,251 --> 00:08:10,834 先生はチューブで 二の腕を絞め⸺ 128 00:08:10,918 --> 00:08:13,501 前腕の一部を消毒した 129 00:08:13,584 --> 00:08:17,834 注射器をかざし 目盛りを読み 液を出す 130 00:08:17,918 --> 00:08:19,793 ハリーは玉の汗で⸺ 131 00:08:19,876 --> 00:08:23,376 顔用クリームが 溶け落ちるよう 132 00:08:23,459 --> 00:08:27,001 前腕の静脈は すでに膨らんでる 133 00:08:27,084 --> 00:08:30,376 先生は注射針を 腕と並行にして⸺ 134 00:08:30,459 --> 00:08:32,793 静脈に斜めに刺した 135 00:08:32,876 --> 00:08:35,709 ゆっくりと確実にスッと 136 00:08:35,793 --> 00:08:38,751 ハリーは目を閉じ また開けた 137 00:08:38,834 --> 00:08:41,126 先生は彼の耳元で… 138 00:08:41,209 --> 00:08:45,334 もう咬まれても大丈夫 でも動かないで 139 00:08:46,043 --> 00:08:47,376 もう安心? 140 00:08:47,459 --> 00:08:49,084 そうではない 141 00:08:49,168 --> 00:08:51,959 先生は額を拭き 唇を噛んだ 142 00:08:52,043 --> 00:08:55,001 方法はある 方法はある… 143 00:08:55,084 --> 00:08:58,001 彼は話しながら考えた 144 00:08:59,751 --> 00:09:03,834 麻酔薬を施すのがいいだろう 145 00:09:03,918 --> 00:09:06,543 ヘビが寝てる場所へ 146 00:09:08,418 --> 00:09:09,876 名案だ 147 00:09:09,959 --> 00:09:14,668 だがヘビは冷血動物で 麻酔が効きにくい 148 00:09:14,751 --> 00:09:17,543 エーテルかクロロフォルム 149 00:09:17,626 --> 00:09:18,668 同意 150 00:09:18,751 --> 00:09:20,084 どっちだ? 151 00:09:20,168 --> 00:09:21,126 僕に聞く? 152 00:09:21,209 --> 00:09:22,043 クロロフォルム 153 00:09:22,626 --> 00:09:24,709 先生は僕を玄関へ 154 00:09:26,001 --> 00:09:28,834 私の家へ行け 息子が分かる 155 00:09:28,918 --> 00:09:30,834 劇物の棚のカギだ 156 00:09:30,918 --> 00:09:36,084 クロロフォルムを頼む 私は万一のために残る 157 00:09:36,168 --> 00:09:37,376 急げ 158 00:09:37,459 --> 00:09:38,043 靴を 159 00:09:38,126 --> 00:09:39,084 要らない 160 00:09:41,793 --> 00:09:44,709 車を飛ばし 15分で戻った 161 00:09:47,793 --> 00:09:51,459 彼は神経がやられそうだ 162 00:09:51,543 --> 00:09:53,626 どのくらいもつか 163 00:09:57,334 --> 00:10:00,209 ハリーは同じ格好でいた 164 00:10:00,293 --> 00:10:03,584 汗だくの顔で 僕に目を向ける 165 00:10:03,668 --> 00:10:05,376 僕は微笑んだ 166 00:10:05,459 --> 00:10:10,501 先生は さっきのチューブに 紙の漏斗(ろうと)を差し込んだ 167 00:10:10,584 --> 00:10:15,084 マットからシーツを外し チューブを差し入れ⸺ 168 00:10:15,168 --> 00:10:17,584 ハリーの体へと滑らせる 169 00:10:17,668 --> 00:10:20,084 何てゆっくりなんだ 170 00:10:20,168 --> 00:10:23,251 20分 40分 チューブは動かない 171 00:10:23,334 --> 00:10:25,834 だが徐々に短くなった 172 00:10:25,918 --> 00:10:30,418 今や先生も汗だくで 額と鼻の下に玉の汗 173 00:10:30,501 --> 00:10:34,834 しかし 手元は確かで シーツを凝視してる 174 00:10:34,918 --> 00:10:36,918 麻酔薬を要求され⸺ 175 00:10:37,001 --> 00:10:42,543 僕はフタを外し しっかりと 手渡してから手を放した 176 00:10:43,209 --> 00:10:48,918 ポープさん マットが濡れて 体の下が冷たくなるが… 177 00:10:49,001 --> 00:10:50,168 さっさとやれ! 178 00:10:50,834 --> 00:10:52,543 初めての大声だ 179 00:10:52,626 --> 00:10:55,751 先生は彼を見て 仕事に戻った 180 00:10:55,834 --> 00:10:59,084 麻酔薬を注ぎ 流れるのを待つ 181 00:10:59,168 --> 00:11:01,043 また注ぎ また待つ 182 00:11:09,084 --> 00:11:12,209 クロロフォルムの 濃い臭気が⸺ 183 00:11:12,293 --> 00:11:17,251 看護師と軍医と白い長机の 不快な記憶を呼ぶ 184 00:11:17,334 --> 00:11:18,918 先生は続けた 185 00:11:19,001 --> 00:11:23,043 漏斗の上で 気化した蒸気が渦巻く 186 00:11:23,626 --> 00:11:26,709 先生は手を止め 最後に注ぐと⸺ 187 00:11:26,793 --> 00:11:29,126 チューブを抜いた 188 00:11:29,209 --> 00:11:34,126 相当な緊張が伴ったはずだ 先生の声は… 189 00:11:34,209 --> 00:11:36,334 念のため15分 待とう 