1 00:00:01,126 --> 00:00:05,922 ナショナルジオグラフィック協会と ロレックスが共同提供 2 00:00:29,612 --> 00:00:31,698 アマゾンの奥深く 3 00:00:32,407 --> 00:00:38,371 ある場所では イルカが木々の間を通り抜けます 4 00:00:38,455 --> 00:00:41,833 こんなに素晴らしい動物が 5 00:00:41,916 --> 00:00:45,253 ジャングルにいることに驚くよ 6 00:00:46,296 --> 00:00:51,676 雲の中にクマが生息する場所 7 00:00:51,760 --> 00:00:56,681 メガネグマは雲霧林の エンジニアみたいなものです 8 00:00:57,682 --> 00:01:01,644 カメの守護神たちがいる場所 9 00:01:01,728 --> 00:01:05,523 〈心を強く捉えて離さない〉 10 00:01:05,607 --> 00:01:07,317 〈そんな場所だ〉 11 00:01:07,400 --> 00:01:08,943 そして樹木は 12 00:01:09,027 --> 00:01:13,239 毎日200億トンもの水を吸収し 13 00:01:13,615 --> 00:01:16,117 空に川を生み出しています 14 00:01:20,288 --> 00:01:23,500 その水がすべてをつないでいます 15 00:01:23,583 --> 00:01:26,961 世界最大の川の話だが 16 00:01:27,045 --> 00:01:28,797 川の水だけでなく 17 00:01:28,880 --> 00:01:31,716 氷河や大気や雲の水の話だ 18 00:01:32,467 --> 00:01:35,970 しかしアマゾンは刻々と変化し 19 00:01:36,596 --> 00:01:38,848 未知のことばかりです 20 00:01:38,932 --> 00:01:41,017 様々な脅威があるが 21 00:01:41,101 --> 00:01:44,687 状況を変えようとする人々がいる 22 00:01:47,023 --> 00:01:50,026 前例のない2年間の探検 23 00:01:50,110 --> 00:01:54,614 ナショナルジオグラフィックは 熱心な科学者たちを集め 24 00:01:54,697 --> 00:01:56,449 水路をたどりながら 25 00:01:56,533 --> 00:02:00,370 壮大な生態系を調査します 26 00:02:01,746 --> 00:02:07,585 アンデス山脈の頂上から 6400キロにわたり大西洋まで 27 00:02:08,753 --> 00:02:09,754 その先へも 28 00:02:09,838 --> 00:02:12,340 科学で将来を見通せる 29 00:02:12,423 --> 00:02:16,261 次世代まで存続させるために 30 00:02:17,512 --> 00:02:18,972 行動が大事だ 31 00:02:27,897 --> 00:02:31,067 エクスペディション・アマゾン 32 00:02:32,360 --> 00:02:38,408 ナレーション アリシー・ブラガ 33 00:02:38,491 --> 00:02:40,326 アマゾンと聞いて 34 00:02:42,662 --> 00:02:46,708 標高6000メートルの山頂は 思い浮かばないでしょう 35 00:02:48,543 --> 00:02:52,130 しかしここが すべての始まりです 36 00:02:52,213 --> 00:02:54,924 アマゾン盆地にいる 37 00:02:59,095 --> 00:03:00,179 ネバド・アウサンガテ山 38 00:03:00,180 --> 00:03:04,601 我々がいるのは アンデス山脈の東側だよ 39 00:03:08,938 --> 00:03:11,399 ここは大事な給水塔だ 40 00:03:11,733 --> 00:03:15,069 今 目の前にある雪と氷が 41 00:03:15,153 --> 00:03:17,864 最終的にはアマゾン川へ流れる 42 00:03:18,865 --> 00:03:23,995 しかし氷河は減少しつつあり その速度は不明です 43 00:03:27,040 --> 00:03:32,212 探検家のベイカー・ペリーが それを突き止めます 44 00:03:32,921 --> 00:03:34,755 探検隊を率いて頂上付近に 45 00:03:34,756 --> 00:03:36,506 気候科学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 ベイカー・ペリー 46 00:03:36,507 --> 00:03:38,301 観測所を設置する 47 00:03:38,384 --> 00:03:41,387 昔アンデスに住んでいた彼には 48 00:03:41,471 --> 00:03:43,848 里帰りでもあります 49 00:03:45,058 --> 00:03:46,517 この数十年でも 50 00:03:47,060 --> 00:03:53,149 森林破壊が進み アマゾンは激しく変化し続けてきた 51 00:03:53,233 --> 00:03:58,696 今 我々が理解したいのは 氷河の反応だ 52 00:04:01,157 --> 00:04:05,787 気候科学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 トム・マシューズ 山脈の頂上の気候は ほとんど分かっていない 53 00:04:08,414 --> 00:04:12,627 ベイカー トム 地元ガイドと 専門家チームは 54 00:04:12,710 --> 00:04:16,839 アマゾン盆地の 最高峰の1つに向かいました 55 00:04:16,923 --> 00:04:20,969 氷河が蓄えた水は下流域で使われる 56 00:04:21,052 --> 00:04:22,553 だが温暖化で 57 00:04:22,637 --> 00:04:26,182 この水源が危機に瀕ひんしている 58 00:04:26,266 --> 00:04:31,271 その水はアマゾン川流域の 水の循環に関わっています 59 00:04:33,481 --> 00:04:37,026 アンデス山脈に降る雪は 60 00:04:37,110 --> 00:04:40,863 アマゾン川流域の大木から 蒸発した水分だ 61 00:04:43,866 --> 00:04:49,831 木に吸い上げられた水は 大気中に放出されます 62 00:04:51,082 --> 00:04:54,711 その水分が凝縮されて雲ができる 63 00:04:55,586 --> 00:05:01,259 その雲が風に乗って アンデス山脈に運ばれる 64 00:05:03,011 --> 00:05:06,014 そこで雪になって降る 65 00:05:07,181 --> 00:05:11,686 生態系の一部が変わると 全体に影響が出ます 66 00:05:13,021 --> 00:05:15,398 熱帯雨林が伐採されれば 67 00:05:15,481 --> 00:05:18,735 ここの降雪量が減るんだ 68 00:05:18,818 --> 00:05:21,696 観測所からの手がかりで 69 00:05:21,779 --> 00:05:24,866 氷河の減少量が分かるでしょう 70 00:05:25,783 --> 00:05:26,784 でもまずは… 71 00:05:27,952 --> 00:05:29,495 たどり着いてからです 72 00:05:29,704 --> 