190 00:11:36,418 --> 00:11:37,834 彼に伝える 191 00:11:37,918 --> 00:11:38,834 念の… 192 00:11:38,918 --> 00:11:39,834 聞こえた! 193 00:11:39,918 --> 00:11:43,209 先生は振り返り 激高した 194 00:11:43,293 --> 00:11:46,668 にらまれたハリーは また痙攣する 195 00:11:46,751 --> 00:11:48,376 15分が経った 196 00:11:48,459 --> 00:11:53,084 先生は彼を 食い入るように見つめてた 197 00:11:53,168 --> 00:11:57,418 動かすものかと 全神経を集中させて 198 00:11:57,501 --> 00:12:02,668 目も離さず 声も発しないが こう叫んでるかに見えた 199 00:12:02,751 --> 00:12:06,918 動くな 喋るな 最後で台なしにするな! 200 00:12:08,043 --> 00:12:12,293 彼は口元を引きつらせ 汗をかき 目を開閉し⸺ 201 00:12:12,376 --> 00:12:16,084 僕 シーツ 天井と見た 先生以外を 202 00:12:16,168 --> 00:12:18,293 先生は彼を見すえた 203 00:12:19,918 --> 00:12:24,668 風船が破裂する緊張感だが 目が離せない 204 00:12:24,751 --> 00:12:28,293 先生がうなずいた 次へ進むのだ 205 00:12:28,376 --> 00:12:29,459 向こうへ 206 00:12:29,543 --> 00:12:32,334 シーツを同時にめくろう 207 00:12:32,418 --> 00:12:34,543 君は動かないで 208 00:12:45,793 --> 00:12:48,084 ハリーの胸が現れる 209 00:12:48,168 --> 00:12:51,626 パジャマの ズボンの紐(ひも)は蝶結び 210 00:12:51,709 --> 00:12:54,418 下には真珠貝のボタン 211 00:12:54,501 --> 00:12:58,543 僕のパジャマには あり得ない代物だが⸺ 212 00:12:58,626 --> 00:13:02,043 このドキドキの瞬間に 思うなんて 213 00:13:02,126 --> 00:13:03,918 結局 何もない 214 00:13:06,584 --> 00:13:07,751 じっとして 215 00:13:07,834 --> 00:13:10,793 先生は体の脇や 脚の下を見る 216 00:13:10,876 --> 00:13:13,668 用心を まだ潜んでるかも 217 00:13:13,751 --> 00:13:14,584 ハリーは… 218 00:13:16,793 --> 00:13:18,168 初めて動いた 219 00:13:19,626 --> 00:13:22,459 突然 飛び起き 両脚を振り回す 220 00:13:22,543 --> 00:13:25,793 先生は咬まれたかと メスを用意 221 00:13:25,876 --> 00:13:29,543 だがハリーは マットを見て叫んだ 222 00:13:29,626 --> 00:13:30,459 いない! 223 00:13:30,543 --> 00:13:33,126 先生が彼を見上げる 224 00:13:33,209 --> 00:13:37,459 咬まれてはおらず 咬まれそうにもない 225 00:13:37,543 --> 00:13:39,168 問題なしだ 226 00:13:39,251 --> 00:13:40,126 一応は… 227 00:13:41,168 --> 00:13:42,876 夢でも見たか 228 00:13:51,959 --> 00:13:55,668 本気で からかったんじゃない 229 00:13:55,751 --> 00:13:57,834 気が抜けたせいだ 230 00:13:57,918 --> 00:14:03,501 でもハリーは彼をにらんだ 頬全体に赤みが広がる 231 00:14:03,584 --> 00:14:05,834 俺がウソつきだと? 232 00:14:08,626 --> 00:14:11,043 先生は彼を見つめた 233 00:14:11,126 --> 00:14:14,334 彼は前へ出る 目がぎらつく 234 00:14:15,501 --> 00:14:18,001 ベンガルのドブネズミ 235 00:14:18,084 --> 00:14:19,001 やめろ 236 00:14:19,084 --> 00:14:20,668 薄汚い… 237 00:14:20,751 --> 00:14:21,334 黙れ 238 00:14:22,126 --> 00:14:23,209 やめないか! 239 00:14:27,251 --> 00:14:30,001 僕は出ていく先生を追った 240 00:14:30,084 --> 00:14:32,209 ハリーはイカれてる 241 00:14:32,293 --> 00:14:35,834 暗い小道を横切り 先生の車へ “ジュート” 242 00:14:35,918 --> 00:14:37,376 先生は乗った 243 00:14:37,459 --> 00:14:40,251 すごいよ 彼の命を救った 244 00:14:40,334 --> 00:14:41,293 どうかな 245 00:14:41,376 --> 00:14:45,793 だって もしかしたら… やっぱり命の恩人だ 246 00:14:45,876 --> 00:14:47,168 違う 247 00:14:49,751 --> 00:14:50,668 謝る 248 00:14:52,126 --> 00:14:53,126 結構だ 249 00:15:00,418 --> 00:15:03,168 ガンデルバイは走り去った 250 00:15:16,043 --> 00:15:19,459 ダールは「毒」を 1950年1月に執筆 251 00:15:19,543 --> 00:15:21,376 “ウッズ”の名は⸺ 252 00:15:21,459 --> 00:15:26,626 ギリシャの戦いで戦死した 英空軍の飛行士に由来 253 00:16:30,626 --> 00:16:32,626 日本語字幕 石田 泰子