00:05:33,041 アウサンガテは厄介な山だ 73 00:05:33,124 --> 00:05:38,212 機材運びが大変で 今まで観測所がなかった 74 00:05:38,880 --> 00:05:39,380 よし 75 00:05:39,464 --> 00:05:40,715 お疲れ 76 00:05:41,424 --> 00:05:45,219 肉体的には相当キツい挑戦だ 77 00:05:46,429 --> 00:05:49,140 酸欠が登山で一番つらい 78 00:05:58,149 --> 00:06:00,401 今は午前2時半 79 00:06:00,485 --> 00:06:03,321 3時間半後の日の出が楽しみだ 80 00:06:10,828 --> 00:06:14,415 ここから少し登った後 81 00:06:14,499 --> 00:06:17,335 あそこのルートを登る 82 00:06:20,838 --> 00:06:22,882 観測所ができれば 83 00:06:22,965 --> 00:06:26,469 アウサンガテ山頂のデータが 84 00:06:26,552 --> 00:06:29,555 大勢の人々の役に立ちます 85 00:06:30,973 --> 00:06:32,682 ここ10年で毎年 水が減っています 86 00:06:32,683 --> 00:06:36,250 生物学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 ルースメリー・ ピルコ・ワルカイヤ 87 00:06:36,251 --> 00:06:37,522 どんどん 減ってるんです 88 00:06:37,605 --> 00:06:43,778 ケチュア族の生物学者である 彼女にとって身近な問題です 89 00:06:45,905 --> 00:06:47,865 アンデス山脈では 90 00:06:49,867 --> 00:06:52,995 氷河が住民を守ってきました 91 00:06:53,830 --> 00:06:57,125 氷河は文化の中心なんです 92 00:06:58,167 --> 00:07:02,755 彼女は子供の頃 祖母からクマの伝説を聞きました 93 00:07:02,839 --> 00:07:08,719 ウククと呼ばれる クマと人間の半獣神が 94 00:07:08,803 --> 00:07:12,181 アウサンガテの氷を村に運ぶ 95 00:07:12,265 --> 00:07:15,852 村が水に恵まれる兆候です 96 00:07:15,935 --> 00:07:21,774 ウククの物語は村の祭りで 何世紀も演じられてきました 97 00:07:21,858 --> 00:07:25,445 祖母にとって氷は身近な物でしたが 98 00:07:26,863 --> 00:07:32,034 今は気候変動のせいで 雪が減りました 99 00:07:32,118 --> 00:07:35,121 もう氷を運べないんです 100 00:07:37,748 --> 00:07:40,460 ウククは現実にもいます 101 00:07:40,543 --> 00:07:43,546 ケチュア語ではメガネグマ 102 00:07:44,630 --> 00:07:48,676 彼女にとっては 実在のクマも神秘的です 103 00:07:49,469 --> 00:07:53,764 メガネグマの謎めいた生態を 解明しようとしています 104 00:07:54,474 --> 00:07:57,101 謎だらけのメガネグマは—... 105 00:08:00,813 --> 00:08:06,694 アウサンガテ山麓さんろくの 雲海林に不可欠な動物です 106 00:08:06,777 --> 00:08:12,074 ペルー ワイケチャ 雲霧林生物学研究所 107 00:08:23,377 --> 00:08:27,006 氷河はアマゾン盆地の給水塔 108 00:08:28,841 --> 00:08:32,887 一方でアンデスの雲霧林は 雨製造機です 109 00:08:33,846 --> 00:08:39,810 スポンジのように水を吸収し 下流に放出します 110 00:08:45,816 --> 00:08:48,277 木登りが好きでした 111 00:08:49,278 --> 00:08:51,906 木の上では視点が変わり 112 00:08:51,989 --> 00:08:54,158 別世界なんです 113 00:08:55,409 --> 00:09:01,332 森林もクマも 生き延びるには互いが必要です 114 00:09:02,416 --> 00:09:07,255 クマは植物を大量に食べ あちこちに種をまき散らします 115 00:09:07,338 --> 00:09:09,549 木登り上手で 116 00:09:09,632 --> 00:09:13,052 一日のほとんどを 木の上で過ごします 117 00:09:13,135 --> 00:09:15,555 カメラで動きを追えば 118 00:09:15,638 --> 00:09:19,267 クマが森に与える影響を探れます 119 00:09:20,393 --> 00:09:21,561 〈これでよし〉 120 00:09:22,770 --> 00:09:25,022 〈何が撮れるか楽しみ〉 121 00:09:26,566 --> 00:09:31,404 クマの観察は この地形では特に難しいんです 122 00:09:32,655 --> 00:09:36,158 情報を求めて 歩き回ります 123 00:09:44,500 --> 00:09:49,463 75台のカメラを 確認する日が来ました 124 00:09:50,798 --> 00:09:53,217 カメラは一年中 設置してますが 125 00:09:53,301 --> 00:09:55,928 2ヵ月ごとに確認します 126 00:09:56,429 --> 00:09:57,763 〈映ってない〉 127 00:10:00,933 --> 00:10:05,563 クマが注目を避ける中 堂々と映る者もいます 128 00:10:06,647 --> 00:10:08,024 〈子ギツネ?〉 129 00:10:14,071 --> 00:10:15,072 〈なんだ?〉 130 00:10:15,156 --> 00:10:16,657 〈ピューマね〉 131 00:10:16,741 --> 00:10:18,242 〈デカいな〉 132 00:10:23,914 --> 00:10:25,499 クマを追うため 133 00:10:27,918 --> 00:10:30,338 追跡犬がお供します 134 00:10:30,421 --> 00:10:31,714 〈ウクク!〉 135 00:10:39,347 --> 00:10:41,390 そうそう 捜して 136 00:10:45,019 --> 00:10:50,316 クマは移動しながら 多くの種をまいてるんです 137 00:10:50,399 --> 00:10:53,402 種を食べてフンをします 138 00:10:56,197 --> 00:11:00,284 フンの中の種が フンを肥やしに育つんです 139 00:11:03,037 --> 00:11:05,289 〈スノキ属の木です〉 140 00:11:05,373 --> 00:11:08,250 〈野生のブルーベリーで〉 141 00:11:08,334 --> 00:11:11,003 〈クマの好物です〉 142 00:11:11,087 --> 00:11:13,339 〈さっき見つけたフンにも〉 143 00:11:13,422 --> 00:11:15,132 〈含まれてました〉 144 00:11:15,216 --> 00:11:18,052 〈カメラは10メートル先〉 145 00:11:18,135 --> 00:11:20,513 〈映ってるといいけど〉 146 00:11:36,779 --> 00:11:38,114 〈クマだ!〉 147 00:11:39,281 --> 00:11:40,741 〈クマが映ってる〉 148 00:11:42,326 --> 00:11:43,661 〈小さい子ね〉 149 00:11:54,505 --> 00:11:57,800 〈クマが見られて みんなうれしい〉 150 00:12:00,219 --> 00:12:03,055 カメラで姿を捉えましたが 151 00:12:03,931 --> 00:12:07,852 生態を知るには もっと近づく必要があります 152 00:12:08,853 --> 00:12:10,020 ノルマ 153 00:12:10,688 --> 00:12:16,527 初めてクマを見た時の 気持ちは言い表せません 154 00:12:17,403 --> 00:12:20,197 まるで兄というか 155 00:12:20,281 --> 00:12:22,491 家族みたいで… 156 00:12:22,575 --> 00:12:24,493 美しい生き物です 157 00:12:24,577 --> 00:12:27,830 GPSで動きを追います 158 00:12:29,290 --> 00:12:30,708 史上初めて 159 00:12:31,709 --> 00:12:35,379 ナショナルジオグラフィックの クリッターカムが 160 00:12:35,463 --> 00:12:37,548 クマのスンチュと散策します 161 00:12:39,675 --> 00:12:43,804 クマの視点から 移動の様子が見られます 162 00:12:46,891 --> 00:12:49,685 一緒に旅して 多くを学びます 163 00:12:52,396 --> 00:12:58,527 スンチュと今までに識別された 40頭以上のクマの行動範囲は 164 00:12:58,611 --> 00:13:02,782 広さも高さも 予想をはるかに超えていました 165 00:13:02,865 --> 00:13:05,201 いくつか固まりがあります 166 00:13:05,284 --> 00:13:09,330 この場所で長く過ごしてるんです 167 00:13:10,623 --> 00:13:13,167 驚くべき発見です 168 00:13:13,834 --> 00:13:18,130 温暖化に伴い クマは標高の高い所へ移動 169 00:13:18,214 --> 00:13:19,924 種も運ばれて 170 00:13:20,007 --> 00:13:23,719 より涼しい場所で森林が再生します 171 00:13:23,803 --> 00:13:27,807 様々な樹種が 新たな環境に順応するのを 172 00:13:27,890 --> 00:13:30,226 クマが助けているのかも 173 00:13:31,894 --> 00:13:37,107 クマは雲霧林の 存続の鍵かもしれません 174 00:13:38,901 --> 00:13:40,986 雲霧林から水は流れ 175 00:13:41,987 --> 00:13:43,864 アンデス山脈を下り 176 00:13:44,448 --> 00:13:46,075 源流へ 177 00:13:47,368 --> 00:13:49,118 そこで目に見える形に 姿を変え始めます 178 00:13:49,119 --> 00:13:53,207 プエルト・ナリーニョ 179 00:13:56,710 --> 00:13:58,838 1つだけでなく 180 00:13:58,921 --> 00:14:04,093 無数の小川が 巨大なアマゾン川に流れ込む 181 00:14:08,138 --> 00:14:14,436 その水量は地球上の全淡水量の20% 182 00:14:15,771 --> 00:14:19,108 アマゾン川は地球の心臓だ 183 00:14:21,110 --> 00:14:23,821 すべての川はその血管なんだ 184 00:14:34,331 --> 00:14:40,004 ある生き物にとっては この水系全体が我が家です 185 00:14:40,796 --> 00:14:43,048 イルカに国境はなく 186 00:14:43,132 --> 00:14:46,093 自由に動き回るんだ 187 00:14:50,180 --> 00:14:52,099 フェルナンドも 188 00:14:52,182 --> 00:14:56,395 イルカに人生を捧げるため コロンビアに移住 189 00:14:56,478 --> 00:14:59,940 最初は熟練した目を持ってなくて 190 00:15:00,024 --> 00:15:02,735 イルカを見つけられなかった 191 00:15:03,944 --> 00:15:07,615 海洋生物学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 フェルナンド・トルヒーヨ 川が生命に満ちてると 気づけなかった 192 00:15:08,949 --> 00:15:13,495 川を理解し始めるまで しばらくかかったよ 193 00:15:14,914 --> 00:15:19,168 35年を経た今 彼のビジョンは明確です 194 00:15:20,753 --> 00:15:24,798 生態系を保つため イルカを保護しています 195 00:15:25,591 --> 00:15:28,177 イルカは水中のジャガー 196 00:15:28,260 --> 00:15:30,346 最強の捕食者だ 197 00:15:30,429 --> 00:15:35,351 川の本流や湖や浸水林 どこでも泳ぎ回る 198 00:15:37,269 --> 00:15:40,439 生態系の均衡は脅かされており 199 00:15:40,522 --> 00:15:46,028 アマゾンカワイルカの個体数は 記録的に減少しています 200 00:15:47,071 --> 00:15:48,489 森林破壊や 201 00:15:49,156 --> 00:15:52,201 火災や汚染が起きている 202 00:15:52,868 --> 00:15:55,788 干ばつも起きています 203 00:15:56,747 --> 00:16:01,460 〈アマゾンの湖で7日間に 100頭以上 イルカが死亡〉 204 00:16:01,543 --> 00:16:07,091 〈干ばつと水温上昇が 原因と見られています〉 205 00:16:09,051 --> 00:16:13,222 2023年に 史上最悪の干ばつが発生 206 00:16:14,848 --> 00:16:20,229 水位の低下により 太陽熱で水温が急上昇しました 207 00:16:21,188 --> 00:16:24,733 こんな現象は初めてだった 208 00:16:24,817 --> 00:16:28,529 大量のイルカが急死するなんて 209 00:16:30,406 --> 00:16:34,034 たった1日で70頭ものイルカと 210 00:16:34,118 --> 00:16:36,078 大量の魚が死んだ 211 00:16:42,960 --> 00:16:48,340 フェルナンドは地元チームと イルカの保護に努めています 212 00:16:49,883 --> 00:16:54,471 タグを付けて 食事や子育ての場を特定し 213 00:16:54,555 --> 00:16:56,932 保護を拡充します 214 00:16:57,016 --> 00:16:59,643 イルカ自身に教えてもらう 215 00:17:06,525 --> 00:17:07,943 進め! 216 00:17:09,361 --> 00:17:10,738 行け 左だ 217 00:17:14,783 --> 00:17:19,997 〈イルカの捕獲は 魚を捕る時より素早さがいる〉 218 00:17:20,581 --> 00:17:22,458 〈網を広げると 魚は飛び込んでくるが〉 219 00:17:22,459 --> 00:17:23,541 漁師 ホセ・ランヘル 220 00:17:23,542 --> 00:17:25,961 〈イルカは囲まないと いけない〉 221 00:17:32,718 --> 00:17:34,261 3頭 捕まえた 222 00:17:34,344 --> 00:17:36,138 網の中にいる 223 00:17:53,989 --> 00:17:59,119 〈イルカのそばにいると 心が満たされます〉 224 00:17:59,745 --> 00:18:02,331 獣医&ナショナル ジオグラフィック探検家 マリア・ヒメナ・ ヴァルデラマ 〈私の生きがいみたい〉 225 00:18:03,749 --> 00:18:07,795 獣医のマリア・ ヒメナ・ヴァルデラマが 226 00:18:07,878 --> 00:18:09,963 健康状態を調べます 227 00:18:20,224 --> 00:18:23,227 〈静かにして 妊娠中のメスよ〉 228 00:18:23,310 --> 00:18:25,187 〈優しく扱って〉 229 00:18:25,896 --> 00:18:27,648 乱暴な方法ではある 230 00:18:27,731 --> 00:18:31,026 水生生物を陸に上げるのだから 231 00:18:32,486 --> 00:18:38,075 〈イルカの心拍数と呼吸数を 測っています〉 232 00:18:38,158 --> 00:18:39,326 〈呼吸!〉 233 00:18:39,409 --> 00:18:43,622 〈ストレスを受けていると 判断したら〉 234 00:18:43,705 --> 00:18:45,999 〈川に戻します〉 235 00:18:46,083 --> 00:18:50,129 〈イルカの幸せが最優先ですから〉 236 00:18:50,921 --> 00:18:54,258 大型のメスだ 2.2メートルある 237 00:18:54,341 --> 00:18:56,218 妊娠してる 238 00:18:56,301 --> 00:19:01,431 イルカが子を産めるのは 4~5年に1度 239 00:19:01,515 --> 00:19:03,767 妊娠期間は13ヵ月 240 00:19:03,851 --> 00:19:09,148 つまり一生の間に産めるのは 4~5頭だ 241 00:19:09,231 --> 00:19:13,110 だから保護がとても重要だ 242 00:19:13,193 --> 00:19:15,028 どんな動物もね 243 00:19:17,281 --> 00:19:21,076 〈血液と組織を採取してから〉 244 00:19:21,952 --> 00:19:24,288 〈素早くタグを付けます〉 245 00:19:25,247 --> 00:19:27,291 〈発信機を付ける間〉 246 00:19:27,374 --> 00:19:31,670 〈麻酔を使って 痛みを感じないようにします〉 247 00:19:35,549 --> 00:19:38,302 タグはとても役立ってる 248 00:19:38,802 --> 00:19:44,474 イルカ保護のために 重視すべきエリアが把握できる 249 00:19:54,193 --> 00:19:58,280 彼はオスの行動域が 広いことを発見 250 00:19:58,363 --> 00:20:02,075 オスは別の群れのメスを捜しにいく 251 00:20:03,160 --> 00:20:07,623 一方でメスはいつも 食事に困らない場所にいます 252 00:20:10,834 --> 00:20:14,463 そのため人と衝突するのです 253 00:20:15,547 --> 00:20:17,132 よく漁師が言う 254 00:20:17,216 --> 00:20:20,385 “イルカが魚を盗んでる〟 255 00:20:20,469 --> 00:20:23,764 “網から魚を奪うんだ〟と 256 00:20:24,514 --> 00:20:26,015 イルカは漁をタダ飯だと覚えたんだ 257 00:20:26,016 --> 00:20:28,894 ナショナル ジオグラフィック 写真家&探検家 トマス・ペシャック 258 00:20:31,355 --> 00:20:34,858 海洋生物学者で写真家のトマスが 259 00:20:34,942 --> 00:20:37,694 ネグロ川近くの探検に参加 260 00:20:37,778 --> 00:20:41,990 イルカの視点から行動を探ります 261 00:20:45,244 --> 00:20:49,039 人間との接触はイルカの死亡や 262 00:20:49,915 --> 00:20:53,585 漁師の網の破損につながる 263 00:20:54,294 --> 00:20:57,005 しかし解決策はあります 264 00:20:57,089 --> 00:21:01,426 ピンガーという超音波発生装置だ 265 00:21:01,510 --> 00:21:05,806 網の上で音を出し イルカを遠ざける 266 00:21:05,889 --> 00:21:08,642 海では活用されていますが 267 00:21:08,725 --> 00:21:11,561 アマゾン川では初の試みです 268 00:21:11,645 --> 00:21:15,315 マリアナと初めて ここで試す 269 00:21:16,441 --> 00:21:19,151 アカジャトゥバ湖の住民と 協力して 270 00:21:19,152 --> 00:21:22,031 生態学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 マリアナ・フリアス 271 00:21:22,032 --> 00:21:24,241 漁師2人にも 実験を手伝ってもらいます 272 00:21:25,367 --> 00:21:30,747 イルカが網の魚を捕る動機が 分かるでしょう 273 00:21:32,958 --> 00:21:35,711 音に気づいて退散します 274 00:21:40,090 --> 00:21:42,551 その直後 再チャレンジ 275 00:21:45,595 --> 00:21:48,265 粘って魚を奪いました 276 00:21:50,475 --> 00:21:52,394 ピンガーは効果なし 277 00:21:52,477 --> 00:21:56,023 ここのイルカは 人に慣れているようです 278 00:21:56,106 --> 00:21:57,983 実験は続きます 279 00:21:58,900 --> 00:22:00,944 効果が出れば 280 00:22:01,028 --> 00:22:04,906 イルカと人 双方のためになります 281 00:22:05,824 --> 00:22:08,035 魚の奪い方が分かれば 282 00:22:08,118 --> 00:22:12,164 ピンガーをより有効に使い 阻止できる 283 00:22:13,665 --> 00:22:17,919 写真家としての トマスの究極の目標は 284 00:22:18,003 --> 00:22:22,466 アマゾン川の全生物を守る機運を 高めることです 285 00:22:24,718 --> 00:22:30,599 人とイルカをつなぐためには 美しい水中写真が必要だ 286 00:22:33,268 --> 00:22:35,979 イルカと泳ぐのは神秘的だ 287 00:22:36,730 --> 00:22:40,150 すごくシャイな子もいれば 288 00:22:40,233 --> 00:22:42,778 大胆な子もいる 289 00:22:44,029 --> 00:22:45,655 好奇心が強いのも 290 00:23:33,328 --> 00:23:38,083 ナショナル ジオグラフィック協会と ロレックスが共同提供 291 00:23:38,667 --> 00:23:41,420 毎年 雨期になると 292 00:23:41,962 --> 00:23:45,674 アマゾン全域で 不思議な現象が起こります 293 00:23:46,842 --> 00:23:51,179 川の氾濫はんらんで森林が水没するのです 294 00:23:53,098 --> 00:23:58,645 水は川岸から最大20キロ進み 水深が約15メートルに 295 00:23:59,271 --> 00:24:04,025 鼓動のようなパルスによって すべてが進化してきた 296 00:24:04,109 --> 00:24:05,402 森林も 297 00:24:06,945 --> 00:24:08,447 動物も 298 00:24:11,658 --> 00:24:13,285 地元住民も 299 00:24:13,368 --> 00:24:14,452 洪水と乾燥のパルスに 合わせて生きている 300 00:24:14,453 --> 00:24:17,414 デジタル生態学者& ナショナル ジオグラフィック探検家 チアゴ・シウバ 301 00:24:19,499 --> 00:24:21,460 カワイルカもです 302 00:24:23,253 --> 00:24:29,926 柔軟なヒレと分離した椎骨ついこつが 魔法のような力を与えます 303 00:24:32,345 --> 00:24:36,016 文字どおり木々の間を飛べるんだ 304 00:24:36,099 --> 00:24:37,184 すごいよ 305 00:24:38,685 --> 00:24:42,314 イルカは木のおかげで 魚を食べられます 306 00:24:43,815 --> 00:24:48,737 洪水時に魚が 枝の果実や種に近づくのです 307 00:24:49,946 --> 00:24:53,283 生態系間には常につながりが存在し 308 00:24:53,366 --> 00:24:56,786 種の多様性の維持に役立っている 309 00:24:58,622 --> 00:25:00,415 しかし この先は? 310 00:25:03,460 --> 00:25:06,880 森林破壊や 温暖化などの脅威により 311 00:25:06,963 --> 00:25:10,634 アマゾンの雨を生む力が 破壊されれば 312 00:25:10,717 --> 00:25:15,805 洪水パルスも含めた 生態系全体が反応します 313 00:25:16,723 --> 00:25:20,393 少しでも水の供給量が変われば 314 00:25:20,477 --> 00:25:23,021 生態系は適応できず 315 00:25:23,104 --> 00:25:25,357 違う動きをし始める 316 00:25:25,607 --> 00:25:28,443 ブラジル 317 00:25:28,527 --> 00:25:31,071 樹木の反応を探るため 318 00:25:31,154 --> 00:25:33,697 チアゴ・シウバがブラジルの 森林に向かいます 319 00:25:33,698 --> 00:25:36,952 マミラウア 持続可能な開発保護区 320 00:25:38,870 --> 00:25:43,917 何ヵ月も続く洪水に 木が対処する方法と 321 00:25:44,876 --> 00:25:49,589 気候変動が湿地帯に 与える影響を調べに来た 322 00:25:53,718 --> 00:25:56,972 木の生理学的な特性は不明で 323 00:25:54,636 --> 00:25:56,972 生態学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 ジュリア・タヴァレス 324 00:25:57,722 --> 00:26:00,475 洪水に対処する仕組みも謎です 325 00:26:01,893 --> 00:26:07,315 植物が休む真夜中に サンプルを集めます 326 00:26:07,399 --> 00:26:12,028 枝全体が日光にさらされる場所で 327 00:26:12,112 --> 00:26:16,825 日光を存分に浴びた枝を 採るのが狙いです 328 00:26:17,742 --> 00:26:20,161 かなり高くまで登って 329 00:26:20,245 --> 00:26:22,747 大きな枝を採ってこなくちゃ 330 00:26:22,831 --> 00:26:25,125 かなりの冒険です 331 00:26:26,585 --> 00:26:29,963 ジュリアは樹木の特性を調べ 332 00:26:30,046 --> 00:26:35,969 湿気や乾燥に対する 樹木の反応を突き止めます 333 00:26:40,682 --> 00:26:45,478 チアゴは最先端技術で 全体像を捉えます 334 00:26:48,273 --> 00:26:52,277 植物の魅力は 生態系を維持する仕組みを 335 00:26:52,360 --> 00:26:54,821 うまく稼働させていること 336 00:26:57,198 --> 00:27:00,660 動物は大抵の場合 役者だけど 337 00:27:00,744 --> 00:27:03,079 植物は裏方だ 338 00:27:04,080 --> 00:27:09,711 チアゴは初めて その裏方を 世界に披露しようとしています 339 00:27:09,794 --> 00:27:15,425 LiDARライダーを用いて 3Dの360度画像を作ります 340 00:27:15,508 --> 00:27:17,719 植物に技術を備えたい 341 00:27:19,304 --> 00:27:21,556 地上型レーザースキャナー 342 00:27:21,640 --> 00:27:25,935 円すい状にレーザー光が出る 343 00:27:26,019 --> 00:27:28,813 回転ヘッドの周りからね 344 00:27:30,523 --> 00:27:32,192 ドローンを飛ばし 345 00:27:32,275 --> 00:27:35,403 上空から3Dモデルを得る 346 00:27:42,952 --> 00:27:46,414 誰もが森の中に入れるような 347 00:27:46,498 --> 00:27:49,292 仮想環境を作り出したい 348 00:27:50,794 --> 00:27:52,963 ドローンによる LiDARデータ 349 00:27:52,964 --> 00:27:54,047 水位の上昇を目撃し 350 00:27:54,130 --> 00:27:59,969 森が10メートルの水に 浸る様子を体感できる 351 00:28:00,053 --> 00:28:03,972 地上からの LiDARデータ 352 00:28:03,973 --> 00:28:08,520 チアゴたちの活動が 手がかりとなり 353 00:28:08,603 --> 00:28:14,776 生き残れない樹木や 生物への影響が予測できるでしょう 354 00:28:18,905 --> 00:28:21,157 洪水の影響を把握し 355 00:28:21,241 --> 00:28:23,702 備えられるようにしたい 356 00:28:24,953 --> 00:28:27,038 森林がもたらす恵みを 357 00:28:27,122 --> 00:28:29,249 失うことのないように 358 00:28:31,251 --> 00:28:34,254 動物の他に森林を頼っているのは 359 00:28:34,337 --> 00:28:37,757 アマゾン全域の4000万の人々です 360 00:28:37,841 --> 00:28:41,553 人口の大半が川のそばに暮らす 361 00:28:41,636 --> 00:28:44,222 川を利用して移動し 362 00:28:45,181 --> 00:28:46,891 森で魚を捕獲 363 00:28:48,143 --> 00:28:49,769 木材も利用する 364 00:28:50,937 --> 00:28:54,441 皆 アマゾンを頼りに生きてる 365 00:28:54,524 --> 00:28:59,195 そこに住む人々こそが アマゾンを守る鍵です 366 00:29:06,578 --> 00:29:09,622 〈川は我々の生活の糧ですが〉 367 00:29:09,706 --> 00:29:12,917 〈もし川がなければ〉 368 00:29:13,001 --> 00:29:16,963 〈人類の大半は 存在しなかったでしょう〉 369 00:29:20,842 --> 00:29:22,927 川の経済圏を守るため 370 00:29:23,011 --> 00:29:28,391 別の探検家チームが アマゾン川の支流ジュルア川へ 371 00:29:28,475 --> 00:29:31,770 地元住民と連携します 372 00:29:33,563 --> 00:29:39,235 〈森と人との関係は補完的です〉 373 00:29:39,319 --> 00:29:40,527 〈人々は森に住むだけでなく その一部です〉 374 00:29:40,528 --> 00:29:43,490 生物学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 アンドレッサ・スカビン 375 00:29:48,745 --> 00:29:51,247 〈計画の最終目的は〉 376 00:29:51,331 --> 00:29:56,127 〈種の多様性の保護と 人々の幸せを〉 377 00:29:56,211 --> 00:30:00,673 〈両立する方法を見つけることだ〉 生物学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 ジョアン・ カンポス=シルバ 378 00:30:04,302 --> 00:30:06,429 チームは地元住民と協力 379 00:30:06,513 --> 00:30:09,015 オオヨコクビガメの保護と 380 00:30:10,642 --> 00:30:13,645 アラパイマの増加を目指します 381 00:30:15,688 --> 00:30:17,857 別名はピラルクー 382 00:30:18,733 --> 00:30:22,737 どちらも地元の重要な食料ですが 383 00:30:22,821 --> 00:30:25,615 高値で取引されます 384 00:30:26,324 --> 00:30:29,953 〈どちらも乱獲されたせいで〉 385 00:30:30,036 --> 00:30:32,539 〈個体数が大幅に減った〉 386 00:30:33,873 --> 00:30:36,584 ピラルクーはアマゾンのスターだ 387 00:30:36,668 --> 00:30:38,628 僕よりデカくて重い 388 00:30:38,629 --> 00:30:40,088 生物学者 ウーゴ・コスタ 389 00:30:41,297 --> 00:30:44,843 世界最大の淡水魚だよ 390 00:30:46,719 --> 00:30:51,516 90年代後半には ピラルクーは絶滅寸前に 391 00:30:54,519 --> 00:30:57,063 そこで研究者と地元漁師が 392 00:30:57,146 --> 00:31:02,360 割当方式に基づく 持続可能な漁業計画を立てました 393 00:31:03,319 --> 00:31:04,611 〈ピラルクーの 水域環境の保護は〉 394 00:31:04,612 --> 00:31:07,364 漁師 ホセ・アルベス・ デ・モラエス 395 00:31:07,365 --> 00:31:09,784 〈口座管理に似てる〉 396 00:31:10,660 --> 00:31:14,789 ジョアンたちは ここ15年 漁業計画実行の 397 00:31:14,873 --> 00:31:17,584 手助けをしています 398 00:31:17,667 --> 00:31:22,964 〈彼らがいなければ 今の暮らしはなかったかも〉 399 00:31:23,965 --> 00:31:26,342 計画は大成功を収め 400 00:31:26,426 --> 00:31:31,598 ピラルクーの個体数は 600%も増加しました 401 00:31:32,640 --> 00:31:36,561 〈ピラルクーを “変化の魚〟と呼んでます〉 402 00:31:36,644 --> 00:31:40,773 〈地域に社会的 経済的な 変化をもたらしたから〉 403 00:31:43,026 --> 00:31:47,113 今 その成功から 更に歩みを進めています 404 00:31:48,573 --> 00:31:51,576 ピラルクーにGPSを付けるのは 405 00:31:51,659 --> 00:31:57,457 初の試みだったから とても難しい作業だった 406 00:31:57,540 --> 00:32:02,962 地元の漁師と協力したからこそ 実現できた 407 00:32:03,046 --> 00:32:08,593 彼らには魚に関する 長年の知識がある 408 00:32:08,676 --> 00:32:12,680 〈装置を付ける場所を 考えるのにも〉 409 00:32:12,764 --> 00:32:15,975 〈彼らの知識が欠かせない〉 410 00:32:17,435 --> 00:32:20,647 生息域のリアルタイムデータが 411 00:32:20,730 --> 00:32:25,360 更なる保護や 個体数の増加につながるでしょう 412 00:32:31,115 --> 00:32:33,618 〈割当量が増えれば〉 413 00:32:33,701 --> 00:32:37,830 〈ピラルクーを扱う人々の 収入も増えます〉 414 00:32:48,216 --> 00:32:50,051 ジュルア川の下流で 415 00:32:50,677 --> 00:32:54,222 ジョアンとアンドレッサが 住民と協力し 416 00:32:54,305 --> 00:32:58,893 アマゾンを象徴する生物を 守る闘いに挑みます 417 00:32:59,769 --> 00:33:03,523 〈懐中電灯と銃を手に〉 418 00:33:03,606 --> 00:33:06,859 〈夜の岸辺を見回っています〉 419 00:33:06,943 --> 00:33:09,821 〈息子と交代で6時間ずつ〉 420 00:33:12,991 --> 00:33:18,788 〈監視しないと 必ず密猟者が姿を現します〉 421 00:33:21,791 --> 00:33:26,587 毎年 カメのメスが 川岸で巣作りをします 422 00:33:28,756 --> 00:33:32,343 産卵中はトランス状態になり 423 00:33:32,427 --> 00:33:36,305 卵も母ガメも無防備になるのです 424 00:33:37,348 --> 00:33:44,105 絶滅の危険がある一方 カメと卵は需要の高いごちそうです 425 00:33:44,188 --> 00:33:46,295 〈カラウアリでは 大きいカメ1匹に〉 426 00:33:46,296 --> 00:33:49,235 監視員 フランシスコ・ “ボンバ〟・メンデス・ ダ・シルバ 427 00:33:49,236 --> 00:33:50,820 〈400~500レアルの 値が付きます〉 428 00:33:50,903 --> 00:33:53,948 〈だから岸辺で監視します〉 429 00:33:54,032 --> 00:33:55,616 〈何日もね〉 430 00:33:57,160 --> 00:33:59,370 密猟者は容赦がなく 431 00:33:59,454 --> 00:34:04,792 監視のない岸辺の巣の 99%を破壊します 432 00:34:04,876 --> 00:34:10,673 〈監視のない岸辺で卵を産む カメのほとんどは〉 433 00:34:10,757 --> 00:34:14,552 〈人間に巣を壊されているんだ〉 434 00:34:17,180 --> 00:34:19,098 30年近く 435 00:34:19,182 --> 00:34:23,227 ボンバはカメの産卵地の向かいに 家族と暮らし 436 00:34:23,311 --> 00:34:25,855 岸辺を守っています 437 00:34:25,938 --> 00:34:29,984 〈こういう監視をしなければ〉 438 00:34:30,068 --> 00:34:35,406 〈今10代の子供たちが カメを見ることはないでしょう〉 439 00:34:39,577 --> 00:34:42,914 〈ボンバは初期の監視員の1人で〉 440 00:34:42,997 --> 00:34:45,374 〈今や岸辺を守る人々の〉 441 00:34:45,458 --> 00:34:47,585 〈心強い代表です〉 442 00:34:50,046 --> 00:34:53,298 〈毎年 世話をする父に 影響を受けて〉 443 00:34:53,299 --> 00:34:56,094 監視員 ジョアン・ペドロ・ フレイタス・ダ・シルバ 444 00:34:54,342 --> 00:34:56,094 〈監視を続けてる〉 445 00:34:58,763 --> 00:35:01,390 〈2人は夜に見回ります〉 446 00:35:04,936 --> 00:35:09,023 〈私は朝6時か 7時頃になってから〉 447 00:35:09,107 --> 00:35:12,235 監視員 フランチスカ・“チカ〟・ ドス・サントス・ デ・フレイタス 〈岸辺の様子を見に行きます〉 448 00:35:14,862 --> 00:35:18,950 チカは努力の成果を 実感しています 449 00:35:20,701 --> 00:35:25,998 監視されている岸辺では 密猟率が2%に減少したのです 450 00:35:26,082 --> 00:35:29,836 〈カメの数が増加して 本当にうれしい〉 451 00:35:38,553 --> 00:35:39,971 〈ボンバ 元気?〉 452 00:35:40,054 --> 00:35:41,347 〈ああ〉 453 00:35:41,430 --> 00:35:46,227 しかし漁師と違い 監視員は利益を得ません 454 00:35:46,769 --> 00:35:50,231 計画を続けるには助けが必要です 455 00:35:50,314 --> 00:35:52,108 〈目下の問題は〉 456 00:35:52,191 --> 00:35:55,653 〈監視員に十分な報酬が 払えないこと〉 457 00:35:55,736 --> 00:35:58,823 報酬は月々 カゴ1つ分の食料 458 00:35:58,906 --> 00:36:02,952 産卵から孵化ふかまで 働いた月のみです 459 00:36:03,035 --> 00:36:05,496 〈一度 考えてみないと〉 460 00:36:05,580 --> 00:36:10,084 〈正直 この報酬では 食料や靴も買えません〉 461 00:36:10,918 --> 00:36:14,338 頼みの綱は資金集めです 462 00:36:14,422 --> 00:36:17,758 〈目標の1つは十分な資金を集め〉 463 00:36:17,842 --> 00:36:23,139 〈岸辺の保護計画を 無期限に延長することです〉 464 00:36:31,189 --> 00:36:33,316 〈私たちが離れれば〉 465 00:36:33,399 --> 00:36:37,195 〈密猟者に破壊し尽くされます〉 466 00:36:38,988 --> 00:36:41,240 〈だから闘うんです〉 467 00:36:46,495 --> 00:36:50,041 アマゾンの保全は 全人類に影響を与えます 468 00:36:51,792 --> 00:36:55,713 森林が炭素を大量に蓄え 469 00:36:56,297 --> 00:36:58,674 地球全体を保護します 470 00:36:59,508 --> 00:37:03,095 どの樹木も役目があり 471 00:37:03,179 --> 00:37:06,265 大気から二酸化炭素を取り込む 472 00:37:06,349 --> 00:37:09,644 アンジェロはその量を確かめるため 473 00:37:09,727 --> 00:37:11,687 河口へ向かいます 474 00:37:11,771 --> 00:37:15,858 氷河から運ばれた水が 大西洋に流れ込む所です 475 00:37:15,942 --> 00:37:20,613 その量は競技用のプールで 毎秒84杯分 476 00:37:21,989 --> 00:37:23,991 きっとすごいぞ 477 00:37:25,117 --> 00:37:30,206 ここには類を見ない 海岸林が存在します 478 00:37:36,921 --> 00:37:39,048 マングローブの混合林だ 479 00:37:39,131 --> 00:37:42,260 中を見るのが楽しみだね 480 00:37:42,343 --> 00:37:43,386 行こう 481 00:37:46,055 --> 00:37:49,892 アマゾンのマングローブを 初めて調査します 482 00:37:51,519 --> 00:37:54,605 海洋生態学者&ナショナル ジオグラフィック探検家 アンジェロ・ ベルナルディーノ マングローブ林は重要だ 483 00:37:55,356 --> 00:37:59,652 沿岸を守り 生き物の命のゆりかごでもある 484 00:38:00,319 --> 00:38:04,323 マングローブは通常 海水か汽水で育ちますが 485 00:38:04,991 --> 00:38:06,242 ここは例外 486 00:38:06,951 --> 00:38:10,663 ここの海の塩分濃度を測ったら 487 00:38:10,746 --> 00:38:13,749 0%だった 淡水だよ 488 00:38:15,334 --> 00:38:18,045 淡水に適応しているのです 489 00:38:19,505 --> 00:38:24,635 アマゾン沿岸では 見たことがない珍しい林かも 490 00:38:25,344 --> 00:38:26,846 いいぞ 491 00:38:31,976 --> 00:38:37,231 サンプルを採って 土壌の炭素量を調べます 492 00:38:37,315 --> 00:38:38,649 どう? 493 00:38:38,733 --> 00:38:42,403 約400年前の土砂が蓄積してる 494 00:38:42,486 --> 00:38:43,529 いいね 495 00:38:44,530 --> 00:38:47,700 回し続けるのが大事だ 496 00:38:48,326 --> 00:38:50,453 うまく採れるといいが 497 00:38:50,536 --> 00:38:52,580 見て すごいぞ 498 00:38:53,539 --> 00:38:55,458 2メートル採れた 499 00:38:55,541 --> 00:38:56,959 驚きだよ 500 00:38:57,043 --> 00:39:01,505 地下2メートルにも 多くの炭素が含まれてる 501 00:39:01,589 --> 00:39:04,759 数千年前の葉っぱも見える 502 00:39:04,842 --> 00:39:07,011 土に保存されてたんだ 503 00:39:08,554 --> 00:39:13,726 アマゾンの雨林は炭素を 約1200億トン貯蔵しますが 504 00:39:14,477 --> 00:39:18,481 マングローブ林は それを上回ると判明 505 00:39:19,523 --> 00:39:22,526 マングローブ林の炭素貯蔵量は 506 00:39:22,610 --> 00:39:26,072 同じエリアの森林の量の3~4倍 507 00:39:28,032 --> 00:39:32,328 マングローブ林の生来の機能で 508 00:39:32,411 --> 00:39:34,372 気候変動を緩和できる 509 00:39:34,955 --> 00:39:38,626 存在自体が生命を支えているんだ 510 00:39:40,961 --> 00:39:44,632 アマゾンの影響は この地にとどまりません 511 00:39:46,675 --> 00:39:48,928 アマゾン川自体も… 512 00:39:49,011 --> 00:39:50,470 大西洋 513 00:39:50,471 --> 00:39:53,182 アマゾン川から海へ流れる—... 514 00:39:53,265 --> 00:39:59,355 淡水のプルームと堆積物が カリブ海諸島まで達するのです 515 00:40:00,564 --> 00:40:06,695 アマゾン川の淡水が プエルトリコの北でも検出できる 516 00:40:09,490 --> 00:40:13,494 その淡水が栄養分を運びますが 517 00:40:13,577 --> 00:40:18,124 海洋生態系への影響は まだよく分かっていません 518 00:40:18,791 --> 00:40:21,293 ここはカリブ海のトバゴ 519 00:40:21,836 --> 00:40:25,214 トマスとアンジェロが 直接 確かめます 520 00:40:25,297 --> 00:40:26,632 行けるか? 521 00:40:34,974 --> 00:40:37,184 ここの海洋生物の多くは 522 00:40:37,268 --> 00:40:43,482 アマゾン川のプルームが 運ぶ栄養分を頼っているのかも 523 00:40:46,360 --> 00:40:49,947 それが異質な海洋生態系を作る 524 00:40:50,030 --> 00:40:53,617 岩礁が海綿に覆われてる 525 00:40:54,285 --> 00:40:57,913 青い海綿もある 初めて見た 526 00:40:57,997 --> 00:41:01,876 実は海綿には独特の役割がある 527 00:41:01,959 --> 00:41:06,839 アマゾン川がカリブ海に もたらす資源を取り込み 528 00:41:06,922 --> 00:41:13,637 食物連鎖の中で 他の生物が 利用できる化合物に変化させるんだ 529 00:41:14,722 --> 00:41:18,392 プルームの影響を理解するのは 530 00:41:18,476 --> 00:41:19,852 まだこれからだ 531 00:41:22,313 --> 00:41:25,649 アマゾンについて明らかなのは 532 00:41:25,733 --> 00:41:27,693 広大なつながりです 533 00:41:27,818 --> 00:41:30,404 カリブ海の海綿から 534 00:41:30,488 --> 00:41:34,825 アンデス山脈の氷に至るまで 535 00:41:41,207 --> 00:41:42,416 これでいい 536 00:41:42,500 --> 00:41:45,377 よし 電源が入った 537 00:41:45,461 --> 00:41:46,670 充電中だ 538 00:41:46,754 --> 00:41:47,755 よくやった 539 00:41:47,838 --> 00:41:50,633 この観測所はペルーでも 540 00:41:50,716 --> 00:41:54,011 熱帯アンデスでも最も高所にある 541 00:41:54,094 --> 00:41:59,600 最終的には気候変化の 予測精度を向上させるだろう 542 00:41:59,683 --> 00:42:04,605 今後10年ほどで我々の下す決断が 543 00:42:04,688 --> 00:42:08,275 この先 数千年の地球の姿を決める 544 00:42:09,068 --> 00:42:11,779 今後数年の行動が重要だ 545 00:42:11,862 --> 00:42:15,074 この美しく素晴らしい地球を 546 00:42:15,157 --> 00:42:17,660 誰もが楽しめるように 547 00:42:18,827 --> 00:42:22,665 ルースメリーのカメラで 548 00:42:22,748 --> 00:42:26,627 メガネグマの 行動が明らかに 549 00:42:30,965 --> 00:42:35,052 アンジェロとチアゴは 湿地帯の地図を作成 550 00:42:35,135 --> 00:42:37,846 2割拡張した マングローブ林も加わった 551 00:42:37,930 --> 00:42:40,766 〈ボリビア ブラジル〉 552 00:42:40,849 --> 00:42:42,142 〈カンボジア コロンビア エクアドル〉 553 00:42:42,143 --> 00:42:43,686 フェルナンドは カワイルカの保護のため 554 00:42:43,687 --> 00:42:45,229 〈インド ネパール ベネズエラ〉 555 00:42:45,230 --> 00:42:46,522 画期的な国際協定を調停 556 00:42:46,605 --> 00:42:49,441 1 2 3 カワイルカ! 557 00:42:52,361 --> 00:42:55,573 ジョアンとアンドレッサは 地域主導の活動を支援 558 00:42:55,656 --> 00:42:58,951 77人の監視員を訓練した 559 00:42:59,034 --> 00:43:00,619 ボンバと彼の家族は 560 00:43:00,703 --> 00:43:02,288 100万匹以上の カメを救った 561 00:43:21,307 --> 00:43:25,644 〈アマゾンの保全や 天然資源の生かし方への〉 562 00:43:25,728 --> 00:43:28,188 〈答えはここにあります〉 563 00:43:29,356 --> 00:43:33,110 〈持ち込むのではなく ここで築くんです〉 564 00:43:33,611 --> 00:43:36,822 ナショナル ジオグラフィック協会と ロレックスによる 共同調査の記録 565 00:43:40,868 --> 00:43:45,331 科学だけでなく 解決策も重要だし 566 00:43:45,414 --> 00:43:50,336 地元の人々と協力し 希望を持つことも大事だ 567 00:44:02,348 --> 00:44:04,350 日本語字幕 松本 小夏